JP6231466B2 - ノイズキャンセラ装置 - Google Patents

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本発明は、音響機器及び電子機器のアース電位を安定させ、グランドノイズを除去するグランドスタビライザーなどのノイズキャンセラ装置に関する。
従来のノイズキャンセラ装置として、例えば特許文献1には、ファントム電源方式で電源供給を行なうコンデンサマイクロホンの出力コネクタに、外付けで装着されるノイズ除去装置が開示されている。このノイズ除去装置は、プリント基板の表面に形成したベタパターンによりコンデンサ成分を生成する一方で、プリント基板の両外側に設けた磁性体シートによりインダクタンス成分を生成するもので、外来の輻射ノイズを効果的に減衰させるフィルタとして機能することができる。
特開2012−60276号公報
上記特許文献1の技術は、ノイズ除去装置のフィルタ特性を利用して、信号ラインに重畳したノイズをグランドに落として、必要な信号成分だけを信号ラインに残すものである。しかし、ノイズ除去装置で分離されたノイズは、アースを経由して再び機器の信号ラインに重畳することから、持続的にアース電位を手軽に安定化させ、グランドノイズを除去する装置の開発が望まれていた。
そこで本発明は、アース電位を持続的に安定化させ、グランドノイズを効果的に除去できるノイズキャンセラ装置を提供することを目的とする。
請求項1の発明は、電極板を備えた半導体シートを金属箔で包んだシート組立体を、金属板の間に挟み込んで複数重ねた積層ユニットと、前記金属板に接続され、被接続機器のアース端子からの電気エネルギーを前記積層ユニットに導く接続部と、前記電極板と前記金属板との間に接続され、前記シート組立体からのノイズ成分の位相を回転させて、前記積層ユニットに戻す位相回転回路と、を備え、前記半導体シートは、電気エネルギーを熱エネルギーに変換して消費する材料で構成することを特徴とする。
請求項2の発明は、前記半導体シートが、振動エネルギーを電気エネルギーに変換し、その電気エネルギーを熱エネルギーに変換して消費する制振材料であることを特徴とする。
請求項1の発明では、被接続機器のアース端子から金属板を通してシート組立体への電流の流れが形成されるので、シート組立体に導かれた電気エネルギーを、半導体シートによって熱エネルギーに変換して効率的に消費することができる。また、金属箔となる銀箔47と銅箔48で包んだ半導体シートに電極板42を備えることで、アースよりノイズ電流を分離する検波用のダイオードが形成され、その分離したノイズ電流が位相回転回路を経て積層ユニットで打ち消されるので、被接続機器のアース電位を持続的に安定化させ、グランドノイズを効果的に除去することが可能になる。
請求項2の発明では、半導体シートとして、商品化されている各種の制振材料を利用して、被接続機器のアース電位を持続的且つ手軽に安定化させることが可能になる。
本発明の好ましい一実施形態におけるノイズキャンセラ装置について、その外観構成を示す斜視図である。 同上、内部構造を示す積層ユニットの平面図である。 同上、図2のA−A線断面図である。 同上、シート体を得るまでの手順を示す図である。 同上、シート体の両側に銀箔と銅箔を設けた状態の図である。 同上、シート体を銀箔と銅箔で包んだシート組立体を示す図である。 同上、積層体の主な構成要素を積層した状態を示す図である。 同上、下ケースに完成した積層体と回路ユニットを装着した状態を示す図である。 同上、積層体とアース端子とを接続した状態を示す図である。 同上、積層ユニットと位相回転回路との接続を含めた電気的構成を示す回路図である。 同上、音響機器のアース端子に接続した使用状態を示す説明図である。
以下、添付図面を参照して、本発明におけるノイズキャンセラ装置の好適な実施形態について説明する。
先ず図1において、ノイズキャンセラ装置の外観構成を説明すると、1は装置の外郭をなす筐体、2は筐体1の正面に設けた導電部材からなるアース端子で、本実施形態では3個のアース端子2A,2B,2Cを備えている。筐体1は扁平状で、正面から見てU字状に形成された上ケース4および下ケース5と、何れも長円形板状の前蓋6と後蓋7とにより構成される。そして、上ケース4と下ケース5の左右端部を突き合わせて係合することで、前後を開口した中空の筒状体が形成され、この筒状体の前部開口を塞ぐように、アース端子2の端子台となる前蓋6を設ける一方で、筒状体の後部開口を塞ぐように、前蓋6に対向して別な後蓋7を設けることで、筐体1に密閉した内部空間8が形成される。なお、装置の外観形状や、アース端子2の個数などは、図1に示すものに限定されない。
次に、図2と図3を参照しながら、ノイズキャンセラ装置の内部構成を説明する。これらの各図において、11は筐体1の内部空間8に設けられる積層ユニットである。積層ユニット11は、正面から見て略矩形状の積層体12と、この積層体12の一側に設けられ、前記アース端子2に接続するアース配線体13とにより構成される。本実施形態では、各アース端子2A,2B,2Cに対応して、3個のアース配線体13A,13B,13Cが並設されるが、この個数も特に限定されない。
積層体12は、積層された複数のシート組立体21の間に、銀板および銅板などの第1金属板22を挟み込んだ矩形平板状のアースエレメント23と、アースエレメント23の一側平面と他側平面にそれぞれ配置される矩形平板状でアルミニウム製の第2金属板24と、を主な構成要素とする。また積層体12には、2枚の第2金属板24の間にアースエレメント23を狭着させるために、第2金属板24の四隅に4個の締結部材25が設けられる他に、第2金属板24の略中央にアースエレメント23との導通を図る接続端子26が設けられる。シート組立体21は、複数の第1金属板22の間に挟まれて加圧される第1シート組立体21Aと、外側の第1金属板22と第2金属板24との間に挟まれて加圧される第2シート組立体21Bの2種類で構成され、第1シート組立体21Aと第1金属板22は、アース配線体13の取付けを可能にする取付け部27が延設される一方で、第2シート組立体21Bと第2金属板24は、そうした取付け部27を設けない構成となっている。
アース配線体13は、取付け部27に設けられる接続端子31と、前述のアース端子2と接続端子31との間に設けられる圧着端子付きのケーブル32と、により構成される。接続端子26,31やシート組立体21の外郭部材は、何れも金属などの導体であり、ケーブル32をアース端子2と接続端子31との間に連結することで、アース端子2とシート組立体21との間の電気的な接続が図られる。
図4〜図9は、ノイズキャンセラ装置の組立工程を順に示したものである。これらの各図に基づいて、ノイズキャンセラ装置の構成をより詳しく説明する。
図4は、アースエレメント23の構成部材として、リード線41の一端を接続した銅製の電極板42と、第1制振シート43と、第2制振シート44が右側に示されている。また同図左側には、これらの各部材を組み立てた後のシート体45が示されており、ここでは第1制振シート43の一側表面に載せた電極板42が、別な第2制振シート44で覆い被されており、また締結部材25や接続端子26,31を取付けるための挿通孔46が開口形成されている。第1制振シート43は、平面視でアースエレメント23とほぼ同形状を有する一方で、第2制振シート44は平面視で第1制振シート43よりも小さく、電極板42よりも若干大きな形状に形成される。
半導体シートとなる第1制振シート43や第2制振シート44は、何れも音響機器や電子機器から発生する振動エネルギーを電気エネルギーに変換し、最終的に熱エネルギーに変換する制振材料が用いられる。この材料は、高分子内に導電性,圧電性,誘電性をもつ機能性材料を分散させた有機系の高分子ハイブリッド系制振材料であり、木曽業株式会社製の「PIEZONシート」という名前で既に商品化されている(詳しくは、例えば特開2013−228097号公報などを参照されたい)。本実施形態で第1制振シート43として選択使用されたのは、木曽業株式会社製の音質調整材fo.q 商品名「SH−21E」であり、第2制振シート44として選択使用されたのは、木曽業株式会社製の音質調整材fo.q 商品名「TA−32」である。
第1制振シート43を第2制振シート44に貼り合せて、電極板42を被包したシート体45が得られたら、図5に示すように、第2制振シート44を貼り合せていない第1制振シート43の一側面に銀箔47を載せ、その状態で第1制振シート43の他側面から、別な銅箔48で銀箔47付きのシート体45を包む。これにより図6に示すように、銀箔47と銅箔48でシート体45を被包したシート組立体21が得られる。
銀箔47は平面視で第1制振シート43とほぼ同形状を有するが、銅箔48は平面視で第1制振シート43よりも大きな形状を有し、そこから第1制振シート43とほぼ同形状に折り返される。これらの銀箔47や銅箔48は、導電性の良好な金属(例えば金など)部材であれば構わない。また、本実施形態のような異なる2種類の金属部材ではなく、1種類の金属部材だけでシート体45を包んでもよい。銅箔47や銅箔48などの金属箔をシート体45に包むことで、半導体シートである第1制振シート43や第2制振シート44と金属箔との接触により、シート組立体21を恰も整流ダイオードとして作用させることができる。
こうしたシート組立体21の製造により、取付け部27の有無で外形の異なる2種類の第1シート組立体21Aと第2シート組立体21Bとを用意する。次に図7に示すように、シート組立体21と、第1金属板22と、第2金属板24とを積層して、積層体12の組み立てを行なう。ここでは先ず、4枚の第1金属板22の間に3枚の第1シート組立体21Aをそれぞれ挟み込み、その両外平面に別な形状の第2シート組立体21Bをそれぞれ配置して、シート組立体21と第1金属板22とを積層したアースエレメント23を得る。そして、アースエレメント23の両外平面に、平面視で第2シート組立体21Bと同形状の第2金属板24を配置することで、積層体12の主な構成要素を積層する。第1金属板22や第2金属板24には、それぞれ挿通孔50,51が開口形成されているが、これは前記挿通孔46と同じ目的で、当該挿通孔46と重なり合う位置に設けられる。図7に示す状態から、積層体12に挿通孔46,50,51を介して締結部材25を取付けて、その主な構成要素を密着固定し、さらに接続端子26を取付けて、積層体12としての組み立てを完成させる。
上記アースエレメント23は、シート組立体21を5段積み重ねた構成となっているが、これは積層体12としての機能を高めるためのもので、段数については特に限定されない。また、積層体12の最外層をなす第2金属板24は、積層体12として振動を共振させないために、第1金属板22とは別な材料の異種金属とするのが好ましい。各々のシート組立体21は、第1金属板22を介して相互に導通が図られると共に、積層体12に接続端子26を取り付けることで、第1シート組立体21Aおよび第2シート組立体21Bと接続端子26との導通も図られる。
図8は、完成した積層体12を下ケース5に収容した状態を示している。ここではさらに、前述の接続端子26を利用して、第2金属板24の外平面にグランドノイズキャンセリング用の回路ユニット55が取付け固定される。回路ユニット55は、各シート組立体21から引き出されたリード線41と接続端子26との間に接続され、樹脂製のケーシング56の内部に位相回転回路57(図10を参照)を備えている。ここでは図示しないが、位相回転回路57はプリント基板に各種電子部品を実装して構成される。
図9は、完成した積層体12とアース端子2とを接続した状態を示している。ここでは前蓋6にアース端子2を取付けて、その前蓋6を下ケース5に装着し、積層体12の取付け部27において、挿通孔46,50を介して取付けられる接続端子31と、アース端子2の基端部との間を、ケーブル32で連結する。接続端子31を取付け部27に取付けることで、第1シート組立体21Aと接続端子31との導通が図られる。その後、下ケース5に別な後蓋7を装着し、積層体12とアース配線体13を含む積層ユニット11と、回路ユニット55とを覆うように、上ケース4を下ケース5に被せて装着することで、図1に示すノイズキャンセラ装置の外観が完成する。
図10は、積層ユニット11と位相回転回路57との接続を含めたノイズキャンセラ装置の電気的構成を示している。同図において、位相回転回路57は、コンデンサC1の他に抵抗R1,R2を備えた第1回路61と、コンデンサC2,C3の他に抵抗R3,R4を備えた第1回路62と、コンデンサC4,C5,C6の他に抵抗R5,R6を備えた第3回路63と、により構成される。
第1回路61は、コンデンサC1と抵抗R1とによる並列回路の一端に、一方の第2シート組立体21Bの電極板42から引き出されたリード線41を接続し、その並列回路の他端と接続端子26との間に、抵抗R2を接続して構成される。第2回路62は、直列接続したコンデンサC2,C3と抵抗R3とによる並列回路の一端に、各々の第1シート組立体21Aの電極板42から引き出されたリード線41を接続し、その並列回路の他端と接続端子26との間に、抵抗R4を接続して構成される。第3回路63は、直列接続したコンデンサC4,C5,C6と抵抗R5とによる並列回路の一端に、他方の第2シート組立体21Bの電極板42から引き出されたリード線41を接続し、その並列回路の他端と接続端子26との間に、抵抗R6を接続して構成される。
これにより第1回路61では、リード線41を通して流れ込んだノイズ成分の位相が、1個のコンデンサC1により90度回転し、抵抗R2からアースとなる接続端子31に戻される。また第2回路62では、リード線41を通して流れ込んだノイズ成分の位相が、2個のコンデンサC2,C3により180度回転(反転)し、抵抗R4からアースとなる接続端子31に戻される。さらに第3回路63では、リード線41を通して流れ込んだノイズ成分の位相が、3個のコンデンサC4,C5,C6により270度回転し、抵抗R6からアースとなる接続端子31に戻される構成となっている。
位相回転回路57の構成は、図10に示すものに限定されない。本実施形態では、3つの第1回路61〜第3回路63を組み合わせた構成としているが、第2回路62だけで構成した位相反転回路としてもよいし、コンデンサC1〜C6や抵抗R1〜R6などの受動素子の他に、各種の能動素子を組み込んだ回路構成としてもよい。
図11は、上記構成におけるノイズキャンセラ装置の使用状態を示しており、ここではアース端子2A,2B,2Cの何れか一つに、外部製品である音響機器Mのアース端子Eを接続して、ノイズキャンセラ装置を使用する。図11では、音響機器Mのアース端子Eが、導線Sを用いてアース端子2Cに接続されているが、他のアース端子2Aまたはアース端子2Bに接続してもよい。また、別の音響機器や電子機器のアース端子を、残りのアース端子2A,2Bに接続してもよい。
これにより、音響機器Mのアース端子Eから導線S,アース端子2,アース配線体13を順に経て、積層体12に流れ込んだノイズを含む信号成分は、アースエレメント23のアンテナとなる第1金属板22を通して各シート組立体21に伝わり、そこで半導体シート(第1制振シート43および第2制振シート44)による電気エネルギーから熱エネルギーへの変換作用によって、信号成分の電位変動が吸収消費される。それと共に、シート組立体21におけるダイオードの検波作用によって、半導体シートで減衰された信号成分の中からノイズ電流が分離され、回路ユニット55内の位相回転回路57に送り出される。
位相回転回路57では、第1回路61における1個のコンデンサC1が、一方の第2シート組立体21Bで分離されたノイズ電流の位相を90度回転させ、第2回路62における2個のコンデンサC2,C3が、各第1シート組立体21Aで分離されたノイズ電流の位相を180度回転させ、第3回路63におけるコンデンサC4,C5,C6が、他方の第2シート組立体21Bで分離されたノイズ電流の位相を270度回転させる。これらの位相回転されたノイズ電流は、抵抗R2,R4,R6を介して位相回転回路57から接続端子26に送り出され、第1金属板22を通して各シート組立体21に伝わることで、互いに打ち消される。こうして、本実施形態のノイズキャンセラ装置を音響機器Mに使用した場合は、アース端子Mに発生するグランドノイズを除去し、音響機器Mの雑音を小さくして音楽信号を明瞭に再生できる。また、音響機器M以外の電子機器であっても、グランドノイズの効果的な除去が期待できる。
本実施形態のノイズキャンセラ装置は、半導体シートとなる第1制振シート43および第2制振シート44を、銀箔47や銅箔48に包んで構成されたシート組立体21の間に、銀板や銅板による第1金属板22を挟み込んでアースエレメント23を形成することで、音響機器Mのアース端子Eに生じる電位変動を半導体シートに吸収し、これを熱エネルギーに変換消費して、アース電位の安定化を図るものである。つまり、電気伝導率の良い銀や銅の第1金属板22を使用することで、音響機器Mのアース端子Eからシート組立体21への電流の流れを形成し、木曽業株式会社製の商品名「PIEZONシート」として提供される半導体シートを利用して、電気エネルギーを熱エネルギーに変換して効率的に消費する。
また、金属箔となる銀箔47と銅箔48で半導体シートを包み込み、その半導体シートに銅製の電極板42を備えることで、アースよりノイズ電流を分離する検波用のダイオードを形成する。分離されたノイズ電流は、位相回転回路57のコンデンサC1〜C6を通してその位相が回転され、抵抗R2,R4,R6を介してアースエレメント23に戻されることで、互いに打ち消される。これにより、ノイズキャンセラ装置に接続した音響機器Mや電子機器のグランドノイズを効果的に除去できる。
特に、本実施形態で使用した半導体シート(音質調整材fo.qシート)は面状で、その接触抵抗低減効果はナノダイヤ添加銅線よりも大きく、第1金属板22や第2金属板24の挟み込みによって、一種の加圧導電ゴムの役割を果たしていると考えられる。加えて、ここで用いる音質調整材は制振動効果が大きく、接触抵抗低減と制振動による二重の効果が、音響機器MのSN比が大きく向上した理由と考えられる。実際に、本実施形態で使用したノイズキャンセラ装置は、従来例と比較して音響機器Mのノイズ成分を−40dBから−60dBへと劇的に改善することができた。
以上のように、本実施形態におけるノイズキャンセラ装置は、電極板42を備えた半導体シートとしての第1制振シート43や第2制振シート44を、金属箔である銀箔47や銅箔48で包んだシート組立体21を、金属板である第1金属板22や第2金属板24の間に挟み込んで複数重ねた積層ユニット11と、第1金属板22に接続され、被接続機器である音響機器Mのアース端子Eからの電気エネルギーを積層ユニット11に導く接続部としてのアース端子2やアース配線体13と、電極板42と第2金属板24との間に接続され、シート組立体21からのノイズ成分の位相を回転させて、積層ユニット11に戻す位相回転回路57と、を備えている。また、第1制振シート43や第2制振シート44は、電気エネルギーを熱エネルギーに変換して消費する材料で構成される。
この場合、音響機器Mのアース端子Eから第1金属板22を通してシート組立体21への電流の流れが形成されるので、シート組立体21に導かれた電気エネルギーを、半導体シートによって熱エネルギーに変換して効率的に消費することができる。また、金属箔となる銀箔47と銅箔48で包んだ第1制振シート43や第2制振シート44に電極板42を備えることで、アースよりノイズ電流を分離する検波用のダイオードが形成され、その分離したノイズ電流が位相回転回路57を経て積層ユニット11で打ち消されるので、音響機器Mのアース電位を持続的に安定化させ、グランドノイズを効果的に除去することが可能になる。
また、本実施形態の第1制振シート43や第2制振シート44は本来、振動エネルギーを電気エネルギーに変換し、その電気エネルギーを熱エネルギーに変換して消費する制振材料で構成される。
この場合、シート組立体21を構成する第1制振シート43や第2制振シート44として、商品化されている各種の制振材料を利用して、音響機器Mのアース電位を持続的且つ手軽に安定化させることが可能になる。この場合、特に好ましい制振材料は、木曽業株式会社製の商品名「PIEZONシート」として提供される音質調整材fo.qシートであり、接触抵抗低減と制振動による二重の効果が得られる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲において種々の変形実施が可能である。例えば実施形態で示した金属は、単体若しくは合金を含むものである。また、接続部となるアース端子2やアース配線体13の構成なども、図示したものに限定されない。
2 アース端子(接続部)
13 アース配線体(接続部)
11 積層ユニット
21 シート組立体
22 第1金属板(金属板)
24 第2金属板(金属板)
42 電極板
43 第1制振シート(半導体シート)
44 第2制振シート(半導体シート)
47 銀箔(金属箔)
48 銅箔(金属箔)
57 位相回転回路
E アース端子
M 音響機器(被接続機器)

Claims (2)

  1. 電極板を備えた半導体シートを金属箔で包んだシート組立体を、金属板の間に挟み込んで複数重ねた積層ユニットと、
    前記金属板に接続され、被接続機器のアース端子からの電気エネルギーを前記積層ユニットに導く接続部と、
    前記電極板と前記金属板との間に接続され、前記シート組立体からのノイズ成分の位相を回転させて、前記積層ユニットに戻す位相回転回路と、を備え、
    前記半導体シートは、電気エネルギーを熱エネルギーに変換して消費する材料で構成されることを特徴とするノイズキャンセラ装置。
  2. 前記半導体シートは、振動エネルギーを電気エネルギーに変換し、その電気エネルギーを熱エネルギーに変換して消費する制振材料であることを特徴とする請求項1記載のノイズキャンセラ装置。


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