JP6226128B2 - 内燃機関のピストン作動制御装置 - Google Patents

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本発明は、内燃機関のピストンの作動制御装置に係り、特に、内燃機関のピストン速度の可変制御技術に関する。
従来から、内燃機関(エンジン)の燃費を向上させるために、エンジンの冷却損失や機械損失を低減させる技術が開発されている。
例えば、特許文献1には、膨張行程において、ピストン速度を上昇させることで、燃焼ガスがシリンダ壁面と接触する時間を低減させ、冷却損失を低減させる技術が開示されている。
更に、特許文献1では、膨張行程において、クランクシャフトの回転速度(エンジン回転速度)に応じて、クランクシャフトの回転角度に対するピストン作動距離を変更することで、ピストン速度の過度な上昇を抑え、燃焼時間損失を低減させる技術が開示されている。
特開2006―300011号公報
ところで、エンジン回転速度が上昇したときにピストン速度が過度に上昇すると、シリンダライナとピストンリング間で潤滑油の被膜が確保できなくなり、エンジンの磨耗ひいては破損を招く虞がある。
このような問題を解決するために、例えば特許文献1のように、膨張行程において、クランクシャフトの回転速度に応じて、クランクシャフトの回転角度に対するピストン作動距離を変更することで、ピストン速度の過度な上昇を抑制することが可能であるが、ピストンの摩擦力はクランクシャフトの回転速度、即ちエンジン回転速度のみで決定されるものではなく、その他エンジンの運転状態により変化する。したがって、運転状態によっては冷却損失低減効果よりも摩擦力が増大し、反って燃費が悪化する恐れがある。
本発明は、この様な問題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、ピストンの潤滑性を確保するとともに摩擦力の増大と冷却損失の低減とのバランスで燃費向上可能な内燃機関のピストン作動制御装置を提供することにある。
上記の目的を達成するために、請求項1の内燃機関のピストン作動制御装置では、内燃機関のクランクシャフトの回転速度に対するピストン速度を変更可能なピストン速度変更部と、前記内燃機関の負荷に基づいて前記ピストン速度変更部を制御して膨張行程でのピストン速度を変更する制御部と、を備え、前記内燃機関のピストンに回動可能に連結する第1リンク部材と、前記第1リンク部材と回動可能に連結し前記内燃機関のクランクシャフトのクランクピンと回動可能かつ摺動可能に連結するとともに前記内燃機関の本体に回動可能に支持される第2リンク部材とにより構成されるウィットウォース機構によって、前記ピストンと前記クランクシャフトとが連結され、前記ピストン速度変更部は、前記内燃機関の本体に対する前記第2リンク部材の支持位置を移動して、前記膨張行程での前記クランクシャフトの回転速度に対する前記ピストン速度を変更させ、前記制御部は、前記内燃機関の負荷が所定値以上の中・高負荷時には、前記負荷が所定値未満の低負荷時よりも前記膨張行程での前記ピストン速度を低下させることを特徴とする。
また、請求項2の内燃機関のピストン作動制御装置では、内燃機関のクランクシャフトの回転速度に対するピストン速度を変更可能なピストン速度変更部と、前記内燃機関の負荷に基づいて前記ピストン速度変更部を制御して膨張行程でのピストン速度を変更する制御部と、を備え、前記内燃機関のピストンに回動可能に連結する第3リンク部材と、前記クランクシャフトのクランクピンと前記第3リンク部材とを回動可能に連結する第4リンク部材と、一端部が前記第3リンク部材と前記第4リンク部材との連結部に回動可能に連結されるとともに他端部が前記内燃機関の本体に回動可能に連結される第5リンク部材とにより構成されるリンク機構によって、前記ピストンと前記クランクシャフトとが連結され、前記ピストン速度変更部は、前記第5リンク部材と前記内燃機関の本体との連結位置を移動して、前記膨張行程での前記クランクシャフトの回転速度に対する前記ピストン速度を変更させ、前記制御部は、前記内燃機関の負荷が所定値以上の中・高負荷時には、前記負荷が所定値未満の低負荷時よりも前記膨張行程での前記ピストン速度を低下させることを特徴とする。
また、請求項の内燃機関のピストン作動制御装置では、請求項1または2において、前記制御部は、前記内燃機関の前記低負荷時に、前記膨張行程でのピストン速度が一定になるように前記ピストン速度変更部を制御することを特徴とする。
また、請求項の内燃機関のピストン作動制御装置では、請求項1から3のいずれか1項において、前記制御部は、前記中・高負荷時には前記クランクシャフトの回転速度に基づいて前記ピストン速度変更部を制御して前記膨張行程でのピストン速度を変更し、前記クランクシャフトの高回転時に低回転時よりも前記膨張行程での前記クランクシャフトの回転速度に対する前記ピストン速度を低下させることを特徴とする。
請求項1の発明によれば、内燃機関の中・高負荷時に低負荷時よりも膨張行程でのピストン速度を低下させることで、筒内圧が上昇してピストンが受ける力が上昇していても、摩擦力の増大を回避できるとともにピストンの潤滑性を確保することができる。また、低負荷時ではピストンが受ける力が小さく、中・高負荷時よりも膨張行程でのピストン速度が高くしても摩擦力の増大が抑制されるため、膨張行程の時間を短縮して冷却損失を低減させた方が燃費の向上を図ることができる。これにより、ピストンの潤滑性を確保するとともに摩擦力の増大と冷却損失の低減とのバランスで、燃費の向上を図ることができる。
また、内燃機関のピストンとクランクシャフトとの間をウィットウォース機構によって動力が伝達され、内燃機関の本体に対する第2リンク部材の支持位置を移動させることで、クランクシャフトの回転速度に対する膨張行程でのピストン速度を変更させることができ、当該ウィットウォース機構を用いてピストン速度変更部を構成することが可能となる。
請求項2の発明によれば、内燃機関の中・高負荷時に低負荷時よりも膨張行程でのピストン速度を低下させることで、筒内圧が上昇してピストンが受ける力が上昇していても、摩擦力の増大を回避できるとともにピストンの潤滑性を確保することができる。また、低負荷時ではピストンが受ける力が小さく、中・高負荷時よりも膨張行程でのピストン速度が高くしても摩擦力の増大が抑制されるため、膨張行程の時間を短縮して冷却損失を低減させた方が燃費の向上を図ることができる。これにより、ピストンの潤滑性を確保するとともに摩擦力の増大と冷却損失の低減とのバランスで、燃費の向上を図ることができる。
また、第3リンク部材、第4リンク部材及び第5リンク部材から構成されるリンク機構によってピストンとクランクシャフトとの間を動力が伝達され、第5リンク部材の内燃機関の本体への支持位置を移動させることで、膨張行程でのクランクシャフトの回転速度に対するピストン速度を変更させることができ、当該リンク機構を用いてピストン速度変更部を構成することが可能となる。
請求項の発明によれば、低負荷時では、膨張行程でのピストン速度が一定になるので、クランクシャフトの回転速度が変動してもピストンの潤滑性を一定して確保することができる。
請求項の発明によれば、低回転時ではクランクシャフトの回転速度に対するピストン速度を増加させて、膨張行程の時間を短縮し冷却損失を低減させるとともに、高回転時ではクランクシャフトの回転速度に対するピストン速度を低下させて、膨張行程でのピストン速度を低下させ、ピストンの潤滑性を確保することができる。したがって、内燃機関の負荷及び回転速度の変化に拘わらず、ピストンの潤滑性を確保した上で膨張行程の時間を短縮して冷却損失を大幅に低減させることができる。
本発明の第1実施形態のピストン作動制御装置が適用されたエンジンの概略構成図であり、ピストンが上死点にある状態を示す図である。 本発明の第1実施形態のピストン作動制御装置が適用されたエンジンの概略構成図であり、ピストンが下死点にある状態を示す図である。 第1実施形態に係るエンジンの低負荷低回転時における、ピストンの中間位置での各リンクの移動状態を示す図である。 第1実施形態に係るエンジンの高負荷高回転時における、ピストンの中間位置での各リンクの移動状態を示す図である。 第1実施形態におけるクランク角に対するピストン位置の比較図である。 第1実施形態におけるエンジン回転速度と平均ピストン速度との関係を示すグラフである。 第1実施形態におけるエンジン回転速度及び負荷に対するピストン速度を示すグラフである。 本発明の第2実施形態のピストン作動制御装置が適用されたエンジンの概略構成図である。 第2実施形態に係るエンジンにおける第3連結部材の位置の移動状態を示す図である。 低負荷低回転時における第2実施形態のエンジンの各リンクの移動を示す図である。 第2実施形態におけるクランク角に対するピストン位置の比較図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
始めに、図1〜図8を用いて本発明の第1実施形態を説明する。
図1及び図2は、本発明の第1実施形態のピストン作動制御装置が適用されたエンジンの概略構成図である。図1は、ピストンが上死点にある状態を示している。図2は、ピストンが下死点にある状態を示している。
図3及び図4は、第1実施形態に係るエンジンの上死点から若干下方へピストンが移動した中間位置での各リンクの移動状態を示す図であり、図3は低負荷低回転時、図4は高負荷高回転時を示す。
図1、2に示すように、本発明のピストン作動制御装置を適用した第1実施形態のエンジン1(内燃機関)は、ピストン3とクランクシャフト7との間を公知のウィットウォース機構による動力伝達機構によって連結し、動力を伝達する構造となっている。
第1実施形態のエンジン1は、シリンダブロック2と、ピストン3と、第1リンク部材4と、第2リンク部材5と、クランクシャフト7とを備えている。
シリンダブロック2にはシリンダ2aが形成され、ピストン3は当該シリンダ2a内に往復摺動可能に配設されている。
第1リンク部材4は、一端部をピストン3にピストンピン3aを介して回動可能に連結されている。第1リンク部材4の他端部には、第2リンク部材5の一端部が第1連結部材8を介して回動可能に連結されている。
第2リンク部材5は、その中間部でシリンダブロック2に設けられた支持部2b(本体)に回転可能に支持されている。また、第2リンク部材5の他端部はクランクシャフト7の端部のクランクピン7aに回動可能に連結されるとともに、クランクピン7aが第2リンク部材5の他端部で第2リンク部材5の延長方向に沿ってスライド可能な構造となっている。
更に、シリンダ2aの軸線Lc、即ちピストンピン3aの移動線とクランクシャフト7の回転中心7cとがオフセットしている。第2リンク部材5の中間部を支持するシリンダブロック2の支持部2bは、シリンダ2aの軸線Lc上に配置されている。
また、図3、4に示すように、エンジン1では、シリンダ2aの軸線Lcとクランクシャフトの回転中心7cとのオフセット距離Aが可変可能に構成されている。本実施形態では、図3に示すように支持部2bが回転中心7cから離れた位置と、図4に示すように回転中心7cに近づいた位置との間で移動可能に構成されている。オフセット距離Aは、例えば図3に示すようにアクチュエータ10の作動により変更可能であって、当該アクチュエータ10は、コントロールユニット11(制御部)により作動制御される。
なお、本実施形態のウィットウォース機構による動力伝達機構とアクチュエータ10が、本発明のピストン速度変更部に該当する。
コントロールユニット11は、エンジン1の負荷P及びクランクシャフト7の回転速度 (エンジン回転速度N)を入力し、当該負荷P及びエンジン回転速度Nに基づいてオフセット距離Aを変更する。
詳しくは、エンジン1の低回転域ではオフセット距離Aを大きく、高回転域ではオフセット距離Aを小さくし、更に低負荷域ではオフセット距離Aを大きく、高負荷域ではオフセット距離Aを小さくする。
例えばエンジン低回転低負荷域では図3に示すようにオフセット距離Aを0より大きい値A1とし、エンジン高回転高負荷域では図4に示すようにオフセット距離Aを0以上かつA1より小さい値A2とする。
図5は、第1実施形態におけるクランク角に対するピストン位置の比較図である。図5中のa〜cは、本実施形態でのピストン位置の変化を示し、dはオフセット距離A=0の場合であって従来エンジンと同様にピストン位置が変化する。なお、ここでの従来エンジンとは、コンロッドをピストンにピストンピンを介して連結し、当該コンロッドとクランクシャフトのクランクピンとを連結させたエンジンである。図5では、オフセット距離Aの違いによるピストン位置の変化をa〜dの4パターン示している。
本実施形態のようなウィットウォース機構を採用したエンジン1では、図1、2に示すように、シリンダ2aの軸線Lc上にクランクピン7aが位置したときに、ピストン3が上死点または下死点になる。詳しくは、図1に示すようにクランクピン7aがピストン3から遠い側の軸線Lc上との交点に位置したときに上死点になり、図2に示すようにクランクピン7aがピストン3から近い側の軸線Lc上との交点に位置したときに下死点になる。したがって、図1、2に示すようにシリンダ2aの軸線Lcとクランクシャフト7の回転中心7cとがオフセットしているエンジン1では、下死点から上死点までのクランク角(クランクシャフト7の回転角)よりも上死点から下死点までのクランク角が小さくなり、よって圧縮工程の期間よりも膨張行程の期間が短くなる。
そして、オフセット距離Aが変化すると、上死点及び下死点でのクランク角が異なるので、クランク角に対するピストン3の位置が異なり、圧縮工程と膨張行程との割合、詳しくは圧縮工程と膨張行程との合計期間(即ちクランクシャフト7が1回転する期間)のうちの膨張行程の期間の割合が変化する。
エンジン低回転低負荷時では、オフセット距離Aを大きくしてA1にするので、図5のaに示すように、膨張行程の期間の割合が少なくなり、膨張行程の期間が短くなる。したがって、燃焼ガスの熱量がシリンダ2aの壁を介して冷却水に奪われる時間が短くなり、冷却損失を減少させ、燃費を向上させることができる。
また、エンジン高回転高負荷時では、オフセット距離Aを小さくしてA2にするので、図5のcに示すように、膨張行程の期間の割合が長くなり、圧縮工程の期間の割合に近づく。これにより、膨張行程におけるピストン速度を低下させることができる。したがって、エンジン回転速度が上昇するに伴ってピストン速度が上昇したとしても、膨張行程ではピストン速度を低下させることができ、ピストンの油膜切れを回避することができる。膨張行程では、筒内圧が上昇しているため、ピストン3に大きく力が作用するので、他の行程よりもピストン3の摩擦力が上昇する。したがって、膨張行程でのピストン速度を抑えることで、十分にピストン3の摺動部における摩擦力を抑えることができ、燃費の向上を図ることができる。
図6は、第1実施形態におけるエンジン回転速度と平均ピストン速度との関係を示すグラフである。図6では、オフセット距離Aの違いによる膨張行程時での平均ピストン速度を(1)〜(6)の6パターン示している。クランク径をRとすると、(1)はL=0.88R、(2)はL=0.66R、(3)はL=0.44R、(4)はL=0.22R、(5)はL=0.11R、(6)はL=0の場合である。図6中の破線は、ピストン3の油膜切れが発生する可能性のある平均ピストン速度閾値Vaを示している。
図6に示すように、エンジン回転速度の増加に比例して平均ピストン速度は増加するが、オフセット距離Aが異なることで平均ピストン速度の増加度合が異なる。
コントロールユニット11は、上記のようにエンジン回転速度Nと負荷Pに基づいてオフセット距離Aを制御する際に、負荷Pに応じて平均ピストン速度閾値Vaを設定し、当該平均ピストン速度閾値Vaを超えないように、オフセット距離Aを制御する。詳しくは、高負荷時には平均ピストン速度閾値Vaを低く、低負荷時には平均ピストン速度閾値Vaを高く設定する。このとき、負荷Pに応じて平均ピストン速度閾値Vaを段階的、あるいは連続的に変更してもよい。また、エンジン回転速度Nに応じてオフセット距離Aを変更
する際も、段階的に、あるいは連続的に変化させてもよい。
また、平均ピストン速度が平均ピストン速度閾値Vaを超えない範囲で、エンジン回転速度Nの変化に拘わらず平均ピストン速度閾値Vaに近くなるように、オフセット距離Aを設定するとよい。これにより、エンジン回転速度Nや負荷Pが変動しても冷却損失を極力低下させることができ、燃費の大幅な向上を図ることができる。
特に、本実施形態では、平均ピストン速度閾値Vaを負荷Pに基づいて変化させるので、摩擦力の発生度合を考慮した平均ピストン速度閾値Vaとすることができる。これは、負荷Pが大きくなるに伴って筒内圧の増加によって、ピストン3が受ける力が増加し、ピストン移動時での摩擦力が増加するからである。
そして、上記のように平均ピストン速度閾値Vaを負荷Pに基づいて変化させることで、負荷Pが大きくなるに伴って平均ピストン速度が低下するようにオフセット距離Aを設定することとなり、エンジン1の負荷Pが増加してもピストン3の潤滑性を確保することができる。また、平均ピストン速度が平均ピストン速度閾値Vaに極力近くなるようにオフセット距離Aを設定することで、エンジン1の運転状態に拘わらず、ピストン3の摩擦を許容近くまで制限しつつ、膨張時間をより短くして、冷却損失を大幅に低減させることができる。
また、図7に示すように、所定負荷P1(所定値)未満では、平均ピストン速度が一定になるようにエンジン回転速度Nに応じてオフセット距離Aを制御するとよい。なお、当該所定負荷P1は、ピストン3の潤滑性が十分に確保可能な負荷に設定すればよい。所定負荷P1以上の中・高負荷時では、負荷Pが大きくなるに伴ってオフセット距離Aを小さくして平均ピストン速度を低下させ、負荷Pが小さくなるに伴ってオフセット距離Aを大きくして平均ピストン速度を増加させるようにする。
このように、所定負荷P1未満では平均ピストン速度が一定になるようにオフセット距離Aを制御することで、ピストン3の潤滑性を一定に確保することができ、所定負荷P1未満でのオフセット距離Aの制御を簡単にすることができる。
次に、本発明の第2実施形態を図8〜11を用いて説明する。
本発明の第2実施形態のピストン作動制御装置が適用されたエンジン20は、第1実施形態に係るエンジン1と、ピストン3とクランクシャフト7とを連結する動力伝達機構が異なっている。
図8は、本発明の第2実施形態に係るエンジン20の概略構成図である。図8中の実線は、ピストン3が上死点にある状態を、二点鎖線はピストン3が下死点にある状態をそれぞれ示す。また、D1は、上死点における従来のエンジンのクランクシャフトとクランクピンの位置(T)と本実施形態のクランクシャフト7のクランクピン7aとの位相差、即ち角度を示す。そして、D2は、下死点における従来のエンジンのクランクシャフトとクランクピンの位置(B)と本実施例のクランクシャフト7のクランクピン7aとの位相差、即ち角度を示す。
図9は、第2実施形態に係るエンジン20における第3連結部材25の位置の移動状態を示す図である。
図8に示すように、第2実施形態のエンジン20のピストン3とクランクシャフト7を連結する動力伝達機構は、第3リンク部材21と、第4リンク部材22と、第5リンク部材23を備えたリンク機構である。
第3リンク部材21は、一端部をピストン3にピストンピン3aを介して回動可能に連結されている。そして、第3リンク部材21の他端部には、第4リンク部材22の一端部と第5リンク部材23の一端部とが第2連結部材24を介して回動可能に連結されている。
第4リンク部材22の他端部は、クランクシャフト7のクランクピン7aに回動可能に連結されている。なお、第4リンク部材22は、シリンダブロック2に支持されておらず、またクランクピン7aとスライド可能には連結されていない。
第5リンク部材23は、第3リンク部材21の連結位置とは反対側の他端部が、シリンダブロック2に設けられた支持部2c(本体)に第3連結部材25を介して回動可能に連結されている。
本実施形態のエンジン20は、従来のエンジンのようにシリンダ2aの軸線Lc上にクランクシャフト7の回転中心7cが位置している。
そして、図8中の実線で示すようにピストン3が上死点にあるときにクランクピン7aの位置がシリンダ2aの軸線Lcとのピストン側の交点Tよりクランクシャフト7の回転方向に角度D1移動した位置に位置するように、また、図8の二点鎖線で示すようにピストン3が下死点にあるときにクランクピン7aの位置がシリンダ2aの軸線Lcとのピストン3から遠い側の交点Bよりクランクシャフト7の回転方向とは反対側に角度D2移動した位置に位置するように、各リンク部材の長さや支持位置が設定されている。
更に、本実施形態では、図9に示すように、第5リンク部材23とシリンダブロック2の支持部2cとの連結位置、即ち第3連結部材25の位置が移動可能に構成されている。この連結位置の移動は、例えばシリンダブロック2の支持部2cと第3連結部材25との間にシリンダ等のアクチュエータ10を介装して、コントロールユニット11(制御部)によってアクチュエータ10を作動制御して第3連結部材25を移動させるように構成すればよい。
なお、本実施形態のピストン3とクランクシャフト7を連結するリンク機構とアクチュエータ10とが、本発明のピストン速度変更部に該当する。
そして、コントロールユニット11は、エンジン20の負荷P及び回転速度Nを入力し、当該エンジン20の負荷P及び回転速度Nに基づいて、第3連結部材25の位置を変更する。
詳しくは、エンジン低負荷低回転域では第3連結部材25の位置をクランクシャフト7に近づける方向(図9中aの位置)に移動し、エンジン高負荷高回転域では第3連結部材25の位置をクランクシャフト7から遠ざける方向(図9中eの位置)に移動する。
図10は、低負荷低回転時におけるエンジン20の各リンクの移動を示す図である。図10の(A)はピストン3が上死点にある場合、(B)はピストン3が上死点から下死点に向かう中間位置にある場合、(C)はピストン3が下死点にある場合、(D)はピストン3が下死点から上死点に向かう中間位置にある場合をそれぞれ示す。
図11は、第2実施形態におけるクランク角に対するピストン位置の比較図である。図11中のa〜eは、本実施形態でのピストン位置の変化を示し、fでは従来エンジンと同様にピストン位置が変化する。図11では、第3連結部材25の位置の違いによるピストン位置の変化をa〜fの6パターン示している。
本実施形態では、低負荷低回転時では、図8、10に示すように、ピストン3が上死点にある時にクランクピン7aがシリンダ2aの軸線Lcとのピストン側の交点Tよりもクランクシャフト7の回転方向に角度D1移動した位置にあり、ピストン3が下死点にある時にクランクピン7aがシリンダ2aの軸線Lcとのピストン3とは反対側の交点Bよりもクランクシャフト7の回転方向とは反対方向に角度D2移動した位置にあるので、第1実施形態と同様に下死点から上死点までのクランク角よりも上死点から下死点までのクランク角が小さくなり、圧縮工程の期間よりも膨張行程の期間が短くなる。
更に、本実施形態では、第3連結部材25の位置を変更することで、上死点及び下死点でのクランク角が異なり、よって図11に示すようにクランク角に対するピストン3の位置が異なって、圧縮工程と膨張行程との割合、詳しくは圧縮工程と膨張行程の合計期間(即ちクランクシャフト7が1回転する期間)における膨張行程の期間の割合が変化する。
エンジン低負荷低回転時では、第3連結部材25の位置をクランクシャフト7に近づけることで、上記角度D1及びD2が大きくなる。したがって、圧縮工程と膨張行程との合計期間のうちの膨張行程の期間の割合が小さくなる。
エンジン高負荷高回転時では、第3連結部材25の位置をクランクシャフト7から遠ざけることで、上記角度D1及びD2が小さくなる。したがって、圧縮工程と膨張行程との合計期間のうちの膨張行程の期間の割合が大きくなり、圧縮工程の期間と同じ量に近づく。
以上のように、本実施形態では、エンジン回転速度N及び負荷Pに基づいて第3連結部材25の位置を変更することで、第1実施形態と同様にクランク角に対するピストン3の位置が移動し、エンジン低負荷低回転時では、膨張行程の期間の割合を小さくして膨張行程の時間を短くし、冷却損失を減少させて燃費を向上させることが可能になるとともに、エンジン高負荷高回転時では、膨張行程の期間の割合を大きくしてピストン速度を低下させ、ピストン3の油膜切れによる摩擦力の増加を回避することができる。
なお、本実施形態において、エンジン1の負荷P及びエンジン回転速度Nに対する第3連結部材25の位置の設定を、上記第1実施形態のオフセット距離Aの設定と同様に、段階的あるいは連続的に設定してもよい。
特に、膨張行程時の平均ピストン速度が、負荷Pに基づいて設定された平均ピストン速度閾値Vaを超えない範囲で平均ピストン速度閾値Vaに近い値になるように、第3連結部材25の位置を設定することで、第1実施形態と同様に、エンジンの運転状態に拘わらず冷却損失を大幅に低下させることができ、燃費の大幅な向上を図ることができる。
以上で発明の実施形態の説明を終えるが、発明の形態は上記実施形態に限定されるものではない。
例えば、上記実施形態では、エンジン1の負荷Pと回転速度Nに基づいて、オフセット距離Aまたは第3連結部材25の位置を変更して、膨張行程時でのピストン速度を変更するが、エンジンの負荷Pのみに基づいてオフセット距離Aや第3連結部材25の位置を変更して、ピストン速度を変更するように制御してもよい。このように制御しても、少なくともオフセット距離Aまたは第3連結部材25の位置が常に一定な構成のエンジンと比較して、低負荷時には膨張行程でのピストン速度を上昇させ冷却損失を低減させるとともに、高負荷時では膨張行程でのピストン速度を低下させ、摩擦力増大を回避しつつ,ピストンの潤滑性を確保することができる。
1 エンジン(内燃機関)
2 シリンダブロック(本体)
2b 支持部(本体)
2c 支持部(本体)
3 ピストン
4 第1リンク部材
5 第2リンク部材
7 クランクシャフト
7a クランクピン
10 アクチュエータ(ピストン速度変更部)
11 コントロールユニット(制御部)
21 第3リンク部材
22 第4リンク部材
23 第5リンク部材

Claims (4)

  1. 内燃機関のクランクシャフトの回転速度に対するピストン速度を変更可能なピストン速度変更部と、
    前記内燃機関の負荷に基づいて前記ピストン速度変更部を制御して膨張行程でのピストン速度を変更する制御部と、を備えた内燃機関のピストン作動制御装置であって、
    前記内燃機関のピストンに回動可能に連結する第1リンク部材と、前記第1リンク部材と回動可能に連結し前記内燃機関のクランクシャフトのクランクピンと回動可能かつ摺動可能に連結するとともに前記内燃機関の本体に回動可能に支持される第2リンク部材とにより構成されるウィットウォース機構によって、前記ピストンと前記クランクシャフトとが連結され、
    前記ピストン速度変更部は、前記内燃機関の本体に対する前記第2リンク部材の支持位置を移動して、前記膨張行程での前記クランクシャフトの回転速度に対する前記ピストン速度を変更させ、
    前記制御部は、前記内燃機関の負荷が所定値以上の中・高負荷時には、前記負荷が所定値未満の低負荷時よりも前記膨張行程での前記ピストン速度を低下させることを特徴とする内燃機関のピストン作動制御装置。
  2. 内燃機関のクランクシャフトの回転速度に対するピストン速度を変更可能なピストン速度変更部と、
    前記内燃機関の負荷に基づいて前記ピストン速度変更部を制御して膨張行程でのピストン速度を変更する制御部と、を備えた内燃機関のピストン作動制御装置であって、
    前記内燃機関のピストンに回動可能に連結する第3リンク部材と、前記クランクシャフトのクランクピンと前記第3リンク部材とを回動可能に連結する第4リンク部材と、一端部が前記第3リンク部材と前記第4リンク部材との連結部に回動可能に連結されるとともに他端部が前記内燃機関の本体に回動可能に連結される第5リンク部材とにより構成されるリンク機構によって、前記ピストンと前記クランクシャフトとが連結され、
    前記ピストン速度変更部は、前記第5リンク部材と前記内燃機関の本体との連結位置を移動して、前記膨張行程での前記クランクシャフトの回転速度に対する前記ピストン速度を変更させ、
    前記制御部は、前記内燃機関の負荷が所定値以上の中・高負荷時には、前記負荷が所定値未満の低負荷時よりも前記膨張行程での前記ピストン速度を低下させることを特徴とする内燃機関のピストン作動制御装置。
  3. 前記制御部は、前記内燃機関の前記低負荷時に、前記膨張行程でのピストン速度が一定になるように前記ピストン速度変更部を制御することを特徴とする請求項1または2に記載の内燃機関のピストン作動制御装置。
  4. 前記制御部は、前記中・高負荷時には前記クランクシャフトの回転速度に基づいて前記ピストン速度変更部を制御して前記膨張行程でのピストン速度を変更し、前記クランクシャフトの高回転時に低回転時よりも前記膨張行程での前記クランクシャフトの回転速度に対する前記ピストン速度を低下させることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の内燃機関のピストン作動制御装置。
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