図1は、本発明に係る箱詰め装置10が組み込まれるシステムの好適な一実施形態の全体図を示している。図1に示すように、箱詰め装置10は、その上流側に空の箱12を積層状態のまま順次搬送し、積層状態の箱12を1個ずつ次段の身蓋分離装置13に供給する空箱搬送供給装置11を備える。この空箱搬送供給装置11における搬送対象の箱12は、ボール紙、厚紙などを適宜折り曲げて形成した上部開放した身箱15と、その身箱15に被せる蓋箱16とを備えて構成される。身箱15には、中仕切り部15aが配置されており、中仕切り部15aにより左右に2つの製品収納部を構成する。なお、この空箱搬送供給装置11の具体的な構成は、後述する。
身蓋分離装置13にて、個々の箱12を一つずつ身箱15と蓋箱16を分離し、身箱プールコンベア18と蓋箱プールコンベア19にそれぞれ移し替える。身箱プールコンベア18は、直線状のベルトコンベア装置を基本構成とする。図1では、具体的な図示を省略し、エンドレスベルトのみを描画しているが、そのエンドレスベルトの上面側には、身箱15の進行方向左右両サイドに接触して横方向の移動を規制するガイド板を配置し、エンドレスベルトの下流側先端にはストッパー部材を配置する。このストッパー部材を開閉することで、エンドレスベルト上の蓋箱16をそのまま搬出して次段の製品移し替え装置20の搬送装置21上に一つずつ供給したり、エンドレスベルトの上で一時停止させたりする。なお、この製品移し替え装置20の具体的な構成は、後述する。
また、蓋箱プールコンベア19は、身箱プールコンベア18の上方空間に配置された第一搬送装置22と、その第一搬送装置22の搬出端に近接し、搬送方向が第一搬送装置22の搬送方向と直交するように配置した第二搬送装置23とを備える。第一搬送装置22は、ベルトコンベア装置を基本構成とし、図1では、具体的な図示を省略し、エンドレスベルトのみを描画しているが、そのエンドレスベルトの上面側には、蓋箱16の進行方向左右両サイドに接触して横方向の移動を規制するガイド板を配置し、エンドレスベルトの下流側先端にはストッパー装置を配置する。ストッパー装置は、例えば、第一搬送装置22の先端位置にある蓋箱16の進行方向の前面に接触し、それ以上の前進移動を阻止するストッパー部材と、先端位置から二番目の蓋箱16の進行方向の左右両サイドを把持して前進移動を阻止する把持部材とを備える。これにより、把持部材にて先頭から二番目の蓋箱16を把持して一時停止することで、先頭の蓋箱16を二番目以降の蓋箱16と分離するとともに、二番目以降の蓋箱16は、順次前方の蓋箱16に接触するとそれ以上の前進が抑止され、第一搬送装置22上でプールされる。
一方、具体的な図示は省略するが、第二搬送装置23は、例えば搬送面を平滑なステンレス鋼板等により構成した搬送路と、その搬送路の上方で所定の軌跡で第二搬送装置23の搬送方向に沿って往復移動する押送プッシャーとを備えて構成する。押送プッシャーは、例えば二枚用意し、係る二枚の押送プッシャーを蓋箱16の全長よりも長いピッチで前後に配置する。そして、所定の軌跡は、前進移動時は押送プッシャーが蓋箱16に接触してその蓋箱16を前進移動させ、後退移動時は一旦上昇移動し蓋箱16と非接触の空間を移動するようにする。これにより、前進移動に伴い、後側の押送プッシャーの前面が第一搬送装置22の先端に位置する蓋箱16の側面に接触して付勢し、第二搬送装置23の搬送路の上に移し替える。また、このとき前側の押送プッシャーの前面が、前回の工程で第二搬送装置23の搬送上に移し替えられた蓋箱16の側面に接触し、搬送路上をさらに前進移動させて第二搬送装置23の搬出口に移動する。
第二搬送装置23の先端側の下方には、製品28が供給された身箱15を搬送する身箱搬送装置24が配置される。すなわち、この身箱搬送装置24の上流端は、製品移し替え装置20の搬出側に近接して配置され、製品移し替え装置20から順次搬出されてくる身箱15を受け取り、身箱15を搬送する。身箱搬送装置24は、左右に設けられた一対のベルトコンベア25を備える。この一対のベルトコンベア25により、身箱15の底面の左右が支持されて搬送される。また、ベルトコンベア25の上方外側には、身箱搬送装置24の周囲に配置された各種装置の設置位置にストッパー部材を備えている。これにより、身箱搬送装置24上の身箱15は、ベルトコンベア25からの搬送力を受けて前進移動するが、ストッパー部材に適宜位置で一時停止する。
身箱搬送装置24の搬送ライン上に配置される各種の装置としては、上流側から順に、製品28が供給された身箱15上にリーフレット29aを供給するリーフレット供給装置29、はがき30aを供給するはがき供給装置30、前段で供給されたリーフレット29aやはがき30aの有無を検査するリーフレット・はがき有無検査装置31を備える。そして、このリーフレット・はがき有無検査装置31の下流側に、上述した第二搬送装置23の搬出側近傍を配置する。リーフレット・はがき有無検査装置31にてリーフレット29aやはがき30aの無い身箱15を検出した場合、当該身箱15と、その身箱15に装着予定の蓋箱16を排出する排出装置32を備える。
また、蓋箱プールコンベア19の第二搬送装置23の先端近傍には、搬出口に移動してきた蓋箱16を製品入りの身箱15に被せる蓋被せ装置33を配置する。これにより、所定数の製品28とリーフレット29a及びはがき30aが収納された身箱15に、蓋箱16が被せられて箱が閉じた中間製品となる身入箱35が形成される。なお、この蓋被せ装置33の具体的な構成は、後述する。
さらに蓋被せ装置33の下流側には、段積みバッファ装置36が配置される。この段積みバッファ装置36は、下流側の装置の状況に合わせて所定数の身入箱35をバッファリングするための装置である。この段積みバッファ装置36により、身入箱35を連続して下流側の装置に搬出する機能に加え、係る搬出を一時停止して所定数の身入箱35をバッファリングし、貯留する機能を備える。この一時的に貯留した身入箱35は、搬出再開後に下流側の装置に向けて搬出する。なお、この段積みバッファ装置36の具体的な構成は、後述する。
さらに本実施形態では、段積みバッファ装置36の下流側に、異物検査装置37,反転装置38を配置する。そしてこの反転装置38の下流側に、例えば上包機等の別の装置を配置し、反転装置38から身入箱35が所定のタイミングで一個ずつ当該別の装置に向けて搬出される。また、例えば上包機は、一定時間(例えば一時間)毎に清掃等のために装置を所定時間停止する必要がある。本実施形態では、上述のように箱詰め装置10の搬出側に段積みバッファ装置36を設けたことで、上包機の動作停止中には、段積みバッファ装置36で身入箱35を貯留することができる。つまり、下流側の装置(例えば上包機)が一時停するようなことがあっても、箱詰め装置10の動作を停止する必要が無く、運転を継続することができる。そして、上包機の運転再開に伴い、段積みバッファ装置36からの身入箱35の搬出を再開する。
また、このように段積みバッファ装置36で貯留することができるので、例えば、下流側に配置された装置で異常等があって一時停止した場合にも、箱詰め装置10で時々刻々と製造され、搬出されてくる身入箱35を、段積みバッファ装置36でプールすることができ、下流側の装置の異常の有無に関係なく、箱詰め処理を継続して行うことができる。
[空箱搬送供給装置11]
図2は、空箱搬送供給装置11の一実施形態を示している。複数個(例えば、18個)の空の箱12を積層した状態で搬送する第一ベルトコンベア40を備える。また、第一ベルトコンベア40の奥側には、第一ベルトコンベア40の搬送路に沿ってガイド壁41を起立形成する。このガイド壁41の高さは、所定数を積層した複数の箱12の高さよりも高くする。第一ベルトコンベア40上に積層状態でセットされた箱12は、その一方の側面がガイド壁41に接触可能となる。また、第一ベルトコンベア40の搬送面上の手前側には、側壁42が配置される。この側壁42は、例えば一個の箱12の高さ分に相当する高さを有し、側壁42とガイド壁41との対向面間の間隔は、箱12の横幅とほぼ等しいか、やや広い設定としている。これにより、複数個の箱12を重ねた状態の集積体45を、ガイド壁41−側壁42間の第一ベルトコンベア40上に供給すると、集積体45の一番下に位置する箱12は、搬送方向の左右両側がガイド壁41と側壁42の間にガイドされて横方向の移動が規制され、第一ベルトコンベア40の運転に伴い横ずれすることなく搬送される。さらに、ガイド壁41を設けたことで、集積体45を構成する複数の箱12は、第一ベルトコンベア40の奥側に崩れるのが抑止され、積み重なった状態を保持して搬送される。
第一ベルトコンベア40の下流側には第二ベルトコンベア46を配置する。第一ベルトコンベア40と第二ベルトコンベア46の搬送面は、同一面上にしている。これにより、集積体45は、第一ベルトコンベア40から第二ベルトコンベア46にスムーズに移動する。さらに、第二ベルトコンベア46の搬送面上方には、その搬入側に左右両側に一対のガイドプレート47を配置する。ガイドプレート47の内側面は、搬入側は一対の内側面間の距離が徐々に狭くなるような傾斜面47aとし、搬出側は平行面47bとする。傾斜面47aの搬入端は、ガイド壁41,側壁42よりも外側に位置させ、一対のガイドプレート47の平行面47b間の距離は、箱12の横幅とほぼ等しくしている。
一対のガイドプレート47の下流側には、それぞれ第一ストッパー柱48が起立形成される。各第一ストッパー柱48は、L字プレートから構成され、その高さは、ガイド壁41の高さとほぼ等しくしている。この一対の第一ストッパー柱48は、例えばシリンダなどの所定の駆動手段に連係され、箱12の搬送方向と直交する方向(以下、「左右方向」とも称する)に移動する。一対の第一ストッパー柱48は、同期して互いに接近離反移動し、両者間が最も離れた待機状態では、図3に示すように、一対の第一ストッパー柱48の間隔は、箱12の横幅とほぼ等しくしている。これにより、待機位置にあるときには、第二ベルトコンベア46上を移動する集積体45は、一対の第一ストッパー柱48間を通過して前進移動する。そして、一対の第一ストッパー柱48間を通過する際には、その第一ストッパー柱48にて支えられて集積体45を構成する箱12が崩れるのが抑止される。一方、この待機状態にある第一ストッパー柱48が互いに接近すべく前進移動すると、各第一ストッパー柱48は、集積体45(箱12)の進行方向前方に突出してきて、その集積体45の前進移動を遮る位置に至る。すると、図4に示すように、第一ストッパー柱48は、集積体45を構成する各箱12の前面に接触し、第二ベルトコンベア46が回転していても集積体45の移動が一時停止する。これにより、第二ベルトコンベア46上を例えば前後に複数の集積体45が移動している場合、先頭の集積体45が第一ストッパー柱48を通過後に第一ストッパー柱48を互いに接近移動させることで、後続の集積体45から先頭の集積体45を分離することができる。
第二ベルトコンベア46の搬出側には、第一プッシャー装置49が配置される。この第一プッシャー装置49は、上下方向にのびる丸棒状の第一バー49aと第二バー49bと、これらを所定の相対位置関係に連結する連結プレート49cと、図示省略するが連結プレート49cに連携された駆動装置とを備える。連結プレート49cは、平面略L字状であり、その連結プレート49cの両先端側にそれぞれ第一バー49aと第二バー49bを連結する。連結プレート49cは、図示省略する駆動装置に連携され水平平面内で移動可能となっている。この駆動装置の駆動力を受け、連結プレート49cひいてはそれと一体になった第一バー49a,第二バー49bは、箱12の搬送方向と直交する方向(以下、「左右方向」とも称する)と、箱12の搬送方向と平行な方向(以下、「前後方向」とも称する)に移動する。駆動装置は、例えばシリンダなどで構成するとよい。
この第一プッシャー装置49の動作は、以下のようになっている。まず、第一プッシャー装置49は、左右方向と前後方向でともに後退移動し、左右一対の第一プッシャー装置49(第一バー49a,第二バー49b)が互いに離反し、両者間距離が最も離れるとともに、進行方向後側に位置した状態が待機状態(図4(a)参照)となる。この待機状態では、図4(a)に示すように、左右の第一バー49a間の間隔は、箱12の横幅よりも広い設定としており、第二ベルトコンベア46上を移動する集積体45は、第一プッシャー装置49間を通過し、さらに前進移動する。
集積体45の進行方向後面が第一プッシャー装置49の第一バー49aの位置を通過後、一対の第一プッシャー装置49は、駆動装置により互いに接近移動する。これにより、第一バー49aは、集積体45の後面に対向する。また、第二バー49bは、集積体45の側面に接触する。さらに、第一プッシャー装置49は、駆動装置により集積体45の搬送方向前方に向けて移動する。これにより、集積体45の進行方向後方側の両角部が一対の第一プッシャー装置49にて抑えられ、第一プッシャー装置49の前進移動に伴い集積体45を前方に付勢する。
図5,図6に拡大して示すように、第二ベルトコンベア46の搬出端側の前方には、ストッカー装置50が配置される。また、第二ベルトコンベア46の搬出端側には、同一直線上で搬送面が一段低くなった第三ベルトコンベア51が、配置される。ストッカー装置50は、第三ベルトコンベア51の上方に位置する。そして、このストッカー装置50は、集積体45を受け取り、下側から1個ずつ箱12を第三ベルトコンベア51上に搬出するための装置である。
図5,図6から明らかなように、ストッカー装置50は、第二ベルトコンベア46の搬送面の外側に位置しているとともに、第三ベルトコンベア51の搬送面は第二ベルトコンベア46の搬送面よりも一段低くなっている。そのため、第二ベルトコンベア46上を移動してきて搬出されようとする集積体45は、進行方向前側が第二ベルトコンベア46の搬送面から外れ、その外れた部分は宙に浮いた状態となり、第二ベルトコンベア46,第三ベルトコンベア51からの搬送力を受けない(図4(a−1),図4(a−2)等参照)。よって、集積体45の前進移動に伴い外れた部分が増すにつれて、第二ベルトコンベア46から集積体45が受ける搬送力が小さくなる。そこで、本実施形態では、上述したように第一プッシャー装置49が前進移動して集積体45を前方に付勢するため、集積体45は、係る第一プッシャー装置49からの付勢力を受けて前方に押し出されるようにして移動する。これにより、(図4(a−1),図4(a−2))→(図4(b−1),図4(b−2))→(図4(c−1),図4(c−2))のように遷移し、集積体45はストッカー装置50内に移動する。
ストッカー装置50は、搬入側が開放して、集積体45の進入を許容し、残りの三方の面にガイド棒52,54を起立配置し、ストッカー装置50内に進入してきた集積体45の側面をガイドする。具体的には、集積体45の進行方向前方の奥側には、複数本の丸棒状の第一ガイド棒52が起立配置され、それら各第一ガイド棒52は、連結プレート53により連係される。第一プッシャー装置49によりストッカー装置50内に押し込まれた集積体45の前面は、この第一ガイド棒52に接触し、位置決めされる。また、集積体45の進行方向左右両側には、複数本の丸棒状の第二ガイド棒54が起立配置され、それら各第二ガイド棒54は、その上下両端にて連結プレート55により連係される。左右に配置された第二ガイド棒54の間隔は、箱12の横幅とほぼ等しくしている。また、好ましくは、第二ガイド棒54は、連結プレート55に対して自転可能に軸受け支持するとよい。このようにすると、集積体45の進入の際に箱12の側面に接触した第二ガイド棒54が自転し、スムーズな進入を案内するので良い。
また、第二ガイド棒54の外側には、シリンダロッドの往復動作を水平方向にする第一シリンダ56が上下に二個配置される。第一シリンダ56のシリンダロッド56aの先端には、支持板57が連結され、その支持板57の表面に、多数の保持具58が取り付けられる。シリンダロッド56aの往復動作に伴い、支持板57は第二ガイド棒54の外側で、第二ガイド棒54に接近離反移動する。そして、支持板57が第二ガイド棒54から離反した待機位置では、図4(a−1),図4(b−1)等に示すように、保持具58は、第二ガイド棒54の外側に位置する。よって、保持具58は、集積体45,箱12と非接触となる。一方、第一シリンダ56の動作に伴い支持板57が第二ガイド棒54の外側に接近した作動位置では、保持具58は、隣接する第二ガイド棒54間の空間を通り、第二ガイド棒54の内側に突出位置する。よって、保持具58は、集積体45ひいては箱12の側面に接触し、第一シリンダ56の圧力により集積体45を左右両側から挟み込んで保持する。さらに、保持具58は、集積体45の高さ方向に全体的に接触するが、集積体45の最下端の箱12には非接触で、少なくとも下から2番目の箱12は接触して保持する。
この保持した状態では、仮にストッカー装置50の下方が開口していても、下から2番目より上側に位置する箱12は保持具58に保持され、落下しない。保持具58は、例えば、ゴム、シリコンなどの弾力性のある材料で構成するとよい。また、吸盤等の吸着手段を備えてもよい。
さらに、ストッカー装置50の底面の左右側縁に、それぞれ開閉する底板60を配置する。この底板60は、図4に示すように、シリンダロッドの往復動作を水平方向にする第二シリンダ61等の駆動装置による駆動力を受けて水平方向に往復移動することで、ストッカー装置50の底面を開閉する。そして図4(a−2),(b−2)に示すように、底板60の上面は、第二ベルトコンベア46の搬送面と同一平面上に位置する設定としている。これにより、第二ベルトコンベア46から搬出されてきた集積体45は、そのままスムーズに開口より内部に進入し、底板60上に位置する。
両底板60が互いに接近して閉じた状態では、図4(a−1),図4(b−1)に示すように、底板60はストッカー装置50の底面の一部を遮り、集積体45の最下端に位置する箱12の底面の左右両側部位を支持し、箱12の落下を抑止する。これにより、例えば図4(a−1),図(a−2)に示すように、第二ベルトコンベア46から搬出されてきた集積体45の底面の左右両側部位が、底板60上にスムーズに移し替えられ、ストッカー装置50内にストックされる。
一方、両底板60が互いに離反した待機位置では、図4(c−1),図6等に示すように、底板60はストッカー装置50の外側に位置し、底面が開口する。これにより、保持具58で保持されていない集積体45の最下端の箱12は、底板60からの支えがなくなり、第三ベルトコンベア51上に落下供給する。
また、ストッカー装置50の下方には、落下する箱12を受ける受け板部材63を配置する。この受け板部材63は、その下方に配置された第三シリンダ62の駆動により昇降移動する。図示省略するが、底板60が開く際には、受け板部材63が上昇移動していて、ストッカー装置50の底面付近に位置して待機する。これにより、底板60が開き、最下端の箱12が落下すると、直下に待機している受け板部材63が受ける。その後、第三シリンダ62の駆動により受け板部材63が下降移動し、受け板部材63とともに箱12が下降する。そして、図4(b−2)に示すように、受け板部材63が第三ベルトコンベア51の搬送面の下に位置すると、受け板部材63上の箱12は、第三ベルトコンベア51上に移し替えられる。これにより、第三ベルトコンベア51からの搬送力を受け、図4(c−2)の状態から図6に示すように第三ベルトコンベア51上を前進移動し、身蓋分離装置13に至る。このように本実施形態では、昇降移動する受け板部材63を配置したことで、ストッカー装置50から落下された箱12の落下距離が短くなり、落下時に箱12に加わる衝撃が少なく、箱12を損傷することなくスムーズに第三ベルトコンベア51の所望位置に移し替えることができる。しかも、受け板部材63の昇降は、第三シリンダ62といった簡単な構成で実現できる。
また、ストッカー装置50は、上記のようにして最下端の箱12を落下すると、第二シリンダ61の駆動により底板60が互いに接近移動してストッカー装置50の底面を閉じる。次いで、第一シリンダ56を駆動して支持板57,保持具58を後退移動させ、保持具58を集積体45から離反させる。これにより、集積体45の保持が解除され、ストッカー装置50内の集積体45が、当該ストッカー装置50内で下降移動し、最下端の箱12が底板60に接触すると下降移動が停止する。その後、第一シリンダ56が駆動し、保持具58が集積体45に接触して保持する。以下、上述した処理を繰り返すことで、ストッカー装置50の底面側から、箱12を一個ずつ排出し、第三ベルトコンベア51上に供給する。
[身蓋分離装置13]
身蓋分離装置13は、第三ベルトコンベア51の搬送途中に設置される。図5,図6に拡大して示すように、身蓋分離装置13は、第三ベルトコンベア51の上方所定位置に配置する蓋吸着装置66と、蓋吸着装置66の下方に対向配置する身箱保持装置67と、蓋吸着装置66で吸着された蓋箱16を第一搬送装置22に移し替える蓋移し替え装置68とを備える。
蓋吸着装置66は、シリンダロッドの往復動作を上下方向にする第四シリンダ66aのシリンダロッドに矩形平板状のベース板66bを取り付けるとともに、ベース板66bの下面に複数の吸盤66cを備える。この吸盤66cは、図示省略する吸引ノズルを介して吸引ポンプに連係される。さらに、第四シリンダ66aは、支持アーム66eを介してスライドレール66dに連係される。スライドレール66dは、第三ベルトコンベア51の搬送方向と平行に配置される。図示省略の駆動源からの駆動力を受けて、支持アーム66eひいては第四シリンダ66aがスライドレール66dに沿って前後進移動する。これにより、吸盤66cは、第四シリンダ66aのシリンダロッドの往復動作に伴い昇降し、第四シリンダ66aとともに前後進移動する。そして、蓋箱16の上面に吸盤66cが接触した状態で吸引ポンプによる吸引を行うことで、蓋箱16を吸着保持することができる。また、例えば図5に示すように、第四シリンダ66aが後退位置にあるとともに吸盤66cが上昇位置にある状態が、蓋吸着装置66の待機状態となる。
身箱保持装置67は、シリンダロッドの往復動作を上下方向にする第五シリンダ67aのシリンダロッドに矩形平板状のベース板67bを取り付けるとともに、ベース板67bの上面に複数の吸盤67cを備える。この吸盤67cは、図示省略する吸引ノズルを介して吸引ポンプに連係される。吸盤67cは、第五シリンダ67aのシリンダロッドの往復動作に伴い昇降する。これにより、身箱15の底面に吸盤67cが接触した状態で吸引ポンプによる吸引を行うことで、身箱15を吸着保持することができる。また、例えば図5に示すように、吸盤67cが下降位置にあるのが、身箱保持装置67の待機状態である。
蓋移し替え装置68は、昇降移動可能な受け板68aを備える。受け板68aは、第三ベルトコンベア51と、身箱プールコンベア18を跨ぐ上方空間に位置し、支持プレート68bを介して起立配置されたスライドレール68cに連係される。図示省略の駆動源からの駆動力を受けて、支持プレート68bひいては受け板68aがスライドレール68cに沿って昇降する。
蓋吸着装置66と身箱保持装置67を同期して動作させることで、空の箱12を構成する身箱15と蓋箱16とを分離する。すなわち、例えば図5に示すように、待機状態にある蓋吸着装置66と身箱保持装置67の間に、箱12が至ると、図示省略のストッパー部材が第三ベルトコンベア51の左右両側縁から搬送面上に突出し、箱12の搬送を一時停止する。そして、身箱保持装置67は、第五シリンダ67aの駆動により吸盤67cが上昇して、身箱15の底面に接触するとともに、身箱15を吸着保持する。また、蓋吸着装置66は、第四シリンダ66aの駆動により吸盤66cが下降して、蓋箱16の上面に接触するとともに、蓋箱16を吸着保持する(図7(a−1), 図7(a−2)参照)。
次いで、蓋吸着装置66の第四シリンダ66aのシリンダロッドが復動作してベース板66bとともに吸盤66cが上昇移動する。この上昇移動に伴い、吸盤66cが吸着保持した蓋箱16を上方に付勢する。このとき、対となる身箱15は、身箱保持装置67に吸着保持されているため、蓋箱16のみが上昇移動し、身箱15と蓋箱16とが分離される。
分離された身箱15と蓋箱16は、それぞれ次段の身箱プールコンベア18と蓋箱プールコンベア19に移し替えられる。この移し替えは、以下のように行う。すなわち、第四シリンダ66aがスライドレール66dに沿って前進移動する。これにより、図7(b−1),図(b−2)に示すように、分離された蓋箱16は、吸盤66cに保持された状態のまま蓋移し替え装置68の受け板68aの上に位置する。この状態で吸盤66cの吸引を解除すると、蓋箱16は受け板68aの上に載り、その受け板68aに支持される。その後、受け板68aは、図外の駆動源からの駆動力を受けてスライドレール68cに沿って上昇移動し、蓋吸着装置66は待機位置に復帰する(図7(c−1),図7(c−2)参照)。
図8に示すように、受け板68aが上端位置に至ると、蓋箱プールコンベア19の搬入口近傍に位置する。この上端位置では、受け板68aの両サイドに第六シリンダ68dにより往復移動する保持プレート68eが配置される。左右一対の保持プレート68eは、開いた状態では、両者間距離が蓋箱16の横幅よりも広く(図8(a−1)参照)、受け板68aとともに上昇移動してきた蓋箱16は、一対の保持プレート68e間に位置する。その状態で第六シリンダ68dの駆動を受けて一対の保持プレート68eが接近移動すると、蓋箱16の左右両側を下から支えて保持する(図8(b−1)参照)。これにより、蓋箱16の支持は受け板68aから保持プレート68eに移行し、受け板68aは下降移動して次の蓋箱16を待つ(図8(b−2)参照)。
次いで、スライドレール68fに連係されたプッシャープレート68gが、図8(b−1),(b−2)に示す待機位置から、蓋箱プールコンベア19の搬送方向に沿って前進移動し、保持プレート68eに保持されている蓋箱16を前方に付勢し、蓋箱16を蓋箱プールコンベア19上に移し替える(図8(c−1),(c−2)参照)。
一方、身箱15は、吸盤67cによる吸引を解除するとともに搬送を停止していたストッパー部材を待避させ、第三ベルトコンベア51の搬送力を受けて前進移動し、次段の身箱プールコンベア18に移し替える(図7(c−1),(c−2)参照)。
[製品移し替え装置20]
図1等に示すように、製品移し替え装置20は、図示省略する上流側の包装機から所定間隔毎に搬出されてくる製品28を縦一列で搬送する搬送コンベア70と、その搬送コンベア70の下流側に配置されるサーボループコンベア71と、サーボループコンベア71の直線上の搬送路に沿って配置される製品受け装置72と、製品受け装置72内に置かれた製品28を保持するとともに搬送装置21上の身箱15内に製品28を供給する箱詰ロボット73を備える。搬送コンベア70は、前後に2段に分かれており、一段目と二段目のつなぎ部分に、搬出コンベア装置74を配置している。例えば、製品移し替え装置20の下流側の装置で一時停止など生じ、上流側の包装機からの製品28の供給量がオーバーフローした場合に、搬送コンベア70上の製品28を搬出コンベア装置74側に流し、製品28が詰まることを防止する。製品28は、本実施形態では、菓子等の食料品を収納したピロー包装体で構成される。したがって、図1に示すように、製品28の進行方向の前後端には、シールされた耳部28aが形成される。
図9は、製品移し替え装置20の要部構成部分の拡大平面図を示している。同図に示すように、サーボループコンベア71は、複数のバケット71aを備え、バケット71aが無端状の所定の軌跡で移動する。所定の軌跡は、平行に配置される2本の直線区間71bと、その直線区間71b同士を結ぶ半円弧区間71cからなる。バケット71aは、一個の製品28を受け取り、所定の軌跡で搬送する。直線区間71bを移動中のバケット71aは、隣接するバケット71a同士が接触,近接した状態となる。一方の直線区間71bは、搬送コンベア70の搬出端が位置し、サーボループコンベア71への製品供給部となる。そして他方の直線区間71bは、サーボループコンベア71からの製品搬出部となる。他方の直線区間71bの外側に、製品受け装置72並びに箱詰ロボット73を配置し、さらにその外側に直線区間71bと平行に搬送装置21の搬送路を配置する。
サーボループコンベア71は、間欠駆動する。一時停止中は、搬送コンベア70の搬出端に所定のバケット71aが臨むように制御する。そして、搬送コンベア70から一定タイミング毎に搬出されてきた製品28が係る所定のバケット71a内に供給される。次いで、バケット71aの配置ピッチ分だけサーボループコンベア71が駆動し、次の空のバケット71aが搬出タイミングに合わせてバケット71aが搬送コンベア70の搬出端に位置する。以後、間欠駆動を繰り返すことで、バケット71aに順次製品28が供給される。
製品受け装置72は、複数の製品受けプレート72aを備える。製品受けプレート72aは、上部開放した略V字型となり、サーボループコンベア71側の側面は開口し、搬送装置21側の側面は、壁部72bを有する。そして、一時停止中に他方の直線区間71bに位置するバケット71aは、製品受けプレート72aに対向する。また、サーボループコンベア71の内部空間には、プッシャー75を配置する。このプッシャー75は、他方の直線区間71bを挟んで製品受け装置72と対向する箇所に配置する。プッシャー75は、一時停止中のバケット71a内の製品28に接触可能に形成される。そして、プッシャー75は、シリンダ等の駆動源からの駆動を受けて、直線区間71bにおけるバケット71aの移動方向と直交する方向に往復動作する。よって、サーボループコンベア71が一時停止中に、プッシャー75が製品受け装置72側に前進移動すると、そのプッシャー75に接触するバケット71a内の製品28が押し出され、製品受けプレート72a内に移動する。製品受けプレート72a内に押し入られた製品28は、製品受けプレート72aの壁部72bに接触し、それ以上の移動が抑止されるので、製品受けプレート72aから飛び出ることなく移し替えが完了する。プッシャー75は、後退移動して次の製品押出に備える。
箱詰ロボット73は、三次元空間を所定の軌跡で移動するロボットアーム73aと、ロボットアーム73aの先端に連係される吸着装置73bと、吸着装置73bの外側に配置される一対の開閉抑え板73cを備える。複数の吸着装置73bは、少なくとも製品受けプレート72aの個数分を有し、個々の吸着装置73bが各製品受けプレート72a内の製品28を吸着保持し、身箱15内に移送する。
ロボットアーム73aの動作により、各吸着装置73bの下端の吸着面を、製品受けプレート72a内の製品28に接触させるとともに、吸引して製品28を吸着装置73bに吸着保持する。この状態でロボットアーム73aの動作により吸着装置73bを上昇移動する。これにより、図10(a)に示すように、製品28は吸着装置73bとともに上昇し、製品受けプレート72aから取り出される。吸着装置73bは開閉抑え板73cとの関係において吸着面の位置を変更可能になっており、製品受けプレート72aから製品28を取り出す際には、吸着装置73bは上方に所定距離だけ後退する。次いで、第七シリンダ73dの駆動により一対の開閉抑え板73cが閉じ、開閉抑え板73cにより製品28の耳部28aを折り畳む(図10(b)参照)。次いで、ロボットアーム73aの動作により吸着装置73bを身箱15の上方に位置させ、その後、下降移動することで製品28を身箱15内に位置させる(図10(c)参照)。この身箱15内への収納時に吸着装置73bを前進させつつ供給することで、しかも耳部28aが折りたたまれているため、耳部28aが身箱15の側壁や中仕切り部15aにぶつかることなくスムーズに身箱15の所定位置に配置できる。その後、吸着装置73bの吸引を解除するとともに、ロボットアーム73aの駆動により吸着装置73bを上昇させることで、吸着装置73bから製品28が離反し、製品28は身箱15内にとどまる。なお、本実施形態では、身箱15には中仕切り部15aが設けられ、製品28の収納空間が2列となっているため、箱詰ロボット73は上記の処理を2回繰り返すことで製品28の身箱15内への箱詰処理が完了する。
また、搬送装置21は、押送フィンガー21aにより身箱15を搬送する。搬送装置21は、空の身箱15が製品受け装置72の横に至ると一時停止する。そして、搬送装置21は、箱詰ロボット73による身箱15内への製品28の箱詰処理が完了すると、搬送を再開する。
[蓋被せ装置33]
製品28並びにその他の所定の付属品が供給された身箱15は、所定の搬送経路を通って蓋被せ装置33に至る。そこにおいて蓋被せ装置33にて身箱15に蓋箱16が被せられる。この蓋被せ装置33は、図11に示すように、蓋箱プールコンベア19の第二搬送装置23の搬出端の下方空間に配置され、第二搬送装置23から順次搬出されてくる蓋箱16を受け取り、下方に移動する蓋箱搬送装置80と、蓋箱搬送装置80から落下供給される蓋箱16を作業空間に供給する蓋箱押出装置81と、身箱搬送装置24上を搬送されてくる製品28等が収納された身箱15を作業空間に供給する身箱押出装置82と、作業空間において実際に身箱15に蓋箱16を被せる蓋被せ装置本体83を備える。
蓋箱搬送装置80は、蓋箱16の進路に沿って第二搬送装置23の搬出端の前方に開口部を設けるとともに、その開口部の左右両側にそれぞれ開閉する底板80aを配置する。この底板80aは、図11に示すように、L字型プレートからなり、蓋箱16の左右の側壁の下端を支持し、開口部からの落下を阻止する。また、開口部の前端側上部には、ストッパー板80bが配置される。第二搬送装置23から搬出されて底板80a上を移動してきた蓋箱16の進行方向前端面がストッパー板80bに接触し、それ以上の前進移動を阻止する。これにより、第二搬送装置23から搬出されてくる蓋箱16は、一対の底板80a上に移動し、開口部内で支持される。また、この底板80aは、図示省略するシリンダロッドの往復動作を水平方向にするシリンダ等の駆動装置による駆動力を受けて水平方向に往復移動することで、第二搬送装置23の先端に設けた開口部を開閉する。
よって、シリンダの駆動により両底板80aが互いに接近して開口部を閉じた状態では、例えば図12(a−1),図12(a−2)に示すように、開口部上で保持される。この閉じた状態からシリンダの駆動により両底板80aが互いに離反し、離反距離が蓋箱16の横幅より広くなると蓋箱16は落下する(図12(b−1),図12(b−2)等参照)。
また、この底板80aの下方空間には、一対の可動受け板80cが上下に複数組配置される。この一対の可動受け板80cは、シリンダロッドの往復動作を水平方向にする第八シリンダ80dによる駆動力を受けて水平方向に往復移動することで、接近離反移動する。そして、一対の可動受け板80cが互いに接近した状態では、その可動受け板80c間の距離は蓋箱16の横幅よりも狭くなり、上方から落下してきた蓋箱16の側壁の下端を支持し、それ以上の落下を阻止する(図12(b−1),(b−2)等参照)。一方、その閉じた状態から第八シリンダ80dの駆動により両底板80aが互いに離反し、離反距離が蓋箱16の横幅より広くなると蓋箱16は落下する。落下した蓋箱16は、一段下に位置する一対の可動受け板80c(このときは閉じた状態となる)にて受け止められる。
以後、適宜のタイミングで第八シリンダ80dを駆動し、一対の可動受け板80cが適宜のタイミングで開閉することで、蓋箱16は各一対の可動受け板80cを一段ずつ下降移動し、最下端の一対の可動受け板80cに至る(図13(a−1),図13(a−2)参照)。
上下に配置された一対の可動受け板80cの下方空間には、固定受け板80eが配置される。この固定受け板80eは、所定の間隔をおいて配置された二枚の平行な帯板からなる。二枚の固定受け板80eの配置間隔は、蓋箱16の横幅よりも狭くしている。
よって、例えば図13(a−1),図13(a−2)に示すように、最下端の可動受け板80cに蓋箱16が存在する状態で最下端の一対の可動受け板80cが開くと、そこに保持されていた蓋箱16は落下し、下方の固定受け板80e上に位置し、そこで保持される(図13(b−1),図13(b−2)等参照)。この固定受け板80e上の蓋箱16は、蓋箱押出装置81にて押し出される。
蓋箱押出装置81は、固定受け板80eの上に位置する蓋箱16の一側面に接触し、蓋被せ装置本体83内の作業空間内に向けて付勢・押し出しするプッシャー部材81aを備える。このプッシャー部材81aは、図示省略する駆動源からの駆動力を受けスライドレール81bに沿って往復直線運動をする。プッシャー部材81aの先端は、固定受け板80eの上面よりも上方に突出し、一対の固定受け板80eの間に形成される空間内を、固定受け板80eに沿って往復移動する。
よって、図12に示す待機位置にあるプッシャー部材81aが蓋被せ装置本体83内の作業空間に向けて前進移動すると、図14(b−1),図14(b−2)に示すように、固定受け板80e上の蓋箱16は作業空間に向けて移動する。そして、プッシャー部材81aが最前端位置に至ると、蓋箱16は作業空間にセットされる。その後、プッシャー部材81aは後退移動し、次の蓋箱16の押し出しに備える。そして、プッシャー部材81aが待機位置に復帰したならば、最下端の一対の可動受け板80cが開き、そこに保持されていた蓋箱16を下方の固定受け板80e上に落下させる(図15(a−1),図15a−2)等参照)。
また、上記の蓋箱押出装置81の下方に配置された身箱押出装置82は、身箱搬送装置24上を搬送されてきた身箱15を、蓋被せ装置本体83内の作業空間内に向けて付勢・押し出しするプッシャー部材82aを備える。身箱搬送装置24は、左右に配置された二本のベルトコンベアを備え、プッシャー部材82aはその二本のベルトコンベアの間の空間に配置される。また、プッシャー部材82aは第九シリンダ82bを介してスライドレール82cに連係される。第九シリンダ82bの往復動作に伴い、プッシャー部材82aは昇降する。上昇位置にあるプッシャー部材82aの上方部位は、身箱搬送装置24の搬送面より上方に突出し、身箱15に接触して付勢可能となる。下降位置にあるプッシャー部材82aの上方部位は、身箱搬送装置24の搬送面より下方に位置し、身箱搬送装置24上の身箱15と接触しない。よって、第九シリンダ82bの往復動作と、図示省略の駆動源の駆動に伴うスライドレール82cに沿った第九シリンダ82bの前後進運動により、プッシャー部材82aは、上昇位置で前進移動して身箱15を前方に付勢し(図13、図14等参照)、下降位置で後退移動する(図15(a−1)等参照)。これにより、プッシャー部材82aの前進移動により、先頭の身箱15は蓋被せ装置本体83のレール部材83a上にセットされる。そして、プッシャー部材82aは後続の身箱15に接触することなく後退移動して待機位置に復帰する。
蓋被せ装置本体83は、身箱15を支持する二本のレール部材83aを備える。例えば図15,図16等に示すように、二本のレール部材83aは、細長な棒状体からなり、身箱15の底面の左右両側近傍を支えるように配置する。二本のレール部材83aの間の空間には、身箱15の移動方向に沿って前後に第一ガイド片83bを二個ずつ配置する。つまり、身箱15の進行方向前方(図11等における図中左側)に、身箱15の進行方向の左右にそれぞれ第一ガイド片83bを配置し、身箱15の進行方向後方(図11等における図中右側)に、身箱15の進行方向の左右にそれぞれ第一ガイド片83bを配置する。また、第一ガイド片83bの上端作動部83b′は、中央側に折れ曲がった傾斜面と、その先端の上方に向いた起立面とを有する。起立面は、身箱15の搬送面と直交する垂直面に沿うようにしている。
第一ガイド片83bは、第十シリンダ83cの駆動を受けて昇降する。また、第十シリンダ83cは、所定の駆動源からの駆動力を受けて、身箱15の搬送方向と平行な前後方向に往復移動可能としている。これにより、第一ガイド片83bは、第十シリンダ83cの駆動により昇降し、また、第十シリンダ83cの前後進移動に伴い前後に対向する第一ガイド片83b同士が接近/離反する。
図14(b−2),図15,図16等に示すように、各レール部材83aの外側、すなわち身箱15の進行方向の左右両側には、それぞれ二個の第二ガイド片83fを配置する。第二ガイド片83fの上端部83f′は、二股状に分岐しており、その上端部83f′にて蓋箱16の側壁の下端を支持するようにしている。さらに、第二ガイド片83fは、第十一シリンダ83gの駆動を受けて昇降する。
また、作業空間の上方には、押さえ板83dと、その押さえ板83dを昇降するための第十二シリンダ83eが配置される。押さえ板83dは、作業空間に位置する蓋箱16の天面の所定部位に接触し、蓋箱16を下方に付勢するものである。接触する所定部位は、蓋箱押出装置81にて押し出されてきた蓋箱16の進行方向の左右両側とする。よって、例えば図15に示すように、各レール部材83aの上方に、それぞれ押さえ板83dを配置する。そして、図11に示す押さえ板83dの待機位置から、第十二シリンダ83eが駆動して押さえ板83dが下降移動すると、左右一対の押さえ板83dが蓋箱16の天面の左右両側にそれぞれ接触して下方に付勢する。
上述した構成の蓋被せ装置本体83は、以下のように動作するように制御する。まず、図13(b−1)に示すように、前後両方の第一ガイド片83bが下降位置にある待機位置から、図14(a−1)に示すように身箱15の搬送方向の前方に位置する第一ガイド片83bが、第十シリンダ83cの駆動を受けて上昇移動する。このとき、身箱押出装置82のプッシャー部材82aに押し出されて、身箱15はレール部材83a上を移動する。この身箱15の移動中は、身箱15の搬送方向の前方に位置する第一ガイド片83bは下降位置にある待機位置を維持する。
プッシャー部材82aが最前方位置まで移動すると、身箱15はレール部材83a上に移り、前後の第一ガイド片83b間の空間に位置する(図14(b−1),図14(b−2))。また、仮にプッシャー部材82aによる付勢力が大きく、身箱15が勢いよくレール部材83a上を前進移動しても、その前方に位置する第一ガイド片83bに接触し、それ以上の前進移動が抑止される。このように本実施形態では、身箱15の搬送方向の前方に位置する第一ガイド片83bは、作業空間に進入してくる身箱15の前進を停止するストッパー機能・位置決め機能も備える。
次いで、身箱15の搬送方向の前方に位置する第一ガイド片83bは、第十シリンダ83cの駆動を受けて上昇移動する。これにより、身箱15の前後が第一ガイド片83bで挟まれた状態となり、身箱15の前後方向の移動が抑止される。
一方、図14(b−1)に示すように、蓋箱押出装置81のプッシャー部材81aが前進移動することにより固定受け板80e上の蓋箱16は前進移動する。そして、蓋箱16が作業空間に位置する際には、第十一シリンダ83gの駆動により第二ガイド片83fが上昇移動する。これにより、図14(b−2)に示すように、第二ガイド片83fの上端部83f′は、押し出されてくる蓋箱16の側壁の直下に位置する。よって、蓋箱16がある程度押し出され、固定受け板80e上での支持がなくなり落下しようとすると、係る蓋箱16の側壁が、二股状に分岐した第二ガイド片83fの上端部83f′で受けられる。
そして、プッシャー部材81aが最前方位置まで移動すると、蓋箱16は完全に押し出されて落下し、蓋箱16の移動方向の左右両側の側壁が、直下に位置する第二ガイド片83fで支持される。また、このとき、蓋箱16の移動方向の前後のそれぞれの側壁の内側には、第一ガイド片83bの上端作動部83b′が入り込む(図15(a−1),図15(b−2))。
一方、図14〜図16に示すように、第十シリンダ83cは、ガイドレール83hに連係され、図示省略する駆動源からの駆動を受け、身箱15,蓋箱16の移動方向に沿って往復移動する。ここの第十シリンダ83cの往復移動に伴い、前後に配置された第一ガイド片83b上昇は、互いに接近離反移動する。これにより、例えば図15(a−1),図15(b−2)に示すように、第一ガイド片83bの上端作動部83b′が蓋箱16の内側に入った状態で、前後、すなわち、蓋箱16の対向する側壁に隣接する第一ガイド片83bが互いに離反する方向に移動すると、第一ガイド片83bの上端作動部83b′により接触する側壁は外側に押し広げられる。
そこで、そのように第一ガイド片83bを離反させた状態で、第十シリンダ83c,第十一シリンダ83gの駆動により、第一ガイド片83b,第二ガイド片83fが下降移動する。すると、図15(a−1),図15(a−2)に示すように、蓋箱16は第二ガイド片83fに支えられた状態で下降移動する。そして、最終的に図15(b−1),図15(b−2)に示すように、蓋箱16は身箱15に被さる。上述したように、第一ガイド片83bによって蓋箱16の側壁が外に広がっているため、蓋箱16は身箱15に対してスムーズにはめ込まれる。しかも、第一ガイド片83bの上端作動部83b′は、傾斜面を有しているため、第一ガイド片83bの下降移動時にその傾斜面が身箱15の側壁を内側に押し込むようになることも相まって、蓋箱16の側壁の下端と身箱15の側壁の上端が干渉することなくスムーズに蓋箱16が身箱15の上から装着する。
その後、図16(a−1),図16(a−2)に示すように、第一ガイド片83b,第二ガイド片83fは、レール部材83aより下側の最下端の待機位置に復帰し、蓋箱16から離反する。そして、第十二シリンダ83eの駆動により押さえ板83dが下降移動し、蓋箱16を下方に押し込み、蓋箱16を完全に身箱15に被せ、蓋被せ処理が完了する。なお、押え板83dの下降は第一ガイド片83b及び第ニガイド片83fに追従するようにしても良い。
次いで、第十二シリンダ83eの駆動により押さえ板83dが上昇移動し、押さえ板83dが蓋箱16から離反する。そして、蓋箱16の被せ処理が完了した製品28等が収納された身入箱35は、下流側に搬出される(図16(b−1),図16(b−2))。この下流側への搬出は、例えば、図示省略するプッシャー装置等により身入箱35を付勢して行っても良いし、例えば、身箱押出装置82によりレール部材83a上に移動してきた身箱15が、蓋被せ処理が完了した身入箱35を押し出すようにしても良い。そして、身入箱35がある程度押し出されると、係る身入箱35は、次段の搬送コンベア85からの搬送力を受けて前進移動する。
[段積みバッファ装置36]
図17に示すように、段積みバッファ装置36は、身入箱35を搬送する搬送コンベア85を備える。この搬送コンベア85は、所定の間隔をおいて平行に配置された二本のベルトコンベアを有する。この搬送コンベア85は、段積みバッファ装置36の搬入側の上流端から搬出側の下流端に至り、蓋被せ装置33から搬出されてきた身入箱35を受け取り、搬送する。そして、通常状態では、段積みバッファ装置36によるバッファ処理すること無く、身入箱35は、搬送コンベア85上をそのまま移動し、次段の異物検査装置37に供給される。
搬送コンベア85の搬入側付近の所定位置には、ストッパー片86が設置される。このストッパー片86は、搬送コンベア85を構成する左右のベルトコンベアの間の空間に配置される。さらにストッパー片86は、第十三シリンダ87の駆動を受けて昇降する。そして、下降した待機位置にあるストッパー片86は、搬送コンベア85の搬送面より下方に位置する。そして、上昇位置にあるストッパー片86は、上端が搬送コンベア85の搬送面よりも上方に突出する。よって、ストッパー片86が待機位置にあるときは、身入箱35は搬送コンベア85上をそのまま移動し、ストッパー片86が上昇位置にあるときには、身入箱35はストッパー片86に接触して一時停止する。
その一時停止する位置の下方に、押し上げ板88が配置される。この押し上げ板88は、第十四シリンダ89の駆動を受けて昇降移動する。下降した待機位置にある押し上げ板88は、搬送コンベア85の搬送面と面位置か下方に位置する。上昇位置にある押し上げ板88の左右両側には、一対の可動片90を配置する。この可動片90は、第十五シリンダ91の駆動を受けて、水平方向に往復移動し、互いに接近離反する。図17に示すように、一対の可動片90が離反した待機位置では、両者間距離は身入箱35の横幅よりも広くなる。また、一対の可動片90が接近した状態では、両者間距離は身入箱35の横幅よりも狭くなる。よって、一対の可動片90の上面にて身入箱35を支持可能となる。さらに、後述するように押し上げ板88の昇降動作と、一対の可動片90の開閉動作を適宜のタイミングで行うことで、可動片90の上に複数個の身入箱35を積み重ねた状態で保持するようになっている。
搬送コンベア85上を搬送されてくる身入箱35を一時停止、可動片90上に移し替えるための具体的な制御、動作は以下のようになる。すなわち、例えば、段積みバッファ装置36より下流側の装置が一時停止等して身入箱35の搬出を一時停止する場合、図17に示すようにストッパー片86にて搬送コンベア85上の所定位置で一時停止する。次いで、第十四シリンダ89の駆動により押し上げ板88を上方位置まで上昇移動する(図18(a−1),図18(a−2))。この時、可動片90は待機位置にあり、押し上げ板88により持ち上げられた身入箱35の底面は、可動片90の上面と同一高さ位置に位置する。また、ストッパー片86は一旦下降して待機位置に復帰する。これにより、例えば、身入箱35を押し上げた後、下流側での一時停止が解除されたような場合、後続の身入箱35は搬送コンベア85上をそのまま移動する。
一方、押し上げ板88で持ち上げられた身入箱35は、第十五シリンダ91の駆動により一対の可動片90が互いに接近移動し、当該身入箱35の底面を可動片90の上面で支持する。次いで、押し上げ板88が下降移動する(図18(b−1),図18(b−2))。これにより、当該身入箱35に対する支持が、押し上げ板88から可動片90に移る。また、押し上げ板88が待機位置に復帰すると、次の身入箱35のバッファに備え、ストッパー片86が上昇すると、身入箱35は押し上げ板88の上で一時停止する。
次いで、押し上げ板88が上昇移動し、身入箱35を持ち上げる。このとき、可動片90は閉じているため、図18(c−1),図18(c−2)に示すように、押し上げ板88上の身入箱35の上面が可動片90の下面に接触あるいは近接したタイミングで、一対の可動片90を離反移動させる。すると、図18(d−1),図18(d−2)に示すように、可動片90で支持されていた所定数の身入箱35(ここでは1個)は、可動片90による支持がなくなり落下し、直下に位置する押し上げ板88上の身入箱35の上に載る(図18(d−1),図18(d−2))。落下距離は、可動片90の板厚さ分等で短いため、落下時の衝撃も少なく、押し上げ板88の上に積み重なった状態で保持される。その後さらに押し上げ板88が上昇移動し、最上位置に至ると、押し上げ板88により持ち上げられた最下端の身入箱35の底面は、可動片90の上面と同一高さ位置に位置する(図18(e−1),図18(e−2))。
一方、押し上げ板88で持ち上げられた身入箱35は、第十五シリンダ91の駆動により一対の可動片90が互いに接近移動し、当該身入箱35の底面を可動片90の上面で支持する(図18(f−1),図18(f−2))。これにより、積み重なった身入箱35に対する支持が、押し上げ板88から可動片90に移る。以後、上記処理を繰り返し行うことで、所定数の身入箱35を可動片90上に積み重ねた状態になる(図18(g−1),図18(g−2))。
一方、搬送コンベア85の上方には、所定の距離をおいて、バッファ用コンベア94が配置される。このバッファ用コンベア94を設置する高さ位置と、上昇位置にある押し上げ板88の上面並びに可動片90の上面は、ほぼ同一平面に位置させる。そして、バッファ用コンベア94の搬入側端と、可動片90を近接配置する。さらに、可動片90のバッファ用コンベア94と反対側の側縁近傍には、上方にのびるプッシャー板92を配置する。このプッシャー板92は、第十六シリンダ93の駆動を受けて、水平方向に往復移動する。具体的には、図17に示す待機位置では、可動片90の外側に所定距離をおいて位置する。この待機位置の状態から第十六シリンダ93の往動作によりシリンダロッドが伸びると、プッシャー板92は可動片90に接近し、さらに、可動片90内を進みバッファ用コンベア94の搬入端側付近まで移動する(図18(h−1),図18(h−2))。また、プッシャー板92の下端は、可動片90の上面よりも下側に位置する。また、プッシャー板92の上端は、可動片90の上に積み重なる複数個の身入箱35の最上端に位置する身入箱35の上面よりも上方に位置する設定とする。これにより、可動片90に接触して支持されている身入箱35に対して確実に付勢力を与え、可動片90の上に載っている複数個の身入箱35を確実に押し出すことができる。
バッファ用コンベア94の搬出側には、渡りコンベア95が配置される。この渡りコンベア95の左右両側には、第二ストッパー柱97が起立形成される。各第二ストッパー柱97は、L字プレートから構成され、その高さは、バッファ用コンベア94,渡りコンベア95上を移動する積み重ねられた複数の身入箱35の高さよりも所定長さだけ高くなるように設定している。この一対の第二ストッパー柱97は、例えばシリンダなどの所定の駆動手段に連係され、身入箱35の搬送方向と直交する方向(以下、「左右方向」とも称する)に移動する。一対の第二ストッパー柱97は、同期して互いに接近離反移動し、両者間が最も離れた待機状態では、一対の第二ストッパー柱97の間隔は、身入箱35の横幅とほぼ等しいか広くしている。これにより、待機位置にあるときには、渡りコンベア95上を移動する身入箱35は、一対の第二ストッパー柱97間を通過して前進移動する。一方、この待機状態にある第二ストッパー柱97が互いに接近すべく前進移動すると、各第二ストッパー柱97は、身入箱35の進行方向前方に突出してきて、その身入箱35の前進移動を遮る位置に至る。すると、第二ストッパー柱97は、積み重ねられた各身入箱35の前面に接触し、渡りコンベア95が回転していても身入箱35の移動が一時停止する。これにより、バッファ用コンベア94上を例えば前後に複数の積み重なった身入箱35が移動している場合、先頭の身入箱35を後続から分離することができる。
渡りコンベア95の搬出側には、第二プッシャー装置96が配置される。この第二プッシャー装置96は、上下方向にのびる丸棒状の第三バー96aと第四バー96bと、これらを所定の相対位置関係に連結する連結プレート96cと、図示省略するが連結プレート96cに連携された駆動装置とを備える。連結プレート96cは、平面略L字状であり、その連結プレート96cの両先端側にそれぞれ第三バー96aと第四バー96bを連結する。連結プレート96cは、図示省略する駆動装置に連携され水平平面内で移動可能となっている。この駆動装置の駆動力を受け、連結プレート96cひいてはそれと一体になった第三バー96a,第四バー96bは、身入箱35の搬送方向と直交する方向(以下、「左右方向」とも称する)と、身入箱35の搬送方向と平行な方向(以下、「前後方向」とも称する)に移動する。駆動装置は、例えばシリンダなどで構成するとよい。
この第二プッシャー装置96の動作は、以下のようになっている。まず、第二プッシャー装置96は、左右方向と前後方向でともに後退移動し、左右一対の第二プッシャー装置96(第三バー96a,第四バー96b)が互いに離反し、両者間距離が最も離れるとともに、進行方向後側に位置した状態が待機状態となる。この待機状態では、左右の第三バー96a間の間隔は、身入箱35の横幅よりも広い設定としており、渡りコンベア95上を移動する身入箱35は、第二プッシャー装置96間を通過し、さらに前進移動する。
身入箱35の進行方向後面が第二プッシャー装置96の第三バー96aの位置を通過後、一対の第二プッシャー装置96は、駆動装置により互いに接近移動する。これにより、第三バー96aは、身入箱35の後面に対向する。また、第四バー96bは、身入箱35の側面に接触する。さらに、第二プッシャー装置96は、駆動装置により身入箱35の搬送方向前方に向けて移動する。これにより、身入箱35の進行方向後方側の両角部が一対の第二プッシャー装置96にて抑えられ、第二プッシャー装置96の前進移動に伴い身入箱35を前方に付勢する。
渡りコンベア95の搬出端側の前方には、身入箱ストッカー装置100が配置される。また、バッファ用コンベア94の搬出端よりも搬送コンベア85の搬出端の方が下流側に位置するため、身入箱ストッカー装置100は、搬送コンベア85の上方に位置する。そして、この身入箱ストッカー装置100は、第二プッシャー装置96により複数に積み重なった身入箱35を受け取り、下側から1個ずつ身入箱35を搬送コンベア85上に搬出する。
図17並びに図19に示すように、身入箱ストッカー装置100は、搬入側が開放して、積み重なった身入箱35の進入を許容し、残りの三方の面にガイド棒102,104を起立配置し、身入箱ストッカー装置100内に進入してきた積み重なった身入箱35の側面をガイドする。具体的には、身入箱35の進行方向前方の奥側には、複数本の丸棒状の第三ガイド棒102が起立配置され、それら各第三ガイド棒102は、連結プレート103により連係される。第二プッシャー装置96により身入箱ストッカー装置100内に押し込まれた身入箱35の前面は、この第三ガイド棒102の接触し、位置決めされる。また、身入箱35の進行方向左右両側には、複数本の丸棒状の第四ガイド棒104が起立配置され、それら各第四ガイド棒104は、その上下両端にて連結プレート105により連係される。左右に配置された第四ガイド棒104の間隔は、身入箱35の横幅とほぼ等しくしている。また、好ましくは、第四ガイド棒104は、連結プレート105に対して自転可能に軸受け支持するとよい。このようにすると、積み重なった身入箱35の進入の際に身入箱35の側面に接触した第四ガイド棒104が自転し、スムーズな進入を案内するので良い。
また、第四ガイド棒104の外側には、シリンダロッドの往復動作を水平方向にする第十七シリンダ106が上下に二個配置される。第十七シリンダ106のシリンダロッド106aの先端には、支持板107が連結され、その支持板107の表面に、多数の保持具108が取り付けられる。シリンダロッド106aの往復動作に伴い、支持板107は第四ガイド棒104の外側で、第四ガイド棒104に接近離反移動する。そして、支持板107が第四ガイド棒104から離反した待機位置では、保持具108は、第四ガイド棒104の外側に位置する。よって、保持具108は、身入箱35と非接触となり、上述した第二プッシャー装置96による身入箱ストッカー装置100内への身入箱35の供給を許容する。
一方、第十七シリンダ106の動作に伴い支持板107が第四ガイド棒104の外側に接近した作動位置では、保持具108は、隣接する第四ガイド棒104間の空間を通り、第四ガイド棒104の内側に突出位置する。よって、保持具108は、身入箱35の側面に接触し、第十七シリンダ106の圧力により積み重なった身入箱35を左右両側から挟み込んで保持する。さらに、保持具108は、積み重なった身入箱35の高さ方向に全体的に接触するが、最下端の身入箱35には非接触で、少なくとも下から2番目の身入箱35は接触して保持する。
この保持した状態では、仮に身入箱ストッカー装置100の下方が開口していても、下から2番目より上側に位置する身入箱35は保持具108に保持され、落下しない。保持具108は、例えば、ゴム、シリコンなどの弾力性のある材料で構成するとよい。また、吸盤等の吸着手段を備えてもよい。
さらに、身入箱ストッカー装置100の底面の左右側縁に、それぞれ開閉する底板110を配置する。この底板110は、シリンダロッドの往復動作を水平方向にする第十八シリンダ111等の駆動装置による駆動力を受けて水平方向に往復移動することで、身入箱ストッカー装置100の底面を開閉する。そして、底板110の上面は、渡りコンベア95の搬送面と同一平面上に位置する設定としている。これにより、渡りコンベア95から搬出されてきた積み重なった身入箱35は、そのままスムーズに身入箱ストッカー装置100の開口より内部に進入し、底板110上に位置する。
両底板110が互いに接近して閉じた状態では、底板110は身入箱ストッカー装置100の底面の一部を遮り、最下端に位置する身入箱35の底面の左右両側部位を支持し、身入箱35の落下を抑止する。これにより、渡りコンベア95から搬出されてきた身入箱35の底面の左右両側部位が、底板110上にスムーズに移し替えられ、身入箱ストッカー装置100内にストックされる。
一方、両底板110が互いに離反した待機位置では、底板110は身入箱ストッカー装置100の外側に位置し、底面が開口する。これにより、保持具108で保持されていない最下端の身入箱35は、底板110からの支えがなくなり、搬送コンベア85に落下供給する。
また、図19等に示すように、身入箱ストッカー装置100の下方には、落下する身入箱35を受ける受け板部材113を配置する。この受け板部材113は、図19(a)に示すように、搬送コンベア85を構成する二本のベルトコンベアの間に配置される。そして、受け板部材113は、その下方に配置された第十九シリンダ112の駆動により昇降移動する。
第二プッシャー装置96により身入箱ストッカー装置100内に供給された積み重ねられた身入箱35は、以下のようにして最下端の身入箱35から順に搬送コンベア85に戻す。すなわち、まず、図20(a−1),図20(a−2)に示すように、底板110は互いに接近して身入箱ストッカー装置100の底を閉じるとともに、左右の保持具108は離反した待機位置に位置させた状態で、第二プッシャー装置96による身入箱35の供給を行う。
次いで、第十七シリンダ106の駆動により、支持板107,保持具108を接近移動させ、積み重なった身入箱35を左右両側から挟み込んで保持する。このとき、最下端の身入箱35は保持具108が接触しない(図20(b−1),図20(b−2))。さらに、例えば保持具108による身入箱35を保持したならば、第十九シリンダ112の駆動により受け板部材113を上昇移動し、受け板部材113の上面を身入箱ストッカー装置100内の最下端の身入箱35の底面に接触あるいは近接する状態にする。
次いで、図20(c−1),図20(c−2)に示すように、第十八シリンダ111を駆動させ、底板110が離反移動して身入箱ストッカー装置100の底を開く。これにより、最下端の身入箱35に対する底板110からの支持が解除され、直下に待機している受け板部材113が最下端の身入箱35を受ける。
その後、図21(a−1),図21(a−2)に示すように、第十九シリンダ112の駆動により受け板部材113が下降移動し、受け板部材113とともに身入箱35が下降する。そして、受け板部材113が搬送コンベア85の搬送面の下に位置すると、受け板部材113上の身入箱35は、搬送コンベア85上に移し替えられる。これにより、搬送コンベア85上を前進移動し、異物検査装置37に至る。このように本実施形態では、昇降移動する受け板部材113を配置したことで、身入箱ストッカー装置100から落下された身入箱35の落下距離が短くなり、落下時に身入箱35に加わる衝撃が少なく、身入箱35を損傷することなくスムーズに搬送コンベア85の所望位置に移し替えることができる。しかも、受け板部材113の昇降は、第十九シリンダ112といった簡単な構成で実現できる。
また、底板110が離反し、身入箱ストッカー装置100の底が開いていても、身入箱ストッカー装置100内の身入箱35は保持具108により保持されているため、落下することなく身入箱ストッカー装置100内にとどまる。
次いで、第十九シリンダ112の駆動により受け板部材113が上昇移動し、受け板部材113の上面が保持具108で保持されている最下端の身入箱35の底面に接触あるいは近接する(図21(b−1),図21(b−2))。そして、第十七シリンダ106を駆動して支持板107,保持具108を後退移動させ、保持具108を身入箱35から離反させる。これにより、身入箱35の保持が解除され、身入箱ストッカー装置100内の身入箱35は、受け板部材113により支持される(図21(c−1),図21(c−2))。
次いで、第十九シリンダ112の駆動により受け板部材113を身入箱35の高さ分だけ下降移動させる。すると、受け板部材113により支持されている身入箱35が全体的に下降移動する(図22(a−1),図22(a−2))。そして、第十七シリンダ106の駆動により、保持具108を接近移動させ、積み重なった身入箱35を左右両側から挟み込んで保持する。このとき、最下端の身入箱35は保持具108が接触しない(図22(b−1),図22(b−2))。
そして、第十九シリンダ112の駆動により受け板部材113をさらに下降移動させると、最下端の身入箱35のみが受け板部材113とともに下降移動する。そして、受け板部材113が搬送コンベア85の搬送面の下に位置すると、受け板部材113上の身入箱35は、搬送コンベア85上に移し替えられる。これにより、搬送コンベア85上を前進移動し、異物検査装置37に至る。
以後、例えば図21(b−1)から図22(c−1)までの処理を繰り返し行うことで、身入箱ストッカー装置100内の身入箱35を一つずつ順に搬送コンベア85に戻すことができる。よって、下流側の状況に応じて、搬送コンベア85をそのまま移動してきた身入箱35と、身入箱ストッカー装置100内から戻した身入箱35を適宜下流側装置に供給する。
[変形例]
上述した身入箱ストッカー装置100からの身入箱35の搬出処理工程は、ストッカー装置50からの箱12の搬出処理工程に適用しても良い。また、身入箱の一時的な貯留は、本実施形態では、段積みバッファ装置36により複数個積み重なった状態で行ったが、本発明はこれに限ることはなく、一個ずつ平置きの状態で貯留しても良い。