JP5644422B2 - 改質アスファルト組成物、アスファルト混合物およびアスファルト舗装材 - Google Patents

改質アスファルト組成物、アスファルト混合物およびアスファルト舗装材 Download PDF

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Description

本発明は、改質アスファルト組成物、アスファルト混合物およびアスファルト舗装に関する。さらに詳しくは、製造時や舗装施工時の作業性が良好であり、アスファルト舗装として耐轍掘れ性、耐クラック性、耐水性等に優れ、さらに長期保存安定性及び均一性に優れた改質アスファルト組成物、アスファルト混合物およびアスファルト舗装材に関する。
アスファルト(歴青質)は、骨材に被覆・締結してアスファルト混合物として用いることにより道路舗装材として有用な材料であるが、低温下では脆化し、高温下では流動するという欠点がある。この欠点によりアスファルトは道路舗装材として用いた場合に、季節変動や車輌等の通過を繰り返すことによって、轍掘れやクラック(ヒビ割れ)が発生し、アスファルト舗装が破損するといった問題が発生する。この問題は、昨今の交通量の増大、車両の大型化や重量化に伴い一層助長され、アスファルト舗装の寿命が短くなっている。この結果、騒音問題のほか、降雨時にはハイドロプレ―ニング現象を生じたり、轍掘れ部に溜まる水のため、車両の走行安定性が損なわれ、事故や渋滞の原因にもなっている。
また、近年開発された排水性舗装は、大きな空隙を有する構造であることから、浸透してきた雨水等を路肩に排水させるとともに、その空隙が車輛の走行音を吸収するため、騒音の低減効果もある。しかし、排水性舗装は、前記したように通常の舗装に比べてより大きな空隙を持っているため強度は期待できず、結果として骨材の飛散等が発生しやすいという問題がある。
これらアスファルト舗装の不具合点を改良する方法として、従来より、締結材であるアスファルトを改質し、これにより、アスファルト混合物の耐流動性、耐摩耗性、耐クラック性、防音・吸音性および透水・排水性を高めるようにしてきた。
一方、アスファルト混合物は、その製造工程において、アスファルトや骨材などの種々の成分を混合して製造されるが、骨材との混合性を確保し、骨材表面に均一なアスファルトの被膜を形成するためには、アスファルトの粘性を低下させる必要がある。このためアスファルトと骨材との混合時のアスファルトの粘度は150〜200mPa・sが良いとされ、150〜190℃の領域で混合する必要がある。
アスファルト舗装の施工の観点からは、舗設作業をアスファルトに流動性のある高温で行う必要があるとともに、締固め作業時迄は十分な高い温度を保つ必要がある。一方、締固め作業が終了し、交通開放するまでの時間を短くするためには低温での粘度を高くし、車輌等の荷重による轍掘れに十分抵抗できることが求められる。
また、高温でのアスファルト舗装作業は夏場等の作業環境に著しい不具合を生じさせるともに、アスファルト舗装用材料の製造時や舗装時に高温に加熱する工程そのものが多量の燃料消費を伴い、環境負荷を増大させている。
また、貯蔵の観点からは、アスファルトの貯蔵期間が比較的長期に亘り、且つほぼ静置された状態で貯蔵される場合には、アスファルト中の改質材とアスファルトとが相分離を起こす。相分離を起こした状態では、アスファルト混合物として設定した所期性能は最早得られず、そのままの状態で道路舗装に使用することは適当でない。
以上の状況より、高温では粘度が低く骨材との混合性に優れ、低温では粘度が高く耐轍掘れに優れ、骨材との締結性にも優れ、長期保存性及び均一性に優れ、耐水性に優れたアスファルトが求められてきた。
アスファルトの改良方法としては、アスファルトに改質剤を添加して改質アスファルト組成物とすることによって、アスファルトの粘性および低温脆性を改良し、耐流動性、耐摩耗性および耐クラツク性を向上させてきた。これらの改質剤の一つとして、ゴム系改質材、熱可塑性エラストマー、熱可塑性樹脂などが使用されている。
ゴム系改質剤としては、SBR(スチレン・ブタジエン・ラバー)、NR(天然ゴム)、SIR(スチレン・イソプレン・ラバー)などゴムラテックスまたは粉末などが知られているが、これらの方法ではアスファルトとの相溶性が優れず、また骨材の保持性にも劣るので轍掘れや骨材飛散の問題を有している。
また、熱可塑性エラストマーとしては、SBS(スチレン・ブタジエン・スチレン)、SIS(スチレン・イソプレン・スチレン)およびSEBS(SBSブロック共重合体の水素添加物)などのブロック共重合体が知られている。これらの方法によれば、ゴム系改質剤に比べるとアスファルトとの相溶性に優れる利点を有するが、粘度が高く、混合温度を下げることは出来ない。
また、熱可塑性樹脂としては、EVA(エチレン・ビニルアセテート共重合体)、EEA(エチレン・エチルアクリレート共重合体)、ポリプロピレン、ポリエチレン等が用いられる。
さらに、特許文献1においては、反応性の官能基をもつ高分子成分を複数用いることで高温での耐流動性を改良しているが、耐クラック性など低温での特性は十分には改良できていない。特許文献2においては、熱可塑性ポリマーとエチレン性不飽和カルボン酸と芳香族ビニル化合物との共重合体のエステル化物を用いた改質アスファルトを用いて高温での相分離を抑制しているが、低温作業性(作業温度の低温化)は改善できていない。特許文献3においては、特定分子量、分子量分布のポリオレフィンワックスを用いることでアスファルト製造温度の低温化を成しているが、分子量が低いために骨材の締結性には問題が残っている上、低温時の粘度、即ち耐流動性については何ら改善されていない。また、特許文献4においては、加水分解性シリル基を有する改質材を用いているが、改質材の流動性が高すぎることもあって骨材の保持性は解決できていない上、施工時の粘度は不足しているという問題点を残している。
特開平8−209001号公報 特開平6−329919号公報 特開2006−241366号公報 特開平10−279812号公報
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、製造時や舗装施工時の作業性が良好であり、アスファルト舗装として耐轍掘れ性、耐クラック性、耐水性等に優れ、さらに長期保存安定性及び均一性に優れた改質アスファルト組成物、アスファルト混合物およびアスファルト舗装材を提供することにある。
本発明者は、上記課題に対して鋭意検討した結果、不飽和シラン化合物でグラフト変性されたポリエチレンが、特定のメルトフローレートと融解ピーク温度を持つことにより、意外にもアスファルトとの相溶性や骨材の保持性を極めて高く向上させ、しかも高温時および低温時における流動特性が最適化されることにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明に至った。
即ち本発明は、以下の[1]〜[]を要旨とする。
[1] アスファルト(A)100重量部と、ポリエチレンに一般式RSi(R’) (ここでRはエチレン性不飽和炭化水素基、R’は互いに独立に炭化水素基またはアルコキ
シ基であり、R’のうち少なくとも1つはアルコキシ基である)で表される不飽和シラン化合物が0.1〜5重量%グラフトされた変性ポリエチレン(B)1〜20重量部とを含有し、該変性ポリエチレン(B)が、JIS−K7210(1999)に準拠して190℃、21.16N荷重にて測定したメルトフローレートが2〜100g/10分、且つ示差走査熱量計による融解ピーク温度が100〜140℃であることを特徴とする改質アスファルト組成物
[2] [1]において、一般舗装または排水性舗装に使用されることを特徴とする改質アスファルト組成物。
] [1]の改質アスファルト組成物と骨材とを含有するアスファルト混合物。
] [1]の改質アスファルト組成物と骨材とを150℃以下の温度で混合することを特徴とするアスファルト混合物の製造方法。
] [] において、一般舗装または排水性舗装に使用されることを特徴とするアスファルト混合物。
] [] に記載のアスファルト混合物を表層とするアスファルト舗装材。
本発明によれば、製造時や舗装施工時においては、より低温での製造や舗装施工が可能であり、施工後の使用時においては、アスファルト舗装として耐轍掘れ性、耐クラック性、耐水性等に優れ、さらに長期保存安定性及び均一性に優れた改質アスファルト組成物、アスファルト混合物およびアスファルト舗装材が提供される。
本発明によれば、高温における改質アスファルト組成物の流動性が高いため、より低温でアスファルト混合物を製造することが可能となる。このため、作業環境負荷の低減及び二酸化炭素放出量の低減が可能となる。
本発明によれば、高温におけるアスファルト混合物の流動性が高いため、より低温でアスファルト舗装を施工することが可能となる。このため、作業環境負荷の低減及び二酸化炭素放出量の低減のみならず、舗装施工後速やかに冷却されるため、車輌等の通行開始までの時間を短くすることが出来る。
本発明によれば、アスファルト舗装使用時の温度域における改質アスファルト組成物の流動性が低く、しかも骨材との締結性が高いため、アスファルト舗装として耐轍掘れ性、耐クラック性、耐水性、骨材の飛散防止性等に優れる。このため、アスファルト舗装の耐久性が向上し、道路舗装材の寿命を長くすることが出来る。
本発明によれば、アスファルトと改質材との親和性が高いため、改質アスファルト組成物の長期保存安定性及び均一性に優れる。
本発明によれば、改質アスファルト組成物と骨材との親和性が高いため、アスファルト混合物の長期保存安定性及び均一性に優れる。
以下、本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の説明に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、任意に変形して実施することができる。
本発明において、アスファルト舗装とは、舗装用アスファルト混合物を舗装施工されたものを意味し、舗装用アスファルト混合物とは、少なくともアスファルトまたは改質アスファルト組成物と骨材とを混合したものを意味する。
<改質アスファルト組成物>
本発明の改質アスファルト組成物は、アスファルト(A)、ポリエチレンに不飽和シラン化合物がグラフトされた変性ポリエチレン(B)、及び必要によりその他の成分を含有する組成物である。
アスファルト(A)100重量部に対する変性ポリエチレン(B)の配合量は、1重量部以上、好ましくは2重量部以上であり、20重量部以下、好ましくは10重量部以下、より好ましくは7重量部以下である。変性ポリエチレン(B)の配合量が前記下限値未満の場合は改質アスファルト組成物の粘度が低下しすぎたり、骨材の保持性に劣るため好ましくなく、前記上限値より高い場合は改質アスファルト組成物の粘度が高くなりすぎ、作業性が悪化するので好ましくない。
<アスファルト(A)>
本発明においてアスファルトとは、瀝青質すなわちビチューメンを意味し、天然アスファルト及び石油アスファルトを包含するものである。
本発明で用いられるアスファルト(A)としては、特に限定されず、例えばレイクアスファルト、ギルソナイト等の天然アスファルト、ストレートアスファルト、セミブローンアスファルト、ブローンアスファルト等のなどの石油アスファルトなどを挙げることができる。これらは複数種を併用してもよい。これらのいずれのアスファルトを用いても、本発明の効果が発揮される。
<変性ポリエチレン(B)>
本発明において変性ポリエチレン(B)とは、ポリエチレンに不飽和シラン化合物がグラフトされたものを意味する。
本発明における変性ポリエチレン(B)は、不飽和シラン化合物のグラフト量が、0.1重量%以上、好ましくは0.2重量%以上、より好ましくは0.3重量%以上であり、5重量%以下、好ましくは3重量%以下、より好ましくは2重量%以下である。不飽和シラン化合物のグラフト量が前記下限値未満の場合は、改質アスファルトの貯蔵安定性や耐水性に劣るほか、骨材の飛散が生じやすくなるので好ましくない。また、不飽和シラン化合物のグラフト量が前記上限値より高い場合は粘度が上昇しやすく、混合性に劣るので好ましくない。
なお、不飽和シラン化合物のグラフト量は、サンプルを加熱燃焼させて灰化し、灰分をアルカリ融解して純水に溶解後定溶し、高周波プラズマ発光分析装置を用いてICI発光分析法により確認することができる。
(a)ポリエチレン
変性ポリエチレン(B)に使用するポリエチレンとしては、原料モノマーとしてエチレンを含むものであれば限定されず、公知のポリエチレン樹脂が適宜用いられる。原料モノマー中のエチレン含量は限定されないが、通常60モル%以上、好ましくは80モル%以上であり、上限は100モル%である。
ポリエチレンの具体例としては、例えば、低・中・高密度ポリエチレン等の(分岐状又は直鎖状)エチレン単独重合体;エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−4−メチル−1−ペンテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−1−オクテン共重合体等のエチレン−αオレフィン共重合ポリエチレン;エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体等のエチレン系共重合樹脂などが挙げられる。更に上記重合体を単独で用いるのみならず、2種類以上重合体をブレンドして用いることも可能である。
中でも本発明においては、耐熱性と強度のバランスに優れた高圧法低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン−αオレフィン共重合ポリエチレンが好ましい。
使用されるポリエチレンの物性については特に制限は無いが、JIS−K7210(1999)に準拠して190℃、21.16N荷重にて測定したポリエチレンのメルトフローレート(MFR)が3g/10分以上、好ましくは10g/10分以上、より好ましくは15g/10分以上であり、150g/10分以下、好ましくは100g/10分以下、より好ましくは60g/10分以下である。MFRが前記下限値より低いと、アスファルト改質時の粘度が高くなり、分散性に劣るほか、骨材への浸透性も悪いため、骨材保持性に劣る。またMFRが前記上限値より高いとポリエチレンとしての材料強度が低くなるため、舗装アスファルトとしての耐久性や骨材保持性が劣る。
また、使用されるポリエチレンの示差走査熱量計(DSC)における融解ピーク温度(Tm)の好ましい範囲が、100℃以上、好ましくは110℃以上であり、140℃以下、好ましくは130℃以下である。Tmが前記下限値より低いと、アスファルトの軟化温度が低くなるので、舗装後に十分に冷却するまで道路が使用できないことが問題となり、Tmが前記上限値を超えるものはポリエチレンでは実質的に入手が困難である。ここで、Tmの測定条件は、昇温、降温速度ともに10℃/分にてのセカンドスキャンにて測定を行い、融解の最大ピーク温度をTmとする。以下で記載する融解ピーク温度についても同様である。
また、使用されるポリエチレンの密度については特に制限は無いが、通常0.80〜0.98g/cm、好ましくは0.90〜0.96g/cmの範囲である。
(b)不飽和シラン化合物
グラフト変性に用いられる不飽和シラン化合物は限定されないが、一般式RSi(R’)(ここでRはエチレン性不飽和炭化水素基、R’は互いに独立に炭化水素基またはアルコキシ基であり、R’のうち少なくとも1つはアルコキシ基である)で表される不飽和シラン化合物が好適に用いられる。
Rとしては、炭素数2〜10、好ましくは炭素数2〜6のエチレン性不飽和炭化水素基が望ましい。具体的には、ビニル基、プロペニル基、ブテニル基、シクロヘキセニル基などが挙げられる。
R’としては、炭素数1〜10、好ましくは炭素数1〜6の炭化水素基または、炭素数1〜10、好ましくは炭素数1〜6のアルコキシ基が望ましい。これらは何れも脂肪族基、脂環族基、芳香族基の何れであってもよいが、脂肪族基であることが望ましい。また、飽和基、不飽和基のいずれでもよいが、飽和基であることが好ましい。
R’が炭化水素基の場合、具体的には、メチル基、エチル基、イソプロピル基、t−ブチル基、n−ブチル基、i−ブチル基、フェニル基、シクロヘキシル基などに代表されるアルキル基又はアルケニル基;ヒドロキシエチル基、β−メトキシエチル基、γ−(メタ)アクリロキシプロピル基などのアルコキシアルキル基;β−アミノエチル基、γ−アミノプロピル基、γ−グリシドキシプロピル基等の含酸素および/または含窒素炭化水素基;クロロメチル基、β−クロロエチル基、γ−クロロプロピル基などの含ハロゲン基などが挙げられる。
R’がアルコキシ基の場合、具体的には、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、β―メトキシエトキシ基、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシ基などが挙げられる。
不飽和シラン化合物が前記の一般式で表現される場合、3つのR’のうち少なくとも1つはアルコキシ基であるが、好ましくは2つ、より好ましくは全てがアルコキシ基であることが望ましい。
不飽和シラン化合物としては、中でもビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、プロペニルトリメトキシシランなどに代表されるビニルトリアルコキシシランが
望ましい。これはビニル基によってポリエチレンへの変性を可能とし、アルコキシ基によってアスファルトへの相溶性、更に骨材との高い親和性、場合によっては反応性が期待できるからである。
これらの不飽和シラン化合物は、1種類を単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。
なお、本発明における変性ポリエチレン(B)には、本発明の効果を損なわない範囲で不飽和シラン化合物以外の化合物を併用してグラフト変性してもよい。不飽和シラン化合物以外の化合物としては、具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、テトラヒドロフタル酸、イタコン酸、シトラコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸等の不飽和カルボン酸、及び、これらの酸無水物等が例示される。
(c)グラフト変性方法
上記ポリエチレンへ上記不飽和シラン化合物を変性することで変性ポリエチレン(B)を得ることができる。グラフト変性の方法には特に制限が無く、公知の手法に従って溶液変性、溶融変性、電子線や電離放射線の照射による固相変性、超臨界流体中での変性などが好適に用いられる。中でも設備やコスト競争力に優れた溶融変性が好ましく、連続生産性に優れた押出機を用いた溶融混練変性が更に好ましい。この時用いられる装置としては、例えば単軸スクリュー押出機、2軸スクリュー押出機、バンバリーミキサー、ロールミキサーなどが挙げられる。中でも連続生産性に優れた単軸押出機、二軸押出機が好ましい。
一般にポリエチレンへの不飽和シラン化合物の変性はポリエチレンの炭素−水素結合を開裂させ炭素ラジカルを発生させ、これへ不飽和官能基が付加する、といったグラフト反応によって行われることが一般的である。炭素ラジカルの発生源としては、上述した電子線や電離放射線の他、高温度とする方法や、有機、無機過酸化物などのラジカル発生剤を用いることで行うことも出来る。コストや操作性の観点で有機過酸化物を用いることが好ましい。
変性ポリエチレン(B)を製造する際に用いるラジカル発生剤には限定は無いが、例えば、ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、パーオキシエステル及びケトンパーオキサイド群に含まれるもの、並びにアゾ化合物等が挙げられる。
具体的には、例えば、ハイドロパーオキサイド群にはキュメンハイドロパーオキサイド、ターシャリーブチルハイドロパーオキサイド等が含まれ、ジアルキルパーオキサイド群にはジクミルパーオキサイド、ジターシャリーブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジターシャリーブチルパーオキシヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジターシャリーブチルパーオキシヘキシン−3、などがあり、ジアシルパーオキサイド群にはラウリルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド等が含まれる。同様にパーオキシエステル群にはターシャリーパーオキシアセテート、ターシャリーブチルパーオキシベンゾエイト、ターシャリーブチルパーオキシイソプロピルカーボネート等が、さらにケトンパーオキサイド群にはシクロヘキサノンパーオキサイド等があり、アゾ化合物としては、アゾビスイソブチロニトリル、メチルアゾイソブチレートなどが含まれる。
これらで例示されているラジカル発生剤のうち1種あるいは数種を併用してもよい。
一般的に用いられる溶融押出変性の操作としては、上記ポリエチレン、不飽和シラン化合物、有機過酸化物を配合、ブレンドして混練機、押出機に投入し、加熱溶融混練しながら押出を行い、先端ダイスから出てくる溶融樹脂を水槽などで冷却して変性ポリエチレン(B)を得る。
ポリエチレンと不飽和シラン化合物との配合の比率としては特に制限は無いが、好ましい配合の範囲としては、ポリエチレン100重量部に対し、不飽和シラン化合物が1〜1
0重量部である。ポリエチレンに対して不飽和シラン化合物が少なすぎると、本発明の効果を奏するために必要な所定の変性量が得られない場合があり、また多すぎると未反応の不飽和シラン化合物が多量に残留し、性能に悪影響を及ぼす可能性を生じる。
不飽和シラン化合物と有機過酸化物との配合の比率としては特に制限は無いが、好ましい配合の範囲としては、不飽和シラン化合物100重量部に対し、有機過酸化物が20〜100重量部である。不飽和シラン化合物に対して有機過酸化物の量が少なすぎると、本発明の効果を奏するために必要な所定の変性量が得られず、また多すぎるとポリエチレンの劣化を生じ、流動性が悪化する可能性が生じる。
また溶融押出変性条件としては、例えば単軸、二軸押出機においては150〜300℃程度の温度にて押出すことが好ましい。
本発明における変性ポリエチレン(B)には、樹脂組成物に常用されている配合剤を、本発明の効果を損なわない範囲で含有させることができる。このような配合剤としては、例えば熱安定剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、結晶核剤、防錆剤、及び顔料等を挙げることができる。このうち、酸化防止剤、特にフェノール系、硫黄系、又はリン系の酸化防止剤を含有させるのが好ましい。酸化防止剤は、前記のシラン変性したポリエチレン100重量部に対して0.1〜2重量部含有させるのが好ましい。また、配合剤と共に、本発明の効果を損なわない範囲で、接着性樹脂組成物に常用されている樹脂成分を含有させてもよい。このような樹脂成分としては、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、エチレン・ビニルアルコール共重合体、アクリル系樹脂、及び石油樹脂等が挙げられる。
(d)変性ポリエチレン(B)について
本発明における変性ポリエチレン(B)は、JIS−K7210(1999)に準拠して190℃、21.16N荷重にて測定したメルトフローレート(MFR)が、2g/10分以上、好ましくは5g/10分以上、より好ましくは10g/10分以上であり、100g/10分以下、好ましくは70g/10分以下、より好ましくは50g/10分以下である。MFRが前記下限値より低いと、アスファルト改質時の粘度が高くなり、分散性に劣るほか、骨材への浸透性も悪いため、骨材保持性に劣る。またMFRが前記上限値より高いとポリエチレンとしての材料強度が低くなるため、舗装アスファルトとしての耐久性や骨材保持性が劣る。
また、本発明における変性ポリエチレン(B)は、示差走査熱量計(DSC)による融解ピーク温度(Tm)が、100℃以上、好ましくは110℃以上であり、140℃以下、好ましくは130℃以下である。Tmが前記下限値より低いと、アスファルトの軟化温度が低くなるので、舗装後に十分に冷却するまで道路が使用できないことが問題となり、Tmが前記上限値を超えるものはポリエチレンを変性するものとしては実質的に入手が困難である。
本発明における変性ポリエチレン(B)は、水分によって架橋される場合があり、架橋された変性ポリエチレン(B)を用いることも出来るが、本発明の改質アスファルト組成物およびアスファルト混合物の製造時、並びにアスファルト舗装の施工時における流動性を確保するためには、変性ポリエチレン(B)は実質的に架橋されていないことが好ましい。
なお、前記変性ポリエチレン(B)は市販品を用いることもでき、例えば、三菱化学株式会社製、商品名「リンクロン」を好適に用いることができる。
<その他の成分>
本発明の改質アスファルト組成物には、前記のアスファルト(A)及び変性ポリエチレ
ン(B)以外に、その他の成分として添加剤や変性ポリエチレン(B)以外の樹脂などを、本発明の効果を損なわない範囲で含有させることができる。
そのような例としては、接着性、相溶性を改善するために、粘着付与剤として熱可塑性固形樹脂や固形状ゴム、液状樹脂、軟化剤、可塑剤などを添加することも行われる。たとえば、ロジンとその誘導体、テルペン樹脂や石油樹脂とその誘導体、アルキッド樹脂、アルキルフェノール樹脂、テルペンフェノール樹脂、クマロンインデン樹脂、合成テルペン樹脂、アルキレン樹脂、ポリイソブチレン、ポリブタジエン、ポリブテン、イソブチレンとブタジエンの共重合物、鉱油、プロセスオイル、パイン油、アントラセン油、松根油、可塑剤、動植物油、重合油等である。
また、老化防止剤、酸化防止剤、硫黄等も添加することができる。さらにまた、改質アスファルト乳剤の粘度調整を目的にMC(メチルセルロース)、CMC(カルボキシメチルセルロース)、HEC(ヒドロキシエチルセルロース)、PVA(ポリビニルアルコール)、ゼラチンなどの水溶性高分子保護コロイドを添加することができる。
上記以外にも、前記した変性ポリエチレン(B)に含有することのできる配合剤をその他の成分として含有させることができる。
これらのその他の成分は、後述する改質アスファルト組成物を製造する際に、アスファルト(A)及び変性ポリエチレン(B)とともに配合して用いてもよいが、予め、変性ポリエチレン(B)に含有させて樹脂組成物としておいてもよい。また、変性ポリエチレン(B)の原料であるポリエチレンに予め含有させておいてもよい。また、アスファルト(A)及び変性ポリエチレン(B)を用いて改質アスファルト組成物とした後、該組成物とその他の成分とを配合してもよい。更には、後述するアスファルト混合物を製造する際に、改質アスファルト組成物及び骨材とともに配合してもよい。
<改質アスファルト組成物の製造>
改質アスファルト組成物を製造する方法は特に限定されるものではなく、単純にアスファルト(A)、変性ポリエチレン(B)、及び必要によりその他の成分を混合することによって得ることが出来る。また、後述する骨材と同時にこれら成分を混合することも可能であるし、骨材とアスファルトの混合の際に変性ポリエチレン(B)を添加することも可能である。
<アスファルト混合物>
本発明のアスファルト混合物とは、前記した本発明の改質アスファルト組成物と骨材とを少なくとも含有する。このように、本発明の改質アスファルト組成物と骨材とを配合することで、高性能の舗装用アスファルト混合物を得ることが出来る。
アスファルト混合物を構成する骨材としては特に限定はなく、通常用いられる骨材である砕石、砂利、砂、スラグなどが挙げられる。
アスファルト混合物に本発明の改質アスファルト組成物を用いることで、改質アスファルト組成物と骨材の混合温度を従来よりも低い温度で行うことが出来る。例えば150℃以下の温度においても作業性の良い流動性を示す。これは本発明のアスファルト改質材である変性ポリエチレン(B)の流動性が低温でも良好であるためであり、また、混合温度を下げることで混合に用いるエネルギーを低減することを可能としている。
なお、本発明の改質アスファルト組成物と骨材との混合方法も制限は無く、通常、アスファルト舗装の施工時に行われる方法を適用することができる。
<用途>
本発明の改質アスファルト組成物及びアスファルト混合物の用途は特に限定するものではないが、一般舗装や排水性舗装などの道路舗装に好適に用いられるほか、鉄道等の軌道敷、屋外競技場や公園、駐車場、サーキットコースなどに好適に用いることができる。ま
た、屋外の地表面の舗装用に限らず、例えば、屋上、屋根などの舗装にも好適に用いることが出来る。
本発明のアスファルト混合物を道路舗装に用いる場合、アスファルト舗装の構成に制限はないが、通常、表層から順に、アスファルト表層、アスファルト基層、上層路盤、下層路盤等から構成される。本発明のアスファルト混合物は、通常、アスファルト表層に用いるが、アスファルト基層に用いてもよい。アスファルト舗装の施工方法にも制限は無く、通常のアスファルト舗装の施工時に行われる方法を適用することができる。
さらには、本発明の改質アスファルト組成物は、道路舗装における乳剤(タックコート、プライムコート、シールコート)、鋼管・鉄筋などの防錆材、自動車のアンダーコート用塗料の原料、電気製品の制振シートの原料、電池などの絶縁材料や接着剤、粘着剤、撥水剤、防水剤、防湿剤、シーリング剤、顔料などにも用いることができる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
本発明の実施例及び比較例では、以下の原料を用いた。
<ポリエチレン>
・PE−1: ノバテックLL UJ790(日本ポリエチレン製、線状低密度ポリエチレン、MFR=50g/10分(190℃、21.16N荷重)、密度=0.928g/cm、融解ピーク温度=122℃)
・PE−2: ノバテックLD LJ903(日本ポリエチレン製;高圧法低密度ポリエチレン、MFR=50g/10分(190℃、21.16N荷重)、密度=0.917g/cm、融解ピーク温度=102℃)
・PE−3: ノバテックHD HJ490(日本ポリエチレン製;高密度ポリエチレン、MFR=20g/10分(190℃、21.16N荷重)、密度=0.958g/cm、融解ピーク温度=133℃)
・PE−4: カーネル KJ640T(日本ポリエチレン製;メタロセン線状低密度ポリエチレン、MFR=30g/10分(190℃、21.16N荷重)、密度=0.880g/cm、融解ピーク温度=60℃)
・PE−5: ノバテックLL UF240(日本ポリエチレン製;線状低密度ポリエチレン、MFR=2.1g/10分(190℃、21.16N荷重)、密度=0.920g/cm、融解ピーク温度=123℃)
<変性ポリエチレンの測定方法>
・メルトフローレート(MFR): JIS−K7210(1999)に準拠して、190℃、21.16N荷重にて測定した。
・融解ピーク温度(Tm): SIIナノテクノロジー製、DSC6220(示差走査熱量計)にて秤量5mg、昇温、降温速度ともに10℃/分にてのセカンドスキャンにて測定を行い、融解の最大ピーク温度をTmとした。なお、ファーストスキャン時の昇温到達温度は200℃とした。
・シラン変性量: シラン変性したポリエチレンを加熱燃焼させ灰化し、灰分をアルカリ融解して純水に溶解後定溶し、高周波プラズマ発光分析装置(島津製作所製ICPS7510)を用いてICI発光分析法によりグラフトシラン量の定量を行った。
<改質アスファルト組成物の評価方法>
[150℃粘度]
毛細管粘度計を用いて150℃での粘度を測定した。150℃での粘度は150〜200mPa・sの範囲であることが混合作業及び性能上好ましい。
[60℃粘度]
60℃粘度は減圧毛管式粘度計を用いて測定した。60℃での粘度は高いほうが望ましい。
[針入度]
JIS K2207に従い、25℃、100g荷重、5秒間での標準針の貫入量にて求めた。なお、針入度は改質アスファルト組成物の持っている硬さの基準であり、適宜設定されるべきものであるが、均一であることが好ましい。
[軟化点]
JIS K2207に従い、水またはグリセリン中で改質アスファルト組成物を5℃/分の速度で加熱しながら、直径9.53mm、重量3.5gの鋼球が改質アスファルト組成物を抜けて25.4mm落ちる時の温度で評価した。なお、軟化点は舗装の耐流動性の指標となり、80℃〜110℃の範囲であることが好ましい。
[貯蔵安定性]
改質アスファルト組成物をアルミニウム製のパイプ(高さ50cm、直径5cm)に入れ、150℃で3日間静置した。次いで、室温で管を改質アスファルト組成物ごと切断し、頂部と底部のアスファルトを取り出し、各部分のアスファルトの150℃粘度、60℃粘度、針入度、軟化点を測定した。頂部と底部の数値の差が小さいほど良好である。
<舗装用アスファルト混合物の評価方法>
下記3試験を舗装試験法便覧(社団法人日本道路協会発行)の記載に準拠して測定した。
[マーシャル安定度試験]
マーシャル突き固め試験機を用いて、直径約10.2cm、高さ約6.3cmの円筒供試体を作成した。これを60℃に設置した水槽に30分投入した後に取り出してマーシャル安定度試験載荷装置(曲率半径5.08cm)へ円筒を寝かせた状態で設置し、50mm/分の速度で荷重をかけ、供試体が破壊するまでに示した最大荷重(標準安定度)と、そのときの変形量(フロー値)を求めた。
また、水槽投入時間を48時間とした後の破壊最大荷重測定値を水浸安定度とし、下記式にて残留安定度を求めた。なお、マーシャル安定度試験は、アスファルト混合物の強さと耐水性の指標である。
残留安定度(%)=(水浸安定度/標準安定度)×100
[カンタブロ試験]
マーシャル安定度試験用の供試体をロサンゼルス試験機(粗骨材のすり減り試験法に規定する機械)に入れ、鋼球を使用せずにドラムを300回転させ、試験後の損失量を下記式にて測定した。なお、カンタブロ試験は、骨材の飛散のし難さの指標であり、数値が小さい方がよい。
損失量(%)=〔(試験前の供試体質量−試験後の供試体質量)/試験前の供試体質量〕×100
[ホイールトラッキング試験]
締固め装置を用いて、アスファルト混合物を30cm×30cm×5cmの大きさの板とし、60℃の恒温室中でホイールトラッキング試験機に設置し、直径200mm×巾50mm、硬度JIS78、タイヤ厚20mm、自重50kg、接地圧5kg/cmのタイヤで30回/分、往復距離200mmの条件にて供試体上を往復させ、轍掘れの深さが1mmに達するときの往復数で評価した。なお、ホイールトラッキング試験は、轍掘れのし難さの指標であり、数値が大きい方がよい。
[実施例1]
ポリエチレンとしてPE−1の100重量部に対し、不飽和シラン化合物としてビニル
トリメトキシシラン(VTMOS)0.5重量部、ジクミルパーオキサイド0.2重量部をブレンダーにて攪拌後、温度220℃に設定された二軸造粒機(池貝社製、PCM45)に投入し、ノズルより出てきたストランドを水槽にて冷却固化した後にペレット状にカッティングして変性ポリエチレン−Aを得た。得られたシラン変性ポリエチレン−Aの物性を表−1に示す。
アスファルトとして、東新エナジー社製60/80ストレートアスファルトの100重量部に対し、上記で得られたシラン変性ポリエチレン5重量部を加えて、4枚羽根攪拌翼を備えた攪拌機により、155℃、回転速度400rpmの条件下で混練して改質アスファルト組成物を製造した。得られた改質アスファルト組成物の物性を表−2に示す。
次に、6号砕石84重量%、粗目砂11重量%、石粉5重量%からなる骨材100重量部と前記操作にて得られた改質アスファルト組成物10重量部を150℃にて混合し、アスファルト混合物を得た。得られたアスファルト混合物を前記の評価法に基づいて、マーシャル安定度試験、カンタブロ試験、ホイールトラック試験を行った。結果を表−2に示す。
[実施例2、3]
ポリエチレンの100重量部に対し、VTMOS及びジクミルパーオキサイドの配合量を表−1の通りとした以外は実施例1と同様にして変性ポリエチレン−B及びCを得た。得られた変性ポリエチレン−B及びCの物性を実施例1と同様にして測定した結果を表−1に示す。
次に変性ポリエチレン−BまたはCを用い、実施例1と同様にして改質アスファルト組成物及びアスファルト混合物を製造し、その物性を実施例1と同様にして測定した結果を表−2に示す。
[実施例4]
ストレートアスファルトの100重量部に対し、変性ポリエチレン−Aを2重量部加えて改質アスファルト組成物を得る以外は実施例1と同様にして改質アスファルト組成物及びアスファルト混合物を製造し、その物性を実施例1と同様にして測定した結果を表−2に示す。
[実施例5]
ポリエチレンとしてPE−2を用い、VTMOSの代わりにビニルトリエトキシシラン(VTEOS)を用いた以外は実施例2と同様にして変性ポリエチレン−Dを得た。得られた変性ポリエチレン−Dの物性を実施例1と同様にして測定した結果を表−1に示す。
次に変性ポリエチレン−Dを用い、実施例1と同様にして改質アスファルト組成物及びアスファルト混合物を製造し、その物性を実施例1と同様にして測定した結果を表−2に示す。
[実施例6]
ポリエチレンとしてPE−3を用いる以外は実施例2と同様にして変性ポリエチレン−Eを得た。得られた変性ポリエチレン−Eの物性を実施例1と同様にして測定した結果を表−1に示す。
次に変性ポリエチレン−Eを用い、実施例1と同様にして改質アスファルト組成物及びアスファルト混合物を製造し、その物性を実施例1と同様にして測定した結果を表−2に示す。
[比較例1]
ストレートアスファルトの100重量部に対し、変性ポリエチレン−Bを25重量部を加えて改質アスファルト組成物を得る以外は実施例2と同様にして改質アスファルト組成物及びアスファルト混合物を製造し、その物性を実施例1と同様にして測定した結果を表−3に示す。
[比較例2]
変性ポリエチレン−Aを用いる代わりにPE−1を用いた以外は実施例1と同様にして改質アスファルト組成物及びアスファルト混合物を得た。得られた改質アスファルト組成物及びアスファルト混合物の物性を実施例1と同様にして測定した結果を表−3に示す。
[比較例3]
変性ポリエチレン−Aを用いる代わりにスチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体水添物(SEBS)(旭化成社製、タフテックH1052X;スチレン含量=20重量%、MFR=3g/10分)を用いた以外は実施例1と同様にして改質アスファルト組成物及びアスファルト混合物を得た。得られた改質アスファルト組成物及びアスファルト混合物の物性を実施例1と同様にして測定した結果を表−3に示す。
[比較例4]
変性ポリエチレン−Aを用いる代わりに、エチレン−ビニルトリメトキシシラン共重合体(三菱化学製リンクロンX;MFR=1g/10分、Tm=111℃、シラン変性量2重量%)を用いた以外は実施例1と同様にして改質アスファルト組成物及びアスファルト混合物を得た。得られた改質アスファルト組成物及びアスファルト混合物の物性を実施例1と同様にして測定した結果を表−3に示す。
[比較例5]
VTMOSの代わりに無水マレイン酸(MAH)を用いる以外は実施例2と同様にして酸変性ポリエチレン−Fを得た。得られた変性ポリエチレン−Fの物性を実施例1と同様にして測定した結果を表−1に示す。
次に変性ポリエチレン−Fを用い、実施例1と同様にして改質アスファルト組成物及びアスファルト混合物を製造し、その物性を実施例1と同様にして測定した結果を表−3に示す。
[比較例6]
PE−1の代わりにポリエチレンワックス(三洋化成工業社製サンワックス151−P;分子量=2000(蒸気浸透圧法)、軟化点=107℃、密度=0.92g/10分、MFR>200g/10分)を用いた以外は実施例2と同様にして変性ポリエチレン−Gを得た。得られた変性ポリエチレン−Gの物性を実施例1と同様にして測定した結果を表−1に示す。なお、変性ポリエチレン−GのMFRは200g/10分を超え、測定が困難であった。
次に変性ポリエチレン−Gを用い、実施例1と同様にして改質アスファルト組成物及びアスファルト混合物を製造し、その物性を実施例1と同様にして測定した結果を表−3に示す。
[比較例7]
ポリエチレンの100重量部に対しVTMOS及びジクミルパーオキサイドの配合量を表−1の通りとした以外は実施例1と同様にして変性ポリエチレン−Hを得た。得られた変性ポリエチレン−Hの物性を実施例1と同様にして測定した結果を表−1に示す。
次に変性ポリエチレン−Hを用い、実施例1と同様にして改質アスファルト組成物及びアスファルト混合物を製造し、その物性を実施例1と同様にして測定した結果を表−3に示す。
[比較例8、9]
ポリエチレンとしてPE−4またはPE−5を用いる以外は実施例2と同様にして変性ポリエチレン−I及びJを得た。得られた変性ポリエチレン−I及びJの物性を実施例1と同様にして測定した結果を表−1に示す。
次に変性ポリエチレン−IまたはJを用い、実施例1と同様にして改質アスファルト組成物及びアスファルト混合物を製造し、その物性を実施例1と同様にして測定した結果を表−3に示す。
Figure 0005644422
Figure 0005644422
Figure 0005644422

Claims (6)

  1. アスファルト(A)100重量部と、ポリエチレンに一般式RSi(R’) (ここでRはエチレン性不飽和炭化水素基、R’は互いに独立に炭化水素基またはアルコキシ基であり、R’のうち少なくとも1つはアルコキシ基である)で表される不飽和シラン化合物が0.1〜5重量%グラフトされた変性ポリエチレン(B)1〜20重量部とを含有し、該変性ポリエチレン(B)が、JIS−K7210(1999)に準拠して190℃、21.16N荷重にて測定したメルトフローレートが2〜100g/10分、且つ示差走査熱量計による融解ピーク温度が100〜140℃であることを特徴とする改質アスファルト組成物。
  2. 一般舗装または排水性舗装に使用されることを特徴とする請求項1に記載の改質アスファルト組成物。
  3. 請求項1に記載の改質アスファルト組成物と骨材とを含有することを特徴とするアスファルト混合物。
  4. 請求項1に記載の改質アスファルト組成物と骨材とを150℃以下の温度で混合することを特徴とするアスファルト混合物の製造方法。
  5. 一般舗装または排水性舗装に使用されることを特徴とする請求項に記載のアスファルト混合物。
  6. 請求項に記載のアスファルト混合物を表層とするアスファルト舗装材。
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