JP6228441B2 - アスファルト組成物およびその用途 - Google Patents

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Description

本発明は、アスファルト組成物、アスファルト混合物、ルーフィング材、およびアスファルト舗装に関する。
アスファルト(瀝青)は、骨材に被覆・締結してアスファルト混合物とすることにより、アスファルト舗装を行う際等に有用に用いることが可能な材料である。しかしながら、アスファルトは低温下では脆化し、高温下では流動するという欠点がある。
このような欠点を解消するためのアスファルトの改良方法が従来から提案されている。従来、アスファルトに改質剤を添加して改質アスファルト組成物とすることによって、アスファルトの粘性及び低温脆性を改良し、耐流動性、耐摩耗性および耐クラック性を向上させてきた。これらの改質剤の一つとして、ゴム系改質剤、熱可塑性エラストマー、熱可塑性樹脂等が用いられている。
ゴム系改質剤としては、SBR(スチレン・ブタジエン・ラバー)、NR(天然ゴム)、SIR(スチレン・イソプレン・ラバー)等のゴムラテックスまたは粉末などが知られている。しかしながら、これらのゴム系改質剤は、アスファルトとの相溶性が優れず、また骨材の保持性にも劣っており、轍掘れや、骨材飛散等の問題を有している。
熱可塑性エラストマーとしては、SBS(スチレン・ブタジエン・スチレン)、SIS(スチレン・イソプレン・スチレン)、およびSEBS(SBSブロック共重合体の水素添加物)等のブロック共重合体が知れている。これらの熱可塑性エラストマーを用いた場合には、ゴム改質剤を用いた場合と比べて、アスファルトとの相溶性に優れているが、粘度が高く、混合温度を下げることができない。
しかしながら、スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体等のブロック共重合体を用いた場合であっても、共重合体とアスファルトとの混合物を長期間静置した場合には、層分離を起こしていた。このような層分離を防ぐ目的で、溶剤を含むブロック共重合体と芳香族化合物とを混合した後にアスファルトを加え改質アスファルト組成物を得ることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、特許文献1に開示された改質アスファルト組成物等の従来公知の改質アスファルト組成物は、該組成物を用いて得られたアスファルト混合物は、塗工性が悪く、アスファルト舗装等を行った場合には、低温時の耐ひび割れ性が低く、未だ改良が望まれていた。
特開昭62−205150号公報
アスファルト組成物としては、スチレン系共重合体を用いるものが現在主流であるが、該アスファルト組成物を含むアスファルト混合物を用いてアスファルト舗装等を行うと、低温時の耐ひび割れ性が低く、また塗工性が悪いという問題があった。
本発明は、アスファルト混合物等として用いた場合の低温時の耐ひび割れ性に優れ、塗工性にも優れるアスファルト組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を達成するために、鋭意研究を重ねた結果、スチレン系共重合体とともに、特定のエチレン・α-オレフィン共重合体を用いたアスファルト組成物は、上記課題を解決することができることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明のアスファルト組成物は、スチレン系共重合体(A)50〜99質量部、エチレンと炭素原子数3〜20のα−オレフィンとからなるエチレン・α−オレフィン共重合体(B)50〜1質量部(ただし(A)と(B)との合計を100質量部とする)、およびアスファルト(C)400〜5000質量部を含有し、前記エチレン・α−オレフィン共重合体(B)が下記要件(1)〜(3)を満たすアスファルト組成物である。
(1)ASTM D−1238に準拠し、190℃、10kg荷重で測定したメルトインデックス(I10)と、190℃、2.16kg荷重で測定したメルトインデックス(I2)との比(I10/I2)が7.0以下である。
(2)分子量分布(Mw/Mn)が2.5以下である。
(3)密度が900kg/m3以下である。
前記エチレン・α−オレフィン共重合体(B)が下記要件(4)を満たすことが好ましい。
(4)前記I10/I2とMw/Mnとが、下記式(I)を満たす。
Mw/Mn > (I10/I2)−4.63 ・・・(I)
本発明のアスファルト組成物は、前記スチレン系共重合体(A)を77〜99質量部、前記エチレン・α−オレフィン共重合体(B)を23〜1質量部(ただし(A)と(B)との合計を100質量部とする)含有することが好ましい。
前記エチレン・α−オレフィン共重合体(B)が、エチレン・1−ブテン共重合体およびエチレン・1−オクテン共重合体から選ばれる少なくとも一種の重合体であることが好ましい。
前記スチレン系共重合体(A)が、スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体またはこれらの水素添加重合体であることが好ましい。
本発明のアスファルト混合物は、前記本発明のアスファルト組成物と骨材とを含有する。
本発明のルーフィング材は、前記本発明のアスファルト組成物を含有するルーフィング材。
本発明のアスファルト舗装は、前記本発明のアスファルト混合物から形成される表層を有する。
本発明のアスファルト組成物に含まれる、スチレン系共重合体(A)および、エチレン・α−オレフィン共重合体(B)からなる樹脂組成物は、低温での貯蔵弾性率が低く、溶融時の高剪断粘度が高いため、本発明のアスファルト組成物を含むアスファルト混合物を用いてアスファルト舗装等を行うと、低温時の耐ひび割れ性に優れ、塗工性にも優れる。
次に本発明について具体的に説明する。
<アスファルト組成物>
本発明のアスファルト組成物は、スチレン系共重合体(A)50〜99質量部、エチレンと炭素原子数3〜20のα−オレフィンとからなるエチレン・α−オレフィン共重合体(B)50〜1質量部(ただし(A)と(B)との合計を100質量部とする)、およびアスファルト(C)400〜5000質量部を含有し、前記エチレン・α−オレフィン共重合体(B)が下記要件(1)〜(3)を満たすことを特徴とする。
(1)ASTM D−1238に準拠し、190℃、10kg荷重で測定したメルトインデックス(I10)と、190℃、2.16kg荷重で測定したメルトインデックス(I2)との比(I10/I2)が7.0以下である。
(2)分子量分布(Mw/Mn)が2.5以下である。
(3)密度が900kg/m3以下である。
〔スチレン系共重合体(A)〕
本発明のアスファルト組成物には、スチレン系共重合体(A)が含まれる。スチレン系共重合体(A)としては、通常はスチレン系ブロック共重合体が用いられる。また、スチレン系共重合体(A)は、スチレン系ブロック共重合体に水添を行うことにより得られる水素添加重合体であってもよい。
前記スチレン系ブロック共重合体の構造は決定的でなく、線状型もしくは放射状型であってもよく、ジブロックまたはトリブロックであってもよく、或はそれらの如何なる組み合わせであってもよい。主要な構造は、好適には、トリブロック構造、より好適には線状トリブロック構造である。
このようなブロック共重合体の製造方法は既に知られている。不飽和ゴムモノマー単位を有する有用なブロック共重合体を製造するに適した触媒には、リチウムを基とする触媒、特にリチウムアルキル類が含まれる。米国特許第3,595,942号には、不飽和ゴムモノマー単位を有するブロック共重合体の水添を行って飽和ゴムモノマー単位を有するブロック共重合体を製造するに適切な方法が記述されている。
このポリマー類の構造はそれの重合方法で決定される。例えば、リチウムアルキル類またはジリチオスチルベンなどの如き開始剤を用いて反応容器に所望のゴムモノマーを逐次的に導入するか、或は二官能のカップリング剤を用いてブロック共重合体を2セグメント連成させると、線状ポリマー類が生じる。他方、不飽和ゴムモノマー単位を3個以上有するブロック共重合体に対して一官能の適切なカップリング剤を用いることにより、分枝構造を得ることができる。多官能カップリング剤、例えばジハロアルカン類またはアルケン類およびジビニルベンゼンなどに加えて特定の極性化合物、例えばハロゲン化ケイ素、シロキサン類、または一価アルコールとカルボン酸のエステルなどで連成を生じさせることができる。
本発明の組成物の一部を形成するブロック共重合体を適切に記述することに関して、そのポリマーに何らかのカップリング残基が存在していることは無視可能である。
本発明に用いられるスチレン系共重合体(A)としては、特に限定はないが、スチレン・ブタジエン(SB)ブロック共重合体、スチレン・イソプレン(SI)ブロック共重合体、スチレン・ブタジエン・スチレン(SBS)ブロック共重合体、スチレン・イソプレン・スチレン(SIS)ブロック共重合体、α−メチルスチレン・ブタジエン・α−メチルスチレンブロック共重合体、α−メチルスチレン・イソプレン・α−メチルスチレンブロック共重合体およびこれらの水素添加重合体などが挙げられる。前記スチレン系共重合体(A)としては、一種で用いても、二種以上を用いてもよい。
前記スチレン系共重合体(A)としては、スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体またはこれらの水素添加重合体が好ましい。
前記スチレン系ブロック共重合体のスチレン系部分は、好適には、スチレンおよびそれの類似物および同族体(これらにはα−メチルスチレンおよび環置換スチレン類、特に環がメチルで置換されているスチレン類が含まれる)のポリマーまたはインターポリマーである。好適なスチレン系としてはスチレンおよびα−メチルスチレンであり、スチレンが特に好適である。
不飽和ゴムモノマー単位を有するスチレン系ブロック共重合体は、ブタジエンまたはイソプレンのホモポリマー類および上記2種ジエン類の一方または両方と、少量のスチレン系モノマーとの共重合体を包含し得る。
この使用するモノマーがブタジエンである場合、ブタジエンポリマーブロック中の縮合ブタジエン単位の35から55モルパーセントが1,2構造を有するのが好適である。従って、このようなブロックを水添すると、その結果として生じる生成物は、エチレンと1−ブテンで出来ている規則正しい共重合体ブロック(EB)であるか或はそれに類似している。
使用する共役ジエンがイソプレンであると、その結果として生じる水添生成物は、エチレンとプロピレンで出来ている規則正しい共重合体ブロック(EP)であるか或はそれに類似している。
飽和ゴムモノマー単位を有する好適なスチレン系ブロック共重合体はスチレン系単位のセグメントを少なくとも1つおよびエチレン−ブテンもしくはエチレン−プロピレン共重合体のセグメントを少なくとも1つ含む。飽和ゴムモノマー単位を有するそのようなブロック共重合体の好適な例には、スチレン/エチレン−ブテンの共重合体、スチレン/エチレン−プロピレンの共重合体、スチレン/エチレン−ブテン/スチレン(SEBS)の共重合体、およびスチレン/エチレン−プロピレン/スチレン(SEPS)の共重合体が含まれる。
不飽和ゴムモノマー単位を有するスチレン系ブロック共重合体の水添を、好適には、アルミニウムアルキル化合物とニッケルもしくはコバルトのカルボン酸塩もしくはアルコキサイド類との反応生成物を含む触媒を用いて、スチレン系芳香族二重結合の水添度合を25パーセント以下にしながら脂肪族二重結合の少なくとも80パーセントが実質的に完全に水添されるような条件下で行う。
好適なスチレン系ブロック共重合体は、脂肪族二重結合の少なくとも99パーセントが水添されている一方で芳香族二重結合の水添度合が5パーセント未満であるスチレン系ブロック共重合体である。
前記スチレン系ブロック共重合体は、スチレン系ブロックセグメントの比率が、該スチレン系ブロック共重合体の全質量の8〜65質量%であることが好ましく、10〜35質量%であることがより好ましい。また、スチレン系ブロック以外のブロックセグメント(ゴムモノマーブロックセグメント)の比率が、該スチレン系ブロック共重合体の全質量の92〜35質量%であることが好ましく、90〜65質量%であることがより好ましい。
前記スチレン系ブロックセグメントの数平均分子量は、通常は5,000〜125,000の範囲、好適には7,000〜60,000の範囲である。また、前記ゴムモノマーブロックセグメントの数平均分子量は、通常は10,000〜300,000、好適には30,000〜150,000の範囲である。また、スチレン系ブロック共重合体全体が有する数平均分子量は、通常は25,000〜250,000、好適には35,000〜200,000の範囲である。これらの分子量はトリチウム計数方法または浸透圧測定方法で最も正確に測定される。
更に、前記スチレン系ブロック共重合体は、従来公知の方法のいずれかを用いて官能基、例えば無水マレイン酸などを少量グラフトとして組み込むことで改質を行ったものであってもよい。
本発明で用いる前記スチレン系共重合体(A)は商業的に入手したものであってもよい。例えばKRATON PolymersがKRATONの商標で供給しており、そしてDexco PolymersがVECTORの商標で供給している。
〔エチレン・α−オレフィン共重合体(B)〕
本発明のアスファルト組成物には、エチレン・α−オレフィン共重合体(B)が含まれる。エチレン・α−オレフィン共重合体(B)としては、チレンと炭素原子数3〜20のα−オレフィンとからなるエチレン・α−オレフィン共重合体(B)であり、下記要件(1)〜(3)を満たすものが用いられる。
(1)ASTM D−1238に準拠し、190℃、10kg荷重で測定したメルトインデックス(I10)と、190℃、2.16kg荷重で測定したメルトインデックス(I2)との比(I10/I2)が7.0以下である。
(2)分子量分布(Mw/Mn)が2.5以下である。
(3)密度が900kg/m3以下である。
また、エチレン・α−オレフィン共重合体(B)は、下記要件(4)を満たすことが
舗装時の塗工性が良好となるため好ましい。
(4)前記I10/I2とMw/Mnとが、下記式(I)を満たす。
Mw/Mn > (I10/I2)−4.63 ・・・(I)
前記エチレン・α−オレフィン共重合体(B)は、エチレンと、炭素数3〜20のα‐オレフィンとを共重合することにより得られる。エチレンと共重合させるα−オレフィンとしては、炭素原子数3〜20のα−オレフィンであればよく、具体的には、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−ノナデセン、1−エイコセン、4−メチル−1−ペンテンなどが挙げられる。炭素数3〜20のα‐オレフィンとしては、炭素原子数3〜10のα−オレフィンが好ましく、特にプロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテンが好ましく、1−ブテン、1−オクテンがより好ましく、1−ブテンが最も好ましい。これらのα−オレフィンは、一種単独で用いても、二種以上を用いてもよい。また、エチレン・α−オレフィン共重合体(B)は、これらのモノマーの他に、本発明の目的を損なわない範囲で、他の重合性モノマーから導かれる単位を含有していてもよい。前記エチレン・α−オレフィン共重合体(B)としては、具体的にはエチレン・1−ブテン共重合体、エチレン・1−ヘキサン共重合体およびエチレン・1−オクテン共重合体から選ばれる少なくとも一種の重合体が好ましく、エチレン・1−ブテン共重合体およびエチレン・1−オクテン共重合体から選ばれる少なくとも一種の重合体がより好ましく、エチレン・1−ブテン共重合体が特に好ましい。
また、前記エチレン・α−オレフィン共重合体(B)は、エチレンから導かれる構成単位を75〜92モル%の量で、炭素原子数3〜20のα−オレフィンから導かれる単位を8〜25モル%の量で含有していることが好ましく、エチレンから導かれる単位を80〜85モル%の量で、炭素原子数3〜20のα−オレフィンから導かれる単位を15〜20モル%の量で含有していることがより好ましい。
前記エチレン・α−オレフィン共重合体(B)は、前述のように(1)ASTM D−1238に準拠し、190℃、10kg荷重で測定したメルトインデックス(I10)と、190℃、2.16kg荷重で測定したメルトインデックス(I2)との比(I10/I2)が7.0以下であり、好ましくは6.4〜7.0である。なお、I10/I2の下限としては特に限定はないが、下限は通常6.0である。前記範囲では、舗装時のアスファルト膜切れが起こりにくくなるため好ましい。
前記エチレン・α−オレフィン共重合体(B)は、前述のように(2)分子量分布(Mw/Mn)が2.5以下であり、好ましくは1.5〜2.5である。前記範囲では、舗装時のアスファルト膜切れが起こりにくくなるため好ましい。分子量分布は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、オルトジクロロベンゼン溶媒、140℃にて求めることができる。具体例としては、Waters社製ゲル浸透クロマトグラフAlliance GPC−2000型を用い、以下のようにして測定することにより求めることができる。分離カラムは、TSKgel GNH6−HTを2本、およびTSKgel GNH6−HTLを2本用い、カラムサイズはいずれも直径7.5mm、長さ300mmであり、カラム温度は140℃とし、移動相にはo−ジクロロベンゼン(和光純薬工業)および酸化防止剤としてBHT(武田薬品)0.025質量%を用いて、1.0ml/分で移動させ、試料濃度は15mg/10mlとし、試料注入量は500μlとし、検出器として示差屈折計を用いて測定することができる。標準ポリスチレンは、分子量がMw<1000、およびMw>4×106については東ソー社製を用い、1000≦Mw≦4×106についてはプレッシャーケミカル社製を用いることができる。
前記エチレン・α−オレフィン共重合体(B)は、前述のように(3)密度が900kg/m3以下であり、895kg/m3以下であることが好ましい。なお、密度の下限としては特に限定はないが、下限は通常855kg/m3である。前記範囲では、耐衝撃性・低温特性改善のため好ましい。なお、該密度はJIS K6760に従って測定することができる。
また、エチレン・α−オレフィン共重合体(B)は、前述のように(4)前記I10/I2とMw/Mnとが、下記式(I)を満たすことが好ましく、下記式(I’)を満たすことがより好ましい。前記範囲では、舗装時の塗工性が良好となるため好ましい。
Mw/Mn > (I10/I2)−4.63 ・・・(I)
Mw/Mn ≧ (I10/I2)−4.62 ・・・(I’)
前記エチレン・α−オレフィン共重合体(B)は、ASTM D−1238に準拠し、190℃、2.16kg荷重で測定したメルトインデックス(I2)が、0.1〜10g/10分であることが好ましく、0.1〜5g/10分であることがより好ましい。
前記エチレン・α−オレフィン共重合体(B)の製造法については特に制限はないが、バナジウム系触媒、チーグラー・ナッタ触媒、あるいはメタロセン触媒を用いて、従来公知の方法により、エチレンとα‐オレフィンとを共重合することによって製造することができる。より好ましくは、メタロセン触媒を用いてエチレンとα‐オレフィンとを共重合することによって製造することができる。
また、本発明に用いるエチレン・α−オレフィン共重合体(B)としては、エチレンと、炭素数3〜20のα‐オレフィンとの共重合体を、マレイン酸等で変性した、グラフト変性エチレン・α−オレフィン共重合体を用いてもよい。エチレン・α−オレフィン共重合体(B)として、グラフト変性エチレン・α−オレフィン共重合体を用いる場合にも、前述の要件(1)〜(3)を満たすものが用いられる。
前記エチレン・α−オレフィン共重合体(B)として用いることが可能なグラフト変性エチレン・α−オレフィン共重合体としては、エチレンと炭素原子数3〜20のα−オレフィンとからなる非晶性ないし低結晶性のランダムあるいはブロック共重合体に不飽和カルボン酸またはその誘導体をグラフトしたグラフト変性物が挙げられる。
また、前記エチレン・α−オレフィン共重合体(B)としてグラフト変性エチレン・α−オレフィン共重合体を用いる場合には、エチレンと、炭素数3〜20のα‐オレフィンとの共重合体を変性することにより得られる。該エチレンと、炭素数3〜20のα‐オレフィンとの共重合体としては、エチレンから導かれる構成単位を75〜95モル%の量で、炭素原子数3〜20のα−オレフィンから導かれる単位を5〜25モル%の量で含有していることが好ましく、エチレンから導かれる単位を79〜94モル%の量で、炭素原子数3〜20のα−オレフィンから導かれる単位を6〜21モル%の量で含有していることがより好ましく、エチレンから導かれる単位を88〜94モル%の量で、炭素原子数3〜20のα−オレフィンから導かれる単位を6〜12モル%の量で含有していることが特に好ましい。
前記グラフト変性エチレン・α−オレフィン共重合体としては、具体的には、グラフト変性エチレン・プロピレン共重合体、グラフト変性エチレン・1−ブテン共重合体、グラフト変性エチレン・プロピレン・1−ブテン共重合体、グラフト変性エチレン・プロピレン・エチリデンノルボルネン共重合体、グラフト変性エチレン・1−ヘキセン共重合体、グラフト変性エチレン・1−オクテン共重合体などが挙げられる。これらのなかでも、グラフト変性エチレン・プロピレン共重合体、グラフト変性エチレン・1−ブテン共重合体、グラフト変性エチレン・1−ヘキセン共重合体、グラフト変性エチレン・1−オクテン共重合体などが好ましく用いられ、特にグラフト変性エチレン・1−ブテン共重合体が好ましく用いられる。これらの共重合体は、ランダムあるいはブロック共重合体であるが、特にランダム共重合体であることが好ましい。
前記グラフト変性前のエチレン・α−オレフィン共重合体の製造法については特に制限はないが、バナジウム系触媒、チーグラー・ナッタ触媒、あるいはメタロセン触媒を用いて、従来公知の方法により、エチレンとα‐オレフィンとを共重合することによって製造することができる。
前記グラフト変性エチレン・α−オレフィン共重合体は、上記のグラフト変性前のエチレン・α−オレフィン共重合体に、特定量の不飽和カルボン酸またはその誘導体をグラフトすることにより得ることができる。
前記グラフト変性エチレン・α−オレフィン共重合体における不飽和カルボン酸またはその誘導体のグラフト量は、未変性エチレン・α−オレフィンランダム共重合体100質量%に対して、0.1〜4.0質量%、好ましくは0.3〜4.0質量%、特に好ましくは0.5〜2.5質量%である。
このグラフト量が上記範囲にあるグラフト変性エチレン・α−オレフィン共重合体は、組成物中において分散性に優れる。
上記変性で用いられる不飽和カルボン酸としては、具体的には、アクリル酸、マレイン酸、フマール酸、テトラヒドロフタル酸、イタコン酸、シトラコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸およびナジック酸TM(エンドシス−ビシクロ[2,2,1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸)などが挙げられる。
また、不飽和カルボン酸の誘導体としては、具体的には、上記不飽和カルボン酸の酸ハライド化合物、アミド化合物、イミド化合物、酸無水物およびエステル化合物などを挙げることができる。より具体的には、塩化マレイル、マレイミド、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸ジメチル、グリシジルマレエートなどが挙げられる。これらの中では、不飽和ジカルボン酸またはその酸無水物が好適であり、特にマレイン酸、ナジック酸TMまたはこれらの酸無水物が好適である。
上記のようなグラフト変性エチレン・α−オレフィン共重合体(A)は、従来公知の種々の方法、たとえば次のような方法を用いて調製することができる。
(1)溶融させた上記(変性前の)未変性エチレン・α−オレフィン共重合体に、不飽和カルボン酸またはその誘導体を添加してグラフト共重合させる方法。
(2)上記(変性前の)未変性エチレン・α−オレフィン共重合体を溶媒に溶解させ、その溶解液に不飽和カルボン酸またはその誘導体を添加してグラフト共重合させる方法。
いずれの方法も、上記不飽和カルボン酸等のグラフトモノマーを効率よくグラフト共重合させるためには、ラジカル開始剤の存在下にグラフト反応を行なうのが好ましい。
上記ラジカル開始剤としては、有機ペルオキシド、アゾ化合物などが使用される。このようなラジカル開始剤としては、具体的には、ベンゾイルペルオキシド、ジクロルベンゾイルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、ジ−tert−ブチルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ペルオキシドベンゾエート)ヘキシン−3、1,4−ビス(tert−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、ラウロイルペルオキシド、tert−ブチルペルアセテート、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(tert−ブチルペルオキシド)ヘキシン−3、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルペルオキシド)ヘキサン、tert−ブチルペルベンゾエート、tert−ブチルペルフェニルアセテート、tert−ブチルペルイソブチレート、tert−ブチルペル−sec−オクトエート、tert−ブチルペルピバレート、クミルペルピバレート、tert−ブチルペルジエチルアセテート等の有機ペルオキシド;アゾビスイソブチロニトリル、ジメチルアゾイソブチレート等のアゾ化合物などが挙げられる。これらの中では、ジクミルペルオキシド、ジ−tert−ブチルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルペルオキシ)ヘキサン、1,4−ビス(tert−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼンなどのジアルキルペルオキシドが好ましく用いられる。
これらのラジカル開始剤は、未変性エチレン・α−オレフィン共重合体100質量部に対して、通常は0.01〜0.10質量部、好ましくは0.02〜0.08質量部、さらに好ましくは0.02〜0.05質量部の範囲で用いられる。
上記のようなラジカル開始剤を使用したグラフト反応、あるいはラジカル開始剤を使用せずに行なうグラフト反応における反応温度は、通常60〜350℃、好ましくは150〜300℃の範囲内に設定される。
〔アスファルト(C)〕
本発明のアスファルト組成物には、アスファルト(C)が含まれる。本発明に用いられるアスファルト(C)としては、特に限定されず、たとえばストレートアスファルト、ポリマー改質アスファルトI型、ポリマー改質アスファルトII型、高粘度のポリマー改質アスファルトIII型、該高粘度のポリマー改質アスファルトIII型よりもさらに粘度の高いポリマー改質アスファルトH型(たとえば、高耐久型高粘度改質アスファルト)などを挙げることができる。これらのいずれのアスファルトを用いても、上記した本発明の効果が発揮される。
本発明のアスファルト組成物は、前述のようにスチレン系共重合体(A)、エチレン・α−オレフィン共重合体(B)およびアスファルト(C)を含有する。
本発明のアスファルト組成物は、(A)と(B)との合計を100質量部とすると、スチレン系共重合体(A)を50〜99質量部、好ましくは77〜99質量部、より好ましくは77〜95質量部の範囲で含有し、エチレン・α−オレフィン共重合体(B)を、50〜1質量部、好ましくは23〜1質量部、より好ましくは23〜5質量部の範囲で含有する。前記範囲では、本発明のアスファルト組成物を構成するスチレン系重合体(A)およびエチレン・α‐オレフィン共重合体(B)からなる樹脂組成物について80℃で測定した貯蔵弾性率(G’(80))の低下が小さいため好ましい。
また、本発明のアスファルト組成物は、アスファルト(C)を、400〜5000質量部含有し、400〜4900質量部含有することが好ましく、400〜2000質量部含有することが特に好ましい。
本発明のアスファルト組成物の製造方法としては特に限定は無いが、例えばスチレン系共重合体(A)とエチレン・α−オレフィン共重合体(B)とを混合し、樹脂組成物を調製した後に、該樹脂組成物とアスファルト(C)とを混合することにより、アスファルト組成物を調製してもよく、スチレン系共重合体(A)と、エチレン・α−オレフィン共重合体(B)と、アスファルト(C)とを同時に混合することにより、アスファルト組成物を調製してもよい。
スチレン系共重合体(A)とエチレン・α−オレフィン共重合体(B)とを混合する場合には、例えば一軸押出機、二軸押出機等を用いて混合することができる。
また、前記樹脂組成物とアスファルト(C)とを混合する場合や、スチレン系共重合体(A)と、エチレン・α−オレフィン共重合体(B)と、アスファルト(C)とを同時に混合する場合には、ホモミキサー、ディゾルバー、パドルミキサー、リボンミキサー、スクリューミキサー、プラネタリーミキサー、真空逆流ミキサー、電気式撹拌機等を用いて混合することができる。
また、本発明のアスファルト組成物は、前記スチレン系共重合体(A)、エチレン・α−オレフィン共重合体(B)およびアスファルト(C)以外の成分(他の成分)を含有していてもよい。
また、本発明のアスファルト組成物を構成するスチレン系重合体(A)およびエチレン・α‐オレフィン共重合体(B)からなる樹脂組成物について、実施例に記載の方法で測定した各温度における貯蔵弾性率G’(Pa)の比が以下の範囲であることが好ましい。
−20℃で測定した貯蔵弾性率(G’(−20))と、60℃で測定した貯蔵弾性率(G’(60))との比(G’(−20)/G’(60))は、アスファルト組成物の低温での耐ひび割れと、高温での耐轍掘れの物性バランスを示し、2.10〜4.00であれば該物性バランスに優れる。
23℃で測定した貯蔵弾性率(G’(23))と、60℃で測定した貯蔵弾性率(G’(60))との比(G’(23)/G’(60))は、アスファルト組成物の柔軟性の温度依存性、言い換えると高温条件(夏場)の液化、ベタ防止についての評価であり、1.60〜2.50であれば該物性に優れる。
23℃で測定した貯蔵弾性率(G’(23))と、80℃で測定した貯蔵弾性率(G’(80))との比(G’(23)/G’(80))は、アスファルト組成物の塗工性についての評価であり、2.90〜4.50であれば該物性に優れる。
<アスファルト混合物>
本発明のアスファルト混合物は、前述の本発明のアスファルト組成物と骨材とを含有する。
前記骨材としては特に限定はなく、通常用いられる骨材である砕石、砂利、砂、スラグなどが挙げられる。
本発明のアスファルト混合物は、前記アスファルト組成物を用いることで、舗装後の低温時の耐ひび割れ性に優れ、舗装時の塗工性に優れる。
なお、アスファルト混合物は、前記アスファルト組成物と骨材とを混合することにより得られるが、その混合方法としては特に制限は無く、通常、アスファルト舗装の施工時に行われる方法を適用することができる。
<ルーフィング材>
本発明のルーフィング材は、前述の本発明のアスファルト組成物を含有する。
本発明のルーフィング材は、必要に応じて無機充填剤を含んでいてもよい。無機充填剤としては、特に限定はないが例えばマイカ、クレー、タルク、硅藻土、硅砂、軽石粉等が挙げられる。無機充填剤としては、一種単独でも、二種以上を用いてもよい。コスト、生産性を考慮すると、無機充填剤としては、炭酸カルシウム、重炭酸カルシウム、タルクを挙げることができる。
本発明のルーフィング材は、前記アスファルト組成物を用いることで、得られたルーフィングは低温での柔軟性に優れ、ルーフィング製造時の塗工性に優れる。
<用途>
本発明のアスファルト組成物およびアスファルト混合物の用途は特に限定するものではないが、一般舗装や排水性舗装などの道路舗装に好適に用いられるほか、鉄道等の軌道敷、屋外競技場や公園、駐車場、サーキットコースなどに好適に用いることができる。
また、屋外の地表面の舗装用に限らず、例えば、屋上、屋根などの舗装にも好適に用いることが出来る。
本発明のアスファルト混合物を道路舗装に用いる場合、アスファルト舗装の構成に制限はないが、通常、前記アスファルト混合物から形成される層を表層に有することが好ましい。アスファルト舗装の構成としては、例えば表層から順に、アスファルト表層、アスファルト基層、上層路盤、下層路盤等から構成される。
本発明のアスファルト混合物は、前述のように通常は、アスファルト表層に用いるが、アスファルト基層に用いてもよい。アスファルト舗装の施工方法にも制限は無く、通常のアスファルト舗装の施工時に行われる方法を適用することができる。
さらには、本発明のアスファルト組成物は、道路舗装における乳剤(タックコート、プライムコート、シールコート)、鋼管・鉄筋などの防錆材、自動車のアンダーコート用塗料の原料、電気製品の制振シートの原料、電池などの絶縁材料や接着剤、粘着剤、撥水剤、防水剤、防湿剤、シーリング剤、顔料などにも用いることができる。
また、前記ルーフィング材を、板紙、フェルト等にしみこませることにより、ルーフィングとして用いることができる。
次に本発明について実施例を示してさらに詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
実施例、比較例では、以下の方法で各物性の測定、評価を行った。
〔エチレン・α−オレフィン共重合体の物性〕
<I10/I2
エチレン・α−オレフィン共重合体について、ASTM D−1238に準拠し、190℃における10kg荷重でのメルトインデックス(I10)と、190℃、2.16kg荷重で測定したメルトインデックス(I2)とをそれぞれ測定し、比(I10/I2)を算出した。
該比が大きいほど、ポリマーの溶融時の流動性が優れていることを示す。すなわち、比が大きいほど加工性が高い。
<Mw/Mn>
エチレン・α−オレフィン共重合体について、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)を用い、オルトジクロロベンゼン溶媒で、140℃の条件で、分子量分布を測定、算出した。
GPCの詳細な測定条件は以下のとおりである。
装置名:ゲル透過クロマトグラフAliance GPC 2000型(Waters社製)
カラム:TSKgel GMH6−HT×2 + TSKgel GMH6−HTL×2
移動相:オルトジクロロベンゼン
流速:1mL/min
検出器:示差屈折率計
温度:140.0℃
試料量:0.5ml
試料濃度:0.15wt%
<密度>
エチレン・α−オレフィン共重合体の密度はJIS K6760に従って測定した。
<式(I)>
前記I10/I2とMw/Mnとから、エチレン・α−オレフィン共重合体が下記式(I)を満たすかについて算出した。
Mw/Mn > (I10/I2)−4.63 ・・・(I)
なお、表1では、式(I)を満たすものをAA、満たさないものをBBと記す。
〔樹脂組成物の物性〕
<固体粘弾性>
樹脂組成物について、レオメトリック社製RDS−IIを用いて、幅10mm、長さ38mm間でのトーションモード(ねじり)で、昇温速度2℃/minで−100℃〜100℃まで10Hzにて測定し、各温度での貯蔵弾性率G’(Pa)の値を得た。
<溶融粘弾性>
樹脂組成物の溶融粘弾性は、サイエンティフィック・ファー・イースト(株)製RSA−2を用いて、測定温度130℃、周波数1(rad/sec)または100(rad/sec)および歪率0.1%の条件で、1mmシートについて行い、複素弾性率E*(Pa)を求めた。
〔アスファルト組成物の物性〕
<針入度>
アスファルト組成物の25℃における針入度は、JIS K2207に従って測定した。
<軟化点>
アスファルト組成物の軟化点は、JIS K2207に従って測定した。
本発明の実施例、比較例では以下のエチレン・α−オレフィン共重合体を用いた。
EBR−1:エチレン・1−ブテン共重合体
MA−EBR−2:マレイン酸変性エチレン・1−ブテン共重合体
EBR−3:エチレン・1−ブテン共重合体
EBR−4:エチレン・1−ブテン共重合体
なおEBR−1、EBR−3およびEBR−4は、国際公開第2008/152935号パンフレット(WO2008/152935A1)の実施例1に記載された方法を基に製造することができる。
MA−EBR−2は、特開2005−068183号公報に記載された方法を基に製造することができる。
各共重合体の物性を表1に示す。
Figure 0006228441
本発明の実施例、比較例では以下のスチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体を用いた。
クレイトン社製、スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体(銘柄名:D1118)
〔実施例1〕
スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体(D1118)80質量部と、エチレン・1−ブテン共重合体(EBR−1)20質量部とを、二軸小型押出機(混練温度:140℃、スクリュー回転数:80〜105rpm)によって混合し、スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体とエチレン・1−ブテン共重合体とからなる樹脂組成物(1)を得た。
前記樹脂組成物(1)10質量部と、ストレートアスファルト(60−80)(昭和シェル製)90質量部とを電気式撹拌機を使用して160℃オイルバス中にて混練し、アスファルト組成物(1)を得た。
得られた樹脂組成物(1)およびアスファルト組成物(1)の物性を表2および3に示す。
〔実施例2〕
スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体の使用量を80質量部から60質量部に変更し、エチレン・1−ブテン共重合体の使用量を20質量部から40質量部に変更した以外は、実施例1と同様に行い、樹脂組成物(2)を得た。
樹脂組成物(1)を樹脂組成物(2)に変更した以外は、実施例1と同様に行い、アスファルト組成物(2)を得た。
得られた樹脂組成物(2)およびアスファルト組成物(2)の物性を表2および3に示す。
〔実施例3〕
エチレン・1−ブテン共重合体(EBR−1)を、マレイン酸変性エチレン・1−ブテン共重合体(MA−EBR−2)に変更した以外は、実施例1と同様に行い、樹脂組成物(3)を得た。
樹脂組成物(1)を樹脂組成物(3)に変更した以外は、実施例1と同様に行い、アスファルト組成物(3)を得た。
得られた樹脂組成物(3)およびアスファルト組成物(3)の物性を表2および3に示す。
〔実施例4〕
エチレン・1−ブテン共重合体(EBR−1)を、エチレン・1−ブテン共重合体(EBR−3)に変更した以外は、実施例1と同様に行い、樹脂組成物(4)を得た。
樹脂組成物(1)を樹脂組成物(4)に変更した以外は、実施例1と同様に行い、アスファルト組成物(4)を得た。
得られた樹脂組成物(4)およびアスファルト組成物(4)の物性を表2および3に示す。
〔実施例5〕
エチレン・1−ブテン共重合体(EBR−1)を、エチレン・1−ブテン共重合体(EBR−4)に変更した以外は、実施例1と同様に行い、樹脂組成物(5)を得た。
樹脂組成物(1)を樹脂組成物(5)に変更した以外は、実施例1と同様に行い、アスファルト組成物(5)を得た。
得られた樹脂組成物(5)およびアスファルト組成物(5)の物性を表2および3に示す。
〔比較例1〕
ストレートアスファルト(60−80)(昭和シェル製)について、軟化点、針入度について測定した。結果を表3に示す。
〔比較例2〕
スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体(D1118)について、実施例で用いた樹脂組成物と同様の物性の測定を行った。
スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体(D1118)10質量部と、ストレートアスファルト(60−80)(昭和シェル製)90質量部とを150℃オイルバス中で撹拌することによって混練し、アスファルト組成物(c2)を得た。
スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体(D1118)および得られたアスファルト組成物(c2)の物性を表2および3に示す。
また、アスファルトの規格値を表4に示す。
Figure 0006228441
Figure 0006228441
Figure 0006228441
表2における実施例および比較例2より、スチレン系共重合体(A)とともにエチレン・α−オレフィン共重合体(B)を用いることにより、樹脂組成物の低温での柔軟性が高いことがわかる。このような樹脂を用いることにより、本発明のアスファルト組成物を用いて形成されたアスファルト舗装等は、低温時の耐ひび割れ性に優れる。また、実施例および比較例2より、スチレン系共重合体(A)とともにエチレン・α−オレフィン共重合体(B)を用いることにより、溶融粘度の剪断速度依存性が小さくなることがわかる。このような樹脂を用いることにより、本発明のアスファルト組成物は塗工性に優れる。
また、表3および表4より、実施例が改質アスファルトの規格値を満たしていることがわかる。

Claims (8)

  1. スチレン系共重合体(A)50〜99質量部、エチレンと炭素原子数3〜20のα−オレフィンとからなるエチレン・α−オレフィン共重合体(B)50〜1質量部(ただし(A)と(B)との合計を100質量部とする)、およびアスファルト(C)400〜5000質量部を含有し、
    前記スチレン系共重合体(A)が、スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体、スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体の水素添加重合体、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体の水素添加重合体、スチレン/エチレン−ブテンの共重合体、スチレン/エチレン−プロピレンの共重合体、スチレン/エチレン−ブテン/スチレンの共重合体、およびスチレン/エチレン−プロピレン/スチレンの共重合体から選択される少なくとも1種の重合体であり、
    前記エチレン・α−オレフィン共重合体(B)が下記要件(1)〜(4)を満たし、
    前記エチレン・α−オレフィン共重合体(B)が、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・1−ブテン共重合体、エチレン・1−ヘキセン共重合体、および、エチレン・1−オクテン共重合体から選択される少なくとも1種の重合体であるアスファルト組成物。
    (1)ASTM D−1238に準拠し、190℃、10kg荷重で測定したメルトインデックス(I10)と、190℃、2.16kg荷重で測定したメルトインデックス(I2)との比(I10/I2)が7.0以下である。
    (2)分子量分布(Mw/Mn)が2.5以下である。
    (3)密度が900kg/m3以下である。
    (4)前記I 10 /I 2 とMw/Mnとが、下記式(I)を満たす。
    Mw/Mn > (I 10 /I 2 )−4.63 ・・・(I)
  2. スチレン系共重合体(A)50〜99質量部、エチレンと炭素原子数3〜20のα−オレフィンとからなるエチレン・α−オレフィン共重合体(B)50〜1質量部(ただし(A)と(B)との合計を100質量部とする)、およびアスファルト(C)400〜5000質量部を含有し、
    前記スチレン系共重合体(A)が、スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体、スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体の水素添加重合体、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体の水素添加重合体、スチレン/エチレン−ブテンの共重合体、スチレン/エチレン−プロピレンの共重合体、スチレン/エチレン−ブテン/スチレンの共重合体、およびスチレン/エチレン−プロピレン/スチレンの共重合体から選択される少なくとも1種の重合体であり、
    前記エチレン・α−オレフィン共重合体(B)が下記要件(1)〜(3)を満たし、前記エチレン・α−オレフィン共重合体(B)がグラフト変性エチレン・α−オレフィン共重合体であり、
    前記グラフト変性エチレン・α−オレフィン共重合体が、グラフト変性エチレン・プロピレン共重合体、グラフト変性エチレン・1−ブテン共重合体、グラフト変性エチレン・1−ヘキセン共重合体、およびグラフト変性エチレン・1−オクテン共重合体から選択される少なくとも1種の重合体であり、
    前記グラフト変性エチレン・α−オレフィン共重合体が、グラフト変性前のエチレン・α−オレフィン共重合体に、アクリル酸、マレイン酸、エンドシス−ビシクロ[2,2,1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸、またはこれらの酸無水物をグラフトすることにより得られる重合体である、アスファルト組成物。
    (1)ASTM D−1238に準拠し、190℃、10kg荷重で測定したメルトインデックス(I 10 )と、190℃、2.16kg荷重で測定したメルトインデックス(I 2 )との比(I 10 /I 2 )が7.0以下である。
    (2)分子量分布(Mw/Mn)が2.5以下である。
    (3)密度が900kg/m 3 以下である。
  3. 前記スチレン系共重合体(A)を77〜99質量部、前記エチレン・α−オレフィン共重合体(B)を23〜1質量部(ただし(A)と(B)との合計を100質量部とする)含有する請求項1または2に記載のアスファルト組成物。
  4. 前記エチレン・α−オレフィン共重合体(B)が、エチレン・1−ブテン共重合体およびエチレン・1−オクテン共重合体から選ばれる少なくとも一種の重合体である請求項1または3に記載のアスファルト組成物。
  5. 前記スチレン系共重合体(A)が、スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体またはこれらの水素添加重合体である請求項1〜4のいずれか一項に記載のアスファルト組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載のアスファルト組成物と骨材とを含有するアスファルト混合物。
  7. 請求項1〜5のいずれか一項に記載のアスファルト組成物を含有するルーフィング材。
  8. 請求項6に記載のアスファルト混合物から形成される表層を有するアスファルト舗装。
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