JP4760453B2 - レシプロ式エンジン - Google Patents

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Description

本発明はレシプロ式のエンジン(内燃機関)、特にレシプロ式エンジンの出力性能を改善するものに関する。
複リンク型のピストンクランク機構を備えるレシプロ式エンジンが提案されている(特許文献1参照)。単リンク型のピストンクランク機構と異なり、この複リンク型のピストンクランク機構では、ピストンとクランクシャフトとが第1のリンク、第2のリンクの2つのリンクを介して連結され、さらに第2のリンクには、その挙動を制約する第3のリンクが連結され、第3のリンクはさらに、偏心カム部を有するコントロールシャフトによって、その回転(揺動)中心が変えられるようになっている。
特開2001−227367公報。
ところで、上記複リンク型ピストンクランク機構の本来の機能は、上記コントロールシャフトの角度位置制御により、ピストンの上死点位置を変え得る点にあり、いわゆる可変圧縮比機構としての機能を発揮するものである。
ここでは上記公知になっている、複リンク型のピストンクランク機構を備えるレシプロ式エンジンを用いて、ピストン上死点位置でのピストン冠面とクランクシャフトの回転中心との間の上下方向距離を変えることなく、ピストンストローク(エンジンの排気量)を拡大できるか否かについて、新たに検討したところを述べる。
まず、図12は公知になっているレシプロ式エンジンの概略構成図で、図13にはこの先行エンジンのクランクシャフト一回転における挙動を示している。ここでの着目点は、カウンターウェイト4bの通過する領域と各ジョイント(継手)との位置関係である。
この場合、第1のリンク6と第2のリンク5の連結ピン7部及び第2のリンク5と第3のリンク11の連結ピン12部の2つの連結ピン部(2つのジョイント)はカウンターウェイト4bとの干渉を避ける形で設計されている。一方、ピストンピン8部(ジョイント)は、図13最右側に示すピストン9の下死点位置においても、カウンターウェイト4bと干渉しないように、余裕代が与えられている。
この場合に、ピストン9のストロークを下方に拡大するには、図2右側の2つの図に示したように、ピストン9の下死点位置が、図2左側の2つの図に示す単リンク型のピストンクランク機構を備えるレシプロ式エンジン(このレシプロ式エンジンを、以下「標準エンジン」という。)用のピストンの場合よりも下方にくるように、つまりピストン9のスカート部にエンジンの左右方向(図2右側の左の図では左右方向)からみて左右の切り欠き部9c、9dを設け、ピストン下死点近傍の位置において、カウンターウェイト4bがこの切り欠き部9c、9dを通過するようにコンパクトな設計とすることが必要である。
図3に示すのはこのような狙いで設計されたピストン9の構造を示し、ピストン9のスカート長さh2及びピストンピン孔9jの長さが標準エンジン用のピストンに比べて大幅に短縮しており、ピストン9の軸心部に挿通される第1のリンク6の孔9pの幅も狭くなっている。
このようにピストン9を新たに構成すれば、図4に示したように、カウンターウェイト4bをピストンピン8の側方を通過させることができるため、第1のリンク6を最小限の長さとして、ピストン9の下死点位置をクランクシャフト2に最も接近させることで、その分のピストンストロークの下方への拡大が可能となる(図2右側の2つの図参照)。これにはピストン9もコンパクトにすることが必要となる。
さて、このような手法でピストンストロークを下方へと拡大してゆくと、ピストン9の下死点位置がどんどん下がり、シリンダ10もそれに合わせて下方に延長することが必要になる。特に、複リンク型のピストンクランク機構では、下死点近傍位置でのピストン9の慣性力に起因するスラスト力の発生が避けられないため、ピストンストロークの拡大に合わせてシリンダ10を下方に延長することが不可欠となる。ここで、シリンダのうち、ピストン9が上死点位置か下死点位置でピストン9の慣性力に起因して運動の方向が変わるとき、ピストン9が叩きつけられる側のことをスラスト側といい、ピストン9よりシリンダ10に作用するスラスト側の力が上記のスラスト力である。
しかしながら、ここで問題が発生する。すなわち、シリンダ10を下方に延長すると、その延長したシリンダ10がカウンターウェイト4bに干渉してくる。このため、カウンターウェイト4bと干渉するシリンダ部分は削除することが必要になる。一方、複リンク型のピストンクランク機構そのものもシリンダ10との干渉が生じ易くなるため、せっかくシリンダ10を下方に延長しても、カウンターウェイト4bと干渉するシリンダ部分の削除によって、スラスト力を受ける能力が減少してしまう。これは、スラスト力を受けるシリンダ部分がカウンターウェイト4bと干渉するために削除しなければならないとしたら、スラスト力を受けるシリンダ部分が存在しないこととなり、スラスト力を受けられなくなってしまうためである。
従って、シリンダを下方に延長する際には、カウンターウェイトと干渉する部分は削除しなければならず、その一方でスラスト力を受けるシリンダ部分は存在していなければならないこととなる。
そこで本発明は、同一エンジンサイズのままでも、複リンク型のピストンクランク機構の特徴を活かしつつ、ピストンストロークを下方に拡大し得るレシプロ式エンジンを提供することを目的とし、その際、カウンターウェイトと干渉する部分は削除しなければならず、その一方でスラスト力を受けるシリンダ部分は存在していなければならないという、相反する2つの要求を満足するようにしている。
本発明は、シリンダ(10)内を往復動するピストン(9)を有するレシプロ式エンジンにおいて、前記ピストン(9)を複数のリンク部材(6、5、11)を介してクランクシャフト(2)により駆動する一方、前記シリンダ(10)の軸線(S)は、前記クランクシャフト(2)の回転中心(O)より、エンジンをフロントから見て左右方向へのオフセットを有すると共に、前記ピストン(9)の下死点近傍位置において、ピストン(9)の慣性力に起因するスラスト力が、2つあるスラスト側のうち前記クランクシャフト(2)の回転中心(O)より遠い側のシリンダ(10a)に作用するようにし、かつ2つあるスラスト側のうちクランクシャフトの回転中心(O)より遠い側のシリンダ(10a)の下端は、2つあるスラスト側のうちクランクシャフトの回転中心(O)より近い側のシリンダ(10b)の下端よりも下方に延長され、クランクシャフトの回転中心(O)より近い側のシリンダ(10b)の下端をクランクシャフトの回転中心(O)より遠い側のシリンダ(10a)の下端と同じ位置まで延長した場合、クランクシャフトの回転中心(O)より近い側のシリンダ(10b)の下端はカウンターウェイト(4b)と干渉する関係にある
標準エンジンでは、いわゆるピストンの首振りによってピストンとシリンダ壁とが接触する(つまりスラスト力が生じる)。そこでピストン下方に所定長さのスカート部を設けてシリンダ壁との接触面積を大きくし、面圧を低下させることで、ピストンがシリンダ壁と接触しても(つまりスラスト力がシリンダに作用しても)スムーズに摺動できるようにしていた。
これに対して、本発明によれば、ピストン(9)を複数のリンク部材(6、5、11)を介してクランクシャフト(2)により駆動するので、リンク(第1のリンク6)の傾きを標準エンジンのコンロッドの傾きに比べて小さくできることから、スラスト力が小さくなり、スカート長さを小さくできる。
一方、ピストン(9)の下方へのロングストローク化を実現するためには、シリンダ(10)とカウンターウェイト(4b)との干渉及び下死点近傍位置でのカウンターウェイト(4b)とピストンスカート部(9b)の干渉が問題となる。
この場合に、上記のようにピストン(9)を複数のリンク部材(6、5、11)を介してクランクシャフト(2)により駆動することでスカート長さを小さくでき、さらに、本発明によれば、ピストン(9)の摺動するシリンダ軸線(S)が、クランクシャフト(2)の回転中心(O)より、エンジンをフロントから見て左右方向へのオフセットを有すると共に、ピストン(9)の下死点近傍位置において、スラスト力が2つあるスラスト側のうち片側のシリンダだけに作用するように、つまりピストン(9)の慣性力に起因するスラスト力が、2つあるスラスト側のうちクランクシャフト(2)の回転中心(O)より遠い側のシリンダ(10a)に作用するようにしたので、2つあるスラスト側のうちクランクシャフトの回転中心より遠い側のシリンダ(10a)の下方だけだけにシリンダ壁があればよい。
従って、2つあるスラスト側のうちスラスト力が作用しない反対側のシリンダ(10b)壁をカウンターウェイト(4b)と干渉しないように削り、かつ2つあるスラスト側のうちスラスト力が作用する側のシリンダ(10a)壁を下方へと伸ばすことで、ピストン(9)のロングストローク化が可能となった。
このように、本発明のレシプロ式エンジンによれば、標準エンジンと同じサイズであっても、ピストンストロークを下方に拡大できることから、低回転速度域でのトルクが、ピストンストロークの拡大分に比例する排気量拡大分だけ向上すると共に、ピストンストローク拡大による燃焼室のS/V比(特にピストン上死点位置における)が低下し、冷却損失が排気量拡大に伴って増加するのを最小限に抑えることが可能となり、燃費の悪化を抑制できる。また、後述する単振動に近いピストンストローク特性により、ピストンストロークの拡大(増大)に伴うエンジン振動の悪化を抑制することもできる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は複リンク型のピストンクランク機構を備えるレシプロ式エンジンの概略構成図である。図1はエンジンをフロントからみた図(エンジンフロントビュー)で、図1左側にはピストン9が上死点位置より下死点位置へと動く途中での状態(中間行程)を、また、図1右側にはピストン9が下死点位置にある状態をそれぞれ示している。
複リンク型のピストンクランク機構を備えるレシプロ式エンジンそのものは、例えば特開2001−227367号公報等によって公知となっているので、公知になっている複リンク型ピストンクランク機構を備えるレシプロ式エンジン(この公知になっているレシプロ式エンジンを、以下「先行エンジン」という。)の概要を先に説明する。
なお、先行エンジンは図12に示したように、シリンダ軸線Sがクランクシャフト2の回転中心Oより、エンジンをフロントから見て左右方向にオフセットしていないものであるのに対して、後述するように、本実施形態ではシリンダ軸線Sがクランクシャフト2の回転中心Oより、エンジンをフロントから見て右方向のオフセットを有すると共に、ピストン9の下死点近傍位置において、スラスト力が、2つあるスラスト側のうちクランクシャフト2の回転中心Oより遠い側のシリンダ10aに作用するようにしている点が先行エンジンと相違する。
図1において、クランクシャフト2には、エンジン本体の一部を構成するシリンダブロック1内の主軸受(図示しない)に回転可能に支持されるクランクジャーナル3が各気筒毎に設けられている。各クランクジャーナル3は、その軸心Oがクランクシャフト2の軸心(回転中心)と一致しており、クランクシャフト2の回転軸部を構成している。
また、クランクシャフト2は、軸心Oから偏心して各気筒毎に設けられたクランクピン4と、クランクピン4をクランクジャーナル3へ連結するクランクアーム4aと、軸心Oに対してクランクピン4と反対側に配置され、主としてピストン運動の回転1次振動成分を低減するカウンターウェイト4bとを有している。クランクアーム4aとカウンターウェイト4bとは、この実施形態では一体的に形成されている。
そして本実施形態では、各気筒毎に形成されたシリンダ10に摺動可能に嵌合するピストン9と、上記のクランクピン4とが、複数のリンク部材、すなわち第1のリンク6(アッパーリンク)と第2のリンク5(ロアーリンク)とにより機械的に連携されている。第1のリンク6の上端側は、ピストン9に固定的に設けられたピストンピン8(第1のピン)に、軸心Oc周りに相対回転可能に外嵌している。また、第1のリンク6の下端側と第2のリンク5の、ほぼ二等分された一方の本体5aとは、両者を挿通する連結ピン7(第2のピン)によって、軸心Od周りに相対回転可能に連結されている。
第2のリンク5は、クランクピン4を狭持するように、2つの本体5a、5bを取付けて構成されており、この狭持部分でクランクピン4と軸心Oe周りに相対回転可能に装着されている。ほぼ2等分された他方の第2のリンク本体5bと第3のリンク11の上端側とは、両者を挿通する連結ピン12(第3のピン)によって軸心Of周りに相対回転可能に連結されている。
この第3のリンク11の下端側は、シリンダブロック1に回動可能に支持される偏心カム部14を有するコントロールシャフト13に、その軸心Ob周りに揺動可能に外嵌,支持されている。すなわち、コントロールシャフト13の外周には偏心カム部14が回転可能に設けられており、偏心カム部14の軸心Oaは、コントロールシャフト13の軸心Obに対して所定量偏心している。この偏心カム部14は、ウォームギア15を介して圧縮比制御アクチュエータ16によって、機関の運転状態に応じて回動制御されるとともに、任意の回動位置で保持されるようになっている。
このような構成により、クランクシャフト2の回転に伴って、クランクピン4,第2のリンク5,第1のリンク6及びピストンピン8を介してピストン9がシリンダ10内を昇降するとともに、第2のリンク5に連結する第3のリンク11が、下端側の揺動軸心Obを支点として揺動する。
また、上記の圧縮比制御アクチュエータ16により偏心カム部14を回動制御することにより、第3のリンク11の揺動軸心となるコントロールシャフト13の軸心Obが偏心カム部14の軸心Oa周りに回転し、つまり第3のリンク11の揺動中心位置Obがエンジン本体(及びクランクシャフト回転中心O)に対して移動する。これにより、ピストン9の行程が変化して、エンジンの各気筒の圧縮比が可変制御される。
このようにピストン9を複数のリンク部材を介してクランクシャフト2により駆動する複リンク型のピストンクランク機構を備えるレシプロ式エンジン、つまり先行エンジンを前提として、本実施形態では、シリンダ軸線Sをクランクシャフト2の回転中心Oより、エンジンをフロントから見て左右方向に所定量オフセットする。オフセットの方向はエンジンをフロント側から見てクランクシャフト2の回転方向が時計回りの場合に、右方向である。
また、このとき、ピストン9下死点位置近傍においてピストン9の慣性力に起因するスラスト力が、2つあるスラスト側のうちクランクシャフト2から遠い側(図1で右側)のシリンダ10aに作用するようにする。
図1においてカウンターウェイト4bの最外径の軌跡(クランクシャフト2の回転中心Oを中心とする円となる)をTで書き入れている。2つあるスラスト側のうちクランクシャフト2の回転中心Oより近い側(図1で左側)のシリンダ10bの下端まで、2つあるスラスト側のうちクランクシャフト2の回転中心Oより遠い側(図1で右側)のシリンダ10aの下端と同じに下方に延長したのでは、近い側のシリンダ10bがカウンターウェイト4bと干渉してしまうので、2つあるスラスト側のうちクランクシャフト2の回転中心Oより近い側のシリンダ10bの下端10dは、2つあるスラスト側のうちクランクシャフト2の回転中心Oより遠い側のシリンダ10aの下端10cよりも下方に短く設定されている。言い換えると、シリンダ10のスラスト側の2つの下端は同じ位置にはなく、2つあるスラスト側のうちクランクシャフト2の回転中心より遠い側のシリンダ10aの下端10cが、2つあるスラスト側のうちクランクシャフト2の回転中心より近い側のシリンダ10bの下端10dに比べて、下方に延長されている。
このように、2つあるスラスト側のうちクランクシャフト2の回転中心Oより遠い側のシリンダ10aの下端10cが、クランクシャフト2の回転中心Oより近い側のシリンダ10bの下端10dよりも下方に延長されていると、クランクシャフト2の回転中心Oより遠い側のシリンダ10aにおける下死点近傍位置でのピストン摺動面が、クランクシャフト2の回転中心Oより近い側のシリンダ10bにおける下死点近傍位置でのピストン摺動面より大きくなる。
また、図2右側の2つの図に示したように、ピストン上死点位置でのピストン冠面9mとクランクシャフト2の回転中心Oとの間の上下方向距離を変えることなく、図2左側の2つの図に示す標準エンジンよりもピストン下死点位置を下げようとすれば、ピストン下死点近傍位置において、ピストン9のスカート部がカウンターウェイト4bと干渉してしまうので、この干渉を避けるためピストン9のスカート部を次のように形成する。
これについて、図3を参照して説明すると、図3(A)はエンジンをフロントから見て、ピストンピン孔9jの軸に直交する平面で切ったときのピストン9の縦断面図、図3(B)はエンジンを右方向(または左方向)からみて、ピストンピン孔9jの軸を含む平面で切ったときのピストン9の縦断面図、図3(C)はピストン9の一部を切り欠いて示す斜視図である。
図3(A)に示したように、圧縮高さh1は標準エンジンと同様であるが、スカート長さh2は標準エンジンより短くされ、背丈の低いピストン9になっている。このように背丈の低いピストン9にできるのは、本実施形態のレシプロ式エンジンでは標準エンジンよりスラスト力が小さいためにそのぶんスカート長さh2を標準エンジンよりも短くできることによる。
一方、図3(B)に示したように、リングランド部9aの下方に設けられるスカート部9bのうち、エンジンの前後方向の両側には、カウンターウェイト4bとの干渉を避けるため、切り欠き部9c、9dが形成される。すなわち、リングランド部9aのすぐ下方の外周からピストン軸(シリンダ軸線)に直交する平面9e、9fが、中央部に所定の幅だけ残してエンジンの前後方向の両側(図3(B)で左右の両側)に形成されると共に、左側の平面9eに直交する平面9gが下方に向けて、また右側の平面9fに直交する平面9hが下方に向けて、かつ2つの平面9g、9hがピストン軸より左右に同じ距離だけ離れた互いに平行な2平面となるように形成されている。
そして、下方に延びる2つの平面9g、9hは底面9iと滑らかにつながっている。このようにして、直交する2平面9e、9gと、同じく直交する2平面9f、9hとでスカート部9bのエンジン前後方向の両側に切り欠き部9c、9dが形成されている。
ピストン軸より左右に同じ距離だけ離れた互いに平行な2平面9g、9hには、この2平面9g、9hをエンジンの前後方向(図3(B)で左右方向)に貫通するピストンピン孔9jが穿設されるが、このピストンピン孔9jの長さは、スカート部9bに切り欠き部9c、9dを設けた分だけ標準エンジンよりも短くなっている(図2参照)。
なお、スカート部9bのうちエンジンをフロントから見て左右方向の側の外周は、図3(A)にも示したように、リングランド部9aの外周をそのまま下方に延長したものとなっている。また、ピストン冠面9mには、図3(C)にも示したように標準エンジンと同じにピストンキャビティ9nやバルブリセス9oが設けられている。さらにピストンの軸心部には第1のリンク6の挿通される孔9pも形成されている。
このようにして、ピストン9が形成されると、図4にも示したように、ピストン9が下死点近傍位置にあるとき、ピストンスカート部9bのうちエンジン前後方向の両側に設けられた切り欠き部9c、9d(空間)をカウンターウェイト4bが衝突することなく通過することになり、ピストン9が下死点近傍位置にあるときの、ピストンスカート部9bとカウンターウェイト4bとの干渉が避けられる。なお、図4ではピストンスカート部9bの左側にしかカウンターウェイト4bを示していないが、実際には図2右側の左の図に示したように、ピストンスカート部9bの両側をカウンターウェイト4bが通過することとなる。
ここで、複リンク型のピストンクランク機構の機能によって背丈の低いピストン(図では「超低背ピストン」で表記。)が成立する原理を図5にまとめておくと、燃焼室内圧力が最大値Pmaxを採る付近で第1のリンク6が直立姿勢を維持できることから、ピストン9の挙動が安定し、スカート部9bに作用する荷重を低減することができ、スカート長さh2の短縮化(スカートレス化)を実現できる。一方、ピストン9が後述する図9のように単振動に近いストロークを行うので、最大慣性力が30%も減少するため、クランクピン8長さ(ピンボス幅)を小さくできる。これら2つにより背丈の低いピストンが可能となる。
次に、〈1〉シリンダ軸線Sをオフセットさせた効果、〈2〉シリンダ軸線Sのオフセット方向の選定について図6〜図9を参照しながら補足説明を行う。ただし、図1と相違して図6、図7はエンジンをリアからみた図(エンジンリアビュー)であるため、図6、図7と図1とでは左右が互いに逆の関係になる。
まず、〈1〉のオフセットの効果を図6を用いて説明する。図6はエンジンをリアからみた図であるため、図6はエンジンをフロントから見て、シリンダ軸線Sが左方向にオフセットしている場合を示している。
図6において、上段にはエンジンをフロントから見て、シリンダ軸線Sの左方向へのオフセット(図では「Lオフセット」と表記)を小さくすると共に、ピストンストロークの拡大率(増大率)が120%となるようした場合の、これに対して下段には同じくエンジンをフロントから見て、シリンダ軸線Sの左方向へのオフセットを大きくすると共に、ピストンストロークの拡大率が140%となるようにした場合のそれぞれのリンク(6、5、11)の姿勢の変化を示す。そして、左右と中央に合計3つあるリンク姿勢のうち、左側にはピストン上死点位置での、中央にはピストン上死点と下死点の中間位置での、右側にはピストン下死点位置でのリンク姿勢をそれぞれ示している。
なお、図6において原点にはクランクシャフト2の回転中心Oを採っており、従って、原点を中心として描かれた円はカウンターウェイト4bの最外径の軌跡Tを表している。また、縦の2本の太実線はシリンダ10で、このうち左側の線が2つあるスラスト側のうちクランクシャフト2の回転中心より近い側のシリンダ10aを、右側の線が2つあるスラスト側のうちクランクシャフト2の回転中心より遠い側のシリンダ10bを表している。
ここで、ピストンストロークの拡大率がそれぞれ120%、140%であるとは、図2にも示したように同一エンジンサイズのまま、つまりピストン上死点位置でのピストン冠面9mとクランクシャフト2の回転中心Oとの間の上下方向距離を変えることなく、ピストンストロークを下方に拡大した、図2右側の2つの図に示した複リンク型のピストンクランク機構を備える本実施形態のレシプロ式エンジンを構成することを考える場合に、標準エンジンのピストンストロークを100%としたとき、本実施形態におけるピストンストロークがそれぞれ120%、140%であることをいう。ここで、ピストンストロークが20%、40%拡大すれば、エンジンの排気量もこれに比例して20%、40%拡大する。
さて、図6上段に示す左方向オフセットが小さい状態でピストンストロークの拡大率を120%とした場合、図6上段右側に示すピストン下死点位置で2つあるスラスト側のうちエンジンをフロントから見て右側(図6では逆の左側)のシリンダ10aに既にカウンターウェイト4bの軌跡Tが干渉している。従って、左方向オフセットが小さい状態でピストンストロークをこれ以上下方へと拡大するのは困難となる。
ここで、上記のスラスト側とは、ピストン9が上死点か下死点で運動の方向が変わるとき、ピストン9が叩きつけられる側のことで、2つある。言い換えると、エンジンをフロントから見て左右のいずれの側もスラスト側である。従って、図6ではシリンダ10の左右のいずれの側もスラスト側である。
これに対して、図6下段に示したように、左方向オフセットを大きくすると共にピストンストロークの拡大率が140%となるようにすると、特にピストン下死点近傍位置で、エンジンをフロントから見て左側(図6では逆の右側)のシリンダ10bにスラスト力が作用し易くなる。この場合、カウンターウェイト4bの最外径もその分拡大している(軌跡Tの半径が大きくなっている)にも拘わらず、エンジンをフロントから見て左側(図6では逆の右側)のシリンダ10bとの干渉が余裕を持って回避できている(図6下段右側参照)。
スラスト力の作用する方向が、左方向オフセットが小さい場合にエンジンをフロントから見て右側(図6では逆の左側)のシリンダ10aとなり、この逆に左方向オフセットが大きい場合にエンジンをフロントから見て左側(図6では逆の右側)のシリンダ10bになるのは、第1のリンク6の傾きが反対になることによる。つまり、図6上段右側のように第1のリンク6がシリンダ10aに向けて傾いていれば、スラスト力はシリンダ10aに作用し、この逆に図6下段右側のように第1のリンク6がシリンダ10bに向けて傾いていれば、スラスト力はシリンダ10bに作用する。
なお、左方向オフセットが大きい場合でも、図6下段右側に示したようにエンジンをフロントから見て右側(図6では逆の左側)のシリンダ10aとは干渉している。ただし、この側のシリンダ10aにはスラスト力が作用しないから、干渉する部分のシリンダ10aを削ることによって干渉を避けることができる。
オフセットが大きいか小さいかの判断基準は次の通りである。すなわち、ピストン下死点位置において、シリンダ軸線Sを基準として連結ピン7部(第1のリンク6と第2のリンク5とのジョイント)の位置がクランクシャフト2の回転中心Oのある側にある場合がオフセットが大きい場合であり、この逆に、シリンダ軸線Sを基準として連結ピン7部の位置がクランクシャフト2の回転中心Oのある側と反対側にある場合がオフセットが小さい場合である。
図6下段に示す左方向オフセット量のまま、ピストンストロークを下方にさらに増やそうとすると、ピストン下死点位置での連結ピン7部の位置がさらにクランクシャフト2の回転中心Oのある側と反対側(図6では右側)に出ることになるので、ピストンストロークを下方にさらに増やすときには図6下段に示す状態よりも左方向オフセット量を増やす必要がある。つまり、スラスト力をピストン下死点位置において2つあるスラスト側のうち所望の一方の側にのみ作用させつつピストンストローク量を増やすには、ピストンストローク量に比例して左方向オフセット量も増やす必要がある。
なお、これと関連して次のことがいえる。すなわち、左方向オフセットが小さく、ピストンストロークの拡大率が120%である場合に、図6上段右側に示したようにスラスト力が、2つあるスラスト側のうちエンジンをフロントから見て右側(図6では逆の左側)のシリンダ10aに作用しているが、左方向オフセットが小さい場合であっても、ピストンストロークの拡大率が120%よりも小さければ(具体的な数値は不明)、スラスト力が、2つあるスラスト側のうちエンジンをフロントから見て左側(図6では逆の右側)のシリンダ10bに作用する事態が考え得る。つまり、左方向オフセット量だけで左方向オフセットの大小が決まるとは必ずしもいえないのである。
ここで、上記のスラスト力とは、ピストン9よりシリンダ10に作用するスラスト側の力のことである。
次に、上記〈2〉のシリンダ軸線Sのオフセット方向の選定、つまりシリンダ軸線Sのオフセット方向は2つあるスラスト側のうちどちら側を選定したらよいのかについて図7を用いて説明する。
図7も図6と同じにエンジンをリアから見た図(エンジンリアリアビュー)である。従って、図7上段はエンジンをフロントから見て、シリンダ軸線Sのオフセット方向を右方向(図では「Rオフセット」と表記)(図7では逆の左方向)とした場合、図7下段はエンジンをフロントから見て、シリンダ軸線Sのオフセット方向を左方向(図7では逆の右方向)とした場合である。このように、シリンダ軸線Sのオフセット方向が逆になると、2つあるスラスト側のうちクランクシャフト2の回転中心Oより遠い側のシリンダと近い側のシリンダとが逆転する。つまり、図7下段に示す左方向オフセットの場合には、シリンダ10aのほうがクランクシャフト2の回転中心Oより近い側、シリンダ10bのほうがクランクシャフト2の回転中心Oより遠い側であるのに対して、図7上段に示す右方向オフセットの場合になると、シリンダ10aのほうがクランクシャフト2の回転中心Oより遠い側、シリンダ10bのほうがクランクシャフト2の回転中心Oより近い側となる。
さて、リンクアライメントの選定にもよるが、図7下段に示す左方向オフセットの場合、第1のリンク6の傾きが、図7下段中央のように行程中央で大きくなる(寝ている)のに対し、図7上段に示す右方向オフセットになると、図7上段中央のように第1のリンク6の傾きが逆に減少している(直立状態に近い)。
さらに、エンジンをフロントから見て、シリンダ軸線Sの右方向オフセットと左方向オフセットとでピストンスラスト荷重率がどのように変わるのかを比較して示したのが図8である。
ここで、図8縦軸のピストンスラスト荷重率がプラスであることは、グラフの右外に示した図において左側のシリンダ10aにスラスト力が作用することを、また縦軸のピストンスラスト荷重率がマイナスであることは同じくグラフの右外に示した図おいて右側のシリンダ10bにスラスト力が作用することを表す。また、TDC(ピストン上死点位置)を示しているのに対してBDC(ピストン下死点位置)を記載していないが、TDC+180度のクランク角度位置がBDCである。
まず図8下段に示す左方向オフセットでは、ピストンスラスト荷重率が、TDCで既に増大傾向(x軸から遠ざかる傾向)にあり、行程中央で極大値をとり、BDC付近では減少傾向(x軸に近づく傾向)にある。このことは、BDCで2つあるスラスト側のうちクランクシャフト2の回転中心Oより遠い側(図8下段では右側)のシリンダ10bへのスラスト力を確保するために、行程中央でのスラスト力が大幅に増えていることを意味している。
これに対して、図8上段に示す右方向オフセットでは、ピストンスラスト荷重率が、TDCで既に減少傾向にあり、行程中央で極小値をとり、BDC付近では増大傾向にある。このことは、右方向オフセットでは、行程中央でのスラスト力が大幅に増えることがないことを表している。すなわち、BDCで2つあるスラスト側のうちクランクシャフト2の回転中心Oより遠い側(図8下段では右側)のシリンダ10bへのスラスト力を確保するために行程中央のスラスト力が増えてしまう、という図8下段に示す左方向オフセットで生じている跳ね返りが、図8上段に示す右方向オフセットによれば基本的に避けられることを意味している。
ここで、上記のピストンスラスト荷重率とは、ピストンに単位荷重を加えたときにスラスト側に作用する荷重のことである。
このように、エンジンをフロントから見て、左方向オフセットとしたのでは、行程中央のスラスト力が増大するためにフリクションが増大するほか、スラスト力の増大に伴ってピストンスカート部への荷重が増大するために、スカート面積(スカート長さ)を狭くする、とする超ロングストロークコンセプトそのものが成立しなくなってしまう。従って、エンジンをフロントから見てクランクシャフト2が時計方向に回転する場合に、シリンダ軸線Sのオフセット方向としては、エンジンをフロントから見て右方向を選択すべきであることがわかる。
また、エンジンをフロントから見て、右方向オフセットと左方向オフセットとでピストンストローク(ピストン行程)がどのように変わるのかを比較して示したのが図9である。比較のため、標準エンジンでのピストンストロークを細実線で示している。ただし、ここでのピストンストロークとは、クランクシャフト2の回転中心Oからピストンピン8までの間の距離のことである。
本実施形態において、シリンダ軸線Sをオフセットした場合、標準エンジンに比べて上下死点の位置(位相)が少しずれているが、左方向オフセットの場合、右方向オフセットの場合のいずれにおいても標準エンジンに比べ、単振動に近いピストンストロークの特性となっている。
ここで、本実施形態の作用効果を説明する。
標準エンジンでは、いわゆるピストンの首振りによってピストンとシリンダ壁とが接触する(つまりスラスト力が生じる)。そこでピストン下方に所定長さのスカート部を設けてシリンダ壁との接触面積を大きくし、面圧を低下させることで、ピストンがシリンダ壁と接触しても(つまりスラスト力がシリンダに作用しても)スムーズに摺動できるようにしていた。
これに対して、本実施形態(請求項1に記載の発明)によれば、ピストン9を複数のリンク部材(6、5、11)を介してクランクシャフト2により駆動するので、リンク(第1のリンク6)の傾きを標準エンジンのコンロッドの傾きに比べて小さくできることから、スラスト力が小さくなり、スカート長さh2を小さくできる(図3(A)を参照)。
一方、ピストン9の下方へのロングストローク化を実現するためには、シリンダ10とカウンターウェイト4bとの干渉及び下死点近傍位置でのカウンターウェイト4bとピストンスカート部9bの干渉が問題となる。
この場合に、上記のようにピストン9を複数のリンク部材(6、5、11)を介してクランクシャフト2により駆動することでスカート長さh2を小さくでき、さらに、本実施形態(請求項1に記載の発明)によれば、ピストン9の摺動するシリンダ10の軸線Sが、クランクシャフト2の回転中心Oより、エンジンをフロントから見て左右方向へのオフセットを有すると共に、ピストン9の下死点近傍位置において、スラスト力が2つあるスラスト側のうち片側のシリンダだけに作用するように、つまりピストン9の慣性力に起因するスラスト力が、2つあるスラスト側のうちクランクシャフトの回転中心(O)より遠い側のシリンダ10aに作用するようにしたので、2つあるスラスト側のうちクランクシャフト2の回転中心Oより遠い側のシリンダ10aの下方だけにシリンダ壁があればよい。
従って、2つあるスラスト側のうちスラスト力が作用しない反対側のシリンダ壁をカウンターウェイト4bと干渉しないように削り、かつ2つあるスラスト側のうちスラスト力が作用する側のシリンダ壁を下方へと伸ばすことで、ピストンのロングストローク化が可能となった。
このように、本実施形態(請求項1に記載の発明)のレシプロ式エンジンによれば、標準エンジンと同じサイズであっても、ピストンストロークを下方に拡大できることから、低回転速度域でのトルクが、ピストンストロークの拡大分に比例する排気量拡大分だけ向上すると共に、ピストンストローク拡大による燃焼室のS/V比(特にピストン上死点位置における)が低下し、冷却損失が排気量拡大に伴って増加するのを最小限に抑えることが可能となり、燃費の悪化を抑制できる。また、単振動に近いピストンストローク特性により、ピストンストロークの拡大(増大)に伴うエンジン振動の悪化を抑制することもできる。
エンジンをフロントから見てクランクシャフト2が時計方向に回転する場合に、シリンダ軸線Sが、エンジンをフロントから見て左方向へのオフセットを有するとき、図8下段に示したように、ピストンスラスト荷重率が、TDCで既に増大傾向(x軸から遠ざかる傾向)にあり、行程中央で極大値をとり、BDC付近では減少傾向(x軸に近づく傾向)にある。このことは、BDCで2つあるスラスト側のうちクランクシャフト2の回転中心Oより遠い側(図8下段では右側)のシリンダ10bへのスラスト力を確保するために、行程中央でのスラスト力が大幅に増えていることを意味しているのであるが、本実施形態(請求項3に記載の発明)によれば、エンジンをフロントから見てクランクシャフト2が時計方向に回転する場合に、シリンダ軸線Sがエンジンをフロントから見て右方向へのオフセットを有するので、図8上段に示したように、ピストンスラスト荷重率が、TDCで既に減少傾向にあり、行程中央で極小値をとり、BDC付近では増大傾向にあることとなる。このことは、右方向オフセットでは、行程中央でのスラスト力が大幅に増えることがないことを表すため、本実施形態(請求項3に記載の発明)によれば、BDCで2つあるスラスト側のうちクランクシャフト2の回転中心Oより遠い側(図8下段では右側)のシリンダ10bへのスラスト力を確保するために行程中央のスラスト力が増えてしまう、という跳ね返りを回避できる。
本実施形態(請求項4に記載の発明)によれば、ピストンスカート部9bに、エンジンを右方向(または左方向)から見て左右の両側に切り欠き部9c、9dを設け、クランクシャフト2のカウンターウェイト4bの最外径が、ピストン下死点近傍位置においてこの切り欠き部9c、9dを通過する構成としたので(図2右側の左の図、図4を参照)、ピストン9が下死点近傍位置にあるときの、ピストンスカート部9bとカウンターウェイト4bとの干渉を避けつつ、標準エンジンよりもピストン下死点位置を下げることができる。
ピストン下死点近傍位置において2つあるスラスト側のうちクランクシャフトの回転中心より遠い側のシリンダ10aにスラスト力が作用するのであるが、これに合わせて本実施形態(請求項5に記載の発明)によれば、2つあるスラスト側のうちクランクシャフト2の回転中心Oより遠い側のシリンダ10aの下端10cが、2つあるスラスト側のうちクランクシャフト2の回転中心Oより近い側のシリンダ10bの下端10dよりも下方に延長されている、つまりピストン下死点近傍位置においてスラスト力が作用する側のシリンダの下端のほうが下方に延長されているので、ピストン下死点近傍位置においてもスラスト力を受ける能力を確保できる。
本実施形態(請求項6に記載の発明)によれば、2つあるスラスト側のうちクランクシャフト2の回転中心Oより遠い側のシリンダ10aにおける下死点近傍位置でのピストン摺動面が、2つあるスラスト側のうちクランクシャフト2の回転中心Oより近い側のシリンダ10bにおける下死点近傍位置でのピストン摺動面より大きいので、ピストン下死点近傍位置においてもクランクシャフト2の回転中心Oより遠い側のシリンダ10aに大きい潤滑面積を確保できる。
本実施形態(請求項7に記載の発明)では、ピストン9の下降工程(膨張行程または吸入行程)において第1のリンク6が図7上段に示したように変化する。すなわち、図7上段において、ピストン上死点位置では左側に示したように第1のリンク6が、2つあるスラスト側のうちクランクシャフト2の回転中心Oより遠い側のシリンダ10aに向けて傾き、ピストン上死点からピストン下死点への中間位置で中央に示したように第1のリンク6が、2つあるスラスト側のうちクランクシャフト2の回転中心Oより近い側のシリンダ10aに向けてわずかに傾き、ピストン下死点位置になると、右側に示したように第1のリンク6が、2つあるスラスト側のうちクランクシャフト2の回転中心Oより遠い側のシリンダ10aに向けて再び傾いており、ピストン9の下降工程全体でみると、第1のリンク6がシリンダ10aへと傾くほうが支配的となっている。
このように、本実施形態(請求項7に記載の発明)によれば、ピストン9の下降行程において第1のリンク6のシリンダ軸線Sに対する傾きであって、クランクシャフト2の回転中心Oより遠い側のシリンダ10aにスラスト力が作用する向きの傾きが支配的となるようにしたので、スラスト力を2つあるスラスト側のうちクランクシャフト2の回転中心Oより遠い側のシリンダ10aへと確実に作用させることができる。
標準エンジンでは、ピストン上死点近傍位置でピストンが相対的に早く動き、下死点近傍位置で相対的にゆっくりと動き、これにより上死点近傍位置と下死点近傍位置とでクランクシャフト2の回転のアンバランスが生じ、これに伴ってクランクシャフト2の振動が大きくなるのであるが、本実施形態(請求項8に記載の発明)によれば、ピストン9のストロークをクランク角度に対して単振動に近い特性としたので(図9を参照)、上死点近傍位置と下死点近傍位置とで発生するクランクシャフト2の回転のアンバランスが解消されることとなり、クランクシャフト2の振動を低減できる。
図10は第2実施形態の概略構成図で、図1に置き換わるものである。
第2実施形態は、第1実施形態のレシプロ式エンジンを、コンプレッサ21aと排気タービン21bとを同軸で連結したターボ過給機21を備えるレシプロ式エンジンに適用したものである。
ただし、レシプロ式エンジンについてはピストンクランク機構の全体を図示していないが、図1と同じである。
ターボ過給機付きレシプロ式エンジンの構成そのものは公知である。これについて簡単に説明すると、吸入空気はコンプレッサ21aにより加圧され、吸気弁27が開いたときに吸気ポート26よりシリンダ10内に入る。シリンダ10内で燃焼したガスは排気弁28が開いたときに排気通路29へと排出され、排気のエネルギーは排気タービン21bによって回収される。コンプレッサ21a下流の吸気通路25には過給圧センサ32が設けられ、この過給圧センサ32により検出される実過給圧が入力されるエンジンコントローラ31では、この実過給圧が目標過給圧を超えたときに排気タービン21bをバイパスする通路41に設けてある排気バイパス弁42を開いて実過給圧が目標過給圧を超えないようにする。
また、エンジン回転速度、エンジン負荷、冷却水温の信号が入力されるエンジンコントローラ31では、エンジンの暖機完了後にエンジン回転速度とエンジン負荷により定まる運転条件に応じた目標圧縮比となるように圧縮比制御アクチュエータ16を制御する。また、ノックセンサ33によりノッキングが検出されるときには、ノッキングを回避するため圧縮比制御アクチュエータ16を介して圧縮比を下げる。
また、エンジンコントローラ31には、過給圧、圧縮比、点火時期を最適に制御するため、過給圧マップ、圧縮比マップ、点火時期マップを有している。
このような公知のターボ過給機付きレシプロ式エンジンを前提として、第2実施形態では、レシプロ式エンジンの構成を図1で示したレシプロ式エンジンの構成としている。
第1実施形態で説明したように、第2実施形態でも、ピストンストロークを下方に拡大しているので、その分冷却損失が減るためにエンジンを高圧縮比にしても熱効率の向上効果が大きくなる。また、同時に冷却損失の低減は排気のエネルギーを増大させるため、ターボ過給機21を有するレシプロ式エンジンにおいては、過給の効率が向上する。例えば、低車速の定常走行から急加速をする場合に、排気エネルギーが高ければ、その分定常走行時のターボ過給機21の回転速度も上がっており、また高負荷に移行した後の排気エネルギーの増大も顕著となる。したがって過給圧の立ち上がりも早くなる。
ピストンストロークの拡大の効果はそれだけではない。図6、図7で前述したようにエンジンのサイズを変えることなく標準エンジンに対して40%以上の排気量の拡大(超ロングストローク化)が可能となる。これは加速時においても顕著な動力性能の改善効果をもたらす。つまりターボ過給機21が効き始める前の、NA(自然吸気)の条件での出力がその分増える効果である。排気量が増えていれば、その分過給圧の立ち上がりも早くなる。
ただし、ロングストロークには高回転速度時の出力が伸びないという本質的な欠点がある。これはシリンダ10のボア径と吸排気弁27、28のサイズが標準エンジンのままであるため、NAでは吸気弁27での吸気流速が早期に音速に達するためである。
このような出力限界に対しては、ターボ過給機21との組み合わせが効果的である。これは、ターボ過給機21により、吸気通路の圧力が高まり、吸気弁27上流のポート26圧力が大幅に上昇するため、音速になる限界流量をのばすことができるためである。
従って、第2実施形態(請求項10に記載の発明)によれば、吸入空気を過給するターボ過給機21を備えるので、ターボ過給機21により、吸気通路の圧力が高まり、吸気弁27上流のポート26圧力が大幅に上昇するため、音速になる限界流量をのばすことができることから、高回転速度時においてもエンジン出力を伸ばすこことができる。
一方、ターボ過給機21を備える標準エンジンの場合、低速からの急加速のような条件では、ターボ過給機21の回転速度の上昇に要する時間、過給圧が十分に上昇しないため、ターボラグと呼ばれる運転性上の問題があった。これは、加速直後は過給圧が上がらないため、NAと同じ空気量でかつ圧縮比が低く固定された標準エンジンでは、熱効率も低下しているため、特に低速トルクが不十分となるためである。
また、冷却損失の低減に伴い、排気エネルギーは増大する。ターボ過給機を備えない標準エンジンではこのように排気エネルギーが増大しても排気温度が上昇するにとどまるところ、第2実施形態のようにターボ過給機を備えるエンジンでは排気エネルギーの増大が過給効率の向上につながる。
さらに、第2実施形態のレシプロ式エンジンは複リンク型のピストンクランク機構を備えているので、先行エンジンと同じに圧縮比の可変制御が可能となる。
この機能により、ノックの発生し易い過給時(例えば低回転速度全負荷時)の圧縮比を適切に低下させ、部分負荷時や無過給時の条件では可能な限り圧縮比を高い設定として、熱効率を高めることが効果的である。
図11はピストンストロークの下方への拡大(ロングストローク化)と過給の相乗効果を表したものである。ロングストローク化により、低中速トルクが増大し、過給圧上昇前の加速性が向上し、過給圧の立ち上がり速度が上昇する。一方、自然吸気エンジンでロングストローク化すると、高速時に吸気弁での吸気流速が早期に音速に達してしまい、圧力損失が増大して出力が伸びないという問題が生じるが、ターボ過給機によって過給を行うことにより、吸気弁上流の圧力を大幅に上昇させ、音速になる限界流量をのばして出力向上を図ることができる。また、ロングストローク化により、冷却損失が低減し、排気温度が上昇し、過給効率が向上する。これら3つにより、従来のレシプロ式エンジンと相違して、最大出力が回復し、低回転速度域でのトルク感がよくなる。
実施形態では、エンジンをフロントから見て、クランクシャフト2が時計方向に回転する場合に、シリンダ軸線Sはエンジンをフロントから見て右方向へのオフセットを有する場合で説明したが、これに限られるものでない。エンジンをフロントから見て、クランクシャフト2が反時計方向に回転する場合には、シリンダ軸線Sが、エンジンをフロントから見て左方向へのオフセットを有する場合であってもかまわない。
2つの実施形態では、主にガソリンエンジンで説明したが、ディ−ゼルエンジン、2ストロークエンジンにも適用がある。
本発明の第1実施形態のエンジンの概略構成図。 ピストンストロークを拡大するコンセプトの説明図。 ピストンストローク拡大用のピストンの概略構成図。 ピストン下死点位置におけるカウンタウェイトとピストンとの関係図。 背丈の低いピストンの成立を説明するための原理図。 左方向オフセットが大きく、ピストンストロークの拡大率が140%である場合のリンク挙動を、左方向オフセットが小さく、ピストンストロークの拡大率が120%である場合のリンク挙動と比較して示す説明図。 左方向オフセットと右方向オフセットのリンク挙動の違いを示す比較図。 左方向オフセットと右方向オフセットのピストンスラスト荷重率の違いを示す比較図。 左方向オフセットと右方向オフセットのピストンストロークの違いを示す比較図。 第2実施形態のターボ過給機付きレシプロ式エンジンの概略断面図。 ロングストローク化と過給の相乗効果を示す図。 先行エンジンの概略構成図。 先行エンジンの作動図。
符号の説明
1 シリンダブロック
2 クランクシャフト
4b カウンターウェイト
5 第2のリンク
6 第1のリンク
7 連結ピン(第2のピン)
8 ピストンピン(第1のピン)
9 ピストン
9b スカート部
9c、9d 切り欠き部
10 シリンダ
10a 2つあるスラスト側のうちクランクシャフトの回転中心より遠い側のシリンダ
10b 2つあるスラスト側のうちクランクシャフトの回転中心より近い側のシリンダ
10c シリンダ下端
10d シリンダ下端
11 第3のリンク
12 連結ピン(第3のピン)
13 コントロールシャフト

Claims (10)

  1. シリンダ内を往復動するピストンを有するレシプロ式エンジンにおいて、
    前記ピストンを複数のリンク部材を介してクランクシャフトにより駆動する一方、
    前記シリンダの軸線が、前記クランクシャフトの回転中心より、エンジンをフロントから見て左右方向へのオフセットを有すると共に、
    前記ピストンの下死点近傍位置において、ピストンの慣性力に起因するスラスト力が、2つあるスラスト側のうち前記クランクシャフトの回転中心より遠い側のシリンダに作用するようにし、かつ
    2つあるスラスト側のうち前記クランクシャフトの回転中心より遠い側のシリンダの下端は、2つあるスラスト側のうちクランクシャフトの回転中心より近い側のシリンダの下端よりも下方に延長され、
    クランクシャフトの回転中心より近い側のシリンダの下端をクランクシャフトの回転中心より遠い側のシリンダの下端と同じ位置まで延長した場合、クランクシャフトの回転中心より近い側のシリンダの下端はカウンターウェイトと干渉する関係にあることを特徴とするレシプロ式エンジン。
  2. 前記複数のリンク部材は、
    ピストンと第1のピンを介して連結される第1のリンクと、
    この第1のリンクに第2のピンを介して揺動可能に連結されると共にクランクピンに回転可能に装着される第2のリンクと、
    この第2のリンクと第3のピンを介して揺動可能に連結されると共にシリンダブロックに設けられた支点を中心に揺動する第3のリンクと
    を含むことを特徴とする請求項1に記載のレシプロ式エンジン。
  3. エンジンをフロントから見てクランクシャフトが時計方向に回転する場合に、前記シリンダの軸線は、エンジンをフロントから見て右方向へのオフセットを有することを特徴とする請求項1に記載のレシプロ式エンジン。
  4. 前記ピストンのスカート部に、エンジンを右方向または左方向から見て左右の両側に切り欠き部を設け、前記クランクシャフトのカウンターウェイトの最外径が、ピストン下死点近傍位置においてこの切り欠き部を通過する構成としたことを特徴とする請求項1から3までのいずれか一つに記載のレシプロ式エンジン。
  5. 前記ピストンの上死点及び下死点において2つあるスラスト側のうち前記クランクシャフトの回転中心より遠い側のシリンダに向けて前記第1のリンクが傾き、前記ピストンの上死点から下死点に向かう途中において前記第1のリンクの傾きが上死点及び下死点における傾きより小さくなることを特徴とする請求項1から4までのいずれか一つに記載のレシプロ式エンジン。
  6. 2つあるスラスト側のうち前記クランクシャフトの回転中心より遠い側のシリンダにおける下死点近傍位置でのピストン摺動面が、2つあるスラスト側のうちクランクシャフトの回転中心より近い側のシリンダにおける下死点近傍位置でのピストン摺動面より大きいことを特徴とする請求項1から4までのいずれか一つに記載のレシプロ式エンジン。
  7. 前記ピストンの下降行程において前記第1のリンクのシリンダ軸線に対する傾きであって、前記クランクシャフトの回転中心より遠い側のシリンダにスラスト力が作用する向きの傾きが支配的となるようにしたことを特徴とする請求項2に記載のレシプロ式エンジン。
  8. 前記ピストンのストロークをクランク角度に対して単振動に近い特性としたことを特徴とする請求項7に記載のレシプロ式エンジン。
  9. 前記クランクケースに設けられた支点の位置をエンジンの運転条件に応じて制御し、エンジンの圧縮比を可変制御するようにしたことを特徴とする請求項2、7、8のいずれか一つに記載のレシプロ式エンジン。
  10. 吸入空気を過給するターボ過給機を備えることを特徴とする請求項1から9までのいずれか一つに記載のレシプロ式エンジン。
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