JP6227486B2 - 推進軸の支持構造 - Google Patents
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Description
図1に示す本実施形態に係る推進軸100の支持構造400は、FFベースの四輪駆動車(車両)に搭載されている。支持構造400は、推進軸100と、推進軸100を回転自在に支持する軸受210と、軸受210を車体(図示しない)に取り付けるため軸受取付体1と、を備えている。なお、動力を発生するエンジン、エンジンからの動力を変速する変速装置、変速された動力の一部を変速しつつ後輪側に分岐させる副変速装置は、車両前側のボンネット下に配置されている。
推進軸100は、車体(車両)の車幅方向中央で前後方向に延び、回転軸線O1を中心として回転し、副変速装置(図示しない)からの動力を終減速装置(図示しない)に伝達する動力伝達軸である。推進軸100は、2ピース構造(2分割構造)であり、前側の第1軸111と、第1軸の後端に接合されたスタブシャフト121(軸部材)と、後側の第2軸131と、スタブシャフト121及び第2軸131を連結する等速ジョイント140と、デフレクタ124と、を備えている。ただし、その他にピース構造でもよい。また、等速ジョイント140に代えて十字軸ジョイントを備える構成でもよい。
第1軸111、金属製で円筒状を呈する部材である。
スタブシャフト121は、前後方向に延びる棒状の部材である。スタブシャフ121は、図2、図3に示すように、前側から後側に向かって、大径の大径部122と、大径部122から後方に延びるシャフト部123と、大径部122から径方向外向きに延びるデフレクタ124(環状部)と、を備えている。
第2軸131は、第1軸111と同様に、金属製で円筒状を呈する部材である。
なお、第2軸131の右側には、保護対象である燃料タンク500が配置されている(図1参照)。
第2軸131の後端は、第2十字軸ジョイント320を介して、終減速装置(図示しない)に連結されている。第2十字軸ジョイント320は、第2軸131の後端に接合されたスタブヨーク321と、終減速装置の入力軸側に連結されたフランジヨーク322と、スタブヨーク321及びフランジヨーク322の間に設けられた十字軸323と、を備えている。
等速ジョイント140は、図3に示すように、スタブシャフト121の後端部と、第2軸131とを連結するジョイントであって、本実施形態では、ダブルオフセット型で構成されている。ただし、等速ジョイント140は、その他に例えば、トリポート型等で構成されてもよい。
外輪部材141は、後側が閉じた有底円筒状の部材であり、周壁部142と、周壁部142の後側に形成されると共に第2軸131と接合された底壁部143と、を備えている。周壁部142の内周面には、軸方向に延びると共に前側が開口した複数の摺動溝144が形成されている。複数の摺動溝144は、周方向において等間隔で配置されている。各摺動溝144は、輪切り断面視で半円状を呈しており、内輪ユニット150の後記するボール152が摺動又は転動するようになっている。
内輪ユニット150は、円筒状の内輪部材151と、複数のボール152と、円筒状のケージ153と、を備えている。
内輪部材151は、厚肉の円筒状を呈しており、その外周面に軸方向に延びると共に、周方向に等間隔で配置された複数のボール溝151aが形成されている。ボール溝151aには、ボール152が収容されている。
軸受210は、図2に示すように、本実施形態では、シールド付きのボールベアリングで構成されている。軸受210は、前記した被支持部123aに外嵌した内輪211と、外輪212と、内輪211及び外輪212の間を転動する複数のボール213と、前側のシールドと、後側のシールドと、を備えている。
軸受取付体1は、図2に示すように、軸受210に外嵌すると共に軸受210を車体に取り付けるためのものである。軸受取付体1は、内環10と、外環20と、マウント30と、ブラケットリング40と、ブラケット50と、を備えている。
内環10は、外輪212(軸受210)に外嵌する円筒状の部材である。内環10は、外輪212に外嵌する円筒状の外嵌部11と、外嵌部11の前端から径方向内側に延び外輪212の前面に当接する当接部12と、当接部12の径方向内側端から前方に延びる前端部13と、外嵌部11の後端から段違いで拡径し後方に延びる後端部14と、を備えている。
外環20は、内環10よりも大径の円筒状(環状)を呈する部品であり、内環10の径方向外側に所定間隔をあけつつ同中心で配置されている。外環20は、前後方向に延びる円筒部21と、円筒部21の前端から径方向外向きに延びるフランジ部22と、を備えている。
マウント30は、弾性を有するゴム(弾性体)で一体形成された環状の部品であり、内環10及び外環20との間に設けられると共に、内環10及び外環20に加硫接着されている。すなわち、マウント30は、径方向において内環10及び外環20を連結しており、平断面視で横U字形を呈している。そして、マウント30が弾性変形することで、内環10(推進軸100)の振動が、マウント30で吸収・減衰され、外環20(車体)に伝達し難くなっている。
ブラケットリング40は、円筒状を呈しており、外環20に外嵌している。言い換えると、外環20は、ブラケットリング40内に圧入されている。ブラケットリング40は、後記する半円弧状部51と複数個所でスポット溶接されている。
ブラケット50は、2本のボルト(左ボルト61、右ボルト62)で車体に締結されることで、軸受取付体1を車体に固定する部材であり、細長の板状片がプレス加工されることで形成された部材である(図4参照)。ブラケット50は、軸方向視において、半円弧状(U字形状)を呈する半円弧状部51と、半円弧状部51の左側上端から左方に延びる左被締結部52と、半円弧状部51の右側上端から右方に延びる右被締結部53と、突出部54と、を備えている。
突出部54は、ブラケット50の右側(一方側)のみにおいて、半円弧状部51及び右被締結部53から、デフレクタ124に向かって前方に突出した部分である。すなわち、突出部54は、ブラケット50の右側の一部が左側(他方側)よりも突出することで構成されている。つまり、右側の突出部54は、左側の左被締結部52の前端を通る基準線L1よりも前方に配置されている(図2参照)。なお、右側は、保護対象である燃料タンク500が配置された側と同一側である。これにより、デフレクタ124が、左被締結部52よりも先に、突出部54に衝突するようになっている。
推進軸の支持構造400によれば、次の作用効果を得る。
車両が前方衝突すると、エンジン、変速装置、副変速装置、第1軸111及びスタブシャフト121が後退する(図5、矢印A1参照)。この場合、内輪ユニット150が外輪部材141内を後方に転動する。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されず、例えば、次のように変更してもよい。
例えば、外環の20の右側部分が前方に突出することで突出部が形成された構成でもよい。また、ブラケットリング40の右側部分が前方に突出することで突出部が形成された構成でもよい。さらに、突出部を独立した専用部品で構成してもよい。
20 外環
30 マウント
40 ブラケットリング
50 ブラケット
54 突出部
61 左ボルト
62 右ボルト
70 ダイナミックダンパ
70A 前側部(突出部)
100 推進軸
111 第1軸
121 スタブシャフト
124 デフレクタ(環状部)
131 第2軸
140 等速ジョイント
200 軸受
400 支持構造
Claims (6)
- 車体の前後方向に延びる推進軸と、
前記推進軸を回転自在に支持する軸受と、
前記軸受に外嵌すると共に前記軸受を前記車体に取り付ける軸受取付体と、
前記軸受取付体の前方に配置されると共に前記推進軸と一体で回転する環状の環状部と、
前記軸受取付体の左側及び右側の一方側のみにおいて、他方側よりも前記環状部に向かって突出する突出部と、
を備え、
前記環状部が後退すると、前記環状部が前記突出部に突き当たる
ことを特徴とする推進軸の支持構造。 - 前記軸受取付体の左側及び右側の他方側は、鉛直方向に延びるボルトによって前記車体に固定され、
前記環状部が前記突出部に突き当たると、平面視において前記軸受取付体が前記ボルトを支点として回転する
ことを特徴とする請求項1に記載の推進軸の支持構造。 - 前記軸受取付体は、前記軸受に外嵌する内環と、前記内環の外側に同中心で配置された外環と、径方向において前記内環及び前記外環を連結すると共に弾性を有し振動を吸収する弾性部材と、前記外環を前記車体に取り付けるブラケットと、を備え、
前記突出部は、前記ブラケットの一部が突出することで構成されている
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の推進軸の支持構造。 - 前記軸受取付体は、前記軸受に外嵌する内環と、前記内環の外側に同中心で配置された外環と、径方向において前記内環及び前記外環を連結すると共に弾性を有し振動を吸収する弾性部材と、前記外環を前記車体に取り付けるブラケットと、を備え、
前記突出部は、前記外環の一部が突出することで構成されている
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の推進軸の支持構造。 - 前記軸受取付体に固定されたダイナミックダンパを備え、
前記突出部は、前記ダイナミックダンパの一部が突出することで構成されている
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の推進軸の支持構造。 - 前記環状部は、前方から前記弾性部材へのダストの衝突を防止するデフレクタである
ことを特徴とする請求項3から請求項5のいずれか1項に記載の推進軸の支持構造。
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