JP5143456B2 - 用紙搬送装置及びこれを用いたインクジェット記録装置 - Google Patents

用紙搬送装置及びこれを用いたインクジェット記録装置 Download PDF

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Description

本発明は、プリンタや複写機、複合機等のインクジェット記録装置、並びに、これらに適用される用紙搬送装置に関する。
近年、複数のノズルからインク滴を吐出し、用紙に印刷を行うインクジェット記録装置が、小型で安価、作動時に静寂であるなどの利点があることから、広く市販されている。
このようなインクジェット記録装置の記録方式としてまず次のような方式がある。即ち、図4に示すように、複数のノズル401を配置したヘッドユニット402を移動体(キャリッジ)403に搭載し、用紙Pの搬送方向(副走査方向)Aと直交する方向(主走査方向)Bにこのキャリッジ403を主走査させる。そしてこの主走査中に、上記ノズル401からインク滴を吐出して印刷を行う記録方式である。
しかし、最近では印刷の高速化の要請から、ライン型と呼ばれる次のような記録方式も採用されている。即ち図5に示すように、用紙Pの全幅に亘った大きさの上記ヘッドユニット402を一列又は複数列配置したラインヘッドを備え、上述のような主走査を行わずに上記全幅に亘って一斉にインク滴をノズル401から吐出する記録方式である。
特にカラー印刷を行うインジェット記録装置においては、図5に示すように、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色ごとに、4本のラインヘッド114K,114C,114M,114Yを備えることで、より高速な印刷を実現している。なお、このようなラインヘッドを備えたインクジェット記録装置は、例えば、下記の特許文献1に開示されている。しかし、最近では印刷の高速化の要請から、ライン型と呼ばれる次のような記録方式も採用されている。
一方で、このような印刷の高速化に伴い、次のような問題が生じている。
図6(a)は、インクジェット記録装置の印刷機構の構造図である。まず、上記4本のラインヘッド114K,114C,114M,114Yを収納した記録ヘッド114が水平に配置されている。そして、この記録ヘッド114の下方に用紙搬送部650が配置されている。この用紙搬送部650では、無端状のゴム素材の搬送ベルト600が、駆動ローラ601、テンションローラ602及び支持ローラ603によって張設されている。なお、これらのローラは通常金属製である。
一方、支持ローラ603の上方には紙押えローラ604が配置されており、この支持ローラ603と紙押えローラ604とで用紙Pを挟み込んで用紙搬送部650へ送出する用紙送出部660を構成している。この用紙送出部660から矢印A方向へ送出された用紙Pは、駆動ローラ601の動作で搬送ベルト600が反時計回りに回転することで、上記記録ヘッド114と用紙搬送部650との間隙を秒速0.5mから1.5mの高速で通過する。
この高速での通過の際に、用紙Pが風圧を受けることなどにより搬送ベルト600の表面から浮揚することがあり、この浮揚は、上記通過が高速であればあるほど起こりやすい。また、印刷の高速化のために記録ヘッド114が大きくなると、上記通過の距離が長くなるため頻発しやすくなる。
浮揚が起こると、用紙Pと記録ヘッド114との距離が不均一になり、その結果印刷も不均一となり印刷品質を損ねるという問題を生ずる。また、上記間隙は1.0mmから2.0mmしかないため、大きな浮揚が起こると用紙Pが記録ヘッド114に接触し、その結果この間隙において紙詰まりが発生することもある。さらにこのような紙詰まりによって、記録ヘッド114を傷つける危険性もある。
この問題を解決するために、用紙Pを搬送ベルト600側に空気吸引して、この搬送ベルト600に吸着させる吸引手段610を備えた画像形成装置が、下記の特許文献2に開示されている。これは、図6(b)に示すように、搬送ベルト600に複数の吸引孔Hを設け、排気ファンなどの吸引装置611によってこの吸引孔から空気を吸引することで、用紙Pを搬送ベルト600に吸着させる技術である。
特開2006−88568号公報 特開2001−2284号公報
しかし、上記の従来技術には次のような問題点がある。
即ち、上記の浮揚は用紙Pの先端が用紙送出部660を出た直後から起こりうる。ところが、用紙Pが用紙送出部660を出てから上記吸引手段610に至るまでは、この用紙Pを搬送ベルト600に吸引しておく手段がない。支持ローラ603を小型化することで吸引手段610を用紙排出部660に近接させ、これにより、浮揚のリスクを軽減することも可能であるが、小型化されたローラは回転が高速となるため騒音を発生させる原因となってしまう。
また、連続印刷を行った場合には、吸引手段610上に順次用紙が送り出されるため、吸引手段610の入紙端にて十分な吸引力が得られる。しかしながら、1枚のみ印刷する場合や、あるいは連続印刷時の1枚目には、吸引手段610上に先行する用紙が存在しないため、入紙端における吸引力が弱くなる。
従って、上記記録ヘッド114と用紙搬送部650との間隙に用紙Pが侵入する前に、上記の浮揚が起こる危険性があり、その結果上述したような紙詰まり等の原因となってしまう。
このような事態を回避するために、この従来技術では、用紙Pが上記間隙に進入する直前に、この用紙Pを搬送ベルト600に圧着する圧着ローラ606を設けている。しかし、このような圧着ローラ606を設けると、画像形成装置全体が大型化してしまうという問題点がある。とくに、この圧着ローラ606を駆動するモータを新たに備える場合には、一層この大型化が顕著になる。
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであって、装置全体を小型に維持しつつ、用紙を搬送ベルトに確実に吸着させることで高品質の印刷を行うことができる用紙搬送装置、並びに、これを適用したインクジェット記録装置を提供することを目的とする。
以上の目的を達成するために、本発明では、以下のような手段を採用している。
まず、本発明は、支持ローラと紙押えローラとで用紙を挟み込んで送出する用紙送出部を備え、さらに複数の吸引孔を持つ搬送ベルト及び、この吸引孔から空気を吸引することでこの搬送ベルトに用紙を吸着する吸引手段を有する用紙搬送部を備える。
そして、このような用紙搬送装置において、上記支持ローラと紙押えローラとの間に直流電圧を印加する電源と、上記支持ローラと紙押えローラとの少なくとも一方の表面を被覆する絶縁層とを設ける。これにより、用紙が用紙送出部を出てから用紙搬送部に至るまでの間、この用紙を搬送ベルトに静電吸着するのである。従って、従来技術のように圧着ローラ等の特別な部材を設ける必要はなくなり、装置全体の小型化に資することができる。
さらに、上記絶縁層を除電するローラ除電器と、上記搬送ベルトを除電するベルト除電器とを設ける。これにより、上記支持ローラや紙押えローラ、搬送ベルトに過剰に帯電した静電気を放出し、安全を確保するのである。
なお、このような用紙搬送装置を適用したインクジェット記録装置についても、発明を開示する。即ち、本発明は、支持ローラと紙押えローラとで用紙を挟み込んで送出する用紙送出部と、複数の吸引孔を持つ搬送ベルト及び該吸引孔から空気を吸引することで該搬送ベルトに該用紙を吸着する吸引手段を有する用紙搬送部と、インクを吐出して該用紙に印刷を行うライン型の記録ヘッドと、上記支持ローラと紙押えローラとの間に直流電圧を印加する電源と、上記支持ローラと紙押えローラとの少なくとも一方の表面を被覆する絶縁層と、上記絶縁層の過剰に帯電した静電気を除電するローラ除電器と、上記搬送ベルトの過剰に帯電した静電気を除電するベルト除電器とを備えるインクジェット記録装置である。
以上により、装置全体を大型化することなく、装置全体を小型に維持しつつ、用紙を搬送ベルトに確実に吸着させることで高品質の印刷を行うことができる。
以下、本発明の用紙搬送装置及びインクジェット記録装置を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明に係るインクジェット記録装置100の一実施形態の内部構造図である。
このインクジェット記録装置100は、下部に配置された給紙カセット111と、その上方に配置されたインクタンク112と、このインクタンク112の上方に配置された用紙搬送部250とを備えている。また、この用紙搬送部250の上方には、記録ヘッド114と、装置の右端に配置された用紙搬送路116とを備えている。
給紙カセット111は、印刷が行われる用紙Pを収納するもので、この給紙カセット111には、給紙を行うための給紙ローラ121が用紙搬送路116側の端部に配置されている。この用紙搬送路116は、給紙カセット111から給紙された用紙Pを用紙送出部260に導くガイド板から構成されている。
この用紙搬送路116には、給紙された用紙を搬送する搬送ローラ対122が給紙カセット111側に配置されている。用紙搬送路116には、搬送ローラ対122によって送り出された用紙を搬送する第2搬送ローラ対123、用紙搬送路116を搬送されてきた用紙を印字のタイミングと用紙搬送を同期させるために一時待機させ、斜行補正を行い、印字タイミングに合わせて用紙送出部260に用紙を送出するレジストローラ対124がさらに設けられている。
上記インクタンク112は、左右方向に並設されたインクタンク112K,112C,112M,112Yから構成され、それぞれブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)のインクを貯留している。
上記用紙搬送部250は、用紙送出部260により給紙された用紙Pを左方に向けて搬送するもので、その構成については後述する。
また、上記用紙搬送部250の左方には排出ローラ対129が配置され、排出ローラ対129の左方の装置の左側壁には排出口130が穿設され、この排出口130を通して装置内から装置外に突出する排出トレイ131が配置されている。
上記記録ヘッド114は、下面のノズル面141が用紙搬送部250の用紙搬送面から1.0mm乃至2.0mmの微小間隔をおいた印刷位置に支持されている。この記録ヘッド114は、左右方向に並設されたラインヘッド114K,114C,114M,114Y(図5参照)から構成されている。なお、各ラインヘッド114K,114C,114M,114Yは、下記のような構造により、それぞれブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)のインクを吐出する。
記録ヘッド114の上記ノズル面141には、各ラインヘッド114K,114C,114M,114Y毎に、多数のノズルが用紙幅方向に用紙幅分だけ配列形成されている(図5参照)。このような記録ヘッドはライン型と呼ばれる。これらの各ノズルはラインヘッド内に各ノズルに対応して形成された加圧室(図示しない)にそれぞれ連通し、各加圧室は更に各ラインヘッド114K,114C,114M,114Y内に形成されたインク液室(図示しない)に連通している。そして、各ラインヘッド114K,114C,114M,114Yインク液室は、それぞれに対応したインク供給チューブ(図示しない)によって、それぞれ上記インクタンク112K,112C,112M,112Yに連通している。
さらに、記録ヘッド114の下流には、各ラインヘッド114K,114C,114M,114Yから用紙Pに吐出されたインクを乾燥させるための乾燥装置115が配置されている。
図2(a)は、上記用紙搬送部250及び用紙送出部260の構造図である。まず、上記背景技術と同様に、水平に配置された記録ヘッド114の下方に用紙搬送部250が配置されている。この用紙搬送部250では、無端状のゴム素材の搬送ベルト600が、駆動ローラ601、テンションローラ602及び支持ローラ203によって張設されている。
一方、支持ローラ203の上方には紙押えローラ204が配置されており、この支持ローラ203と紙押えローラ204とで用紙Pを挟み込んで用紙搬送部250へ送出する用紙送出部260を構成している。この用紙送出部260から矢印A方向へ送出された用紙Pは、駆動ローラ601の動作で搬送ベルト600が反時計回りに回転することで、上記記録ヘッド114と用紙搬送部650との間隙を秒速0.5mから1.5mの高速で通過する。
上記背景技術で説明したように、この通過の際に用紙Pが搬送ベルト600から浮揚することを防がなければならない。そこで、本発明でも、上記背景技術と同様に、搬送ベルト600の外側から内側に空気を吸引することで、用紙Pをこの搬送ベルト600に吸着させる吸引手段610を備えている。即ち、図6(b)に示したように、搬送ベルト600に複数の吸引孔Hを設け、真空ポンプなどの吸引装置611によってこの吸引孔から空気を吸引することで、用紙Pを搬送ベルト600に吸着させる。
ところが、用紙Pが用紙送出部260を出てから上記吸引手段610に至るまでの区間は、この用紙Pを搬送ベルト600に吸引しておく手段がない。そこで、本発明では以下のような手段を採用して、上記区間においても用紙Pを搬送ベルト600に吸引できるようになっている。
まず、支持ローラ203と紙押えローラ204との間に直流電圧を印加する電源205を設ける(図2(a))。そして、支持ローラ203と紙押えローラ204との少なくとも一方の表面を被覆する絶縁層206を設ける(図2(b))。以下では、この絶縁層206を支持ローラ203のみに設けた場合を例に説明を行う。
このような手段を採用すると、図3に示すように、支持ローラ203と紙押えローラ204との間に電場Eが発生する。すると、この電場Eに誘導されて、紙押えローラ204の下面には正電荷が発生し、用紙Pの上面には負電荷が発生する。
同様に、用紙Pの下面には正電荷が発生し、ゴム素材の搬送ベルト600の上面には負電荷が発生する。また、搬送ベルト600の下面には正電荷が発生し、絶縁層206の上面には負電荷が発生する。さらに、絶縁層206の下面には正電荷が発生し、支持ローラ203の上面には負電荷が発生する。
そうすると、コンデンサの極板間引力と同じ原理によって、用紙Pと搬送ベルト600との間に電気的な引力が発生する。この引力により、用紙Pが搬送ベルト600に静電吸着されるのである。
即ち、本発明は、用紙Pが用紙送出部260を出てから上記吸引手段610に至るまでの区間は上記の静電吸着により用紙Pを搬送ベルト600に吸着させ、用紙Pが吸引手段610に至ってからはこの吸引手段610により用紙Pを搬送ベルト600に吸着させるのである。このような構成を採用した主な理由は以下の通りである。
上記背景技術では、用紙Pが用紙送出部260を出てから吸引手段610に至るまでの区間は、この用紙Pを搬送ベルト600に吸引しておく手段がなかった。このため、この区間の終端にこの用紙Pを搬送ベルト600に圧着する圧着ローラ606を設けていた(図6(a)参照)。
しかし、このような圧着ローラ606を設けると、画像形成装置全体が大型化してしまうという問題点がある。また、用紙Pが写真用の光沢紙など厚手の用紙であった場合には、圧着ローラ606の通過後に用紙の剛性によってその先端部が搬送ベルト600から浮揚してしまう場合があって、対応策としては不十分であった。
特に、用紙Pの先端部が吸引手段610に差し掛かった段階では、吸引手段610の吸引力は微弱である。即ち、搬送ベルト600の吸引孔H(図6(b)参照)が用紙Pによって一部しか覆われていない段階では、他の吸引孔Hから空気が素通りしてしまうため、吸引力が弱いのである。この点、本発明によれば、用紙Pの先端部も確実に静電吸着されるので、このような問題は生じない。
一方、本発明では、この静電吸着と上記吸引手段610の空気による吸引とを併用していることになるが、その主な目的は次の通りである。
即ち、用紙Pが上記区間を通過すると、記録ヘッド114による印刷が開始されるが、インクジェット記録装置100では、液体のインクが用紙Pに吐出される。そして、このように用紙Pに液体が付着すると、上記のようにこの用紙Pに発生した正負の電荷がこの液体を通じて中和され、静電吸着の効果が急速に低下する。
このため、上記背景技術において図4に示したように、キャリッジ403を主走査させて印刷を行う記録方式の場合には、このキャリッジ403の主走査位置においてのみ、用紙Pが搬送ベルト600に吸着されていれば十分であった。しかし、図5に示したように、記録ヘッド114が用紙Pの搬送方向に長い間隔に亘って配置されているような場合には、この間隔全域において用紙Pが搬送ベルト600に吸着されている必要がある。そこで、本発明では、用紙Pが上記区間を通過した後は、上記吸引手段610の空気による吸引を行うのである。
また、本発明では、支持ローラ203の表面を絶縁層206によって被覆することとしているが、その主な目的は以下の通りである。
第1に、上述の通り、搬送ベルト600には吸引孔Hが複数設けられている。このため、絶縁層206を設けなければ、上記のように搬送ベルト600の表面に発生した電荷が、この吸引孔Hを通じて金属製の支持ローラ203へ一部漏出してしまい、十分な静電吸着力が得られない事態が起こりうる。
第2に、このインクジェット記録装置100の用途に合わせて絶縁層206の材質や層厚を調整することで、適切な静電吸着力を実現することが可能となる。例えば、普通の複写用紙と上記のような写真用の光沢紙では、厚みや電気的特性も異なっているので、必要とされる静電吸着力も異なってくる。そこで、このインクジェット記録装置100が主にどのような用紙への印刷を行う機種であるのかに応じて、例えば絶縁層206の材質(誘電率)を設計段階において変更することで、最適な静電吸着力を実現可能にすることができるのである。もちろん、電源205の電圧も適切に調整することができる。
ところで、このような構成でインクジェット記録装置100を長時間作動させると、絶縁層206及び搬送ベルト600に電荷が過剰に蓄積されてしまうおそれがある。これを放置すると、例えば、装置内部の保守・点検等を行う際にユーザが感電するなどして危険である。
さらに、このような過剰な帯電を許すと、用紙Pが搬送ベルト600に過剰に静電吸着され、今度は印刷後に、用紙Pが搬送ベルトからはがれにくくなり、排出ローラ対129からこの用紙Pを排出できないという事態も起こりうる。従って、静電吸着は強ければ強いほどよいという性格のものではなく、用紙Pの剛性なども考慮して適切にその強度を決定すべきなのである。
そこで、本発明のインクジェット記録装置100は、絶縁層206を除電するローラ除電器271と、搬送ベルト600を除電するベルト除電器272とを設けている。これにより、支持ローラ203や搬送ベルト600に過剰に帯電した静電気を放出し、ユーザの安全を確保するとともに、正常な排紙を行えるようにするのである。
ここで、図2では駆動ローラ601の上部にベルト除電器272を配置している。この位置に配置する場合には、搬送ベルト600上の用紙Pにはインクが付着しているので、ベルト除電器272は例えばコロナチャージャーのような非接触型の除電器を採用するのが好ましい。
上述の通り、静電吸着は強ければ強いほどよいという性格のものではない。この観点からも、本発明のように、絶縁層206の材質や層圧を変えて、この静電吸着の強さを調節できる構成を採用することは意義深いといえるのである。
以上のように、本発明によれば、印刷の全工程において用紙Pを搬送ベルト600に確実に吸着しておくことができ、高速で美しい印刷が可能となるとともに、紙詰まり等も防止することができる。
なお、以上では、絶縁層206を支持ローラ203のみに設けた場合を例に説明したが、支持ローラ203と紙押えローラ204の少なくとも一方にこの絶縁層206を設けておけば、本発明の目的は達成される。
さらには、実施態様に応じて、用紙の腰の強い写真用紙のような厚紙を用いる場合のみ用紙送出部260の静電吸着を作用させるか、普通紙を使用する場合より電源205から印加する電圧を高くする、単発で一枚のみ印刷する場合や、用紙搬送方向の用紙列の長さが吸引手段の長さより短い場合(葉書等の小型紙を用いる場合等)や用紙幅が小さい用紙を用いる場合、搬送ベルトの幅とほぼ等しい用紙の連続印刷の最初と最後の一枚の場合等には用紙送出部260の静電吸着を作用させ、搬送ベルトの幅とほぼ等しい用紙の連続印刷の一枚目と最後の一枚目以外は、過剰に用紙が吸着されることや上述の除電器を作用させることで発生するオゾンによる影響を低下させるために静電吸着作用させないか弱くするようにしてもよい。
本発明に係る用紙搬送装置及びインクジェット記録装置は、用紙が用紙送出部を出てから用紙搬送部に至るまでの間、この用紙を搬送ベルトに静電吸着するため、圧着ローラ等の特別な部材を設ける必要がない。よって、装置全体を小型に維持しつつ、用紙を搬送ベルトに確実に吸着させることで高速で高品質の印刷を行うことができる。従って、プリンタや複写機、複合機等のインクジェット記録装置及び、これらに適用される用紙搬送装置等として有用である。
本発明に係るインクジェット記録装置の一実施形態の内部構造図。 本発明に係る用紙搬送部及び用紙送出部の構造図。 静電吸着の原理の説明図。 記録ヘッドの第一の説明図。 記録ヘッドの第二の説明図。 従来のインクジェット記録装置の印刷機構の構造図。
符号の説明
100 インクジェット記録装置
111 給紙カセット
112 インクタンク
114 記録ヘッド
116 用紙搬送路
122 搬送ローラ対
112K,112C,112M,112Y インクタンク
126 回収口
127 廃インクタンク
128 連通管
129 排出ローラ対
130 排出口
131 排出トレイ
114K,114C,114M,114Y ラインヘッド
250 用紙搬送部
260 用紙送出部
203 支持ローラ
204 紙押えローラ
205 電源
206 絶縁層
271 ローラ除電器
272 ベルト除電器
600 搬送ベルト
601 駆動ローラ
602 テンションローラ
610 吸引手段
611 吸引装置
H 吸引孔
P 用紙
401 ノズル
402 ヘッドユニット
403 キャリッジ

Claims (2)

  1. 支持ローラと紙押えローラとで用紙を挟み込んで送出する用紙送出部と、
    複数の吸引孔を持つ搬送ベルト及び該吸引孔から空気を吸引することで該搬送ベルトに該用紙を吸着する吸引手段を有する用紙搬送部と、
    上記支持ローラと紙押えローラとの間に直流電圧を印加する電源と、
    上記支持ローラと紙押えローラとの少なくとも一方の表面を被覆する絶縁層と、
    上記絶縁層の過剰に帯電した静電気を除電するローラ除電器と、
    上記搬送ベルトの過剰に帯電した静電気を除電するベルト除電器と
    を備える用紙搬送装置。
  2. 支持ローラと紙押えローラとで用紙を挟み込んで送出する用紙送出部と、
    複数の吸引孔を持つ搬送ベルト及び該吸引孔から空気を吸引することで該搬送ベルトに該用紙を吸着する吸引手段を有する用紙搬送部と、
    インクを吐出して該用紙に印刷を行うライン型の記録ヘッドと、
    上記支持ローラと紙押えローラとの間に直流電圧を印加する電源と、
    上記支持ローラと紙押えローラとの少なくとも一方の表面を被覆する絶縁層と、
    上記絶縁層の過剰に帯電した静電気を除電するローラ除電器と、
    上記搬送ベルトの過剰に帯電した静電気を除電するベルト除電器と
    を備えるインクジェット記録装置。
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