本発明の遊技場装置の一例であるホールコンピュータについて、ホールコンピュータを備えた遊技場システムとして、以下に図面を参照しながら説明する。
図1に示すように、本発明は、
複数の遊技機(例えば、後述のパチスロ機10)の売上を遊技機毎に管理する遊技場装置(例えば、後述のホールコンピュータ500)であって、
各遊技機の売り上げを、例えば各遊技機から送信される「アウト」や「セーフ」に基づいて算出する売上算出手段(例えば、後述のホールコンピュータ500のメインCPU501、ROM502、RAM504)と、
遊技者を特定するための遊技者特定情報(例えば、撮像データ、情報カード等の記憶媒体に記憶された遊技者ID、計数された遊技媒体の計数結果情報、情報カードのシリアル番号等のカードID)に基づいて、遊技者が前記複数の遊技機のうち第1の遊技機から前記第1の遊技機とは異なる第2の遊技機に移動したか否かを判断する遊技者移動判断手段(例えば、後述のホールコンピュータ500のメインCPU501、ROM502、RAM504)と、
前記遊技者移動判断手段により遊技者が前記第1の遊技機から前記第2の遊技機に移動したと判断されることを契機として、前記第1の遊技機から前記第2の遊技機に移動させた遊技媒体数(例えば、後述のメダル他、パチンコ球)の数に応じた移動売上を算出する移動売上算出手段(例えば、後述のホールコンピュータ500のメインCPU501、ROM502、RAM504)と、
を備えている。
前記売上算出手段は、遊技媒体の貸出を受けるためにビルバリに投入された紙幣の価値情報やICカードの残金情報に基づいて算出される投資された投資売上、及び前記移動売上に基づいて、各遊技機の売上を算出する。
本発明の遊技場装置によれば、遊技者特定情報に基づいて遊技者が他の遊技機に移動したことが判断されるため、持ち玉遊技による遊技媒体の移動であるか、他店や低レートコーナーからの不正な持ち込みであるか、を判断することが可能となる。そのため、不正な持ち込みと区別して、適正な持ち玉遊技を移動売上として算出することが可能となる。その結果、移動売上を考慮して各遊技機の売上を算出するときに、各遊技機における売上を正確に算出することができるようになり、遊技場において遊技機毎の売上を適切に管理することが可能となる。
各遊技機での売上を正確に把握できるようになるので、機種毎あるいは島毎の売上も正確に把握することが可能となる。特に、機種毎の売上を正確に把握できれば、新規台を導入した後の売上傾向を正確に把握できるようになるため、遊技場側のニーズを適切に対応できる。
本発明の遊技場装置はまた、
遊技者を撮像した撮像データを前記遊技者特定情報として受信する遊技者特定情報受信手段(例えば、後述のインターフェイス507)と、
前記遊技者特定情報受信手段により受信した撮像データを記憶する撮像データ記憶手段(RAM504)と、
をさらに備えている。
前記遊技者移動判断手段は、新たな撮像データを受信したときに、前記撮像データ記憶手段により記憶されている撮像データと、前記遊技者特定情報受信手段により新たに受信した撮像データを比較することにより、前記第1の遊技機から前記第2の遊技機に移動したか否かを判断する。
本発明の遊技場装置によれば、遊技者の特定を撮像データによって行うため、遊技者の特定及び遊技を行う遊技機の移動をより正確に判断できる。そのため、移動売上をより正確に把握できるようになるので、各遊技機での売上をより正確に把握できるようになる。
本発明の遊技場装置はまた、
遊技者が所有する記録媒体に記憶された遊技媒体の計数結果情報又は遊技者を識別する遊技者識別情報(例えば、遊技者ID、計数結果情報、カードID)を、例えばカードリーダ/ライタによって読み取り、前記遊技者特定情報として受信する遊技者特定情報受信手段(例えば、後述のインターフェイス507)をさらに備え、
前記遊技者移動判断手段は、前記遊技者特定情報受信手段により受信された前記計数結果情報、又は前記遊技者識別情に基づいて、遊技者が前記第1の遊技機から前記第2の遊技機に移動したか否かを判断する。
本発明の遊技場装置によれば、遊技者の特定を遊技媒体の計数結果情報又は遊技者を識別する遊技者識別情報によって行うため、遊技者の遊技機の移動をより正確に判断できる。そのため、移動売上をより正確に把握できるようになるので、各遊技機での売上をより正確に把握できるようになる。
本発明の遊技場装置において、前記売上算出手段は、前記投資売上と、前記移動売上と、再プレイ売上(遊技者によって遊技場に預け入れられた遊技媒体である貯玉による再プレイに関する再プレイ情報を、例えばカードリーダ/ライタから受け取り、この再プレイ情報に基づいて算出される売上)と、に基づいて、各遊技機の売上を算出する。
本発明の遊技場装置によれば、貯玉プレイを許容している遊技場において、貯玉による再プレイ分を売上として計上する場合であっても、売上を正確に把握することができる。
図2に示した遊技場システム1は、複数のパチスロ機10、複数のサンド20、及びホールコンピュータ500を有している。
図3に示しように、パチスロ機10は、主制御回路250、副制御回路280及びこれらと電気的に接続された周辺装置(アクチュエータ)を備える。主制御回路250は、回路基板上に設置されたマイクロコンピュータ260を主たる構成要素としている。マイクロコンピュータ260は、メインCPU261、メインROM262及びメインRAM263により構成される。
メインROM262には、メインCPU261により実行される制御プログラム、内部抽籤テーブル等のデータテーブル、副制御回路280に対して各種制御指令(コマンド)を送信するためのデータ等が記憶されている。メインRAM263には、制御プログラムの実行により決定された内部当籤役等の各種データを格納する格納領域が設けられる。
メインCPU261には、クロックパルス発生回路252、分周器253、乱数発生器254及びサンプリング回路255が接続されている。クロックパルス発生回路252及び分周器253は、クロックパルスを発生する。メインCPU261は、発生されたクロックパルスに基づいて、制御プログラムを実行する。乱数発生器254は、予め定められた範囲の乱数(例えば、0〜65535)を発生する。サンプリング回路255は、発生された乱数の中から1つの値を抽出する。
マイクロコンピュータ260の入力ポートには、スイッチ等が接続されている。メインCPU261は、スイッチ等の入力を受けて、ステッピングモータ271L,271C,271R等の周辺装置の動作を制御する。停止操作検出手段であるストップスイッチ312Sは、3つのストップボタン312L,312C,312Rのそれぞれが遊技者により押されたこと(停止操作)を検出する。また、開始操作検出手段であるスタートスイッチ310Sは、スタートレバーが遊技者により操作されたこと(開始操作)を検出する。
メダルセンサ240Sは、メダル投入口11(図2参照)に受け入れられたメダルがセレクタ内を通過したことを検出する。また、ベットスイッチ332Sは、ベットボタンが遊技者により押されたことを検出する。また、精算スイッチ334Sは、精算ボタンが遊技者により押されたことを検出する。また、扉センサ335Sは、筺体の扉が開かれたことを検出する。
マイクロコンピュータ260により動作が制御される周辺装置としては、ステッピングモータ271L,271C,271R、7セグ表示器314及びホッパ350がある。また、マイクロコンピュータ260の出力ポートには、各周辺装置の動作を制御するための回路が接続されている。
モータ駆動回路272は、各リール320L,320C,320Rに対応して設けられたステッピングモータ271L,271C,271Rの駆動を制御する。リール位置検出回路270は、発光部と受光部とを有する光センサにより、リール320L,320C,320Rが一回転したことを示すリールインデックスを各リール320L,320C,320Rに応じて検出する。
ステッピングモータ271L,271C,271Rは、運動量がパルスの出力数に比例し、回転軸を指定された角度で停止させることが可能な構成を備えている。ステッピングモータ271L,271C,271Rの駆動力は、所定の減速比をもったギアを介してリール320L、320C、320Rに伝達される。ステッピングモータ271L,271C,271Rに対して1回のパルスが出力されるごとに、リール320L,320C,320Rは一定の角度で回転する。
メインCPU261は、リールインデックスを検出してからステッピングモータ271L,271C,271Rに対してパルスを出力した回数をカウントすることによって、リール320L,320C,320Rの回転角度(主に、リールが図柄何個分だけ回転したか)を管理し、リール320L,320C,320Rの表面に配された各図柄の位置を管理するようにしている。
表示部駆動回路315は、7セグ表示器314の動作を制御する。また、ホッパ駆動回路352は、ホッパ350の動作を制御する。また、払出完了信号回路353は、ホッパ350に設けられたメダル検出部351が行うメダルの検出を管理し、ホッパ350から外部に排出されたメダルが払出枚数に達したか否かをチェックする。
副制御回路280は、主制御回路250と電気的に接続されており、主制御回路250から送信されるコマンドに基づいて演出内容の決定や実行等の処理を行う。副制御回路280は、基本的に、サブCPU、サブROM、サブRAM、レンダリングプロセッサ、描画用RAM、ドライバ、DSP(デジタルシグナルプロセッサ)、オーディオRAM等を含んで構成されている。
サブCPUは、主制御回路250から送信されたコマンドに応じて、サブROMに記憶されている制御プログラムに従い、映像、音、光の出力の制御を行う。サブRAMは、決定された演出内容や演出データを登録する格納領域や、主制御回路250から送信される内部当籤役等の各種データを格納する格納領域が設けられている。サブROMは、基本的に、プログラム記憶領域とデータ記憶領域によって構成される。
また、サブROMには、発光演出装置(図示せず)における光による演出を行うための演出データが格納されている。サブCPUは、主制御回路250からのコマンドに基づいて、この演出データを出力することにより、ランプ412を発光させる。また、サブROMには、効果音や画像による演出を行うための演出データが格納されており、サブCPUは、主制御回路250からのコマンドに基づいて、この演出データを出力することにより、スピーカ414から効果音を出力させると共に、液晶表示装置410に演出画像を表示させる。
ここで、主制御回路250には、インターフェイス210が接続されており、メインCPU261は、インターフェイス210を介して、サンド20やホールコンピュータと通信を行う。メインCPU261は、サンド20との間で通信を行いながら、メダルの投入情報やメダルの払出情報等の蓄積情報をサンド20へ送信する。メダルの投入情報とは、例えば、一定期間にパチスロ機10に遊技のために投入されたメダル数である。また、メダルの払出情報とは、例えば、メダルの払出し数やボーナス発生回数等である。メインCPU261は、前回サンド20へこれらの蓄積情報を送信した後、次に送信するまでの間、これらの蓄積情報をメインRAM263に蓄積して行き、一定のタイミングでサンド20へ送信する。メインCPU261は、サンド20へ送信した後、それまでの蓄積情報をリセットする。
図2に示すように、各サンド20は、対応するパチスロ機10の向かって右側に併設されており、当該パチスロ機10と通信可能に接続されている。各サンド20は、ホール全体のサンド20のシステム管理や売り上げ管理を行うホールコンピュータ500に対して通信可能に接続されている。
図4に示すように、各サンド20の前面部21には、LED(light-emitting diode)部31、カード挿入口32、紙幣を投入可能な紙幣挿入口33、タッチパネルLCD(liquid crystal display)により構成された操作ユニット34、カメラ35、非接触ICカードリーダ36、メダル(遊技媒体)払出用トレー37、スピーカカバー38、メダル(遊技媒体)計数用投入口39等が設けられている。カード挿入口32は、例えばサンド20やホールによって発行された情報カードを受け付け可能な挿入口である。情報カードは、サンド20での計数結果、貯玉、計数を行ったサンドID、発光されたカードに付されたシリアル番号などのカードIDを記憶するものである。また、情報カードが会員カードとして利用されるものである場合には、会員番号などの遊技者IDが記憶される。
LED部31は、フルカラーLED31A、赤外LED(赤外線発光ダイオード)31Bから構成されている。カード挿入口32は情報カードを挿入するためのものであり、紙幣挿入口33は紙幣を挿入するためのものである。遊技者が紙幣挿入口33に所定の金額の紙幣を投入することでICカードが発行される。また、ICカードは、ホールに設置されているカード発行機(図示せず)によっても発行できる。ICカードには、主として、残金データやICカードを識別するための識別情報が記憶される。
図5に示すように、操作ユニット34は、ディスプレイ341と、タッチパネル式の操作ボタン342と、を含んでいる。操作ボタン342は、各種のボタンを模した画像として表示され、その画像に応じて遊技者の操作を受け付ける。具体的には、操作ボタン342は、「貸出」、「返却」、「計数開始」、「持玉払出」、「計数停止」、「貯玉する」、「サービス」、「貯玉払出」などの各種の処理の対応する操作ボタン342を模した画像として表示される。遊技者は、所望する処理に対応する操作ボタン342にタッチすることで、その処理を実行することができる。
たとえば、「貸出」の操作ボタン342は、情報カードをカード挿入口32に挿入して、非接触ICカードを非接触ICカードリーダ36にかざして、あるいは現金を紙幣挿入口33に挿入して、メダルの貸し出しを希望するときに操作する部分である。遊技者による「貸出」の操作ボタンの操作を「貸出操作」と称する。「計数開始」の操作ボタン342は、メダルを図6及び図8に示した計数用ホッパ71によって計数するときに操作する部分である。遊技者による「計数開始」の操作ボタン342の操作を「計数開始操作」と称する。「計数停止」の操作ボタン342は、メダルの計数を開始したあとに、計数を停止するときに操作する部分である。遊技者による「計数停止」の操作ボタン342の操作を「計数停止操作」と称する。「返却」の操作ボタン342は、挿入した情報カードを返却するときに操作する部分である。このとき、情報カードには残高情報、持メダルあるいは貯メダル、必要に応じてカードIDが書き込まれる。遊技者による「返却」の操作ボタン342の操作を「返却操作」と称する。
遊技者は、情報カード又は所定金額の紙幣を、カード挿入口32又は紙幣挿入口33に投入することで、遊技に必要な遊技媒体としてのメダルの貸し出しを受けることができる。また、遊技者は、非接触ICカードを、非接触ICカードリーダ36にかざすことで、遊技に必要なメダルの貸し出しを受けることができる。
サンド20は、紙幣、及びICカードといった価値媒体の投入を受けると、投入された価値媒体の金額に応じた数のメダルを、内部に設けられた払出用ホッパ51によって計数してメダル払出用トレー37から払い出す。また、サンド20は、使用可能なメダル数が書き込まれた情報カードの投入を受けると、投入された情報カードに書き込まれているメダル数に応じた数のメダルを、内部に設けられた払出用ホッパ51によって計数してメダル払出用トレー37から払い出す。遊技者は、メダル払出用トレー37から払い出されたメダルをパチスロ機10のメダル投入口11へ投入することにより、パチスロ機10において遊技を行うことができる。
また、パチスロ機10においては、遊技の結果に応じて、メダル払出用トレー12にメダルを払い出すようになされている。遊技者は、このメダルをメダル払出用トレー12から掬い取って、サンド20のメダル計数用投入口39へ投入することにより、このメダルをサンド20によって計数させることができる。サンド20は、メダル計数用投入口39から投入されたメダルを、内部に設けられた計数用ホッパによって計数する。このように、サンド20は、パチスロ機10に併設され、遊技の結果に応じてパチスロ機10から払い出されたメダルを計数する機能を有していることから、各台計数装置とも呼ばれている。
計数された結果は、カード挿入口32から挿入された情報カードに記録され、又は、ホールコンピュータ500に設けられた記憶部に記憶される。
計数用ホッパ71において計数されたメダルは、サンド20の底面部に設けられた排出口から搬送コンベアに排出され、回収される。なお、搬送コンベアが設けられていない場所では、サンド20の下部にメダルを貯留するための貯留ボックスを設置し、この貯留ボックスへメダルを排出するようにしてもよい。
図6に示すように、サンド20は、筐体22の内部に、紙幣、非接触ICカード等の価値媒体を識別する識別手段(紙幣識別装置61、非接触ICカードリーダ等)と、電源ユニット65とを収納する第1の収納空間AR11を有している。また、第1の収納空間AR11の下方には、払出用ホッパ51と計数用ホッパ71とを上下に併設して収納する第2の収納空間AR13を有している。第1の収納空間AR11には、上部に識別手段(情報カードリーダ、紙幣識別装置61、非接触ICカードリーダ等)が収納され、下部に電源ユニット65が収納されている。すなわち、第1の収納空間AR11の下部は、電源ユニット65を収納する電源ユニット収納空間AR12を形成している。
図7は、第1の収納空間AR11を示す斜視図である。図7において、紙幣識別装置(ビルバリ)61は、紙幣挿入口33(図4)から投入された紙幣を識別する装置であり、情報カードリーダ/ライタ62は、カード挿入口32から挿入された情報カードから情報を読み取る装置である。
図6において、第1の収納領域AR11の下方の第2の収納空間AR13に収納された払出用ホッパ51は、その上部において筐体22の背面部に設けられた補給用開口部52を介して、ホールからの補給路によりメダルが補給されるようになっている。この補給用開口部52と払出用ホッパ51との間には、補給通路53が設けられており、補給用開口部52から補給されたメダルは、補給通路53を介して払出用ホッパ51に落下する。
一方、筐体22の前面部21に設けられたメダル計数用投入口39と計数用ホッパ71との間には、導入通路72が設けられたおり、メダル計数用投入口39から投入されたメダルは、この導入通路72を介して計数用ホッパ71に落下する(矢印a)。計数用ホッパ71には、メダルを計数する計数手段が設けられており、この計数手段により計数されたメダルは、筐体22の底面部に設けられた排出口73から搬送コンベアに排出され(矢印b)、回収される。
メダル計数用投入口39は、図2に示すように、パチスロ機10のメダル払出用トレー12と同等の高さに設けられている。これにより、遊技者は、パチスロ機10のメダル払出用トレー12に払い出されたメダルを、簡単にメダル計数用投入口39へ運ぶことができる。なお、メダル計数用投入口39の高さは、パチスロ機10のメダル払出用トレー12と同等の高さに限られず、メダル払出用トレー12よりも低い位置に設けるようにしてもよい。このようにすれば、遊技者がメダルを運び易くすることができる。
次に、サンド20におけるスピーカの取り付け位置について説明する。図4及び図6示すように、サンド20の前面部21には、前面パネル23が設けられており、この前面パネル23には、スピーカカバー38が設けられている。このスピーカカバー38は、前面パネル23(スピーカカバー38)の裏面側に設けられたスピーカからの音を前方に透過させる複数の透過口を有している。この透過口の裏面側にスピーカ81(図8において後述)が設けられている。本実施の形態の場合、スピーカ81は、払出用ホッパ51の前面部に固定されている。
因みに、計数用ホッパ71(図6)の開口部(図示せず)及びメダル計数用投入口39(図6)の大きさは、遊技者の手が入り難い大きさとされている。メダル計数用投入口39には、前面パネル23に併設して、板状のメダルガイド部材29(図6)が固定されている。これにより、遊技者の手がメダル計数用投入口39から入り難くすることができる。
また、計数用ホッパ71の開口部にはフォトセンサ77(図8において後述)が設けられており、遊技者の手が入った場合にこれを検出するようになっている。これにより、遊技者の手が誤って挿入された場合、又は、不正により手が挿入された場合等に、フォトセンサ77によって検出し、計数用ホッパ71の動作を停止させることができる。
図8は、サンド20の構成部品を示すブロック図である。メインCPU(central processing unit)121は、ROM(read only memory)122に格納された制御部ログラムを読み出してメダルの計数及びその他の処理を実行するようになされている。処理に係る各種データは、RAM(random access memory)123に格納される。
メインCPU121は、非接触ICカードリーダを介してICカードから読み取った金額データを残高データとしてRAM123に格納する。メインCPU121は、この残高データと、操作ユニット34から出力される操作結果に基づいて、遊技者が指定した金額が残高データよりも小さい場合には、指定された金額分のメダルを払出用ホッパ51において計数して払い出し、残高データから払い出されたメダル分の金額を減算することにより、残高データを更新する。なお、メインCPU121は、駆動回路131を制御することにより、払出用ホッパ51を駆動させることができる。また、メインCPU121には、駆動回路132を介して計数用ホッパ71が接続されており、メインCPU121は、駆動回路132を制御することにより、計数用ホッパ71を駆動させることができる。
操作ユニット34には、情報カードを返却するボタンも表示されており、遊技者がこの操作ボタンを操作することにより、メインCPU121は、情報カードリーダ/ライタ62に挿入されている情報カードをカード挿入口32から返却する。
また、メインCPU121は、紙幣識別装置(ビルバリ)61から出力される紙幣識別結果を残高データとしてRAM123に格納する。メインCPU121は、この残高データと、操作ユニット34から出力される操作結果に基づいて、遊技者が指定した金額が残高データよりも小さい場合には、指定された金額分のメダルを払出用ホッパ51において計数して払い出し、残高データから払い出されたメダル分の金額を減算することにより、残高データを更新する。なお、メインCPU121は、駆動回路131を制御することにより、払出用ホッパ51を駆動させることができる。
また、メインCPU121は、LED部31の赤外LED31Bを監視用投光器として用い、赤外LED31Bからの赤外光を遊技者で反射させ、これをカメラ35において撮像する。メインCPU121は、カメラ35において撮像された画像をRAM123に格納し、この画像に基づいて、遊技者の存在や交代を検出する。この検出処理は常時行われる。遊技者の状態が非検出(離席)状態に変化して、カード挿入口32から挿入された情報カードが挿入されたままである場合、又は紙幣挿入口33から挿入された紙幣の金額データに残高がある場合、メインCPU121は、スピーカ81を介して、警告音や警告音声を発することにより、離席しようとする遊技者に対して注意を喚起することができる。警告音声としては、「カードを忘れています」といった音声が発せられる。
また、メインCPU121は、非接触ICカードリーダ36を介して、非接触ICカードとの間で非接触通信を行うようになされている。この通信の方式は、例えば、キャリア周波数が13.56MHzの電磁誘導方式である。メインCPU121は、非接触ICカードリーダ36を介して非接触ICカードから読み取った金額データに応じた数のメダルを払出用ホッパ51によって計数し、メダル払出用トレー37から払い出すと共に、非接触ICカードの残高データを書き換える。
また、メインCPU121は、インターフェイス125を介して、パチスロ機やホールコンピュータとの間で通信を行うようになっている。パチスロ機10は、遊技結果として払い出されたメダル数及び遊技を行うために遊技者によって投入されたメダル数を定期的にサンド20へ送信しており、サンド20のメインCPU121は、これらの情報を受け取ると、これらをRAM123に記憶する。
また、メインCPU121は、カメラ35を介して遊技者の顔画像を定期的に取り込み、RAM123に記憶する。前回記憶された顔画像と今回記憶された顔画像とを比較し、同一人物でないと判断された場合、メインCPU121は、遊技者が交代したものと判断し、これに応じた処理(後述)を行う。
図2に示すように、ホールコンピュータ500は、パチスロ機10及びサンド20は、それぞれホールコンピュータ500と通信可能に接続されており、パチスロ機10からはメダルの投入情報や払出情報といったメダル数に関する蓄積情報(メダル数情報)を、サンド20からは、挿入された情報カードとの間のメダル数の移動や計数用ホッパ71による計数結果等のメダル数に関する情報(メダル数情報)を受信する。
図9は、ホールコンピュータ500の構成を示すブロック図である。ホールコンピュータ500は、メインCPU501、ROM502、RAM504、ディスプレイ505、及びスピーカ506を備えている。なお、ホールコンピュータ500において、容量が大きなデータを記憶する必要がある場合には、HDDなどの記憶装置を設けてもよい。
メインCPU501は、ROM502に格納された制御プログラムを読み出して実行する。具体的には、メインCPU501は、後述する図11におけるS154〜S156の処理を実行し、ディスプレイ505やスピーカ506を制御する。
ディスプレイ505は、ホールコンピュータ500によって管理する遊技データを表示させ、あるいは不正や異常の発生を報知するものである。このディスプレイ505は、例えば液晶表示装置によって実現される。ここで、ディスプレイ505での表示例を図10に示した。ただし、表示例の詳細は後述する。
スピーカ506は、メダルの不正持込等の不正や異常が生じた場合に、ディスプレイ505とともに報知を行うものである。このスピーカ506は、不正や異常の報知以外にも各種の音声データを出力する。
ホールコンピュータ500は、インターフェイス507を介してサンド20と通信可能に接続され、HUB508を介して管理サーバ510と通信可能に接続されている。管理サーバ510は、例えば遊技場に登録された遊技者のデータ(遊技者ID、貯玉、来店履歴等)、過去の遊技データ等を管理するものである。
図10は、ホールコンピュータのディスプレイでの表示例(管理項目例)を示す図である。図10において、遊技機番号(1〜11)として特定される遊技機毎に、各種遊技データが表示される。
「アウト」は、パチスロ機10に投入したメダル数を意味している。「セーフ」は、パチスロ機10から遊技の結果として払い出されたメダル数を意味している。この「アウト」及び「セーフ」に関するデータは、パチスロ機10から直接、あるいはサンド20を介してホールコンピュータ500に送信される。
「差」は、アウトのメダル数からセーフのメダル数を差し引いた結果を意味する。この値は、ホールコンピュータ500によって算出される。「差」は、サンド20で算出し、その算出結果をホールコンピュータ500に送信するようにしてもよい。「売上(枚)」は、サンド20から貸し出されたメダル数を意味する。
「再プレイ(枚)」は、情報カードに記憶された貯玉のうち、遊技者が使用したメダル数を意味する。このデータは、カード挿入口32から挿入された情報カードに記憶されているメダル数に基づき、ホールコンピュータ500で算出される。もちろん、サンド20のメインCPU501によって「再プレイ(枚)」を算出し、そのデータをサンド20から送信してホールコンピュータ500で受信するようにしてもよい。
「移動(枚)」は、他のパチスロ機から適正に移動させたメダル数を意味する。「適正に移動させたメダル数」という意味において、他の遊技店や低レートコーナーからメダルを持ち込む場合のような「不正に持ち込んだメダル数」とは区別される。このデータは、情報カードにメダル数を書き込む際に計数を行ったサンド20を特定する情報を、メダル数と共に書き込むようになされており、このサンド20を特定する情報に基づいて、他のサンド20(パチスロ機10)から移動させたメダルであるか否かを、メインCPU501によって判断した結果である。「移動(枚)」のデータは、ホールコンピュータ500で管理する「アウト」、「セーフ」(「差」)、及び後述する「累計計数(枚)」からホールコンピュータにおいて算出することもできる。
「補正売上(枚)」は、「売上(枚)」+「再プレイ(枚)」+「移動(枚)」[D+E+F]の算出結果である。この「補正売上(枚)」は、「適正に移動させたメダル」や「再プレイ」によって現金を使用せずに遊技を行ったときに、売上を補正するものである。このデータは、メインCPU501によって算出される。このデータにより、サンド20やパチスロ機10以外から発生したメダル枚数が得られる。なお、「再プレイ(枚)」を売上に計上しない場合には、「売上(枚)」+「移動(枚)」で「補正売上(枚)」を算出してもよい。
「下皿(枚)」は、「補正売上(枚)」−「差」−「仮想景品(枚)」[((D+E+F)−C)−J]の算出結果である。このデータは、メインCPU501によって算出される。
「持ち玉(枚)」は、サンド20に流して計数したメダル数を意味する。このデータは、サンド20の計数用ホッパ71によって計数され、サンド20から送信され、ホールコンピュータ500において受信データである。
「仮想景品(枚)」は、パチスロ機10の下皿(メダル払出用トレー12)にあると予想されるメダル数であって、後述する「累計計数(枚)」−「累計払出(枚)」[L−M]の算出結果である。
「持ち玉移動」は、他のパチスロ機から移動させたメダル、又は他のパチスロ機へ移動させたメダルを意味する。例えば、情報カードにメダル数を書き込んだ状態でこの情報カードをサンド20から抜き取り、他のパチスロ機のサンドに挿入して書き込まれているメダル数の一部を使用し、さらにそのサンド20から抜き取って、元のサンド20に挿入した場合には、他のパチスロ機(他のサンド20)で使用したメダル数だけマイナス(例えば、−100枚)となる。この「持ち玉移動」は、サンド20において算出された結果をホールコンピュータ500で受信して管理してもよいし、情報カードに書き込まれた情報をサンド20からホールコンピュータ500に送信し、その送信情報に基づいてホールコンピュータ500で算出するようにしてもよい。
「累計計数(枚)」は、サンド20の計数用ホッパ71によって計数したメダルの総数を意味する。このデータは、サンド20から送信されてきた計数情報をホールコンピュータ500において記憶したものである。「累計払出(枚)」は、パチスロ機10が遊技の結果払い出したメダルの総数を意味する。このデータは、パチスロ機10からホールコンピュータ500に送信された払出数をホールコンピュータ500において記憶するものである。
以上説明した各データは、ホールコンピュータ500のRAM504に記憶されており、パチスロ機10及びサンド20から遊技情報を受信することによって更新される。すなわち、ホールコンピュータ500においては、パチスロ機10の遊技のために投入されたメダル数(「アウト」)、パチスロ機10において遊技の結果払い出されたメダル数(「セーフ」)、サンド20において貸し出されたメダル数(「売上(枚)」、情報カードに書き込まれたメダルの使用数(「再プレイ(枚)」)、他のパチスロ機で払い出されたメダル数を情報カードに書き込んだ状態で新たな遊技機で使用する場合のメダル数(「移動(枚)」)、サンド20において計数され(又はICカードや情報カードから読み取られ)サンド20のRAM123に移されたメダル数(「持ち玉(枚)」)、RAM123と情報カードとの間で移動されたメダル数(「持ち玉移動」)、サンド20におけるメダルの累計計数、パチスロ機10が払い出した累計払出数等、パチスロ機10の遊技のために正規に流通するメダル数をすべてデータとして把握している。
これにより、「移動(枚)」(補正売上)を考慮して各遊技機の売上を算出することによって、各遊技機における売上を正確に算出することができるようになるため、遊技場において遊技機毎の売上を適切に管理することが可能となる。各遊技機での売上を正確に把握できるようになれば、機種毎あるいは島毎の売上も正確に把握することが可能となる。機種毎の売上を正確に把握できれば、新規台を導入した後の売上傾向を正確に把握できるようになるため、遊技場側のニーズを適切に対応できる。
また、図10に示した各データは、ホールコンピュータ500のRAM504に記憶させることに代えて、管理サーバ510に記憶させてもよく、その場合には、必要なデータを管理サーバ510(図9参照)から適宜抽出して使用される。
ところで、遊技者が他店から持ち込んだメダルを不正に使用すると、ホールコンピュータ500によって把握される正規のメダル数の他に、不正に持ち込まれたメダル数が流通することになり、ホールコンピュータ500によって把握されるメダル数に誤差が生じることになる。ホールコンピュータ500のメインCPU501はこの誤差が予め設定された閾値を超えた場合に、何らかの不正(メダルの不正な持ち込み)があったものと判断するようになっている。不正の発生を把握した場合には、ホールコンピュータ500は、ディスプレイ505及びスピーカ506によって不正が発生した旨の報知を行う。これにより、遊技場側において、不正の発生を容易に把握することができる。このような不正報知は、サンド20において行うようにしてもよい。そうすれば、不正遊技者に警告を行うことができるとともに不正行為を抑制することが可能となる。
次に、遊技場システム1におけるパチスロ機10、サンド20及びホールコンピュータ500での各種処理の手順について説明する。図11は、遊技場システム1におけるパチスロ機10、サンド20及びホールコンピュータ500の処理手順を示すタイミングチャートである。
図11に示すように、パチスロ機10においては、図12を参照して後述する蓄積処理が実行される(ステップS151)。この蓄積処理の結果として得られる蓄積情報(メダル数情報)は、メダルの投入及び払出しが行われるごとに、メインRAM263に蓄積され、ホールコンピュータ500からの要求に応じて、これをホールコンピュータ500へ送信する。これにより、ホールコンピュータ500では、前回払出情報を要求した後に蓄積された蓄積情報をパチスロ機10から取得することができる。
一方、サンド20においては、図13を参照して後述する貸出処理が実行され(ステップS152)、この貸出処理の結果として得られるメダル数情報がホールコンピュータ500に送信される。サンド20においてはさらに、撮像処理が実行され(ステップS153)、この撮像処理により得られたフェイシャルデータがホールコンピュータ500に送信される。
撮像処理は、サンド20のカメラ35によってパチスロ機10の正面に着席している遊技者を撮影する処理である。具体的には、撮像処理では、まず、メインCPU121カメラ35によってパチスロ機10の前方を撮影することにより、遊技者のキャプチャを行う。カメラ35が撮影する領域は、パチスロ機10の前方に遊技者が座って遊技をしている状態で、遊技者の顔を撮影できる領域である。次いで、メインCPU121は、カメラ35によって撮影された撮影データの前処理を実行し、遊技者の顔の特徴を抽出し、フェイシャルデータを生成する。
撮影データの前処理は、撮影データの濃度特性、強調(鮮明さ・シャープネス)、平滑化(スムージング、ノイズ除去)、輪郭抽出、拡大・縮小、回転などの処理である。
遊技者の特徴の抽出は、たとえば、検出対象と非検出対象との識別性能が高いほど重みが大きくなるように設定された重み設定部を備えた弱識別器と、この弱識別器を複数備えて弱識別器の各々における特徴量の判定結果に基づいて、入力データが検出対象であるか否かを識別する強識別器と、によって処理されるものなどがある。
この特徴抽出処理によって、遊技者の顔の特徴を抽出し、遊技者の顔を比較することができるデータを生成することができ、このように生成されたフェイシャルデータがホールコンピュータ500に送信される。撮像処理は、例えば予め定められた所定の期間毎に行われ、所定の期間毎にフェイシャルデータがサンド20からホールコンピュータ500に送信される。撮像処理は、特定の条件を満たすことを契機として行うようにしてもよい。この場合の特定の条件としては、例えばサンド20にICカードまたは情報カードの情報が読み取られ、あるいは書き込まれること、サンド20においてメダルの貸出が行われること、サンド20において貯玉の払出が行われること、サンド20においてメダルの計数が行われること、あるいはパチスロ機10から蓄積情報がホールコンピュータ500に送信されることが挙げられる。
ホールコンピュータ500では、パチスロ機10から蓄積情報を受け取った場合、あるいはサンド20からメダル数情報を受け取った場合に、RAM504への情報蓄積を行い(ステップS154)、この蓄積情報に基づいて、図10に示した表示項目が適宜更新される。ホールコンピュータ500は、サンド20からフェイシャルデータを受け取った場合にも情報蓄積を行うが、この場合のフェイシャルデータは、RAM504に蓄積してもよいが、ホールコンピュータ500に接続された管理サーバ510(図9参照)において行うようにしてもよい。
次いで、ホールコンピュータ500は、図14を参照して後述する異常検出処理(ステップS155)、及び図15を参照して後述する交代判断処理(ステップS156)を実行する。交代判断処理によって移動売上情報(図10の「移動(枚)」に対応)が得られた場合に、情報蓄積(ステップS154)を行い、図10に示した表示項目が適宜更新される。
図12は、蓄積処理を示すフローチャートである。図12に示したように、蓄積処理においては、ステップS101として、メインCPU261はメダルの投入又は払出しが行われたか否かを判断する。メダルが投入又は払い出された場合、メインCPU261は、メインRAM263の蓄積情報(投入情報又は払出情報)に新たに投入又は払い出されたメダル数を加算することにより、蓄積情報を更新し(ステップS102)、続くステップS103へ処理を移す。投入情報と払出情報は個別に蓄積される。
メダルが投入又は払い出されていない場合、メインCPU261は、サンド20との通信により蓄積情報の送信を行うタイミングであるか否かを判断する(ステップS103)。送信タイミングである場合、メインCPU261は、メインRAM263に蓄積されている蓄積情報をサンド20へ送信した後(ステップS104)、メインRAM263に蓄積されている蓄積情報をリセットする(ステップS105)。そしてメインCPU261は、本サブルーチンを終了する。また、ステップS103において蓄積情報の送信タイミングでない判断した場合、メインCPU261は本サブルーチンを終了する。
このようにして、パチスロ機10では、メダルの投入データ、及びメダルの払出データが蓄積情報としてホールコンピュータ500に送信される。ホールコンピュータ500では、受信した蓄積情報に基づいて、図10の「アウト」、「セーフ」、これらに基づいて算出される項目(「差」等)を更新する。
図13は、メインCPU121による遊技媒体の貸出処理手順を示すフローチャートである。この処理は、メインCPU121によって常時実行されている。
図13に示すように、メインCPU121は、ステップS11として、計数済のメダル数に基づく払出指示があったか否かを判断する。この処理は、後述するステップS20において計数されRAM123に記憶されたメダル数の払出しを行う指示が操作ユニット34の持ち玉払出ボタンを介して入力されたか否かを判断する処理である。
計数済のメダル数に基づく払出指示があった場合、メインCPU121は、払出用ホッパ51を動作させることにより、計数済のメダル数と同数のメダルをメダル払出用トレー37に払い出す(ステップS12)。なお、遊技者が操作ユニット34を操作することにより、払出数を指定した場合、RAM123に記憶されているメダル数の範囲で指定された数のメダルを払い出すようにしてもよい。払い出されたメダル数は、RAM123に記憶されているメダル数から減算される。
これに対して、ステップS11において計数済のメダル数に基づく払出指定がなかった場合、メインCPU121は、価値媒体の投入があったか否かを判断する(ステップS13)。価値媒体とは、紙幣挿入口33に挿入される紙幣、又は非接触ICカードリーダ36にかざされる非接触ICカードを意味する。紙幣が紙幣挿入口33に挿入されると、紙幣識別装置(ビルバリ)61によって紙幣の金額が識別される。また、非接触ICカードリーダ36に非接触ICカードがかざされると、非接触ICカードリーダ36によって非接触ICカードの金額データが読み取られる。これらの読み取られた金額データは、RAM123に記憶される。
価値媒体が挿入された場合、メインCPU121は、ステップS13において肯定結果を得ることにより、ステップS13からステップS14へ処理を移して、払出しに係る金額の指定があったか否かを判断する。ここで否定結果が得られると、このことは、遊技者が操作ユニット34を介して払出メダルの金額を指定していないこと(すなわち、金額データ全額分の払出しを指定したこと)を意味している。ここで、紙幣が挿入されている場合には、紙幣を挿入した後に、遊技者が操作ユニット34を操作することにより、金額を指定することができ、また、非接触ICカードをかざして金額データを読み取らせる場合には、非接触ICカードをかざす前に、遊技者が操作ユニット34を操作することにより、金額データを指定することができる。紙幣が挿入された場合にあっては、メインCPU121は、読み取った金額データを一旦RAM123に格納した後、遊技者によって指定された金額がRAM123に格納された金額の範囲内である場合には、RAM123の金額データを指定された金額データに書き換える。
一方、非接触ICカードがかざされる場合、先に金額が指定されることにより、メインCPU121は、指定された金額データをRAM123に設定し、その後非接触ICカードがかざされて当該非接触ICカードとの間で通信を行う際に、RAM123に設定されている金額が非接触ICカードに格納されているか否かを判断し、格納されている場合には、非接触ICカードに格納されている金額から、RAM123に設定された金額を減算することにより、非接触ICカードの金額を書き換える。これに対して、非接触ICカードに格納されている金額が、RAM123に設定された金額に満たない場合、メインCPU121は、非接触ICカードの金額データを書き換えず、操作ユニット34にエラー表示を行うことにより、払出処理を中止する。
このような処理がステップS14において実行されることにより、RAM123には、実際に価値媒体から引き出された金額分のデータが記憶されることになる。因みに、RAM123において、既に残高データがある場合(過去の計数結果や前回の価値媒体の挿入時の残高)、メインCPU121は、これらの残高データに、価値媒体から引き出された金額分のデータを加算することになる。
そして、メインCPU121は、金額指定が有った場合には、ステップS14からステップS15へ処理を映して、払出用ホッパ51を駆動させることにより、指定金額分のメダルを、メダル払出用トレー37に払い出す。払い出された金額データは、RAM123の特定の領域に払出履歴データとして残される。また、払い出された分のメダル数が、RAM123のメダル数から減算される。そして、メインCPU121は、ステップS17へ処理を移す。
これに対して、金額指定がなかった場合、メインCPU121は、ステップS14からステップS16へ処理を映して、挿入された全金額分のメダルを払い出す。払い出された金額データは、RAM123の特定の領域に払出履歴データとして残される。また、払い出された分のメダル数が、RAM123のメダル数から減算される。そして、メインCPU121は、ステップS17へ処理を映す。
なお、遊技者が価値媒体を投入しなかった場合、メインCPU121は、上述のステップS13において否定結果を得ることにより、ステップS13からステップS17へ処理を移す。
ステップS17において、メインCPU121は、カード挿入口32に情報カードが挿入されたか否かを判断する。情報カードが挿入されている場合、メインCPU121は、ステップS17からステップS18へ処理を移して、挿入された情報カードに書き込まれている使用可能なメダル数を、RAM123に移す。そして、遊技者が操作ユニット34を操作することによって払出数が指定された場合には、当該指定された数のメダルがサンド20から払い出される。払い出されたメダル数は、RAM123のメダル数から減算される。以上により、メダルの払出(貸出)処理は終了する。
ステップS18の処理の後、又はステップS17において否定結果が得られた場合、メインCPU121は、ステップS19へ処理を移す。ステップS19において、メインCPU121は、計数用ホッパ71にメダルが投入されたか否かを判断する。
メダルが投入された場合、メインCPU121は、ステップS19からステップS20へ処理を移して、計数用ホッパ71による計数処理を実行し、続くステップS21において、計数結果をRAM123に記憶する(RAM123のメダル数に計数結果を加算する)。そして、メインCPU121は、ステップS22へ処理を移す。
これに対して、計数用ホッパ71にメダルが投入されていないと判断された場合、メインCPU121は、ステップS19からステップS22へ処理を移す。
以上の処理手順により、メダルの計数処理は終了する。次に、メインCPU121は、RAM123に記憶されている残高を、このとき挿入されている情報カードに書き込む指示があったか否かを判断する。この処理は、操作ユニット34に書込みを指示するためのアイコンを表示し、このアイコンが押圧操作されたか否かによって判断する処理である。
書込み指示があった場合、メインCPU121は、ステップS22からステップS23へ処理を移して、カード挿入口32に情報カードが挿入されている場合には、当該情報カードにRAM123の残高データを書き込んで情報カードの残高データに加算することにより、情報カードの残高データを更新させ、メダル数情報をホールコンピュータ500に送信し(ステップS24)、本サブルーチンを終了する。
図14は、異常検出処理を示すフローチャートである。図14において、ホールコンピュータ500のメインCPU501は、まず、ステップS31として図11のステップ154でRAM504に蓄積された各種データの比較を行う。ここで、各種データとは、価値媒体の投入によってサンド20から貸し出された(払い出された)メダル数、計数用ホッパ71に投入されたメダルの計数結果、パチスロ機10に対して遊技を行うために投入されたメダル数、パチスロ機10において遊技の結果として払い出されたメダル数等の情報である。
続いて、メインCPU121は、ステップS32において、異常があるか否かを判断する。この判断は、本来、遊技店において正規に流通しているメダル数と、サンド20(パチスロ機10)において実際に扱われたメダル数とを比較し、これらの誤差(遊技媒体数誤差)を求めるものであり、実際に扱われたメダル数が正規に流通しているべきメダル数よりも所定数以上多い場合(遊技媒体数誤差が処理数以上多い場合)、他の遊技店から不正に持ち込まれたメダルあるいは低レートコーナーから持ち込まれたメダルが使用されているものと判断することができる。求められた遊技媒体数誤差は、ホールコンピュータ500のRAM504に記憶される。
メインCPU121は、ステップS32において異常が有るか否かを判断し、異常があると判断された場合には、ステップS32からステップS33へ処理を移して、ホールコンピュータ500のディスプレイ505に異常は発生した旨の表示を行い、ホールコンピュータ500のスピーカ506において異常が発生した旨の音声データを出力することにより、異常状態を報知する。これにより、遊技店の店員に異常を知らせることができる。
なお、異常検出処理は、サンド20において行うようにしてもよく、その場合には異常があると判断されたときに、異常発生信号をホールコンピュータ500に送信するようにすればよい。
図15(A)及び図15(B)は、交代判断処理を示すフローチャートである。図15(A)はフェイシャルデータに基づいて遊技者を特定し、遊技者の交代を判断する場合の交代判断処理手順であり、図15(B)は情報カードに基づいて遊技者を特定し、遊技者の交代を判断する場合の交代判断処理手順である。
図15(A)において、ホールコンピュータ500のメインCPU501は、まず、ステップS41において、新たなフェイシャルデータを受信したときに、フェイシャルデータを分析する。この処理において、メインCPU501は、新たなフェイシャルデータを受信したパチスロ機10について、カメラ35によって定期的に撮像してRAM504(あるいは管理サーバ510)に記憶した遊技者の顔画像のうち、ホールコンピュータ500のRAM504(又は管理サーバ510)に記憶されたフェイシャルデータを参照して、前回の画像と今回の画像とを比較する。この比較において、メインCPU501は、顔画像の顔の造形を元に個人を認識・特定し、人の顔面もしくは、顔の部分(目、鼻、口等)の位置、大きさ、長さ等から遊技者が同一人物であるかを判断する。
メインCPU121は、ステップS42において、遊技者が一致するか否かを判断し、一致しない場合には、ステップS42からステップS43へ処理を移して、遊技者がパチスロ機10の移動を行ったものと判断し、移動売上算出処理を実行する。すなわち、遊技者が一致しないと判断されたパチスロ機10では遊技者が交代しているため、他のパチスロ機10からメダルを移動させている可能性があることから、移動売上算出処理を実行する。
遊技者が一致するか否かの判断は、新たなフェイシャルデータを受信したときに行うが、サンド20での遊技者の撮像及びサンド20からのフェイシャルデータの送信は、必ずしも定期的に行う必要はない。例えば、サンド20にICカードまたは情報カードの情報が読み取られ、あるいは書き込まれること、サンド20においてメダルの貸出が行われること、サンド20において貯玉の払出が行われること、サンド20においてメダルの計数が行われること、あるいはパチスロ機10から蓄積情報がホールコンピュータ500に送信されることを条件に、サンド20での遊技者の撮像及びサンド20からのフェイシャルデータの送信を行い、ホールコンピュータ500において遊技者が一致するか否かの判断を行うようにしてもよい。
この移動売上算出処理は、一例において、サンド20の計数用ホッパ71によって計数されたメダル数である「持ち玉(枚)」に基づいて、他のパチスロ機10から移動させたメダル数を算出することにより行われる。「持ち玉(枚)」としては、例えばホールコンピュータ500のRAM503に記憶されたデータ、あるいは情報カードに記録されたデータが使用される。もちろん、サンド20のRAMに「持ち玉(枚)」のデータを記憶させ、そのデータを移動売上算出処理のときにホールコンピュータ500に送信させて利用するようにしてもよい。
ホールコンピュータ500のRAM503に記憶されたデータを「持ち玉(枚)」とする場合には、ステップS41において特定された現在の遊技者(対象遊技者)のフェイシャルデータを照合し、この対象遊技者が他のパチスロ機10で遊技を行っていたか否かを判断する。照合の結果、この遊技者が他のパチスロ機10において遊技を行っていないことが判断された場合には移動売上算出処理を終了する一方、他のパチスロ機10において遊技を行っていることと判断された場合には、他のパチスロ機10(移動前のパチスロ機10)での「持ち玉(枚)」を確認する。「持ち玉(枚)」を確認の結果、「持ち玉(枚)」がゼロである場合には移動売上算出処理を終了する一方、「持ち玉(枚)」がゼロでない場合には、その「持ち玉(枚)」を移動売上として計上する。
「持ち玉(枚)」に変えて、移動前のパチスロ機10における対象遊技者が交代したときの対象遊技者個人の「仮想景品(枚)」を移動売上として計上してもよい。
情報カードに記録されたデータを「持ち玉(枚)」とする場合には、「持ち玉(枚)」を使用するためにサンド20に情報カードが挿入されたときに、情報カートに記録された「持ち玉(枚)」を読み取り、この読み取りデータを移動売上として計上する。
移動売上算出処理において算出された移動売上に関する情報(図10の「移動(枚)」)は、ホールコンピュータ500のRAM504に記憶されるとともに、図10に示した「移動(枚)」、及びこの項目から算出される「補正売上(枚)」が更新される。
ステップS43の移動売上算出処理が終了した場合、あるいはステップS42において遊技者が一致すると判断された場合には、本サブルーチンを終了する。
図15(B)において、ホールコンピュータ500のメインCPU501は、まず、ステップS401において、サンド20に情報カードが挿入されたこと、あるいはサンド20から情報カードが抜き取られたことが確認されたときに、情報カードを分析する。この処理において、メインCPU501は、情報カードに記録されたカードを識別するシリアル番号などのカードID、あるいは会員登録されている場合の遊技者IDを情報カードから受け取る。
メインCPU121は、ステップS402において、サンド20から送信されてきたカードIDや遊技者IDを、ホールコンピュータ500のRAM504(又は管理サーバ510)に記憶されたデータと照合することで、遊技者が一致するか否かを判断する。遊技者が一致しない場合には、ステップS402からステップS403へ処理を移して、移動売上算出処理を実行する。カードIDや遊技者IDに代えて、情報カードに記録されたサンド20でのメダルの計数結果を利用してもよい。この場合、情報カードに対して、メダルの計数結果とともに計数を行ったサンド20を特定する情報(例えば、サンドID)、又は当該サンド20に対応するパチスロ機を特定する情報、必要に応じて計数した日時の情報を付することにより、情報カードに基づいて遊技者を特定することもできる。
この移動売上算出処理は、情報カードに記録された「持ち玉(枚)」に基づいて、他のパチスロ機10から移動させたメダル数を算出することにより行われる。すなわち、「持ち玉(枚)」を使用するためにサンド20に情報カードが挿入されたときに、情報カードに記録された「持ち玉(枚)」を読み取り、この読み取りデータを移動売上として計上する。
移動売上算出処理で算出された移動売上に関する情報(図10の「移動(枚)」)は、ホールコンピュータ500のRAM504に記憶されるとともに、図10に示した「移動(枚)」、及びこの項目から算出される「補正売上(枚)」が更新される。
ホールコンピュータ500によれば、フェイシャルデータ、あるいは情報カードに記録されたカードIDや遊技者ID等の遊技者識別情報に基づいて、遊技者が他の遊技機に移動したことが判断されるため、持ち玉遊技による適正なメダルの移動であるか、他店や低レートコーナーからの不正な持ち込みであるか、を判断することが可能となる。そのため、不正な持ち込みと区別して、適正な持ち玉遊技を移動売上として算出することが可能となる。その結果、移動売上を考慮して各パチスロ機10の売上を算出するときに、各パチスロ機10における売上を正確に算出することができるようになり、遊技場においてパチスロ機毎の売上を適切に管理することが可能となる。
なお、交代判断処理は、移動売上算出処理を除いて、サンド20において行うようにしてもよく、その場合には遊技者が一致しないと判断されたときに、遊技者交代信号(遊技機移動情報)をホールコンピュータ500に送信し、ホールコンピュータ500において移動売上算出処理を実行するようにすればよい。
<他の実施の形態>
ホールコンピュータ500では、パチスロ機10毎の勝利時オッズ、あるいはパチスロ機10の機種毎の勝利時オッズを算出するようにしてもよい。勝利時オッズは、「(投資金額+勝ち額)/投資金額」として算出されるものであり、その数値が大きいほど大きな勝利であることを意味している。機種毎の勝利時オッズを算出する場合には、投資金額、及び勝ち額として、同一機種における各パチスロ機10の平均投資金額、及び平均勝ち額が採用される。上述のように、ホールコンピュータ500は、売上を正確に算出することができるものであるから、各パチスロ機10への投資金願も正確に算出することができる。そのため、勝利時オッズもまた正確に算出することが可能となる。
このような勝利時オッズは、ホールコンピュータ500のディスプレイ505、あるいはサンド20の操作ユニット34に表示される。勝利時オッズをホールコンピュータ500のディスプレイ505に表示すれば、勝利時オッズを遊技場での戦略に策定するときに使用することができる。勝利時オッズをサンド20における操作ユニット34のディスプレイ341に表示すれば、遊技者が遊技するパチスロ機10を選択するときの参考とすることができるようになる。
機種毎の勝利時オッズを表示する場合には、その機種の最小オッズ(一番勝ち額の少ないオッズ)と最大オッズ(一番勝ち額の多いオッズ)とを表示するようにしてもよい。また、勝利時オッズに変えて敗北時オッズを算出して、それを表示するようにしてもよい。なお、敗北時オッズは、勝ち額を算出する式において、「勝ち額」を「負け額」として算出することができる。
移動前のパチスロ機10における「持ち玉(枚)」と、移動後のパチスロ機10に併設したサンド20において情報カードから読み取られた「持ち玉(枚)」のデータとが一致しない場合には、移動前のパチスロ機10での「持ち玉(枚)」の全てが情報カードに書き込まれていない(計数されていない)と判断できるため、その場合には「掛け持ち遊技」又は「メダルの持ち出し」と推測し、不正遊技が行われていると判断するようにしてもよい。この場合に、遊技場の従業員が移動前のパチスロ機10に持ち玉がないか否かを確認し、持ち玉が確認された場合には「掛け持ち遊技」であると判断し、持ち玉が確認されない場合には「メダルの持ち出し」と判断するようにしてもよい。
また、上述の実施の形態においては、本発明をパチスロ機10での出玉等の管理を行うホールコンピュータ500について説明したが、パチンコ機等の他の遊技機での出玉等の管理を行うホールコンピュータ500に適用することもができる。