JP6227091B1 - 回転電機 - Google Patents
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また、鋳造で製作されたモータケースの内部に冷媒流路を設け、冷媒流路の開口部をブラケットで塞ぐ構造のものもある。(例えば、特許文献2)
さらに、断面が凸形状を持つ薄肉のカバーの軸方向の両端をフレームの両端の曲げ加工により固定して冷媒流路を設けた構造のものもある。(例えば、特許文献3)
また、特許文献2の構造では、モータケースに深い冷媒流路を鋳造により形成する必要があり、薄くて長いテーパ形状の型を抜く必要があるため、冷媒流路の開口部ではモータケースの外径寸法が大きくなってしまうという課題があった。
さらに、特許文献3の構造では、凸形状を持つ薄肉のカバーの両端を曲げ加工されたフレームにより固定して冷媒流路が設けられており、フレームの両端にブラケットが当接されて組み付けられているため、冷媒流路の固定箇所にブラケットの組み付けによる力が加わり、冷媒流路の密閉性を落とす恐れがあるうえ、ブラケットとステータの軸方向の寸法関係を確保するために、フレームの曲げ加工の精度が求められことから、回転電機の価格が上昇してしまうという課題があった。
ブラケットを前記ステータコアまたは前記フレームの軸方向両端に締結固定させる通しボルトを備え、前記カバーの軸方向の両端部と前記ブラケットとが離隔されていることを特徴とするものである。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1における回転電機の外観構成を示す斜視図、図2はこの発明の実施の形態1における回転電機を上半分断面で示す片側断面図である。
回転電機は、回転可能に設けられたロータ(回転子)と、ロータの外周に所定の間隔を設けて配設されるステータ(固定子)を備えている。
図1および図2において、ロータは、例えば電磁鋼板を積層して構成された円環形状のロータコア1と、ロータコア1に組付けられた永久磁石2と、ロータコア1の中心の穴に挿通してロータコア1を保持するシャフト3を具備している。
ステータコア4は、焼嵌めや圧入などの方法でフレーム6の内周面に内嵌状態に保持されている。
フレーム6の軸方向寸法はステータコア4の軸方向寸法より短く、フレーム6の軸方向端面よりもステータコア4の軸方向端面の方が突出している。ステータコア4の軸方向の両端面が、第一のブラケット9と第二のブラケット10にそれぞれ当接して挟持されることにより、ステータコア4の軸方向の位置とロータコア1の軸方向の位置が所定の関係になるように保持される。
図3はこの発明の実施の形態2における回転電機のステータの外観構成を示す斜視図、図4はこの発明の実施の形態2における回転電機の第一のブラケットを示す斜視図である。上記実施の形態1では、ステータコア4によって第一のブラケット9と第二のブラケット10の軸方向の位置決めがされる場合について説明したが、実施の形態2では、ステータコア4によって第一のブラケット9と第二のブラケット10の周方向の位置決めがされる場合について説明する。
図4に示すように、第一のブラケット9には、ステータコア4の外周面の溝4aの一つに嵌合するような凸部9aを設けている。この凸部9aと溝4aを嵌合させることにより第一のブラケット9の周方向の位置決めを容易に行うことができる。
また、図示していないが、第二のブラケット10についても同様に周方向の位置決めが行われる。
このようにブラケットの周方向の位置決めを行うことで、周方向の位置決めに別途ピン等の位置決め用部品を用いる必要がないため、安価に回転電機を製作することができる利点がある。
なお、他の部分については上記実施の形態1と同様であるため説明を省略する。
図5はこの発明の実施の形態3における回転電機を上半分断面で示す片側断面図である。上記実施の形態1では、第一のブラケット9および第二のブラケット10をステータコア4の軸方向の両端面に締結固定する場合について説明したが、実施の形態3では、第一のブラケット9および第二のブラケット10をフレーム6の軸方向の両端面に締結固定する場合について説明する。
なお、図5においては、フレーム6の端部外周面に嵌合するインロー部が第一のブラケット9と第二のブラケット10に形成されているが、フレーム6の端部内周面に嵌合するインロー部が第一のブラケット9と第二のブラケット10に形成されていてもよい。
また、カバー7の軸方向の両端面とブラケットの間は接合部7aに通しボルト11による締結力が加わらないように離隔している。
であり寸法誤差が少ないため、回転電機の固定部分の軸方向寸法のバラツキを軽減することができる。
また、回転電機が高電圧を使用する場合などは、コンタミネーション(外部から侵入した水やホコリなどによる汚染)による絶縁性の低下を防ぐため、回転電機内部をシールして外部環境からのコンタミ(汚染物質)の侵入を防ぐ必要がある。この時、実施の形態3では、フレーム6の軸方向の両端面とブラケットとの当接部にシール用接着剤を介在させることにより回転電機内部のシール性を確保することができるため、安価に回転電機を製作することができる利点がある。
なお、他の部分については上記実施の形態1と同様であるため説明を省略する。
図6はこの発明の実施の形態4における回転電機を上半分断面で示す片側断面図である。上記実施の形態3では、フレーム6の軸方向の両端面とブラケットとの当接部にシール用接着剤を介在させて回転電機内部のシール性を確保する場合について説明したが、実施の形態4では、Oリングを使用して回転電機内部のシール性を確保する場合について説明する。
なお、他の部分については上記実施の形態3と同様であるため説明を省略する。
図7はこの発明の実施の形態5における回転電機のステータの外観構成を示す斜視図、図8はこの発明の実施の形態5における回転電機の第一のブラケットを示す斜視図である。上記実施の形態3では、フレーム6によって第一のブラケット9と第二のブラケット10の軸方向の位置決めがされる場合について説明したが、実施の形態5では、フレーム6によって第一のブラケット9と第二のブラケット10の周方向の位置決めがされる場合について説明する。
また、図示していないが、第二のブラケット10についても同様に周方向の位置決めが行われる。
このようにブラケットの周方向の位置決めを行うことで、周方向の位置決めに別途ピン等の位置決め用部品を用いる必要がないため、安価に回転電機を製作することができる利点がある。
なお、他の部分については上記実施の形態3と同様であるため説明を省略する。
図9はこの発明の実施の形態6における回転電機を上半分断面で示す片側断面図である。上記実施の形態1から5では、円筒形状のフレーム6の外周側に凸形状断面に形成されたカバー7の両端部が接合されて冷媒流路が形成されている場合について説明したが、実施の形態6では、フレーム6とカバー7のそれぞれに設けた段部の組み合わせによって冷媒流路を形成する場合について説明する。
フレーム6とカバー7は、それぞれの段部が軸方向にずれて間に空隙ができるように組み付けられ、フレーム6とカバー7の両端部が接合部7aによりシール性を持たせて密閉接合されて前記空隙が冷媒流路を構成している。
また、例えばステータのコイル5が集中巻であって、集中巻コイルの接続を行うのに集電部材を用いる場合には、軸方向の一端部でフレーム6の内径をステータコア4より大きくすることによって集電部材を回転電機内部のコイル外径側に配置することができることにより、ステータの軸方向寸法を短くすることができる利点がある。
なお、他の部分については上記実施の形態1から5と同様であるため説明を省略する。
Claims (13)
- 軸方向の両端部がそれぞれブラケットにより回転可能に保持されたロータと、前記ロータの外周に所定の空隙を開けて設置されコイルが巻装されたステータコアと、前記ステータコアを収納保持するフレームと、前記フレームの外周面との間に冷媒流路を構成し軸方向の両端部が前記フレームに密閉接合されたカバーと、前記ブラケットを前記ステータコアまたは前記フレームの軸方向両端に締結固定させる通しボルトを備え、前記カバーの軸方向の両端部と前記ブラケットとが離隔されていることを特徴とする回転電機。
- 前記カバーは、前記フレームにロウ付けまたは溶接により接合されていることを特徴とする請求項1に記載の回転電機。
- 前記カバーは、前記フレームの外周面との間に冷媒流路を形成する屈曲形状を有するとともに、前記フレームよりも薄肉であることを特徴とする請求項1または2に記載の回転電機。
- 前記カバーは、軸方向両端部よりも中央部の径が大きい凸形状断面に形成されており、前記カバーの中央部の内周面と前記フレームの外周面の空隙に冷媒流路が構成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の回転電機。
- 前記カバーは、軸方向の一端部から中央部の径が他端部の径よりも大きい段付き形状に形成され、前記フレームは、軸方向の一端部の径が中央部から他端部の径よりも大きい段付き形状に形成され、前記カバーの中央部の内周面と前記フレームの中央部の外周面の空隙に冷媒流路が構成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の回転電機。
- 前記ブラケットは、前記ステータコアの軸方向両端面にそれぞれ当接していることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の回転電機。
- 前記ブラケットは、前記ステータコアの外周面に嵌合するインロー部が形成されていることを特徴とする請求項6に記載の回転電機。
- 前記ステータコアは、扇形のヨーク部が複数配置されて円環状に形成された分割コアであり、それぞれのヨーク部の外周に軸方向に設けられた溝部の少なくとも一つに嵌合する凸部が前記ブラケットに設けられていることを特徴とする請求項6または7に記載の回転電機。
- 前記ブラケットは、前記フレームの軸方向両端面にそれぞれ当接していることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の回転電機。
- 前記ブラケットは、前記フレームの内周面または外周面に嵌合するインロー部が形成されていることを特徴とする請求項9に記載の回転電機。
- 前記ブラケットと前記フレームの当接面をシールする接着剤を備えていることを特徴とする請求項9または請求項10に記載の回転電機。
- 前記ブラケットと前記フレームのインロー部をシールするOリングを備えていることを特徴とする請求項10に記載の回転電機。
- 前記ブラケットと前記フレームの当接面の円周上の少なくとも一箇所に、凹凸による嵌
合部が設けられていることを特徴とする請求項9から12のいずれか一項に記載の回転電機。
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