JP6220771B2 - 遊星歯車減速装置 - Google Patents

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本発明は、例えば油圧ショベル、油圧クレーン等の建設機械に好適に用いられる遊星歯車減速装置に関する。
一般に、遊星歯車減速装置は、軸方向の両端が開口した筒状体をなし一方の開口が基体に取付けられるハウジングと、該ハウジングの他方の開口に取付けられモータケースの内部に油圧式または電動式のモータを収容したモータ装置と、前記ハウジング内に設けられ前記モータ装置の回転を減速する減速機構と、該減速機構によって減速された前記モータ装置の回転を出力する出力軸とを備える構成となっている。
この場合、減速機構は、前記モータ装置の回転軸にスプライン結合された太陽歯車と、該太陽歯車の外周側と前記ハウジングの内周側に設けられた内歯車とに噛合し該太陽歯車の周囲を自転しつつ公転する複数の遊星歯車と、該各遊星歯車を回転可能に支持する歯車支持軸を有するキャリアとにより構成されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−222205号公報
ところで、減速機構では、各歯車を支持する軸の荷重による倒れや歯車の加工精度の不良により、該各歯車が傾く場合がある。そして、各歯車が傾いた場合、各歯車間に発生する接線荷重の方向が変化し、傾いた接線荷重の分力としてスラスト荷重が発生する。このスラスト荷重は、歯車を軸方向に移動させるから、歯車の浮き上がりが発生し、各歯車間で適正な噛み合い歯幅を保持できなくなる。このため、歯面の面圧が上がり、歯車の寿命が低下するという問題がある。
そこで、上述した特許文献1では、スラスト荷重による歯車の軸方向の移動を防止するために、キャリアの上端面にピンを介してプレートを設け、該プレートがスラスト荷重により移動する歯車に当接して移動を規制する構造としている。この場合、特許文献1による構成では、モータケースの下端側で回転軸の近傍の中央部位を利用し、プレートを介して減速機構全体のスラスト荷重を受ける構成としている。このため、モータケースの中央部位は、許容値以上の摺動摩耗が発生する虞があるから、この中央部位は、摺動摩耗が許容値内となるように摺動面積の確保や摺動部への熱処理を行う必要がある。これにより、遊星歯車減速装置全体の小型化や低コスト化の障害になるという問題がある。
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、遊星歯車等の軸方向への移動を規制することにより、摺動摩耗に対する処理を省略し、小型化、低コスト化を図ることができる遊星歯車減速装置を提供することにある。
本発明は、軸方向の両端が開口した筒状体をなし一方の開口が基体に取付けられるハウジングと、該ハウジングの他方の開口に取付けられモータケースの内部に油圧式または電動式のモータを収容したモータ装置と、前記ハウジング内に設けられ前記モータ装置の回転を減速する減速機構と、該減速機構によって減速された前記モータ装置の回転を出力する出力軸とを備え、前記減速機構は、前記モータ装置の回転軸にスプライン結合された太陽歯車と、該太陽歯車の外周側と前記ハウジングの内周側に設けられた内歯車とに噛合し該太陽歯車の周囲を自転しつつ公転する複数の遊星歯車と、該各遊星歯車を回転可能に支持する歯車支持軸を有するキャリアとにより構成してなる遊星歯車減速装置に適用される。
そして、本発明が採用する構成の特徴は、前記モータ装置を構成する前記モータケースには、前記ハウジングの他方の開口と対向する位置を拡開したフランジ部と、該フランジ部の内径側に位置して該フランジ部から前記ハウジングに向けて突出し前記ハウジングの他方の開口に嵌合する突出部と設けられ前記モータケースには、筒状体として形成され、前記太陽歯車に向けて突出したボスが設けられており、前記ボスの下端面は、前記太陽歯車がスラスト荷重により変位したときに、前記太陽歯車の上面と当接可能に形成されており、前記ハウジングの他方の開口の内周側には、前記モータケースの前記突出部が嵌合する拡径段部が設けられ、前記ハウジングの前記拡径段部の底面は、前記内歯車の前記モータ装置側の端面と同一面として形成され、前記ハウジングの他方の開口と前記モータケースの前記突出部との間には、前記遊星歯車が前記モータ装置側に移動したときに当接して該遊星歯車の移動を規制するスラストプレート設けられ、前記スラストプレートは、内周部位を有する円環状の板体として形成され、前記モータケースの前記突出部と前記内歯車の端面との間に装着されたことにある。
本発明によれば、遊星歯車等の軸方向への移動を規制することにより、摺動摩耗に対する処理を省略でき、遊星歯車減速装置の小型化、低コスト化を図ることができる。
本発明の第1の実施の形態による遊星歯車減速装置を備えた油圧ショベルを示す正面図である。 本発明の第1の実施の形態による遊星歯車減速装置を示す断面図である。 図2の遊星歯車減速装置の上側部位を拡大して示す要部拡大の断面図である。 減速機構を図3中の矢示IV−IV方向からみた断面図である。 減速機構とスラストプレートとを分離した状態で示す図4と同様の断面図である。 スラストプレートを単体で示す斜視図である。 スラストプレートを図6中の矢示VII−VII方向からみた断面図である。 本発明の第2の実施の形態によるモータケースを単体で示す斜視図である。 本発明の第2の実施の形態による減速機構を図4と同様位置からみた断面図である。 本発明の第3の実施の形態によるスラストプレートを図7と同様位置からみた断面図である。
以下、本発明に係る遊星歯車減速装置の実施の形態として、油圧ショベルを旋回動作させる動力源に適用した場合を例に挙げ、添付図面に従って詳細に説明する。
図1ないし図7は、本発明の第1の実施の形態を示している。図1において、建設機械の1つである油圧ショベル1は、土砂の掘削作業等に用いられる。この油圧ショベル1は、自走可能なクローラ式の下部走行体2と、該下部走行体2上に旋回可能に搭載された上部旋回体3とにより構成されている。上部旋回体3の前部側には作業装置4が俯仰動可能に設けられ、この作業装置4を用いて掘削作業等を行うものである。また、下部走行体2と上部旋回体3との間には後述の旋回輪5が設けられ、上部旋回体3は旋回輪5を介して下部走行体2上に旋回可能に支持されている。
旋回輪5は、下部走行体2と上部旋回体3との間に配置されている。この旋回輪5は、図2に示すように、下部走行体2の支持筒体2A上に固定された内輪5Aと、上部旋回体3の基体となる旋回フレーム3Aの下面側に固定された外輪5Bと、内輪5Aと外輪5Bとの間に設けられた多数の鋼球5C(1個のみ図示)とにより構成されている。また、内輪5Aの内周側には、全周に亘って内歯車5Dが形成されている。そして、後述の遊星歯車減速装置11が作動して旋回フレーム3Aに固定された外輪5Bが内輪5Aの周囲を回転することにより、上部旋回体3が下部走行体2上で旋回動作を行う構成となっている。
次に、本実施の形態による遊星歯車減速装置11について説明する。この遊星歯車減速装置11は、下部走行体2上で上部旋回体3を旋回動作させる旋回モータとして用いられるものである。
遊星歯車減速装置11は、下部走行体2と上部旋回体3との間に設けられ、旋回輪5を介して下部走行体2上に支持された上部旋回体3を旋回動作させるものである。この遊星歯車減速装置11は、後述するハウジング12、モータ装置15、減速機構22,28および出力軸30により構成されている。
ハウジング12は、上部旋回体3の旋回フレーム3A上に配設されている。このハウジング12は、旋回フレーム3Aの上面側に取付けられた下側ハウジング13と、該下側ハウジング13の上端側に取付けられた上側ハウジング14とにより、軸方向の両端が開口した筒状体として形成されている。
下側ハウジング13の下端側は、軸方向下向きに開口する一方の開口13Aとなり、該開口13Aには大径な環状のフランジ部13Bが設けられている。このフランジ部13Bは、ボルト13Cを用いて基体としての旋回フレーム3Aに取付けられている。
上側ハウジング14の上端側は、軸方向上向きに開口する他方の開口14Aとなり、図3に示すように、該開口14A側の端面14A1は、後述のモータケース16を形成するフランジ部16Aの当接面16A1に当接する。また、開口14Aの内径側には、上側ハウジング14の内周面を後述する内歯車14Cの歯底よりも拡径することにより、後述の突出部16Bが嵌合する拡径段部14Bが設けられている。この拡径段部14Bの高さ寸法(開口14Aの端面14A1と拡径段部14Bの底面14B1との間の寸法)は、後述のモータケース16の突出部16Bの高さ寸法と後述のスラストプレート29の板厚寸法とを足した程度の寸法となっている。
また、上側ハウジング14の内周側には、拡径段部14Bの下側に位置して、上,下方向に延びる内歯車14Cが全周に亘って形成されている。内歯車14Cの上側(モータ装置15側)の端面14C1は、拡径段部14Bの底面14B1と同一面をなし、底面14B1と端面14C1との同一面上には後述のスラストプレート29が載置されている。ここで、上側ハウジング14の上端側には、後述するモータケース16がボルト16Eを用いて取付けられ、上側ハウジング14の下端側はボルト14Dを用いて下側ハウジング13の上端側に取付けられている。
モータ装置15は、上側ハウジング14の上端側の開口14Aに取付けられている。このモータ装置15は、例えば、モータケース16内に油圧式のモータ(図示せず)を収容している。即ち、モータ装置15は、モータケース16、油圧式のモータおよび回転軸20を含んで構成されている。モータ装置15は、後述の減速機構22,28を介して出力軸30を回転駆動するものである。
モータケース16は、モータ装置15の外殻をなし、その内部にモータを収容している。このモータケース16には、後述のフランジ部16A、突出部16B、底部16Cおよびボス16Dが設けられている。
モータケース16のフランジ部16Aは、上側ハウジング14の開口14Aと対向する下側位置を拡径して形成されている。フランジ部16Aの下面をなす当接面16A1は、開口14Aの端面14A1と当接し、この状態でボルト16Eを用いて上側ハウジング14の開口14Aに締結されている。
突出部16Bは、フランジ部16Aの内径側に位置して、該フランジ部16A(当接面16A1)から上側ハウジング14に向けて下側に突出する円筒状の筒状体として形成されている。この突出部16Bは、モータケース16を上側ハウジング14上に取付ける際に、上側ハウジング14の開口14Aに設けられた拡径段部14Bに嵌合することにより、上側ハウジング14とモータケース16とを同一軸線上に位置決めするものである。
モータケース16の底部16Cは、フランジ部16Aから縮径して形成され、これにより、モータケース16の下側を閉塞している。ボス16Dは、底部16Cの内径側に設けられた筒状体として形成され、後述の太陽歯車23に向けて下向きに突出している。このボス16Dは、その内周側に軸受17、シール部材18等を収容するものである。ここで、ボス16Dのうち、太陽歯車23と当接可能な下端面16D1は、太陽歯車23の上面23Bと隙間をもって対面する平坦面として形成されている。そして、ボス16Dの下端面16D1は、スラスト荷重により太陽歯車23が上方に向けて移動(変位)したときに、太陽歯車23の上面23Bと当接(摺動)する構成となっている。
軸受17は、ボス16D内で後述の回転軸20を回転可能に支持するもので、回転軸20に対し圧入状態で取付けられている。シール部材18は、軸受17の下側に位置してボス16D内に挿嵌されている。さらに、シール部材18の内側には、該シール部材18と液密に摺接するカラー19が回転軸20に対し圧入状態で取付けられている。
回転軸20は、モータケース16内でモータに接続され、下側がボス16Dから下方に向けて突出している。この回転軸20の突出端は、雄スプライン20Aとなって後述する1段目の減速機構22の太陽歯車23に連結されている。回転軸20は、軸受17等によってモータケース16内に回転可能に支持されている。
次に、モータ装置15の回転を、例えば2段階で減速するために設けられた減速機21の構成について説明する。
減速機21は、上側ハウジング14内に配置され、上段に位置する1段目の減速機構22と、次段となる下段に位置する2段目の減速機構28とにより構成されている。この減速機21は、モータ装置15の回転を減速して出力軸30に出力するものである。
1段目の減速機構22は、モータ装置15の下側に位置して上側ハウジング14内に配設されている。この1段目の減速機構22は、モータ装置15(回転軸20)の回転を減速して2段目の減速機構28に伝達するものである。そして、減速機構22は、後述する太陽歯車23、遊星歯車24、キャリア25を含んで構成されている。
太陽歯車23は、図3に示すように、モータ装置15の回転軸20に取付けられた平歯車として形成されている。この太陽歯車23は中心位置が雌スプライン23Aとなり、該雌スプライン23Aには回転軸20の雄スプライン20Aが結合される。太陽歯車23の上面23Bは、モータケース16のボス16Dと隙間をもって対面している。また、太陽歯車23は、下面23Cが後述のキャリア25のプレート25E上に配置され、この高さ位置で周囲の歯23Dが後述する遊星歯車24の歯24Dに効率よく噛合する。
遊星歯車24は、太陽歯車23と上側ハウジング14の内歯車14Cとの間に複数個、例えば3個配置され、太陽歯車23と内歯車14Cとに噛合している。この各遊星歯車24には、中心位置に軸孔24Aを有し、該軸孔24Aには後述の軸受27を介して歯車支持軸26が回転可能に挿着されている。各遊星歯車24は、上面24Bと下面24Cとを有し、上面24Bは、後述のスラストプレート29と当接可能となるようにスラスト方向で対面している。そして、各遊星歯車24は、周囲の歯24Dが太陽歯車23、内歯車14Cに噛合している。これにより、各遊星歯車24は、太陽歯車23と内歯車14Cとの間で、太陽歯車23の周囲を自転しつつ公転する。
キャリア25は、太陽歯車23の外周側を取囲むように設けられ、各遊星歯車24を回転可能に支持するものである。このキャリア25は、図3、図4に示すように、円環状の上板25A、下板25Bおよび上板25Aと下板25Bとを連結する連結部25Cにより構成されている。下板25Bの内径側には雌スプライン25Dが設けられ、該雌スプライン25Dは後述する2段目の太陽歯車28Aに連結されている。さらに、下板25Bの内径側には、雌スプライン25Dの上側に位置してプレート25Eが設けられ、該プレート25E上には太陽歯車23の下面23Cが対面している。キャリア25は、3個の遊星歯車24を歯車支持軸26、軸受27を介して回転可能に支持している。
2段目の減速機構28は、1段目の減速機構22の下側に位置して上側ハウジング14内に配設され、1段目の減速機構22の回転を減速して後述する出力軸30に伝達するものである。この減速機構28は、1段目の減速機構22のキャリア25にスプライン結合された太陽歯車28Aと、該太陽歯車28Aと上側ハウジング14の内歯車14Cとに噛合し、太陽歯車28Aの周囲を自転しつつ公転する複数の遊星歯車28B(1個のみ図示)と、該各遊星歯車28Bを回転可能に支持するキャリア28Cとにより構成されている。そして、減速機構28のキャリア28Cは、出力軸30の上端側に設けられた雄スプライン30Aにスプライン結合されている。
次に、本発明の特徴部分であるスラストプレート29の構成、作用効果等について述べる。
スラストプレート29は、ハウジング12の他方の開口となる上側ハウジング14の開口14Aとモータケース16の突出部16Bとの間に設けられている。詳しくは、スラストプレート29は、その外周部位29A側が開口14Aの一部をなす拡径段部14Bの底面14B1および内歯車14Cの端面14C1と突出部16Bの先端面との間に挟まれるように配置されている。これにより、スラストプレート29は、突出部16Bによって拡径段部14Bの底面14B1と内歯車14Cの端面14C1とに押付けられて固定されている。
図5ないし図7に示すように、このスラストプレート29は円環状の板体として形成され、その外径寸法は、拡径段部14Bの内径寸法よりも僅かに小さな寸法に設定されている。一方、スラストプレート29の内径寸法は、拡径段部14B内に装着された状態で、キャリア25との干渉を回避しつつ、内周部位29B側が遊星歯車24の上面24Bに達する寸法に設定されている。これにより、スラストプレート29は、各遊星歯車24が拡径段部14Bの底面14B1、内歯車14Cの端面14C1を超えて上側に移動しようとしたときに、その下面29Cを各遊星歯車24の歯24Dを含む上面24Bに当接させることができる。
スラストプレート29の内径側(内周部位29B側)は、遊星歯車24と当接する部位であり、この内周部位29B側は、遊星歯車24と反対側に反らせるように折曲げることにより、下面29C側が逃げ面29Dとなっている。この逃げ面29Dを形成するための折曲げ角度は、5°〜45°、好ましくは30°程度に設定されている。逃げ面29Dは、スラストプレート29と各遊星歯車24との端面同士のエッヂ同士の接触による異常摩耗、かじり等を防止するものである。
ここで、スラストプレート29は、外周部位29Aが上側ハウジング14の拡径段部14B内に配置される。この状態で、モータケース16の突出部16Bを拡径段部14Bに挿入し、フランジ部16Aを上側ハウジング14の開口14Aにボルト止めする。これにより、スラストプレート29は、拡径段部14Bの底面14B1および内歯車14Cの端面14C1と突出部16Bの先端面との間に挟んで固定することができる。この状態では、スラストプレート29は、スラスト荷重により各遊星歯車24がモータ装置15側に移動したときに当接し、各遊星歯車24の移動を規制することができる。
出力軸30は、図2に示すように、ハウジング12内の軸中心位置を上,下方向に延びて配置され、下側ハウジング13内に上側軸受31、下側軸受32を介して回転可能に支持されている。この出力軸30は、減速機21によって減速されたモータ装置15の回転を出力するものである。ここで、出力軸30の上部側は雄スプライン30Aとなり、該雄スプライン30Aは、2段目の減速機構28のキャリア28Cにスプライン結合されている。
一方、出力軸30の下部側にはピニオン30Bが一体に設けられ、該ピニオン30Bは、下側ハウジング13の下端部から下方に突出し、旋回輪5の内輪5Aに設けられた内歯車5Dに噛合している。
第1の実施の形態による遊星歯車減速装置11は上述の如き構成を有するもので、モータ装置15に作動油が供給されて回転軸20が回転すると、この回転軸20の回転が、減速機21の1段目の減速機構22、2段目の減速機構28によって2段階で減速されて出力軸30に伝わり、ピニオン30Bは大きな回転力(トルク)をもって回転する。そして、ピニオン30Bが、旋回輪5の内輪5Aに設けた内歯車5Dに噛合しつつ内輪5Aに沿って公転し、このピニオン30Bの公転力が旋回フレーム3Aに伝わることにより、上部旋回体3が下部走行体2上で旋回動作を行う。
各減速機構22,28では、各歯車23,24,28A,28Bを支持する軸が荷重によって倒れたり、各歯車23,24,28A,28Bの加工精度にばらつきがあると、該各歯車23,24,28A,28Bが傾きを生じる場合がある。このように、各歯車23,24,28A,28Bが傾きを生じた場合、各歯車23,24,28A,28B間に発生する接線荷重の方向が変化し、傾いた接線荷重の分力としてスラスト荷重が発生する。このスラスト荷重は、各歯車23,24,28A,28Bを軸方向に移動させるように作用するから、噛み合う各歯車23,24,28A,28B間で軸方向のずれ(浮き上がり)が発生して適正な噛み合い歯幅を保持できなくなる。このため、各歯車23,24,28A,28B間では、歯面の面圧が上がり、寿命が低下する傾向がある。
この場合の対策としては、モータ装置15のモータケース16を形成するボス16Dを、モータ装置15側(上側)に移動してくる太陽歯車23の上面23Bに当接させることにより、この太陽歯車23、キャリア25等の上方向への移動を規制することができる。しかし、モータケース16のボス16Dだけで各減速機構22,28のスラスト荷重を受けた場合、ボス16Dの磨耗を許容値内に収めることが難しく、ボス16Dや太陽歯車23が損傷や異常摩耗を生じる虞がある。
然るに、本実施の形態では、モータ装置15を構成するモータケース16には、ハウジング12の他方の開口をなす上側ハウジング14の開口14Aと対向する位置を拡開したフランジ部16Aと、該フランジ部16Aの内径側に位置して該フランジ部16Aからハウジング12に向けて突出しハウジング12の他方の開口14Aに嵌合する突出部16Bとを設ける構成としている。また、上側ハウジング14の開口14Aとモータケース16の突出部16Bとの間には、各遊星歯車24がモータ装置15側(上側)に移動したときに当接して該各遊星歯車24のスラスト方向への移動を規制するスラストプレート29を設ける構成としている。
これにより、スラストプレート29は、各遊星歯車24がスラスト荷重により、拡径段部14Bの底面14B1、内歯車14Cの端面14C1を超えて上側に移動するのを規制することができる。従って、各減速機構22,28のスラスト荷重は、モータケース16のボス16Dとスラストプレート29とに分けて受け止めることができる。この結果、モータケース16のボス16Dは、摺動摩耗を防止するための工夫、例えば、摺動面積の拡大や摺動部への熱処理を行う必要がなくなるから、遊星歯車減速装置11の小型化を図ることができ、製造コストを低減することができる。
また、スラストプレート29の内周部位29B側には、各遊星歯車24と反対側に折り曲げることにより逃げ面29Dを形成している。これにより、スラストプレート29は、各遊星歯車24の上面24Bに対し、円滑に接することができ、摺動部分の損傷や異常摩耗を防止することができる。
さらに、上側ハウジング14の開口14Aには、モータケース16の突出部16Bが嵌合する拡径段部14Bを設け、上側ハウジング14の拡径段部14Bの底面14B1は、内歯車14Cのモータ装置15側の端面14C1と同一面として形成し、内歯車14Cの端面14C1にスラストプレート29を押付けて固定する構成としている。これにより、スラストプレート29を固定するためのボルト、ピン等を用いずに、スラストプレート29を上側ハウジング14の開口14Aとモータケース16の突出部16Bとの間に固定することができる。この結果、スラストプレート29を遊星歯車減速装置11に組付ける作業性を向上でき、また部品点数を少なくして製造コストを低減することができる。
次に、図8、図9は本発明の第2の実施の形態を示している。第2の実施の形態の特徴は、モータケースの突出部を、円周方向に分割された複数の突起によって構成したことにある。なお、第2の実施の形態では、上述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
図8、図9において、第2の実施の形態によるモータケース41は、第1の実施の形態によるモータケース16とほぼ同様に、フランジ部41A、突出部41B、底部41C、ボス41D、ボルト41E等により構成されている。しかし、第2の実施の形態によるモータケース41は、突出部41Bが円周方向に分割されている点で、第1の実施の形態によるモータケース16と相違している。即ち、第2の実施の形態による突出部41Bは、円形状をなすように周方向に配置された複数、例えば5枚の湾曲状の突起41B1により構成されている。これにより、突出部41Bは全体として五徳状に形成されている。
かくして、このように構成された第2の実施の形態においても、前述した第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。第2の実施の形態によれば、モータケース41の突出部41Bを円周方向に分割した突起41B1によって五徳状に形成しているから、モータケース41を軽量化することができる。
次に、図10は本発明の第3の実施の形態を示している。第3の実施の形態の特徴は、スラストプレートの内周部位の下側に、円弧状の面取りを形成する構成としたことにある。なお、第3の実施の形態では、上述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
図10において、第3の実施の形態によるスラストプレート51は、第1の実施の形態によるスラストプレート29とほぼ同様に構成され、外周部位51A、内周部位51B、下面51C、逃げ面51Dを有している。しかし、第3の実施の形態によるスラストプレート51は、内周部位51B側を折曲げることなく、下側の角隅部(エッヂ部)を円弧状に面取りすることにより、逃げ面51Dを形成している点で、第1の実施の形態によるスラストプレート29と相違している。
かくして、このように構成された第3の実施の形態においても、前述した第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。第3の実施の形態によれば、スラストプレート51は、遊星歯車24と当接する内径側で遊星歯車24と対面する角隅部を切欠いて面取り部としての逃げ面51Dを設けることができ、容易に加工することができる。
なお、上述した第1の実施の形態では、上側ハウジング14の開口14Aに拡径段部14Bを設けて、該拡径段部14Bの底面14B1と内歯車14Cの端面14C1との上にスラストプレート29を載置する構成とした。しかし、本発明はこれに限るものではなく、拡径段部を省略することにより、スラストプレートを内歯車の端面の上にのみ載置する構成としてもよい。この構成は、第2,第3の実施の形態にも同様に適用することができる。
また、上述した第1の実施の形態では、モータケース16の下端側には、太陽歯車23に向けて突出する円筒状のボス16Dを設ける構成とした。しかし、本発明はこれに限るものではなく、モータケースのボスを省略することにより、モータケースの底部の下端面に太陽歯車の上面が当接する構成としてもよい。この構成は、第2,第3の実施の形態にも同様に適用することができる。
また、上述した第1の実施の形態では、モータケース16内にモータとして油圧式のモータを収容する場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えば、モータとして電動式のモータを用いてもよい。この構成は、第2,第3の実施の形態にも同様に適用することができる。
また、上述した第1の実施の形態では、減速機21に上段の減速機構22と下段の減速機構28とを設ける場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、減速機構を1段または3段以上設ける構成としてもよい。この構成は、第2,第3の実施の形態にも同様に適用することができる。
また、上述した各実施の形態では、油圧ショベル1の遊星歯車減速装置11を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えば走行用に用いられる遊星歯車減速装置等に適用してもよい。また、油圧クレーン等の他の建設機械に設けられた遊星歯車減速装置にも広く適用することができるものである。
3A 旋回フレーム(基体)
11 遊星歯車減速装置
12 ハウジング
13 下側ハウジング
13A,14A 開口
14 上側ハウジング
14B 拡径段部
14B1 底面
14C 内歯車
14C1 端面
15 モータ装置
16,41 モータケース
16A,41A フランジ部
16B,41B 突出部
20 回転軸
22 1段目の減速機構
23 太陽歯車
24 遊星歯車
25 キャリア
26 歯車支持軸
28 2段目の減速機構
29,51 スラストプレート
30 出力軸

Claims (5)

  1. 軸方向の両端が開口した筒状体をなし一方の開口が基体に取付けられるハウジングと、該ハウジングの他方の開口に取付けられモータケースの内部に油圧式または電動式のモータを収容したモータ装置と、前記ハウジング内に設けられ前記モータ装置の回転を減速する減速機構と、該減速機構によって減速された前記モータ装置の回転を出力する出力軸とを備え、
    前記減速機構は、前記モータ装置の回転軸にスプライン結合された太陽歯車と、該太陽歯車の外周側と前記ハウジングの内周側に設けられた内歯車とに噛合し該太陽歯車の周囲を自転しつつ公転する複数の遊星歯車と、該各遊星歯車を回転可能に支持する歯車支持軸を有するキャリアとにより構成してなる遊星歯車減速装置において、
    前記モータ装置を構成する前記モータケースには、前記ハウジングの他方の開口と対向する位置を拡開したフランジ部と、該フランジ部の内径側に位置して該フランジ部から前記ハウジングに向けて突出し前記ハウジングの他方の開口に嵌合する突出部と設けられ
    前記モータケースには、筒状体として形成され、前記太陽歯車に向けて突出したボスが設けられており、
    前記ボスの下端面は、前記太陽歯車がスラスト荷重により変位したときに、前記太陽歯車の上面と当接可能に形成されており、
    前記ハウジングの他方の開口の内周側には、前記モータケースの前記突出部が嵌合する拡径段部が設けられ、
    前記ハウジングの前記拡径段部の底面は、前記内歯車の前記モータ装置側の端面と同一面として形成され、
    前記ハウジングの他方の開口と前記モータケースの前記突出部との間には、前記遊星歯車が前記モータ装置側に移動したときに当接して該遊星歯車の移動を規制するスラストプレート設けられ、
    前記スラストプレートは、内周部位を有する円環状の板体として形成され、前記モータケースの前記突出部と前記内歯車の端面との間に装着される構成としたことを特徴とする遊星歯車減速装置。
  2. 前記スラストプレートは、前記遊星歯車と当接する内径側を前記遊星歯車と反対側に折曲げる構成としてなる請求項1に記載の遊星歯車減速装置。
  3. 前記スラストプレートは、前記遊星歯車と当接する内径側で前記遊星歯車と対面する角隅部を切欠いて面取り部設けられてなる請求項1に記載の遊星歯車減速装置。
  4. 記モータケースの前記突出部により前記内歯車の端面に前記スラストプレートを押付けて固定する構成としてなる請求項1,2または3に記載の遊星歯車減速装置。
  5. 前記スラストプレートの内径寸法は、前記拡径段部内に装着された状態で、前記キャリアとの干渉を回避しつつ、前記内周部位側が前記遊星歯車の上面に達する寸法に設定されていることを特徴とする請求項1に記載の遊星歯車減速装置。
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