JP2014125342A

JP2014125342A - 搬送装置及び画像形成装置

Info

Publication number: JP2014125342A
Application number: JP2012285244A
Authority: JP
Inventors: Kenichi Satake; 健一佐武
Original assignee: Kyocera Document Solutions Inc
Current assignee: Kyocera Document Solutions Inc
Priority date: 2012-12-27
Filing date: 2012-12-27
Publication date: 2014-07-07
Also published as: US20140184715A1; CN103895367B; US9114642B2; CN103895367A

Abstract

【課題】小サイズの被記録媒体の搬送ベルトへの吸引力を向上することができる被記録媒体の搬送装置を提供する。
【解決手段】搬送ベルト３２０には複数の吸引孔３２０ａが穿孔されている。搬送ベルトの一方の面側に吸引ユニット３３０が配置されている。吸引ユニットは、搬送ベルトの幅方向に延びる仕切壁３３２Ａ、３３２Ｂにより用紙搬送方向に隣接する収容室３３３Ａ、３３３Ｂ、３３３Ｃが区画形成されたユニットケース３３１と、ユニットケースと搬送ベルトとの間に介在する天壁３３５と、隣接する収容室の各々に収容されたファン３３８とを含む。天壁は、複数の収容室の各々と吸引孔とを連通させるスリット群Ｓを有する。スリット群は仕切壁３３２Ａ、３３２Ｂを跨ぐ複数のスリットを含む。仕切壁を跨ぐ複数のスリットは、隣接する収容室のうちの一方に連通するスリットと、隣接する収容室のうちの他方に連通するスリットとを含む。
【選択図】図７

Description

本発明は、プリンタ、複写機、複合機等の画像形成装置に装備される搬送装置及び画像形成装置に関する。

複数のノズルからインク滴を吐出し、紙等の被記録媒体上に画像形成を行うインクジェット記録装置は、小型で安価、動作音が静粛等の理由により、プリンタ、複写機、複合機等に広く用いられている。

インクジェット記録装置では、搬送ベルトによってコピー用紙等の被記録媒体を搬送し、記録ヘッドが被記録媒体に向けてインク滴を吐出して被記録媒体上に画像形成を行う。記録ヘッドは、被記録媒体と接触しないように被記録媒体との間に１．０〜１．５ｍｍ程度の距離をおいて配置されている。

斯かる構造のインクジェット記録装置では、被記録媒体の撓みや、被記録媒体が記録ヘッドの下を通過する際に生じる風圧等によって被記録媒体が搬送ベルトから浮揚すると、被記録媒体と記録ヘッドとの間の距離が不均一になり、画像品質が損なわれるという問題が生じる。

上記問題を解消するため、被記録媒体を搬送ベルト上に吸引するようにした搬送装置が提案されている（特許文献１参照）。特許文献１に記載の搬送装置は、被記録媒体の搬送方向に駆動される搬送ベルトと、搬送ベルトの一方の面側に配置された吸引ユニットとを含む。搬送ベルトには複数の吸引孔が穿孔されている。

吸引ユニットは、ファンケースと、ファンケース内に収容されたファンとを備えている。ファンケースの天壁には、ファンケースの内部と搬送ベルトの吸引孔とを連通する孔やスリットが形成されている。

搬送ベルトの他方の面上に被記録媒体が載置された状態でファンを駆動すると、ファンケース内に負圧が発生し、負圧が搬送ベルトの吸引孔を介して被記録媒体に作用する。その結果、被記録媒体が搬送ベルト上に吸引される。

特開２０１０−２８０１４９号公報

しかしながら、特許文献１に記載の搬送装置では、葉書等の小サイズの被記録媒体を搬送する場合において、被記録媒体により覆われる搬送ベルトの吸引孔の数が少ないため、ファンケース内の負圧が大きくならず、被記録媒体を十分に吸引できないことがあった。

本発明は上記事情に鑑みて創案されたものであり、その目的は、小サイズの被記録媒体の搬送ベルトへの吸引力を向上することができる搬送装置を提供することにある。

上記目的を達成するために、本発明の第１の態様は、被記録媒体を搬送する搬送装置であって、複数の吸引孔が穿孔されるとともに前記被記録媒体の搬送方向に駆動される搬送ベルトと、前記搬送ベルトの一方の面側に配置されるとともに前記複数の吸引孔を介して前記被記録媒体を前記搬送ベルトの他方の面上に吸引する吸引ユニットとを備えている。前記吸引ユニットは、前記搬送ベルトの幅方向に延びる仕切壁により前記被記録媒体の前記搬送方向に隣接する収容室が区画形成されたユニットケースと、前記ユニットケースと前記搬送ベルトとの間に介在する天壁と、前記隣接する収容室の各々に収容され、前記収容室の内部に負圧を発生させる吸引手段とを含んでいる。前記天壁は、前記隣接する収容室の各々と前記複数の吸引孔とを連通させるスリット群を有している。前記スリット群は、前記仕切壁を跨ぐように形成された複数のスリットを含んでいる。前記複数のスリットは、前記隣接する収容室のうちの一方に隣接するスリットと、前記隣接する収容室のうちの他方に連通するスリットとを含んでいる。

また、本発明の第２の態様は、第１の態様に係る搬送装置を備える画像形成装置である。

本発明によれば、小サイズの被記録媒体の搬送ベルトへの吸引力を向上することができる。

本発明の第１実施形態に係る搬送装置を備えたインクジェット記録装置の概略構成を示す模式図である。図１に示されるファンケースの内部の状態を示す平面図である。図１に示される吸引ユニットと用紙との関係を示す説明図である。図１に示される天壁の一部拡大断面図である。図１に示される天壁の一部拡大平面図である。図１に示される搬送ベルトの吸引孔と吸引ユニットのスリットとの関係を示す説明図である。スリットと仕切壁との関係を示す説明図である。比較例の吸引ユニットの問題点の説明図である。比較例の吸引ユニットにおいて用紙の搬送方向の先端部が仕切壁を越えた状態を示す図である。本発明の第２実施形態に係る搬送装置の吸引ユニットを示す図である。

以下、図面を参照して本発明による実施形態を説明する。図１は本発明の第１実施形態に係る搬送装置を備えたインクジェット記録装置１の概略構成を示す模式図である。

インクジェット記録装置１は、装置筐体１００と、装置筐体１００の内部の下方に配置された給紙部２００と、給紙部２００の上方に配置されたインクジェット記録方式の画像形成部３００と、画像形成部３００の一側方に配置された用紙搬送部４００と、画像形成部３００の他側方に配置された用紙排出部５００とを備える。

給紙部２００は、装置筐体１００に着脱自在の給紙カセット２０１と、給紙ローラ２０２と、ガイド板２０３とを備えている。給紙ローラ２０２は給紙カセット２０１の一端側の上方に配置されている。ガイド板２０３は給紙ローラ２０２と用紙搬送部４００との間に配置されている。

給紙カセット２０１内には、複数の用紙Ｐが積み重ねられた状態で収納されている。給紙ローラ２０２は、給紙カセット２０１内の用紙Ｐを一枚ずつ取り出す。ガイド板２０３は、給紙ローラ２０２が取り出した用紙Ｐを用紙搬送部４００に案内する。

用紙搬送部４００は、略Ｃ字形の用紙搬送路４０１と、用紙搬送路４０１の入口側に設けられた第１搬送ローラ対４０２と、用紙搬送路４０１の途中に設けられた第２搬送ローラ対４０３と、用紙搬送路４０１の出口側に設けられたレジストローラ対４０４とを備える。

第１搬送ローラ対４０２は、給紙部２００から給紙される用紙Ｐを挟んで用紙搬送路４０１に送出する。第２搬送ローラ対４０３は、第１搬送ローラ対４０２が送出した用紙Ｐを挟んで搬送方向に搬送する。

レジストローラ対４０４は、第２搬送ローラ対４０３によって搬送されてきた用紙Ｐの斜行補正を行う。そして、レジストローラ対４０４は、用紙Ｐへの印字のタイミングと用紙Ｐの搬送とを同期させるために用紙Ｐを一時待機させた後、用紙Ｐを印字タイミングに合わせて画像形成部３００に送出する。

画像形成部３００は、搬送装置３１０と、搬送装置３１０の上方に配置された記録ヘッド３５０と、搬送装置３１０に対して用紙Ｐの搬送方向の下流側に配置された搬送ガイド３８０とを備えている。なお、画像形成部３００は、記録ヘッド３５０から用紙Ｐ上に吐出されたインク滴を乾燥させる乾燥装置を備えていてもよい。

搬送装置３１０は、支持ローラ３１１と、紙押えローラ３１２と、駆動ローラ３１３と、一対のテンションローラ３１４と、無端状の搬送ベルト３２０と、吸引ユニット３３０とを備える。搬送ベルト３２０は、支持ローラ３１１、駆動ローラ３１３、及び一対のテンションローラ３１４の間に張設されている。

紙押えローラ３１２は支持ローラ３１１の上方に配置され、支持ローラ３１１との間に用紙Ｐを挟み込んで搬送ベルト３２０上へ送出する。駆動ローラ３１３は支持ローラ３１１に対して用紙Ｐの搬送方向に間隔をおいて配置されている。駆動ローラ３１３はモータ（図示せず）によって回転駆動され、搬送ベルト３２０を時計回りに回転させる。一対のテンションローラ３１４は支持ローラ３１１と駆動ローラ３１３との間の下方に配置され、搬送ベルト３２０が撓まないように搬送ベルト３２０にテンションを付与する。

記録ヘッド３５０は、用紙Ｐの搬送方向の上流側から下流側に向けて並設された４個のラインヘッド３５１、３５２、３５３、及び３５４により構成されている。ラインヘッド３５１、３５２、３５３、及び３５４の各々は、搬送ベルト３２０の幅方向に配列された複数のノズル（図示せず）を備えている。記録ヘッド３５０はライン型と称される。

ラインヘッド３５１の複数のノズルの各々は、ラインヘッド３５１内に形成された加圧室(図示せず)に連通している。加圧室はラインヘッド３５１内に形成されたインク液室に連通している。そして、インク液室はインク供給チューブ(図示せず)を介してブラック（Ｋ）のインクタンク（図示せず）に連通接続されている。

ラインヘッド３５２の複数のノズルの各々は、ラインヘッド３５２内に形成された加圧室(図示せず)に連通している。加圧室はラインヘッド３５２内に形成されたインク液室に連通している。そして、インク液室はインク供給チューブ(図示せず)を介してシアン（Ｃ）のインクタンク（図示せず）に連通接続されている。

ラインヘッド３５３の複数のノズルの各々は、ラインヘッド３５３内に形成された加圧室(図示せず)に連通している。加圧室はラインヘッド３５３内に形成されたインク液室に連通している。そして、インク液室はインク供給チューブ(図示せず)を介してマゼンタ（Ｍ）のインクタンク（図示せず）に連通接続されている。

ラインヘッド３５４の複数のノズルの各々は、ラインヘッド３５４内に形成された加圧室(図示せず)に連通している。加圧室はラインヘッド３５４内に形成されたインク液室に連通している。そして、インク液室はインク供給チューブ(図示せず)を介してイエロー（Ｙ）のインクタンク（図示せず）に連通されている。

吸引ユニット３３０は、搬送ベルト３２０を挟んで記録ヘッド３５０と対向するように搬送ベルト３２０の一方の面側に配置されている。吸引ユニット３３０は、ユニットケースとしてのファンケース３３１と、ファンケース３３１の上面開口を覆う天壁３３５と、ファンケース３３１内に収容された複数のファン３３８とを備える。ファン３３８は本発明の吸引手段として機能する。

搬送ガイド３８０は、搬送ベルト３２０から排出される用紙Ｐを用紙排出部５００に案内する。

用紙排出部５００は、排出ローラ対５０１と、排出トレイ５０２とを備える。排出トレイ５０２は、装置筐体１００に形成された排出口１０１から外部に突出するように装置筐体１００に固定されている。

搬送ガイド３８０を通過した用紙Ｐは、排出ローラ対５０１によって排出口１０１の方向に送出され、排出トレイ５０２に案内されて排出口１０１を介して装置筐体１００の外部に排出される。

図２は、図１に示されるファンケース３３１の内部の状態を示す平面図である。

ファンケース３３１は、上面が開口した有底筒状の箱形のものである。ファンケース３３１の内部は、搬送ベルト３２０の幅方向（搬送ベルト３２０の一方の面と平行かつ用紙Ｐの搬送方向と直交する方向）に延びる一対の仕切壁３３２Ａ、３３２Ｂによって区画され、ファンケース３３１は、用紙Ｐの搬送方向に隣接する同形同大の３つの収容室３３３Ａ、３３３Ｂ、及び３３３Ｃを有している。

収容室３３３Ａ、３３３Ｂ、及び３３３Ｃの各々にはファン３３８が収容されている。収容室３３３Ａ、３３３Ｃの各々には２個のファン３３８が収容され、収容室３３３Ｂには１個のファン３３８が収容されている。図１に示すように、ファン３３８は、下部がファンケース３３１の下方に突出した状態で収容室３３３Ａ〜３３３Ｃに収容されている。複数のファン３３８の各々は電源（図示せず）に接続されている。

図３は、図１に示される搬送装置３１０の吸引ユニット３３０と用紙Ｐとの関係を示す説明図である。図３に示される用紙Ｐはインクジェット記録装置１で画像形成可能な用紙のうち、最小サイズのものである。

仕切壁３３２Ａと仕切壁３３２Ｂとの間隔Ｌ１は、用紙Ｐの搬送方向の長さＷ１よりも若干大きい。

図４は、図１に示される天壁３３５の一部拡大断面図であり、図５は図１に示される天壁３３５の一部拡大平面図である。

図４に示すように、天壁３３５は、上壁３３６と下壁３３７とから成る二重壁状である。上壁３３６には複数のスリット３３６ａが形成され、下壁３３７には、複数のスリット３３６ａの各々に対応して設けられた貫通孔３３７ａが複数形成されている。

図５に示すように、スリット３３６ａは、用紙Ｐの搬送方向に延びる長円状であり、上壁３３６（図４参照）を厚さ方向に貫通している。

図５に示すように、貫通孔３３７ａは、スリット３３６ａの一端側に対向するように配置されており、下壁３３７（図４参照）を厚さ方向に貫通している。

図６は、図１に示される搬送ベルト３２０の吸引孔３２０ａと吸引ユニット３３０のスリット３３６ａとの関係を示す説明図である。

搬送ベルト３２０には、搬送ベルト３２０を厚さ方向に貫通する複数吸引孔３２０ａが穿孔されている。用紙Ｐの搬送方向に配置された複数の吸引孔３２０ａから成る列が搬送ベルト３２０に複数本形成されており、これらの複数本の列は、搬送ベルト３２０の幅方向に千鳥足状に配置されている。

上壁３３６のスリット３３６ａは、搬送ベルト３２０の吸引孔３２０ａに対応して配置されている。用紙Ｐの搬送方向に配置された複数のスリット３３６ａから成る列が上壁３３６に複数本形成されており、これらの複数本の列は、搬送ベルト３２０の幅方向に千鳥足状に配置されている。

複数のスリット３３６ａの各々は、４つの吸引孔３２０ａと対向し得るように形成されている。搬送ベルト３２０の進行に伴って、複数のスリット３３６ａの各々に対向する４つの吸引孔３２０ａが１つずつ入れ替わってゆく。

ファンケース３３１の収容室３３３Ａ、３３３Ｂ、及び３３３Ｃ（図２参照）の各々は、天壁３３５のスリット３３６ａ及び貫通孔３３７ａ（図４参照）を介して、搬送ベルト３２０の複数の吸引孔３２０ａのうちの一部の吸引孔３２０ａと常時連通している。

図７はスリット３３６ａと仕切壁３３２Ａ、３３２Ｂとの関係を示す説明図である。複数のスリット３３６ａから成るスリット群Ｓは仕切壁３３２Ａを跨ぐように形成された複数のスリット３３６ａを含んでいる。また、スリット群Ｓは仕切壁３３２Ｂを跨ぐように形成された複数のスリット３３６ａを含んでいる。

仕切壁３３２Ａを跨ぐように形成された複数のスリット３３６ａは、隣接する収容室３３３Ａ、３３３Ｂのうちの一方の収容室３３３Ａに貫通孔３３７ａを介して連通するスリット３３６ａと、他方の収容室３３３Ｂに貫通孔３３７ａを介して連通するスリット３３６ａとを含んでいる。仕切壁３３２Ａを跨ぐとともに収容室３３３Ａに連通するスリット３３６ａと、仕切壁３３２Ａを跨ぐとともに収容室３３３Ｂに連通するスリット３３６ａとは、搬送ベルト３２０の幅方向に交互に配置されている。

また、仕切壁３３２Ｂを跨ぐように形成された複数のスリット３３６ａは、隣接する収容室３３３Ｂ、３３３Ｃのうちの一方の収容室３３３Ｂに貫通孔３３７ａを介して連通するスリット３３６ａと、他方の収容室３３３Ｃに貫通孔３３７ａを介して連通するスリット３３６ａとを含んでいる。仕切壁３３２Ｂを跨ぐとともに収容室３３３Ｂに連通するスリット３３６ａと、仕切壁３３２Ｂを跨ぐとともに収容室３３３Ｃに連通するスリット３３６ａとは、搬送ベルト３２０の幅方向に交互に配置されている。

次に、図１〜図７を参照して、本実施形態のインクジェット記録装置１の作用及び効果について説明する。ここでは、インクジェット記録装置１で画像形成可能な最小サイズの用紙に画像形成を行う場合について説明する。

図１において、給紙カセット２０１に積み重ね状態で収容された複数の用紙Ｐのうち、最上部の用紙Ｐが給紙ローラ２０２によって給紙カセット２０１から取り出され、ガイド板２０３によって第１搬送ローラ対４０２に導かれる。

用紙Ｐは第１搬送ローラ対４０２によって用紙搬送路４０１内に送出され、第２搬送ローラ対４０３によって用紙Ｐの搬送方向に搬送される。そして、用紙Ｐはレジストローラ対４０４に当接して停止し、斜行補正が行われる。そして、印字タイミングに合わせて用紙Ｐが画像形成部３００に送出される。

用紙Ｐは紙押えローラ３１２によって搬送ベルト３２０上に導かれ、搬送ベルト３２０の他方の面（図１における上側の面）の幅方向中央部に載置される。用紙Ｐは、搬送ベルト３２０に穿孔された複数の吸引孔３２０ａ（図６参照）を覆い、複数の吸引孔３２０ａを介して供給される負圧により搬送ベルト３２０の他方の面上に吸引される。そして、用紙Ｐは、搬送ベルト３２０の進行に伴って搬送方向に搬送される。

用紙Ｐは、ファンケース３３１の収容室３３３Ａ、３３３Ｂ、及び３３３Ｃの上方を順次通過する（図３参照）。その結果、収容室３３３Ａ、３３３Ｂ、及び３３３Ｃ内の負圧が順次上昇する。

例えば、図３に示すように、用紙Ｐが収容室３３３Ａの上方を通過するとき、収容室３３３Ａに連通する複数のスリット３３６ａ（図６参照）のうち、用紙Ｐによって覆われている搬送ベルト３２０の吸引孔３２０ａと重なり合ったスリット３３６ａの全部又は一部が塞がれる。その結果、収容室３３３Ａ内の負圧が上昇する。

なお、吸引ユニット３３０は、ファンケース３３１の内部が収容室３３３Ａ、３３３Ｂ、及び３３３Ｃに区画されているのに加えて、収容室３３３Ａ、３３３Ｂ、及び３３３Ｃの各々にファン３３８（図２参照）が収容されている。したがって、ファンケース３３１の内部が収容室３３３Ａ、３３３Ｂ、及び３３３Ｃに区画されていない吸引ユニットと比べて、用紙Ｐによって覆われるスリット３３６ａ（図６参照）の数が同じである場合に、用紙Ｐに与える単位面積当たりの吸引力が大きい。その結果、吸引ユニット３３０によれば、特に小さいサイズの用紙（例えば、葉書）の吸引力が向上し、小さいサイズの用紙の搬送ベルト３２０からの浮揚を抑制することができる。

なお、収容室３３３Ａに収容されるファン３３８の数は収容室３３３Ｂに収容されるファン３３８の数よりも多い。したがって、収容室３３３Ａの上方に進入してくる用紙Ｐを強く吸着することができる。その結果、例えば用紙Ｐがレジストローラ対４０４（図１参照）に引っ張られて搬送ベルト３２０上で位置ずれすることを抑制することができる。

また、収容室３３３Ｃに収容されるファン３３８の数は収容室３３３Ｂに収容されるファン３３８の数よりも多い。したがって、収容室３３３Ｃの上面から離脱しようとする用紙Ｐを強く吸着することができる。その結果、例えば用紙Ｐが排出ローラ対５０１（図１参照）に引っ張られて搬送ベルト３２０上で位置ずれすることを抑制することができる。

また、吸引ユニット３３０では、図７に示すように、仕切壁３３２Ａ、３３２Ｂを跨ぐように形成された複数のスリット３３６ａを有している。斯かる構成によれば、以下に詳述するように、用紙Ｐの搬送方向の先端部の浮揚を抑制することができるという作用効果を奏する。

斯かる作用効果を理解しやすくするために、比較例の吸引ユニットの問題点について説明する。比較例の吸引ユニットは、仕切壁３３２Ａ、３３２Ｂを跨ぐスリット３３６ａを有しておらず、その他の構成は吸引ユニット３３０と同じである。

図８は比較例の吸引ユニット３３０’の問題点の説明図であり、図９は比較例の吸引ユニット３３０’において用紙Ｐの搬送方向の先端部Ｐａが仕切壁３３２Ａを越えた状態を示す図である。

図８において、曲線Ｘは、用紙Ｐの搬送方向の先端部Ｐａの位置と先端部Ｐａに対する吸引力との関係を示すグラフである。横軸は用紙Ｐの先端部Ｐａの位置を示し、縦軸は用紙Ｐの先端部Ｐａに対する吸引力の大きさを示す。用紙Ｐの先端部Ｐａが収容室３３３Ａの上面に進入して収容室３３３Ａに連通する複数のスリット３３６ａ（図７参照）のうちの一部にオーバーラップすると、用紙Ｐの先端部Ｐａに対する吸引力が生じる。そして、用紙Ｐが搬送方向に進行するにしたがって、用紙Ｐに対するスリット３３６ａのオーバーラップ面積が増加するため、収容室３３３Ａ内の負圧が次第に上昇する。その結果、用紙Ｐの先端部Ｐａに対する吸引力が上昇してゆき、用紙の先端部Ｐａが仕切壁３３２Ａに到達する手前で用紙Ｐの先端部Ｐａに対する吸引力が最大となる。

そして、図９に示すように、用紙Ｐの先端部Ｐａが仕切壁３３２Ａを越えると、その瞬間には収容室３３３Ｂに連通する複数のスリット３３６ａの各々に用紙Ｐの先端部Ｐａがオーバーラップしていないため、図８に示すように、用紙Ｐの先端部Ｐａに対する吸引力が急激に低下する。その後、用紙Ｐが搬送方向に進行するにしたがって、用紙Ｐの先端部Ｐａに対する吸引力が次第に上昇してゆく。

このように、用紙Ｐの先端部Ｐａが仕切壁３３２Ａ、３３２Ｂを通過する際に用紙Ｐの先端部Ｐａに対する吸引力が急激に低下し、用紙Ｐの先端部Ｐａに対する吸引力がすぐには上昇しない。その結果、用紙Ｐの先端部Ｐａが搬送ベルト３２０の他方の面から浮揚しやすくなる。

これに対し、本発明の吸引ユニット３３０では、図７に示すように、仕切壁３３２Ａ、３３２Ｂを跨ぐように形成された複数のスリット３３６ａを有しているので、用紙Ｐの先端部Ｐａ（図９参照）が仕切壁３３２Ａ、３３２Ｂを越える際においても用紙Ｐの先端部Ｐａに吸引力が作用し続ける。したがって、用紙Ｐの先端部Ｐａの搬送ベルト３２０の他方の面からの浮揚を抑制することができる。

次に、本発明の第２実施形態を説明する。図１０は本発明の第２実施形態に係る搬送装置の吸引ユニットを示す。図１０を参照して、第２実施形態の吸引ユニットのスリットと仕切壁との関係を説明する。なお、本実施形態において、第１実施形態と対応する部位には第１実施形態と同一の符号を使用し、重複する説明は省略する。

図１０に示すように、本実施形態では、仕切壁３３２Ａを跨ぐように形成された複数のスリット３３６ａの各々が、収容室３３３Ａに連通する貫通孔３３７ａと収容室３３３Ｂに連通する貫通孔３３７ｂとを介して、用紙Ｐの搬送方向に隣接する収容室３３３Ａ、３３３Ｂの各々に連通している。

また、仕切壁３３２Ｂを跨ぐように形成された複数のスリット３３６ａの各々が、収容室３３３Ｂに連通する貫通孔３３７ａと収容室３３３Ｃに連通する貫通孔３３７ｂとを介して、用紙Ｐの搬送方向に収容室３３３Ｂ、３３３Ｃの各々に連通している。

本実施形態によれば、用紙Ｐの先端部Ｐａ（図９参照）が仕切壁３３２Ａ、３３２Ｂを越える際においても用紙Ｐの先端部Ｐａに吸引力が作用し続けている。したがって、用紙Ｐの先端部Ｐａの搬送ベルト３２０の一方の面からの浮揚を抑制することができる。

また、本実施形態では、仕切壁３３２Ａ、３３２Ｂを跨ぐように形成された複数のスリット３３６ａの各々に２つの収容室からの負圧が作用している。したがって、本実施形態によれば、用紙Ｐの先端部Ｐａが強く吸着され、用紙Ｐの先端部Ｐａが搬送ベルト３２０の他方の面から浮揚することを確実に抑制することができる。

以上、本発明の具体的な実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、上記実施形態に種々の改変を施すことができる。

例えば、上記実施形態では、吸引手段としてファンを用いているが、他の吸引手段（例えば、真空ポンプ）を用いることもできる。

また、上記実施形態では、ユニットケースの内部に３つの収容室が区画形成されているが、ユニットケースの内部に２つ又は４つ以上の収容室を区画形成してもよい。

また、上記実施形態では、ライン型の記録ヘッドを備えたインクジェット記録装置に本発明を適用した場合について説明したが、シリアル型の記録ヘッドを備えたインクジェット記録装置に本発明を適用することもできる。

また、上記実施形態では、本発明をインクジェット記録装置に適用した場合について説明したが、本発明は他の画像形成装置（例えば、電子写真方式の画像形成装置）にも適用可能である。

また、上記実施形態では、被記録媒体が用紙である場合について説明したが、被記録媒体は用紙以外（例えば、樹脂製シートや布帛）であってもよい。

その他にも、本発明の要旨を逸脱しない範囲で上記実施形態に種々の改変を施すことができる。

１インクジェット記録装置（画像形成装置）
３２０搬送ベルト
３２０ａ吸引孔
３３０吸引ユニット
３３１ファンケース（ユニットケース）
３３２Ａ、３３２Ｂ仕切壁
３３３Ａ、３３３Ｂ、３３３Ｃ収容室
３３５天壁
３３６ａスリット
３３８ファン（吸引手段）
Ｐ用紙（被記録媒体）
Ｓスリット群

Claims

被記録媒体を搬送する搬送装置であって、
複数の吸引孔が穿孔されるとともに前記被記録媒体の搬送方向に駆動される搬送ベルトと、
前記搬送ベルトの一方の面側に配置されるとともに前記複数の吸引孔を介して前記被記録媒体を前記搬送ベルトの他方の面上に吸引する吸引ユニットと
を備え、
前記吸引ユニットは、
前記搬送ベルトの幅方向に延びる仕切壁により前記被記録媒体の前記搬送方向に隣接する収容室が区画形成されたユニットケースと、
前記ユニットケースと前記搬送ベルトとの間に介在する天壁と、
前記隣接する収容室の各々に収容され、前記収容室の内部に負圧を発生させる吸引手段と
を含み、
前記天壁は、前記隣接する収容室の各々と前記複数の吸引孔とを連通させるスリット群を有しており、
前記スリット群は、前記仕切壁を跨ぐように形成された複数のスリットを含んでおり、
前記複数のスリットは、前記隣接する収容室のうちの一方に連通するスリットと、前記隣接する収容室のうちの他方に連通するスリットとを含んでいる、搬送装置。
前記複数のスリットの各々は、前記隣接する収容室の各々に連通する、請求項１に記載の搬送装置。
前記吸引手段がファンを含む、請求項１または請求項２に記載の搬送装置。
請求項１から請求項３のうちの１項に記載の搬送装置を備える、画像形成装置。
インクジェット記録方式の画像形成部を含む、請求項４に記載の画像形成装置。