JP4894820B2 - 圧縮比制御装置及び圧縮比制御方法 - Google Patents

圧縮比制御装置及び圧縮比制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、可変圧縮比エンジンの圧縮比を制御するための圧縮比制御装置及び圧縮比制御方法に係り、特に、モータを動力源とした圧縮比変更機構を備えた可変圧縮比エンジンの圧縮比を制御するための圧縮比制御装置及び圧縮比制御方法に関する。
エンジン(内燃機関)の圧縮比を変更できるようにすれば、高負荷時には圧縮比を低くすることによりノッキングの発生を抑止し、低負荷時には圧縮比を高めることによりトルクを引き出すといったことが可能となる。このため、シリンダブロック(及びシリンダヘッド)がクランクケースに対して上下動するタイプの可変圧縮比エンジンや、クランクシャフトとコンロッドとをリンクを介して繋いだタイプの可変圧縮比エンジン(ピストンの上死点及び下死点位置がシリンダ内で上下動するタイプの可変圧縮比エンジン)が、開発されている。
さて、上記した、いずれのタイプの可変圧縮比エンジンも、圧縮比を上昇させる際には、シリンダ内圧によって移動が妨げられている方向にシリンダブロック/ピストンを移動させることが必要なものとなっている。すなわち、可変圧縮比エンジンは、基本的には、圧縮比を変更するための圧縮比変更機構として、かなりパワーのあるもの(大きな負荷がかかっても機能するもの)を設けておく必要があるものとなっている。
ただし、そのような圧縮比変更機構は、比較的に大型のもの(重く、製造コストがかかるもの)にならざるを得ない。このため、圧縮比変更機構の小型化を図るために、圧縮比の変更が可能か否かを実圧縮比と目標圧縮比との差から判断し、圧縮比の変更が可能でない場合には、圧縮比を変更しない(圧縮比変更機構を駆動しない)こと(例えば、特許文献1参照。)が、提案されている。また、圧縮比が段階的に切り替えられるように、かつ、低圧縮比→高圧縮比方向の切り替えが、逆方向の切り替えよりも低いエンジン負荷で行われるように、可変圧縮比エンジンを制御すること(例えば、特許文献2参照。)も、提案されている。
さらに、圧縮比変更機構の作動時間・頻度(圧縮比変更機構の駆動のために消費されるエネルギー量)を低減することなどを目的として、目標圧縮比と実圧縮比との偏差が規定値以上であった場合に限り圧縮比変更機構を駆動すること(例えば、特許文献4参照。)や、要求圧縮比(アクセル開度等から算出される圧縮比)の上昇中は、要求圧縮比に対する実圧縮比の追従性が鈍くなるように圧縮比変更機構を駆動すること(例えば、特許文献5参照。)も、提案されている。
なお、可変圧縮比エンジンに関する、これら以外の関連技術としては、例えば、可変圧縮比エンジンの部品点数を少なくすることができる潤滑油経路に関する技術(特許文献3参照。)が、知られている。
特開2005−163741号公報 特開2005−163695号公報 特開2005−140090号公報 特開2007−239519号公報 特開2006−52697号公報
本発明者は、鋭意、研究した結果、可変圧縮比エンジンに設けられている圧縮比変更機構(圧縮比の変更時に回転する、潤滑油により潤滑されている回転軸を有するもの)の仕様によっては、上記のような制御自体が行えない場合(詳細は後述)があることを見出した。
そこで、本発明の課題は、圧縮比の変更時に回転する、潤滑油により潤滑されている回転軸を有する圧縮比変更機構を備えた可変圧縮比エンジンの圧縮比を、圧縮比変更機構の仕様に依らず、効率的に制御できる圧縮比制御装置及び圧縮比制御方法を提供することにある。
本発明者は、圧縮比の変更時に回転する、潤滑油により潤滑されている回転軸を有する圧縮比変更機構を備えた可変圧縮比エンジンに関する圧縮比制御性を確認/明確化するための各種実験を行ったところ、或る速度(以下、境界速度と表記する)よりも遅い速度で圧縮比が上昇するように圧縮比変更機構を制御すると、圧縮比の制御性が悪化する(圧縮比変更機構が制御どおりに機能しなくなる)ことを見出した。また、境界速度以上の速度で圧縮比が上昇するように圧縮比変更機構を制御しさえすれば、目標とする圧縮比によらず、圧縮比を良好に制御できることも見出した。また、上記のような現象は、圧縮比変更機構内の特定の回転軸が回転しにくくなることに起因して生ずる現象であることや、当該回転軸に関する仕様(負荷がかかった場合や潤滑油の粘度が低下した場合における回転のしやすさ)により、境界速度が上下することも見出した。
本発明の圧縮比制御装置は、上記のような知見に基き完成するに到ったものである。そして、本発明の、圧縮比の変更時に回転する、潤滑油により潤滑されている回転軸(圧縮比の制御性を悪化させる原因となっている回転軸)を有する圧縮比変更機構を備えた可変圧縮比エンジンの圧縮比を制御するための圧縮比制御装置は、操縦者からの指示に基づき、それと同じ速度で前記可変圧縮比エンジンの圧縮比を変更することにより当該指示に応じた効率的な状態で前記可変圧縮比エンジンが機能することになる速度である要求速度を特定する要求速度特定手段と、前記要求速度特定手段により前記可変圧縮比エンジンの圧縮比を上昇させるべき要求速度が特定されたときに、当該要求速度が、前記圧縮比変更機構の前記回転軸を一定角速度で回転させることにより達成できる、前記可変圧縮比エンジンの圧縮比の上昇速度の下限値である境界速度以上であるか否かを判断する判断手段とを備えている。さらに、本発明の圧縮比制御装置は、前記判断手段により前記要求速度が前記境界速度未満であると判断された場合に、前記可変圧縮比エンジンの圧縮比が前記境界速度未満の速度で上昇することがないように、かつ、前記可変圧縮比エンジンの圧縮比の平均的な上昇速度が前記要求速度を基準とした所定範囲内の速度となるように前記圧縮比変更機構を制御する制御処理を開始する制御手段を備えている。従って、この圧縮比制御装置は、上記構成を有する可変圧縮比エンジン(通常の可変圧縮比エンジン)の圧縮比を、圧縮比変更機構の仕様に依らず、効率的に制御できる装置となっていることになる。
より具体的には、「圧縮比の上昇速度を境界速度以下にすると、圧縮比の制御性が悪化する」ということは、上記した従来の装置による制御(実圧縮比と目標圧縮比との差に基づく制御)が、圧縮比の変更速度が比較的に速い圧縮比変更機構を備えた可変圧縮比エンジンにしか適用できないものであることを示している。換言すれば、上記した従来の装置は、実際に制御できる可変圧縮比エンジンが、特定仕様(比較的に高仕様)の圧縮比変更機構を備えたものに限定された装置となっている。
これに対して、本発明の圧縮比制御装置は、“境界速度”が、制御対象とする可変圧縮比エンジンが備える圧縮比変更機構の仕様に応じた値となるように構成しておけば、圧縮
比変更機構の実際の仕様によらず可変圧縮比エンジンの圧縮比を制御できるものとなっている。従って、本発明の圧縮比制御装置は、それが備える圧縮比変更機構の仕様に依らず、可変圧縮比エンジンを制御できる装置であることになる。
また、本発明の圧縮比制御装置が、圧縮比を境界速度未満の要求速度で上昇させる必要が生じた場合に開始する制御処理は、圧縮比の制御性が悪くなることがない条件で(“前記可変圧縮比エンジンの圧縮比が前記境界速度未満の速度で上昇することがないように”)、前記可変圧縮比エンジンの圧縮比の平均的な上昇速度(制御処理の開始時点から現時点までの圧縮比の平均的な上昇速度)が前記要求速度を基準とした所定範囲内の速度となるように、圧縮比変更機構を制御するものとなっている。すなわち、本発明の圧縮比制御装置は、要求速度が圧縮比制御装置を単純に制御したのでは実現できない速度であった場合にも、可変圧縮比エンジンの圧縮比を上昇させる装置となっている。従って、この圧縮比制御装置は、長時間に渡って圧縮比を変更しないことがある上記した従来装置よりも、可変圧縮比エンジンを、効率的に(燃費が良い時間帯が長くなるように)、制御できる装置となっていることにもなる。
本発明の圧縮比制御装置を実現する際には、制御手段として、実行する制御処理の具体的な内容が異なるさまざまなものを採用することが出来る。例えば、制御手段として、「前記可変圧縮比エンジンの圧縮比が前記境界速度以上の速度で間欠的に上昇するように前記圧縮比変更機構を制御する制御処理」を行う手段や、「前記可変圧縮比エンジンの圧縮比が前記境界速度以上の速度で上昇するように前記圧縮比変更機構を制御する第1処理と、前記可変圧縮比エンジンの圧縮比が下降するように前記圧縮比変更機構を制御する第2処理とを繰り返す制御処理」を行う手段を採用しておくことが出来る。なお、圧縮比変更機構のような機構(潤滑油により潤滑されている回転軸を有する機構)は、停止している回転軸の回転を開始させる際に問題が生じやすいものである。そして、前者の制御手段(制御処理)が、回転軸を停止させることがある手段であるのに対し、後者の制御手段は、回転軸を回転させ続ける手段となっている。従って、後者の制御手段を採用しておけば、前者の制御手段を採用した圧縮比制御装置よりも安定的に(問題が生ずる確率が低い形で)可変圧縮比エンジンの圧縮比を制御可能な圧縮比制御装置を実現できることになる。
また、制御手段に実行させる「前記可変圧縮比エンジンの圧縮比が前記境界速度以上の速度で間欠的に上昇するように前記圧縮比変更機構を制御する制御処理」は、圧縮比変更機構に対する制御内容の切り替えタイミングを経過時間によって決める処理であっても、当該切り替えタイミングを“前記要求速度で前記可変圧縮比エンジンの圧縮比を変化させ続けた場合における圧縮比と前記可変圧縮比エンジンの実際の圧縮比とから算出される、両圧縮比の違いを示す指標値”に基づき決定する処理(請求項3参照)であっても良い。同様に、制御手段に実行させる「前記可変圧縮比エンジンの圧縮比が前記境界速度以上の速度で上昇するように前記圧縮比変更機構を制御する第1処理と、前記可変圧縮比エンジンの圧縮比が下降するように前記圧縮比変更機構を制御する第2処理とを繰り返す制御処理」も、圧縮比変更機構に対する制御内容の切り替えタイミングを経過時間によって決める処理であっても、当該切り替えタイミングを“前記要求速度で前記可変圧縮比エンジンの圧縮比を変化させ続けた場合における圧縮比と前記可変圧縮比エンジンの実際の圧縮比とから算出される、両圧縮比の違いを示す指標値”に基づき決定する処理(請求項5参照)であっても良い。
また、本発明の圧縮比制御装置を、境界速度が固定されている装置として構成しておくことも出来る。ただし、境界速度は、可変圧縮比エンジンの動作状況(主として、潤滑油の温度とエンジン負荷)によって変わる速度であるため、そのように構成された圧縮比制御装置は、制御処理を行う必要がない場合に制御処理を行うことがある装置として機能してしまうことになる。そして、制御処理よりも、通常の制御処理(圧縮比変更機構の回転
軸が等角速度で回転することになる制御処理)の方が、操縦者の指示に則した処理なのであるから、本発明の圧縮比制御装置は、「前記判断手段及び前記制御手段が利用する境界速度を、前記可変圧縮比エンジンの動作状況に関する情報から算出する境界速度算出手段」を備えた装置として実現しておくことが望ましい。
また、本発明の、圧縮比の変更時に回転する、潤滑油により潤滑されている回転軸を有する圧縮比変更機構を備えた可変圧縮比エンジンの圧縮比を制御するための圧縮比制御方法は、操縦者からの指示に基づき、それと同じ速度で前記可変圧縮比エンジンの圧縮比を変更することにより当該指示に応じた効率的な状態で前記可変圧縮比エンジンが機能することになる速度である要求速度を特定する要求速度特定ステップと、前記可変圧縮比エンジンの圧縮比が前記境界速度未満の速度で上昇することがないように、かつ、前記可変圧縮比エンジンの圧縮比の平均的な上昇速度が前記要求速度を基準とした所定範囲内の速度となるように前記圧縮比変更機構を制御する制御ステップと、前記要求速度特定ステップにより前記可変圧縮比エンジンの圧縮比を上昇させるべき要求速度が特定されたときに、前記要求速度が、前記圧縮比変更機構の前記回転軸を一定角速度で回転させることにより達成できる、前記可変圧縮比エンジンの圧縮比の上昇速度の下限値である境界速度以上であるか否かを判断し、前記要求速度が、前記境界速度未満であった場合に、前記制御ステップの動作を開始させる判断ステップとを含むものとなっている。
すなわち、本発明の圧縮比制御方法は、本発明の圧縮比制御装置(請求項1記載のもの)が行うものと実質的に同内容の制御を、可変圧縮比エンジン内の圧縮比変更機構に対して行うものとなっている。従って、この圧縮比制御方法を用いても、本発明の圧縮比制御装置を用いた場合と同様に、可変圧縮比エンジンの圧縮比を、その圧縮比変更機構の仕様に依らず、効率的に制御できることになる。
本発明の圧縮比制御装置、圧縮比制御方法を用いておけば、圧縮比の変更時に回転する、潤滑油により潤滑されている回転軸を有する圧縮比変更機構を備えた可変圧縮比エンジンの圧縮比を、圧縮比変更機構の仕様に依らず、効率的に制御できることになる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面を参照して詳細に説明する。
《第1実施形態》
まず、図1乃至図3を用いて、本発明の第1実施形態に係る圧縮比制御装置10の概要説明を行うことにする。
図1に模式的に示してあるように、第1実施形態に係る圧縮比制御装置10は、自動車に搭載されている可変圧縮比エンジン20に対する各種制御(圧縮比制御、バルブ開閉制御等)を、可変圧縮比エンジン20に取り付けられている各種センサの出力やアクセルベダルセンサ15からのアクセル開度に基づき行う装置である。
この圧縮比制御装置10が制御する可変圧縮比エンジン20は、図2に示してあるように、複数のシリンダを有するシリンダブロック21と、シリンダブロック21をシリンダの軸線方向(以下、上下方向と表記する)に移動可能な形で保持するクランクケース22と、シリンダブロック21のクランクケース22に対する相対位置(上下方向位置)を変更するための圧縮比変更機構とを備えたエンジンである。
ここで、圧縮比変更機構とは、クランクケース22の一方の長手方向側面に取り付けられているモータ41、可変圧縮比エンジン20(シリンダブロック21及びクランクケー
ス22)の各長手方向側面に設けられている偏心軸アッセンブリ30、4つのフリー軸ハウジング23等からなる機構のことである。
この圧縮比変更機構に用いられている各偏心軸アッセンブリ30は、図3に示してあるように、軸部31と、軸部31に対して偏心した状態で固定されているウォームホイール32と、軸部31に対して偏心した状態で回転可能に固定されている複数のフリー軸33と、軸部31に対して偏心した状態で固定されている複数のジャーナル34とからなる部材である。なお、図3には、一方の偏心軸アッセンブリ30のみを示してあるが、他方の偏心軸アッセンブリ30は、図示してある偏心軸アッセンブリ30を、シリンダブロック21の各シリンダの軸線を通る面で反転した構成を有するものとなっている。
フリー軸ハウジング23(図2)は、偏心軸アッセンブリ30のフリー軸33を回転可能な形でシリンダブロック21に対して固定するための部材である。具体的には、フリー軸ハウジング23は、偏心軸アッセンブリ30のフリー軸33が所定のクリアランスをもって通るサイズの貫通孔を備えている。そして、フリー軸ハウジング23は、偏心軸アッセンブリ30のフリー軸33部分に取り付けた後、クランクケース22の各長手方向側面に設けられている開口部を通す形で(図示してある形とは異なる形で)、シリンダブロック21に固定される部材となっている。
クランクケース22の各長手方向側面には、偏心軸カバー25を取り付けることにより、偏心軸アッセンブリ30の各ジャーナル34(及び軸部31の一部)の軸受として機能することになる部分(図では、主軸受)も設けられている。さらに、クランクケース22の下方部分には、圧縮比変更機構内の各偏心軸アッセンブリ30のウォームホイール32と噛み合う位置にウォーム42(図2、図3参照)を備えた駆動軸が回転可能に保持されている。なお、駆動軸が備える2つのウォーム42は、逆向きのねじが形成されているものである。
そして、圧縮比変更機構は、この駆動軸を回転させるためのモータ41を、クランクケース22の長手方向側面(図2参照)に設けたものとなっている。
また、圧縮比変更機構は、各摺動部分が潤滑油により潤滑される機構ともなっている。具体的には、偏心軸アッセンブリ30(図3参照)の軸部31に取り付けられる各フリー軸33は、その中央部(両端面/両底面から等距離の部分)に、厚み方向を連通する給油孔が所定角度毎に(円周方向に等間隔で)形成されている部材となっている。さらに、フリー軸33は、その内面に、各給油孔の出口を繋ぐ形状(フリー軸33の内面を一周する形状)の凹部が形成されている部材となっている。
また、軸部31は、その中心(軸心)部分に潤滑油を流すための通路が形成されていると共に、各フリー軸33の凹部と対向する部分に、厚み方向を連通する複数個の孔が形成されている部材となっている。そして、可変圧縮比エンジン20は、図示せぬオイルポンプからの潤滑油が各軸部31の端部に供給される構成を有するエンジンとなっている。
要するに、可変圧縮比エンジン20の圧縮比変更機構は、オイルポンプからの潤滑油が、各軸部31内や各フリー軸33の供給孔を通って、フリー軸33と軸部31との間(フリー軸33と軸部31とが摺動する部分)や、フリー軸33とフリー軸ハウジング23の間に供給され、それらの部分から流れ出た潤滑油が、他の各摺動部分(駆動軸とクランクケース22との間等)に供給される機構となっている。
そして、本実施形態に係る圧縮比制御装置10は、このような構成の可変圧縮比エンジン20を、可変圧縮比エンジン20に取り付けられているエンジン回転数センサ、油温(
潤滑油の温度)センサ、筒内圧センサ等の出力や、アクセルベダルセンサ15からのアクセル開度に基づき制御する装置となっている。
以上のことを前提に、以下、第1実施形態に係る圧縮比制御装置10の構成及び動作をさらに具体的に説明する。
本実施形態に係る圧縮比制御装置10は、可変圧縮比エンジン20用の既存の電子制御ユニット(CPU、ROM、RAM等からなる装置/ユニット;以下、オリジナル装置と表記する)を、新規な手順/アルゴリズムによる圧縮比制御を行うように、ソフトウェア的に改良したものである。
具体的には、圧縮比制御装置10は、可変圧縮比エンジン20の圧縮比を変更する必要が生じた場合、通常制御処理又は特殊制御処理(本発明における制御処理に相当)を行うように、オリジナル装置を改良した装置となっている。ここで、通常/特殊制御処理とは、その実行により可変圧縮比エンジン20の圧縮比が変わることになる処理(圧縮比変更機構/モータ41に対する制御処理)のことである。特殊制御処理の詳細については後述するが、圧縮比制御装置10が実行する通常制御処理は、操縦者の指示等に則した速度(後述する要求速度)で圧縮比が変わることになる回転数(角速度)でモータ41が回転するように、圧縮比変更機構(モータ41)を制御する処理となっている。
さらに、圧縮比制御装置10は、可変圧縮比エンジン20が始動されている場合には、常に(可変圧縮比エンジン20の圧縮比を、変更している間であっても、一定値に維持している間であっても)、図4に示した手順の制御内容変更処理を周期的に実行するように、オリジナル装置を改良した装置となっている。
すなわち、圧縮比制御装置10は、可変圧縮比エンジン20を動作させている状況下、或るタイミングとなった場合には、この制御内容変更処理を開始する。そして、制御内容変更処理を開始した圧縮比制御装置10は、まず、その時点におけるエンジン回転数(エンジン回転数センサの出力)及びアクセル開度から、要求速度を算出する処理(ステップS101)を行う。ここで、要求速度とは、それと同じ速度で可変圧縮比エンジン20の圧縮比を変化させると、操縦者による指示(アクセル開度)に応じた、効率的な(ノッキングが発生せず、燃費が良い)状態で可変圧縮比エンジン20が機能することになる速度のことである。
このステップS101の処理は、目標圧縮比の算出のために一般に行われている処理(1つ以上のマップを利用して、アクセル開度及びエンジン回転数から目標圧縮比を算出する処理)を、目標圧縮比ではなく、要求速度(目標圧縮比の時間変化率)を算出する処理に変形したものである。このため、その詳細説明は省略するが、ステップS101の処理は、圧縮比を上げるべき場合には正の要求速度を算出し、圧縮比を下げるべき場合には負の要求速度を算出し、圧縮比を変更する必要がない場合には、要求速度として“0”を算出する処理となっている。
ステップS101の処理を終えた圧縮比制御装置10は、算出した要求速度(の値)が、“0”、正、負のいずれであるかを判断する(ステップS102)。
要求速度が負であった場合(ステップS102:<0)、圧縮比制御装置10は、圧縮比変更機構に対して行う制御処理を、可変圧縮比エンジン20の圧縮比が要求速度で変化することになる通常制御処理に変更する(ステップS105)。なお、既に説明したように、通常制御処理とは、要求速度で圧縮比が変わることになる回転数でモータ41が回転するように、圧縮比変更機構(モータ41)を制御する処理のことである。
そして、ステップS105の処理を終えた圧縮比制御装置10は、この制御内容変更処理を終了して、通常制御処理を実行しつつ、制御内容変更処理を開始すべきタイミングとなるのを待機する状態となる。
圧縮比制御装置10は、要求速度が“0”であった場合(ステップS102:=0)には、圧縮比変更機構に対して行う制御処理を停止制御処理に変更する(ステップS106)。ここで、停止制御処理とは、圧縮比変更機構(モータ41)を停止させ続ける処理(モータ41の動作を停止させた後、モータ41に対する制御を行わない処理)のことである。そして、ステップS106の処理を終えた圧縮比制御装置10は、この制御内容変更処理を終了して、停止制御処理を実行しつつ(圧縮比変更機構に対する制御を特に行うことなく)、制御内容変更処理を開始すべきタイミングとなるのを待機している状態となる。
圧縮比制御装置10は、要求速度が正であった場合(ステップS102:>0)には、現境界速度特定処理(ステップS103)を行う。
この現境界速度特定処理は、その時点における最大筒内圧力Pmax(筒内圧センサの出力から求まる値)及び油温(油温センサの出力;潤滑油の温度)に対応づけられている境界速度を、ROM上の境界速度マップから読み出して現境界速度として特定する処理である。詳細については後述するが、この現境界速度特定処理時に参照される境界速度マップは、その時点における圧縮比変更機構に対して通常制御処理を行うこと(モータ41を一定角速度で回転させること)により実現可能な圧縮比の最低上昇速度を、境界速度として読み出せる情報となっている。
現境界速度特定処理を終えた圧縮比制御装置10は、要求速度が現境界速度以上であるか否かを判断する(ステップS104)。そして、圧縮比制御装置10は、要求速度が現境界速度以上であった場合(ステップS104:YES)には、圧縮比変更機構に対して行う制御処理を、可変圧縮比エンジン20の圧縮比が要求速度で変化することになる通常制御処理に変更(ステップS105)してから、この制御内容変更処理を終了する。
要するに、圧縮比制御装置10は、要求速度が、現境界速度未満の正の値ではない場合(ステップS102;=0、<0、ステップS104;YES)には、圧縮比変更機構に対して通常制御処理或いは停止制御処理を行う装置となっている。従って、例えば、図5(a)に示したように、要求速度Vrが、現境界速度Vt未満の正の値をとることなく変化した場合には、図5(b)に示したように、実際の圧縮比が目標圧縮比(要求速度で変化させた場合の圧縮比)と常に一致するように、可変圧縮比エンジン20(圧縮比変更機構)が制御されることになる。
図4に戻って、制御内容変更処理の説明を続ける。
圧縮比制御装置10は、要求速度(この場合、>0)が現境界速度未満であった場合(ステップS104:NO)には、圧縮比変更機構に対する制御内容を変更する必要があるか否かを判断する(ステップS107)。
このステップS107において、圧縮比制御装置10は、まず、その時点において実行中の制御処理が、停止制御処理又は通常制御処理であるか否かを判断する。そして、圧縮比制御装置10は、実行中の制御処理が、停止制御処理又は通常制御処理であった場合には、圧縮比変更機構に対する制御内容を変更する必要があると判断してステップS107の処理を終了する。
一方、実行中の制御処理が、停止制御処理、通常制御処理のいずれでもなかった場合(特殊制御処理であった場合)、圧縮比制御装置10は、要求速度と現変更速度(詳細は後述:ステップS109参照)との間の差の絶対値が、予め設定されている規定速度差以上であるか否かを判断する。そして、圧縮比制御装置10は、当該絶対値が規定速度差以上であった場合には、圧縮比変更機構に対する制御内容を変更する必要があると判断してステップS107の処理を終了する。また、圧縮比制御装置10は、当該絶対値が規定速度差以上でなかった場合には、圧縮比変更機構に対する制御内容を変更する必要がないと判断して、ステップS107の処理及び制御内容変更処理(図4の処理)を終了する。
ステップS107の処理にて、圧縮比変更機構に対する制御内容を変更する必要があると判断した場合(YES)、圧縮比制御装置10は、圧縮比変更機構に対して行う制御処理を、「圧縮比が現境界速度以上の速度で間欠的に上昇するように、かつ、圧縮比の平均的な上昇速度が要求速度相当の速度(要求速度を基準とした所定範囲内の速度)となるように、圧縮比変更機構を制御する特殊制御処理」に変更する(ステップS108)。
なお、本圧縮比制御装置10が実際に実行する特殊制御処理は、圧縮比が図6に示したように変化するように、圧縮比変更機構(モータ41)を制御する処理である。
すなわち、特殊制御処理は、「要求速度で変化させた場合の圧縮比(要求速度で変化させたと仮定した場合の圧縮比)が、“実圧縮比(可変圧縮比エンジン20の実際の圧縮比)+ΔR”と一致するまで、モータ41を停止させた後、実圧縮比が、要求速度で変化させた場合の圧縮比と一致するまで、モータ41を最高回転数で回転させる処理」を繰り返す処理となっている。なお、ΔRとは、予め設定されている、0.5〜1.0程度の値のことである。
ステップS108の処理(図4)を終えた圧縮比制御装置10(通常/停止制御処理の代わりに特殊制御処理を開始した圧縮比制御装置10、実行中の特殊制御処理の内容を変更した圧縮比制御装置10)は、要求速度の値を現変更速度として記憶する(ステップS109)。そして、圧縮比制御装置10は、この制御内容変更処理を終了して、特殊制御処理を実行しつつ、制御内容変更処理を開始すべきタイミングとなるのを待機している状態となる。
ここで、上記した現境界速度特定処理の内容(現境界速度特定処理時に参照される境界速度マップの内容)や、圧縮比制御装置10を、上記のような制御を行う装置として構成してある理由を説明しておくことにする。
この圧縮比制御装置10の開発時には、可変圧縮比エンジン20の圧縮比制御性を確認/明確化するための各種実験が行われている。そして、それらの実験結果から、或る速度(以下、境界速度と表記する)以下の速度で圧縮比が上昇するように圧縮比変更機構(モータ41)を制御すると、圧縮比変更機構が制御どおりに機能しなくなる場合があることが確認されている。また、境界速度以上の速度で圧縮比が上昇するように圧縮比変更機構を制御しさえすれば、目標とする圧縮比によらず、圧縮比を良好に制御できることも確認されている。さらに、境界速度の値は、可変圧縮比エンジン20の動作状況(運転状況)により変わるが、図7に模式的に示したように、境界速度が、Pmaxと油温との組み合わせに強く相関した情報(値)であることも確認されている。
要するに、可変圧縮比エンジン20の圧縮比変更機構は、境界速度未満の要求速度(>0)で圧縮比を上昇させようとすると問題が生ずる場合があるものとなっている。ただし、要求速度が、境界速度未満の正の値である場合にも、境界速度以上の速度で圧縮比を上昇させることは可能である。そして、圧縮比を、平均的な上昇速度が要求速度と一致する
ように、境界速度以上の速度で間欠的に上昇させれば、圧縮比を変更しない場合よりも操縦者の指示に即した形で可変圧縮比エンジン20の圧縮比を変更できることになる。
また、図7に示してある対応関係を示す情報を用意しておけば、Pmax及び油温から、その時点における可変圧縮比エンジン20(圧縮比変更機構)に関する境界速度(現境界速度)を求めることができる。
このため、本実施形態に係る圧縮比制御装置10は、図7に示してある対応関係を示す境界速度マップをROM上に記憶することによって各種動作状況における可変圧縮比エンジン20に関する現境界速度を特定できるようにした上で、要求速度が現境界速度未満の正の値であった場合には、特殊制御処理を行うように構成してあるのである。また、特殊制御処理(図6参照)は、比較的に長時間実行され続けないと、圧縮比が上昇しない処理であるため、圧縮比制御装置10を、ステップS107の判断を行う装置(要求速度の変化量が少ない場合には、別の特殊制御処理を開始しない装置)として構成してあるのである。
なお、駆動軸(図3)近傍に潤滑油を噴射する装置を追加すると、相対的に境界速度が遅くなるという実験結果も得られている。また、Pmax及び油温を用いた場合よりも、若干、相関性は悪くなるが、駆動軸の面圧と相関する指標値(エンジン回転数等から算出したエンジン負荷等)及び潤滑油の粘度と相関する指標値(冷却水温度、オイルポンプの負荷等)から、現境界速度を特定できるという実験結果も得られている。換言すれば、上記現象が、本可変圧縮比エンジン20では、駆動軸が回転しにくくなる(駆動軸に関するゾンマーフェルト数が小さくなる)ことにより生じている。従って上記現象が、回転軸を有する圧縮比変更機構を備えた可変圧縮比エンジンに共通して生ずる現象であることは明らかである。
《第2実施形態》
本発明の第2実施形態に係る圧縮比制御装置は、上記した第1実施形態に係る圧縮比制御装置10を、異なる内容の特殊制御処理を行うように変形したものである。このため、以下では、第1実施形態の圧縮比制御装置10の説明時に用いたものと同じ符号を用いて、第2実施形態に係る圧縮比制御装置10が実行する特殊制御処理の内容のみを説明することにする。
第2実施形態に係る圧縮比制御装置10が実行する特殊制御処理は、圧縮比が図8に示したように変化するように、圧縮比変更機構(モータ41)を制御する処理である。
すなわち、本実施形態に係る圧縮比制御装置10が実行する特殊制御処理は、「実圧縮比が、“要求速度で変化させた場合の圧縮比−ΔR”と一致するまでの間、モータ41を最高速度で圧縮比が下降する方向に回転させた後、実圧縮比が、要求速度で変化させた場合の圧縮比と一致するまで、モータ41を最高速度で圧縮比が上昇する方向に回転させる処理」を繰り返す処理となっている。
この特殊制御処理は、第1実施形態に係る圧縮比制御装置10が実行する特殊制御処理(図6参照)よりも、駆動軸が完全停止する時間が短いもの(その実行中に、駆動軸が回転しつづけるもの)となっている。そして、駆動軸のような回転軸は、停止してから或る程度の時間が経過すると回転を開始させることが困難になる場合があるものである。このため、本実施形態に係る圧縮比制御装置10は、第1実施形態に係る圧縮比制御装置10よりも、圧縮比を制御できない状況になりにくい装置となっていると言うことが出来る。
《変形形態》
上記した第1、第2実施形態に係る圧縮比制御装置10は、各種の変形を行うことが出来る。たとえば、各実施形態に係る圧縮比制御装置10を、現境界速度が固定されている装置(現境界速度として、比較的に速い速度が設定されている装置)に変形しておくことが出来る。ただし、境界速度(現境界速度)は、可変圧縮比エンジン20の動作状況によって変わる速度(図7参照)である。従って、そのように変形した圧縮比制御装置10に可変圧縮比エンジン20を制御させると、特殊制御処理よりも操縦者の指示に則した内容の処理である通常制御処理で対処可能であるにも拘わらず特殊制御処理が行われてしまう場合があることになる。このため、各実施形態に係る圧縮比制御装置10をPmaxと油温から現境界速度を特定する装置としておく必要がある訳ではないが、各実施形態に係る圧縮比制御装置10を変形するに際しては、可変圧縮比エンジン20の動作状況に関するなんらかの情報(エンジン負荷と冷却水温度等)に基づき現境界速度が特定されるようにしておくことが望ましい。
また、特殊制御処理は、圧縮比の平均上昇速度が要求速度相当の速度(要求速度を基準とした所定範囲内の速度)となるように、かつ、圧縮比が現境界速度未満の速度で上昇することがないように圧縮比変更機構を制御するものでありさえすればよい。従って、第1実施形態に係る圧縮比制御装置10を、「一定時間、モータ41を停止させた後、実圧縮比が、要求速度で変化させた場合の圧縮比と一致するまで現境界速度以上の速度で上昇するように、モータ41を一定回転数で回転させる処理」を繰り返す特殊制御処理を行う装置に変形することが出来る。また、圧縮比を下げることは速度によらず可能なことであるので、第2実施形態に係る圧縮比制御装置10を、圧縮比の下降速度と上昇速度(≧現境界速度)が異なる特殊制御処理を行う装置に変形することも出来る。
また、第1実施形態に係る圧縮比制御装置10を、「要求速度で変化させた場合の圧縮比(以下、目標圧縮比と表記する)と実圧縮比との差が、目標圧縮比・(1未満の比例係数)と一致するまで、モータ41を停止させた後、実圧縮比が、目標圧縮比と一致するまで、モータ41を、圧縮比が現境界速度以上の速度で変化する回転数(角速度)で回転させる処理」を繰り返す特殊制御処理を行う装置に変形することも出来る。さらに、第2実施形態に係る圧縮比制御装置10を、「要求速度で変化させた場合の圧縮比(以下、目標圧縮比と表記する)と実圧縮比との差が、目標圧縮比・(1未満の比例係数)と一致するまで、モータ41を圧縮比が下降する方向に回転させた後、実圧縮比が、目標圧縮比と一致するまで、モータ41を、圧縮比が現境界速度以上の速度で変化する回転数(角速度)で、圧縮比が上昇する方向に回転させる処理」を繰り返す特殊制御処理を行う装置に変形することも出来る。
本発明の第1実施形態に係る圧縮比制御装置の使用形態の説明図である。 第1実施形態に係る圧縮比制御装置が制御する可変圧縮比エンジンの分解図である。 第1実施形態に係る圧縮比制御装置が制御する可変圧縮比エンジンの要部構成図である。 第1実施形態に係る圧縮比制御装置が周期的に実行する制御内容変更処理の流れ図である。 第1実施形態に係る圧縮比制御装置の通常時における圧縮比制御内容の説明図である。 第1実施形態に係る圧縮比制御装置の特殊制御処理時における圧縮比制御内容の説明図である。 境界速度と、Pmax及び油温との対応関係を示した図である。 本発明の第2実施形態に係る圧縮比制御装置が実行する特殊制御処理の内容の説明図である。
符号の説明
10・・・圧縮比制御装置
15・・・アクセルベダルセンサ
20・・・可変圧縮比エンジン
21・・・シリンダブロック
22・・・クランクケース
23・・・フリー軸ハウジング
30・・・偏心軸アッセンブリ
31・・・軸部
32・・・ウォームホイール
33・・・フリー軸
34・・・ジャーナル
41・・・モータ
42・・・ウォーム

Claims (7)

  1. 圧縮比の変更時に回転する、潤滑油により潤滑されている回転軸を有する圧縮比変更機構を備えた可変圧縮比エンジンの圧縮比を制御するための圧縮比制御装置であって、
    操縦者からの指示に基づき、それと同じ速度で前記可変圧縮比エンジンの圧縮比を変更することにより当該指示に応じた効率的な状態で前記可変圧縮比エンジンが機能することになる圧縮比の変更速度である要求速度を特定する要求速度特定手段と、
    前記要求速度特定手段により前記可変圧縮比エンジンの圧縮比を上昇させるべき要求速度が特定されたときに、当該要求速度が、前記圧縮比変更機構の前記回転軸を一定角速度で回転させることにより達成できる、前記可変圧縮比エンジンの圧縮比の上昇速度の下限値である境界速度以上であるか否かを判断する判断手段と、
    前記判断手段により前記要求速度が前記境界速度未満であると判断された場合に、前記可変圧縮比エンジンの圧縮比が前記境界速度未満の速度で上昇することがないように、かつ、前記可変圧縮比エンジンの圧縮比の平均的な上昇速度が前記要求速度を基準とした所定範囲内の速度となるように前記圧縮比変更機構を制御する制御処理を開始する制御手段と
    を備えることを特徴とする圧縮比制御装置。
  2. 前記制御手段が実行する前記制御処理が、
    前記可変圧縮比エンジンの圧縮比が前記境界速度以上の速度で間欠的に上昇するように前記圧縮比変更機構を制御する処理である
    ことを特徴とする請求項1記載の圧縮比制御装置。
  3. 前記制御手段が実行する前記制御処理が、
    前記要求速度で前記可変圧縮比エンジンの圧縮比を変化させ続けた場合における圧縮比と前記可変圧縮比エンジンの実際の圧縮比とから算出される、両圧縮比の違いを示す指標値が所定値となるまで、前記可変圧縮比エンジンの圧縮比が一定値に維持された後、前記可変圧縮比エンジンの圧縮比が上昇するように、前記圧縮比変更機構を制御する処理である
    ことを特徴とする請求項2記載の圧縮比制御装置。
  4. 前記制御手段が実行する前記制御処理が、
    前記可変圧縮比エンジンの圧縮比が前記境界速度以上の速度で上昇するように前記圧縮比変更機構を制御する第1処理と、前記可変圧縮比エンジンの圧縮比が下降するように前記圧縮比変更機構を制御する第2処理とを繰り返す処理である
    ことを特徴とする請求項1記載の圧縮比制御装置。
  5. 前記制御手段が実行する前記制御処理が、
    前記要求速度で前記可変圧縮比エンジンの圧縮比を変化させ続けた場合における圧縮比と前記可変圧縮比エンジンの実際の圧縮比とから算出される、両圧縮比の違いを示す指標値が所定値となるまで前記第2処理が行われた後に前記第1処理が開始される処理である
    ことを特徴とする請求項4記載の圧縮比制御装置。
  6. 前記可変圧縮比エンジンの動作状況に関する情報から前記判断手段及び前記制御手段が利用する境界速度を算出する境界速度算出手段を、さらに備える
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の圧縮比制御装置。
  7. 圧縮比の変更時に回転する、潤滑油により潤滑されている回転軸を有する圧縮比変更機構を備えた可変圧縮比エンジンの圧縮比を制御するための圧縮比制御方法であって、
    操縦者からの指示に基づき、それと同じ速度で前記可変圧縮比エンジンの圧縮比を変更することにより当該指示に応じた効率的な状態で前記可変圧縮比エンジンが機能することになる速度である要求速度を特定する要求速度特定ステップと、
    前記可変圧縮比エンジンの圧縮比が前記境界速度未満の速度で上昇することがないように、かつ、前記可変圧縮比エンジンの圧縮比の平均的な上昇速度が前記要求速度を基準とした所定範囲内の速度となるように前記圧縮比変更機構を制御する制御ステップと、
    前記要求速度特定ステップにより前記可変圧縮比エンジンの圧縮比を上昇させるべき要求速度が特定されたときに、前記要求速度が、前記圧縮比変更機構の前記回転軸を一定角速度で回転させることにより達成できる、前記可変圧縮比エンジンの圧縮比の上昇速度の下限値である境界速度以上であるか否かを判断し、前記要求速度が前記境界速度未満であった場合に、前記制御ステップの動作を開始させる判断ステップと
    を含むことを特徴とする圧縮比制御方法。
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