JP2008074578A - インクジェットプリンタ - Google Patents

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Abstract

【課題】インク滴の飛行に影響を与える印刷媒体表面の電荷を効果的に除去すると共に、搬送ベルトの放電を抑制防止する。
【解決手段】搬送ベルト1の表面を帯電して印刷媒体2を静電吸着搬送するにあたり、搬送ベルト1及び印刷媒体2の表面電位を検出し、印刷媒体2が印刷媒体帯電ローラ16に当接しているときには、検出された表面電位と逆極性で且つ同電位の印加電圧を印刷媒体帯電ローラ16に印加することにより、印刷媒体2の表面電荷を効果的に除去し、搬送ベルト1が印刷媒体帯電ローラ16に当接しているとき及び印刷媒体2の搬送方向先端部及び後端部が印刷媒体帯電ローラ16に当接しているときには、検出された表面電位と同極性で且つ同電位の印加電圧を印刷媒体帯電ローラ16に印加することにより、印刷媒体帯電ローラ16と搬送ベルト1との間の放電を抑制防止する。
【選択図】図10

Description

本発明は、印刷用紙やOHPシート等の印刷媒体を搬送し、例えば複数色の液体インクの微粒子(ドット)をそれらの印刷媒体上に吐出して所定の文字や画像を描画するようにしたインクジェットプリンタに関するものであり、特に搬送ベルトの表面に印刷媒体を静電気力で吸着して搬送するのに好適なものである。
このようなインクジェットプリンタは、一般に安価で且つ高品質のカラー印刷物が容易に得られることから、パーソナルコンピュータやデジタルカメラなどの普及に伴い、オフィスのみならず一般ユーザにも広く普及してきている。
このようなインクジェットプリンタは、一般に、インクカートリッジとインク吐出ヘッド(一般にインクジェットヘッドという)とが一体的に備えられたキャリッジなどと称される移動体が印刷媒体上をその搬送方向と交差する方向に往復しながらアクチュエータを駆動することにより、そのインクジェットヘッドに形成されているノズルから液体インクの微粒子(インク滴)を吐出することで、印刷媒体上に微小なインクドットを形成して所定の文字や画像を描画して所望の印刷物を作成するようになっている。そして、このキャリッジに黒色(ブラック)を含めた4色(イエロー、マゼンタ、シアン)のインクカートリッジと各色毎のインクジェットヘッドを備えることで、モノクロ印刷のみならず、各色を組み合わせたフルカラー印刷も容易に行えるようになっている(更に、これらの各色に、ライトシアンやライトマゼンタなどを加えた6色や7色、或いは8色のものも実用化されている)。
また、このようにキャリッジ上のインクジェットヘッドを印刷媒体搬送方向と交差する方向(印刷媒体の幅方向)に往復させながら印刷を実行するようにしたタイプのインクジェットプリンタでは、1頁全体をきれいに印刷するためにインクジェットヘッドを数十回から100回以上も往復運動させる必要がある。これに対し、印刷媒体の幅と同じ寸法の長尺のインクジェットヘッド(一体である必要はない)を配置してキャリッジを使用しないタイプのインクジェットプリンタでは、インクジェットヘッドを印刷用紙の幅方向に移動させる必要がなく、所謂1パスでの印刷が可能となるため、高速な印刷が可能となる。なお、前者方式のインクジェットプリンタを一般に「マルチパス型プリンタ」、後者方式のインクジェットプリンタを一般に「ラインヘッド型プリンタ」と呼んでいる。
ところで、この種のラインヘッド型インクジェットプリンタでは、搬送用の搬送ベルトに印刷媒体を静電気力で吸着して搬送する構成がよく用いられている。搬送ベルトに印刷媒体を静電気力で吸着するためには、例えばコロナ放電によって搬送ベルトを非接触に帯電し、印刷媒体内の誘電分極によって当該印刷媒体を静電吸着する方法がある。しかしながら、コロナ放電では、高電圧のエネルギーによって空気がイオン化されてオゾンが発生し、このオゾンによって搬送ベルトが劣化してしまう。そこで、下記特許文献1に挙げるインクジェットプリンタでは、印刷媒体を載置する前の搬送ベルトに徐電ブラシを当接して当該搬送ベルトの表面電位を徐電し、搬送ベルトに載置された印刷媒体の上、つまり印刷媒体の搬送ベルトと反対側の表面に帯電ローラを当接し、この帯電ローラに電圧を印加して印刷媒体を搬送ベルトに静電吸着させるようにすることで、空気中への放電を抑制してオゾンの発生を抑制防止している。
特開2004−99280号公報
しかしながら、前記従来のインクジェットプリンタでは、帯電ローラを印刷媒体が通過していないときには搬送ベルトに大きな電圧が直接印加され、帯電ローラの搬送ベルトに接触していない部分と搬送ベルトとの間で放電が生じ、オゾンが発生してしまうという問題がある。
また、前述したような印刷媒体の搬送ベルトへの静電気力吸着では、印刷媒体内で誘電分極が発生し、印刷媒体の搬送ベルトと反対側の表面も帯電状態となる。そして、印刷媒体の表面が帯電状態となると、インクジェットヘッドから吐出されるインク滴が電界の影響を受けて目標位置に吐出できない恐れがある。
本発明は、上記のような問題点に着目してなされたものであり、印刷媒体表面の電荷を効果的に除去することができると共に搬送ベルトの放電を抑制防止することができるインクジェットプリンタを提供することを目的とするものである。
[発明1]上記課題を解決するために、発明1のインクジェットプリンタは、搬送ベルトの表面に帯電ローラを当接して当該搬送ベルトの表面を所定の電位に帯電し、その帯電された搬送ベルトの表面に印刷媒体を静電気力で吸着して搬送し、その印刷媒体にインクジェットヘッドからインク滴を出して印刷を行うインクジェットプリンタにおいて、搬送ベルトの表面及び印刷媒体の搬送ベルトと反対側の表面の電位を検出する表面電位検出手段と、搬送ベルト及び印刷媒体の搬送ベルトと反対側の表面に当接する印刷媒体帯電ローラと、前記印刷媒体帯電ローラが印刷媒体の搬送ベルトと反対側の表面に当接しているときには、前記表面電位検出手段で検出された印刷媒体の搬送ベルトと反対側の表面の電位が抑制されるように当該印刷媒体帯電ローラへの印加電圧と印加タイミングを制御し、印刷媒体帯電ローラが搬送ベルトの表面に当接しているときには、放電が生じないように印刷媒体帯電ローラへの印加電圧と印加タイミングを制御する印刷媒体表面電位制御手段とを備えたことを特徴とするものである。
この発明1に係るインクジェットプリンタによれば、搬送ベルトの表面に帯電ローラを当接して当該搬送ベルトの表面を所定の電位に帯電し、その帯電された搬送ベルトの表面に印刷媒体を静電気力で吸着して搬送し、その印刷媒体にインクジェットヘッドからインク滴を出して印刷を行うにあたり、少なくとも印刷媒体の搬送ベルトと反対側の表面の電位を検出し、印刷媒体帯電ローラが印刷媒体の搬送ベルトと反対側の表面に当接しているときには、検出された印刷媒体の搬送ベルトと反対側の表面の電位が抑制されるように印刷媒体帯電ローラへの印加電圧と印加タイミングを制御し、印刷媒体帯電ローラが搬送ベルトの表面に当接しているときには、放電が生じないように印刷媒体帯電ローラへの印加電圧と印加タイミングを制御する構成としたため、印刷媒体表面の電荷を効果的に除去することができると共に、搬送ベルトの放電を抑制防止することができる。
[発明2]また、発明2のインクジェットプリンタは、前記発明1のインクジェットプリンタにおいて、前記印刷媒体表面電位制御手段は、印刷媒体帯電ローラが搬送ベルトの表面に当接しているときには、前記表面電位検出手段で検出された搬送ベルトの表面の電位と同電位になるように当該印刷媒体帯電ローラへの印加電圧と印加タイミングを制御することを特徴とするものである。
この発明2に係るインクジェットプリンタによれば、印刷媒体帯電ローラが搬送ベルトの表面に当接しているときには、検出された搬送ベルトの表面の電位と同電位になるように当該印刷媒体帯電ローラへの印加電圧と印加タイミングを制御する構成としたため、搬送ベルトの放電を確実に抑制防止することができる。
[発明3]また、発明3のインクジェットプリンタは、前記発明1のインクジェットプリンタにおいて、前記印刷媒体表面電位制御手段は、印刷媒体帯電ローラが搬送ベルトの表面に当接しているときには、当該印刷媒体帯電ローラへの印加電圧の出力を停止して高抵抗状態とすることを特徴とするものである。
この発明3に係るインクジェットプリンタによれば、印刷媒体帯電ローラが搬送ベルトの表面に当接しているときには、当該印刷媒体帯電ローラへの印加電圧の出力を停止して高抵抗状態とする構成としたため、搬送ベルトの放電を確実に抑制防止することができる。
[発明4]また、発明4のインクジェットプリンタは、前記発明1乃至3のインクジェットプリンタにおいて、前記印刷媒体表面電位制御手段は、印刷媒体帯電ローラが印刷媒体の搬送方向先端部及び後端部の少なくとも何れか一方に当接しているときには、当該印刷媒体の搬送方向先端部及び後端部の少なくとも何れか一方から予め設定された所定距離間、放電が生じないように印刷媒体帯電ローラへの印加電圧と印加タイミングを制御することを特徴とするものである。
この発明4に係るインクジェットプリンタによれば、印刷媒体帯電ローラが印刷媒体の搬送方向先端部及び後端部の少なくとも何れか一方に当接しているときには、当該印刷媒体の搬送方向先端部及び後端部の少なくとも何れか一方から予め設定された所定距離間、放電が生じないように印刷媒体帯電ローラへの印加電圧と印加タイミングを制御する構成としたため、印刷媒体帯電ローラと搬送ベルトとの間の直接的な放電を抑制防止することができる。
[発明5]また、発明5のインクジェットプリンタは、前記発明4のインクジェットプリンタにおいて、前記所定距離を、印刷媒体帯電ローラと搬送ベルトとが直接放電しない距離とすることを特徴とするものである。
この発明5に係るインクジェットプリンタによれば、放電が生じないように印刷媒体帯電ローラへの印加電圧及び印加タイミングを制御する印刷媒体の搬送方向先端部又は後端部からの所定距離を、印刷媒体帯電ローラと搬送ベルトとが直接放電しない距離とすることにより、印刷媒体帯電ローラと搬送ベルトとの間の直接的な放電を確実に抑制防止することができる。
次に、本発明のインクジェットプリンタの一実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態のインクジェットプリンタの概略構成図である。図中の符号1は、印刷用紙等の印刷媒体2を搬送するための無端搬送ベルトである。印刷媒体2は、前述したように印刷用紙やOHPシートのような中・高抵抗のシート状部材である。また、搬送ベルト1は、表面(外周面)がPETやポリイミド、フッ素系樹脂などの絶縁性樹脂で構成され、裏面(内周面)が低〜中抵抗(1×1010Ω/□以下)の樹脂で構成される、所謂二層ベルトである。この搬送ベルト1は、図の左端部に配設された駆動ローラ3と、図の右端部に配設された従動ローラ4と、それらの中央部下方に配設されたテンションローラ5とに巻回されている。駆動ローラ3は、図示しない駆動源によって図の矢印方向に回転駆動され、後述する帯電ローラで帯電された搬送ベルト1に印刷媒体2を吸着した状態で、当該印刷媒体2を図の右方から左方に、つまり矢印方向に搬送する。従動ローラ4は、後述する帯電ローラの当接部分との間に搬送ベルト1を挟持して電圧を印加するために接地されている。テンションローラ5は、図示しないバネによって下方に付勢されており、これにより搬送ベルト1に張力を付与している。
搬送ベルト1には、従動ローラ4に対向するようにして、帯電手段としての搬送ベルト帯電ローラ7が当接されており、後述するように、搬送ベルト帯電ローラ7には搬送ベルト帯電制御部8から所定の電位の交番電圧信号(以下、搬送ベルトAC帯電パターン信号とも記す)又は直流電圧信号が印加される。搬送ベルト帯電制御部8はシステム制御部6からの指令に応じて搬送ベルト帯電ローラ7への交番電圧信号又は直流電圧信号の電位を設定する。この搬送ベルト帯電ローラ7の配置は、印刷媒体2の給紙位置の直前に相当する。従って、DC帯電の場合は、この搬送ベルト帯電ローラ7に所定の電位の直流電圧信号を付与すると搬送ベルト1の表面が同一極性の電位で帯電され、その同一の極性に帯電された搬送ベルト1の電位と、当該搬送ベルト1の表面電位と逆極性の後述する印刷媒体帯電ローラ16の電位或いは0Vの間で生じる電界によって印刷媒体2に誘電分極を発生させ、その誘電分極による印刷媒体2の電荷と搬送ベルト1の表面の電荷によって静電気力が発生し、印刷媒体2を搬送ベルト1の表面に吸着する。また、AC帯電の場合は、前記搬送ベルト帯電ローラ7に搬送ベルトAC帯電パターン信号(交番電圧信号)を付与して搬送ベルト1の表面を異なる極性に交互に帯電し、この異なる極性間の電界によって印刷媒体2に誘電分極を発生させ、その誘電分極による印刷媒体2の電荷と搬送ベルト1の表面の電荷によって静電気力が発生し、印刷媒体2を搬送ベルト1の表面に吸着する。
従動ローラ4の上方には、紙押えローラ9が配設されている。この紙押えローラ9は、図示しないバネによって下方に付勢されており、印刷媒体2を従動ローラ4上の搬送ベルト1に押付ける機能を有する。前述したように、帯電した搬送ベルト1の外周面に印刷媒体2を搭載し、紙押えローラ9で印刷媒体2を搬送ベルト1に押付けると静電気力によって印刷媒体2は搬送ベルト1の外周面に吸着される。紙押えローラ9の印刷媒体2搬送方向上流側には、給紙部の印刷媒体2を給紙するためのフィードローラ13及び給紙された印刷媒体を支持するガイド15が配設されている。
また、紙押えローラ9の印刷媒体2搬送方向下流側には印刷媒体2の搬送方向先端位置を検出する印刷媒体検出センサ10が設けられ、その印刷媒体2搬送方向下流側には搬送ベルト1に貼り付けられたリニアスケールから搬送ベルト1及び印刷媒体2の位置を検出するエンコーダセンサ12が設けられると共に、印刷媒体2搬送方向に対し、印刷媒体検出センサ10と同じ位置に印刷媒体2の搬送ベルト1と反対側の表面の電位を検出する表面電位検出手段としての表面電位センサ14が設けられている。
エンコーダセンサ12の印刷媒体2搬送方向下流側にはインクジェットヘッド11が設けられている。このインクジェットヘッド11は、イエロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4色の各色毎に、印刷媒体2の搬送方向にずらして配設されている。各インクジェットヘッド11には、図示しない各色のインクタンクからインク供給チューブを介してインクが供給される。各インクジェットヘッド11には、印刷媒体2の搬送方向と交差する方向に、複数のノズルが形成されており、それらのノズルから同時に必要箇所に必要量のインク滴を吐出することにより、印刷媒体2上に微小なインクドットを形成出力する。これを各色毎に行うことにより、搬送ベルト1に吸着された印刷媒体2を一度通過させるだけで、所謂ワンパスによる印刷を行うことができる。即ち、このインクジェットヘッド11の配設領域が印字領域に相当する。
インクジェットヘッドの各ノズルからインクを吐出出力する方法としては、静電方式、ピエゾ方式、膜沸騰インクジェット方式などがある。静電方式は、アクチュエータである静電ギャップに駆動信号を与えると、キャビティ内の振動板が変位してキャビティ内に圧力変化を生じ、その圧力変化によってインク滴がノズルから吐出出力されるというものである。ピエゾ方式は、アクチュエータであるピエゾ素子に駆動信号を与えると、キャビティ内の振動板が変位してキャビティ内に圧力変化を生じ、その圧力変化によってインク滴がノズルから吐出出力されるというものである。膜沸騰インクジェット方式は、キャビティ内に微小ヒータがあり、瞬間的に300℃以上に加熱されてインクが膜沸騰状態となって気泡が生成し、その圧力変化によってインク滴がノズルから吐出出力されるというものである。本発明は、何れのインク出力方法も適用可能である。
本実施形態のインクジェットヘッドの具体的な構成について図2を参照して説明する。このインクジェットヘッド11は圧電式アクチュエータを用いたものであり、振動板21と、この振動板21を変位させる圧電式アクチュエータ22と、内部に液体であるインクが充填され且つ振動板21の変位により内部の圧力が増減されるキャビティ(圧力室)23と、このキャビティ23に連通し且つ当該キャビティ23内の圧力の増減によりインクを液滴として吐出するノズル24とを備えている。
更に詳述すると、インクジェットヘッド11は、ノズル24が形成されたノズル基板25と、キャビティ基板26と、振動板21と、複数の圧電素子27を積層した積層型の圧電式アクチュエータ22とを備えている。キャビティ基板26は、図示のように所定形状に形成され、これにより、キャビティ23と、これに連通するリザーバ28とが形成されている。また、リザーバ28は、インク供給チューブ29を介してインク貯留部であるインクカートリッジ33に接続されている。圧電式アクチュエータ22は、対向して配置される櫛歯状の電極31、32と、その電極31、32の各櫛歯と交互に配置される圧電素子27とからなる。また、圧電式アクチュエータ22は、その一端側が中間層30を介して振動板21と接合されている。
このような構成からなる圧電式アクチュエータ22では、第1電極31と第2電極32との間に印加される駆動パルス源からの駆動パルスにより、図2に矢印で示すように上下方向に伸び縮みするモードを利用している。従って、圧電式アクチュエータ22では、例えば図2に示すような駆動パルスが印加されると、振動板21に変位が生じてキャビティ23内の圧力が変化し、ノズル24からインク滴が吐出されるようになっている。具体的には、キャビティ23の容積を拡大してインクを引き込み、次いでキャビティ23の容積を縮小してインク滴を吐出する。
図1に戻って、表面電位センサ14又は印刷媒体検出センサ10とエンコーダセンサ12との間には、搬送ベルト1に吸着された印刷媒体2の搬送ベルト1と反対側の表面に当接する印刷媒体帯電ローラ16が設けられ、この印刷媒体帯電ローラ16の搬送ベルト1を挟んだ反対側には接地ローラ17が設けられている。印刷媒体帯電ローラ16には、後述するように、AC帯電の場合には、印刷媒体帯電制御部18から所定の周期、電位の交番電圧信号が印加される。また、DC帯電の場合には、0V又は直流電圧信号が印加される。印刷媒体帯電制御部18はシステム制御部6からの指令に応じて印刷媒体帯電ローラ16への印刷媒体電パターン信号の電位を設定する。
システム制御部6は、例えば図3に示すように、例えばパーソナルコンピュータ、デジタルカメラ等のホストコンピュータ60から入力された印刷データに基づいて、印刷装置や給紙装置等を制御することにより印刷媒体に印刷処理を行うものである。そして、ホストコンピュータ60から入力された印刷データを受取る入力インタフェース部61と、この入力インタフェース部61から入力された印刷データに基づいて印刷処理を実行する例えばマイクロコンピュータで構成される制御部62と、フィードローラモータ41を駆動制御するキャリッジモータドライバ63と、搬送ベルト1の駆動ローラモータ51を駆動制御する駆動ローラモータドライバ64と、インクジェットヘッド11を駆動制御するヘッドドライバ65と、各ドライバ63、64、65の出力信号を外部のフィードローラモータ41、駆動ローラモータ51、インクジェットヘッド11で使用する制御信号に変換して出力したり、制御部62からの指令信号を搬送ベルト帯電制御部8や印刷媒体帯電制御部18への制御信号に変化して出力したり、印刷媒体帯電制御部18で検出された印刷媒体2の表面電位やエンコーダセンサ12、印刷媒体検出センサ10、表面電位センサ14の出力信号を制御部62への入力信号に変換したりするインタフェース67とを備えて構成される。
制御部62は、印刷処理等の各種処理を実行するCPU(Central Processing Unit)62aと、入力インタフェース61を介して入力された印刷データ或いは当該印刷データ印刷処理等を実行する際の各種データを一時的に格納し、或いは印刷処理等のアプリケーションプログラムを一時的に展開するRAM(Random Access Memory)62cと、CPU62aで実行する制御プログラム等を格納する不揮発性半導体メモリで構成されるROM(Read-Only Memory)62dとを備えている。この制御部62は、インタフェース部61を介してホストコンピュータ60から印刷データ(画像データ)を入手すると、CPU62aが、この印刷データに所定の処理を実行して、何れのノズルからインク滴を吐出するか或いはどの程度のインク滴を吐出するかという印字データを出力し、この印字データ及び各種センサからの入力データに基づいて、各ドライバ63〜65に制御信号を出力する。各ドライバ63〜65から制御信号が出力されると、これらがインタフェース部67で駆動信号に変換されてインクジェットヘッド11の複数のノズル24に対応するアクチュエータ22、フィードローラモータ41、駆動ローラモータ51、搬送ベルト帯電制御部8、印刷媒体帯電制御部18が夫々作動して、印刷媒体に印刷処理が実行される。なお、制御部62内の各構成要素は、図示しないバスを介して電気的に接続されている。
次に、搬送ベルト帯電制御部8内に構築されている搬送ベルト帯電波形生成回路34について図4を用いて説明する。この搬送ベルト帯電波形生成回路34は、搬送ベルト1を帯電する搬送ベルト帯電ローラ7に対し、所定の電位の直流電圧信号からなる搬送ベルト帯電パターン信号を生成するものであり、前述したシステム制御部6から搬送ベルト帯電パターン信号の振幅値(電位)を指示する搬送ベルト帯電パターン信号振幅指示値Vbpがデジタルデータとして入力されると、D/A変換器によってアナログ値に変換され、バッファB1より直流電圧値として出力される。この出力は、抵抗R1を介して接地されるため、グラウンドGND(=0V)を基準として、搬送ベルト帯電パターン信号振幅指示値Vbp相当の直流電圧信号からなる搬送ベルト帯電パターン信号Sbpが増幅器AMP1から搬送ベルト帯電ローラ7に印加される。
次に、印刷媒体帯電制御部18内に構築されている印刷媒体表面電位検出回路35について図5を用いて説明する。この印刷媒体表面電位検出回路35は、表面電位センサ14の表面電位出力信号Appをデジタルデータ化してシステム制御部6に出力するものであり、表面電位センサ14の表面電位出力信号Appが整流部で整流された後、フィルタで平滑化され、バッファB3で直流値に変換された後、A/D変換器でデジタル化され、これが印刷媒体帯電パターン信号振幅指示値Vppとしてシステム制御部6に出力される。
次に、印刷媒体帯電制御部18内に構築されている印刷媒体帯電波形生成回路36について図6を用いて説明する。この印刷媒体帯電波形生成回路36は、印刷媒体1を帯電する印刷媒体帯電ローラ16に対し、所定の電位の直流交番電圧信号からなる印刷媒体帯電パターン信号を生成するものであり、前述したシステム制御部6から印刷媒体帯電パターン信号の振幅値(電位)を指示する印刷媒体帯電パターン信号振幅指示値Vppがデジタルデータとして入力されると、D/A変換器によってアナログ値に変換され、バッファB2より直流電圧値として出力される。この出力は、抵抗R2を介して接地されるため、グラウンドGND(=0V)を基準として、印刷媒体帯電パターン信号振幅指示値Vpp相当の直流電圧信号からなる印刷媒体帯電パターン信号Sppが増幅器AMP2から印刷媒体帯電ローラ16に印加される。
なお、印刷媒体帯電波形生成回路36の出力側にはスイッチSWが介装されており、システム制御部6からのスイッチ信号swがON状態であるときだけ、印刷媒体帯電ローラ16の印刷媒体帯電パターン信号Sppが出力され、スイッチ信号swがOFFのときには、印刷媒体帯電ローラ16は高抵抗状態となる。スイッチSWは、高耐圧のリレーや、IGBT、MOSFET、サイリスタなどの半導体によって構成される。
次に、印刷媒体2を搬送ベルト1に吸着するための静電気力の等価回路について説明する。まず、搬送ベルト1の表面側の絶縁層はコンデンサと見なされ、搬送ベルト帯電ローラ7から接地している従動ローラ4までの回路において、搬送ベルト帯電ローラ7の電荷は搬送ベルト1の表面の絶縁層のコンデンサCbに充電される。この電荷が充電された搬送ベルト1の表面上に印刷媒体2が搭載され、搬送ベルト1の表面から印刷媒体2の裏面を経由する電界を与えると、印刷媒体2の裏面には、搬送ベルト1の表面の電荷によってそれと逆電位の電荷が誘電分離で生じ、印刷媒体2の表面には、更にそれと逆電位の電荷が集まる。このとき、搬送ベルト1の表面と印刷媒体2の裏面との微小な隙間がコンデンサの役割をなし、このコンデンサが両者の間に静電気力による吸着力を発現する。
次に、印刷媒体帯電パターン信号の設定方法について説明する。本実施形態では、単に、AC帯電或いはDC帯電を行うのではなく、前述した印刷媒体2の表面の電荷がインクジェットヘッド11から吐出されるインク滴の飛行に影響を与えないように、当該印刷媒体2の表面の電荷を除去する。具体的には、印刷媒体帯電ローラ16が印刷媒体2の表面に当接しているときには、表面電位センサ14で検出された印刷媒体2の表面電位と逆極性で且つ電位の大きさが同じ交番電圧信号又は直流電圧信号を印刷媒体帯電パターン信号とする。一方、印刷媒体帯電ローラ16が搬送ベルト1の表面に当接しているときには、当該搬送ベルト1と印刷媒体帯電ロータ16との間の放電を抑制防止すべく、表面電位センサ14で検出された搬送ベルト1の表面電位と同極性で且つ電位の大きさが同じ直流電圧信号又は交番電圧信号を印刷媒体帯電パターン信号とする。
図8には、1m3の密閉された空間内で、搬送ベルト1を約300秒間帯電したときのオゾン発生量を比較したものである。搬送ベルト1と印刷媒体帯電ローラ16との電位差は3.5kVとした。搬送ベルト1の全周はA4の印刷媒体4枚分に相当し、搬送ベルト1上に印刷媒体を2枚載置した場合(搬送ベルト1の2/4相当)と、搬送ベルト上に印刷媒体を4枚載置した場合(搬送ベルト全面相当)のオゾン発生量を比較してみた。オゾン発生量は搬送ベルト1と印刷媒体帯電ロータ16との間の放電量に比例し、印刷媒体なしのときのオゾン発生量は約0.3ppmで、印刷媒体を搬送ベルト1の表面全面に載置したときは、印刷媒体なしのときの9%程度に抑えられた。
このことからも、印刷媒体帯電ローラ16が搬送ベルト1の表面に当接しているときには、当該印刷媒体帯電ローラ16を搬送ベルト1の表面電位と同じ電位として放電、即ちオゾンの発生を抑制防止しなければならない。印刷媒体帯電ローラ16が搬送ベルト1の表面に当接していることは、印刷媒体帯電ローラ16が印刷媒体2の表面に当接していないことである。印刷媒体帯電ローラ16と印刷媒体2の当接は、例えば印刷媒体検出センサ10と印刷媒体帯電ローラ16との距離(以下、補正距離と示す)がXである場合には、エンコーダセンサ12の信号を用いて、印刷媒体検出センサ10が印刷媒体2の搬送方向先端部を検出してから搬送ベルト1が補正距離Xだけ移動したときに印刷媒体帯電ローラ16が印刷媒体1の搬送方向先端部に当接し、それから搬送ベルト1が印刷媒体2の搬送方向長さLだけ移動したときに印刷媒体帯電ローラ16が印刷媒体1の搬送方向後端部から離間する。
前述したように、本実施形態では、原則的に、印刷媒体帯電ローラ16が印刷媒体2の表面に当接しているときには、表面電位センサ14で検出された印刷媒体2の表面電位と逆極性で且つ電位の大きさが同じ直流電圧信号を印刷媒体帯電パターン信号として印刷媒体2の表面電荷を除去し、印刷媒体帯電ローラ16が搬送ベルト1の表面に当接しているときには、表面電位センサ14で検出された搬送ベルト1の表面電位と同極性で且つ電位の大きさが同じ直流電圧信号を印刷媒体帯電パターン信号として搬送ベルト1と印刷媒体帯電ローラ16との間の放電を抑制防止する。しかしながら、印刷媒体2の厚さが小さいとき、つまり薄いときには、印刷媒体2の表面に印刷媒体帯電ローラ16が当接していたとしても、当該印刷媒体2の搬送方向先端部や搬送方向後端部では、搬送ベルト1と印刷媒体帯電ローラ16との間で直接的な放電が生じる恐れがある。
放電開始電圧、つまり印刷媒体帯電ローラ16と搬送ベルト1との電位差Vs(kV)と放電開始間隙l(cm)との間には、周囲温度t(℃)及び気圧p(torr)を介して下記1式及び2式からなる火花放電の実験式(「気体放電の基礎」東京電気大学出版局 武田 進 著)の関係が成り立つ。
Figure 2008074578
例えば気圧p=760torr(=1気圧)、周囲温度20℃のときの放電開始隙間lと電位差(放電開始電圧)Vsとの関係は、下記表1のように表れる。この表によると、印刷媒体帯電ローラ16と搬送ベルト1との電位差Vsが3.5kVであるときに両者間で放電が生じない隙間は凡そ0.75mm以上必要ということになる。
Figure 2008074578
図9aは、印刷媒体帯電ローラ16が印刷媒体2の表面の搬送方向先端部に乗り上げた直後の状態を模式的に示している(実際には印刷媒体帯電ローラ16のニップ部の変形や印刷媒体2そのものの変形などが存在する)。例えば、図9aのような状態で、印刷媒体2がインクジェット写真用紙である場合には、印刷媒体2の厚さtが約1mmであるため、印刷媒体帯電ローラ16と搬送ベルト1との電位差Vsが3.5kVであるときにも両者間で放電は生じない。しかしながら、印刷媒体2が所謂コピー用紙(PPC用紙)である場合には、印刷媒体2の厚さtは90μmしかないので、印刷媒体帯電ローラ16と搬送ベルト1との電位差VSが3.5kVであるときには両者間に放電が生じる。
図9bは、印刷媒体帯電ローラ16が印刷媒体2の表面の搬送方向先端部に完全に乗り上げて当該印刷媒体帯電ローラ16のニップ部が完全に印刷媒体2の表面に当接した状態を模式的に示している。例えば、図9bのような状態で、印刷媒体帯電ローラ16と搬送ベルト1との間で放電が生じる最短距離は、例えば印刷媒体帯電ローラ16の断面が真円だとして、印刷媒体帯電ローラ16の真円断面の法線が印刷媒体2の表面の搬送方向先端部の角隅部をかすめて搬送ベルト1に到達する距離であり、この最短距離に前述の放電開始隙間lを代入すると、印刷媒体帯電ローラ16の真円断面の半径rから、当該真円断面の法線の搬送ベルト1到達点と印刷媒体帯電ローラ16の中心点、即ち印刷媒体帯電ローラ16と印刷媒体2との接触点までの水平距離α'が得られる。印刷媒体2の搬送方向先端部と、印刷媒体2と印刷媒体帯電ローラ16との接触点とを結ぶ線分、及び印刷媒体耐電ローラ16の半径、及び印刷媒体帯電ローラ16の真円断面の法線で囲まれる三角形は、印刷媒体帯電ローラ16の真円断面の法線の搬送ベルト1到達点と、印刷媒体帯電ローラ16と印刷媒体2との接触点とを結ぶ線分、及び印刷媒体帯電ローラ16と印刷媒体2との接触点を通る垂線、及び印刷媒体帯電ローラ16の真円断面の法線で囲まれる三角形と相似なので、そのときの印刷媒体2の搬送方向先端部から、印刷媒体2と印刷媒体帯電ローラ16との接触点までの距離α(=α'・r/(r+t))が得られる。
この距離α(実際には、多少の安全率を見込む必要がある)を所定距離αとし、印刷媒体2の搬送方向先端部から所定距離αの間、及び印刷媒体2の搬送方向後段部から所定距離αの間は、印刷媒体帯電ローラ16と搬送ベルト1との間で直接的な放電が発生しないように印刷媒体帯電ローラ16の印加電圧及び印加タイミングを制御する。具体的には、この所定距離α間は、印刷媒体帯電ローラ16が搬送ベルト1の表面に当接しているときと同様に、搬送ベルト1の表面電位と同極性で且つ同電位の印刷媒体帯電パターン信号を印加する。
図10は、本実施形態の印刷媒体帯電パターン信号制御のための演算処理を示すフローチャートである。この演算処理は、印刷指令と同時に実施され、まずステップS1で、前述した直流電圧信号からなる搬送ベルト帯電パターン信号を搬送ベルト帯電ローラ6に向けて出力する。
次にステップS2に移行して、表面電位センサ14及び印刷媒体表面電位検出回路35により表面電位デジタルデータVppのサンプリングを行う。
次にステップS3に移行して、印刷媒体の搬送を開始する。
次にステップS4に移行して、印刷媒体検出センサ10により印刷媒体2の搬送方向先端部の通過が検出されたか否かを判定し、印刷媒体2の搬送方向先端部の通過が検出された場合にはステップS5に移行し、そうでない場合にはステップS6に移行する。
ステップS6では、印刷媒体2が未だ印刷媒体検出センサ10下に到達していないとして、搬送ベルト1と印刷媒体帯電ローラ16との間の放電を抑制防止すべく、表面電位センサ14で検出された表面電位デジタルデータVppと同極性で且つ同電位の印刷媒体帯電パターン信号を出力してからステップS4に移行する。
ステップS5では、印刷媒体2の搬送方向先端部を検出してから補正距離X及び所定距離α以上、搬送ベルト1が移動したか否かを判定し、補正距離X及び所定距離α以上、搬送ベルト1が移動した場合にはステップS7に移行し、そうでない場合にはステップS8に移行する。
ステップS8では、印刷媒体帯電ローラ16は印刷媒体2の表面に当接していないか、又は当接していても搬送ベルト1との間の直接的な放電を抑制防止するための所定距離αが経過していないとして、搬送ベルト1と印刷媒体帯電ローラ16との間の放電を抑制防止すべく、表面電位センサ14で検出された表面電位デジタルデータVppと同極性で且つ同電位の印刷媒体帯電パターン信号を出力してからステップS5に移行する。
ステップS7では、印刷媒体2の搬送方向先端部を検出してから、補正距離Xと印刷媒体2の搬送方向長さLとの和から所定距離αを減じた値以上、搬送ベルト1が移動したか否かを判定し、補正距離Xと印刷媒体2の搬送方向長さLとの和から所定距離αを減じた値以上、搬送ベルト1が移動した場合にはステップS4に移行し、そうでない場合にはステップS9に移行する。
ステップS9では、印刷媒体帯電ローラ16が印刷媒体2の表面に当接し且つその位置が印刷媒体2の表面の搬送方向先端部から所定距離α以内でも、搬送方向後端部から所定距離α以内でもないとして、印刷媒体2の表面電荷を除去すべく、表面電位センサ14で検出された表面電位デジタルデータVppと逆極性で且つ同電位の印刷媒体帯電パターン信号を出力してからステップS7に移行する。
図11には、図10の演算処理による印刷媒体帯電ローラへの印加電圧、即ち印刷媒体帯電パターン信号の経時変化を示す。同図では、印刷媒体検出センサ10で印刷媒体2の搬送方向先端部を検出してからも、補正距離X及び所定距離αだけ搬送ベルト1が移動する以前は、搬送ベルト1の表面電位と同極性で且つ同電位の印加電圧が印刷媒体帯電ローラ16に印加されるので、搬送ベルト1と印刷媒体帯電ローラ16との間で放電が生じない。そして、印刷媒体検出センサ10で印刷媒体2の搬送方向先端部を検出後、補正距離X及び所定距離α以上搬送ベルトが移動してから、印刷媒体2の表面電位と逆極性で且つ同電位の印加電圧が印刷媒体帯電ローラ16に印加されるので、印刷媒体2の表面電荷が効果的に除去され、インクジェットヘッド11から吐出されるインク滴への悪影響が回避される。更に、印刷媒体検出センサ10で印刷媒体2の搬送方向先端部を検出後、補正距離Xと印刷媒体2の搬送方向長さLとの和から所定距離αを減じた値以上搬送ベルト1が移動すると、搬送ベルト1の表面電位と同極性で且つ同電位の印加電圧が印刷媒体帯電ローラ16に印加されるので、搬送ベルト1と印刷媒体帯電ローラ16との間で放電が生じない。
このように本実施形態のインクジェットプリンタによれば、搬送ベルト1の表面に搬送ベルト帯電ローラ7を当接して当該搬送ベルト1の表面を所定の電位に帯電し、その帯電された搬送ベルト1の表面に印刷媒体2を静電気力で吸着して搬送し、その印刷媒体2にインクジェットヘッド11からインク滴を出して印刷を行うにあたり、少なくとも印刷媒体2の搬送ベルト1と反対側の表面の電位を検出し、印刷媒体帯電ローラ16が印刷媒体2の搬送ベルト1と反対側の表面に当接しているときには、検出された印刷媒体2の搬送ベルト1と反対側の表面の電位が抑制されるように印刷媒体帯電ローラ16への印加電圧と印加タイミングを制御し、印刷媒体帯電ローラ16が搬送ベルト1の表面に当接しているときには、放電が生じないように印刷媒体帯電ローラ16への印加電圧と印加タイミングを制御することとしたため、印刷媒体2表面の電荷を効果的に除去することができると共に、搬送ベルト1の放電を抑制防止することができる。
また、印刷媒体帯電ローラ16が搬送ベルト1の表面に当接しているときには、検出された搬送ベルト1の表面の電位と同電位になるように当該印刷媒体帯電ローラ16への印加電圧と印加タイミングを制御する構ことしたため、搬送ベルト1の放電を確実に抑制防止することができる。
また、印刷媒体帯電ローラ16が印刷媒体2の搬送方向先端部及び後端部に当接しているときには、当該印刷媒体2の搬送方向先端部及び後端部から予め設定された所定距離α間、放電が生じないように印刷媒体帯電ローラ16への印加電圧と印加タイミングを制御することとしたため、印刷媒体帯電ローラ16と搬送ベルト1との間の直接的な放電を抑制防止することができる。
また、放電が生じないように印刷媒体帯電ローラ16への印加電圧及び印加タイミングを制御する印刷媒体2の搬送方向先端部又は後端部からの所定距離αを、印刷媒体帯電ローラ16と搬送ベルト1とが直接放電しない距離とすることにより、印刷媒体帯電ローラ16と搬送ベルト1との間の直接的な放電を確実に抑制防止することができる。
また、印刷媒体帯電ローラ16と搬送ベルト1とが放電しないために、検出された搬送ベルト1の表面の電位と同電位になるように当該印刷媒体帯電ローラ16への印加電圧と印加タイミングを制御することとしたため、搬送ベルト1の放電を確実に抑制防止することができる。
次に、本発明のインクジェットプリンタの第2実施形態について説明する。この実施形態の基本的な構成は、前述の第1実施形態と同様であるが、本実施形態では、印刷媒体帯電ローラ16が搬送ベルト1に当接しているとき及び印刷媒体2の搬送方向先端部及び後端部から所定距離αに当接しているときに、印刷媒体帯電ローラ16への出力を停止して当該印刷媒体帯電ローラ16を高抵抗状態とする。高電圧に帯電されている搬送ベルト1も、高抵抗状態の印刷媒体帯電ローラ16には放電しない。
図12は、本実施形態の印刷媒体帯電パターン信号制御のための演算処理を示すフローチャートである。この演算処理は、印刷指令と同時に実施され、まずステップS21で、前述した直流電圧信号からなる搬送ベルト帯電パターン信号を搬送ベルト帯電ローラ6に向けて出力する。
次にステップS22に移行して、表面電位センサ14及び印刷媒体表面電位検出回路35により表面電位デジタルデータVppのサンプリングを行う。
次にステップS23に移行して、印刷媒体の搬送を開始する。
次にステップS24に移行して、印刷媒体検出センサ10により印刷媒体2の搬送方向先端部の通過が検出されたか否かを判定し、印刷媒体2の搬送方向先端部の通過が検出された場合にはステップS25に移行し、そうでない場合にはステップS26に移行する。
ステップS26では、印刷媒体2が未だ印刷媒体検出センサ10下に到達していないとして、搬送ベルト1と印刷媒体帯電ローラ16との間の放電を抑制防止すべく、印刷媒体帯電ローラ16への出力を停止して当該印刷媒体帯電ローラ16を高抵抗状態としてからステップS24に移行する。
ステップS25では、印刷媒体2の搬送方向先端部を検出してから補正距離X及び所定距離α以上、搬送ベルト1が移動したか否かを判定し、補正距離X及び所定距離α以上、搬送ベルト1が移動した場合にはステップS27に移行し、そうでない場合にはステップS28に移行する。
ステップS28では、印刷媒体帯電ローラ16は印刷媒体2の表面に当接していないか、又は当接していても搬送ベルト1との間の直接的な放電を抑制防止するための所定距離αが経過していないとして、搬送ベルト1と印刷媒体帯電ローラ16との間の放電を抑制防止すべく、印刷媒体帯電ローラ16への出力を停止して当該印刷媒体帯電ローラ16を高抵抗状態としてからステップS25に移行する。
ステップS27では、印刷媒体2の搬送方向先端部を検出してから、補正距離Xと印刷媒体2の搬送方向長さLとの和から所定距離αを減じた値以上、搬送ベルト1が移動したか否かを判定し、補正距離Xと印刷媒体2の搬送方向長さLとの和から所定距離αを減じた値以上、搬送ベルト1が移動した場合にはステップS24に移行し、そうでない場合にはステップS29に移行する。
ステップS29では、印刷媒体帯電ローラ16が印刷媒体2の表面に当接し且つその位置が印刷媒体2の表面の搬送方向先端部から所定距離α以内でも、搬送方向後端部から所定距離α以内でもないとして、印刷媒体2の表面電荷を除去すべく、表面電位センサ14で検出された表面電位デジタルデータVppと逆極性で且つ同電位の印刷媒体帯電パターン信号を出力してからステップS27に移行する。
図13には、図12の演算処理による印刷媒体帯電ローラへの印加電圧、即ち印刷媒体帯電パターン信号の経時変化を示す。同図では、印刷媒体検出センサ10で印刷媒体2の搬送方向先端部を検出してからも、補正距離X及び所定距離αだけ搬送ベルト1が移動する以前は、印刷媒体帯電ローラ16への出力が停止されて当該印刷媒体帯電ローラ16が高抵抗状態となるので、搬送ベルト1と印刷媒体帯電ローラ16との間で放電が生じない。そして、印刷媒体検出センサ10で印刷媒体2の搬送方向先端部を検出後、補正距離X及び所定距離α以上搬送ベルトが移動してから、印刷媒体2の表面電位と逆極性で且つ同電位の印加電圧が印刷媒体帯電ローラ16に印加されるので、印刷媒体2の表面電荷が効果的に除去され、インクジェットヘッド11から吐出されるインク滴への悪影響が回避される。更に、印刷媒体検出センサ10で印刷媒体2の搬送方向先端部を検出後、補正距離Xと印刷媒体2の搬送方向長さLとの和から所定距離αを減じた値以上搬送ベルト1が移動すると、印刷媒体帯電ローラ16への出力が停止されて当該印刷媒体帯電ローラ16が高抵抗状態となるので、搬送ベルト1と印刷媒体帯電ローラ16との間で放電が生じない。
このように本実施形態のインクジェットプリンタによれば、前記第1実施形態の効果に加えて、印刷媒体帯電ローラ16と搬送ベルト1とが放電しないために、当該印刷媒体帯電ローラ16への印加電圧の出力を停止して高抵抗状態とすることとしたため、搬送ベルト1の放電を確実に抑制防止することができる。
なお、前記各実施形態では、搬送ベルト帯電ローラ7に直流電圧を印加して搬送ベルト1の表面を一定の電位に帯電する、所謂DC帯電を行ったが、搬送ベルト1の帯電方法はこれに限定されない。搬送ベルト1の帯電方法としては、例えば搬送ベルト帯電ローラ7に所定の周期で逆極性に反転する電位の電圧信号、つまり交番電圧信号を付与すると、搬送ベルト1の表面が搬送方向に沿って交互に逆の電位に帯電(縞状帯電或いはAC帯電)され、夫々の電荷によって印刷媒体2に誘電分極を発生させ、その誘電分極による印刷媒体2の電荷と搬送ベルト1の表面の電荷及び隣り合う搬送ベルト1の表面の逆極性の電荷と印刷媒体2の電荷とを含む閉回路を構成して静電気力が発生し、印刷媒体2を搬送ベルト1の表面に吸着することができる。
このように搬送ベルト1をAC帯電した場合の本発明の実施形態を図14に示す。同図から明らかなように、搬送ベルト1がAC帯電されている場合であっても、印刷媒体検出センサ10で印刷媒体2の搬送方向先端部を検出してから、補正距離X及び所定距離αだけ搬送ベルト1が移動する以前は、搬送ベルト1の表面電位と同極性で且つ同電位の印加電圧を印刷媒体帯電ローラ16に印加することで、搬送ベルト1と印刷媒体帯電ローラ16との間で放電が生じない。そして、印刷媒体検出センサ10で印刷媒体2の搬送方向先端部を検出後、補正距離X及び所定距離α以上搬送ベルトが移動してから、印刷媒体2の表面電位と逆極性で且つ同電位の印加電圧を印刷媒体帯電ローラ16に印加することで、印刷媒体2の表面電荷が効果的に除去され、インクジェットヘッド11から吐出されるインク滴への悪影響が回避される。更に、印刷媒体検出センサ10で印刷媒体2の搬送方向先端部を検出後、補正距離Xと印刷媒体2の搬送方向長さLとの和から所定距離αを減じた値以上搬送ベルト1が移動すると、搬送ベルト1の表面電位と同極性で且つ同電位の印加電圧を印刷媒体帯電ローラ16に印加することで、搬送ベルト1と印刷媒体帯電ローラ16との間で放電が生じない。
また、前記実施形態では、所謂ラインヘッド型インクジェットプリンタを対象として本発明のインクジェットプリンタを適用した例についてのみ詳述したが、本発明のインクジェットプリンタは、マルチパス型を始めとして、あらゆるタイプのインクジェットプリンタを対象として適用可能である。
本発明のインクジェットプリンタの第1実施形態の概略構成を示す正面図である。 図1のインクジェットプリンタのインクジェットヘッドの一例を示す縦断面図である。 図1のシステム制御部のブロック図である。 図1の搬送ベルト帯電制御部内に構築されている搬送ベルト帯電波形生成回路のブロック図である。 図1の印刷媒体帯電制御部内に構築されている印刷媒体表面電位検出回路のブロック図である。 図1の印刷媒体帯電制御部内に構築されている印刷媒体帯電波形生成回路のブロック図である。 図6の印刷媒体帯電波形生成回路の出力側に設けられたスイッチのブロック図である 搬送ベルトに静電吸着される印刷媒体枚数が変化したときのオゾン発生量の違いを示す説明図である。 放電開始距離の説明図である。 図1の制御部内で行われる印刷媒体帯電ローラへの印加電圧の設定及び出力のための演算処理を示すフローチャートである。 図10の演算処理による印刷媒体帯電ローラの印加電圧のタイミングチャートである。 本発明のインクジェットプリンタの第2実施形態として図1の制御部内で行われる印刷媒体帯電ローラへの印加電圧の設定及び出力のための演算処理を示すフローチャートである。 図12の演算処理による印刷媒体帯電ローラの印加電圧のタイミングチャートである。 本発明のインクジェットプリンタの第3実施形態として制御された印刷媒体帯電ローラの印加電圧のタイミングチャートである。
符号の説明
1は搬送ベルト、2は印刷媒体、3は駆動ローラ、4は従動ローラ、5はテンションローラ、6はシステム制御部、7は搬送ベルト帯電ローラ、8は搬送ベルト帯電制御部、9は紙押えローラ、10は印刷媒体検出センサ、11はインクジェットヘッド、12はエンコーダセンサ、13はフィードローラ、14は表面電位センサ、15はガイド、16は印刷媒体帯電ローラ、17は接地ローラ、18は印刷媒体帯電制御部、34は搬送ベルト帯電波形生成回路、35は印刷媒体表面電位検出回路、36は印刷媒体帯電波形生成回路、37は印刷媒体帯電波形出力回路

Claims (5)

  1. 搬送ベルトの表面に帯電ローラを当接して当該搬送ベルトの表面を所定の電位に帯電し、その帯電された搬送ベルトの表面に印刷媒体を静電気力で吸着して搬送し、その印刷媒体にインクジェットヘッドからインク滴を出して印刷を行うインクジェットプリンタにおいて、搬送ベルトの表面及び印刷媒体の搬送ベルトと反対側の表面の電位を検出する表面電位検出手段と、搬送ベルト及び印刷媒体の搬送ベルトと反対側の表面に当接する印刷媒体帯電ローラと、前記印刷媒体帯電ローラが印刷媒体の搬送ベルトと反対側の表面に当接しているときには、前記表面電位検出手段で検出された印刷媒体の搬送ベルトと反対側の表面の電位が抑制されるように当該印刷媒体帯電ローラへの印加電圧と印加タイミングを制御し、印刷媒体帯電ローラが搬送ベルトの表面に当接しているときには、放電が生じないように印刷媒体帯電ローラへの印加電圧と印加タイミングを制御する印刷媒体表面電位制御手段とを備えたことを特徴とするインクジェットプリンタ。
  2. 前記印刷媒体表面電位制御手段は、印刷媒体帯電ローラが搬送ベルトの表面に当接しているときには、前記表面電位検出手段で検出された搬送ベルトの表面の電位と同電位になるように当該印刷媒体帯電ローラへの印加電圧と印加タイミングを制御することを特徴とする請求項1に記載のインクジェットプリンタ。
  3. 前記印刷媒体表面電位制御手段は、印刷媒体帯電ローラが搬送ベルトの表面に当接しているときには、当該印刷媒体帯電ローラへの印加電圧の出力を停止して高抵抗状態とすることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットプリンタ。
  4. 前記印刷媒体表面電位制御手段は、印刷媒体帯電ローラが印刷媒体の搬送方向先端部及び後端部の少なくとも何れか一方に当接しているときには、当該印刷媒体の搬送方向先端部及び後端部の少なくとも何れか一方から予め設定された所定距離間、放電が生じないように印刷媒体帯電ローラへの印加電圧と印加タイミングを制御することを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載のインクジェットプリンタ。
  5. 前記所定距離を、印刷媒体帯電ローラと搬送ベルトとが直接放電しない距離とすることを特徴とする請求項4に記載のインクジェットプリンタ。
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JP2020001908A (ja) * 2018-06-29 2020-01-09 セイコーエプソン株式会社 記録装置

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