JP6230955B2 - 燃料噴射弁の制御装置 - Google Patents

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Description

この発明は内燃機関の燃料噴射制御装置に係わり、特に燃料噴射弁へ通電する駆動電流の制御に関する。
内燃機関に搭載される燃料噴射弁は運転状況に応じて適切な燃料量を噴射することが求められ、運転状況を判断する手段を通じて燃料噴射制御装置によって適切な噴射をするために指示が出されている。ここで燃料噴射弁の作動は、ソレノイドへの通電によって発生する磁気力によって弁体を上下動させることで、弁体がシート部から着座、離座することで開閉弁を行い燃料の噴射を行う。内燃機関の出力、トルクは燃料の噴射量に比例し燃料の噴射量を運転状況に合わせて適切に制御することが必要である。噴射される燃料量は、燃料噴射弁の弁体の開弁量と開弁時間、燃料の圧力と噴射される場の圧力との差圧によって決定されている。一方、燃料噴射弁の弁体には燃料の圧力とは別に、弁体を閉弁するためのスプリング力や磁気力によって閉弁されるのが一般的である。そのため、弁体には車両の運転条件に係わらず閉弁力が作用している。燃料噴射弁のソレノイドへの通電は要求される出力、トルクを出すための燃料量を支配する燃料の圧力と燃料噴射弁自体を構成する閉弁のためのスプリング力に打ち勝つように磁気力を発生させて開弁させている。
燃料の圧力は燃料噴射弁に通じる配管内の圧力の脈動によって極短い期間で変化している。配管内の燃料圧力の脈動は、エンジン形状(直列、V型、水平型等)に依存する配管の形状やポンプからの突出圧、要求される燃料噴射量、噴射タイミング等によってエンジンの1サイクル中でも常に変化している。したがって、開弁を行うためには、それぞれの運転状態に応じた燃料の圧力と圧力の脈動、燃料噴射弁の構造に依存するスプリング力や磁気力による閉弁力の合計値を上回る磁気力をソレノイドで発生させる必要がある。つまりは、ソレノイドへ通電する電流値によって制御を行う場合においては、閉弁力の合計値と個々のバラつきを考慮した電流値を設定する必要がある。また、制御を簡単化する観点からもエンジンのシリンダ毎に取り付けられる燃料噴射弁に通電する電流値は個別に設定しないで済むように個体間の変動を加味して高い電流値を設定し開弁の余裕度を持たせることが一般的である。
一方、燃料噴射弁の搭載温度(周囲温度や冷却温度)や出力要求から決定される噴射パルス、つまりは燃料噴射弁への通電時間が増加することでソレノイドの発熱量は増加する。また、エンジン回転数によって決まる駆動周期が短くなることでもソレノイドの温度は上昇する。更には、近年の排気・燃費規制の強化から分割噴射を使用する運転領域は拡大する傾向である。分割噴射がエンジンの高回転領域まで拡大することで、エンジンの1工程中に駆動する周期は短縮される傾向であり、ソレノイドの発熱は更に高まる傾向にある。また、分割噴射の要求と同様に出力、燃費、排気の要求からシステムに搭載される燃料の圧力は高い方向であり、高い燃圧による閉弁力に打ち勝つために必要な開弁力を得るためには、高い電流値をソレノイドに通電する必要がある。しかしながら、ソレノイドの使用可能温度は上限があるため、現在普及しているシステムでは、分割噴射回数や燃料の圧力に制限を設けて運転領域を限定し、品質の維持やソレノイドの寿命を確保している。
ここで、本課題に対して燃料の圧力脈動に応じて燃料噴射弁の噴射制御を変更する方法が提案されている。例えば特開2008-280851、特開2008-280850、や特開2011-38449等による手段も提案されている。
本提案によれば、燃料圧力、燃料の圧力脈動に応じて燃料噴射弁に通電する電流値の補正を行うため、開弁を行うための最低限の電流値とすることができソレノイドの温度上昇による噴射量の変化を最小とすると共に、最低限の電流値を供給することで燃料噴射弁に通電する電流値が最小となるため、ソレノイドの発熱は最小となる。
特開2010-116852号公報 特開2008-280850号公報 特開2011-38449号公報
燃料噴射弁の噴射制御を燃料の圧力脈動によって変更すると燃料噴射弁に通電する電流値の最大値もしくは保持電流値を変更することが想定されるが、エンジンの1工程中に燃料を噴射する際の燃料噴射弁の弁体の挙動がそれぞれ変化することになる。つまりは、出力、排気特性を取得するセンサからのフィードバック制御を受ける間の出力、排気のバラつきが大きくなる。更には、燃料噴射弁の通電時間が短い開弁と閉弁の時間が短時間の場合は、弁体の挙動が安定しなくなるため、変動がより大きくなってしまう。そのため、弁体の挙動を安定化させるためにもエンジンの1サイクル中の電流波形は一定とすることが望ましい。
先に示した特開2010-116852、特開2008-280850によれば、燃料の圧力脈動に応じてエンジンの所定の制御を行うことが提案されているが、燃料の圧力脈動を考慮するだけでは燃料噴射量を安定化することができない。つまりは、燃料噴射量を安定化するためには燃料圧力の脈動以外に燃料噴射弁の弁体を正確に動作させる必要がある。また、燃料噴射弁には閉弁方向に燃料の圧力と噴射弁自体のスプリング力によって閉弁力が負荷されているが、特に燃料の圧力は、脈動によって時々刻々と変化している。つまりは、エンジンの1サイクル中においても閉弁力が変動しており、開弁のために必用となる磁気吸引力はその変化を考慮して設定しなければならない。燃料噴射弁の搭載環境温度が高く通電時間が長い場合においては、燃料噴射弁のソレノイドの温度が上昇し抵抗値が増化するため電流値が低下することがわかっている。そのため、燃料圧力の脈動に加えてコイルの発熱による電流値の低下から生じる磁気吸引力の低下も考慮して、電流のプロフィールやタイミングを制御する必要がある。しかしながら、電流波形を変更しない場合にはソレノイドの発熱量が増加するため、エンジンの1サイクル中に噴射できる回数が制限されてしまう。更には、近年の排気・燃費の規制強化の動向から燃料噴射弁に通じる燃圧は高燃圧化となる傾向であり、高い磁気吸引力が必要となるが、先に示したソレノイドの発熱の観点から電流値を上昇させ、磁気吸引力を増加させる妨げとなっている。
そこで本発明の目的は、ソレノイドの発滅を抑え、かつ運転条件に応じた燃料噴射量制御を行うことを目的とする。
本発明の目的は、例えばソレノイドの温度が所定以上の場合には、エンジンの出力に関する情報から燃料噴射弁の開弁範囲を決定し、該決定された開弁範囲における燃圧を用いて、前記電流制御手段が駆動電流を制御する。
本発明に依れば、ソレノイドの発滅を抑え、かつ運転条件に応じた燃料噴射量制御を行うことできる。
エンジンシステムの構成図 燃料噴射弁の構成図 噴射信号と駆動電流波形と磁気力と弁変位の時系列グラフ 制御後の図3の変化グラフ 実施例1におけるフローチャート
以下に、本発明に関する燃料噴射弁の制御装置の実施例を図面に基づき詳細に説明する。なお、この実施例により、この発明が限定されるものではない。
本発明の実施例を図を用いて説明する。図1は本発明を適用するエンジンシステムの構成例である。本発明は1気筒以上のエンジンを想定しているが、説明上図示する気筒は1気筒に限定する。まず、エンジン1の基本動作について説明する。エンジン1に吸入される空気はエアクリーナ2を通り、吸気ダクトに取付けられたエアフロセンサ3により吸入空気量が計測される。エンジン1に吸入される空気量はスロットル弁4で制御される。吸気コレクタ5は図示しない他気筒へ空気を分配するためのもので、その後、各気筒の吸気管に空気が分配され、吸気弁25を通じて燃焼室22に空気が吸入される。吸気管6の途中には、空気流に指向性を持たせるための図示しない空気流動制御弁を用いても良い。燃料の通路としては、燃料タンク7から燃料配管を図示しない低圧の燃料ポンプの突出によって加圧輸送された燃料がコモンレール8に輸送される。それに伴い吸気カムシャフト9に取り付けられた高圧燃料ポンプ10によってさらに加圧、蓄圧される。エンジンコントロールユニット(以下ECU)11はエンジン1に取付けられた各種センサからの信号を基に、ECU11内部でエンジン1の運転状況を判定し、その運転状況に相応しい指令値を各種アクチュエータに出力する。ここで各種センサの例としては、前記エアフロセンサ3、コモンレール8に設定された燃料の圧力を検出する燃圧センサ12、吸気カム9の位相を検出するフェーズセンサ13、排気カム14の位相を検出するフェーズセンサ15、クランク軸16の回転数を検出するクランク角センサ17、エンジン冷却水温度を検出する水温センサ18、ノッキングを検出する(図示しない)ノックセンサ、排気管19内の排気ガス濃度を検出する排ガスセンサ(排気A/Fセンサ20、排気O2センサ21)などである。また、各種アクチュエータの例としては、燃料噴射弁23 、高圧燃料ポンプ10、スロットル弁4、空気流動制御弁(図示しない)、吸気および排気のカム位相を制御する(図示しない)位相制御弁、点火コイル20などである。
ここで、エンジン1の作動構成を考えると、エアフロセンサ3により計測された空気量、および排気A/Fセンサ20および排気O2センサ21の信号を取り込み、ECU11は燃料噴射量を算出し、高圧ポンプ10によって加圧された燃料の燃圧を燃圧センサ12によって検出することで、噴射期間を決定し、ECU11から図示しない燃料噴射弁の駆動回路に噴射信号が送られ、前記燃料噴射弁の駆動回路から燃料噴射弁23に駆動信号を出力することで燃料を噴射する。駆動信号は主に噴射時期、噴射回数、噴射期間で構成される。噴射信号については、後述の本発明の制御方法の最良の形態で説明する。燃焼室22に供給された空気と燃料は、ピストン24の上下動に伴い、燃焼室22内で気化、混合して混合気を形成する。その後ピストン24の圧縮動作により、温度と圧力が上昇する。ECU11はエンジン回転数、燃料噴射量などの情報から点火時期を算出し、点火コイル27に点火信号を出力する。点火信号は主に点火コイル27への通電開始時期、通電終了時期で構成されている。これにより、ピストン24の圧縮上死点の少し手前のタイミングで点火プラグ28により点火が行われ、燃焼22内の混合気に着火し燃焼が起こる。点火のタイミングは、運転状態によって異なる為、圧縮上死点後の場合もある。燃焼により高まった圧力により、ピストン24を下方向に押し返す力が働き、膨張行程でエンジントルクとしてクランク軸16に伝達され、エンジン動力となる。燃焼終了後、燃焼室22残留したガスは、排気弁26を通り排気管19に排出される。この排気ガスには人体に有害な成分が含まれることが多いので、排気管19の途中に配置された触媒29の作用により無害化され大気中に排出される。
次に図1における燃料噴射弁23の制御の最良の形態について図1、図2および図3を用いて説明する。
まず本実施例に用いる燃料噴射弁(図1中燃料噴射弁23)の構成について図2を用いて説明する。また、図2にて説明に用いる燃料噴射弁は一例であり、本構成によって限定されるものではない。図2に示す燃料噴射弁201において、弁本体202はノズルホルダ203とコア204とハウジング205から構成され、図1における高圧燃料ポンプ10からの燃料を燃料通路206を介して、複数の燃料噴射孔207に通じている。針弁208は、アンカー209を介して軸方向に摺動可能にノズルホルダ203内に収納されている。スプリング210は、針弁208とアジャスタピン211との間に配置され、アジャスタピン211によってスプリング210の上端部の位置が拘束され、スプリング210が針弁208をシート部材212のシート部213に押し付けることによって燃料噴射孔207は閉弁している。ソレノイド214は、アンカー209の上部に配置されソレノイド214に図1における駆動回路11からの駆動電流を受けて、ソレノイド214に通電され、励磁することで磁気吸引力を生じ、アンカー209を軸方向に引き上げる。それに伴い、針弁208がアンカー209によって軸方向に引き上げられ、針弁208がシート部213から離れ、複数の燃料噴射孔207が開き、図1における高圧燃料ポンプ10によって加圧、圧送された燃料が燃料通路206を通過し、燃料を噴射する。
次に図3は燃料噴射弁(図1中燃料噴射弁23、図2中燃料噴射弁201)の制御信号に関して、上から噴射信号301、駆動電流302、図2における燃料噴射弁のソレノイド214への通電によって発生する磁気力303、燃料噴射弁の弁体の変位304を示している。説明に使用する駆動波形および電流波形、燃料噴射弁の変位は、システム構成、燃料噴射弁の構成によって変化するため、図3の制御波形は本制御の構成を限定するものではない。
図1におけるECU11において各種センサから受けた運転状態の検出結果から要求噴射量を検知し、図3における噴射信号301を決定する。噴射信号301が図1におけるECU11から出力され、図1に図示しない燃料噴射弁の駆動回路から駆動電流302が出力されることで、図2における燃料噴射弁201(図1における燃料噴射弁23)のソレノイド214に通電、励磁されることで図3における磁気力303が発生する。これにより、図2における針弁208を引き上げることで燃料を噴射する。詳細に各信号について説明すると、噴射信号301が図示しない駆動回路に出力され前記駆動回路から駆動電流波形302が出力される。前記駆動電流波形302は、駆動電流の最大値Ipに到達するまで電流値を増加させる。これにより、磁気力303は図2における針弁208を開弁させるのに十分な磁気力を発生させる。これにより、図2における針弁208は、図3における弁変位304のように磁気力から一定の遅れを持って弁体が作動する。続いて駆動電流302は開弁を保持するためIh1、Ih2を保持する。これによって磁気力303は、開弁に十分な磁気力を保持し続ける。このとき、図2のソレノイド214は弁体の閉弁力の固体バラつきや、磁気力のバラつきを考慮して、本発明の制御を行わない場合においては、開弁するに十分な磁気力に対して余剰な磁気力を有している。続いて噴射信号301が終了するにしたがって、駆動電流波形302の電流値も0になる。これにより、磁気力303も駆動電流波形302に一定の遅れを持って0になる。
前記、開弁の方法を制御するために、燃料の圧力脈動に打ち勝つ範囲で余剰吸引力を低下させるよう駆動電流302を変更する。この時、開弁力を維持できる範囲で保持電流値Ih1,Ih2も変更しても良い。ここで、燃料の圧力脈動に打ち勝つように設定する駆動電流波形302に関して、燃料の圧力をPf1、燃料の圧力脈動をPf2、燃料噴射弁を構成するスプリング力をPspとし、開弁力をFとすると
F≧Pf1+Pf2+Psp ・・・(A-1)
を保つように設定される。次に図4に前記の余剰吸引力を低下させた際の駆動電流値の変化について記載する。図3ので設定された駆動電流値303に対して、図403においては、余剰吸引力を低下させるべく電流値402におけるIp、Ih1、Ih2を低下させる。本実施例では説明の簡単のために、Ip、Ih1、Ih2をそれぞれ低下させているが、独立して変更しても良い。
402の電流値を低下させた際の磁気力403の変化において、電流値を低下させることで余剰吸引力を減少させることができる。ここで、電流値402は前記(A-1)式で決定される余剰吸引力を低下させ、開弁を維持できる電流値に設定される。電流値402の変化によって、磁気力403は変化するが、弁変位404も同時に変化する、これによって噴射量が変化するため噴射信号401を同時に変化させ、噴射量に変化が生じないように噴射信号の時間を411のように延長しても良い。
次に、燃料の圧力脈動Pf2について考えると、各燃料噴射弁に通じる燃料配管に取り付けられた燃料圧力のセンサ(図1 12)からの出力によって脈動を計測する。この時、エンジンの運転状態によって決定される燃料噴射弁への通電時間・噴射期間とエンジン回転数によって圧力の脈動の大きさを推定した補正を行っても良い。また、燃圧脈動の計測タイミングを図1に示すクランクアングルセンサ17の出力値から一定のタイミングで計測タイミングを限定して脈動測定を行っても良い。予め燃圧センサ12からの出力をエンジンコントロールユニット11に備え、前記燃料噴射を行うタイミングでの燃圧脈動の最大値を取得する。これにより、図4の電流値402の最大値Ipおよび保持電流値Ih1、Ih2を変化させる。
次に、燃料の圧力脈動によって変更する駆動電流波形の制御を行う判定方法について説明する。図2における燃料噴射弁のソレノイド214の温度を直接計測することで、予め定めた値よりも高い場合には、燃料の圧力脈動によって変更する電流波形の制御を行う。これによって前記、402に記載の電流値の値を決定する。
次に図5の制御のフローを用いて燃料噴射弁に通じる配管内の燃料圧力の脈動によって変更する駆動電流波形の制御フローについて説明する。
図5におけるS501において、図1において説明した各種センサからの出力を受けて運転状態を判別する。
次に、S502において検出された運転状態から要求される出力を決定する。S503において要求される出力から図1のECU11で噴射量を演算し、エンジンの1工程中に噴射する噴射回数をS504において決定する。次にS505において噴射時期を決定し、
S506において図2のソレノイド214の温度の測定値もしくは予測値によって駆動電流波形の要否をS507において判定する。この時、ソレノイドの温度の判定値は予めソレノイドの温度の使用限界温度の品質を維持できる温度か、ソレノイドの抵抗値の増加によって駆動電流値が低下することに起因する噴射量の変化から閾値を決定することが望ましい。また、制御を行うためのソレノイドの抵抗の判定は、制御の基準として行うためのものであり、ソレノイドの抵抗を測定、予測する方法は、別の手段を用いても良い。例えばソレノイドの抵抗測定や燃料噴射弁に通電する電流プロフィールの変化等。また、駆動電流の変更の判断は、例えば図1におけるクランクアングルセンサ17からの出力によってエンジン回転数の変化を取得することによって、燃料噴射弁へ通電する駆動電流の周期を演算に加えることが望ましい。
次にS507において電流波形の変更が不要(N)と判断した場合においては、電流波形を低減する制御を行わず、噴射パルスをS511において演算し終了する。
次に、S507において変更の要否で必要(Y)と判断した場合において説明する。S507においてソレノイドの温度が高いもしくは、噴射量の変化が大きいと判断した際にS508において燃料噴射弁に通じる燃料配管内の圧力の脈動値をS505で決定した噴射時期およびS501で決定される運転状態で設定される噴射予定時期の範囲での燃料噴射弁に通じる燃料配管内の圧力の脈動を検知もしくは予測する。この時、燃料噴射弁の開弁限界圧力を予め図1におけるエンジンコントロールユニット11に記憶しておくことが望ましい。この工程を受けてS509において開弁限界圧に必要なIpを決定し、S503で決定した噴射量を噴射するために必要な保持時間を確保できるだけの開弁時間を確保できるだけの保持電流値を決定する。続いてS511において、Ip、Ihの変化によって予定した弁変位の変化から生じる噴射量の変化を補正し終了する。このため、図1のエンジンコントロールユニット11には、電流値の変化による弁変位の関係か、電流値と噴射量の関係を記憶させておくことが望ましい。
また、上記実施例は以下のようにも表現できる。すなわち、燃料噴射弁に通電する駆動電流値をソレノイドの温度の測定値もしくは予測値に基づいて変更することを判断し、エンジンの1工程中における燃料噴射弁に通じる燃料の圧力脈動を計測もしくは予測することで、燃料噴射弁に通じる電流波形の最大値もしくは保持電流値を変更し、燃料噴射弁の開弁に必用な磁気吸引力を発生させる。また、制御の簡単化の観点から燃料配管の圧力の脈動に追従する制御は行わず、出力、燃費、排気から要求される噴射時期に予測される範囲内の燃料噴射弁に通じる圧力脈動の最大値から開弁に必用な磁気吸引力を算出し、開弁に必要な電流値を供給することを特徴とする。
ソレノイドの温度および燃料の圧力脈動によって制御の有無を判定する燃料噴射弁の制御は、エンジンの1工程中に複数回の噴射を行う場合においては、コイル発熱を抑制するために定期的もしくは不定期に電流波形を変更しても良い。つまりは1工程中に複数回の燃料の噴射をする場合において、1回以上本制御を行うことでコイルの発熱量を低減することができる。
ソレノイドの温度の取得方法は、例えばソレノイドの周辺に取り付け温度センサや、無通電時にソレノイドの抵抗値を計測することでソレノイドの温度を予測することができる。また、ソレノイドに通電する電流値の波形のプロフィールの変化から予測、判定しても良い。ソレノイドの温度が低い場合、つまりはソレノイドの抵抗値の変化によって噴射量が規定値以上に変化しない場合もしくは予め定めたソレノイドの信頼性を保てる温度以下と判断される場合には電流値を変更する必要がない。
次に燃料噴射弁に通じる圧力脈動の測定もしくは予測方法について説明する。燃料の圧力脈動の最大値の計測もしくは予測値の取得は、予め燃料圧力の脈動パターンを記憶しておくことで測定のタイミングのクランクアングルを特定して取得することができる。また実際に計測のタイミングを細分化することで、脈動の最大値を求めても良い。
次に燃料噴射弁に通電する燃料圧力の脈動による駆動電流値の設定条件について説明する。車両に取り付けられた各種センサからエンジンの制御回路に信号が取り込まれ、車両の常態を判定し各種アクチュエータに信号を送ることで運転状態を制御している。燃料噴射弁についても、前記運転状態の判別から要求燃料噴射を決定し、エンジンの制御回路から燃料噴射弁の駆動回路に要求噴射量の信号が送られることで燃料を噴射する噴射期間が決定する。その要求噴射量、噴射期間に基づいて、燃料噴射弁の駆動回路から燃料噴射弁に駆動電流を送り、ソレノイドに通電することで燃料噴射を行う。その際に燃料の圧力および配管内の燃料の圧力脈動が燃料噴射弁のスプリング力から決定される閉弁力を越える場合に、エンジンのコントロールユニットからドライブユニットに送られる駆動信号に続いて、ドライブユニットから燃料噴射弁の弁体を開弁させる電流波形の通電を行う。つまり、燃料噴射弁の開弁のための力は、エンジンの運転状態によって変動する燃料の圧力および燃料配管内の圧力の脈動によって開弁力を決定する電流波形を判断する。燃料の圧力および圧力の脈動を判断する際の駆動電流値は電流値を低下させる制御を行う前の電流値を供給して燃料噴射弁を開弁させる噴射を行い低下させることができる電流値を判断する。
燃料の圧力は圧力センサからの出力で判定するが、燃料の圧力を推定する手段、例えばクランク角センサからの出力による回転数の判定値や、水温センサ、スロットル開度によって燃料の圧力を推定して判定値とすることも可能である。また、燃料の配管内の脈動も圧力センサからの出力および予測値に基づいて判定しても良い。
続いて、前記燃料圧力の脈動によって制御を行う燃料噴射弁の駆動電流値の制御方法について説明する。前記の燃料噴射を行う予測時期の燃料配管内の圧力の脈動の最大値によって決定される電流波形は、燃料噴射弁内の閉弁方向に作用する弁体のスプリング力および燃料噴射弁の燃料圧力と燃料圧力の脈動の合力で決定される閉弁力に打ち勝つように燃料噴射弁のソレノイドが発生させる磁気吸引力を設定する。その際、予め燃料噴射弁に負荷される燃料の脈動を含んだ燃料圧力と弁体を閉弁するためのスプリング力の合力から決まる閉弁力を燃料噴射弁に制御信号を送るコントロールユニットに記憶しておくことで、閉弁力に打ち勝つだけの開弁力を決定する燃料噴射弁に通電する駆動電流値を決定することができる。つまりは噴射が予定される範囲内において開弁を行うために必要な磁気吸引力以上に余剰となる吸引力を発生させないように設定する。
次に、エンジンが多気筒の際の個々に取り付けられた燃料噴射弁のスプリング力がバラついた場合についての制御について説明する。一般的に燃料噴射弁の駆動波形は、気筒毎に分けて制御されることがないため、開弁力を各気筒に備えた燃料噴射弁で一定とするためには、スプリング力を一定とする必要があるが、燃料噴射弁に作用する圧力の脈動は、それぞれに異なるために、各燃料噴射弁で電流値を制御することが望ましい。しかしながら制御を簡素化するために、燃料圧力の脈動分と予め備えた燃料噴射弁のスプリング力の最大値に打ち勝つ力を磁気吸引力として発生させるだけの電流値を供給しても良い。つまりは、燃料噴射弁の弁体の磁気吸引力を発生させる電流値は、各気筒の燃料噴射弁のスプリング力の最大値と燃料配管内の圧力の脈動によって決定する。
また本制御を行った際には、電流値の最大値を低下させるもしくは保持電流値を低下させるため、弁体の挙動が僅かでも変化する。そのため、噴射時期、噴射量の決定には、燃料の圧力脈動、ソレノイドの発熱量を加味して変更し、通電時間を延長もしくは短縮させる。
11 エンジンコントロールユニット(ECU)
12 燃圧センサ
201 燃料噴射弁
202 弁本体
208 針弁
210 スプリング
212 シート部材
213 シート部
214 ソレノイド
301 噴射信号
302 駆動電流
303 磁気力
304 弁変位
401 制御後の噴射信号
402 制御後の駆動電流
403 制御後の磁気力
404 制御後の弁変位
S501 運転状態検出工程
S502 目標出力決定工程
S503 噴射量決定工程
S504 噴射回数決定工程
S505 噴射時期の決定工程
S506 ソレノイド温度、予測値検出工程
S507 駆動電流波形変更判定
S508 噴射予定時期内燃圧脈動最大値検出工程
S509 駆動電流Ip演算
S510 駆動電流Ih演算
S511 燃料噴射用噴射パルス演算

Claims (1)

  1. ソレノイドにより駆動する燃料噴射弁の制御装置であって、
    ソレノイドの温度を検出する温度検出手段からのソレノイド温度と、
    前記燃料噴射弁に通じる燃料配管の燃圧を取得する燃圧取得手段からの燃圧の脈動パターンと、を取得し、
    前記ソレノイド温度が所定値以上の場合には、エンジンの出力に関する情報であるエンジンの回転数の変化、及び出力、燃費、排気に関する情報から前記燃料噴射弁の開弁時期を決定し、
    該決定された噴射時期における前記燃料配管の燃圧を前記燃圧取得手段が取得し、前記燃圧及び前記脈動パターンに基づいて燃圧脈動の最大値を取得し、
    前記電流制御手段が、前記燃料噴射弁内の閉弁方向に作用する弁体のスプリング力、前記燃料噴射弁の燃料圧力及び前記燃圧脈動の最大値の合力に基づいて、開弁に必要な駆動電流を出力する、燃料噴射弁の制御装置。
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