JP6227486B2 - 推進軸の支持構造 - Google Patents

推進軸の支持構造 Download PDF

Info

Publication number
JP6227486B2
JP6227486B2 JP2014114982A JP2014114982A JP6227486B2 JP 6227486 B2 JP6227486 B2 JP 6227486B2 JP 2014114982 A JP2014114982 A JP 2014114982A JP 2014114982 A JP2014114982 A JP 2014114982A JP 6227486 B2 JP6227486 B2 JP 6227486B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
shaft
propulsion shaft
bearing
outer ring
inner ring
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014114982A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015229371A (ja
Inventor
和秀 古口
和秀 古口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Showa Corp
Original Assignee
Showa Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Showa Corp filed Critical Showa Corp
Priority to JP2014114982A priority Critical patent/JP6227486B2/ja
Publication of JP2015229371A publication Critical patent/JP2015229371A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6227486B2 publication Critical patent/JP6227486B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Motor Power Transmission Devices (AREA)

Description

本発明は、推進軸の支持構造に関する。
車両用の推進軸(プロペラシャフト)は、車両の前側に搭載されたエンジン(原動機)で発生した動力を、車両の後側に搭載された終減速装置に伝達する動力伝達軸である。車両は、後輪駆動車、四輪駆動車である。なお、原動機で発生した動力は、変速装置で変速された後、推進軸に入力される。
推進軸は、その共振点(共振する回転数)を実用回転数域よりも高く設定する必要があるため、適当な長さで分割される。例えば、2分割された場合、推進軸は、前側の第1軸と、後側の第2軸と、第1軸と第2軸とを連結する等速ジョイントとを備えて構成される。そして、推進軸において等速ジョイントの近傍部分が軸受を介して車体に回転自在に支持される。
ところで、車両が前方衝突した場合における乗員への衝撃を抑えるために、エンジンと車室との間に変形し易い領域(クラッシャブル・ゾーン)を設ける技術が知られている。すなわち、前方衝突した場合、エンジン及び変速装置を速やかに後退させつつ、このクラッシャブル・ゾーンを変形させることで衝突エネルギを吸収するものである。この場合において、推進軸がつっかえ棒となると、車体(ボディ)の変形が阻害される、つまり、クラッシャブル・ゾーンで衝撃エネルギが吸収され難くなる虞がある。
また、第1軸が後方に押し込まれると、等速ジョイント等は、上方、下方、左方、右方等に移動し、本来の位置からずれる。例えば、等速ジョイントが、上方に移動すると、フロアパネルを突き破って車室に突入する虞がある。また、等速ジョイントが、その側方に配置された燃料タンク等に衝突する虞もある。
そこで、推進軸を回転自在に支持する軸受を車体に固定するためのブラケットの左側と車体とをワイヤ(連結手段)で連結し、推進軸が後退した場合、前記ワイヤによって推進軸を左側に引っ張り、その中間部分が左側に突出するようにして推進軸が折れ曲がる技術が提案されている(例えば特許文献1参照)。
特開平4−193628号公報
しかしながら、特許文献1は、ワイヤのコスト及び取り付け作業を要するうえ、ワイヤの軌跡範囲に他の機器を配置できず、デッドスペースが形成され、スペース効率が低下するという不都合があった。
そこで、本発明は、前方衝突した場合において、推進軸が所定の方向で折れ曲がりつつ縮退する推進軸の支持構造を提供することを課題とする。
前記課題を解決するための手段として、本発明は、車体の前後方向に延びる推進軸と、前記推進軸を回転自在に支持する軸受と、前記軸受に外嵌すると共に前記軸受を前記車体に取り付ける軸受取付体と、前記軸受取付体の前方に配置されると共に前記推進軸と一体で回転する環状の環状部と、前記軸受取付体の左側及び右側の一方側のみにおいて、他方側よりも前記環状部に向かって突出する突出部と、を備え、前記環状部が後退すると、前記環状部が前記突出部に突き当たることを特徴とする推進軸の支持構造である。
このような構成によれば、車両が前方衝突し推進軸が後退すると、推進軸と一体で回転する環状部も後退し、環状部が突出部に突き当たる。突出部は軸受取付体の左側及び右側の一方側(後記する実施形態では右側)のみにおいて突出しているので、環状部が突出部に突き当たり後方に押し込むと、軸受取付体の一方側が後方に押し込まれ、軸受取付体が他方側(後記する実施形態では左側)を支点として回転する。
そうすると、軸受取付体の支持する軸受も、他方側を支点として回転する。これにより、推進軸は、後退しながら、軸受の後方側の部分が他方側に突出するようにして折れ曲がり、前後方向において良好に縮退する。したがって、推進軸がつっかえ棒になることはない。
また、特許文献1のように、推進軸の折れ曲がり方向を案内するワイヤは不要であり、ワイヤのコストは発生しない。また、ワイヤの軌跡範囲を考慮する必要もない。
推進軸の支持構造において、前記軸受取付体の左側及び右側の他方側は、鉛直方向に延びるボルトによって前記車体に固定され、前記環状部が前記突出部に突き当たると、平面視において前記軸受取付体が前記ボルトを支点として回転することが好ましい。
このような構成によれば、環状部が突出部に突き当たると、平面視において軸受取付体がボルトを支点として回転するので、推進軸が、軸受の後方側の部分が他方側に突出するようにして良好に折れ曲がる。
推進軸の支持構造において、前記軸受取付体は、前記軸受に外嵌する内環と、前記内環の外側に同中心で配置された外環と、径方向において前記内環及び前記外環を連結すると共に弾性を有し振動を吸収する弾性部材と、前記外環を前記車体に取り付けるブラケットと、を備え、前記突出部は、前記ブラケットの一部が突出することで構成されていることが好ましい。
推進軸の支持構造において、前記軸受取付体は、前記軸受に外嵌する内環と、前記内環の外側に同中心で配置された外環と、径方向において前記内環及び前記外環を連結すると共に弾性を有し振動を吸収する弾性部材と、前記外環を前記車体に取り付けるブラケットと、を備え、前記突出部は、前記外環の一部が突出することで構成されていることが好ましい。
推進軸の支持構造において、前記軸受取付体に固定されたダイナミックダンパを備え、前記突出部は、前記ダイナミックダンパの一部が突出することで構成されていることが好ましい。
推進軸の支持構造において、前記環状部は、前方から前記弾性部材へのダストの衝突を防止するデフレクタであることが好ましい。
このような構成によれば、弾性部材へのダストの衝突を防止するデフレクタによって環状部を構成することができる。
本発明によれば、前方衝突した場合において、推進軸が所定の方向で折れ曲がりつつ縮退する推進軸の支持構造を提供することができる。
本実施形態に係る推進軸の支持構造の平面図である。 本実施形態に係る推進軸の支持構造の拡大平面図であり、衝突前を示している。 本実施形態に係る等速ジョイントの平面図である。 本実施形態に係るブラケットの斜視図である。 本実施形態に係る推進軸の支持構造の拡大平面図であり、衝突して第1軸が後退し、デフレクタがブラケットの突出部に衝突した状態を示している。 本実施形態に係る推進軸の支持構造の拡大平面図であり、第1軸の後退が進み、ブラケットの右被締結部が破断した状態を示している。 本実施形態に係る推進軸の支持構造の拡大平面図であり、第1軸の後退が進み、第1軸が左ボルトを支点として回転した状態を示している。 本実施形態に係る推進軸の支持構造の平面図であり、推進軸が折れ曲がった状態を示している。 変形例に係るブラケット及びダイナミックダンパの前面図である。 図9のX1−X1線断面図である。 変形例に係るダイナミックダンパの分解斜視図である。
本発明の一実施形態について図1〜図8を参照して説明する。
≪推進軸の支持構造の構成≫
図1に示す本実施形態に係る推進軸100の支持構造400は、FFベースの四輪駆動車(車両)に搭載されている。支持構造400は、推進軸100と、推進軸100を回転自在に支持する軸受210と、軸受210を車体(図示しない)に取り付けるため軸受取付体1と、を備えている。なお、動力を発生するエンジン、エンジンからの動力を変速する変速装置、変速された動力の一部を変速しつつ後輪側に分岐させる副変速装置は、車両前側のボンネット下に配置されている。
<推進軸>
推進軸100は、車体(車両)の車幅方向中央で前後方向に延び、回転軸線O1を中心として回転し、副変速装置(図示しない)からの動力を終減速装置(図示しない)に伝達する動力伝達軸である。推進軸100は、2ピース構造(2分割構造)であり、前側の第1軸111と、第1軸の後端に接合されたスタブシャフト121(軸部材)と、後側の第2軸131と、スタブシャフト121及び第2軸131を連結する等速ジョイント140と、デフレクタ124と、を備えている。ただし、その他にピース構造でもよい。また、等速ジョイント140に代えて十字軸ジョイントを備える構成でもよい。
<第1軸>
第1軸111、金属製で円筒状を呈する部材である。
第1軸111の前端は、第1十字軸ジョイント310を介して、副変速装置の出力軸に連結されている。第1十字軸ジョイント310は、第1軸111の先端に接合されたスタブヨーク311と、副変速装置の出力軸側に連結されたフランジヨーク312と、スタブヨーク311及びフランジヨーク312の間に設けられた十字軸313と、を備えている。そして、車両が前方衝突した場合、第1軸111は、後退、つまり、後方に移動するようになっている。
<スタブシャフト、デフレクタ>
スタブシャフト121は、前後方向に延びる棒状の部材である。スタブシャフ121は、図2、図3に示すように、前側から後側に向かって、大径の大径部122と、大径部122から後方に延びるシャフト部123と、大径部122から径方向外向きに延びるデフレクタ124(環状部)と、を備えている。
大径部122は、後側が閉じた有底円筒状を呈している。大径部122の前端部は、第1軸111に接合されている。
シャフト部123は、中実の棒状を呈しており、軸受210内に回転自在に支持される被支持部123aと、被支持部123aの前側において段違いに大径で形成された肩部123bと、を備えている(図2参照)。肩部123bは軸受210の内輪211の前面に当接している。これにより、前方衝突しシャフト部123が後退すると、軸受210及びこれに外嵌する内環10等が後退するようになっている。
シャフト部123の後端部の外周面には、スプライン軸123cが形成されている(図3参照)。スプライン軸123cは、後記する内輪部材151に差し込まれ、内輪部材151とスプライン結合している。これにより、シャフト部123は内輪部材151と一体で回転するようになっている。
デフレクタ124は、軸方向視(前後方向視)においてリング状(環状)を呈しており、大径部122と一体で形成された部分であり、推進軸100と一体で回転するようになっている。デフレクタ124は、軸受取付体1を構成するゴム製のマウント30の前方に配置され、走行中における前方からマウント30へのダストの衝突を防止し、マウント30を保護する部分である。なお、デフレクタ124は、スタブシャフト121と別部品で構成され、溶接等によってスタブシャフト121に固定された構成でもよい。
デフレクタ124は、全周に亘って大径部122から径方向外向きに突出している。これにより、デフレクタ124の周方向位置に関わらず、デフレクタ124が後退すると突出部54に良好に衝突するようになっている。
デフレクタ124の外径D124は、マウント30の外径D30よりも大きく、かつ、軸方向視において後記する突出部54と重なるように構成されている。デフレクタ124の軸方向位置は、前方衝突によりデフレクタ124が後退した場合、突出部54に突き当たる位置に設計されている(図5参照)。
<第2軸>
第2軸131は、第1軸111と同様に、金属製で円筒状を呈する部材である。
なお、第2軸131の右側には、保護対象である燃料タンク500が配置されている(図1参照)。
第2軸131の前端には、後記する外輪部材141が接合されている。
第2軸131の後端は、第2十字軸ジョイント320を介して、終減速装置(図示しない)に連結されている。第2十字軸ジョイント320は、第2軸131の後端に接合されたスタブヨーク321と、終減速装置の入力軸側に連結されたフランジヨーク322と、スタブヨーク321及びフランジヨーク322の間に設けられた十字軸323と、を備えている。
<等速ジョイント>
等速ジョイント140は、図3に示すように、スタブシャフト121の後端部と、第2軸131とを連結するジョイントであって、本実施形態では、ダブルオフセット型で構成されている。ただし、等速ジョイント140は、その他に例えば、トリポート型等で構成されてもよい。
等速ジョイント140は、外輪部材141と、外輪部材141内を軸方向に摺動する内輪ユニット150と、を備えている。
<外輪部材>
外輪部材141は、後側が閉じた有底円筒状の部材であり、周壁部142と、周壁部142の後側に形成されると共に第2軸131と接合された底壁部143と、を備えている。周壁部142の内周面には、軸方向に延びると共に前側が開口した複数の摺動溝144が形成されている。複数の摺動溝144は、周方向において等間隔で配置されている。各摺動溝144は、輪切り断面視で半円状を呈しており、内輪ユニット150の後記するボール152が摺動又は転動するようになっている。
また、外輪部材141の前端部に円筒状を呈する金属製のアダプタ161が取り付けられている。そして、アダプタ161の前端とスタブシャフト121との間の隙間を塞ぐように、ゴム製のブーツ162が取り付けられている。ブーツ162は、環状を呈する部品であって、(1)外輪部材141内のグリースの外部への流出を防止すると共に、(2)外部から外輪部材141内への水、塵、泥水等の浸入を防止する部品である。
<内輪ユニット>
内輪ユニット150は、円筒状の内輪部材151と、複数のボール152と、円筒状のケージ153と、を備えている。
内輪部材151は、厚肉の円筒状を呈しており、その外周面に軸方向に延びると共に、周方向に等間隔で配置された複数のボール溝151aが形成されている。ボール溝151aには、ボール152が収容されている。
内輪部材151の内周面にはスプライン孔151bが形成されており、スプライン孔151bは前記したスプライン軸123cとスプライン結合している。これにより、内輪部材151は、周方向において、スタブシャフト121に固定されている。
内輪部材151は、軸方向において、前側のC字形のストッパリング151cと、後側のストッパリング151dとで挟まれている。これにより、内輪部材151は、軸方向において、スタブシャフト121に固定されている。
ケージ153は、内輪部材151に固定されると共に、周方向に複数の保持孔153aが形成されている。
ボール152は、径方向中間部で保持孔153aに保持されると共に、その径方向外側は摺動溝144に球面接触している。これにより、内輪部材151は外輪部材141に対して、ボール152を節として屈曲自在となっている。
そして、ボール152が摺動溝144を摺動又は転動することにより、軸方向において、内輪ユニット150と外輪部材141とが相対移動可能となっている。なお、摺動等に伴うボール152及び摺動溝144の磨耗・焼き付きを防止するために、外輪部材141にはグリース(潤滑油)が封入されている。
<軸受>
軸受210は、図2に示すように、本実施形態では、シールド付きのボールベアリングで構成されている。軸受210は、前記した被支持部123aに外嵌した内輪211と、外輪212と、内輪211及び外輪212の間を転動する複数のボール213と、前側のシールドと、後側のシールドと、を備えている。
内輪211の前面は、前記した肩部123bに当接している。内輪211の後面はシャフト部123に固定されたストッパ221に当接している。これにより、軸受210は、軸方向において、スタブシャフト121に固定されている。
<軸受取付体>
軸受取付体1は、図2に示すように、軸受210に外嵌すると共に軸受210を車体に取り付けるためのものである。軸受取付体1は、内環10と、外環20と、マウント30と、ブラケットリング40と、ブラケット50と、を備えている。
<内環>
内環10は、外輪212(軸受210)に外嵌する円筒状の部材である。内環10は、外輪212に外嵌する円筒状の外嵌部11と、外嵌部11の前端から径方向内側に延び外輪212の前面に当接する当接部12と、当接部12の径方向内側端から前方に延びる前端部13と、外嵌部11の後端から段違いで拡径し後方に延びる後端部14と、を備えている。
前端部13と肩部123bとの間には、オイルシール13aが設けられている。後端部14とストッパ221との間にはオイルシール14aが設けられている。
<外環>
外環20は、内環10よりも大径の円筒状(環状)を呈する部品であり、内環10の径方向外側に所定間隔をあけつつ同中心で配置されている。外環20は、前後方向に延びる円筒部21と、円筒部21の前端から径方向外向きに延びるフランジ部22と、を備えている。
<マウント>
マウント30は、弾性を有するゴム(弾性体)で一体形成された環状の部品であり、内環10及び外環20との間に設けられると共に、内環10及び外環20に加硫接着されている。すなわち、マウント30は、径方向において内環10及び外環20を連結しており、平断面視で横U字形を呈している。そして、マウント30が弾性変形することで、内環10(推進軸100)の振動が、マウント30で吸収・減衰され、外環20(車体)に伝達し難くなっている。
<ブラケットリング>
ブラケットリング40は、円筒状を呈しており、外環20に外嵌している。言い換えると、外環20は、ブラケットリング40内に圧入されている。ブラケットリング40は、後記する半円弧状部51と複数個所でスポット溶接されている。
<ブラケット>
ブラケット50は、2本のボルト(左ボルト61、右ボルト62)で車体に締結されることで、軸受取付体1を車体に固定する部材であり、細長の板状片がプレス加工されることで形成された部材である(図4参照)。ブラケット50は、軸方向視において、半円弧状(U字形状)を呈する半円弧状部51と、半円弧状部51の左側上端から左方に延びる左被締結部52と、半円弧状部51の右側上端から右方に延びる右被締結部53と、突出部54と、を備えている。
左被締結部52は、左ボルト61で車体に締結される部分である。すなわち、ブラケット50の左側(他方側)は、鉛直方向に延びる左ボルト61によって車体に固定されている。左被締結部52には、ボルト孔52aが形成されている。ボルト孔52aは、左ボルト61が挿通される孔であり、前後方向に延びる長孔である。
右被締結部53は、鉛直方向に延びる右ボルト62で車体に締結される部分である。右被締結部53には、ボルト孔53aと、スリット53bとが形成されている。ボルト孔53aは、右ボルト62が挿通される孔であり、前後方向に延びる長孔である。スリット53bは、右被締結部53においてボルト孔53aの前端から前方に延び外部に開口している。これにより、前方衝突によって右被締結部53が後退し回転した場合、スリット53bが開き(図6参照)、右被締結部53が右ボルト62から速やかに脱落するようになっている(図7参照)。ただし、スリット53bが形成されず、右被締結部53が破断する構成でもよい。
<ブラケット−突出部>
突出部54は、ブラケット50の右側(一方側)のみにおいて、半円弧状部51及び右被締結部53から、デフレクタ124に向かって前方に突出した部分である。すなわち、突出部54は、ブラケット50の右側の一部が左側(他方側)よりも突出することで構成されている。つまり、右側の突出部54は、左側の左被締結部52の前端を通る基準線L1よりも前方に配置されている(図2参照)。なお、右側は、保護対象である燃料タンク500が配置された側と同一側である。これにより、デフレクタ124が、左被締結部52よりも先に、突出部54に衝突するようになっている。
≪推進軸の支持構造の作用効果≫
推進軸の支持構造400によれば、次の作用効果を得る。
車両が前方衝突すると、エンジン、変速装置、副変速装置、第1軸111及びスタブシャフト121が後退する(図5、矢印A1参照)。この場合、内輪ユニット150が外輪部材141内を後方に転動する。
スタブシャフト121がさらに後退すると、デフレクタ124の右側部分が、突出部54に突き当たる(図5参照)。このとき、デフレクタ124の左側部分は左被締結部52に衝突していない。
スタブシャフト121がさらに後退すると、デフレクタ124の右側部分が突出部54を後方に押し込む。そうすると、左ボルト61はボルト孔52aに保持されたままであるので、平面視において、ブラケット50が左ボルト61を支点(中心)として右回りで回転する(図6、矢印A2参照)。
これにより、ボルト孔53aの前端が車体に固定された右ボルト62に突き当たった後、スリット53bが広がる(図6、矢印A3参照)。このように、ブラケット50が左ボルト61を支点として右回りで回転すると、ブラケット50と一体であるブラケットリング40及び外環20も左ボルト61を中心として右回りで回転する(図6、矢印A4参照)。
スタブシャフト121がさらに後退すると、ブラケット50が左ボルト61を支点として右回りでさらに回転し(図7、矢印A5参照)、スリット53bがさらに広がって、右被締結部53が破断し右ボルト62から脱落する。そして、ブラケットリング40及び外環20も左ボルト61を中心として右回りでさらに回転する(図7、矢印A6参照)。
そうすると、内環10及び軸受210も左ボルト61を中心として右回りで回転する(図7、矢印A7参照)。これにより、スタブシャフト121も左ボルト61を中心として右回りで回転する(図7、矢印A8参照)。したがって、スタブシャフト121の後端は、左方に移動し(図8、矢印A9参照)、燃料タンク500から遠ざかる。つまり、スタブシャフト121は、その後端が燃料タンク500から離れる向きで傾斜することになる。
そうすると、第2軸131は、燃料タンク500から遠ざかる左方に移動しつつ、絞り加工され他よりも細い絞り部(脆弱部)で折れ曲がる。また、スタブシャフト121に連結する第1軸111も、その絞り部(脆弱部)で折れ曲がる。すなわち、推進軸100は、燃料タンク500の反対側である左方に突出しながら折れ曲がるので、燃料タンク500に干渉せずに前後方向において圧縮する。したがって、推進軸100がつっかえ棒になることはなく、また、燃料タンク500が損傷することもない。
このようにして、推進軸100が前後方向において良好に縮退するので、エンジン、変速装置及び副変速装置(図示しない)が良好に後退する。これにより、衝撃エネルギは、エンジン等と車室との間に形成されたクラッシャブル・ゾーンで良好に吸収される。
また、特許文献1おける折れ曲がり方向を案内するワイヤは不要であり、推進軸の支持構造400を低コストで構成できる。また、ワイヤの軌跡範囲を考慮する必要もない。
≪変形例≫
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されず、例えば、次のように変更してもよい。
前記した実施形態では、ブラケット50の一部が前方に突出することで突出部54が形成された構成を例示したが、その他の構成でもよい。
例えば、外環の20の右側部分が前方に突出することで突出部が形成された構成でもよい。また、ブラケットリング40の右側部分が前方に突出することで突出部が形成された構成でもよい。さらに、突出部を独立した専用部品で構成してもよい。
また、支持構造400が、図9〜図11に示すように、半円弧状部51の右側の外周面に固定されたダイナミックダンパ70を備え、ダイナミックダンパ70の前側部70Aが前方に突出することで突出部が形成された構成でもよい。ダイナミックダンパ70は、軸受取付体1から車体に向かう振動を減衰させる減衰装置であり、外形が円柱状であるダンパ本体80と、ダンパ本体80を半円弧状部51に固定するベース91と、を備えている。
ただし、ダンパ本体80の外形は、その他に例えば、多角柱状であってもよい。また、ダイナミックダンパ70は、軸受取付体1の右側に配置されていればよく、例えば、図9において2点鎖線(仮想線)で示すように、ブラケットリング40の右斜め上部分の外周面に固定された構成でもよい。
ダンパ本体80は、円筒状を呈する金属製のカラー81と、カラー81の外周面に加硫接着し円筒状を呈するゴム製の弾性体82と、弾性体82の外周面に加硫接着し円筒状を呈する金属製のウエイト83(錘)と、を備えている。
ベース91は、U字形を呈しており、前後方向に延びその中間部が半円弧状部51に溶接される基部92と、基部92の前端から径方向外向きに延びる前端部93と、基部91の後端から径方向外向きに延びる後端部94と、を備えている。ボルト95が、前端部93、カラー81の中空部、後端部94を貫通し、ナット96に螺合することで、前端部93及び後端部94がカラー81を前後方向において挟持し、ダンパ本体80がベース91にガタつくことなく固定されるようになっている。そして、ウエイト83がボルト95を中心として振動することで、推進軸100から車体に向かう振動が減衰されるようになっている。
ダイナミックダンパ70は、前後方向において、半円弧状部53(ブラケット50)から突出している。すなわち、ダイナミックダンパ70の前側約1/3である前側部70Aは半円弧状部53よりも前方に突出し、ダイナミックダンパ70の後側約1/3である後側部70Bは半円弧状部53よりも後方に突出している。前側部70Aは、軸受取付体1の右側においてのみデフレクタ124に向かって突出する突出部を構成している。そして、前方衝突しデフレクタ124が後退すると、デフレクタ124が前側部70A(突出部)に衝突するようになっている。
前記した実施形態では、突出部54に突き当たる環状部がデフレクタ124である構成を例示したが、その他に例えば、スタブシャフト121においてデフレクタ124と別部品である環状部がスタブシャフト121に固定された構成でもよい。
1 軸受取付体
20 外環
30 マウント
40 ブラケットリング
50 ブラケット
54 突出部
61 左ボルト
62 右ボルト
70 ダイナミックダンパ
70A 前側部(突出部)
100 推進軸
111 第1軸
121 スタブシャフト
124 デフレクタ(環状部)
131 第2軸
140 等速ジョイント
200 軸受
400 支持構造

Claims (6)

  1. 車体の前後方向に延びる推進軸と、
    前記推進軸を回転自在に支持する軸受と、
    前記軸受に外嵌すると共に前記軸受を前記車体に取り付ける軸受取付体と、
    前記軸受取付体の前方に配置されると共に前記推進軸と一体で回転する環状の環状部と、
    前記軸受取付体の左側及び右側の一方側のみにおいて、他方側よりも前記環状部に向かって突出する突出部と、
    を備え、
    前記環状部が後退すると、前記環状部が前記突出部に突き当たる
    ことを特徴とする推進軸の支持構造。
  2. 前記軸受取付体の左側及び右側の他方側は、鉛直方向に延びるボルトによって前記車体に固定され、
    前記環状部が前記突出部に突き当たると、平面視において前記軸受取付体が前記ボルトを支点として回転する
    ことを特徴とする請求項1に記載の推進軸の支持構造。
  3. 前記軸受取付体は、前記軸受に外嵌する内環と、前記内環の外側に同中心で配置された外環と、径方向において前記内環及び前記外環を連結すると共に弾性を有し振動を吸収する弾性部材と、前記外環を前記車体に取り付けるブラケットと、を備え、
    前記突出部は、前記ブラケットの一部が突出することで構成されている
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の推進軸の支持構造。
  4. 前記軸受取付体は、前記軸受に外嵌する内環と、前記内環の外側に同中心で配置された外環と、径方向において前記内環及び前記外環を連結すると共に弾性を有し振動を吸収する弾性部材と、前記外環を前記車体に取り付けるブラケットと、を備え、
    前記突出部は、前記外環の一部が突出することで構成されている
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の推進軸の支持構造。
  5. 前記軸受取付体に固定されたダイナミックダンパを備え、
    前記突出部は、前記ダイナミックダンパの一部が突出することで構成されている
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の推進軸の支持構造。
  6. 前記環状部は、前方から前記弾性部材へのダストの衝突を防止するデフレクタである
    ことを特徴とする請求項3から請求項5のいずれか1項に記載の推進軸の支持構造。
JP2014114982A 2014-06-03 2014-06-03 推進軸の支持構造 Active JP6227486B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014114982A JP6227486B2 (ja) 2014-06-03 2014-06-03 推進軸の支持構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014114982A JP6227486B2 (ja) 2014-06-03 2014-06-03 推進軸の支持構造

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015229371A JP2015229371A (ja) 2015-12-21
JP6227486B2 true JP6227486B2 (ja) 2017-11-08

Family

ID=54886405

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014114982A Active JP6227486B2 (ja) 2014-06-03 2014-06-03 推進軸の支持構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6227486B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7063599B2 (ja) * 2017-12-19 2022-05-09 日立Astemo株式会社 車両用推進軸

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2513857Y2 (ja) * 1990-03-05 1996-10-09 マツダ株式会社 プロペラシャフトの支持装置
JP4739913B2 (ja) * 2005-10-28 2011-08-03 株式会社ショーワ プロペラシャフト支持構造
JP2007225089A (ja) * 2006-02-27 2007-09-06 Toyota Motor Corp ダイナミックダンパ及びこれを備えたシャフト支持装置
JP4137167B2 (ja) * 2007-10-03 2008-08-20 株式会社日立製作所 プロペラシャフトの支持装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015229371A (ja) 2015-12-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN106151305B (zh) 支架组合体
JP4721404B2 (ja) 車両用パワーユニットのマウント構造
US10093341B2 (en) Steering device
JP5334780B2 (ja) 自動車用衝撃吸収プロペラシャフト装置
US20090233723A1 (en) Vehicle
CN104553775B (zh) 传动轴的安装结构
JP6227486B2 (ja) 推進軸の支持構造
JP4996217B2 (ja) 自動車用衝撃吸収プロペラシャフト装置
JP5435235B2 (ja) 車両用パワートレインの支持装置
JP5928942B2 (ja) 等速ジョイント
JP5480881B2 (ja) 車両用動力伝達装置
US4028961A (en) Shock absorbing steering assembly for automotive vehicles
JP7063599B2 (ja) 車両用推進軸
JP7182890B2 (ja) インホイールモータ駆動装置とサスペンション装置の連結構造
JP6583308B2 (ja) 車両下部構造
JP2016064782A (ja) 車両の動力伝達装置
JP2004322816A (ja) 車両用プロペラシャフトの衝撃抗力低減構造
JP2007203751A (ja) 自動車用衝撃吸収プロペラシャフト
JP6629661B2 (ja) リヤディファレンシャルの支持構造
JP4259432B2 (ja) 車両前部構造
JP2014189194A (ja) パワーユニットマウント構造
JP2016080046A (ja) 等速ジョイント
JP2007203749A (ja) 自動車用衝撃吸収プロペラシャフト
WO2020022450A1 (ja) インホイールモータ駆動装置用サスペンション構造
JP2008265406A (ja) プロペラシャフトの支持構造

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20161227

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170801

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170728

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170914

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20171003

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20171011

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6227486

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250