JP6221320B2 - 機能性素子の製造方法および機能性素子 - Google Patents
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Description
この場合、光触媒または真空紫外線等と作用する酸素を確保するには、パターン形成用基板とフォトマスクとを所定の間隔をおいて配置することが好ましいが、紫外線等は拡散光であることから光が未照射部分に回り込んだり、酸素が励起されることで発生した酸素ラジカルが未照射部分に回り込んだりするため、解像性に劣り、パターニング精度が低下するという問題がある。特に、これらの方法に用いられる有機物は一般的にフォトレジスト等と比較して感度が低い材料であるため、パターン形成にはある程度の時間を要し、光や酸素ラジカルの回り込みが問題となる。
一方、パターン形成用基板とフォトマスクとを近接または接触させると、光や酸素ラジカルの回り込みを少なくすることができるものの、光触媒または真空紫外線等と作用する酸素が不足し、結果としてパターン形成の感度が低下する、またパターン形成に長時間を要するという問題がある。
本発明の機能性素子の製造方法は、レーザー光を吸収するレーザー吸収層、および、レーザー光を透過し、上記レーザー吸収層よりも撥液性が高い撥液層を積層する積層工程と、上記撥液層側から上記レーザー吸収層にレーザー光をパターン状に照射して、レーザーアブレーションにより上記撥液層をパターン状に除去し、上記レーザー吸収層を露出させる撥液層パターニング工程と、上記撥液層の開口部の上記レーザー吸収層上に機能層形成用塗工液を塗布して機能層を形成する機能層形成工程とを有することを特徴としている。
図1(a)〜(e)は本発明の機能性素子の製造方法の一例を示す工程図である。まず、図1(a)に例示するように、基板2上に、レーザー光を吸収するレーザー吸収層3と、レーザー光を透過し、レーザー吸収層3よりも撥液性が高い撥液層4とを積層する積層工程を行う。次に、図1(b)〜(c)に例示するように、撥液層4側からレーザー吸収層3にレーザー光Lをパターン状に照射すると、撥液層4がレーザー光Lを透過し、レーザー吸収層3がレーザー光Lを吸収するため、撥液層4およびレーザー吸収層3の界面から撥液層4に向かってアブレーションが起こり、レーザーアブレーションにより撥液層4がパターン状に除去され、レーザー吸収層3が露出し、レーザー吸収層3表面に凹部10が形成される。このようにして、図1(b)〜(d)に例示するように、撥液層4をパターニングする撥液層パターニング工程を行う。これにより、露出したレーザー吸収層3表面と撥液層4表面とで濡れ性の異なる濡れ性変化パターンが形成される。次に、図1(e)に例示するように、撥液層4の開口部のレーザー吸収層3上に機能層形成用塗工液を塗布して機能層5を形成する機能層形成工程を行う。この際、撥液層4表面よりも撥液性の低い、すなわち濡れ性の高いレーザー吸収層3表面のみに機能層形成用塗工液が付与されるため、機能層5がパターン状に形成される。この機能性素子1においては、レーザー光Lがレーザー吸収層3に吸収されることで、撥液層4およびレーザー吸収層3の界面から撥液層4に向かってアブレーションが起こるため、レーザー光が照射されて撥液層4が除去された領域ではレーザー吸収層3表面に窪みが形成され、すなわち凹部が形成される。
また、親液化処理がUV−オゾン処理や真空紫外線処理等の紫外線を利用する方法である場合であって、撥液層が紫外線を透過する場合には、撥液層表面は親液化されず、露出したレーザー吸収層表面のみを親液化することができる。
これに対し本発明において、親液化処理を行う場合には、図7(d)に例示するように、撥液層4がマスクとして機能しており、撥液層4とレーザー吸収層3とが接触しているとともに、撥液層4が除去された領域ではレーザー吸収層3が露出しているため、未照射部分への光や酸素ラジカルの回り込みを防ぎつつ、真空紫外線等と作用する酸素を十分に確保することができ、解像性が良好であり、精度良く露出したレーザー吸収層3の表面3aのみ親液化することができる。したがって、高精細な濡れ性変化パターンを形成することができ、この濡れ性変化パターンを利用して高精細な機能層を形成することが可能である。
本発明における積層工程は、レーザー光を吸収するレーザー吸収層、および、レーザー光を透過し、レーザー吸収層よりも撥液性が高い撥液層を積層する工程である。
以下、レーザー吸収層および撥液層に分けて説明する。
本発明におけるレーザー吸収層は、レーザー光を吸収するものである。
レーザー光の種類としては、レーザーアブレーションに使用可能であれば特に限定されるものではなく、レーザー吸収層の種類に応じて適宜選択される。例えば、紫外線レーザー、可視光線レーザー、赤外線レーザー等を用いることができる。中でも、紫外線レーザーが好ましい。紫外線はエネルギーが大きく、レーザーアブレーションに有利だからである。
なお、上記の透過率は、使用するレーザー光の波長の透過率を指す。具体的に、紫外線の透過率は、波長190nm〜380nmの光を用い、Lambert-Beerの法則に基いて試料の透過分光スペクトルを測定し、算出する。
また、露出したレーザー吸収層表面の液体との接触角は、表面張力70mN/mの液体との接触角が80°以下であることが好ましく、中でも60°以下、特に40°以下であることが好ましい。露出したレーザー吸収層表面の濡れ性が上記範囲であることにより、露出したレーザー吸収層表面と撥液層表面との濡れ性の相違を利用して容易に高精細なパターンで機能層を形成することが可能になるからである。
ここで、液体との接触角は、種々の表面張力を有する液体との接触角を、協和界面科学(株)製の接触角計 PCA−1を用いて、マイクロシリンジから液滴を滴下して30秒後に測定し、その結果から、もしくはその結果をグラフにして得たものである。また、この測定に際して、種々の表面張力を有する液体としては、純正化学株式会社製のぬれ指数標準液を用いた。
また、レーザー吸収層は、機能性素子の種類に応じて、機能性素子を構成する部材を兼ねることができる。例えば、レーザー吸収層が絶縁性を有しており、機能性素子として薄膜トランジスタを作製する場合には、レーザー吸収層はゲート絶縁層を兼ねることができる。図3(j)に示す例では、第2レーザー吸収層3bがゲート絶縁層を兼ねている。一方、レーザー吸収層の絶縁性が十分ではない場合には、レーザー吸収層およびゲート絶縁層を別々に形成することが好ましい。この場合、図3(j)において、図示しないが、ソース電極21、ドレイン電極22および有機半導体層23を覆うように第1レーザー吸収層3a上にゲート絶縁層を形成し、ゲート絶縁層上に第2レーザー吸収層3bおよび第2撥液層4bを積層すればよい。また例えば、後述するように、積層工程、撥液層パターニング工程および機能層形成工程を繰り返し行う場合であって、機能性素子として有機薄膜トランジスタを作製する場合には、有機半導体層がレーザー吸収層を兼ねることができる。図5(e)〜(g)に示す例では、有機半導体層23が第2レーザー吸収層を兼ねている。
撥液層を構成する撥液性材料よりも撥液性が低い材料としては、上記のレーザー吸収層表面の液体との接触角を満たすものであれば特に限定されるものではなく、公知の有機材料の中から適宜選択して用いることができる。親水性材料の例としては、ポリビニルアルコール類や尿素樹脂類が挙げられる。
また、親液化処理が可能な材料としては、親液化処理工程後において上記のレーザー吸収層表面の液体との接触角を満たすものであれば特に限定されるものではなく、例えば、ポリアクリレート、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルサルフォン、セルローストリアセテート、ポリスチレン、オルガノポリシロキサン等の高分子材料を挙げることができる。
本発明における撥液層は、レーザー光を透過し、レーザー吸収層よりも撥液性が高いものである。
なお、レーザー光の種類、レーザー光の透過率の定義およびレーザー光の透過率の測定方法については、上記レーザー吸収層の項に記載したものと同様である。
撥液層表面の液体との接触角は、露出したレーザー吸収層表面の液体との接触角よりも大きければよいが、具体的には表面張力70mN/mの液体との接触角が90°以上であることが好ましく、中でも95°以上、特に100°以上であることが好ましい。撥液層表面の濡れ性が上記範囲であることにより、撥液層表面と露出したレーザー吸収層表面との濡れ性の相違を利用して高精細な機能層を容易に形成することが可能になるからである。
なお、液体との接触角の測定方法については、上記レーザー吸収層の項に記載した方法と同様である。
プラズマの照射方法としては、フッ素化合物を導入ガスとして用いてプラズマを照射し、撥液層表面に撥液性を付与することができる方法であれば特に限定されるものではなく、減圧下でプラズマ照射してもよく、大気圧下でプラズマ照射してもよい。大気圧プラズマはコストや製造効率等の面で有利である。
撥液層表面に撥液化処理を施す際には、撥液層表面の液体との接触角が所定の範囲内になるように撥液化処理を行うことが好ましい。
撥液層表面に導入されたフッ素の存在は、X線光電子分光分析装置による分析において、撥液層表面より検出される全元素中のフッ素元素の割合を測定することにより確認することができる。
撥液化処理が可能な材料としては、撥液化処理後において上記の撥液層表面の液体との接触角を満たすものであれば特に限定されるものではなく、例えば、オルガノポリシロキサン、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリアミド、ポリイミド、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等の高分子材料が挙げられる。
本発明においては、基板上にレーザー吸収層および撥液層が形成されていてもよい。
基板は、レーザー吸収層および撥液層を支持することができるものであればよく、機能性素子の用途等に応じて適宜選択される。基板としては、例えば、ガラス、樹脂フィルム、セラミック、金属からなるもの等を挙げることができる。また、基板は剛性を有していてもよく可撓性を有していてもよい。中でも、基板が可撓性を有する樹脂フィルムである場合には、熱や湿度による伸縮や変形等の寸法変化が比較的大きいことから、後述するように、撥液層パターニング工程では基板の寸法変化に基いてレーザー光の照射位置を補正することが好ましい。
また、レーザー吸収層が基板を兼ねていてもよい。
本発明における撥液層パターニング工程は、撥液層側からレーザー吸収層にレーザー光をパターン状に照射して、レーザーアブレーションにより撥液層をパターン状に除去し、レーザー吸収層を露出させる工程である。
また、撥液層のパターン寸法としては特に限定されるものではないが、本発明においては濡れ性変化パターンの微細化が可能である。具体的には、撥液層の開口部の幅が2μm程度であれば形成可能である。
本発明においては、上記撥液層パターニング工程後および後述の機能層形成工程前に、露出したレーザー吸収層表面に親液化処理を行う親液化処理工程を行ってもよい。
UV−オゾン処理は、撥液層およびレーザー吸収層の全面に施してもよく、マスクを介して露出したレーザー吸収層表面のみに施してもよいが、撥液層およびレーザー吸収層の全面に施すことが好ましい。上述のように、撥液層が紫外線を透過する場合には、撥液層およびレーザー吸収層の全面にUV−オゾン処理を施した場合でも、露出したレーザー吸収層表面のみを親液化することができる。
プラズマ処理は、撥液層およびレーザー吸収層の全面に施してもよく、マスクを介して露出したレーザー吸収層表面のみに施してもよいが、マスクを介して露出したレーザー吸収層表面のみに施すことが好ましい。撥液層表面の撥液性を保持することができるからである。
本発明における機能層形成工程は、撥液層の開口部のレーザー吸収層上に機能層形成用塗工液を塗布して機能層を形成する工程である。
中でも、機能層形成工程は上記の塗布工程とプラズマ処理工程とを有することが好ましい。この場合、プラズマ処理工程にて撥液層が除去されることで、例えば機能層が形成されたレーザー吸収層上に塗工液を塗布してさらに任意の層を形成する場合には、撥液層によって塗工液がはじかれることがないため、ウェットプロセスにより任意の層を安定して容易に積層することができる。また、この場合には、積層工程、撥液層パターニング工程および機能層形成工程を繰り返し行うことにより、ウェットプロセスで複数層の機能層を積層することができる。さらに、機能層形成用塗工液の塗膜の乾燥と撥液層の除去とを同時に行うことができ、工程数を低減し、製造コストを削減することができる。
プラズマ処理でのガス流量、圧力、時間等の条件は、機能層形成用塗工液の塗膜を乾燥させるとともに、機能層を除去することなく撥液層を除去することができる条件であればよく、適宜調整される。
本発明においては、上記の積層工程、撥液層パターニング工程および機能層形成工程を繰り返し行うことが好ましい。ウェットプロセスで複数層の機能層を積層することが可能である。
本発明の機能性素子の製造方法の用途としては、例えば、トランジスタやダイオード等の半導体素子における電極、半導体層、ゲート絶縁層および層間絶縁層の形成、TFT基板における画素電極の形成、太陽電池における背面電極の形成、有機EL素子における背面電極の形成、不揮発性メモリの電極およびポリマー層の形成、圧力センサーの電極およびポリマー層の形成、配線基板における配線の形成、カラーフィルタにおける着色層および遮光部の形成、バイオチップの作製等を挙げることができる。特に、本発明の機能性素子の製造方法は、パターンの微細化が要求される電子デバイスの製造に好適に用いることができる。
本発明の機能性素子は、レーザー光を吸収し、表面にパターン状の凹部を有するレーザー吸収層と、上記レーザー吸収層の上記凹部に形成された機能層とを有することを特徴とするものである。
図2(f)は本発明の機能性素子の一例を示す概略断面図である。図2(f)に例示する機能性素子1は、基板2と、基板2上に形成され、レーザー光を吸収し、表面にパターン状の凹部10を有するレーザー吸収層3と、レーザー吸収層3の凹部10に形成された機能層5とを有している。
図2(a)〜(f)は本発明の機能性素子の製造方法の一例を示す工程図である。なお、図2(a)〜(f)に示す機能性素子の製造方法については、上記「A.機能性素子の製造方法」の項に詳しく記載したので、ここでの説明は省略する。
機能性素子1においては、図2(b)〜(c)に示すように、レーザー光Lがレーザー吸収層3に吸収されることで、撥液層4およびレーザー吸収層3の界面から撥液層4に向かってアブレーションが起こるため、撥液層4が除去された領域ではレーザー吸収層3表面が僅かに窪み、凹部10が形成される。機能層5は、このレーザー吸収層3の凹部10に形成されている。
また本発明においては、レーザー吸収層は表面に凹部を有しており、レーザー吸収層の凹部に機能層が形成されていることにより、機能層の密着性を向上させることができる。
レーザー吸収層上に撥液層が形成されていない場合には、例えば機能層が形成されたレーザー吸収層上に塗工液を塗布してさらに任意の層を形成する場合には、撥液層によって塗工液がはじかれることがないため、ウェットプロセスにより任意の層を安定して容易に積層することができる。そのため、複数層の機能層が積層された機能性素子を得ることもできる。
図9(a)に例示する有機薄膜トランジスタ20は、基板2と、基板2上に形成された第1レーザー吸収層3aと、第1レーザー吸収層3aの凹部10aに形成され、第1機能層であるソース電極21、ドレイン電極22および有機半導体層23と、ソース電極21、ドレイン電極22および有機半導体層23を覆うように第1レーザー吸収層3a上に形成された第2レーザー吸収層3bと、第2レーザー吸収層3bの凹部10bに形成され、第2機能層であるゲート電極24とを有している。この有機薄膜トランジスタ20は、トップゲートボトムコンタクト型である。
本発明におけるレーザー吸収層は、レーザー光を吸収し、表面にパターン状の凹部を有するものである。
ここで、凹部の深さとは、機能層が形成されていない領域のレーザー吸収層表面から、機能層が形成されている領域のレーザー吸収層表面までの深さをいう。例えば図10(a)、(b)に示すように、機能層5が形成されていない領域のレーザー吸収層3の表面から、機能層5が形成されている領域のレーザー吸収層3の表面までの深さdを、凹部10の深さとする。
本発明においては、レーザー吸収層および機能層が繰り返し積層されていることが好ましい。複数層の機能層が積層された種々の機能性素子を得ることができる。
なお、レーザー吸収層および機能層が繰り返し積層されている場合については、上記「A.機能性素子の製造方法」の項に詳しく記載したので、ここでの説明は省略する。
(濡れ性変化パターンの形成)
まず、帝人社製のポリカーボネートフィルム上に、レーザー吸収層形成用塗工液として和光純薬製のスチレンポリマー 198−12805の5wt%トルエン溶液を、Mikasa製のスピンコーター MS−A200で塗布し、乾燥することで厚さ1μmのレーザー吸収層を形成した。このレーザー吸収層表面の純水の接触角を協和界面科学社製の接触角計 PCA−1で測定した結果は80°であった。また、レーザー吸収層の波長248nmの透過率は40%であった。
次いで、レーザー吸収層表面に、撥液層形成用塗工液として旭硝子社製 サイトップCTX−809APをスピンコーターで塗布し、乾燥することで厚さ20nmの撥液層を形成した。この撥液層表面の純水の接触角を協和界面科学社製の接触角計 PCA−1で測定した結果は110°であった。また、撥液層の波長190nm〜380nmの透過率はほぼ一定であり、95%であった。
次に、上記の濡れ性変化パターンが形成された基板表面に、SIGMA−ALDRICH社のナノAg水分散液 製品番号:730785をアプリケーターで塗布した。塗布条件は、塗工ギャップ100μm、塗工速度3m/分、液量80μLであった。塗工の結果、露出したレーザー吸収層上のみにインクが充填された。その後、NISSHIN社製のプラズマ焼成装置で処理することでAg配線の焼成と撥液層の除去を同時になした。これにより平均膜厚5μmのAg配線を形成した。この方法では最小線幅50μmのAg配線を形成可能であった。
(濡れ性変化パターンの形成)
実施例1で得られた濡れ性変化パターンにおいて、TAKEDEN製のUV装置を用いて撥液層側からUV−オゾン処理を行った。UV−オゾン処理後のレーザー吸収層表面の純水の接触角を協和界面科学社製の接触角計 PCA−1で測定したところ20°となり、露出されたレーザー吸収層のみで濡れ性が向上した。これにより、露出したレーザー吸収層表面と撥液層表面とで接触角の差が90°となる濡れ性変化パターンを形成した。
次に、実施例1と同様にして平均膜厚5μmのAg配線を形成した。この方法では最小線幅50μmのAg配線を形成可能であった。
まず、実施例1と同様にして、帝人社製のポリカーボネートフィルム上にレーザー吸収層を形成した。
次に、レーザー吸収層表面にTamarack製の波長248nmのエキシマレーザーを120mW/cm2の出力で照射し、レーザー吸収層の最表層をアブレーションすることでパターニングした。これにより、レーザー吸収層表面に凹凸パターンを形成した。
このパターニングによる最小線幅は2μmであることが確認された。しかしながら、凹凸パターンの凹部および凸部の純水との接触角はいずれも80°であり、濡れ性変化パターンは得られなかった。比較例1から、レーザー吸収層上に撥液層を設ける効果を確認できた。
まず、厚さ0.7mmの日本電気硝子製のガラス基板 OA10の表面に、旭硝子社製のサイトップCTX−809APをスピンコーターで塗布し、乾燥することで厚さ20nmの撥液層を形成した。この撥液層表面の純水の接触角を協和界面科学社製の接触角計 PCA−1で測定した結果は110°であった。また、撥液層の波長190nm〜380nmの透過率はほぼ一定であり、95%であった。
次に、撥液層表面にTamarack製の波長248nmのエキシマレーザーを120mW/cm2の出力で照射したが、実施例1および比較例1のようなアブレーションは起こらなかった。撥液層は波長248nmの紫外線の吸収が10%未満と非常に弱く、またガラス基板のアブレーションには出力が不足するためである。比較例2より、撥液層の下地層としてアブレーションを起こしやすい層を導入する効果が確認された。
2 … 基板
3 … レーザー吸収層
4 … 撥液層
5 … 機能層
10 … 凹部
L … レーザー光
Claims (6)
- レーザー光を吸収するレーザー吸収層、および、レーザー光を透過し、前記レーザー吸収層よりも撥液性が高い撥液層を積層する積層工程と、
前記撥液層側から前記レーザー吸収層にレーザー光をパターン状に照射して、レーザーアブレーションにより前記撥液層をパターン状に除去し、前記レーザー吸収層を露出させる撥液層パターニング工程と、
前記撥液層の開口部の前記レーザー吸収層上に機能層形成用塗工液を塗布して機能層を形成する機能層形成工程と
を有することを特徴とする機能性素子の製造方法。 - 前記機能層形成工程は、
前記機能層形成用塗工液の塗膜の厚みが前記撥液層の厚みよりも厚くなるように、前記レーザー吸収層上に前記機能層形成用塗工液を塗布する塗布工程と、
プラズマ照射により前記塗膜を乾燥させるとともに前記撥液層を除去するプラズマ処理工程と
を有することを特徴とする請求項1に記載の機能性素子の製造方法。 - 前記積層工程、前記撥液層パターニング工程および前記機能層形成工程を順に繰り返し行うことを特徴とする請求項2に記載の機能性素子の製造方法。
- 基板上に前記レーザー吸収層および前記撥液層が積層されており、前記撥液層パターニング工程では前記基板の寸法変化に基いて前記レーザー光の照射位置を補正することを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかに記載の機能性素子の製造方法。
- 前記撥液層パターニング工程後および前記機能層形成工程前に、露出した前記レーザー吸収層表面に親液化処理を行う親液化処理工程をさらに有することを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれかに記載の機能性素子の製造方法。
- レーザー光を吸収し、表面にパターン状の凹部を有するレーザー吸収層と、
前記レーザー吸収層の前記凹部に形成された機能層と
を有する機能性素子であって、
前記レーザー吸収層上にパターン状に形成され、レーザー光を透過し、前記レーザー吸収層よりも撥液性が高い撥液層をさらに有し、前記レーザー吸収層の前記凹部および前記撥液層の開口部の位置が一致していることを特徴とする機能性素子。
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