JP2008100810A - インクジェットプリンタ - Google Patents

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Abstract

【課題】搬送ベルトに残留するAC帯電パターンに一致するように当該搬送ベルトを帯電制御する場合にも搬送ベルトと帯電ローラとの放電を抑制防止する。
【解決手段】搬送ベルト1の表面をAC同期再帯電して印刷媒体2を静電吸着搬送するにあたり、搬送ベルト1の二つの極性の帯電領域の間に非帯電領域を設けることで、搬送ベルト帯電ローラ7と非帯電領域との電位差を小さくして放電距離及び放電範囲を減少し、もって搬送ベルト1と搬送ベルト帯電ローラ7との放電を抑制防止する。非帯電領域の搬送ベルト回転方向長さLzは、搬送ベルト帯電ローラ7の中心が、その真ん中にあるときに帯電領域との間で放電しない範囲を含む長さとする。
【選択図】図5

Description

本発明は、印刷用紙やOHPシート等の印刷媒体を搬送し、例えば複数色の液体インクの微粒子(ドット)をそれらの印刷媒体上に吐出して所定の文字や画像を描画するようにしたインクジェットプリンタに関するものであり、特に搬送ベルトの表面に印刷媒体を静電気力で吸着して搬送するのに好適なものである。
このようなインクジェットプリンタは、一般に安価で且つ高品質のカラー印刷物が容易に得られることから、パーソナルコンピュータやデジタルカメラなどの普及に伴い、オフィスのみならず一般ユーザにも広く普及してきている。
このようなインクジェットプリンタは、一般に、インクカートリッジとインク吐出ヘッド(一般にインクジェットヘッドという)とが一体的に備えられたキャリッジなどと称される移動体が印刷媒体上をその搬送方向と交差する方向に往復しながらアクチュエータを駆動することにより、そのインクジェットヘッドに形成されているノズルから液体インクの微粒子(インク滴)を吐出することで、印刷媒体上に微小なインクドットを形成して所定の文字や画像を描画して所望の印刷物を作成するようになっている。そして、このキャリッジに黒色(ブラック)を含めた4色(イエロー、マゼンタ、シアン)のインクカートリッジと各色毎のインクジェットヘッドを備えることで、モノクロ印刷のみならず、各色を組み合わせたフルカラー印刷も容易に行えるようになっている(更に、これらの各色に、ライトシアンやライトマゼンタなどを加えた6色や7色、或いは8色のものも実用化されている)。
また、このようにキャリッジ上のインクジェットヘッドを印刷媒体搬送方向と交差する方向(印刷媒体の幅方向)に往復させながら印刷を実行するようにしたタイプのインクジェットプリンタでは、1頁全体をきれいに印刷するためにインクジェットヘッドを数十回から100回以上も往復運動させる必要がある。これに対し、印刷媒体の幅と同じ寸法の長尺のインクジェットヘッド(一体である必要はない)を配置してキャリッジを使用しないタイプのインクジェットプリンタでは、インクジェットヘッドを印刷用紙の幅方向に移動させる必要がなく、所謂1パスでの印刷が可能となるため、高速な印刷が可能となる。なお、前者方式のインクジェットプリンタを一般に「マルチパス型プリンタ」、後者方式のインクジェットプリンタを一般に「ラインヘッド型プリンタ」と呼んでいる。
ところで、この種のラインヘッド型インクジェットプリンタでは、搬送用の搬送ベルトに印刷媒体を静電気力で吸着して搬送する構成がよく用いられている。搬送ベルトに印刷媒体を静電気力で吸着するためには、例えばコロナ放電によって搬送ベルトを非接触に帯電し、印刷媒体内の誘電分極によって当該印刷媒体を静電吸着する方法がある。しかしながら、コロナ放電では、高電圧のエネルギーによって空気がイオン化されてオゾンが発生し、このオゾンによって搬送ベルトが劣化してしまう。そこで、下記特許文献1に挙げるインクジェットプリンタでは、搬送ベルトの回転方向に沿って常に帯電パターン(極性のパターン)が同一となるように、残留した帯電パターンに一致するように搬送ベルトの帯電制御を行うことで、搬送ベルトと帯電ローラとの間で発生する空気中への放電を抑制し、もってオゾンの発生を抑制するようにしている。
特開2004−131242号公報
しかしながら、前記従来のインクジェットプリンタでは、残留した帯電パターンに一致するように搬送ベルトの帯電制御を行っても、極性の切り替わり部分で、比較的搬送ベルトに近い帯電ローラの非接触部と搬送ベルトとの間で空気中への放電が発生し、オゾンが発生してしまうという問題がある。
本発明は、上記のような問題点に着目してなされたものであり、帯電ローラと搬送ベルトとの間の放電を抑制防止することができるインクジェットプリンタを提供することを目的とするものである。
[発明1]上記課題を解決するために、発明1のインクジェットプリンタは、搬送ベルトの表面に帯電ローラを当接して当該搬送ベルトの表面を所定の電位に帯電し、その帯電された搬送ベルトの表面に印刷媒体を静電気力で吸着して搬送し、その印刷媒体にインクジェットヘッドからインク滴を吐出して印刷を行うインクジェットプリンタにおいて、前記搬送ベルトの表面を所定の周期で逆の極性の電位に帯電する帯電制御手段を備え、前記帯電制御手段は、前記搬送ベルトの帯電極性の切り替わり部分に非帯電領域を設けることを特徴とするものである。
この発明1に係るインクジェットプリンタによれば、搬送ベルトの表面に帯電ローラを当接して当該搬送ベルトの表面を所定の電位に帯電し、その帯電された搬送ベルトの表面に印刷媒体を静電気力で吸着して搬送し、その印刷媒体にインクジェットヘッドからインク滴を吐出して印刷を行うにあたり、搬送ベルトの表面を所定の周期で逆の極性の電位に帯電すると共に、当該搬送ベルトの帯電極性の切り替わり部分に非帯電領域を設ける構成としたため、残留した帯電パターンに一致するように搬送ベルトの帯電制御を行う場合であっても、当該搬送ベルトの非帯電領域と帯電ローラとの電位差が小さくなり、帯電ローラと搬送ベルトとの間の放電を抑制防止することができる。
[発明2]また、発明2のインクジェットプリンタは、前記発明1のインクジェットプリンタにおいて、前記非帯電領域の搬送ベルト回転方向の長さは、帯電ローラの中心が当該非帯電領域の搬送ベルト回転方向の長さの半分の位置にあるとき、帯電ローラと搬送ベルトとの電位差により両者に放電が発生する範囲を含む長さであることを特徴とするものである。
この発明2に係るインクジェットプリンタによれば、非帯電領域の搬送ベルト回転方向の長さを、帯電ローラの中心が当該非帯電領域の搬送ベルト回転方向の長さの半分の位置にあるとき、帯電ローラと搬送ベルトとの電位差により両者に放電が発生する範囲を含む長さとする構成としたため、帯電ローラと搬送ベルトとの間の放電をより一層抑制防止することができる。
[発明3]また、発明3のインクジェットプリンタは、前記発明1又は2のインクジェットプリンタにおいて、前記非帯電領域の搬送ベルト回転方向の長さの2倍値と一方の極性の帯電領域の搬送ベルト回転方向の長さと他方の極性の帯電領域の搬送ベルト回転方向の長さとの和の自然数倍が搬送ベルトの回転方向長さに一致するように、夫々の領域の搬送ベルト回転方向長さを設定することを特徴とするものである。
この発明3に係るインクジェットプリンタによれば、非帯電領域の搬送ベルト回転方向の長さの2倍値と一方の極性の帯電領域の搬送ベルト回転方向の長さと他方の極性の帯電領域の搬送ベルト回転方向の長さとの和の自然数倍が搬送ベルトの回転方向長さに一致するように、夫々の領域の搬送ベルト回転方向長さを設定する構成としたため、非帯電領域の搬送ベルト回転方向の長さを二つの極性の切り替わり部分に確保することができ、残留した帯電パターンに一致するように搬送ベルトの帯電制御を行う場合にも、帯電ローラと搬送ベルトとの間の放電を抑制防止し易い。
[発明4]また、発明4のインクジェットプリンタは、前記発明1又は2のインクジェットプリンタにおいて、前記非帯電領域の搬送ベルト回転方向の長さの2倍値と一方の極性の帯電領域の搬送ベルト回転方向の長さと他方の極性の帯電領域の搬送ベルト回転方向の長さとの和の自然数倍が搬送ベルトの回転方向長さに一致しない場合、それらの長さの和の自然数倍の最大値と搬送ベルトの回転方向長さとの余りの部分を非帯電領域とすることを特徴とするものである。
この発明4に係るインクジェットプリンタによれば、非帯電領域の搬送ベルト回転方向の長さの2倍値と一方の極性の帯電領域の搬送ベルト回転方向の長さと他方の極性の帯電領域の搬送ベルト回転方向の長さとの和の自然数倍が搬送ベルトの回転方向長さに一致しない場合、それらの長さの和の自然数倍の最大値と搬送ベルトの回転方向長さとの余りの部分を非帯電領域とする構成としたため、非帯電領域の搬送ベルト回転方向の長さを二つの極性の切り替わり部分に確保することができ、残留した帯電パターンに一致するように搬送ベルトの帯電制御を行う場合にも、帯電ローラと搬送ベルトとの間の放電を抑制防止し易い。
[発明5]また、発明5のインクジェットプリンタは、前記発明4のインクジェットプリンタにおいて、前記非帯電領域に設定された前記余りの部分以外の部分に印刷媒体を静電吸着することを特徴とするものである。
この発明5に係るインクジェットプリンタによれば、非帯電領域に設定された余りの部分以外の部分に印刷媒体を静電吸着する構成としたため、印刷媒体を搬送ベルトに確実に静電吸着することができる。
[発明6]また、発明6のインクジェットプリンタは、前記発明1又は2のインクジェットプリンタにおいて、前記非帯電領域の搬送ベルト回転方向の長さの2倍値と一方の極性の帯電領域の搬送ベルト回転方向の長さと他方の極性の帯電領域の搬送ベルト回転方向の長さとの和の自然数倍が搬送ベルトの回転方向長さに一致しない場合、それらの長さの和の自然数倍の最大値と搬送ベルトの回転方向長さとの余りの部分を、それに連続する何れか一方の極性に帯電することを特徴とするものである。
この発明6に係るインクジェットプリンタによれば、非帯電領域の搬送ベルト回転方向の長さの2倍値と一方の極性の帯電領域の搬送ベルト回転方向の長さと他方の極性の帯電領域の搬送ベルト回転方向の長さとの和の自然数倍が搬送ベルトの回転方向長さに一致しない場合、それらの長さの和の自然数倍の最大値と搬送ベルトの回転方向長さとの余りの部分を、それに連続する何れか一方の極性に帯電する構成としたため、非帯電領域の搬送ベルト回転方向の長さを二つの極性の切り替わり部分に確保することができ、残留した帯電パターンに一致するように搬送ベルトの帯電制御を行う場合にも、帯電ローラと搬送ベルトとの間の放電を抑制防止し易い。
[発明7]また、発明7のインクジェットプリンタは、前記発明1乃至6のインクジェットプリンタにおいて、前記制御手段は、搬送ベルトに残留している帯電パターンに一致するようにして当該搬送ベルトを帯電制御することを特徴とするものである。
この発明7に係るインクジェットプリンタによれば、搬送ベルトに残留している帯電パターンに一致するようにして当該搬送ベルトを帯電制御する構成としたため、帯電ローラと搬送ベルトとの間の放電抑制防止効果が大きい。
次に、本発明のインクジェットプリンタの一実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態のインクジェットプリンタの概略構成図である。図中の符号1は、印刷用紙等の印刷媒体2を搬送するための無端搬送ベルトである。印刷媒体2は、前述したように印刷用紙やOHPシートのような中・高抵抗のシート状部材である。また、搬送ベルト1は、表面(外周面)がPETやポリイミド、フッ素系樹脂などの絶縁性樹脂で構成され、裏面(内周面)が低〜中抵抗(1×1010Ω/□以下)の樹脂で構成される、所謂二層ベルトである。この搬送ベルト1は、図の左端部に配設された駆動ローラ3と、図の右端部に配設された従動ローラ4と、それらの中央部下方に配設されたテンションローラ5とに巻回されている。駆動ローラ3は、図示しない駆動ローラモータによって図の矢印方向に回転駆動され、後述する帯電ローラで帯電された搬送ベルト1に印刷媒体2を静電吸着した状態で、当該印刷媒体2を図の右方から左方に、つまり矢印方向に搬送する。従動ローラ4は、後述する帯電ローラの当接部分との間に搬送ベルト1を挟持して電圧を印加するために接地されている。テンションローラ5は、図示しないバネによって下方に付勢されており、これにより搬送ベルト1に張力を付与している。
搬送ベルト1には、従動ローラ4に対向するようにして、帯電手段としての搬送ベルト帯電ローラ7が当接されており、後述するように、搬送ベルト帯電ローラ7には搬送ベルト帯電制御部8から所定の電位の交番電圧信号(正確には二つの極性の間に0Vの時間が存在する)が印加される。搬送ベルト帯電制御部8はシステム制御部6からの指令に応じて搬送ベルト帯電ローラ7への搬送ベルト帯電パターン信号の電位を設定する。この搬送ベルト帯電ローラ7の配置は、印刷媒体2の給紙位置の直前に相当する。従って、前記搬送ベルト帯電ローラ7に搬送ベルト帯電パターン信号(交番電圧信号)を付与して搬送ベルト1の表面を異なる極性に交互に帯電し、この異なる極性間の電界によって印刷媒体2に誘電分極を発生させ、その誘電分極による印刷媒体2の電荷と搬送ベルト1の表面の電荷によって静電気力が発生し、印刷媒体2を搬送ベルト1の表面に吸着する。
従動ローラ4の上方には、紙押えローラ9が配設されている。この紙押えローラ9は、図示しないバネによって下方に付勢されており、印刷媒体2を従動ローラ4上の搬送ベルト1に押付ける機能を有する。前述したように、帯電した搬送ベルト1の外周面に印刷媒体2を搭載し、紙押えローラ9で印刷媒体2を搬送ベルト1に押付けると静電気力によって印刷媒体2は搬送ベルト1の外周面に吸着される。紙押えローラ9の印刷媒体2搬送方向上流側には、給紙部の印刷媒体2を給紙するためのフィードローラ13及び給紙された印刷媒体を支持するガイド15が配設されており、フィードローラ13は図示しないフィードローラモータに接続されている。また、紙押えローラ9の印刷媒体2搬送方向下流側には印刷媒体2の搬送方向先端位置を検出する印刷媒体検出センサ10が設けられ、その印刷媒体2搬送方向下流側には搬送ベルト1に貼り付けられたリニアスケールから搬送ベルト1及び印刷媒体2の位置を検出するエンコーダセンサ12が設けられている。
エンコーダセンサ12の印刷媒体2搬送方向下流側にはインクジェットヘッド11が設けられている。このインクジェットヘッド11は、イエロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4色の各色毎に、印刷媒体2の搬送方向にずらして配設されている。各インクジェットヘッド11には、図示しない各色のインクタンクからインク供給チューブを介してインクが供給される。各インクジェットヘッド11には、印刷媒体2の搬送方向と交差する方向に、複数のノズルが形成されており、それらのノズルから同時に必要箇所に必要量のインク滴を吐出することにより、印刷媒体2上に微小なインクドットを形成出力する。これを各色毎に行うことにより、搬送ベルト1に吸着された印刷媒体2を一度通過させるだけで、所謂ワンパスによる印刷を行うことができる。即ち、このインクジェットヘッド11の配設領域が印字領域に相当する。
インクジェットヘッドの各ノズルからインクを吐出出力する方法としては、静電方式、ピエゾ方式、膜沸騰インクジェット方式などがある。静電方式は、アクチュエータである静電ギャップに駆動信号を与えると、キャビティ内の振動板が変位してキャビティ内に圧力変化を生じ、その圧力変化によってインク滴がノズルから吐出出力されるというものである。ピエゾ方式は、アクチュエータであるピエゾ素子に駆動信号を与えると、キャビティ内の振動板が変位してキャビティ内に圧力変化を生じ、その圧力変化によってインク滴がノズルから吐出出力されるというものである。膜沸騰インクジェット方式は、キャビティ内に微小ヒータがあり、瞬間的に300℃以上に加熱されてインクが膜沸騰状態となって気泡が生成し、その圧力変化によってインク滴がノズルから吐出出力されるというものである。本発明は、何れのインク出力方法も適用可能である。
本実施形態のインクジェットヘッドの具体的な構成について図2を参照して説明する。このインクジェットヘッド11は圧電式アクチュエータを用いたものであり、振動板21と、この振動板21を変位させる圧電式アクチュエータ22と、内部に液体であるインクが充填され且つ振動板21の変位により内部の圧力が増減されるキャビティ(圧力室)23と、このキャビティ23に連通し且つ当該キャビティ23内の圧力の増減によりインクを液滴として吐出するノズル24とを備えている。
更に詳述すると、インクジェットヘッド11は、ノズル24が形成されたノズル基板25と、キャビティ基板26と、振動板21と、複数の圧電素子27を積層した積層型の圧電式アクチュエータ22とを備えている。キャビティ基板26は、図示のように所定形状に形成され、これにより、キャビティ23と、これに連通するリザーバ28とが形成されている。また、リザーバ28は、インク供給チューブ29を介してインク貯留部であるインクカートリッジ33に接続されている。圧電式アクチュエータ22は、対向して配置される櫛歯状の電極31、32と、その電極31、32の各櫛歯と交互に配置される圧電素子27とからなる。また、圧電式アクチュエータ22は、その一端側が中間層30を介して振動板21と接合されている。
このような構成からなる圧電式アクチュエータ22では、第1電極31と第2電極32との間に印加される駆動パルス源からの駆動パルスにより、図2に矢印で示すように上下方向に伸び縮みするモードを利用している。従って、圧電式アクチュエータ22では、例えば図2に示すような駆動パルスが印加されると、振動板21に変位が生じてキャビティ23内の圧力が変化し、ノズル24からインク滴が吐出されるようになっている。具体的には、キャビティ23の容積を拡大してインクを引き込み、次いでキャビティ23の容積を縮小してインク滴を吐出する。
システム制御部6は、例えば図3に示すように、例えばパーソナルコンピュータ、デジタルカメラ等のホストコンピュータ60から入力された印刷データに基づいて、印刷装置や給紙装置等を制御することにより印刷媒体に印刷処理を行うものである。そして、ホストコンピュータ60から入力された印刷データを受取る入力インタフェース部61と、この入力インタフェース部61から入力された印刷データに基づいて印刷処理を実行する例えばマイクロコンピュータで構成される制御部62と、フィードローラモータ41を駆動制御するフィードローラモータドライバ63と、搬送ベルト1の駆動ローラモータ51を駆動制御する駆動ローラモータドライバ64と、インクジェットヘッド11を駆動制御するヘッドドライバ65と、各ドライバ63、64、65の出力信号を外部のフィードローラモータ41、駆動ローラモータ51、インクジェットヘッド11で使用する制御信号に変換して出力したり、制御部62からの指令信号を搬送ベルト帯電制御部8への制御信号に変化して出力したり、エンコーダセンサ12、印刷媒体検出センサ10の出力信号を制御部62への入力信号に変換したりするインタフェース67とを備えて構成される。
制御部62は、印刷処理等の各種処理を実行するCPU(Central Processing Unit)62aと、入力インタフェース61を介して入力された印刷データ或いは当該印刷データ印刷処理等を実行する際の各種データを一時的に格納し、或いは印刷処理等のアプリケーションプログラムを一時的に展開するRAM(Random Access Memory)62cと、CPU62aで実行する制御プログラム等を格納する不揮発性半導体メモリで構成されるROM(Read-Only Memory)62dとを備えている。この制御部62は、インタフェース部61を介してホストコンピュータ60から印刷データ(画像データ)を入手すると、CPU62aが、この印刷データに所定の処理を実行して、何れのノズルからインク滴を吐出するか或いはどの程度のインク滴を吐出するかという印字データを出力し、この印字データ及び各種センサからの入力データに基づいて、各ドライバ63〜65に制御信号を出力する。各ドライバ63〜65から制御信号が出力されると、これらがインタフェース部67で駆動信号に変換されてインクジェットヘッド11の複数のノズル24に対応するアクチュエータ22、フィードローラモータ41、駆動ローラモータ51、搬送ベルト帯電制御部8が夫々作動して、印刷媒体2に印刷処理が実行される。なお、制御部62内の各構成要素は、図示しないバスを介して電気的に接続されている。
次に、搬送ベルト帯電制御部8内に構築されている搬送ベルト帯電波形生成回路34について図4を用いて説明する。この搬送ベルト帯電波形生成回路34は、搬送ベルト1を帯電する搬送ベルト帯電ローラ7に対し、所定の電位の直流電圧信号からなる搬送ベルト帯電パターン信号を生成するものであり、前述したシステム制御部6から搬送ベルト帯電パターン信号の振幅値(電位)を指示する搬送ベルト帯電パターン信号振幅指示値Vbpがデジタルデータとして入力されると、D/A変換器によってアナログ値に変換され、バッファB1より直流電圧値として出力される。この出力は、抵抗R1を介して接地されるため、グラウンドGND(=0V)を基準として、搬送ベルト帯電パターン信号振幅指示値Vbp相当の直流電圧信号からなる搬送ベルト帯電パターン信号Sbpが増幅器AMP1から搬送ベルト帯電ローラ7に印加される。
次に、印刷媒体2を搬送ベルト1に吸着するための静電気力の等価回路について説明する。まず、搬送ベルト1の表面側の絶縁層はコンデンサと見なされ、搬送ベルト帯電ローラ7から接地している従動ローラ4までの回路において、搬送ベルト帯電ローラ7の電荷は搬送ベルト1の表面の絶縁層のコンデンサCbに充電される。この電荷が充電された搬送ベルト1の表面上に印刷媒体2が搭載され、搬送ベルト1の表面から印刷媒体2の裏面を経由する電界を与えると、印刷媒体2の裏面には、搬送ベルト1の表面の電荷によってそれと逆電位の電荷が誘電分離で生じ、印刷媒体2の表面には、更にそれと逆電位の電荷が集まる。このとき、搬送ベルト1の表面と印刷媒体2の裏面との微小な隙間がコンデンサの役割をなし、このコンデンサが両者の間に静電気力による吸着力を発現する。
次に、搬送ベルト帯電パターン信号の設定方法について説明する。本実施形態では、単に、帯電ローラ7から搬送ベルト1に交番電圧信号を付与してAC帯電を行うのではなく、例えば図5に示すように、二つの極性の切り替わり部分に電位が0Vの非帯電領域を形成する。図5は、搬送ベルト帯電電位(搬送ベルト帯電パターン信号に比例)の搬送ベルト回転方向の分布を示す。逆極性の帯電領域は、極性が逆で、電位が同じになるようにし、実質的に正極(+)帯電領域の搬送ベルト回転方向長さと負極(−)帯電領域の搬送ベルト回転方向長さと同じにした。例えば正極(+)帯電領域の搬送ベルト回転方向長さをLp、負極(−)帯電領域の搬送ベルト回転方向長さをLn、非帯電領域の搬送ベルト回転方向長さをLzとし、非帯電領域の搬送ベルト回転方向長さLzの2倍値と正極(+)帯電領域の搬送ベルト回転方向長さLpと負極(−)帯電領域の搬送ベルト回転方向長さLnとの和を帯電パターンサイクル長さLcとしたとき、図5は、帯電パターンサイクル長さLcの4倍値が搬送ベルト周長Lに一致する。
次に、非帯電領域の搬送ベルト回転方向長さLz、正極(+)帯電領域の搬送ベルト回転方向長さLp、負極(−)帯電領域の搬送ベルト回転方向長さLnの設定方法について説明する。まず、非帯電領域がない場合のAC帯電時の放電について説明する。図6は、残留した帯電パターンに一致するように搬送ベルト1の帯電制御を行うものであり、図6aは残留した搬送ベルト1の正極(+)帯電領域を正極(+)電位の搬送ベルト帯電ローラ7で帯電している状態を、図6bは残留した搬送ベルト1の負極(−)帯電領域を負極(−)電位の搬送ベルト帯電ローラ7で帯電している状態を示す。例えば、図6aで、残留した搬送ベルト1の正極(+)帯電領域の電位が+2kVであり、それを+2kVの正極(+)電位の搬送ベルト帯電ローラ7で帯電しているとき、残留した搬送ベルトの隣り合う負極(−)帯電領域の電位が−2kVである場合、搬送ベルト帯電ローラ7と残留した搬送ベルトの負極(−)帯電領域の電位差は4kVとなる。図6bの逆の帯電パターンでも両者の電位差は4kVとなる。
放電開始電圧、つまり搬送ベルト帯電ローラ7と搬送ベルト1との電位差Vs(kV)と放電開始間隙l(cm)との間には、周囲温度t(℃)及び気圧p(torr)を介して下記1式及び2式からなる火花放電の実験式(「気体放電の基礎」東京電気大学出版局 武田 進 著)の関係が成り立つ。
Figure 2008100810
例えば気圧p=760torr(=1気圧)、周囲温度20℃のときの放電開始隙間lと電位差(放電開始電圧)Vsとの関係は、下記表1のように表れる。この表によると、搬送ベルト帯電ローラ7と搬送ベルト1との電位差Vsが4kVであるときには、帯電ローラ7の非接触部分のうち、当該帯電ローラ7と逆極性の帯電領域との距離が0.75mm以下の範囲で放電が生じることになる。
Figure 2008100810
これに対し、二つの極性の帯電領域の間に非帯電領域を有する本実施形態では、帯電パターンの残留電位が前述のような場合に、搬送ベルト1の非帯電領域と正負極電位の搬送ベルト帯電ローラ7との間の電位差、或いは搬送ベルト1の残留帯電領域と電位0Vの搬送ベルト帯電ローラ7との間の電位差の何れも2kVにしかならない。図7は、本実施形態の搬送ベルト7と搬送ベルト1との電位差の説明図である。図7aは、残留した搬送ベルト1の正極(+)帯電領域を正極(+)電位の搬送ベルト帯電ローラ7で帯電している状態を示しているが、このとき搬送ベルト帯電ローラ7の非接触部分が対向する非帯電領域は電位0Vであるから、例えば搬送ベルト帯電ローラ7の正極(+)電位が+2kVである場合、非帯電領域との電位差は2kVである。一方、図7cは、残留した搬送ベルト1の負極(−)帯電領域を負極(−)電位の搬送ベルト帯電ローラ7で帯電している状態を示しているが、このとき搬送ベルト帯電ローラ7の非接触部分が対向する非帯電領域は電位0Vであるから、例えば搬送ベルト帯電ローラ7の負極(−)電位が−2kVである場合、非帯電領域との電位差は2kVである。搬送ベルト帯電ローラ7と搬送ベルト1との電位差Vsが2kVである場合の放電開始隙間lは約0.3mmである。
これに対し、図7bは、搬送ベルト帯電ローラ7の中心が搬送ベルト1の非帯電領域の搬送ベルト回転方向長さの半分の位置にあり、搬送ベルト帯電ローラ7の電位が0Vである状態を示している。このとき、搬送宇ベルト1の非帯電領域の搬送ベルト回転方向長さLzを、搬送ベルト帯電ローラ7と搬送ベルト1との電位差、つまり搬送ベルト帯電ローラ7の0Vと残留した正負極帯電領域の電位2kVとの電位差2kVにより両者に放電が発生する範囲を含む長さとすれば、搬送ベルト帯電ローラ7が非帯電領域にあるときに全く放電のない時間を得ることができる。
以上が、搬送ベルト1の非帯電領域の搬送ベルト回転方向長さの設定方法の基本的な概念である。ところで、印刷媒体の抵抗値は、印刷媒体の種類は勿論、温度や湿度によっても異なる。印刷媒体の抵抗値が異なると、搬送ベルト1の帯電状態、即ち帯電電位並びに帯電周期、即ち本実施形態では帯電領域の搬送ベルト回転方向長さが同じであっても、印刷媒体2の吸着力が異なる。具体的には、印刷媒体2の抵抗値が大きいと印刷媒体2と搬送ベルト1との間(隙間)に蓄積される単位時間当たりの電荷量が小さいので吸着力が弱く、印刷媒体2の抵抗値が小さいと吸着力が強くなる。従って、印刷媒体2の搬送ベルト1への静電気力による吸着力を安定させるためには、搬送ベルト1の帯電領域の電位や搬送ベルト回転方向長さを、印刷媒体の種類、温度、湿度などに応じて変化させなければならない。
図8には、非帯電領域の搬送ベルト回転方向長さLz、正極(+)帯電領域の搬送ベルト回転方向長さLp、負極(−)帯電領域の搬送ベルト回転方向長さLnの設定方法の一例を示す。この例では、図8aに示すように、前述の基本概念に基づいて設定された非帯電領域の搬送ベルト回転方向長さLzの2倍値、正極(+)帯電領域の搬送ベルト回転方向長さLp、負極(−)帯電領域の搬送ベルト回転方向長さLnからなる帯電パターンサイクル長さLcが搬送ベルト周長Lの5.8分の一であった、即ち搬送ベルト周長Lが帯電パターンサイクル長さLcの5.8倍であった場合を示している。このような場合、非帯電領域の搬送ベルト回転方向長さLzは確保し、正極(+)帯電領域の搬送ベルト回転方向長さLp及び負極(−)帯電領域の搬送ベルト回転方向長さLnを若干短くして、図8bに示すように、搬送ベルト周長Lが帯電パターンサイクル長さLcの6倍になるようにする。この場合、正極(+)帯電領域の搬送ベルト回転方向長さLp及び負極(−)帯電領域の搬送ベルト回転方向長さLnの短縮代は3%程度であり、印刷媒体2の静電吸着力に問題はない。
これに対し、図9は、前述の基本概念に基づいて設定された非帯電領域の搬送ベルト回転方向長さLzの2倍値、正極(+)帯電領域の搬送ベルト回転方向長さLp、負極(−)帯電領域の搬送ベルト回転方向長さLnからなる帯電パターンサイクル長さLcが搬送ベルト周長Lの5.2分の一であった、即ち搬送ベルト周長Lが帯電パターンサイクル長さLcの5.2倍であった場合を示している。このような場合、何れか一カ所の非帯電領域の搬送ベルト回転方向長さLzを長めに設定するだけで、搬送ベルト周長Lの96%程度で基本的な帯電パターンサイクル長さLcが得られる。即ち、このような場合には、非帯電領域の搬送ベルト回転方向長さLzの2倍値、正極(+)帯電領域の搬送ベルト回転方向長さLp、負極(−)帯電領域の搬送ベルト回転方向長さLnからなる帯電パターンサイクル長さLcの自然数倍の最大値と搬送ベルト周長Lとの余りの部分を非帯電領域とする。なお、搬送ベルト1に対しては、図9に示すように、非帯電領域に設定された余りの部分以外の部分に印刷媒体2を静電吸着することで十分な静電吸着力が得られる。
また、図10は、前述の基本概念に基づいて設定された非帯電領域の搬送ベルト回転方向長さLzの2倍値、正極(+)帯電領域の搬送ベルト回転方向長さLp、負極(−)帯電領域の搬送ベルト回転方向長さLnからなる帯電パターンサイクル長さLcが搬送ベルト周長Lの3.3分の一であった、即ち搬送ベルト周長Lが帯電パターンサイクル長さLcの3.3倍であった場合を示している。このような場合、何れか一カ所の正負極帯電領域の搬送ベルト回転方向長さLp、Ln(図では正極(+)帯電領域の搬送ベルト回転方向長さLp)を長めに設定するだけで、搬送ベルト周長Lの91%程度で基本的な帯電パターンサイクル長さLcが得られる。即ち、このような場合には、非帯電領域の搬送ベルト回転方向長さLzの2倍値、正極(+)帯電領域の搬送ベルト回転方向長さLp、負極(−)帯電領域の搬送ベルト回転方向長さLnからなる帯電パターンサイクル長さLcの自然数倍の最大値と搬送ベルト周長Lとの余りの部分を、それに連続する何れか一方の極性に帯電する。なお、この場合には、印刷媒体2を搬送ベルト1どの位置に搭載しても、十分な静電吸着力が得られる。
次に、このような原理に基づいて制御部62で行われる搬送ベルト帯電パターン信号設定及び印刷媒体搬送タイミング設定のための演算処理を図11に示す。なお、前記図8〜図10の非帯電領域の搬送ベルト回転方向長さLz、正極(+)帯電領域の搬送ベルト回転方向長さLp、負極(−)帯電領域の搬送ベルト回転方向長さLnの設定方法をまとめて端数部処理と称し、前述した帯電条件や帯電電位などに応じて、最適の長さが設定されるものとする。この演算処理は、実際の印刷動作の直前に行われ、まずステップS1で、印刷媒体の種類、温度、湿度といった搬送ベルト帯電条件を読込む。
次にステップS2に移行して、搬送ベルト1の搬送ベルト周長Lに対し、帯電条件に応じた搬送ベルト1の正負極帯電領域の帯電電位及び搬送ベルト回転方向長さ(図では帯電領域長)Lp、Ln、非帯電領域の搬送ベルト回転方向長さ(図では非帯電領域長)Lzを設定する。
次にステップS3に移行して、帯電条件に応じて設定された非帯電領域の搬送ベルト回転方向長さLzの2倍値、正極(+)帯電領域の搬送ベルト回転方向長さLp、負極(−)帯電領域の搬送ベルト回転方向長さLnからなる帯電パターンサイクル長さLcで搬送ベルト周長Lを除した商が自然数であるか否かを判定し、当該商が自然数である場合にはステップS5に移行し、そうでない場合にはステップS4に移行する。
ステップS4では、前述した端数部処理を行ってからステップS5に移行する。
ステップS5では、設定された正負極帯電領域の搬送ベルト回転方向長さLp、Ln、非帯電領域の搬送ベルト回転方向長さLzを用いて搬送ベルト帯電パターン信号を設定する。
次にステップS6に移行して、前記ステップS4にて非帯電領域の搬送ベルト回転方向長さ(図では非帯電領域長)Lzが延長されたか否かを判定し、非帯電領域の搬送ベルト回転方向長さLzが延長された場合にはステップS7に移行し、そうでない場合にはステップS8に移行する。
ステップS7では、非帯電領域の搬送ベルト回転方向長さ(図では非帯電領域長)Lzが延長された部分以外に印刷媒体を吸着するものとしてからステップS8に移行する。
ステップS8では、搬送ベルト帯電パターン信号並びに前記ステップS7の設定に基づいて印刷媒体搬送タイミングを設定してからメインプログラムに復帰する。
図12には、非帯電領域の搬送ベルト回転方向長さLzの2倍値、正極(+)帯電領域の搬送ベルト回転方向長さLp、負極(−)帯電領域の搬送ベルト回転方向長さLnからなる帯電パターンサイクル長さLcに対する非帯電領域の搬送ベルト回転方向長さLzの2倍値の割合が0%、即ち非帯電領域なしの場合と、割合が20%の場合のオゾン濃度の違いを示す。搬送ベルト帯電ローラ7のニップ部の幅は帯電パターンサイクル長さLcの5%程度であった。同図から明らかなように、本実施形態のインクジェットプリンタによれば、オゾン濃度を、非帯電領域なしの場合に比して、半分以下に抑制防止できる。
このように、本実施形態のインクジェットプリンタによれば、搬送ベルト1の表面に搬送ベルト帯電ローラ7を当接して当該搬送ベルト1の表面を所定の電位に帯電し、その帯電された搬送ベルト1の表面に印刷媒体2を静電気力で吸着して搬送し、その印刷媒体2にインクジェットヘッド11からインク滴を吐出して印刷を行うにあたり、搬送ベルト1の表面を所定の周期で逆の極性の電位に帯電すると共に、当該搬送ベルト1の帯電極性の切り替わり部分に非帯電領域を設けることとしたため、残留した帯電パターンに一致するように搬送ベルト1の帯電制御を行う場合であっても、当該搬送ベルト1の非帯電領域と搬送ベルト帯電ローラ7との電位差が小さくなり、搬送ベルト帯電ローラ7と搬送ベルト1との間の放電を抑制防止することができる。
また、非帯電領域の搬送ベルト回転方向の長さLzを、搬送ベルト帯電ローラ7の中心が当該非帯電領域の搬送ベルト回転方向の長さLzの半分の位置にあるとき、搬送ベルト帯電ローラ7と搬送ベルト1との電位差により両者に放電が発生する範囲を含む長さとすることとしたため、搬送ベルト帯電ローラ7と搬送ベルト1との間の放電をより一層抑制防止することができる。
また、非帯電領域の搬送ベルト回転方向の長さLzの2倍値と正極(+)(一方の極性)の帯電領域の搬送ベルト回転方向の長さLpと負極(−)(他方の極性)の帯電領域の搬送ベルト回転方向の長さLnとの和(=帯電パターンサイクル長さLc)の自然数倍が搬送ベルト1の回転方向長さLに一致するように、夫々の領域の搬送ベルト回転方向長さを設定することとしたため、非帯電領域の搬送ベルト回転方向の長さLzを二つの極性の切り替わり部分に確保することができ、残留した帯電パターンに一致するように搬送ベルト1の帯電制御を行う場合にも、搬送ベルト帯電ローラ7と搬送ベルト1との間の放電を抑制防止し易い。
また、非帯電領域の搬送ベルト回転方向の長さLzの2倍値と正極(+)(一方の極性)の帯電領域の搬送ベルト回転方向の長さLpと負極(−)(他方の極性)の帯電領域の搬送ベルト回転方向の長さLnとの和(=帯電パターンサイクル長さLc)の自然数倍が搬送ベルト1の回転方向長さLに一致しない場合、それらの長さの和の自然数倍の最大値と搬送ベルト1の回転方向長さLとの余りの部分を非帯電領域とすることとしたため、非帯電領域の搬送ベルト回転方向の長さLzを二つの極性の切り替わり部分に確保することができ、残留した帯電パターンに一致するように搬送ベルト1の帯電制御を行う場合にも、搬送ベルト帯電ローラ7と搬送ベルト1との間の放電を抑制防止し易い。
また、非帯電領域に設定された余りの部分以外の部分に印刷媒体2を静電吸着することとしたため、印刷媒体2を搬送ベルト1に確実に静電吸着することができる。
また、非帯電領域の搬送ベルト回転方向の長さLzの2倍値と正極(+)(一方の極性)の帯電領域の搬送ベルト回転方向の長さLpと負極(−)(他方の極性)の帯電領域の搬送ベルト回転方向の長さLnとの和(=帯電パターンサイクル長さLc)の自然数倍が搬送ベルト1の回転方向長さLに一致しない場合、それらの長さの和の自然数倍の最大値と搬送ベルト1の回転方向長さLとの余りの部分を、それに連続する何れか一方の極性に帯電することとしたため、非帯電領域の搬送ベルト回転方向の長さLzを二つの極性の切り替わり部分に確保することができ、残留した帯電パターンに一致するように搬送ベルト1の帯電制御を行う場合にも、搬送ベルト帯電ローラ7と搬送ベルト1との間の放電を抑制防止し易い。
また、搬送ベルト1に残留している帯電パターンに一致するようにして当該搬送ベルト1を帯電制御することとしたため、搬送ベルト帯電ローラ7と搬送ベルト1との間の放電抑制防止効果が大きい。
なお、前記実施形態では、所謂ラインヘッド型インクジェットプリンタを対象として本発明のインクジェットプリンタを適用した例についてのみ詳述したが、本発明のインクジェットプリンタは、マルチパス型を始めとして、あらゆるタイプのインクジェットプリンタを対象として適用可能である。
本発明のインクジェットプリンタの一実施形態の概略構成を示す正面図である。 図1のインクジェットプリンタのインクジェットヘッドの一例を示す縦断面図である。 図1のシステム制御部のブロック図である。 図1の搬送ベルト帯電制御部内に構築されている搬送ベルト帯電波形生成回路のブロック図である。 図1のインクジェットプリンタの搬送ベルト帯電電位の説明図である。 従来のAC帯電で残留した帯電パターンと一致するように帯電制御する場合の放電の説明図である。 図5のAC帯電で残留した帯電パターンと一致するように帯電制御する場合の放電の説明図である。 図1のインクジェットプリンタの搬送ベルト帯電電位の一例を示す説明図である。 図1のインクジェットプリンタの搬送ベルト帯電電位の他の例を示す説明図である。 図1のインクジェットプリンタの搬送ベルト帯電電位の更に他の例を示す説明図である。 図1の制御部内で行われる搬送ベルト帯電パターン信号設定及び印刷媒体搬送タイミング設定のための演算処理を示すフローチャートである。 図11の演算処理によるオゾン発生量の効果を示す説明図である。
符号の説明
1は搬送ベルト、2は印刷媒体、3は駆動ローラ、4は従動ローラ、5はテンションローラ、6はシステム制御部、7は搬送ベルト帯電ローラ、8は搬送ベルト帯電制御部、9は紙押えローラ、10は印刷媒体検出センサ、11はインクジェットヘッド、12はエンコーダセンサ、13はフィードローラ、15はガイド、34は搬送ベルト帯電波形生成回路

Claims (7)

  1. 搬送ベルトの表面に帯電ローラを当接して当該搬送ベルトの表面を所定の電位に帯電し、その帯電された搬送ベルトの表面に印刷媒体を静電気力で吸着して搬送し、その印刷媒体にインクジェットヘッドからインク滴を吐出して印刷を行うインクジェットプリンタにおいて、前記搬送ベルトの表面を所定の周期で逆の極性の電位に帯電する帯電制御手段を備え、前記帯電制御手段は、前記搬送ベルトの帯電極性の切り替わり部分に非帯電領域を設けることを特徴とするインクジェットプリンタ。
  2. 前記非帯電領域の搬送ベルト回転方向の長さは、帯電ローラの中心が当該非帯電領域の搬送ベルト回転方向の長さの半分の位置にあるとき、帯電ローラと搬送ベルトとの電位差により両者に放電が発生する範囲を含む長さであることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットプリンタ。
  3. 前記非帯電領域の搬送ベルト回転方向の長さの2倍値と一方の極性の帯電領域の搬送ベルト回転方向の長さと他方の極性の帯電領域の搬送ベルト回転方向の長さとの和の自然数倍が搬送ベルトの回転方向長さに一致するように、夫々の領域の搬送ベルト回転方向長さを設定することを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェットプリンタ。
  4. 前記非帯電領域の搬送ベルト回転方向の長さの2倍値と一方の極性の帯電領域の搬送ベルト回転方向の長さと他方の極性の帯電領域の搬送ベルト回転方向の長さとの和の自然数倍が搬送ベルトの回転方向長さに一致しない場合、それらの長さの和の自然数倍の最大値と搬送ベルトの回転方向長さとの余りの部分を非帯電領域とすることを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェットプリンタ。
  5. 前記非帯電領域に設定された前記余りの部分以外の部分に印刷媒体を静電吸着することを特徴とする請求項4に記載のインクジェットプリンタ。
  6. 前記非帯電領域の搬送ベルト回転方向の長さの2倍値と一方の極性の帯電領域の搬送ベルト回転方向の長さと他方の極性の帯電領域の搬送ベルト回転方向の長さとの和の自然数倍が搬送ベルトの回転方向長さに一致しない場合、それらの長さの和の自然数倍の最大値と搬送ベルトの回転方向長さとの余りの部分を、それに連続する何れか一方の極性に帯電することを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェットプリンタ。
  7. 前記制御手段は、搬送ベルトに残留している帯電パターンに一致するようにして当該搬送ベルトを帯電制御することを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載のインクジェットプリンタ。
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