JP6221211B2 - 誘電体バリア放電発生装置とシート材改質装置、画像形成装置及び印刷物の生産方法 - Google Patents

誘電体バリア放電発生装置とシート材改質装置、画像形成装置及び印刷物の生産方法 Download PDF

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Description

この発明は、放電電極と誘電体を挟んで対向するカウンタ電極との間に高電圧インバータの出力高電圧を印加して誘電体バリア放電を発生させる誘電体バリア放電発生装置、その誘電体バリア放電によってシート材を改質するシート材改質装置、そのシート材改質装置を備えた画像形成装置、及び印刷物の生産方法に関する。
従来から、樹脂フィルム等のシート材の表面をプラズマに接触させて改質を行う技術がある。このようなプラズマを用いてシート材の表面改質を行う技術において、シート材を移動させながらプラズマを接触させることにより、接触の均一性を向上させることが可能である。均一性をさらに向上させるためには、プラズマを発生させる電極をシート材の移動方向に複数配置すると共に、電極をローラ状にしてシート材の移動方向に沿って回転するように構成するのが望ましい。
特許文献1にはこのような改質装置が提案されている。その改質装置では、放電電極ローラとカウンタ電極とを、絶縁体(誘電体)の搬送ベルトを挟んで対向させ、その間に高電圧を印加して大気圧プラズマ放電(沿面放電による誘電体バリア放電)を発生させて、プラズマを形成している。この沿面放電によるプラズマは、シート材の被加工面に対する接触面積が大きいため、改質時におけるムラの発生が抑制され、改質の均一性が高い精度で確保される。
このようなシート材の表面改質処理等のために、大気圧プラズマ放電による誘電体バリア放電を安定して発生させるには、高電圧インバータによって数KVから数十KVの高電圧による高電力を、負荷である誘電体を介して対向する放電電極とカウンタ電極間に安定的に供給する必要がある。
このような高電圧インバータによって、金属電極と誘電体電極からなる電極を有するオゾン発生器に高電圧を印加して、沿面放電もしくは無声放電、またはそれらの複合放電により、オゾンを発生させるオゾン発生器用電源装置が、特許文献2に開示されている。
この電源装置によれば、放電特性を制御することによってオゾン発生器のオゾン発生効率を向上させることができるとのことである。
しかしながら、このような大気圧プラズマ放電の一種である誘電体バリア放電を発生させるための従来の装置では、高電圧インバータの負荷である放電電極とカウンタ電極との間に介在する誘電体の特性について充分な検討がされていなかったため、誘電体バリア放電を効率的に発生させることができなかった。
この発明は上記のような背景に鑑みてなされたものであり、放電電極と誘電体を挟んで対向するカウンタ電極との間に高電圧インバータの出力高電圧を印加して、沿面放電もしくは無声放電、または沿面放電と無声放電の複合放電による誘電体バリア放電を発生させる誘電体バリア放電発生装置において、高電圧インバータの負荷となる上記放電電極とカウンタ電極との間に介在する誘電体を最適なものにして、誘電体バリア放電を効率的に発生させることを目的とする。
この発明は上記の目的を達成するため、放電電極と、該放電電極との対向面に誘電体を被着したカウンタ電極との間に高電圧インバータの出力高電圧を印加して、沿面放電もしくは無声放電、または沿面放電と無声放電の複合放電による誘電体バリア放電を発生させる誘電体バリア放電発生装置であって、上記高電圧インバータ、入力電圧をスイッチングしてトランスの励磁巻線に流す励磁電流をオン・オフし、オンのときにその励磁巻線に励磁エネルギーをため、オフのときに該トランスの出力巻線のインダクタンスと、その出力巻線の分布容量及び上記放電電極とカウンタ電極間の負荷容量との合成容量とによる並列共振回路によって、上記励磁巻線と上記出力巻線の巻数比に応じた高電圧を出力するフライバック型電圧共振インバータであり、上記励磁電流をオン・オフするスイッチング周波数が10KHzから60KHzであり、上記誘電体の誘電正接が0.009から0.02の範囲にあることを特徴とする。
この発明による誘電体バリア放電発生装置は、フライバック型電圧共振インバータの励磁電流をオン・オフするスイッチング周波数が10KHzから60KHzであり、そのインバータの出力高電圧が印加される負荷である、放電電極とカウンタ電極との間に介在する誘電体の誘電正接が0.009から0.02の範囲にある。
したがって、誘電体の誘電損失を示す誘電正接(tanδ)の範囲が、誘電体バリア放電の発生に最適な高電力が得られる範囲となり、誘電体バリア放電を効率的に発生させることができる。
この発明による誘電体バリア放電発生装置の一実施形態を簡略化して示す回路図である。 図1におけるスイッチング信号Spと出力電圧Voutの一例を示す波形図である。 図1における高電圧インバータ10の負荷である放電部20の構成例を模式的に示す側面図である。 誘電体バリア放電について説明するための放電部の一例を示す図である。 誘電正接が異なる誘電体シートを使用した場合の電極間容量と出力電力及び出力電圧の関係を示す線図である。 この発明によるシート材改質装置の一実施形態を示す概略構成図である。 この発明による画像形成装置の一実施形態の要部のみを示す概略構成図である。
以下、この発明を実施するための形態を図面に基づいて具体的に説明する。
〔誘電体バリア放電発生装置の実施形態〕
図1は、この発明による誘電体バリア放電発生装置の一実施形態を簡略化して示す回路図である。
この誘電体バリア放電発生装置1は、高電圧インバータ10とその負荷である放電部20とによって構成されている。
高電圧インバータ10は、商用電源11からの交流電圧を整流及び平滑する整流・平滑回路12と、その整流・平滑回路12が出力する直流電圧(脈流成分を含んでもよい)を入力電圧Vinとするトランス13と、FET等によるスイッチング素子14および制御回路15を備えている。
トランス13は励磁巻線Npと出力巻線Nsを有し、その励磁巻線Npをスイッチング素子14と直列に、整流・平滑回路12からの給電回路に接続している。そのスイッチング素子14は、制御回路15がゲート端子に出力するスイッチング信号Spによって、オン(ON)・オフ(OFF)制御される。
なお、実際の回路では、励磁巻線Npと並列にスナバ回路を構成するコンデンサとダイオード等が接続され、制御回路15からスイッチング素子14のゲートへの信号線に直列に保護抵抗が接続されているが、この発明には直接関係しないので、図1では図示を省略している。
制御回路15からスイッチング素子14のゲートに印加されるスイッチング信号Spは、図2の(a)に示すような矩形波であり、このスイッチング信号Spがローレベルの期間がOFF期間であり、ハイレベルの期間がON期間である。Tは1周期である。
図1に示した高電圧インバータ10は、フライバック型電圧共振インバータである。したがって、入力電圧Vinをスイッチング素子14によってスイッチングして、トランス13の励磁巻線Npに流す励磁電流をオン・オフする。そして、オン(ON)のときに励磁巻線Npに励磁エネルギーをためる。オフ(OFF)のときに、トランス13の出力巻線Nsから図2の(b)に示すような出力電圧Voutを出力して、負荷である放電部20の電極間に印加する。
その出力電圧Voutは、出力巻線NsのインダクタンスLと、その出力巻線Nsの分布容量C1及び負荷である放電部20の等価容量(「負荷容量」という)Coとの合成容量とによる並列共振回路によって発生し、励磁巻線Npと出力巻線Nsの巻数比に応じた高電圧である。そのため、出力電圧Voutの波形は、図2の(b)に示すように略正弦波形の半波状であり、この例では正の半波に相当する正(+)電圧であるが、負の半波に相当する負(−)電圧にすることもできる。
この高電圧インバータ10におけるトランス13を、同一の特性を持つ個別の(磁気分離された)複数のトランスによって構成してもよい。その各トランスの励磁巻線を並列に接続して同時に励磁させるようにし、各出力巻線を互いに並列又は直列に接続するようにすれば、一層大電力又は高電圧の出力を得ることができる。その場合、各出力巻線の出力電圧波形の時間軸が同期するようにするとよい。
また、いずれの場合も、共振の鋭さを示すQ値が大きい程出力電圧を高めることができる。
制御回路15がスイッチング信号Spをパルス幅変調(PWM)制御して、1周期におけるON期間とOFF期間の比率(デューティ)を変えることにより、出力電圧Voutを制御することが可能である。そのスイッチング信号Spの周波数及び周期を変更することもできる。
放電部20は図3に示すように、放電電極21と、それに対向するカウンタ電極22と、その放電電極21とカウンタ電極22との間に介在する誘電体23とによって構成されている。
放電電極21は、この実施形態では銅やアルミニウム等の導電性のよい金属線21aの周囲に、絶縁体(誘電体)21bを被覆した丸棒状の複数(図示の例では15本)の放電電極21によって放電電極列を構成している。すなわち、複数の放電電極21が、平板状のカウンタ電極22の対向面22aに平行な面内で、図3で左右方向に互いに隣接する電極同士の外周が接するように並んで、紙面に垂直な方向に延びて配列されている。各放電電極の直径(φ)は、例えば8mm程度である。
カウンタ電極22は、銅やアルミニウム等の導電性のよい金属による平板状の電極であり、放熱板も兼ねている。そのカウンタ電極22の放電電極21との対向面22aに、シリコン系シート等の誘電体23を被着している。図3においては、分り易くするためにカウンタ電極22と誘電体23との間に隙間を設けているが、実際には接着等によって密着している。
放電電極21と誘電体23との間も、間隔を拡げて示しているが、実際には、表面改質を施すシート材が一点鎖線の矢印Fで示すように通過できる程度の隙間があればよい。
このように構成した放電部20の各放電電極21とカウンタ電極22との間に、前述した高電圧インバータ10の高電圧の出力電圧Voutを印加することによって、大気圧中で、沿面放電もしくは無声放電、または沿面放電と無声放電の複合放電による誘電体バリア放電を発生させることができる。
カウンタ電極22は接地する。放電電極21に印加する電圧は正負逆転しても、作用効果に差異はない。
この誘電体バリア放電について、図4によって分かり易く説明する。
図4は、誘電体バリア放電について説明するための放電部の一例を示す図であり、放電電極21を1個の金属ローラによる電極として示している。しかし、図3に示した例と同様に金属部分を細くして、その外周部を誘電体あるいは絶縁体で被覆するようにしてもよい。
また、この例では、カウンタ電極22上の誘電体23の表面に沿って、表面改質を施すシート材Sを矢示F方向へ搬送するために、絶縁体からなる搬送ベルト24を、矢示F方向へ移動するように設けている。また、放電電極21の回転軸21cと装置上方の固定部との間にスプリング25を装着して、放電電極21を誘電体23に押し付ける力を付与している。それによって、誘電体23上にシート材Sが搬入されたときに、放電電極21がそのシート材Sを誘電体23に押し付けながら、搬送ベルト24の矢示F方向への移動によって、矢示A方向に連れ回りする。
そして、この放電電極21とカウンタ電極22との間に、大気圧中で十数KV(キロボルト)の交流高電圧を印加すると、放電電極21からカウンタ電極22に向けて、図4に細い多数の曲線で示すように、沿面放電によるプラズマが、誘電体23の表面に沿うように(この例ではその表面に搬送ベルト24とシート材Sが存在するため、そのシート材Sの表面に沿うように)形成される。この放電が大気圧プラズマ放電であり、誘電体バリア放電と称される。この場合、放電電極21とカウンタ電極22の少なくとも一方が誘電体で覆われているため、電流が電極に直接流れ込めず、大きな電流は流れない。そのため、火花放電やコロナ放電のような大きな放電音がしないので、無声放電とも称される。
この誘電体バリア放電は、誘電体23の表面に沿って、その上にシート材Sが存在する場合はその表面に沿ってプラズマが発生するので、表面改質の均質性がよい。さらに、放電電極21を搬送ベルト24の移動方向に沿って複数本配置すれば、広範囲に亘って均質な改質を施すことができる。また、放電電極21が、搬送されるシート材Sに連れ回りすることによっても、放電電極21のプラズマを形成する部位が変化するので、放電の均質性向上に寄与する。
放電電極21がスプリング25によって押し付けられて上下動できるようにすれば、シート材Sの厚さが変わっても、常に最適な改質を確実に施すことができる。
図3に示した放電部20においても、各放電電極21とカウンタ電極22との間に大気圧中で十数KVの交流高電圧を印加すると、各放電電極21から誘電体23の表面に沿って、沿面放電による誘電体バリア放電が発生する。したがって、放電電極21の列と誘電体23との間を通過するシート材Sに対して均質性よく改質を施すことができる。
各放電電極21の径や金属線21aの太さ、絶縁体(誘電体)21bの外周形状、配列間隔や数などは、用途に応じて適宜変更できる。また、各放電電極21を図4に示した例のように、連れ回り可能に、また上下動可能に支持するようにしてもよい。
図1において述べた放電部20の等価容量である負荷容量Coは、図3に示した放電電極21の列とカウンタ電極22との間の静電容量である。これは、放電電極とカウンタ電極を平行平板電極と仮定すれば平行電界が発生するため、その対向する面積をS、電極間隔をdとすると、
Co=ε・εs(S/d)
で求められる静電容量である。εは真空中の比誘電率、εsは電極間の実際の比誘電率であり、図1に示した例の場合は、その殆どが誘電体23と放電電極21の絶縁体(誘電体)21bの比誘電率で決まる。
但し、図3に示した例では金属線21aの周囲を絶縁体21bで被覆したロッド状の放電電極21が多数配列されており、平行電界は形成されない。そのため、負荷容量Coは、全面積における微小部分ごとの積分容量になる。この場合の面積Sは、カウンタ電極22の対向面22aの面積(誘電体23の面積も略同じ)に相当する。
ところで、一般的にはこの放電部20における負荷誘電体(図3の例では誘電体23及び放電電極21の絶縁体21bを含むが、以下単に「誘電体」という)による誘電損失を大きくすることにより、高電圧インバータ10の高電圧化及び高電力化を図れる。
そのため、数十Wから数KWまで、具体的には10Wから3KWくらいまで出力可能な誘電体であることが望ましく、この誘電体の比誘電率及び後述する誘電正接(tanδ)の範囲を最適にすることによって、十分な高電圧及び高出力が得られるメリットがある。
この放電電極21とカウンタ電極22との間の誘電体23は、出力電圧に耐え得る絶縁物としても機能を果たす必要がある。さらに、交番される出力電圧をLC共振状態(C=C1+Co)で発生させる機能も持つ必要がある。絶縁体としての誘電体は、誘電率も誘電正接も小さな方が良いことが一般的に知られている。それは、ひとえに電流が流れにくく、発熱による絶縁劣化を防止するためである。
図1に示した高電圧インバータ10の負荷回路の共振エネルギーは、負荷容量Coと電力変換する回路におけるトランス13の出力巻線NsのインダクタンスLと分布容量C1とによるものである。
したがって、負荷容量Coの特性が、出力電圧及び出力電力に大きく関与している。そのため、負荷容量Coの特性に起因する比誘電率及び誘電正接を明確にすれば、最も効果的に出力電圧及び出力電力を引き出せることになる。
いま、出力の負荷のみで考えると、誘電体の誘電正接(tanδ)は次式で表わされる。
tanδ=1/(ωCoR)
ωは角周波数、Coは負荷容量、Rは誘電体の寄生抵抗である。
したがって、誘電体の寄生抵抗Rが大きいほど誘電正接が小さくなり、負荷容量Coによる損失は小さくなることになる。
ところが、負荷容量Coに多くの電流を流せないと、そこに静電分極もおきず、電圧も上がらないことになる。逆に多くの電流を流せることになれば、負荷容量Coに電荷量として蓄電されたエネルギーを、負荷の電力量としても取り出せることになる。当然のことながら、負荷容量Coを大きくすれば、交番される電流も多く流せることになる。
この負荷容量Coには上述のように寄生抵抗Rの成分が、ある範囲の電流が流せる程度の抵抗値が必要であり(R=0は現実環境状態ではありえない)、それによって、負荷容量Coに充放電電流を流せることになる。同時に、寄生抵抗Rの成分により発熱が発生するが、熱平衡状態まで使用できることになる。より現実的には、損失に応じた負荷容量の表面積が必然的に必要になってくる。寄生抵抗Rは、誘電体分子振動や電極接点などにより発生するといわれている。
したがって、誘電正接として、絶縁破壊を引き起こさない温度範囲での最適値を求めることが必要になる。
この発明は、この点に着目してなされたものである。すなわち、図1に示した実施形態において、フライバック型電圧共振インバータである高電圧インバータ10によって、その負荷である放電部20に、誘電体バリア放電を効率的に発生させる。
そのため、高電圧インバータ10におけるトランス13の励磁電流をオン・オフするスイッチング周波数を10KHz(キロヘルツ)から60KHzにする。そして、負荷である放電部20に使われる誘電体の誘電正接(tanδ)の範囲を、0.009から0.02の範囲に設定することによって、誘電体バリア放電を効率的に発生させることができ、高電圧及び高電力の出力を得ることができる。
誘電体の誘電正接(tanδ)の範囲を上記のように規定した理由を、図5によって説明する。図5は、誘電正接が異なる2種類の誘電体試料を図3に示したカウンタ電極22上に配置して、図1に示した高電圧インバータ10によって誘電体バリア放電を発生させた場合の実験結果を示す。すなわち、電極間容量と出力電力又は出力電圧との関係(、及び絶縁破壊する出力電力の値)を示している。いずれも、高電圧インバータ10のスイッチング周波数f=20KHzの場合である。電極間容量は前述した負荷容量Coに相当する。
誘電体試料1(シリコン系シート)
比誘電率εs=3.5、tanδ=0.0098 のシリコン系シート(厚みd=0.3〜3mm 面積330mm×15mm)
誘電体試料2(フッ素系シート)
比誘電率εs=2.3、tanδ=0.0012 のフッ素系シート(厚みd=0.3〜3mm 面積330mm×15mm)
なお、上記「面積330mm×15mm」における「330mm」は図3でシート材の搬送方向Fと紙面とに直交するシート材の幅方向の寸法例で、「15mm」はシート材の搬送方向Fに沿う方向の寸法で、放電電極1本分の幅に対応する寸法例である。
図5において、△点でプロットした点線の直線aは、誘電体試料1及び2をそれぞれ
使用した場合の電極間容量と出力電圧との関係を示しており、出力電圧11KV、13KV、15KVを得るようにしている。電極間容量はシートの厚みdによって変わる。
このときの各試料による電極間容量と出力電力との関係を黒丸点でプロットした実線の曲線で示し、曲線bは誘電体試料1を使用した場合、曲線cは誘電体試料2を使用した場合である。
電極間容量が同じ(例えば100PF(ピコファラッド))ときの出力電力を比較すると、誘電体試料1のシリコン系シートの場合は約100Wであるが、誘電体試料2のフッ素系シートの場合は約13Wであり、大きな差が生じている。
それは、各誘電体の誘電正接であるtanδの比が、シリコン系シートの方が約8倍大きくなっており、電力比が約7.7倍であるから、ほぼtanδの比と同じになっていることが分かった。
なお、一般的なポリエチレンやポリエステルなど他の誘電体では、シート厚範囲(0.3mm以下)で使用電圧15KVに耐える絶縁耐圧がないため、図5には示していない。
さらに、シリコン系シートでもtanδを0.024まで大きくする(厚みを薄くして確認)と発熱が大きく、絶縁破壊が生じた。そのため、必要な絶縁耐圧を確保するためには、tanδを0.02以下にする必要がある。
また、シリコン系シートでもtanδを0.009にすると、出力電力がtanδ=0.0098の場合の約100Wと比べて約10%降下した。tanδを0.009未満にすると出力電圧の降下が10%を超えてしまい、シート材の表面改質を行う場合に十分な改質が行われなくなる。そうすると、例えば、その改質後のシート材にインクジェット方式で画像形成した場合に、画質が劣化することになる。したがって、tanδを0.009以上にする必要がある。
また、測定周波数が1KHzから80KHzにおいて、ほぼ同じ値であった。
この結果から、スイッチング周波数が20KHzで交番され、出力電圧が15KV以下である場合は、誘電正接tanδの範囲が0.009から0.02が適値であり、その値に面積/電力あたりに調整(必要な出力電力が得られるシート面積に調整する)することにより、誘電体により多くの電流を流すことができ、結果的にその幾分かのエネルギーで誘電体バリア放電を効率よく発生させることが出来る。
より具体的には、
・面積330mm×15mm=49.5cmでは、Co=100PF
出力電力は約100W
・面積330mm×15mm×2=49.5cm×2では、Co=200PF
出力電力は約200W
・・・
・・・
となる。なお、使用環境によって、−5℃〜40℃程度の温度差があるが、放電開始後10分もすると、放電によって発生する熱によって100℃以上になるため、同じような状態になる。
スイッチング周波数は、高電圧の高出力の場合は、共振完了(図2)の関係があることが必要であり、トランス13に励磁中に蓄えたエネルギーをOFFの間にすべて放出することができないと、共振がずれてしまい制御ができなくなる。スイッチング周波数が10KHz未満になるとこの問題が顕著になる。また、スイッチング周波数が10KHz未満になると放電音が耳障りになるという問題もある。そのため、スイッチング周波数を10KHz以上にする必要がある。
スイッチング周波数の上限に関しては、負荷の電極間の誘電正接からいえば、先に述べたように80KHzまでは安定しており、誘電正接の効果は十分にあると見込める。しかし、高周波になると、1周期で励磁エネルギーを蓄えられる時間が短くなるので、出力電圧値が降下する。そのため、スイッチング周波数60KHzを超えると必要な出力電圧が得られなくなるので、60KHz以下にする必要がある。
上述した実施例では誘電体としてシリコン系材料を使用した場合について主に説明したが、他の誘電材料に若干の炭素を混合させたものを誘電体として使用しても、略同等な作用・効果が得られることが分かった。他の誘電材料としてはフッ素系材料も使用できる。
〔シート材改質装置の実施形態〕
次に、この発明によるシート材改質装置の一実施形態を図6によって説明する。図6は、この発明の一実施形態であるスタンドアロン型のシート材改質装置の概略構成図である。
このシート材改質装置3は、一般にコピーや印刷等に用いられる普通紙やコート紙の他、OHPシートを含む樹脂フィルム、カード、ハガキ等の厚紙や封筒等のシート材の表面を改質処理するための装置である。その改質処理としては、シート材の表面の撥水性を親水化する処理を行うことが可能である。
図6に示すシート材改質装置3は、その本体30内に上述した改質を行うシート材改質部30Aとして、前述した誘電体バリア放電発生装置1と、シート材搬送装置31とを備えている。
誘電体バリア放電発生装置1は図1及び図3によって説明したように、高電圧インバータ10と放電部20からなり、放電部20は、複数本の放電電極21とカウンタ電極22及び誘電体23とを有している。その誘電体23は、カウンタ電極22の放電電極21と対向する表面に被着されている。
そして、高電圧インバータ10のアース側の出力線16が、接地されたカウンタ電極22に接続され、高圧側の出力線17が各放電電極21の金属線21aに接続されている。それによって、高電圧インバータ10による図2の(b)に示したような波形の十数KVの出力電圧が、各放電電極21とカウンタ電極22との間に印加され、誘電体バリア放電が発生する。
この誘電体バリア放電発生装置1を構成する高電圧インバータ10と放電部20は、図1〜図5によって説明したものと同様であるから、それらの詳細な説明は省略する。
シート材搬送装置31は、ポリイミド等の絶縁材からなる搬送ベルト32と、その搬送ベルト32を誘電体23の略水平な表面に沿って移動するように張り渡す駆動ローラ33、従動ローラ34及びテンションローラ35と、従動ローラ34と対向するピンチローラ36とを有している。
駆動ローラ33は、図示していないモータによって回転駆動され、搬送ベルト32を矢示B方向へ周回移動(回動)させる。搬送ベルト32は、改質処理を予定するシート材の最大幅よりも大きな幅(図6の紙面に垂直な方向の寸法)を有している。
放電部20の放電電極21は、同一形状のローラ状の放電電極21が、搬送ベルト32の駆動ローラ33と従動ローラ34との間に略水平に張り渡された部分の移動方向に沿って、複数本(図示の例では12本)並んで設けられている。各放電電極21は搬送ベルト32の幅方向に延びている。
本体30の一方の側面には、本体30内のシート材改質部30Aに向けてシート材Sを供給するシート材給送部40が設けられ、他方の側面には、改質されたシート材Sを輩出して積載するシート材積載部50が設けられている。また、本体30の上部には、各種操作スイッチや表示器などを有する操作パネルが設けられているが、図示を省略している。
本体30の下部にはキャスタ37を備えており、このシート材改質装置3を容易に移動させて、画像形成装置などと共に使用できるようにしている。
このように構成したシート材改質装置3によれば、本体30内のシート材改質部30Aにおいて、誘電体バリア放電発生装置1が起動すると、高電圧インバータ10によって、放電部20の各放電電極21とカウンタ電極22との間に高電圧が印加される。それによって、各放電電極21とカウンタ電極22との間で誘電体バリア放電が発生し、カウンタ電極22に向けてプラズマが形成される。この場合、誘電体23の他に、各放電電極21の絶縁体21bと搬送ベルト32も、各放電電極21の金属線21aとカウンタ電極22との間の誘電体を構成している。そのため、場合によっては、カウンタ電極22の表面に被着した誘電体23を省略することもできる。
そして、シート材給送部40によって、トレイ41上に積載されたシート材Sを一枚ずつ順次本体30内のシート材改質部30Aへ送り込む。その送り込まれたシート材Sは、従動ローラ34とピンチローラ36に挟まれて搬送ベルト32上へ搬入され、各放電電極21と誘電体23との間を搬送ベルト32に載って図6で左方へ搬送される。
その搬送中に、シート材の表面が上述した誘電体バリア放電によるプラズマに触れて改質が進行する。それは、プラズマにより、空気中の成分やシート材自体に含まれている成分によって形成される種々の親水性官能基等の基が、シート材の表面に形成されて表面エネルギーが高くなり、例えばシート材の表面に撥水性を有する部分を含んでいる場合に、その部分が親水化されることによって改質が行われる。
放電部20内にシート材Sが存在する領域では、沿面放電によるプラズマが、シート材Sの表面に沿うように発生するので、効果的に改質がなされる。
シート材改質部30Aによる表面改質処理が完了したシート材は、本体30から送出されてシート材積載部50に積載される。
放電電極21が搬送ベルト32の移動方向に沿って多数本配置されており、各放電電極21は金属線21aの周囲に絶縁体21bを設けた丸棒状に形成されているので、放電の集中が避けられ、全体に均一性のある改質がなされる。
各放電電極21をシート材の移動によって連れ回り可能に支持したり、上下動可能に支持して下方への押圧力を付与し、各放電電極21が常時シート材の表面に接触するようにすれば、なお均一性を向上させ、エネルギーの損失も抑制することができる。
このように改質処理によって親水性を高めたシート材を、例えばインクジェット方式の画像形成装置の印刷シートに使用すれば、インク滴の付着性がよいので画像品質が向上し、インクの乾燥時間も短くなるので、加熱乾燥を行う必要がなくなる。また、自動両面印刷も迅速に行うことが可能になる。
あるいは、電子写真方式の画像形成装置によって画像を形成したシート材を、この改質処理によって親水性を高めてから、ニス等のコート剤を塗布する後処理を行えば、全面に均一にコート剤を塗布することができる。それによって、画像を形成したシート材の表面を保護したり、艶出しして付加価値を高めたりすることが容易になる。
〔画像形成装置及び印刷物の生産方法の実施形態〕
次に、この発明による画像形成装置の一実施形態を図7によって説明する。図7はこの発明の一実施形態であるインクジェット方式の画像形成装置の要部のみを示す概略構成図である。
この画像形成装置6は、機内のシート材の略水平な搬送経路中に画像形成部60を備えており、その搬送方向上流側に、図6によって説明したシート材改質装置3内に設けたものと同じシート材改質部30Aを設けている。そのシート材改質部30Aは、高電圧インバータ10と放電部20からなる誘電体バリア放電発生装置1と、シート材搬送装置31とによって構成されているが、図6によって説明したものと同じであるから、その説明は省略する。
画像形成部60には、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、及びブラック(K)の4色のライン型インクジェットヘッド61y,61c,61m,61kを有するヘッドユニット61が設けられている。
したがって、この画像形成部60はインクジェット方式の画像形成部であり、さらには、フルカラーのライン型インクジェットヘッドを用いた画像形成部である。
なお、図7では、各インクジェットヘッドにおけるインクの乾燥を防止するための部材等は図示を省略している。
また、ライン型インクジェットヘッドに代えて、ヘッドユニットをキャリッジに搭載して、シート材の搬送方向と直交する方向に走査しながら画像を形成する走査型のインクジェットヘッドを使用してもよい。
ヘッドユニット61の下側には、無端広幅ベルト62が、駆動ローラ63と2本の従動ローラ64、65とテンションローラ66に巻きつけられて所定の張力を与えられて、矢印G方向に周回移動(回動)されるように設けられている。
その無端広幅ベルト62には多数の孔が形成されており、その内側にエアー吸引ダクト67が設けられている。したがって、無端広幅ベルト62はその孔を通してエアー吸引ダクト67によって空気が吸引されることによって、シート材Sの裏面を吸着して搬送する。エアー吸引ダクト67は、図示しない吸引用ブロア装置によってエアー吸引力を発生する。
駆動ローラ63の上流側には搬送ローラ対68が、従動ローラ64の下流側には搬送ローラ対69が、それぞれ搬送するシート材を挟む位置に設けられている。搬送ローラ対68,69は、いずれも一方のローラが駆動ローラで、他方のローラが従動ローラである。
この画像形成装置6によれば、図示していないシート材給送部から順次給送されるシート材Sが、図7の矢示E方向からシート材改質部30Aへ送り込まれ、搬送ベルト32によって誘電体バリア放電発生装置1の放電部20内を左方へ移動する。その際にシート材Sの表面が放電によるプラズマに接触して改質され、親水性が高められる。
その改質されたシート材Sが、放電部20から出ると、搬送ベルト32から画像形成部60の搬送ローラ対68に受け渡され、矢示F方向へ送られる。そのシート材Sが無端広幅ベルト62上に吸着されて、ヘッドユニット61と対向する画像形成位置を一定の速度で搬送される。
その間にヘッドユニット61は、図示していない用紙先端検知センサによる用紙先端の検出時点からタイミングをとって、各色のインクジェットヘッド61y,61c,61m,61kを駆動する。それによって、シート材Sの矢示F方向への搬送に伴って、インクジェットヘッド61y,61c,61m,61kの各先端のノズルから、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、及びブラック(K)の液状記録剤である水性インク滴をシート材Sの表面に順次吐出させて、フルカラーの画像を形成(印刷)する。
ヘッドユニット61によって画像が形成された印刷済みシート材S′は、搬送ローラ対69によって搬送され、機外へ排出される。しかし、その印刷済みシート材S′の裏面にも画像を形成する場合には、図示していない反転搬送機構によって表裏を反転して、再びシート材改質部30Aへ給送する。そして、シート材改質部30Aでシート材S′の裏面の改質処理を行ってから、画像形成部60へ送り込み、その裏面にヘッドユニット61によって画像を形成する。
画像形成部60の下流側に、ニス等のコート剤を塗布する後処理部を設けて、印刷済みシート材S′の表面にコート剤を塗布するようにしてもよい。その場合、印刷済みシート材S′の表面は既に改質されて親水化されているので、全面に均一にコート剤を塗布することができる。それによって、画像を形成したシート材の表面を保護したり、艶出しして付加価値を高めたりすることができる。
また、画像形成部として電子写真方式の画像形成部を備えた画像形成装置の場合、画像形成部の下流側にシート材改質部30Aを配置し、そのさらに下流側にコート剤を塗布する後処理部を設けるとよい。それによって、電子写真方式でトナーによる画像を転写及び定着されたシート材の表面を改質処理して、その全面に均一にコート剤を塗布することができる。それは、トナー粒子に含有されるワックスや定着時に付着するシリコンオイル等の影響によって、シート材の表面に形成される撥水性を有する部分を、シート材改質部30Aで改質して親水化できるからである。上記画像形成部を、インクジェット方式を含む他の方式で、シート材の表面に画像を形成(印刷)するものにしてもよい。
この発明による印刷物の生産方法の実施形態は、前述したこの発明によるいずれかの誘電体バリア放電発生装置を使用して、その誘電体バリア放電によってシート材の表面を改質する工程と、その工程によって改質されたシート材の表面に、インクジェットヘッドが吐出するインク滴によって印刷する工程とを有する。
その各工程は、図7によって説明した画像形成装置によって実施できる。
この発明による印刷物の生産方法の他の実施形態は、シート材の表面にトナー又はインクによって印刷を行う工程と、前述したこの発明によるいずれかの誘電体バリア放電発生装置を使用して、上記工程によって印刷されたシート材の表面を誘電体バリア放電によって改質する工程と、その工程によって改質されたシート材の表面にコート剤を塗布する工程とを有する。これによっても上述した効果が得られる。
この発明による画像形成装置及び印刷物の生産方法は、プリンタに限らず、複写機、ファクシミリ装置、それらの複数の機能を持つデジタル複合機、業務用大型プリンタなどでも実施できる。また、カラー画像を形成するものに限らず、モノクロ画像を形成するものでもよいし、使用するシート材はカットシートに限らず、ロール状に巻かれた長尺シートでもよい。
この発明による誘電体バリア放電発生装置、シート材改質装置、および画像形成装置および印刷物の生産方法は、それぞれ上述した各実施形態に限定されるものではなく、種々の変更、追加、あるいは省略が可能であることは言うまでもない。
1:誘電体バリア放電発生装置 3:シート材改質装置 6:画像形成装置
10:高電圧インバータ 11:商用電源 12:整流・平滑回路
13:トランス 14:スイッチング素子 15:制御回路
16:アース側の出力線 17:高圧側の出力線
20:放電部 21:放電電極 21a:金属線 21b:絶縁体
22:カウンタ電極 22a:対向面 23:誘電体
21c:回転軸 24:搬送ベルト 25:スプリング
30:本体 30A:シート材改質部 31:シート材搬送装置
32:搬送ベルト 33:駆動ローラ 34:従動ローラ
35:テンションローラ 36:ピンチローラ 37:キャスタ
40:シート材給送部 41:トレイ 50:シート材積載部
60:画像形成部 61:ヘッドユニット
61y,61c,61m,61k:ライン型インクジェットヘッド
62:無端広幅ベルト 63:駆動ローラ 64,65:従動ローラ
66:テンションローラ 67:エアー吸引ダクト 68,69:搬送ローラ対
Np:励磁巻線 Ns:出力巻線 Sp:スイッチング信号
L:出力巻線のインダクタンス C1:出力巻線の分布容量
Co:放電部の等価容量(負荷容量):シート材
Vin:入力電圧 Vout:出力電圧
特開2011−57442号公報 特開2009−215095号公報

Claims (9)

  1. 放電電極と、該放電電極との対向面に誘電体を被着したカウンタ電極との間に高電圧インバータの出力高電圧を印加して、沿面放電もしくは無声放電、または沿面放電と無声放電の複合放電による誘電体バリア放電を発生させる誘電体バリア放電発生装置であって
    前記高電圧インバータ、入力電圧をスイッチングしてトランスの励磁巻線に流す励磁電流をオン・オフし、オンのときに該励磁巻線に励磁エネルギーをため、オフのときに該トランスの出力巻線のインダクタンスと、該出力巻線の分布容量及び前記放電電極と前記カウンタ電極間の負荷容量との合成容量とによる並列共振回路によって、前記励磁巻線と前記出力巻線の巻数比に応じた高電圧を出力するフライバック型電圧共振インバータであり
    前記励磁電流をオン・オフするスイッチング周波数が10KHzから60KHzであり、前記誘電体の誘電正接が0.009から0.02の範囲にあることを特徴とする誘電体バリア放電発生装置。
  2. 前記誘電体がシリコン系材料からなることを特徴とする請求項1に記載の誘電体バリア放電発生装置。
  3. 前記誘電体が誘電材料に炭素を混合させたものであることを特徴とする請求項1に記載の誘電体バリア放電発生装置。
  4. 前記誘電材料がフッ素系材料であることを特徴とする請求項3に記載の誘電体バリア放電発生装置。
  5. 請求項1から4のいずれか一項に記載の誘電体バリア放電発生装置を備え、該誘電体バリア放電発生装置の前記放電電極と誘電体との間を通してシート材を搬送し、前記誘電体バリア放電によって前記シート材を改質することを特徴とするシート材改質装置。
  6. 請求項1から4のいずれか一項に記載の誘電体バリア放電発生装置を備え、該誘電体バリア放電発生装置の前記放電電極と誘電体との間を通してシート材を搬送し、前記誘電体バリア放電によって前記シート材を改質するシート材改質部と、
    シート材に画像を形成する画像形成部とを備え、
    該画像形成部で画像を形成する前のシート材又は画像を形成した後のシート材を、前記シート材改質部によって改質することを特徴とする画像形成装置。
  7. 前記画像形成部がインクジェットヘッドを有し、該インクジェットヘッドが吐出するインク滴によってシート材に画像を形成するインクジェット方式の画像形成部であり、該画像形成部で画像を形成する前のシート材を、前記シート材改質部によって改質して親水化することを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
  8. 請求項1から4のいずれか一項に記載の誘電体バリア放電発生装置を使用して、誘電体バリア放電によってシート材の表面を改質する工程と、
    該工程によって改質されたシート材の表面に、インクジェットヘッドが吐出するインク滴によって印刷する工程と
    を有することを特徴とする印刷物の生産方法。
  9. シート材の表面にトナー又はインクによって印刷を行う工程と、
    請求項1から4のいずれか一項に記載の誘電体バリア放電発生装置を使用して、前記工程によって印刷されたシート材の表面を、誘電体バリア放電によって改質する工程と、
    該工程によって改質されたシート材の表面にコート剤を塗布する工程と
    を有することを特徴とする印刷物の生産方法。
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