JP2016225212A - 高周波誘電加熱装置、画像形成装置および高周波誘電加熱方法 - Google Patents

高周波誘電加熱装置、画像形成装置および高周波誘電加熱方法 Download PDF

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JP2016225212A JP2015112343A JP2015112343A JP2016225212A JP 2016225212 A JP2016225212 A JP 2016225212A JP 2015112343 A JP2015112343 A JP 2015112343A JP 2015112343 A JP2015112343 A JP 2015112343A JP 2016225212 A JP2016225212 A JP 2016225212A
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Abstract

【課題】加熱乾燥に不必要な電圧印加を避けて、電極間の放電を防止するとともに、省電力化を図ることができる高周波誘電加熱装置、画像形成装置および高周波誘電加熱方法を提供することを目的とする。
【解決手段】実施形態にかかる高周波誘電加熱装置は、プラス電極とマイナス電極とを少なくとも一対備えた高周波電極と、前記プラス電極と前記マイナス電極との間に印加する高周波電圧を生成する高周波生成部と、前記高周波生成部が生成し出力した前記高周波電圧を増幅して前記高周波電極に印加するパワーアンプと、前記プラス電極と前記マイナス電極との間の電極間電圧を検出する電圧検出部と、前記電圧検出部が検出した前記電極間電圧が、前記高周波電極間で絶縁破壊が発生しない条件を満たす閾値電圧以内となるよう、前記高周波生成部または前記パワーアンプによって前記高周波電極への入力電力を制御する制御手段と、を備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、高周波誘電加熱装置、画像形成装置および高周波誘電加熱方法に関する。
従来、複写機、プリンタ、複合機等の画像形成装置において、誘電加熱方式を用いた加熱装置(トナー定着装置あるいはインク乾燥装置など)が用いられている。誘電加熱方式は印刷用紙等の記録媒体と、記録媒体上のインク(トナー)との誘電損失の違いを利用するものであり、電極間に高周波電圧を印加することによって誘電損失の大きいインクを選択的に誘電加熱することができる。これにより、インクを高速乾燥させることができる一方で、記録媒体の加熱は抑えて、インク乾燥工程に要する消費電力を抑えることができる。
特許文献1では、高周波による誘電損失を利用して被加熱体の加熱を行う誘電加熱用高周波電源装置に関する技術が開示されている。特許文献1には、絶縁破壊やコロナ放電を検出し、絶縁破壊やコロナ放電が被加熱体の品質に影響を与えない一時的な場合であれば、高周波出力を停止せずに溶着作業を継続させることが開示されている。
しかしながら、従来技術においては、誘電損失の負荷に関係なく電極に対して一定の高周波電力を入力している。即ち、印字されていない白紙箇所や、既にインクが乾燥しているような箇所に対しても、印字量が多い箇所や未乾燥箇所と同程度の電力を一様に入力しているため、消費電力の削減が課題であった。
また、このようにインクの使用量が少ない箇所に対しては、誘電損失の負荷が小さいため電極間に発生する電圧(電極間電圧)が大きくなる。従って、大電圧により電極等の部品がダメージを受けるおそれや、電極間で放電が発生し放電による部品損傷のおそれがあった。これに対して従来は、耐久性の高い部品を使用する等により対処していたが、製造コストが高くなるという課題があり、加熱乾燥に不必要な電圧印加を避けられるような高周波誘電加熱装置の開発が望まれていた。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、加熱乾燥に不必要な電圧印加を避けて、電極間の放電を防止するとともに、省電力化を図ることができる高周波誘電加熱装置、画像形成装置および高周波誘電加熱方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、プラス電極とマイナス電極とを少なくとも一対備えた高周波電極と、前記プラス電極と前記マイナス電極との間に印加する高周波電圧を生成する高周波生成部と、前記高周波生成部が生成し出力した前記高周波電圧を増幅して前記高周波電極に印加するパワーアンプと、前記プラス電極と前記マイナス電極との間の電極間電圧を検出する電圧検出部と、前記電圧検出部が検出した前記電極間電圧が、前記高周波電極間で絶縁破壊が発生しない条件を満たす閾値電圧以内となるよう、前記高周波生成部または前記パワーアンプによって前記高周波電極への入力電力を制御する制御手段と、を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、高周波電極間の電極間電圧を検出して、電極間電圧が絶縁破壊の発生しない条件を満たす閾値電圧以下となるよう高周波の入力電力を制御する。これにより、誘電損失の負荷が小さく電極間電圧が大きくなり易い負荷対象(例えば、インク使用量が少ない箇所)に対して、加熱乾燥に不必要な高周波印加を避けることができる。従って、本発明によれば、電極間の放電を防止するとともに、高周波加熱の省電力化を図ることができるという効果を奏する。
図1は、一実施形態にかかるインクジェット記録装置の概略構成図である。 図2は、高周波加熱装置の概略構成図である。 図3は、整合器の回路構成例を示す図である。 図4は、電極の概略構成図である。 図5は、電圧検出器の回路構成例を示す図である。 図6は、入力電力を一定とした際の電極間電圧の振幅を簡略的に説明する図である。 図7は、用紙上のインク量が多い状態を示した概略断面図である。 図8は、用紙上のインク量が少ない状態を示した概略断面図である。 図9は、電極間電圧の制御方法について説明する図である。 図10は、電極間電圧の別の制御例について説明する図である。
以下に添付図面を参照して、高周波誘電加熱装置、画像形成装置および高周波誘電加熱方法の実施形態を詳細に説明する。尚、本発明は、以下で説明される実施形態により限定されるものではない。
図1は、一実施形態にかかるインクジェット記録装置1の概略構成図である。図1に示すように、インクジェット記録装置(画像形成装置)1は、用紙搬送部2、画像形成部3を主に備えており、記録媒体である用紙P上に画像形成を行う。
用紙搬送部2は、給紙ローラ21、給紙側搬送ローラ対22、複数の搬送ローラ23、排紙側搬送ローラ対24及び巻取ローラ25等を備えている。
給紙ローラ21は、所定長さの用紙Pが巻き付けられたロール紙束を回転可能に支持している。用紙Pの先端は、給紙ローラ21の近傍に配設されている給紙側搬送ローラ対22のローラ間に挿入されている。
給紙側搬送ローラ対22は駆動モータによって回転駆動されることで、用紙Pを図1に矢印で示す搬送方向(図1の右から左に向かう方向)に送り出す。搬送ローラ23については、複数のローラが用紙Pの搬送方向に並んで水平に配設されている。搬送ローラ23は、給紙側搬送ローラ対22から送り出された用紙Pを、水平状態を保って搬送方向に搬送する。
排紙側搬送ローラ対24は、搬送ローラ23によって搬送されてきた用紙Pを、巻取ローラ25へガイドする。巻取ローラ25は駆動モータによって回転駆動され、給紙ローラ21から送り出された用紙Pを巻き取る。
尚、上述では、給紙ローラ21と巻取ローラ25との間に記録媒体としてのロール紙を張架する構成例について説明したが、実施形態はこれに限定されない。その他の構成例として、給紙ローラ21および巻取ローラ25に替えて、無端状の搬送ベルトを張架する2つのローラを設けてもよい。そして、インクジェット記録装置1は当該ローラ対を駆動モータによって回転駆動し、搬送ベルトを図1に示す搬送方向に搬送することにより、搬送ベルト上のカット紙を搬送してもよい。
画像形成部3は、有色ラインヘッドユニット31を主に備えている。有色ラインヘッドユニット31は、ブラック(Bk)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色のラインヘッドユニット31Bk、31C、31M、31Yが搬送方向に順次並んで配設されている。各色のラインヘッドユニット31Bk、31C、31M、31Yの用紙P側の面には、各色のインク吐出ノズルが主走査方向に複数個並んで設けられている。各インク吐出ノズルはそれぞれ、各色のインクを、搬送ローラ23によって搬送されている用紙Pに向かって吐出する。
各色のラインヘッドユニット31Bk、31C、31M、31Yは、用紙搬送部2による用紙Pの搬送にタイミングを合わせて、対応する色のインクを順次同じドット上に重ね合わせて吐出する。これにより、インクジェット記録装置1は、画像データに応じた色のドット画像を形成する。
各色のラインヘッドユニット31Bk、31C、31M、31Yから吐出される各色のインクは、顔料等の色剤を溶剤に溶け込ませたものが主に用いられる。尚、インクの構成はこのような構成に限るものではなく、例えば、色剤として染料を用いたものであってもよい。
なお、有色ラインヘッドユニット31が有するラインヘッドユニットは、上述したように、ブラック(Bk)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色のラインヘッドユニット31Bk、31C、31M、31Yに限るものではない。例えば、インクジェット記録装置1は、有色ラインヘッドユニット31として、ライトグレー、ライトシアン、ライトマゼンタ等の薄色、あるいは、その他の特色を吐出するラインヘッドユニットを備えてもよい。また、ラインヘッドユニット31Bk、31C、31M、31Yの搬送方向に対する並び順は、上記並び順に限定されない。
尚、インクジェット記録装置1は、用紙P上の画像形成領域を保護するためのオーバーコート液を吐出するオーバーコートラインヘッドユニットを備えるとしてもよい。例えば、インクジェット記録装置1は、有色ラインヘッドユニット31の最下流に設けられたラインヘッドユニット31Yから所定間隔を空けた搬送方向下流側において、オーバーコートラインヘッドユニットを備えていてもよい。
また、各色のラインヘッドユニット31Bk、31C、31M、31Yの駆動方式は特に限定されるものではなく、適宜、各種駆動方式を用いるとしてよい。例えば、駆動方式として、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)等の圧電素子を用いた圧電方式、熱エネルギーを作用させる熱エネルギー方式等を用いることができる。あるいは、駆動方式として、静電気力を利用した静電方式等のアクチュエータを利用したオンディマンド型ヘッド、連続噴射型荷電制御ヘッド等を用いることができる。
用紙Pの搬送経路の近傍であり、有色ラインヘッドユニット31の搬送方向下流側には、高周波加熱装置26が設けられている。高周波加熱装置26(高周波誘電加熱装置)は、有色ラインヘッドユニット31が用紙P上に形成した有色インク画像を、高周波誘電加熱方式によって加熱し、乾燥させる。尚、上述のように、有色ラインヘッドユニット31の他にもオーバーコートラインヘッドユニットを設けた装置構成においては、有色インクに加えてオーバーコート液も高周波加熱装置26の加熱対象となる。
次に、高周波加熱装置26の構成について説明する。図2は、高周波加熱装置26の概略構成図である。図2に示すように、高周波加熱装置26は、高周波発生回路41(高周波生成部)と、パワーアンプ42と、整合器43と、電極44(高周波電極)と、電圧検出器45(電圧検出部)と、コントローラ46(制御手段)とを主に備えている。
コントローラ46は、高周波加熱装置26の各種動作を制御する制御部として機能する。
例えば、コントローラ46は、高周波発生回路41に対して制御信号CTRL_RFを出力し、高周波発生回路41のスリープ/アクティブ制御、周波数制御、振幅制御、位相制御等を行う。
また、コントローラ46は、パワーアンプ42に対して制御信号CTRL_PAを出力し、パワーアンプ42のスリープ/アクティブ制御、増幅率の変更等を行う。
このように、コントローラ46は、高周波発生回路41によって電極間電圧を制御してもよいし、あるいは、パワーアンプ42によって電極間電圧を制御してもよい。また、高周波発生回路41およびパワーアンプ42の双方を制御することにより、電極間電圧を制御してもよい。
また、コントローラ46は、整合器43が出力した進行波、反射波に関する検出結果OUT_MATCHを受信し、進行波と反射波のインピーダンス整合状態を検出する。ここで、進行波とは、パワーアンプ42から整合器43へ進行する高周波のことであり、反射波とは、整合器43からパワーアンプ42へ反射する高周波のことである。
コントローラ46は、整合器43からパワーアンプ42へ反射する反射波をゼロにして、整合器43と電極44との間のインピーダンスを整合させる。即ち、コントローラ46は、整合器43を構成する可変コンデンサC1、C2、および、可変インダクタL1(ともに図3参照)のコンダクタンスおよびインダクタンスを制御し、これらの制御値を制御信号CTRL_MATCHに含めて整合器43に出力する。
このようにコントローラ46は、整合器43の検出結果OUT_MATCHにより進行波および反射波の振幅と位相とをモニタしながら、整合器43の容量やインダクタンスを変化させて、反射波がゼロとなるように調整する。これによりコントローラ46は、進行波と反射波のインピーダンス整合を行う。
高周波発生回路41は、コントローラ46が出力した制御信号CTRL_RFに基づく周波数、振幅、位相の高周波を生成する。尚、生成される高周波の周波数帯は、概ね数MHz〜数百MHzの範囲である。
パワーアンプ42は、コントローラ46が出力した制御信号CTRL_PAに基づいて、高周波発生回路41からの入力を増幅し、整合器43へ出力する。
整合器43は、パワーアンプ42が出力した高周波を効率よく電極44に供給するために、電極44との間でインピーダンス整合を行う。
ここで、用紙Pの単位面積あたりのインク使用量は、形成される画像によって変化し一定ではない。また、インク自体だけではなく用紙Pに含まれる水分量も、湿度や乾燥過程等により変化し一定ではない。従って、高周波加熱の負荷対象量(誘電損失の負荷対象量)は随時変化しうるので、電極44から見た用紙P側(即ち、高周波加熱の負荷側)のインピーダンスは、随時変化しうることとなる。
そこで、整合器43は、パワーアンプ42から整合器43へ進行する進行波の位相と、整合器43からパワーアンプ42へ反射する反射波の位相とが同相となるように、インピーダンス整合を行う。
図3は、整合器43の回路構成例を示す図である。図3に示すように、整合器43は、方向性結合器51と、整合回路52とを備えている。整合回路52は、可変コンデンサC1、C2、可変インダクタL1を備えている。可変コンデンサC1はアドミッタンスのイマジナリ成分を調整するための容量である。また、可変コンデンサC2はインピーダンスのイマジナリ成分を調整するための容量である。尚、図3に示した整合回路52の構成例は、一般的に用いられている整合回路の構成である。整合器43および整合回路52の回路構成は、図3に示した例に限定されるものではなく、同様の作用が得られる回路であれば、図3と異なる回路構成を用いてもよい。
方向性結合器51は、パワーアンプ42から整合器43へ進行する進行波、および、整合器43からパワーアンプ42へ反射する反射波を、それぞれ所定の減衰率で減衰する。また、方向性結合器51は、進行波および反射波について、その振幅や位相、互いの高周波位相の位相差などを検出し、その検出結果OUT_MATCH(図2参照)をコントローラ46に出力する。
図2に戻って、電極44は、記録媒体(用紙P)に対して高周波電界を印加することにより、記録媒体上のインクを加熱、乾燥させる加熱手段(乾燥手段)として機能する。
図4は、電極44の概略構成図である。図4に示すように、電極44は、プラス電極とマイナス電極が所定間隔を置いて交互に設けられている。それぞれの棒状電極(プラス電極およびマイナス電極)は、用紙Pに対してわずかに離間しており、棒状電極と用紙Pとは接触していない状態を保っている。プラス電極同士は互いに接続されており、プラス電極端子Vpには、整合器43の出力電圧Vが入力される。また、マイナス電極同士は互いに接続されており、マイナス電極端子Vmには、グラウンドGNDが接続される。
各棒状電極は、用紙Pの幅方向(搬送方向と垂直の方向)に長い円柱形状をしており、各円柱の長さは、用紙Pの幅あるいは用紙Pの印字領域の幅よりも長く設けられている。
尚、図4の例では、各棒状電極の形状を円柱状としたが、棒状電極の形状はこれに限定されない。棒状電極の形状は、角柱状であってもよいし、その他の断面形状を有し、用紙Pの幅方向に長い柱状としてもよい。また、図4の例では、各棒状電極を搬送方向に対して垂直に配置した例を示したが、各棒状電極は搬送方向に対して斜めに傾けて配置してもよい。但し、各棒状電極は互いに並行に配置されることが好ましい。また、棒状電極同士の間隔はすべて等しく設けておくとよい。このようにすることにより、プラス電極とマイナス電極間に発生する電界を均等にすることができ、加熱対象をより効率的に加熱しやすくできる。
図2に戻って、電圧検出器45は、電極44のプラス電極とマイナス電極との間に印可されている電圧(電極間電圧)を検出し、検出結果OUT_Vをコントローラ46に出力する。上述のように、プラス電極端子Vpには整合器43の出力電圧Vが入力され、マイナス電極端子Vmには整合器43を介してグラウンドGNDに接地される。従って、電極間電圧は、Vp−Vm=Vである。電圧検出器45は、電極間電圧Vの各種成分、即ち、振幅V1や位相等のデータを、検出結果OUT_Vとしてコントローラ46に出力する。
図5は、電圧検出器45の回路構成例を示す図である。図5に示すように、電圧検出器45は抵抗素子R1、R2を直列に配した回路で構成される。このように、電極44のプラス電極とマイナス電極との間に抵抗素子R1、R2を配置し分圧することで、電圧検出器45は電極間電圧OUT_Vをモニタリングしてコントローラ46に出力することができる。
一般的に高周波加熱装置26では、電極間電圧は数kVレベルの高電圧となるため、電極間電圧をそのままコントローラ46に入力してモニタリングすることは困難である。例えば、電圧検出器45において抵抗素子R1を1MΩとし、抵抗素子R2を1kΩとすることで、コントローラ46はおおよそ1/1000に降圧した波形を取り出すことができる。コントローラ46はこの波形をアナログデジタル変換器(ADC)等でデジタル変換することにより、波形データを取得して、電極間電圧を検出することができる。
上述したように、電極間電圧Vは負荷(即ち、高周波加熱の対象)のインピーダンスによって変化する。従って、電極間電圧Vをモニタリングすることにより、負荷のおおよその状態を推測することが可能となる。
また、プラス電極とマイナス電極との間で放電(絶縁破壊)が発生し始める電圧(放電電圧)が予め分かっていれば、放電が発生しない条件を満たす閾値電圧を予め設定すればよい。そしてコントローラ46によって、電極間電圧Vが当該閾値電圧以内となるように、パワーアンプ42から電極44に入力される入力電力を制御すればよい。
図6は、入力電力を一定とした際の電極間電圧の振幅V1を簡略的に説明する図である。パワーアンプ42から電極44に入力される電力が一定であり、整合器43が整合されて反射波がゼロとなっている状態では、電極間電圧の振幅V1は負荷インピーダンスZに依存して変化する。尚、上述のように、負荷インピーダンスZは、インクや紙といった高周波加熱の対象である負荷と電極44との間の容量に依存する。
図6に例示するように、負荷インピーダンスZが大きいほど電極間電圧の振幅V1は大きくなり、負荷インピーダンスZが小さいほど電極間電圧の振幅V1は小さくなる。尚、図6はあくまでも負荷インピーダンスZと電極間電圧の振幅V1との関係を簡略的に示した図であって、両者は一般的には図6に示すように単純な線形性を有さない。
ここで、用紙P上のインク量と負荷インピーダンスZとの関係について概略的に説明する。図7は、用紙P上のインク量が多い状態を示した概略断面図であり、図8は、用紙P上のインク量が少ない状態を示した概略断面図である。図7に示すように、用紙Pの略全面をインクが覆うように印刷された状態では、用紙P上に吐出されたインク量は比較的多く、高周波加熱の負荷は重くなる。このような状態では、電極44と加熱対象(用紙Pおよびインク等)との結合容量は比較的大きくなり、電極44から見た負荷インピーダンスZは小さくなる。従って、電極44への入力電力を一定とした場合の電極間電圧の振幅V1は、図6で示したように小さくなる。
一方、図8に示すように、用紙P上のインク量が少なく用紙Pが露出している面積が大きい状態では、高周波加熱の負荷は小さくなる。このような状態では、電極44と加熱対象(用紙Pおよびインク等)との結合容量は比較的小さくなり、電極44から見た負荷インピーダンスZは大きくなる。従って、電極44への入力電力を一定とした場合の電極電圧の振幅V1は、図6で示したように大きくなる。
従って、パワーアンプ42から電極44への入力電力を一定とした場合には、電極44により高周波を印加する領域が白紙領域となったときに負荷インピーダンスが最大となり、電極間電圧の振幅V1も最大となる。このように、加熱対象領域が白紙に近い状態となり、電極間電圧の振幅V1が最大値近傍まで増大したような状態では、放電が生じやすくなる。即ち、高周波電圧によって生成された電界強度が、電極間の空気の絶縁耐力を超えると絶縁破壊が起こる。絶縁破壊が発生すると、電極44や整合器43に大電流が流れることとなり大変危険な状態となる。
これに対して本実施形態のコントローラ46は、電極44で絶縁破壊(放電)が起きないように入力電力をコントロールして、高周波加熱を行う。
図9は、電極間電圧の制御方法について説明する図である。本実施形態では、図9に示すように、電極44で絶縁破壊が発生しない範囲で、振幅V1の閾値電圧Vthを設定している。そして、コントローラ46により、電圧検出器45で検出された振幅V1が閾値電圧Vth以内となるよう、パワーアンプ42から電極44に入力される入力電力を制御する構成とした。このように構成したことで、電圧印加領域が白紙領域となって負荷インピーダンスZが最大となった状態でも、絶縁破壊の発生を未然に防ぐことができる。
また、絶縁破壊が発生する際の電極間電圧は、プラス電極とマイナス電極との間隔に依存する。従って、電極間隔が大きいほど絶縁破壊は起きにくくなり閾値電圧Vthを大きくすることができる。逆に、閾値電圧Vthを適切な範囲に設定して十分に低い電圧値に設定しておけば、絶縁破壊を防止しつつ、プラス電極とマイナス電極との間隔を狭くすることが可能となる。これにより、高周波加熱装置26およびインクジェット記録装置1のコンパクト化を図ることができる。
図10は、電極間電圧の別の制御例について説明する図である。図9では、負荷インピーダンスZが大きくなる範囲で、閾値電圧Vthによって電極間電圧に上限をかける制御例について説明した。これに対して、負荷インピーダンスZが小さくなる範囲では、紙面上のインク量が多く高周波加熱の対象量が多い状態となる。このような状態では、高周波加熱の入力電力を一定とするよりも、さらに電力を投入して加熱乾燥の促進を図るとよい。
そこで、コントローラ46は図10に示すように、従来の制御(図中点線)では振幅V1が閾値電圧Vthより小さくなる領域において、振幅V1が閾値電圧Vthまで引き上がるよう、図中実線に示すように制御する。即ち、コントローラ46は、電圧検出器45の検出結果OUT_Vの振幅V1が閾値電圧Vthより小さければ、振幅V1が閾値電圧Vthとなる範囲で、高周波発生回路41またはパワーアンプ42によって入力電力を増加させる。
尚、図10の例では、負荷インピーダンスZによらず、高周波電圧の振幅V1を閾値電圧Vthの一定値に保つとしたが、高周波電圧の振幅V1は一定に保たなくてもよく、閾値電圧Vthに近づけるよう制御すればよい。
このように、図10に示す制御例では負荷が軽い状態(即ち、負荷インピーダンスZが大きい状態)において、投入電力を小さくして絶縁破壊が起きないように制御する。一方で、負荷が重い状態(即ち、負荷インピーダンスZが小さい状態)においては、投入電力を大きくした。このように制御することにより、絶縁破壊が起きないように制御するとともに、インク乾燥の効率向上を図ることができ、さらに、全体としての電力効率の効率向上を図ることができる。
以上説明した通り、本実施形態の高周波加熱装置26は、高周波電極間の電極間電圧Vを検出して、電極間電圧の振幅V1が絶縁破壊の発生しない条件を満たす閾値電圧Vth以下となるよう制御する。これにより高周波加熱装置26は、誘電損失の負荷が小さく電極間電圧が大きくなり易い負荷対象(例えば、インク使用量が少ない箇所)に対して、加熱乾燥に必要とされている以上の高周波印加を避けることができる。従って、本実施形態の高周波加熱装置26は、電極間の放電を防止するとともに、高周波加熱の省電力化を図ることができる。
なお、上記実施形態では、本発明の画像形成装置を、インクジェット記録装置1に適用した例を説明したが、画像形成装置の例はこれに限定されない。本発明の画像形成装置をレーザプリンタに適用し、トナー定着装置に本発明の高周波誘電加熱装置を適用してもよい。また、本発明の画像形成装置を、プリンタ機能の他に、コピー機能、スキャナ機能またはファクシミリ機能の少なくともいずれか1つの機能を有する複合機に適用してもよい。あるいは、本発明の画像形成装置を、複写機、ファクシミリ装置等の画像形成装置に適用してもよい。
1 インクジェット記録装置(画像形成装置)
26 高周波加熱装置(高周波誘電加熱装置)
41 高周波発生回路
42 パワーアンプ
43 整合器
44 電極
45 電圧検出器
46 コントローラ
特許第5053323号公報 特許第4948262号公報 特許第2952763号公報

Claims (7)

  1. プラス電極とマイナス電極とを少なくとも一対備えた高周波電極と、
    前記プラス電極と前記マイナス電極との間に印加する高周波電圧を生成する高周波生成部と、
    前記高周波生成部が生成し出力した前記高周波電圧を増幅して前記高周波電極に印加するパワーアンプと、
    前記プラス電極と前記マイナス電極との間の電極間電圧を検出する電圧検出部と、
    前記電圧検出部が検出した前記電極間電圧が、前記高周波電極間で絶縁破壊が発生しない条件を満たす閾値電圧以内となるよう、前記高周波生成部または前記パワーアンプによって前記高周波電極への入力電力を制御する制御手段と、
    を備えた高周波誘電加熱装置。
  2. 前記電圧検出部は、前記高周波電極間に印加されている前記高周波電圧の電圧振幅を検出し、
    前記制御手段は、前記電圧検出部が検出した前記電圧振幅が前記閾値電圧以内となるよう、前記高周波電極への入力電力を制御する、請求項1に記載の高周波誘電加熱装置。
  3. 前記制御手段は更に、前記電圧検出部が検出した前記電極間電圧が前記閾値電圧より小さければ、前記電極間電圧が前記閾値電圧以内となる範囲で、前記高周波生成部または前記パワーアンプによって前記入力電力を増加させる、請求項1または2に記載の高周波誘電加熱装置。
  4. 前記電圧検出部は、前記高周波電極間に印加されている前記高周波電圧の電圧振幅を検出し、
    前記制御手段は、前記電圧検出部が検出した前記電圧振幅が一定の前記閾値電圧を保つよう、前記高周波生成部または前記パワーアンプを制御する、請求項1ないし3のいずれか1つに記載の高周波誘電加熱装置。
  5. 可変コンデンサおよび可変インダクタを有し、前記高周波電極と、前記パワーアンプとの間のインピーダンス整合を行う整合器を更に備え、
    前記制御手段は、前記可変コンデンサのコンダクタンス、または、前記可変インダクタのインダクタンスを制御することにより、前記パワーアンプから前記整合器へ進行する進行波と、前記整合器から前記パワーアンプに反射する反射波とのインピーダンス整合を制御する、請求項1ないし4のいずれか1つに記載の高周波誘電加熱装置。
  6. 請求項1ないし5のいずれか1つに記載の高周波誘電加熱装置を備えた画像形成装置。
  7. 高周波誘電加熱装置で実行される高周波誘電加熱方法であって、
    前記高周波誘電加熱装置は、制御手段と、プラス電極とマイナス電極とを少なくとも一対備えた高周波電極と、前記プラス電極と前記マイナス電極との間に印加する高周波電圧を生成する高周波生成部と、前記高周波生成部が生成し出力した前記高周波電圧を増幅して前記高周波電極に印加するパワーアンプと、前記プラス電極と前記マイナス電極との間の電極間電圧を検出する電圧検出部と、を備え、
    前記制御手段が、前記電圧検出部が検出した前記電極間電圧が、前記高周波電極間で絶縁破壊が発生しない条件を満たす閾値電圧以内となるよう、前記高周波生成部または前記パワーアンプによって前記高周波電極への入力電力を制御する工程を含むことを特徴とする、高周波誘電加熱方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2018130944A (ja) * 2017-02-17 2018-08-23 イマジニアリング株式会社 印刷装置
WO2023157431A1 (ja) * 2022-02-16 2023-08-24 パナソニックIpマネジメント株式会社 高周波処理装置
WO2023229195A1 (ko) * 2022-05-27 2023-11-30 삼성전자 주식회사 유전 가열 장치

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