JP6221320B2 - 機能性素子の製造方法および機能性素子 - Google Patents

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Description

本発明は、レーザーアブレーションを利用した機能性素子の製造方法に関するものである。
現在、基板上に図案、画像、文字、回路等の種々のパターンを形成するパターン形成方法としては、様々な方法が提案されている。パターン形成方法の代表的なものとしては、印刷法が知られており、印刷法は簡易的にパターンを形成できるという利点を有することから広く用いられてきた。しかしながら、印刷法では高精細なパターニングが困難であり、回路等のパターンの微細化が要求される用途においては適用することができない。
一方、近年では、印刷法に代わる方法としてフォトリソグラフィー法が主流となってきている。フォトリソグラフィー法は、従来の印刷法に比べて高精細なパターニングが可能であり、パターンの微細化を実現することができる。しかしながら、フォトリソグラフィー法においては、フォトレジストを用いるとともに、露光後に現像液を用いて現像を行い、さらにエッチングを行う必要があるため、廃液を処理する必要が生じる等の問題がある。そのため、フォトリソグラフィー法は必ずしも生産性の高いものではなかった。また、フォトレジストとして機能性の物質を用いた場合には、現像の際に使用されるアルカリ液等によって劣化する等の問題もあり、材料選択の幅が狭いということも指摘されていた。
また、他のパターン形成方法としては、レーザーアブレーション法が知られている。レーザーアブレーション法は、フォトリソグラフィー法の欠点であった現像液の使用等を必要としないドライプロセスであるため、高生産性でパターンを形成することができる点において有用である。
このような状況において、光触媒を用いたパターン形成方法(例えば特許文献1参照)、および、真空紫外線等の照射によるパターン形成方法(例えば特許文献2〜5参照)が提案されている。このようなパターン形成方法は、上記のレーザーアブレーション法と同様にドライプロセスであるためフォトリソグラフィー法と比較して有用である。
光触媒または真空紫外線等によるパターン形成においては、紫外線等のエネルギーの照射に伴う光触媒の作用または真空紫外線等の作用により、有機物が分解除去される、すなわち、有機物の分子結合が切断されたり、有機物が酸化分解されたりすることで、パターンが形成される。そのため、このような方法においては、パターンを形成するパターン形成用基板表面に、光触媒または真空紫外線等と作用する酸素を存在させておくことが必要となる。
光触媒を用いたパターン形成方法においては、例えば、光触媒含有層を有するフォトマスクを介してパターン形成用基板に紫外線等のエネルギーを照射する。また、真空紫外線等の照射によるパターン形成方法においては、例えば、フォトマスクを介してパターン形成用基板に真空紫外線等を照射する。
この場合、光触媒または真空紫外線等と作用する酸素を確保するには、パターン形成用基板とフォトマスクとを所定の間隔をおいて配置することが好ましいが、紫外線等は拡散光であることから光が未照射部分に回り込んだり、酸素が励起されることで発生した酸素ラジカルが未照射部分に回り込んだりするため、解像性に劣り、パターニング精度が低下するという問題がある。特に、これらの方法に用いられる有機物は一般的にフォトレジスト等と比較して感度が低い材料であるため、パターン形成にはある程度の時間を要し、光や酸素ラジカルの回り込みが問題となる。
一方、パターン形成用基板とフォトマスクとを近接または接触させると、光や酸素ラジカルの回り込みを少なくすることができるものの、光触媒または真空紫外線等と作用する酸素が不足し、結果としてパターン形成の感度が低下する、またパターン形成に長時間を要するという問題がある。
特開2000−249821号公報 特許第4678574号公報 特許第4502382号公報 特開2009−212127号公報 特開2012−33617号公報
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、高精細なパターンで機能層を形成可能な機能性素子の製造方法およびそれにより製造される機能性素子を提供することを主目的とするものである。
上記目的を達成するために、本発明は、レーザー光を吸収するレーザー吸収層、および、レーザー光を透過し、上記レーザー吸収層よりも撥液性が高い撥液層を積層する積層工程と、上記撥液層側から上記レーザー吸収層にレーザー光をパターン状に照射して、レーザーアブレーションにより上記撥液層をパターン状に除去し、上記レーザー吸収層を露出させる撥液層パターニング工程と、上記撥液層の開口部の上記レーザー吸収層上に機能層形成用塗工液を塗布して機能層を形成する機能層形成工程とを有することを特徴とする機能性素子の製造方法を提供する。
本発明においては、撥液層がレーザー光を透過し、レーザー吸収層がレーザー光を吸収するため、撥液層側からレーザー吸収層にレーザー光をパターン状に照射することで、レーザーアブレーションにより撥液層をパターン状に除去することができ、これにより露出したレーザー吸収層表面と撥液層表面とで濡れ性の異なる濡れ性変化パターンを形成することができる。レーザーは直進性に優れているため、撥液層を高精細にパターニングすることができ、微細な濡れ性変化パターンを利用して高精細な機能層を形成することが可能である。
上記発明においては、上記機能層形成工程は、上記機能層形成用塗工液の塗膜の厚みが上記撥液層の厚みよりも厚くなるように、上記レーザー吸収層上に上記機能層形成用塗工液を塗布する塗布工程と、プラズマ照射により上記塗膜を乾燥させるとともに上記撥液層を除去するプラズマ処理工程とを有することが好ましい。プラズマ処理工程にて撥液層が除去されることで、例えば機能層が形成されたレーザー吸収層上に塗工液を塗布してさらに任意の層を形成する場合には、撥液層によって塗工液がはじかれることがないため、ウェットプロセスにより任意の層を安定して容易に積層することができる。また、機能層形成用塗工液の塗膜の乾燥と撥液層の除去とを同時に行うことができ、工程数を低減し、製造コストを削減することができる。
また本発明においては、上記積層工程、上記撥液層パターニング工程および上記機能層形成工程を順に繰り返し行うことが好ましい。これにより、ウェットプロセスで複数層の機能層を積層することができるからである。
さらに本発明においては、基板上に上記レーザー吸収層および上記撥液層が積層されており、上記撥液層パターニング工程では上記基板の寸法変化に基いて上記レーザー光の照射位置を補正することが好ましい。熱や湿度等による基板の寸法変化によって機能層形成工程での機能層形成用塗工液の塗布位置がずれたとしても、撥液層パターニング工程でのレーザー光の照射位置が補正されていれば、濡れ性変化パターンを利用して所望の位置に機能層形成用塗工液を移動させることができ、機能層の位置精度を向上させることができるからである。特に、上記積層工程、上記撥液層パターニング工程および上記機能層形成工程を順に繰り返し行う場合には、複数層の機能層の積層精度を向上させることが可能である。
さらに、本発明の機能性素子の製造方法は、上記撥液層パターニング工程後および上記機能層形成工程前に、露出した上記レーザー吸収層表面に親液化処理を行う親液化処理工程をさらに有していてもよい。親液化処理を行うことにより露出したレーザー吸収層表面と撥液層表面とで濡れ性の差を大きくすることができるからである。また、親液化処理がUV−オゾン処理や真空紫外線処理等の紫外線を利用する方法である場合であって、撥液層が紫外線を透過する場合には、露出したレーザー吸収層表面のみ親液化することができる。
また本発明は、レーザー光を吸収し、表面にパターン状の凹部を有するレーザー吸収層と、上記レーザー吸収層の上記凹部に形成された機能層とを有することを特徴とする機能性素子を提供する。
本発明の機能性素子は、上述の機能性素子の製造方法により製造されるものである。したがって、高精細な機能層を有する機能性素子とすることが可能である。また本発明によれば、機能層がレーザー吸収層の凹部に形成されていることにより、機能層の密着性を向上させることができる。
本発明の機能性素子は、上記レーザー吸収層上にパターン状に形成され、レーザー光を透過し、上記レーザー吸収層よりも撥液性が高い撥液層をさらに有していてもよく、この場合、上記レーザー吸収層の上記凹部および上記撥液層の開口部の位置は一致している。本発明の機能性素子は上述の機能性素子の製造方法により製造されるものであり、高精細な機能層を有する機能性素子とすることが可能である。
また本発明においては、上記レーザー吸収層および上記機能層が順に繰り返し積層されていることが好ましい。複数層の機能層が積層された種々の機能性素子を得ることができるからである。
本発明においては、高精細な機能層を有する機能性素子を得ることが可能であるという効果を奏する。
本発明の機能性素子の製造方法の一例を示す工程図である。 本発明の機能性素子の製造方法の他の例を示す工程図である。 本発明の機能性素子の製造方法の他の例を示す工程図である。 本発明の機能性素子の製造方法の他の例を示す工程図である。 本発明の機能性素子の製造方法の他の例を示す工程図である。 本発明の機能性素子の製造方法の他の例を示す工程図である。 本発明の機能性素子の製造方法の他の例を示す工程図である。 本発明の機能性素子の製造方法の他の例を示す工程図である。 本発明の機能性素子の一例を示す概略断面図である。 本発明の機能性素子の他の例を示す概略断面図である。
以下、本発明の機能性素子の製造方法および機能性素子について詳細に説明する。
A.機能性素子の製造方法
本発明の機能性素子の製造方法は、レーザー光を吸収するレーザー吸収層、および、レーザー光を透過し、上記レーザー吸収層よりも撥液性が高い撥液層を積層する積層工程と、上記撥液層側から上記レーザー吸収層にレーザー光をパターン状に照射して、レーザーアブレーションにより上記撥液層をパターン状に除去し、上記レーザー吸収層を露出させる撥液層パターニング工程と、上記撥液層の開口部の上記レーザー吸収層上に機能層形成用塗工液を塗布して機能層を形成する機能層形成工程とを有することを特徴としている。
本発明の機能性素子の製造方法について図面を参照しながら説明する。
図1(a)〜(e)は本発明の機能性素子の製造方法の一例を示す工程図である。まず、図1(a)に例示するように、基板2上に、レーザー光を吸収するレーザー吸収層3と、レーザー光を透過し、レーザー吸収層3よりも撥液性が高い撥液層4とを積層する積層工程を行う。次に、図1(b)〜(c)に例示するように、撥液層4側からレーザー吸収層3にレーザー光Lをパターン状に照射すると、撥液層4がレーザー光Lを透過し、レーザー吸収層3がレーザー光Lを吸収するため、撥液層4およびレーザー吸収層3の界面から撥液層4に向かってアブレーションが起こり、レーザーアブレーションにより撥液層4がパターン状に除去され、レーザー吸収層3が露出し、レーザー吸収層3表面に凹部10が形成される。このようにして、図1(b)〜(d)に例示するように、撥液層4をパターニングする撥液層パターニング工程を行う。これにより、露出したレーザー吸収層3表面と撥液層4表面とで濡れ性の異なる濡れ性変化パターンが形成される。次に、図1(e)に例示するように、撥液層4の開口部のレーザー吸収層3上に機能層形成用塗工液を塗布して機能層5を形成する機能層形成工程を行う。この際、撥液層4表面よりも撥液性の低い、すなわち濡れ性の高いレーザー吸収層3表面のみに機能層形成用塗工液が付与されるため、機能層5がパターン状に形成される。この機能性素子1においては、レーザー光Lがレーザー吸収層3に吸収されることで、撥液層4およびレーザー吸収層3の界面から撥液層4に向かってアブレーションが起こるため、レーザー光が照射されて撥液層4が除去された領域ではレーザー吸収層3表面に窪みが形成され、すなわち凹部が形成される。
本発明においては、撥液層がレーザー光を透過し、レーザー吸収層がレーザー光を吸収するため、撥液層側からレーザー吸収層にレーザー光をパターン状に照射することで、レーザーアブレーションにより撥液層をパターン状に除去することができ、露出したレーザー吸収層表面と撥液層表面との濡れ性の相違による濡れ性変化パターンを形成することができる。レーザー光は直進性に優れているため、撥液層を高精細にパターニングすることができ、微細な濡れ性変化パターンを形成することができる。したがって、この濡れ性変化パターンを利用して高精細な機能層を形成することが可能である。
上述したように、従来の光触媒または真空紫外線等を用いた機能性素子の製造方法においては高精細な濡れ性変化パターンを形成することは困難であるが、本発明においては高精細な濡れ性変化パターンを形成することが可能である。
また本発明においては、レーザー光が照射されて撥液層が除去された領域では吸収層表面に凹部が形成されており、この凹部に機能層形成用塗工液を付与するため、密着性に優れる機能層を形成することができる。また、撥液層表面よりも濡れ性の高い凹部に機能層形成用塗工液を付与するため、容易に機能層を形成することができる。
図2(a)〜(f)は本発明の機能性素子の製造方法の他の例を示す工程図である。なお、図2(a)〜(c)は上記の図1(a)〜(d)と同様であるので省略する。次に、図2(d)に例示するように、撥液層4の開口部のレーザー吸収層3上に機能層形成用塗工液を塗布する。撥液層4表面はレーザー吸収層3表面よりも撥液性が高いため、 レーザー吸収層3表面のみに機能層形成用塗工液が付与される。この際、機能層形成用塗工液の塗膜5aの厚みが撥液層4の厚みよりも厚くなるように、機能層形成用塗工液を塗布する。次いで、図2(e)〜(f)に例示するように、プラズマPの照射により、機能層形成用塗工液の塗膜5aを乾燥させて機能層5を形成するとともに、撥液層4を除去する。機能層形成用塗工液の塗膜5aの厚みは撥液層4の厚みよりも厚いため、機能層5は除去されず、撥液層4のみが除去される。このようにして、機能層5をパターン状に形成する機能層形成工程を行う。
本発明においては、機能層形成工程が、機能層形成用塗工液の塗膜の厚みが撥液層の厚みよりも厚くなるように、レーザー吸収層上に機能層形成用塗工液を塗布する塗布工程と、プラズマ照射により機能層形成用塗工液の塗膜を乾燥させるとともに撥液層を除去するプラズマ処理工程とを有していてもよい。この場合、プラズマ処理工程にて撥液層が除去されることで、例えば機能層が形成されたレーザー吸収層上に塗工液を塗布してさらに任意の層を形成する場合には、撥液層によって塗工液がはじかれることがないため、ウェットプロセスにより任意の層を安定して容易に積層することができる。また、機能層形成用塗工液の塗膜の乾燥と撥液層の除去とを同時に行うことができ、工程数を低減し、製造コストを削減することができる。
また、機能層形成工程が上記の塗布工程とプラズマ処理工程とを有する場合には、後述するように、積層工程、撥液層パターニング工程および機能層形成工程を繰り返し行うことにより、ウェットプロセスで複数層の機能層を積層することが可能である。
図3(a)〜(m)および図4(a)〜(d)は本発明の機能性素子の製造方法の他の例を示す工程図であり、機能性素子として有機薄膜トランジスタを製造する一例である。まず、図3(a)に例示するように、基板2上にレーザー光を吸収する第1レーザー吸収層3aとレーザー光を透過する第1撥液層4aとを積層する第1積層工程を行う。次に、図3(b)〜(c)に例示するように、第1撥液層4a側から第1レーザー吸収層3aにレーザー光Lをパターン状に照射して、レーザーアブレーションにより第1撥液層4aをパターン状に除去し、第1レーザー吸収層3aを露出させる第1撥液層パターニング工程を行う。これより、第1レーザー吸収層3a表面に凹部10aが形成され、露出した第1レーザー吸収層3a表面と第1撥液層4a表面とで濡れ性の異なる濡れ性変化パターンが形成される。次に、図3(d)に例示するように、第1撥液層4aの開口部の第1レーザー吸収層3a上に第1機能層形成用塗工液として電極形成用塗工液を塗布して第1機能層としてソース電極21およびドレイン電極22を形成する第1機能層形成工程を行う。
次いで、図3(e)〜(f)に例示するように、第1撥液層4a側から第1レーザー吸収層3aにレーザー光Lをパターン状に再度照射して、レーザーアブレーションにより第1撥液層4aをパターン状に除去し、第1レーザー吸収層3aを露出させる第2撥液層パターニング工程を行う。これより、第1レーザー吸収層3a表面に凹部10bが形成され、露出した第1レーザー吸収層3a表面と第1撥液層4a表面とで濡れ性の異なる濡れ性変化パターンが形成される。次に、図3(g)に例示するように、第1撥液層4aの開口部の第1レーザー吸収層3a上に第2機能層形成用塗工液として有機半導体層形成用塗工液を塗布して塗膜23aを形成する。次いで、図3(h)〜(i)に例示するように、プラズマPの照射により、有機半導体層形成用塗工液の塗膜23aを乾燥させて第2機能層として有機半導体層23を形成するとともに、第1撥液層4aを除去する。このようにして、第2機能層として有機半導体層23を形成する第2機能層形成工程を行う。
次に、図3(j)に例示するように、ソース電極21、ドレイン電極22および有機半導体層23を覆うように第1レーザー吸収層3a上に、レーザー光を吸収する第2レーザー吸収層3bとレーザー光を透過する第2撥液層4bとを積層する第2積層工程を行う。この場合、第2レーザー吸収層3bはゲート絶縁層を兼ねている。次に、図3(k)〜(l)に例示するように、第2撥液層4b側から第2レーザー吸収層3bにレーザー光Lをパターン状に照射して、レーザーアブレーションにより第2撥液層4bをパターン状に除去し、第2レーザー吸収層3bを露出させる第3撥液層パターニング工程を行う。これより、第2レーザー吸収層3b表面に凹部10cが形成され、露出した第2レーザー吸収層3b表面と第2撥液層4b表面とで濡れ性の異なる濡れ性変化パターンが形成される。次に、図3(m)に例示するように、第2撥液層4bの開口部の第2レーザー吸収層3b上に第3機能層形成用塗工液として電極形成用塗工液を塗布して塗膜24aを形成する。次いで、図4(a)〜(b)に例示するように、プラズマPの照射により、電極形成用塗工液の塗膜24aを乾燥させて第3機能層としてゲート電極24を形成するとともに、第2撥液層4bを除去する。このようにして、第3機能層としてゲート電極24を形成する第3機能層形成工程を行う。
次に、図4(c)に例示するように、ゲート電極24を覆うように第2レーザー吸収層3b上に層間絶縁層25を形成する。続いて、図4(d)に例示するように、層間絶縁層25および第2レーザー吸収層3bにスルーホールを形成し、スルーホールを介してソース電極21と接続するように層間絶縁層25上に取出し電極26を形成する。これにより、図4(d)に例示するように、トップゲートボトムコンタクト型の有機薄膜トランジスタ20が得られる。
図5(a)〜(n)および図6(a)〜(d)は本発明の機能性素子の製造方法の他の例を示す工程図であり、機能性素子として有機薄膜トランジスタを製造する他の例である。まず、図5(a)に例示するように、基板2上にレーザー光を吸収する第1レーザー吸収層3aとレーザー光を透過する第1撥液層4aとを積層する第1積層工程を行う。次に、図5(b)〜(c)に例示するように、第1撥液層4a側から第1レーザー吸収層3aにレーザー光Lをパターン状に照射して、レーザーアブレーションにより第1撥液層4aをパターン状に除去し、第1レーザー吸収層3aを露出させる第1撥液層パターニング工程を行う。これより、第1レーザー吸収層3a表面に凹部10aが形成され、露出した第1レーザー吸収層3a表面と第1撥液層4a表面とで濡れ性の異なる濡れ性変化パターンが形成される。次に、図5(d)に例示するように、第1撥液層4aの開口部の第1レーザー吸収層3a上に第1機能層形成用塗工液として有機半導体層形成用塗工液を塗布して第1機能層として有機半導体層23を形成する第1機能層形成工程を行う。この場合、有機半導体層23は第2レーザー吸収層も兼ねている。
次に、図5(e)に例示するように、第2レーザー吸収層である有機半導体層23上に第2撥液層4bを積層する第2積層工程を行う。次いで、図5(f)〜(g)に例示するように、第2撥液層4b側から第2レーザー吸収層である有機半導体層23にレーザー光Lをパターン状に照射して、レーザーアブレーションにより第2撥液層4bをパターン状に除去し、第2レーザー吸収層である有機半導体層23を露出させる第2撥液層パターニング工程を行う。これより、第2レーザー吸収層である有機半導体層23表面に凹部10bが形成され、露出した第2レーザー吸収層である有機半導体層23表面と第2撥液層4b表面とで濡れ性の異なる濡れ性変化パターンが形成される。次に、図5(h)に例示するように、第2撥液層4bの開口部の有機半導体層23上に第2機能層形成用塗工液として電極形成用塗工液を塗布して塗膜21a、22aを形成する。次いで、図5(i)〜(j)に例示するように、プラズマPの照射により、電極形成用塗工液の塗膜21a、22aを乾燥させて第2機能層としてソース電極21およびドレイン電極22を形成するとともに、第1撥液層4aおよび第2撥液層4bを除去する。このようにして、第2機能層としてソース電極21およびドレイン電極22を形成する第2機能層形成工程を行う。
次に、図5(k)に例示するように、ソース電極21、ドレイン電極22および有機半導体層23を覆うように第1レーザー吸収層3a上に、レーザー光を吸収する第3レーザー吸収層3cとレーザー光を透過する第3撥液層4cとを積層する第3積層工程を行う。この場合、第3レーザー吸収層3cはゲート絶縁層を兼ねている。次に、図5(l)〜(m)に例示するように、第3撥液層4c側から第3レーザー吸収層3cにレーザー光Lをパターン状に照射して、レーザーアブレーションにより第3撥液層4cをパターン状に除去し、第3レーザー吸収層3cを露出させる第3撥液層パターニング工程を行う。これより、第3レーザー吸収層3c表面に凹部10cが形成され、露出した第3レーザー吸収層3c表面と第3撥液層4c表面とで濡れ性の異なる濡れ性変化パターンが形成される。次に、図5(n)に例示するように、第3撥液層4cの開口部の第3レーザー吸収層3c上に第3機能層形成用塗工液として電極形成用塗工液を塗布して塗膜24aを形成する。次いで、図6(a)〜(b)に例示するように、プラズマPの照射により、電極形成用塗工液の塗膜24aを乾燥させて第3機能層としてゲート電極24を形成するとともに、第3撥液層4cを除去する。このようにして、第3機能層としてゲート電極24を形成する第3機能層形成工程を行う。
次に、図6(c)に例示するように、ゲート電極24を覆うように第3レーザー吸収層3c上に層間絶縁層25を形成する。続いて、図6(d)に例示するように、層間絶縁層25および第3レーザー吸収層3cにスルーホールを形成し、スルーホールを介してソース電極21と接続するように層間絶縁層25上に取出し電極26を形成する。これにより、図6(d)に例示するように、トップゲートトップコンタクト型の有機薄膜トランジスタ20が得られる。
なお、本願明細書においては、積層工程、撥液層パターニング工程および機能層形成工程を繰り返し行う場合には、便宜上、各工程および各層に順番に第1、第2、第3等と番号を付すこととする。
このように本発明において、積層工程、撥液層パターニング工程および機能層形成工程を繰り返し行う場合には、ウェットプロセスで複数層の機能層を積層することが可能である。
図7(a)〜(e)は本発明の機能性素子の製造方法の他の例を示す工程図である。なお、図7(a)〜(c)は上記の図1(a)〜(d)と同様であるので省略する。次に、図7(d)に例示するように、露出したレーザー吸収層3および撥液層4の全面にUV−オゾン処理、真空紫外線処理等の親液化処理Tを施す親液化処理工程を行う。撥液層4が紫外線を透過する場合には、撥液層4表面は親液化されず、露出したレーザー吸収層3の表面3aのみが親液化される。これにより、露出したレーザー吸収層3の表面3aと撥液層4の表面とで濡れ性の異なる濡れ性変化パターンが形成される。次に、図7(e)に例示するように、撥液層4の開口部のレーザー吸収層3上に機能層形成用塗工液を塗布して機能層5を形成する機能層形成工程を行う。この際、レーザー吸収層3の表面3aは親液化されているため、レーザー吸収層3の表面3aのみに機能層形成用塗工液が付与され、機能層5がパターン状に形成される。
このように本発明において、撥液層パターニング工程後に親液化処理を行う場合には、露出したレーザー吸収層表面と撥液層表面とで濡れ性の差を大きくすることができる。レーザー吸収層が絶縁性を有する場合には、一般的に絶縁性を有する樹脂には撥液性を有するものが多いことから、露出したレーザー吸収層表面を親液化処理することが好ましい。
また、親液化処理がUV−オゾン処理や真空紫外線処理等の紫外線を利用する方法である場合であって、撥液層が紫外線を透過する場合には、撥液層表面は親液化されず、露出したレーザー吸収層表面のみを親液化することができる。
ここで、従来の光触媒または真空紫外線等を用いたパターン形成方法は、機能性素子の製造方法にも適用することができる。これらの方法において、パターン形成用基板にフォトマスクを介して紫外線等を照射する場合、パターン形成用基板とフォトマスクとを所定の間隔をおいて配置すると、光触媒または真空紫外線等と作用する酸素を確保することはできるものの、紫外線等は拡散光であるため未照射部分に光や酸素ラジカルが回り込み、パターニング精度が低下してしまう。一方、パターン形成用基板とフォトマスクとを近接または接触させると、未照射部分への光や酸素ラジカルの回り込みは少なくなるものの、光触媒または真空紫外線等と作用する酸素が不足し、パターン形成が困難になる。
これに対し本発明において、親液化処理を行う場合には、図7(d)に例示するように、撥液層4がマスクとして機能しており、撥液層4とレーザー吸収層3とが接触しているとともに、撥液層4が除去された領域ではレーザー吸収層3が露出しているため、未照射部分への光や酸素ラジカルの回り込みを防ぎつつ、真空紫外線等と作用する酸素を十分に確保することができ、解像性が良好であり、精度良く露出したレーザー吸収層3の表面3aのみ親液化することができる。したがって、高精細な濡れ性変化パターンを形成することができ、この濡れ性変化パターンを利用して高精細な機能層を形成することが可能である。
以下、本発明の機能性素子の製造方法における各工程について説明する。
1.積層工程
本発明における積層工程は、レーザー光を吸収するレーザー吸収層、および、レーザー光を透過し、レーザー吸収層よりも撥液性が高い撥液層を積層する工程である。
以下、レーザー吸収層および撥液層に分けて説明する。
(1)レーザー吸収層
本発明におけるレーザー吸収層は、レーザー光を吸収するものである。
レーザー光の種類としては、レーザーアブレーションに使用可能であれば特に限定されるものではなく、レーザー吸収層の種類に応じて適宜選択される。例えば、紫外線レーザー、可視光線レーザー、赤外線レーザー等を用いることができる。中でも、紫外線レーザーが好ましい。紫外線はエネルギーが大きく、レーザーアブレーションに有利だからである。
レーザー吸収層のレーザー光の透過率としては、レーザー光の照射によりレーザーアブレーションが起こり得る程度であればよいが、具体的には50%以下であることが好ましく、中でも30%以下、特に15%以下であることが好ましい。透過率が上記範囲であれば、撥液層側からレーザー吸収層にレーザー光を照射することで、効率良くレーザーアブレーションにより撥液層をパターン状に除去することができるからである。
なお、上記の透過率は、使用するレーザー光の波長の透過率を指す。具体的に、紫外線の透過率は、波長190nm〜380nmの光を用い、Lambert-Beerの法則に基いて試料の透過分光スペクトルを測定し、算出する。
また、レーザー吸収層は撥液層よりも撥液性が低く、具体的にはレーザー吸収層表面は撥液層表面と比較して液体との接触角が小さい。これにより、露出したレーザー吸収層表面と撥液層表面との濡れ性の相違を利用して種々の機能層を形成することができる。また、上述したように、従来の光触媒または真空紫外線等を用いた機能性素子の製造方法では高精細なパターンで機能層を形成することは困難であったが、本発明においては高精細なパターンで機能層を形成することができる。
露出したレーザー吸収層表面の液体との接触角は、撥液層表面の液体との接触角よりも小さければよいが、露出したレーザー吸収層表面の液体との接触角および撥液層表面の液体との接触角の差が、10°以上であることが好ましく、中でも30°以上、特に60°以上であることが好ましい。
また、露出したレーザー吸収層表面の液体との接触角は、表面張力70mN/mの液体との接触角が80°以下であることが好ましく、中でも60°以下、特に40°以下であることが好ましい。露出したレーザー吸収層表面の濡れ性が上記範囲であることにより、露出したレーザー吸収層表面と撥液層表面との濡れ性の相違を利用して容易に高精細なパターンで機能層を形成することが可能になるからである。
ここで、液体との接触角は、種々の表面張力を有する液体との接触角を、協和界面科学(株)製の接触角計 PCA−1を用いて、マイクロシリンジから液滴を滴下して30秒後に測定し、その結果から、もしくはその結果をグラフにして得たものである。また、この測定に際して、種々の表面張力を有する液体としては、純正化学株式会社製のぬれ指数標準液を用いた。
また、レーザー吸収層は絶縁性を有することが好ましい。レーザー吸収層が絶縁性を有することにより、レーザー吸収層上に電極、配線等の導電性を有する機能層を形成することが可能である。したがって、本発明の機能性素子の製造方法は、パターンの微細化が要求される電子デバイスの製造方法として好適に用いることができる。
レーザー吸収層は、自己支持性を有する場合には基板を兼ねていてもよい。
また、レーザー吸収層は、機能性素子の種類に応じて、機能性素子を構成する部材を兼ねることができる。例えば、レーザー吸収層が絶縁性を有しており、機能性素子として薄膜トランジスタを作製する場合には、レーザー吸収層はゲート絶縁層を兼ねることができる。図3(j)に示す例では、第2レーザー吸収層3bがゲート絶縁層を兼ねている。一方、レーザー吸収層の絶縁性が十分ではない場合には、レーザー吸収層およびゲート絶縁層を別々に形成することが好ましい。この場合、図3(j)において、図示しないが、ソース電極21、ドレイン電極22および有機半導体層23を覆うように第1レーザー吸収層3a上にゲート絶縁層を形成し、ゲート絶縁層上に第2レーザー吸収層3bおよび第2撥液層4bを積層すればよい。また例えば、後述するように、積層工程、撥液層パターニング工程および機能層形成工程を繰り返し行う場合であって、機能性素子として有機薄膜トランジスタを作製する場合には、有機半導体層がレーザー吸収層を兼ねることができる。図5(e)〜(g)に示す例では、有機半導体層23が第2レーザー吸収層を兼ねている。
レーザー吸収層を構成する材料としては、レーザー光を吸収し、撥液層を構成する撥液性材料よりも撥液性が低く、レーザー光の照射によりレーザーアブレーションが起こり得る材料であれば特に限定されるものではなく、有機材料および無機材料のいずれも用いることができる。中でも、有機材料が好ましい。有機材料は、レーザーアブレーションが起こりやすく、またレーザーアブレーションに必要なエネルギーが低いからである。また、レーザー吸収層を構成する材料は、絶縁性を有することが好ましく、例えば樹脂を用いることができる。
レーザー吸収層は、撥液層を構成する撥液性材料よりも撥液性が低い材料を含有するものであってもよく、また後述の親液化処理工程にて親液化処理が可能な材料を含有するものであってもよい。一般的に、絶縁性を有する樹脂には撥液性を有するものが多いことから、親液化処理工程にて露出したレーザー吸収層表面を親液化処理することにより、露出したレーザー吸収層表面と撥液層表面とで濡れ性の差を大きくすることができる。
撥液層を構成する撥液性材料よりも撥液性が低い材料としては、上記のレーザー吸収層表面の液体との接触角を満たすものであれば特に限定されるものではなく、公知の有機材料の中から適宜選択して用いることができる。親水性材料の例としては、ポリビニルアルコール類や尿素樹脂類が挙げられる。
また、親液化処理が可能な材料としては、親液化処理工程後において上記のレーザー吸収層表面の液体との接触角を満たすものであれば特に限定されるものではなく、例えば、ポリアクリレート、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルサルフォン、セルローストリアセテート、ポリスチレン、オルガノポリシロキサン等の高分子材料を挙げることができる。
また、レーザー吸収層を構成する材料には、レーザー吸収層が吸収するレーザー光の波長を調整するために、色素が含有されていてもよい。色素としては、目的とするレーザー光の波長に応じて適宜選択される。
レーザー吸収層の厚みとしては、レーザー光の照射によりレーザーアブレーションが起こった際に、照射部分のレーザー吸収層が残存し得る程度の厚みであれば特に限定されるものではないが、具体的には0.1μm〜10μmの範囲内であることが好ましく、中でも0.2μm〜5μmの範囲内、特に0.5μm〜1μmの範囲内であることが好ましい。
本発明においては、図1(b)〜(d)に例示するように、撥液層4側からレーザー吸収層3にレーザー光Lをパターン状に照射し、レーザーアブレーションにより撥液層4をパターン状に除去することにより、露出したレーザー吸収層表面と撥液層表面とで濡れ性の異なる濡れ性変化パターンを形成することができる。レーザー光Lがレーザー吸収層3に吸収されることで、撥液層4およびレーザー吸収層3の界面から撥液層4に向かってアブレーションが起こるため、レーザー光が照射されて撥液層4が除去された領域では、レーザー吸収層3が露出し、レーザー吸収層3表面が僅かに窪み、凹部10が形成される。そのため、撥液層の開口部では、露出したレーザー吸収層は表面に凹部を有している。機能層は、撥液層の開口部のレーザー吸収層上に機能性層形成用塗工液を塗布して形成されるため、露出したレーザー吸収層表面に凹部が形成されていることで機能層の密着性を向上させることができる。
レーザー吸収層の形成方法としては、レーザー吸収層に用いられる材料等に応じて適宜選択されるものであり、例えば、基板上にレーザー吸収層形成用塗工液を塗布する方法、および、熱CVD法、プラズマCVD法等のCVD法、蒸着法、スパッタリング法等のPVD法等が挙げられる。塗布方法としては、基板全面にレーザー吸収層形成用塗工液を塗布することができる方法であれば特に限定されるものではなく、例えば、スピンコート法、ダイコート法、ロールコート法、バーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、ブレードコート法、グラビア印刷法、スリットコート法、インクジェット法、フレキソ印刷法等の一般的な方法を用いることができる。
(2)撥液層
本発明における撥液層は、レーザー光を透過し、レーザー吸収層よりも撥液性が高いものである。
撥液層のレーザー光の透過率としては、撥液層側からレーザー吸収層にレーザー光を照射した際に、レーザー光が撥液層を透過してレーザー吸収層に吸収され、レーザーアブレーションにより撥液層をパターン状に除去することが可能な程度であればよいが、具体的には60%以上であることが好ましく、中でも75%以上、特に85%以上であることが好ましい。透過率が上記範囲であれば、撥液層側からレーザー吸収層にレーザー光を照射することで、効率良くレーザーアブレーションにより撥液層をパターン状に除去することができるからである。
なお、レーザー光の種類、レーザー光の透過率の定義およびレーザー光の透過率の測定方法については、上記レーザー吸収層の項に記載したものと同様である。
また、撥液層はレーザー吸収層よりも撥液性が高く、具体的には撥液層表面はレーザー吸収層表面と比較して液体との接触角が大きい。
撥液層表面の液体との接触角は、露出したレーザー吸収層表面の液体との接触角よりも大きければよいが、具体的には表面張力70mN/mの液体との接触角が90°以上であることが好ましく、中でも95°以上、特に100°以上であることが好ましい。撥液層表面の濡れ性が上記範囲であることにより、撥液層表面と露出したレーザー吸収層表面との濡れ性の相違を利用して高精細な機能層を容易に形成することが可能になるからである。
なお、液体との接触角の測定方法については、上記レーザー吸収層の項に記載した方法と同様である。
また、撥液層は絶縁性を有することが好ましい。撥液層が絶縁性を有することにより、撥液層表面と露出したレーザー吸収層表面との濡れ性の相違を利用して電極や配線等の導電性を有する機能層を形成することが可能であり、本発明の機能性素子の製造方法をパターンの微細化が要求される電子デバイスの製造方法に好適に用いることができる。
撥液層を構成する材料としては、レーザー光を透過し、レーザー吸収層を構成する材料よりも撥液性が高く、撥液層側からレーザー吸収層にレーザー光を照射することでレーザーアブレーションにより除去可能な材料であれば特に限定されるものではなく、例えばフッ素樹脂を挙げることができ、具体的にはポリテトラフルオロエチレンや旭硝子社製のサイトップ(登録商標)が挙げられる。撥液層を構成する材料は、フッ素樹脂以外であっても、照射されるレーザー光の波長での透過率が上述の範囲となる材料であればよい。また、撥液層を構成する材料は、絶縁性を有することが好ましく、上記の材料の中から適宜選択して用いることができる。
撥液層は、撥液性材料を含有するものであってもよく、表面が撥液化処理されたものであってもよく、自己組織化膜であってもよい。
撥液性材料としては、上記の撥液層表面の液体との接触角を満たすものであれば特に限定されるものではなく、例えば、フッ素樹脂が挙げられる。
また、撥液化処理としては、撥液層表面に撥液性を付与することができる方法であれば特に限定されるものではなく、例えば、フッ素化合物を導入ガスとして用いてプラズマを照射するフッ素プラズマ処理が挙げられる。導入ガスとして用いられるフッ素化合物としては、例えばCF、NF、SF、CHF、C、C、C等が挙げられる。また、導入ガスは、フッ素化合物と他のガスとが混合されたものであってもよい。他のガスとしては、例えば、窒素、酸素、アルゴン、ヘリウム等を挙げることができる。
プラズマの照射方法としては、フッ素化合物を導入ガスとして用いてプラズマを照射し、撥液層表面に撥液性を付与することができる方法であれば特に限定されるものではなく、減圧下でプラズマ照射してもよく、大気圧下でプラズマ照射してもよい。大気圧プラズマはコストや製造効率等の面で有利である。
撥液層表面に撥液化処理を施す際には、撥液層表面の液体との接触角が所定の範囲内になるように撥液化処理を行うことが好ましい。
撥液層表面に導入されたフッ素の存在は、X線光電子分光分析装置による分析において、撥液層表面より検出される全元素中のフッ素元素の割合を測定することにより確認することができる。
撥液化処理が可能な材料としては、撥液化処理後において上記の撥液層表面の液体との接触角を満たすものであれば特に限定されるものではなく、例えば、オルガノポリシロキサン、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリアミド、ポリイミド、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等の高分子材料が挙げられる。
また、自己組織化膜としては、自己組織化単分子膜、ラングミュア−ブロジェット膜、交互吸着膜等を用いることができる。例えば、自己組織化単分子膜の材料としては、オクタデシルトリクロロシランやパーフルオロアルキルシラン等のシラン類を挙げることができる。なお、自己組織化単分子膜、ラングミュア−ブロジェット膜、および交互吸着膜については、例えば特開2003−195029号公報に記載されているものと同様とすることができるので、ここでの詳しい説明は省略する。
撥液層の厚みとしては、上記透過率を満たすことができ、撥液層側からのレーザー吸収層へのレーザー光の照射によるレーザーアブレーションにより除去可能な厚みであれば特に限定されるものではないが、具体的には1nm〜300nmの範囲内であることが好ましく、中でも2nm〜100nmの範囲内、特に2nm〜20nmの範囲内であることが好ましい。撥液層の厚みが上記範囲内であれば、撥液層側からレーザー吸収層にレーザー光を照射することで、効率良くレーザーアブレーションにより撥液層をパターン状に除去することができるからである。
撥液層の形成方法としては、撥液層に用いられる材料等に応じて適宜選択されるものであり、例えばレーザー吸収層上に撥液層形成用塗工液を塗布する方法が挙げられる。塗布方法としては、レーザー吸収層全面に撥液層形成用塗工液を塗布することができる方法であれば特に限定されるものではなく、例えば、スピンコート法、ダイコート法、ロールコート法、バーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、ブレードコート法、グラビア印刷法、スリットコート法、インクジェット法、フレキソ印刷法等の一般的な方法を用いることができる。
(3)基板
本発明においては、基板上にレーザー吸収層および撥液層が形成されていてもよい。
基板は、レーザー吸収層および撥液層を支持することができるものであればよく、機能性素子の用途等に応じて適宜選択される。基板としては、例えば、ガラス、樹脂フィルム、セラミック、金属からなるもの等を挙げることができる。また、基板は剛性を有していてもよく可撓性を有していてもよい。中でも、基板が可撓性を有する樹脂フィルムである場合には、熱や湿度による伸縮や変形等の寸法変化が比較的大きいことから、後述するように、撥液層パターニング工程では基板の寸法変化に基いてレーザー光の照射位置を補正することが好ましい。
また、レーザー吸収層が基板を兼ねていてもよい。
2.撥液層パターニング工程
本発明における撥液層パターニング工程は、撥液層側からレーザー吸収層にレーザー光をパターン状に照射して、レーザーアブレーションにより撥液層をパターン状に除去し、レーザー吸収層を露出させる工程である。
レーザー光の波長は、撥液層を透過し、レーザー吸収層に吸収されるとともに、レーザー光をレーザー吸収層に照射することによりレーザーアブレーションを起こすことができれば特に限定されるものでなく、例えば、紫外線領域、可視光線領域、赤外線領域等が挙げられる。中でも、紫外線領域が好ましい。紫外線はエネルギーが大きく、レーザーアブレーションに有利だからである。紫外線領域は、通常365nm以下であり、中でも190nm〜355nmの範囲内、特に248nm〜355nmの範囲内であることが好ましい。
レーザー光としては、波長により適宜選択される。紫外線レーザーの場合、例えば、F、ArF、KCl、KrF、XeCl、XeF等のエキシマレーザー、YAGレーザー等を用いることができる。
また、レーザー光の照射量は、撥液層側からレーザー吸収層にレーザー光を照射することで、レーザーアブレーションにより撥液層を除去することができ、また照射部分のレーザー吸収層を残存させることができる程度であればよく、特に限定されない。
レーザー光の照射時間は比較的短いことが好ましい。照射時間が長いと、照射部分のレーザー吸収層まで除去されてしまうおそれがあるからである。そのため、高出力のレーザー光を用いることが好ましい。
撥液層側からレーザー吸収層にレーザー光をパターン状に照射する際には、マスクを介してレーザー光を照射してもよく、レーザー光を集光して照射してもよい。
また、上述のように基板上にレーザー吸収層および撥液層が形成されている場合には、撥液層パターニング工程では基板の寸法変化に基いてレーザー光の照射位置を補正することが好ましい。例えば図8(a)〜(d)は基板2に寸法変化がない場合、図8(e)〜(i)は基板2が膨張した場合、図8(j)〜(n)は基板2が変形した場合の例である。図8(a)に対し図8(e)、(j)に示すように、基板2が熱や湿度等によって伸縮または変形した場合、設計値が変わってしまい、機能層を形成する領域15にずれが生じる。一方、図8(b)に対し図8(f)、(k)に示すように、撥液層パターニング工程にて基板の寸法変化に基いてレーザー光の照射位置を補正し、撥液層4をパターン状に除去してレーザー吸収層3を露出させる場合には、図8(c)と同様に図8(g)、(l)に示すように機能層形成工程にて設計値通りに機能層形成用塗工液5aを塗布し、基板の寸法変化によって機能層形成用塗工液5aの塗布位置がずれたとしても、露出したレーザー吸収層3表面と撥液層4表面との濡れ性の違いによる濡れ性変化パターンを利用して、図8(h)、(m)に示すように所望の位置に機能層形成用塗工液5aを移動させることができる。そのため、図8(d)と同様に図8(i)、(n)に示すように所望の位置に機能層5を形成することができ、機能層5の位置精度を向上させることができる。特に、後述するように、積層工程、撥液層パターニング工程および機能層形成工程を順に繰り返し行う場合には、複数層の機能層の積層精度を向上させることが可能である。
基板の寸法変化に基いてレーザー光の照射位置を補正する場合には、分割露光を行うステッパーと呼ばれる露光装置や、レーザー光を直接描画する直接描画装置を使用することが好ましい。基板の伸縮や変形等に追従した露光処理が可能になるからである。
レーザー光を照射する際、レーザー吸収層および撥液層の積層体の温度として特に限定されないが、レーザー吸収層および撥液層の積層体を加熱しながらレーザー光を照射することが好ましい。これにより、レーザーアブレーションが起こりやすくなるからである。加熱温度としては、レーザーアブレーションが起こりやすい温度であれば特に限定されないが、具体的に50℃〜150℃の範囲内であることが好ましい。
撥液層のパターン形状としては、機能性素子の用途等に応じて適宜選択されるものであり、任意の形状とすることができる。
また、撥液層のパターン寸法としては特に限定されるものではないが、本発明においては濡れ性変化パターンの微細化が可能である。具体的には、撥液層の開口部の幅が2μm程度であれば形成可能である。
3.親液化処理工程
本発明においては、上記撥液層パターニング工程後および後述の機能層形成工程前に、露出したレーザー吸収層表面に親液化処理を行う親液化処理工程を行ってもよい。
親液化処理としては、露出したレーザー吸収層表面のみに親液性を付与することができる方法であれば特に限定されるものではなく、例えばUV−オゾン処理、真空紫外線処理、レーザー吸収層表面に親液性を付与することができる化合物を導入ガスとして用いてプラズマを照射するプラズマ処理等が挙げられる。中でも、親液化処理は、UV−オゾン処理、真空紫外線処理等の紫外線を利用する方法であることが好ましい。撥液層が紫外線を透過する場合には、撥液層および露出したレーザー吸収層の全面にUV−オゾン処理または真空紫外線処理を施した場合でも、撥液層表面は親液化されず、露出したレーザー吸収層表面のみを親液化することができ、精度良く効率的に親液化処理を行うことができるからである。
UV−オゾン処理において、オゾンを発生させる酸素や空気を用いることができる。
UV−オゾン処理は、撥液層およびレーザー吸収層の全面に施してもよく、マスクを介して露出したレーザー吸収層表面のみに施してもよいが、撥液層およびレーザー吸収層の全面に施すことが好ましい。上述のように、撥液層が紫外線を透過する場合には、撥液層およびレーザー吸収層の全面にUV−オゾン処理を施した場合でも、露出したレーザー吸収層表面のみを親液化することができる。
また、真空紫外線処理も、UV−オゾン処理と同様に、撥液層およびレーザー吸収層の全面に施してもよく、マスクを介して露出したレーザー吸収層表面のみに施してもよいが、撥液層およびレーザー吸収層の全面に施すことが好ましい。
プラズマ処理において、導入ガスとして用いられる化合物は、レーザー吸収層表面のみに親液性を付与することができるものであればよく、例えば、酸素、窒素、アルゴン、ヘリウム等が挙げられる。
プラズマ処理は、撥液層およびレーザー吸収層の全面に施してもよく、マスクを介して露出したレーザー吸収層表面のみに施してもよいが、マスクを介して露出したレーザー吸収層表面のみに施すことが好ましい。撥液層表面の撥液性を保持することができるからである。
露出したレーザー吸収層表面に親液化処理を施す際には、露出したレーザー吸収層表面の液体との接触角が所定の範囲内になるように親液化処理を行うことが好ましい。
4.機能層形成工程
本発明における機能層形成工程は、撥液層の開口部のレーザー吸収層上に機能層形成用塗工液を塗布して機能層を形成する工程である。
ここで、「機能」とは、光選択吸収、反射性、偏光性、光選択透過性、非線形光学性、蛍光またはリン光等のルミネッセンス、フォトクロミック性等の光学的;硬磁性、軟磁性、非磁性、透磁性等の磁気的;導電性、絶縁性、圧電性、焦電性、誘電性等の電気または電子的;吸着性、脱着性、触媒性、吸水性、イオン伝導性、酸化還元性、電気化学特性、エレクトロクロミック性等の化学的;耐摩耗性等の機械的;伝熱性、断熱性、赤外線放射性等の熱的;生体適合性、抗血栓性等の生体機能的のような各種の機能を意味するものである。
機能層形成用塗工液は、少なくとも機能性材料を含有するものである。機能性材料としては、機能性素子の種類や用途等に応じて適宜選択されるものであり、例えば、半導体材料、発光材料、正孔注入性材料、金属ナノコロイド等の導電性材料、着色材料、樹脂材料、タンパク質、細胞、DNA等の生体物質等を挙げることができる。
撥液層の開口部のレーザー吸収層上に機能層形成用塗工液を塗布する方法としては、撥液層の開口部のレーザー吸収層上にのみ機能層を形成することができる方法であれば特に限定されるものではなく、露出したレーザー吸収層表面および撥液層表面の液体の接触角の差に応じて適宜選択される。露出したレーザー吸収層表面および撥液層表面の液体の接触角の差が大きい場合には、撥液層およびレーザー吸収層の全面に機能層形成用塗工液を塗布する方法、および撥液層の開口部のレーザー吸収層上にのみ機能層形成用塗工液を塗布する方法のいずれも用いることができる。一方、露出したレーザー吸収層表面および撥液層表面の液体の接触角の差が小さい場合には、撥液層の開口部のレーザー吸収層上にのみ機能層形成用塗工液を塗布する方法が用いられる。撥液層およびレーザー吸収層の全面に機能層形成用塗工液を塗布する方法としては、例えば、スピンコート法、ダイコート法、ロールコート法、バーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、ブレードコート法、グラビア印刷法、フレキソ印刷法、グラビアオフセット印刷法、平版オフセット印刷法、スクリーン印刷法、インクジェット法、ノズルジェット法等が挙げられる。撥液層の開口部のレーザー吸収層上にのみ機能性部形成用塗工液を塗布する方法としては、例えば、インクジェット法、ディスペンサ法等の吐出法が挙げられる。
本発明において、機能層形成工程は、図1(e)に例示するように撥液層4の開口部のレーザー吸収層3上に機能層形成用塗工液を塗布して機能層5を形成する工程であってもよく、図2(d)〜(f)に例示するように撥液層4の開口部のレーザー吸収層3上に機能層形成用塗工液を塗布して機能層形成用塗工液の塗膜5aを形成する塗布工程とプラズマPの照射により機能層形成用塗工液の塗膜5aを乾燥させて機能層5を形成するとともに撥液層4を除去するプラズマ処理工程とを有していてもよい。
中でも、機能層形成工程は上記の塗布工程とプラズマ処理工程とを有することが好ましい。この場合、プラズマ処理工程にて撥液層が除去されることで、例えば機能層が形成されたレーザー吸収層上に塗工液を塗布してさらに任意の層を形成する場合には、撥液層によって塗工液がはじかれることがないため、ウェットプロセスにより任意の層を安定して容易に積層することができる。また、この場合には、積層工程、撥液層パターニング工程および機能層形成工程を繰り返し行うことにより、ウェットプロセスで複数層の機能層を積層することができる。さらに、機能層形成用塗工液の塗膜の乾燥と撥液層の除去とを同時に行うことができ、工程数を低減し、製造コストを削減することができる。
機能層形成工程が上記の塗布工程およびプラズマ処理工程を有する場合、塗布工程では、機能層形成用塗工液の塗膜の厚みが撥液層の厚みよりも厚くなるように、レーザー吸収層上に機能層形成用塗工液を塗布する。機能層形成用塗工液の塗膜の厚みが撥液層の厚みよりも厚ければ、プラズマ処理工程にて、機能層を除去することなく、撥液層のみを除去することができる。
機能層形成用塗工液の塗膜の厚みは、撥液層の厚みよりも厚ければ特に限定されるものではない。具体的には、機能層形成用塗工液の塗膜の厚みと撥液層の厚みとの差としては、50nm以上であることが好ましく、200nm以上であることがより好ましい。
また、プラズマ処理工程において、プラズマ処理としては、機能層形成用塗工液の塗膜を乾燥させるとともに撥液層を除去することができる方法であれば特に限定されるものではない。プラズマ処理に用いられるガスの種類としては、機能層および撥液層の材料および厚み等に応じて適宜選択されるものであり、例えば、水素、アルゴン、ヘリウム、窒素、酸素、空気等を挙げることができる。例えば、機能層として有機薄膜トランジスタにおける電極や有機半導体層を形成する場合には、電極や有機半導体層の酸化を防ぐために、水素、アルゴン、ヘリウム、窒素等の非酸化性のガスを用いることが好ましい。
プラズマ処理でのガス流量、圧力、時間等の条件は、機能層形成用塗工液の塗膜を乾燥させるとともに、機能層を除去することなく撥液層を除去することができる条件であればよく、適宜調整される。
5.積層工程、撥液層パターニング工程および機能層形成工程
本発明においては、上記の積層工程、撥液層パターニング工程および機能層形成工程を繰り返し行うことが好ましい。ウェットプロセスで複数層の機能層を積層することが可能である。
例えば、機能層形成工程が塗布工程およびプラズマ処理工程を有する場合には、積層工程、撥液層パターニング工程および機能層形成工程を順に繰り返し行うことにより、第1レーザー吸収層と第1機能層と第2レーザー吸収層と第2機能層とを順に積層することができ、ウェットプロセスで複数層の機能層を積層することができる。具体的には、図4(b)に示すように、積層工程、撥液層パターニング工程および機能層形成工程を順に繰り返し行うことにより、第1レーザー吸収層3aと、機能層であるソース電極21、ドレイン電極22および有機半導体層23と、第2レーザー吸収層3bと、機能層であるゲート電極24とを順に積層することができる。
また、複数の機能層を形成する場合であって、第1機能層と第2機能層とで形成位置が異なる場合には、撥液層パターニング工程および機能層形成工程を順に繰り返し行うことにより、レーザー吸収層上に第1機能層および第2機能層を形成することができる。この場合には、第1機能層を形成するための第1撥液層パターニング工程と第2機能層を形成するための第2撥液層パターニング工程とで、撥液層のレーザー光の照射領域を変えることにより、レーザー吸収層上に第1機能層および第2機能層をそれぞれ形成することができる。また、第1機能層表面は撥液層表面よりも撥液性が低いことから、第1機能層上または第1機能層を覆うように第2機能層を形成することもできる。具体的には、図3(b)〜(i)に示すように、機能層であるソース電極21およびドレイン電極22と有機半導体層23とで形成位置が異なる場合には、撥液層パターニング工程および機能層形成工程を順に繰り返し行うことにより、レーザー吸収層3a上に第1機能層であるソース電極21およびドレイン電極22と第2機能層である有機半導体層23とを形成することができる。
また、複数の機能層を形成する場合であって、第1機能層と第2機能層とで形成位置が異なる場合には、撥液層パターニング工程にて、第1機能層および第2機能層の形成領域のレーザー吸収層が露出するように撥液層を除去し、機能層形成工程にて、第1機能層および第2機能層の形成領域に第1機能層を形成した後、第2機能層の形成領域の第1機能層を部分的に除去することにより、レーザー吸収層上に第1機能層および第2機能層を形成することもできる。この場合も、上記の場合と同様に、第1機能層表面は撥液層表面よりも撥液性が低いことから、第1機能層上または第1機能層を覆うように第2機能層を形成することができる。第1機能層の除去方法としては、第1電極層を部分的に除去することができる方法であればよく、一般的なパターニング方法を適用することができる。
また、積層工程、撥液層パターニング工程および機能層形成工程を繰り返し行う場合、機能層がレーザー吸収層を兼ねていてもよい。この場合には、第1機能層形成工程後に行う第2積層工程において、第2レーザー吸収層を兼ねる第1機能層が形成された第1撥液層上に新たに第2レーザー吸収層を形成することなく第2撥液層を形成することにより、第1機能層上に第2機能層を積層することができる。具体的には、図5(d)〜(j)に示すように、第1機能層である有機半導体層23が第2レーザー吸収層を兼ねる場合には、第2積層工程にて第2レーザー吸収層を兼ねる有機半導体層23を覆うように第1撥液層4a上に第2撥液層4bを形成することにより、第1機能層である有機半導体層23上に第2機能層であるソース電極21およびドレイン電極22を積層することができる。
また、機能層形成工程が塗布工程およびプラズマ処理工程を有する場合であって、積層工程、撥液層パターニング工程および機能層形成工程を順に繰り返し行う場合、上述のように、第1レーザー吸収層と第1機能層と第2レーザー吸収層と第2機能層とを順に積層することができる。この場合、第1機能層上に直に第2レーザー吸収層を形成してもよく、第1機能層上に任意の層を介して第2レーザー吸収層を形成してもよい。機能性素子の層構成としては、機能性素子の用途、種類、およびレーザー吸収層の材料、特性等に応じて適宜選択される。図3(j)に示す例では、第2レーザー吸収層3bが絶縁性を有し、ゲート絶縁層を兼ねており、機能層であるソース電極21、ドレイン電極22および有機半導体層23を覆うように第1レーザー吸収層3a上に直に第2レーザー吸収層3bを形成している。一方、レーザー吸収層の絶縁性が十分ではない場合には、レーザー吸収層およびゲート絶縁層を別々に形成することが好ましい。この場合、図3(j)において、図示しないが、ソース電極21、ドレイン電極22および有機半導体層23を覆うように第1レーザー吸収層3a上にゲート絶縁層を形成し、ゲート絶縁層上に第2レーザー吸収層3bを形成すればよい。
6.用途
本発明の機能性素子の製造方法の用途としては、例えば、トランジスタやダイオード等の半導体素子における電極、半導体層、ゲート絶縁層および層間絶縁層の形成、TFT基板における画素電極の形成、太陽電池における背面電極の形成、有機EL素子における背面電極の形成、不揮発性メモリの電極およびポリマー層の形成、圧力センサーの電極およびポリマー層の形成、配線基板における配線の形成、カラーフィルタにおける着色層および遮光部の形成、バイオチップの作製等を挙げることができる。特に、本発明の機能性素子の製造方法は、パターンの微細化が要求される電子デバイスの製造に好適に用いることができる。
また、機能性素子として有機薄膜トランジスタを製造する場合、ボトムゲートボトムコンタクト型、ボトムゲートトップコンタクト型、トップゲートボトムコンタクト型、トップゲートトップコンタクト型のいずれも製造することができるが、中でも、トップゲートボトムコンタクト型、トップゲートトップコンタクト型が好ましい。機能層形成工程が塗布工程およびプラズマ処理工程を有する場合、トップゲートボトムコンタクト型およびトップゲートトップコンタクト型では、チャネル面にプラズマ処理を施すことなく有機薄膜トランジスタを製造することができ、プラズマ処理による有機薄膜トランジスタの特性劣化を抑制することができるからである。
B.機能性素子
本発明の機能性素子は、レーザー光を吸収し、表面にパターン状の凹部を有するレーザー吸収層と、上記レーザー吸収層の上記凹部に形成された機能層とを有することを特徴とするものである。
本発明の機能性素子について図面を参照しながら説明する。
図2(f)は本発明の機能性素子の一例を示す概略断面図である。図2(f)に例示する機能性素子1は、基板2と、基板2上に形成され、レーザー光を吸収し、表面にパターン状の凹部10を有するレーザー吸収層3と、レーザー吸収層3の凹部10に形成された機能層5とを有している。
本発明の機能性素子は、上述の機能性素子の製造方法により製造されるものである。
図2(a)〜(f)は本発明の機能性素子の製造方法の一例を示す工程図である。なお、図2(a)〜(f)に示す機能性素子の製造方法については、上記「A.機能性素子の製造方法」の項に詳しく記載したので、ここでの説明は省略する。
機能性素子1においては、図2(b)〜(c)に示すように、レーザー光Lがレーザー吸収層3に吸収されることで、撥液層4およびレーザー吸収層3の界面から撥液層4に向かってアブレーションが起こるため、撥液層4が除去された領域ではレーザー吸収層3表面が僅かに窪み、凹部10が形成される。機能層5は、このレーザー吸収層3の凹部10に形成されている。
本発明の機能性素子は、上述の機能性素子の製造方法により製造されるものであるため、高精細な機能層を有する機能性素子とすることが可能である。
また本発明においては、レーザー吸収層は表面に凹部を有しており、レーザー吸収層の凹部に機能層が形成されていることにより、機能層の密着性を向上させることができる。
図1(e)は本発明の機能性素子の他の例を示す概略断面図である。図1(e)に例示する機能性素子1は、基板2と、基板2上に形成され、レーザー光を吸収し、表面にパターン状の凹部10を有するレーザー吸収層3と、レーザー吸収層3上にパターン状に形成され、レーザー光を透過し、レーザー吸収層3よりも撥液性が高い撥液層4と、撥液層4の開口部のレーザー吸収層3の凹部10に形成された機能層5とを有している。レーザー吸収層3の凹部10は撥液層4の開口部に配置されており、レーザー吸収層3凹部10と撥液層4の開口部とは位置が一致している。
このように本発明においては、レーザー吸収層上に、レーザー光を透過する撥液層がパターン状に形成されていてもよく、形成されていなくてもよい。
レーザー吸収層上に撥液層が形成されていない場合には、例えば機能層が形成されたレーザー吸収層上に塗工液を塗布してさらに任意の層を形成する場合には、撥液層によって塗工液がはじかれることがないため、ウェットプロセスにより任意の層を安定して容易に積層することができる。そのため、複数層の機能層が積層された機能性素子を得ることもできる。
図9(a)〜(d)は本発明の機能性素子の他の例を示す概略断面図であり、機能性素子が有機薄膜トランジスタである場合の例である。
図9(a)に例示する有機薄膜トランジスタ20は、基板2と、基板2上に形成された第1レーザー吸収層3aと、第1レーザー吸収層3aの凹部10aに形成され、第1機能層であるソース電極21、ドレイン電極22および有機半導体層23と、ソース電極21、ドレイン電極22および有機半導体層23を覆うように第1レーザー吸収層3a上に形成された第2レーザー吸収層3bと、第2レーザー吸収層3bの凹部10bに形成され、第2機能層であるゲート電極24とを有している。この有機薄膜トランジスタ20は、トップゲートボトムコンタクト型である。
図9(b)に例示する有機薄膜トランジスタ20は、基板2と、基板2上に形成された第1レーザー吸収層3aと、第1レーザー吸収層3aの凹部10aに形成され、第1機能層かつ第2レーザー吸収層である有機半導体層23と、第2レーザー吸収層である有機半導体層23の凹部10bに形成され、第2機能層であるソース電極21およびドレイン電極22と、有機半導体層23、ソース電極21およびドレイン電極22を覆うように第1レーザー吸収層3a上に形成された第3レーザー吸収層3cと、第3レーザー吸収層3cの凹部10cに形成され、第3機能層であるゲート電極24とを有している。この有機薄膜トランジスタ20は、トップゲートトップコンタクト型である。
図9(c)に例示する有機薄膜トランジスタ20は、基板2と、基板2上に形成された第1レーザー吸収層3aと、第1レーザー吸収層3aの凹部10aに形成され、第1機能層であるゲート電極24と、ゲート電極24を覆うように第1レーザー吸収層3a上に形成された第2レーザー吸収層3bと、第2レーザー吸収層3bの凹部10bに形成され、第2機能層であるソース電極21、ドレイン電極22および有機半導体層23を有している。この有機薄膜トランジスタ20は、ボトムゲートボトムコンタクト型である。
図9(d)に例示する有機薄膜トランジスタ20は、基板2と、基板2上に形成された第1レーザー吸収層3aと、第1レーザー吸収層3aの凹部10aに形成され、第1機能層かつ第2レーザー吸収層であるゲート電極24と、ゲート電極24を覆うように第1レーザー吸収層3a上に形成された第2レーザー吸収層3bと、第2レーザー吸収層3bの凹部10bに形成され、第2機能層かつ第3レーザー吸収層である有機半導体層23と、第3レーザー吸収層である有機半導体層23の凹部10cに形成され、第3機能層であるソース電極21およびドレイン電極22とを有している。この有機薄膜トランジスタ20は、ボトムゲートトップコンタクト型である。
なお、本願明細書においては、レーザー吸収層および機能層が繰り返し積層されている場合には、便宜上、各層に順番に第1、第2、第3等と番号を付すこととする。
このように本発明において、レーザー吸収層および機能層が繰り返し積層されている場合には、複数層の機能層が積層された種々の機能性素子を得ることができる。
なお、撥液層、機能層および基板、ならびに機能性素子の用途等については、上記「A.機能性素子の製造方法」の項に詳しく記載したので、ここでの説明は省略する。以下、本発明の機能性素子における他の構成について説明する。
1.レーザー吸収層
本発明におけるレーザー吸収層は、レーザー光を吸収し、表面にパターン状の凹部を有するものである。
凹部の深さとしては、上述の機能性素子の製造方法により形成することができる程度であれば特に限定されないが、具体的には、50nm〜150nmの範囲内であることが好ましい。凹部の深さが小さいと、レーザー吸収層の凹部に形成される機能層の密着性が低下する場合がある。また、凹部の深さが大きいと、上述の機能性素子の製造方法におけるレーザーアブレーションにより凹部を形成することが困難である。
ここで、凹部の深さとは、機能層が形成されていない領域のレーザー吸収層表面から、機能層が形成されている領域のレーザー吸収層表面までの深さをいう。例えば図10(a)、(b)に示すように、機能層5が形成されていない領域のレーザー吸収層3の表面から、機能層5が形成されている領域のレーザー吸収層3の表面までの深さdを、凹部10の深さとする。
また、凹部の幅としては、機能性素子の用途、機能層の種類等に応じて適宜調整されるものであり、特に限定されるものではないが、本発明の機能性素子は上述の機能性素子の製造方法により製造されるものであることから、凹部のパターンの微細化が可能である。具体的には、凹部の幅が2μm程度であれば形成可能である。
凹部のパターン形状としては、機能性素子の用途等に応じて適宜選択されるものであり、任意の形状とすることができる。
また、レーザー吸収層上にパターン状に撥液層が形成されている場合、レーザー吸収層の凹部および撥液層の開口部の位置は一致している。ここで、レーザー吸収層の凹部および撥液層の開口部の位置が一致しているとは、レーザー吸収層の凹部の端部と撥液層の開口部の端部とが一致していることをいう。例えば図10(b)においては、レーザー吸収層3の凹部10の端部と撥液層4の開口部の端部とが一致している。
なお、レーザー吸収層のその他の点については、上記「A.機能性素子の製造方法」の項に詳しく記載したので、ここでの説明は省略する。
2.レーザー吸収層および撥液層
本発明においては、レーザー吸収層および機能層が繰り返し積層されていることが好ましい。複数層の機能層が積層された種々の機能性素子を得ることができる。
なお、レーザー吸収層および機能層が繰り返し積層されている場合については、上記「A.機能性素子の製造方法」の項に詳しく記載したので、ここでの説明は省略する。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下に実施例を示し、本発明をさらに詳細に説明する。
[実施例1]
(濡れ性変化パターンの形成)
まず、帝人社製のポリカーボネートフィルム上に、レーザー吸収層形成用塗工液として和光純薬製のスチレンポリマー 198−12805の5wt%トルエン溶液を、Mikasa製のスピンコーター MS−A200で塗布し、乾燥することで厚さ1μmのレーザー吸収層を形成した。このレーザー吸収層表面の純水の接触角を協和界面科学社製の接触角計 PCA−1で測定した結果は80°であった。また、レーザー吸収層の波長248nmの透過率は40%であった。
次いで、レーザー吸収層表面に、撥液層形成用塗工液として旭硝子社製 サイトップCTX−809APをスピンコーターで塗布し、乾燥することで厚さ20nmの撥液層を形成した。この撥液層表面の純水の接触角を協和界面科学社製の接触角計 PCA−1で測定した結果は110°であった。また、撥液層の波長190nm〜380nmの透過率はほぼ一定であり、95%であった。
次に、上記の積層体の撥液層側からTamarack製の波長248nmのエキシマレーザーを120mW/cmの出力で照射し、レーザー吸収層の最表層をアブレーションすることで撥液層をパターニングした。これにより、露出したレーザー吸収層表面と撥液層表面とで接触角の差が30°となる濡れ性変化パターンを形成した。また、このパターニングによる最小線幅は2μmであることが確認された。
(機能層の形成)
次に、上記の濡れ性変化パターンが形成された基板表面に、SIGMA−ALDRICH社のナノAg水分散液 製品番号:730785をアプリケーターで塗布した。塗布条件は、塗工ギャップ100μm、塗工速度3m/分、液量80μLであった。塗工の結果、露出したレーザー吸収層上のみにインクが充填された。その後、NISSHIN社製のプラズマ焼成装置で処理することでAg配線の焼成と撥液層の除去を同時になした。これにより平均膜厚5μmのAg配線を形成した。この方法では最小線幅50μmのAg配線を形成可能であった。
[実施例2]
(濡れ性変化パターンの形成)
実施例1で得られた濡れ性変化パターンにおいて、TAKEDEN製のUV装置を用いて撥液層側からUV−オゾン処理を行った。UV−オゾン処理後のレーザー吸収層表面の純水の接触角を協和界面科学社製の接触角計 PCA−1で測定したところ20°となり、露出されたレーザー吸収層のみで濡れ性が向上した。これにより、露出したレーザー吸収層表面と撥液層表面とで接触角の差が90°となる濡れ性変化パターンを形成した。
(機能層の形成)
次に、実施例1と同様にして平均膜厚5μmのAg配線を形成した。この方法では最小線幅50μmのAg配線を形成可能であった。
[比較例1]
まず、実施例1と同様にして、帝人社製のポリカーボネートフィルム上にレーザー吸収層を形成した。
次に、レーザー吸収層表面にTamarack製の波長248nmのエキシマレーザーを120mW/cmの出力で照射し、レーザー吸収層の最表層をアブレーションすることでパターニングした。これにより、レーザー吸収層表面に凹凸パターンを形成した。
このパターニングによる最小線幅は2μmであることが確認された。しかしながら、凹凸パターンの凹部および凸部の純水との接触角はいずれも80°であり、濡れ性変化パターンは得られなかった。比較例1から、レーザー吸収層上に撥液層を設ける効果を確認できた。
[比較例2]
まず、厚さ0.7mmの日本電気硝子製のガラス基板 OA10の表面に、旭硝子社製のサイトップCTX−809APをスピンコーターで塗布し、乾燥することで厚さ20nmの撥液層を形成した。この撥液層表面の純水の接触角を協和界面科学社製の接触角計 PCA−1で測定した結果は110°であった。また、撥液層の波長190nm〜380nmの透過率はほぼ一定であり、95%であった。
次に、撥液層表面にTamarack製の波長248nmのエキシマレーザーを120mW/cmの出力で照射したが、実施例1および比較例1のようなアブレーションは起こらなかった。撥液層は波長248nmの紫外線の吸収が10%未満と非常に弱く、またガラス基板のアブレーションには出力が不足するためである。比較例2より、撥液層の下地層としてアブレーションを起こしやすい層を導入する効果が確認された。
1 … 機能性素子
2 … 基板
3 … レーザー吸収層
4 … 撥液層
5 … 機能層
10 … 凹部
L … レーザー光

Claims (6)

  1. レーザー光を吸収するレーザー吸収層、および、レーザー光を透過し、前記レーザー吸収層よりも撥液性が高い撥液層を積層する積層工程と、
    前記撥液層側から前記レーザー吸収層にレーザー光をパターン状に照射して、レーザーアブレーションにより前記撥液層をパターン状に除去し、前記レーザー吸収層を露出させる撥液層パターニング工程と、
    前記撥液層の開口部の前記レーザー吸収層上に機能層形成用塗工液を塗布して機能層を形成する機能層形成工程と
    を有することを特徴とする機能性素子の製造方法。
  2. 前記機能層形成工程は、
    前記機能層形成用塗工液の塗膜の厚みが前記撥液層の厚みよりも厚くなるように、前記レーザー吸収層上に前記機能層形成用塗工液を塗布する塗布工程と、
    プラズマ照射により前記塗膜を乾燥させるとともに前記撥液層を除去するプラズマ処理工程と
    を有することを特徴とする請求項1に記載の機能性素子の製造方法。
  3. 前記積層工程、前記撥液層パターニング工程および前記機能層形成工程を順に繰り返し行うことを特徴とする請求項2に記載の機能性素子の製造方法。
  4. 基板上に前記レーザー吸収層および前記撥液層が積層されており、前記撥液層パターニング工程では前記基板の寸法変化に基いて前記レーザー光の照射位置を補正することを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかに記載の機能性素子の製造方法。
  5. 前記撥液層パターニング工程後および前記機能層形成工程前に、露出した前記レーザー吸収層表面に親液化処理を行う親液化処理工程をさらに有することを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれかに記載の機能性素子の製造方法。
  6. レーザー光を吸収し、表面にパターン状の凹部を有するレーザー吸収層と、
    前記レーザー吸収層の前記凹部に形成された機能層と
    を有する機能性素子であって、
    前記レーザー吸収層上にパターン状に形成され、レーザー光を透過し、前記レーザー吸収層よりも撥液性が高い撥液層をさらに有し、前記レーザー吸収層の前記凹部および前記撥液層の開口部の位置が一致していることを特徴とする機能性素子。
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