JP2008260164A - 記録ヘッドの状態検出装置及び記録装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】エネルギ発生素子に電気的エネルギを付与してインクを吐出させる記録ヘッドに備える記録ヘッドの状態検出装置において、前記記録ヘッドを駆動する駆動回路と、この駆動回路に電力を与える電源入力端子と、一方が前記電源入力端子にかつ他方が電源に接続されたスイッチと、一方が前記電源入力端子にかつ他方が前記電源に接続された抵抗C16と、この抵抗C16の電圧を観測することによって前記記録ヘッドの状態検出を行う検出手段C9とを具備する記録ヘッドの状態検出装置。
【選択図】図5
Description
これら記録ヘッドのエネルギ発生素子に電気的なエネルギを付与することによりインクの吐出が可能になる。記録ヘッドのエネルギ発生素子を電気的に見た場合、圧電素子はコンデンサ、そしてヒータは抵抗と見做せる。また、インクを電気的にみた場合には、抵抗値の低い抵抗と見做すことができる。
ところで、記録ヘッドの構造を考えると、エネルギ発生素子とインクは当然ながら直近に位置することが効率的であり、実際に記録ヘッドの構造はそのように構成される。しかしながら、インクとエネルギ発生素子が直接接してしまうと電気的にエネルギ発生素子が短絡となり故障が発生してしまう。斯かる技術内容を図10乃至13に基づき、例えば、圧電素子を用いた記録ヘッドの場合で説明する。
圧電素子H1を挟んで基台H2と反対側にインク液室H3の壁面の一部を形成するダイヤフラムプレートH4がある。インク液室H5の容積を拡大・縮小することによってノズルH6からインクを吐出させるようになっている。
図11は従来のヒータを用いたヘッドを示す断面図である。このヘッドにおいて、ノズルプレートH11と基板H12で囲まれた領域がインク液室H13となっている。基板H12の上にヒータH14が設置され、かつこのヒータH14は保護膜H15によって覆われている。この構造では保護膜H15によりインクとヒータH14は直接接触することはない。
しかしながら、上記のような記録ヘッドであっても、経時的なダイヤフラムプレートの劣化や保護膜の劣化は起こり得るもので、記録ヘッドとして故障することも当然起こる。このように記録ヘッドが故障した場合の、記録ヘッドを搭載した装置での現象を考える。
また、駆動回路C1は、増幅された信号の電流駆動能力を高めて最終的な駆動信号とするプッシュプル回路C5を含んでいる。さらに、駆動回路C1は、アナログスイッチC6と図示していない制御回路により構成されている。さらにまた、駆動回路C1は、駆動信号を複数の圧電素子C7に選択的に配分するヘッドドライバICのアナログスイッチ制御部C8により構成されている。
この記録ヘッドの駆動回路C1は2系統の電源C10、C11により動作している。電源C10は高電圧であり、主に記録ヘッドの圧電素子C7の駆動信号を生成するために増幅回路C4及びプッシュプル回路C5、図示していないヘッドドライバICのアナログスイッチ制御部C8に供給される。
電源C11は低電圧であり、信号発生器C3、ヘッドドライバICの図示していない記録ヘッドの選択データ制御部に供給される。なお、電圧値として電源C11の出力電圧VLは3.3V、電源C10の出力電圧VHPSUは37Vである。ここで、記録ヘッドの圧電素子C7にインクが付着してしまった場合を考える。
付着したインクは圧電素子C7に並列に付加された抵抗素子と見做すことができる。圧電素子C7の駆動信号電圧が15Vであったとする。また、アナログスイッチのオン抵抗が90Ω、インク付着箇所の抵抗が10Ωとすると、150mAの電流が駆動回路C1から供給されて流れることになる。
ここで、インクの付着が1素子程度であれば不具合は正常にインク吐出が行なえないということにとどまる。しかしながら、複数の素子で起こった場合には大電流が流れ、プッシュプル回路C5を構成するNPNトランジスタを破壊させてしまう危険性が高い。
この場合、記録ヘッドの交換のみならず駆動回路C1の装置交換も必要となる。さらに駆動回路C1の故障発生時には発煙等の危険もある。ヒータを用いた記録ヘッドでも同様のことが言える。
ここで、ヒータC23を保護している図示しない保護膜を介してインクがヒータに達すると、ヒータC23に並列に抵抗が付加される。ヒータC23の抵抗値が1kΩ、付着したインクの抵抗が10ΩとしてヒータC23の駆動電圧が10Vであったとすると、駆動トランジスタC22から1Aの駆動電流が流れる。
通常の駆動電流10mAに比べて100倍の電流が流れることになり、駆動トランジスタC22の破壊や駆動ヒータ部の焼損が起こる可能性が高いといえる。上述したように記録ヘッドのインク付着による動作では記録ヘッドのみならず周辺部分の駆動回路まで破損してしまう可能性が高く、また、発煙等の危険すらある。
従来技術では、このような重大な故障を軽減するために、電源ラインに抵抗とコンデンサを挿入し、CR回路を構成して駆動回路の電源制御を行なう技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1には、電源ラインに抵抗とコンデンサを挿入してCR回路を構成し、駆動回路の電源制御を行なって記録素子と挿入したCR回路の放電カーブの状態を検出することにより負荷の異常状態を検出している。この放電カーブの検出時には通常駆動する時のメイン供給電源ラインをオフしているため回路並びに記録ヘッド素子の破壊を回避することが可能となっている。
また、トランジスタの動作領域を考えた場合に、検出時に動作トランジスタに供給する電源電位が放電カーブの電位となる。この場合、特に、低電圧時の動作が不安定になり易いという問題がある。また、コンデンサの充放電の時間的変化を計測するため、検出そのものに時間がかかるという問題点もある。
そこで、本発明の目的は、上述した実情を考慮して、駆動系の回路を破損することなく、精度よくかつ高速に記録ヘッドの状態を検出する記録ヘッドの状態検出装置及び記録装置を提供することにある。
請求項2記載の発明は、前記抵抗の電源入力端子側は、コンパレータに接続されており、前記検出手段は、前記コンパレータの出力により異常状態を検出する請求項1記載の記録ヘッドの状態検出装置を特徴とする。
請求項3記載の発明は、前記抵抗の電源入力端子側は、ADコンバータに接続されており、前記検出手段は、前記ADコンバータの出力により前記記録ヘッドの状態を検出する請求項1記載の記録ヘッドの状態検出装置を特徴とする。
請求項4記載の発明は、検出値から異常状態が検出された時に、その作動を停止する請求項1乃至3の何れか1項記載の記録ヘッドの状態検出装置を特徴とする。
請求項5記載の発明は、前記検出値を記憶することが可能な記憶手段を備え、前記検出手段は、検出を行なう度に前記記憶手段に記憶された検出値と比較して前記記録ヘッドの状態を検出する請求項1乃至4の何れか1項記載の記録ヘッドの状態検出装置を特徴とする。
請求項6記載の発明は、請求項1乃至5の何れか1項記載の記録ヘッドの状態検出装置を搭載する記録装置において、前記記録ヘッドがスキャン動作を行なうスキャン動作手段を備えており、前記検出手段は、スキャン毎に状態検出を行なう記録装置を特徴とする。
請求項7記載の発明は、請求項5記載の記録ヘッドの状態検出装置を搭載している記録装置において、前記検出値の変化量によって駆動電圧の調整を行ない、前記記録ヘッドの駆動を補正する記録装置を特徴とする。
この記録装置は、記録装置本体1と、記録装置本体1に装着した用紙を装填するための給紙トレイ2と、記録装置本体1に装着され画像が記録(形成)された用紙をストックするための排紙トレイ3とを備えている。さらに、記録装置本体1の前面4の一端部側には、前面4から前方側に突き出し、上面5よりも低くなったカートリッジ装填部6を有している。
このカートリッジ装填部6の上面に操作キーや表示器などの操作部7を配置している。カートリッジ装填部6には、液体補充手段としての液体保管用タンクであるメインタンク(以下、「インクカートリッジ」という。)10が交換可能に装着され、また、開閉可能な前カバー8を有している。
なお、ガイドロッド31は、フレーム21を構成する左右の側板21A、21Bに横架したガイド部材である。ガイドロッド31とステー32とでキャリッジ33を主走査方向に摺動自在に保持し、図示しない主走査モータによって図3で矢示方向(キャリッジ走査方向:主走査方向)に移動走査する。
このキャリッジ33には、記録液の液滴(インク滴)を吐出するための液滴吐出ヘッドであるインクジェットヘッドからなる複数の記録ヘッド34が装着されている。記録ヘッド34は複数のノズルを主走査方向と交叉する方向に配列し、インク滴吐出方向を下方に向けて装着されている。
ここで、記録ヘッド34は、例えば、イエロー(Y)の液滴を吐出する記録ヘッド34y、マゼンタ(M)の液滴を吐出する記録ヘッド34m、シアン(C)の液滴を吐出する記録ヘッド34c、ブラック(Bk)の液滴を吐出する記録ヘッド34bとで構成している。
なお、「記録ヘッド34」という時は色を区別しないものとする。また、ヘッド構成は、これらの例に限るものではなく、1又は複数の色の液滴を吐出する1又は複数のノズル列を有する記録ヘッドを1又は複数用いて構成することもできる。
さらに、温度変化による金属相変化を用いる形状記憶合金アクチュエータ、静電力を用いる静電アクチュエータなどを、液滴を吐出するためのエネルギ発生手段として備えた液滴吐出ヘッドなどを使用できる。本記録装置の記録ヘッドは圧電素子をエネルギ発生手段に用いている。
本記録装置の記録ヘッドの構成は従来技術として図10に示したものと同一であり、図10では1ch(1チャンネル)分しか示していないが実際には複数ch分が集積されている。また、キャリッジ33には、各記録ヘッド34にそれぞれ各色の記録液を供給するための各色のサブタンク35y、35m、35c、35k(色を区別しない場合は「サブタンク35」という。)を搭載している。
このサブタンク35には各色の記録液供給チューブ37を介して前述した各色のインクカートリッジ10(各色を区別する場合には、「インクカートリッジ10y、10m、10c、10k」という。)から記録液を供給するようにしている。ここで、インクカートリッジ10は、図3にも示すように、カートリッジ装填部6に収納されている。
一方、給紙トレイ2の用紙積載部(底板)41上に積載した用紙42を給紙するために給紙部が形成されている。この給紙部として、用紙積載部41から用紙42を1枚ずつ分離給送する半月形のコロ(給紙コロ)43及びこれに対向し、摩擦係数の大きな材質からなる分離パッド44を備えている。この分離パッド44は適宜な手段により給紙コロ43側に付勢されている。
さらに、略鉛直上方に送られる用紙42を略90°方向転換させて搬送ベルト51上に倣わせるための搬送ガイド53と、押さえ部材54で搬送ベルト51側に付勢された先端加圧コロ55とを備えている。また、搬送ベルト51表面を帯電させるための帯電手段である帯電ローラ56を備えている。
ここで、搬送ベルト51は無端状ベルトであり、搬送ローラ57とテンションローラ58との間に掛け渡されて、図3のベルト搬送方向に周回するように構成している。帯電ローラ56は、搬送ベルト51の表層に接触し、搬送ベルト51の回動に従動して回転するように配置され、加圧力として軸の両端に各2.5Nを掛けている。
また、搬送ベルト51の裏側には、記録ヘッド34による印写領域に対応してガイド部材61を配置している。このガイド部材61は、上面が搬送ベルト51を支持する2つのローラ(搬送ローラ57とテンションローラ58)の接線よりも記録ヘッド34側に突出している。
これにより、搬送ベルト51は印写領域ではガイド部材61の上面にて押し上げられて案内されるので、高精度な平面性を維持される。さらに、記録ヘッド34で記録された用紙42を排紙するために排紙部が形成されている。この排紙部は、搬送ベルト51から用紙42を分離するための分離爪71と、排紙ローラ72及び排紙コロ73とを備えている。
この排紙部において、排紙トレイ3は排紙ローラ72の下方に配置するように構成されている。ここで、排紙ローラ72と排紙コロ73との間から排紙トレイ3までの高さは排紙トレイ3にストックできる量を多くするために或る程度高くしている。また、記録装置本体1の背面部には両面給紙ユニット81が着脱自在に装着されている。
この両面給紙ユニット81は搬送ベルト51の逆方向回転で戻される用紙42を取り込んで反転させて、再度、カウンタローラ52と搬送ベルト51との間に給紙する。また、この両面給紙ユニット81の上面には手差し給紙部82を設けている。
このサブシステム91には、記録ヘッド34の各ノズル面をキャッピングするための各キャップ部材(以下「キャップ」という。)92a〜92d(区別しない時は「キャップ92」という。)を備えている。
このように構成したインクジェット記録装置においては、給紙トレイ2から用紙42が1枚ずつ分離給紙され、略鉛直上方に給紙された用紙42はガイド45で案内される。続いて、搬送ベルト51とカウンタローラ52との間に挟まれて搬送され、さらに、先端を搬送ガイド53で案内されて先端加圧コロ55で搬送ベルト51に押し付けられ、略90°搬送方向を転換される。
この時、図示しない制御回路によって高圧電源から帯電ローラ56に対してプラス出力とマイナス出力とが交互に繰り返すように、つまり交番する電圧が印加される。その結果、搬送ベルト51が交番する帯電電圧パターン、すなわち、周回方向である副走査方向に、プラスとマイナスが所定の幅で帯状に交互に帯電されたものとなる。
これにより、停止している用紙42にインク滴を吐出して1行分を記録し、用紙42を所定量搬送後、次の行の記録を行なう。記録終了信号又は用紙42の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了して、用紙42を排紙トレイ3に排紙する。
また、印字(記録)待機中には、キャリッジ33はサブシステム91側に移動されて、キャップ部材92で記録ヘッド34がキャッピングされ、ノズルを湿潤状態に保つことによりインク乾燥による吐出不良を防止する。また、記録開始前、記録途中などに記録と関係しないインクを吐出する空吐出動作を行なう。これによって、記録ヘッド34の安定した吐出性能を維持する。
制御部100は、また、インクジェット記録装置の電源が遮断されている間もデータを保持するための不揮発性メモリ(NVRAM)104を含んでいる。制御部100は、さらに、画像データに対する各種信号処理、並び替えなどを行なう画像処理やその他装置全体を制御するための入出力信号を処理するASIC105を含んでいる。
制御部100は、またさらに、ホスト側とのデータ、信号の送受を行うためのI/F106、記録ヘッド34を駆動制御するためのヘッド駆動制御部107及びヘッドドライバ108、主走査モータ110を駆動するための主走査モータ駆動部111を含んでいる。
制御部100は、また、副走査モータ112を駆動するための副走査モータ駆動部113、サブシステム91のモータ115を駆動するためのサブシステム駆動部114、図示しない各種センサからの検知信号を入力するためのI/O109などを備えている。なお、記録ヘッド駆動制御部107はヘッド駆動回路とヘッド状態検出部からなる。
記録ヘッド駆動制御部107の詳細については後述する。また、この制御部100には、この装置に必要な情報の入力および表示を行うための操作パネル116が接続されている。制御部100は、ホスト側からの印刷データなどをケーブル或いはインターネットを介してI/F106で受信する。
ホスト側からの印刷データはパーソナルコンピュータ(PC)のごとき情報処理装置、イメージスキャナのごとき画像読み取り装置、デジタルカメラのごとき撮像装置などから送信される。
そして、CPU101は、I/F106に含まれる受信バッファ内の印刷データを読み出して解析し、ASIC105にて必要な画像処理、データの並び替え処理などを行って記録ヘッド駆動制御部107に画像データを転送する。なお、画像出力するためのドットパターンデータの生成は、例えば、ROM102にフォントデータを格納して行っても良い。また、ホスト側のプリンタドライバで画像データをビットマップデータに展開してこの装置に転送するようにしても良い。
駆動回路C1の構成は高電圧の供給を記録ヘッドの状態検出部C2から受ける以外は従来技術として図7に示すものと同じである。記録ヘッドの状態検出部C2は記録動作と記録ヘッド34(図4)の状態検出動作を切り換えるスイッチ部C12と状態検出部C17からなる。
スイッチ部C12はASIC105(図4)から出力されるVHcontがHレベルの時は動作モード、Lレベルの時は検出モードとなる。状態検出部C17は状態検出抵抗C16とコンパレータC9からなり、供給された検出閾値Vrefとの比較を行なう。
状態検出抵抗C16の電源入力端子側は、コンパレータC9に接続されており、このコンパレータC9の出力により記録ヘッドの状態を検出する。これによって、簡単な構成で異常状態と正常状態の判定が行なえ、装置コストが安くなる。
この構成において、コンパレータC9の比較基準入力を異常状態と正常状態の閾値に設定しておけば、出力の変化によって異常状態と正常状態の判定がコストをかけずに簡単に行なえることとなる。
プッシュプル回路C5は負荷がコンデンサの場合に出力電圧VCOMが直流値一定であれば電流を消費しない。増幅回路C4はCMOSで一体集積化されたもので消費電流が少ないのが特徴である。
無負荷で出力電圧が電源電位の場合の電源電位と消費電流の関係は表として表すこともできるが、ここでは表は示さない。この増幅回路C4は5V以下では動作しなくなり、消費電流も0となる。また、ドライバICは、電源電位に関係なく、直流出力時で制御が一定な状態であれば消費電流は数μA以下である。以上、装置全体の概要を説明した。
記録装置の電源がオンされると、まず、電源はVLPSUを制御部100(図4)に供給する。この時、ASIC105(図4)はVHCONTをLレベルとして出力しておく。さらに、ASIC105は図示してないヘッドドライバICの出力を全chでオンとなるように設定をする。
さらに、ASIC105は記録ヘッド駆動制御部の信号発生器C4にフルスケールの出力がされるようにWAVEDATAを設定する。設定が完了するとASIC105から電源部にVHPSUを出力するように指示が出され、VHPSUは0→37Vを出力する。
ここで、駆動回路C1の信号発生器C3を除く各部には状態検出抵抗C16を経由して電流が流れる。記録ヘッドが正常なので、駆動回路C1において電流を消費するのはトランジスタC13のみであり、2.85mAが状態検出抵抗C16に流れ、VHを36Vとして状態が平衡する。Vrefは30V設定となっており、コンパレータC9の出力VHeadはLレベルを出力する。
ASIC105はVHeadがLレベルであることを確認し、VHcontとしてHレベルを出力する。VHcontにHレベルが供給されると、スイッチ部C12の2つのトランジスタC13,C14がオンとなり、VHとして37Vが供給され、通常の記録動作が可能になる。
まず、電源オン後の動作はVHPSUが0→37Vを出力するまでは図6の場合と同じである。VHPSUが37Vになると、状態検出抵抗C16(図5)にはアナログスイッチ制御部C8(図5)を経由して電流が流れる。アナログスイッチC6と付着したインクの抵抗は合わせて100Ωとなり、VHは8V程度で平衡してしまう。
Vrefが30V設定となっていることからコンパレータC9(図5)の出力VHeadはHレベルを出力する。ASIC105(図4)はVHeadがHレベルであることを確認するので、VHcontとしてLレベルを保持し、直ちにVHPSUをオフして記録ヘッドの駆動を停止させる。これによって、異常状態での動作の継続で記録ヘッドにさらなるダメージが加わることを防止できるため信頼性を上げることができる。
ここで、ASIC105から記録ヘッドの状態が異常として操作パネル116(図4)を通してユーザに異常を知らせるようにしても良い。また、ホストがPCの場合にはネットワークを通してPCからユーザにドライバ上で異常を伝えるようにしても良い。
ここで、図8に示すように、図5の記録ヘッドの状態検出部のコンパレータC9の代わりにADコンバータC18を使用し、その出力をNVRAM104(図4)に記憶することも考えられる。図9は図8の構成において、記録ヘッドがスキャン動作する毎に状態検出を行う場合の各部の信号を表している。
ここで、図9には記録動作中に記録ヘッドが正常な状態から不具合とはならないレベルの僅かなインク漏れが起こった場合を示している。記録1では記録ヘッドは正常な状態、記録2では記録ヘッドには僅かなインク侵入があり、圧電素子1chに並列に1.7kΩがインクの抵抗が付いた状態となった場合である。
まず、記録1のスキャンが終了し、キャリッジ33(図4)は往復動作のために減速し、再び逆方向に速度を変えて記録2へと向かう。この減速→加速の間にASIC105はVHcontをLレベルにして記録ヘッド34(図4)の状態検出を行なう。この時、記録ヘッド34は正常なのでVHは36Vを示す。
この時、インク侵入によってVH電圧は30Vとなる。CPU101(図4)は記録1動作後と記録2動作後の検出値を比較して値が減少していることを確認する。その後、ASIC105に装置の停止を指示し、VHPSUを非出力として装置は停止する。
ADコンバータC18は状態検出抵抗C16の電源10の入力端子側に接続されており、このADコンバータC18の出力により記録ヘッド34の状態を検出する。これによって、記録ヘッド34の状態をアナログ値として認識することが可能となる。従って、より精度の高い検出、さらには段階的な状態の把握が可能となって装置の信頼性を上げることができる。
この構成ではADコンバータC18の出力から検出値がアナログ出力として判ることになる。この構成にすることにより正常値と異常値の2値化では判らない微妙な変化を検出できる。
例えば、記録ヘッドの内部にインクが侵入して微量付着した場合には異常としては検出されないが、検出値としては正常値の範囲内ではあるが異常値へ近いことになる。この状態を異常状態直前として検出し、回復手段を動作させるといったことも可能となり装置の信頼性を上げることができる。
図4ないし図9で述べた例はいずれもインクの侵入によるヘッドドライバICのアナログスイッチ制御部C8の負荷インピーダンス低下である。しかしながら、圧電素子C7の電極異常であるマイグレーションやゴミの付着等も検出できることはいうまでもない。
検出値を記憶することが可能な記憶手段(NVRAM104)を備え、検出を行なう度に記憶された検出値と比較して前記記録ヘッドの状態を検出する。これによって、検出値の時間的変化が判るようになり、記録ヘッドが異常状態に近づいているか、又は遠ざかっているかどうかが判る。結果として、記録ヘッドの状態予測が可能となり、ユーザへの警告等がより細かく行なえるようになり、信頼性の高い装置を提供できる。
また、本発明の記録ヘッドの状態検出装置は、記録ヘッドとしてヒータを用いる場合の各ヒータの抵抗値を測定し、その抵抗値に基づいて各電熱変換素子に印加する駆動電圧を調整することもできる。
特に、記録ヘッドが長尺化した場合に、ノズル毎のヒータの抵抗値にバラツキが生じ易くなり、その結果、吐出されるインク量にバラツキが生じてしまう。しかし、各ヒータの抵抗値をフィードバックして印加電圧を調整することで、狙いの大きさのインク滴を吐出することもできる。
本発明の記録ヘッドの状態検出装置を搭載している記録装置は、この記録装置の記録ヘッドがスキャン動作中にも状態を検出するので、信頼性が高い装置を提供できる。
また、記録ヘッドの補正が可能になり、装置の精度を高めることが可能になる。さらに、記録素子に経時的な変化、又はバラツキがある場合に記録ヘッドの高精度化が容易になる。
Claims (7)
- エネルギ発生素子に電気的エネルギを付与してインクを吐出させる記録ヘッドの状態検出装置において、前記記録ヘッドを駆動する駆動回路と、該駆動回路に電力を与える電源入力端子と、一方が前記電源入力端子にかつ他方が電源に接続されたスイッチと、一方が前記電源入力端子にかつ他方が前記電源に接続された抵抗と、該抵抗の電圧を検出することによって前記記録ヘッドの状態検出を行う検出手段と、を具備することを特徴とする記録ヘッドの状態検出装置。
- 前記抵抗の電源入力端子側は、コンパレータに接続されており、前記検出手段は、前記コンパレータの出力により前記記録ヘッドの状態を検出することを特徴とする請求項1記載の記録ヘッドの状態検出装置。
- 前記抵抗の電源入力端子側は、ADコンバータに接続されており、前記検出手段は、前記ADコンバータの出力により前記記録ヘッドの状態を検出することを特徴とする請求項1記載の記録ヘッドの状態検出装置。
- 検出値から異常状態が検出された時に、前記記録ヘッドの駆動を停止することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項記載の記録ヘッドの状態検出装置。
- 前記検出値を記憶することが可能な記憶手段を備え、前記検出手段は、検出を行なう度に前記記憶手段に記憶された検出値と比較して前記記録ヘッドの状態を検出することを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項記載の記録ヘッドの状態検出装置。
- 請求項1乃至5の何れか1項記載の記録ヘッドの状態検出装置を搭載する記録装置において、前記記録ヘッドがスキャン動作を行なうスキャン動作手段を備えており、前記検出手段は、スキャン毎に状態検出を行なうことを特徴とする記録装置。
- 請求項5記載の記録ヘッドの状態検出装置を搭載している記録装置において、前記検出値の変化量によって前記記録ヘッドの駆動信号の補正を行なうことを特徴とする記録装置。
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