JP6219640B2 - 車両用バックドア - Google Patents

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Description

本発明は、車両用バックドアの改良に関する。詳しくは、本発明は、樹脂製パネルからなるドア本体を備えた車両用バックドアにおいて、車両の後面衝突時におけるパネルの飛散対策に関する。
特許文献1には、樹脂製インナーパネルと樹脂製アウターパネルとを接合してなりこれら両パネルの間に内部空間を有するドア本体を備え、このドア本体の上半部分に窓部が設けられた車両用バックドアが開示されている。このバックドアは、インナーパネルのうち、上半部分から下半部分の一部にかけて左右の両側端部に当該インナーパネルを補強する剛性部材として補強ブラケット(リインフォース)が取り付けられ、下端中央に車体に設けられたストライカに係合するラッチ装置(ロックリインフォース)が取り付けられた構造を有する。
そして、このバックドアでは、車両の後面衝突時の破損によってドア本体を構成するパネルの飛散を防止すべく、ドア本体のうち窓部よりも下側に位置するロア部の内部空間に、上端部を補強ブラケットに連結する一方、下端部をラッチ装置に連結したワイヤーがインナーパネルの外縁部に沿って架設されている。
特開2010−159037号公報
しかしながら、特許文献1のバックドアでは、ワイヤーは、その両端部が補強ブラケット及びラッチ装置を介して車体に連結されているものの、これら両端部を除いてはインナーパネルにもアウターパネルにも留まっていないし、しかも、インナーパネルの外縁部に沿って架設されている。このため、ドア本体のロア部における中央寄りの部分には、車両の後面衝突時に同部分を構成するパネルが飛散するおそれがあることから、パネルの飛散対策を施すことが望まれる。
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、車両の後面衝突時においてドア本体のロア部を構成するインナーパネル及びアウターパネルが飛散しても、このロア部に対応する箇所に大きな穴が開くことを防止できる車両用バックドアを提供することにある。
上記の目的を達成するために、この発明では、ドア本体のうちロア部の上縁部及び下縁部におけるインナーパネルとアウターパネルとの接着部を、車両の後面衝突時の衝撃による応力を吸収する弾性接着部とし、ドア本体のロア部における内部空間に延伸性を有する補強シート状物を車幅方向に広げた状態で上下方向に掛け渡して、この補強シート状物の上下両縁部を、弾性接着部又はこれに沿うアウターパネル部分でドア本体に接着するようにした。
具体的には、本発明は、樹脂製インナーパネルと樹脂製アウターパネルとを互いに対向させた状態に接合してなりこれら両パネルの間に内部空間を有するドア本体を備え、このドア本体の上半部分に窓部が設けられた車両用バックドアを対象とし、以下の解決手段を講じたものである。
すなわち、第1の発明は、インナーパネルの剛性がアウターパネルの剛性よりも高い一方、アウターパネルの靱性がインナーパネルの靱性よりも高い構成を有する。ドア本体のうち窓部よりも下側に位置するロア部の上縁部及び下縁部は、インナーパネルとアウターパネルとがゴム弾性を有する接着剤で接着された弾性接着部である。ドア本体のロア部における内部空間には、延伸性を有する繊維からなる補強シート状物が車幅方向に広げられた状態で設けられている。そして、第1の発明は、補強シート状物の上縁部及び下縁部が、アウターパネルのうち弾性接着部に沿う内部空間側の部分に接着されているか、又は、これら上縁部及び下縁部のうち、一方の縁部が弾性接着部でドア本体に接着され、他方の縁部がアウターパネルのうち弾性接着部に沿う内部空間側の部分に接着されており、補強シート状物は、上縁部と下縁部との間に、ドア本体に固定されていない部分を有することを特徴とする。
第2の発明は、第1の発明の車両用バックドアにおいて、補強シート状物が、多数の網目を有するネット状の部材である構成となっている。そして、第2の発明は、補強シート状物の上縁部及び下縁部を接着する接着剤が、インナーパネル側から当該補強シート状物を包み込みその補強シート状物の網目を通してアウターパネルに付着していることを特徴とする。
第3の発明は、第1又は第2の発明の車両用バックドアにおいて、アウターパネルのうち弾性接着部に沿う内部空間側の部分に補強シート状物の縁部を接着する接着剤が、インナーパネルのうち当該補強シート状物の縁部に対応する箇所に設けられて車幅方向に延びる押え板部でアウターパネルに押さえ付けられた構成を有する。そして、第3の発明は、押え板部が、車幅方向に互いに間隔をあけてインナーパネルに突設された複数のリブで支持されていることを特徴とする。
第1の発明によれば、ドア本体のうちロア部の上縁部及び下縁部をインナーパネルとアウターパネルとがゴム弾性を有する接着剤で設着された弾性接着部としたから、車両の後面衝突時において、その衝撃でドア本体に生じる応力がこの弾性接着部で部分的に吸収される。これによって、ドア本体のロア部を構成する両パネル、つまり剛性の高いインナーパネルだけでなく靱性の高いアウターパネルまでが飛散する事態となっても、ドア本体の弾性接着部とアウターパネルのうちこの弾性接着剤に沿う内部空間側の部分とを飛散させずにドア本体として残すことができる。そして、ドア本体のロア部における内部空間に補強シート状物を車幅方向に広げた状態で設け、この補強シート状物の上縁部及び下縁部を、ドア本体における上述した車両の後面衝突時に飛散させずに残すことができる部分、すなわち弾性接着部又はアウターパネルのうち弾性接着部に沿う内部空間側の部分に接着するようにしたので、ドア本体のロア部を構成する両パネルが飛散しても、車幅方向に広げた補強シート状物を上下に掛け渡した状態でロア部に残すことができる。この補強シート状物は、延伸性を有するので、ドア本体のロア部が大きく変形してもその変形に応じて延伸し、車両の後面衝突時の衝撃にも耐え得て裂開し難い。したがって、車両の後面衝突時においてドア本体のロア部を構成する両パネルが飛散しても、バックドアのうちロア部に対応する箇所には補強シート状物を残すことができるので、同箇所に大きな穴が開くことを防止できる。
第2の発明によれば、ネット状の部材である補強シート状物の上下両縁部を、インナーパネル側から接着剤で包み込み、この接着剤を補強シート状物の網目を通してアウターパネルに付着させることによってアウターパネルに接着するようにしたから、当該補強シート状物の上下両縁部をアウターパネルに塗布された接着剤にインナーパネル側から被せて接着する場合に比べて、アウターパネルに対する補強シート状物の接着強度を高めることができる。
第3の発明によれば、アウターパネルのうち弾性接着部に沿う内部空間側の部分に補強シート状物の縁部を接着する接着剤をインナーパネルに設けられた押え板部で押さえ付けるようにし、この押え板部を複数のリブで支持するようにしたから、アウターパネルとインナーパネルとの接合時に押え板部で接着剤になるべく均一な圧力をかけながら、アウターパネルのうち弾性接着部に沿う内部空間側の部分に補強シート状物の縁部を安定して接着することができる。なお、補強シート状物の上縁部及び下縁部のうち一方の縁部が弾性接着部でドア本体に接着されている場合にあっては、この補強シート状物の縁部もアウターパネルとインナーパネルとの接合時にインナーパネルとアウターパネルとの間に接着剤と共に挟み込んでドア本体に接着することができる。したがって、アウターパネルに対する補強シート状物の接着作業をインナーパネルとアウターパネルとの接合作業と併せて行うことができ、補強シート状物の接着作業を簡素化することができる。
図1は、本発明の実施形態1に係る車両用バックドアが取り付けられた車体後部を示す斜視図である。 図2は、本発明の実施形態1に係る車両用バックドアの分解斜視図である。 図3は、本発明の実施形態1に係るインナーパネルのアウターパネル対向側の面を示す正面図である。 図4は、図3のIV−IV線相当におけるバックドアの断面図である。 図5(a),(b)は、本発明の実施形態1に係るアウターパネルに対する補強シート状物の接着作業を示す工程図である。 図6は、本発明の実施形態1に係る車両用バックドアの後面衝突時におけるロア部に対応する箇所の様子について一例を示す断面図である。 図7は、本発明の実施形態2に係る車両用バックドアの分解斜視図である。 図8は、本発明の実施形態2に係るインナーパネルのアウターパネル対向側の面を示す正面図である。 図9は、図8のIX−IX線相当におけるバックドアの断面図である。 図10は、図8のX−X線相当におけるバックドアの断面図である。 図11(a),(b)は、本発明の実施形態2に係るアウターパネルに対する補強シート状物の接着作業を示す工程図である。 図12は、本発明の実施形態3に係る車両用バックドアの分解斜視図である。 図13は、本発明の実施形態3に係るインナーパネルのアウターパネル対向側の面を示す正面図である。 図14は、図13のXIV−XIV線相当におけるバックドアの断面図である。 図15は、本発明の実施形態2の変形例に係るバックドアの図9相当図である。
以下、本発明に係る実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、或いはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。なお、本明細書では、説明の便宜上、車両前後方向における前側を「前」、後側を「後」と称し、車幅方向における左側を「左」、右側を「右」と称し、車高方向における上側を「上」、下側を「下」と称する。
《発明の実施形態1》
図1は、この実施形態1に係る車両用バックドア1が取り付けられた車体101後部を示す斜視図である。このバックドア1は、図1に示すように、ハッチバック車の車体101の後部に設けられたバックドア開口103を開閉するためのものである。車体のバックドア開口103における左右両側の下半部分に対応する位置には、ウインカ(リヤランプ)105が設けられている。本実施形態に係るバックドア1は、これら両ウインカ105を車体101後方に露出させるために、その下半部分の左右方向における幅が下方に向かうに従って狭くなっている。
図2は、バックドア1の分解斜視図である。バックドア1は、図2に示すように、樹脂製パネルからなるドア本体3と、このドア本体3の上半部分に保持された樹脂製又はガラス製の窓パネル5とを備え、ドア本体3のうち窓パネル5の対応箇所に窓部6(図1参照)が設けられた構造を有する。ドア本体3は、車内側(前側)に位置する樹脂製インナーパネル7と、車外側(後側)に位置する樹脂製アウターパネル9とを互いに対向させた状態に接合してなり、これら両パネル7,9の間に内部空間S(後に参照する図4に示す)を有する。
インナーパネル7は、一枚物であって、例えば、ガラス繊維入りポリプロピレン(PP−GF;Polypropylene Glass Fiber)や炭素繊維入りポリプロピレン(PP−CF;Polypropylene Carbon Fiber)などの繊維補強材を含有する熱可塑性樹脂からなる。他方、
アウターパネル9は、上下に分割され、上側に位置するアウタアッパーパネル9aと下側に位置するアウタロアパネル9bとで構成されている。後に詳述するが、窓パネル5は、これらアウタアッパーパネル9a及びアウタロアパネル9bとの間に取り付けられている。
アウタアッパーパネル9a及びアウタロアパネル9bは、例えば、タルク入りポリプロピレン(PP−T;Polypropylene Talc)やこれにエチレンプロピレンジエンメチレンゴム(EPDM;Ethylene-Propylene-Diene-Monomer)を混合した樹脂からなる。そのことで、インナーパネル7の剛性はアウタアッパーパネル9a及びアウタロアパネル9bの剛性よりも高くなっている一方、アウタアッパーパネル9a及びアウタロアパネル9bの靱性はインナーパネル7の靱性よりも高くなっている。
図3は、インナーパネル7におけるアウターパネル9対向側の面、つまり車両後方側の面を示す正面図である。図4は、図3のIV−IV線相当におけるバックドア1の断面図である。インナーパネル7は、図3及び図4に示すように、アウターパネル9に対向する本体部11を有する。この本体部11のうち、上半部分は、下半部分に向かって左右方向における幅が広くなる略台形状に形成され、下半部分は、左右両側のウインカ105の外形に沿い下方に向かうに従って左右方向の幅が狭くなる形状に形成されている。
インナーパネル7における本体部11の上半部分には、左右方向に延びる窓用開口13が形成されている。窓用開口13は、インナーパネル7における本体部11の上半部分と相似形の略台形状に形成されている。インナーパネル7のうち、この窓用開口13を含む上半部分はドア本体3のアッパー部3aを構成し、この窓用開口13よりも下側に位置する部分はドア本体3のロア部3bを構成している。
また、インナーパネル7のうち本体部11の外周縁には、外側立ち壁15がアウターパネル9側に立ち上がるように全周に亘って一体に突設されている。この外側立ち壁15の突出端には、接合用の外側フランジ17が外側方に張り出すように一体に設けられている。この外側フランジ17は、外側立ち壁15の全周に亘って形成されている。
さらに、インナーパネル7のうち本体部11の窓用開口13周りには、内側立ち壁19がアウターパネル9側に立ち上がるように全周に亘って一体に突設されている。この内側立ち壁19の突出端には、接合用の内側フランジ21が窓用開口13の内方に張り出すように一体に設けられている。この内側フランジ21は、内側立ち壁19の全周に亘って形成されている。
このインナーパネル7のアウターパネル9対向側の面のうち窓用開口13よりも上側に位置する上縁部、具体的にはこの上縁部における本体部11と外側立ち壁15との間の部分には、図3に示すように、左右一対のヒンジ取付部23が車幅方向における両外側寄りに互いに間隔をあけて設けられている。これら各ヒンジ取付部23には、バックドア開口103の上縁部に中心軸を車幅方向に沿わせて固定されるヒンジ(不図示)が前方から取り付けられる。バックドア1は、これら各ヒンジを支点に上下方向に回動することでバックドア開口103を開閉可能になっている。
また、インナーパネル7のアウターパネル9対向側の面のうち窓用開口13よりも下側に位置する下半部分の車幅方向における中央部には、上下方向に互いに平行に延びる一対の中央補強リブ25が左右方向に間隔をあけて突設されている。これら各中央補強リブ25の上端は、内側立ち壁19の下縁部と一体に連結されている。また、これら各中央補強リブ25の下端は、外側立ち壁15の下縁部と一体に連結されている。
これら一対の中央補強リブ25の間には、左右方向に互いに平行に延びる一対の連結部27が上下方向に間隔をあけて突設されていて、一対の中央補強リブ25はこれら各連結部27によって連結されている。一対の中央補強リブ25及び一対の連結部27は、全体として正面視で梯子状をなしている。一対の連結部27のうち下側に位置する連結部27は、ナンバープレート照明用のライト(不図示)が取り付けられるライト取付部を構成している。
さらに、インナーパネル7のアウターパネル9対向側の面のうち一対の中央補強リブ25の左右両側に位置する部分には、サイド補強リブ29がそれぞれ突設されている。これら両方のサイド補強リブ29は、中央補強リブ25側から車幅方向における外側に向かって斜め下方に延びている。すなわち、中央補強リブ25よりも左側にあるサイド補強リブ29は左下から右上がりに直線状に延び、中央補強リブ25よりも右側にあるサイド補強リブ29は右下から左上がりに直線状に延びている。これら各サイド補強リブ29の上端は、内側立ち壁19の下縁部と一体に連結されている。また、これら各サイド補強リブ29の下縁は、外側立ち壁15の下縁部と側縁部とがなす角部LP,RPに一体に連結されている。
そして、中央補強リブ25よりも左側にあるサイド補強リブ29は、一対のヒンジ取付部23のうち右側に位置するヒンジ取付部23と外側立ち壁15の下辺部のうち左端部分がなす角部LPとを結ぶ線上に延びている。他方、中央補強リブ25よりも右側にあるサイド補強リブ29は、一対のヒンジ取付部23のうち左側に位置するヒンジ取付部23と外側立ち壁15の下辺部のうち右端部分がなす角部RPとを結ぶ線上に延びている。そのことで、バックドア1を押し上げられた姿勢から下方に回動させてバックドア開口103を開状態から閉状態にすべくドア本体3の左右下側の角部LP,RPが押し下げられたときに、ドア本体3にかかる荷重がサイド補強リブ29及び内側立ち壁19を伝ってヒンジ取付部23に作用し、ドア本体3のロア部3bの変形が抑制されるようになっている。
これら各サイド補強リブ29の基端側には、図2及び図4に示すように、複数の肉抜き孔31が形成されている。これら複数の肉抜き孔31は、サイド補強リブ29を厚さ方向に貫通し、サイド補強リブ29の長さ方向に沿って間隔をあけて設けられている。そして、各サイド補強リブ29において隣り合う肉抜き孔31の間には、比較的薄肉の脆弱部33が設けられている。この脆弱部33の厚さは、車両の後面衝突時にインナーパネル7の本体部11が変形や飛散する程の大きな衝撃を受けたときに折損する程度の厚さである。このような脆弱部33を設けることで、サイド補強リブ29に対応する部位にヒケが生じることを防がれ、インナーパネル7の外見が損なわれることが防止される。
各サイド補強リブ29の先端部35は、アウタロアパネル9b側に延びる縦壁部37(脆弱部33の延長上にある部分)と、この縦壁部37の先端からインナーパネル7の車幅方向における中央側に延びる受け面部39とからなり、L字状の縦断面形状を有している。これら縦壁部37及び受け面部39は、脆弱部33よりも厚肉に形成されていて、脆弱部33を有するサイド補強リブ29であってもインナーパネル7の断面係数を高めてその剛性を向上させるようになっている。
アウターパネル9のうちアウタアッパーパネル9aは、図2に示すように、左右に細長い帯板状に形成されていて、ドア本体3のアッパー部3aを構成している。アウタアッパーパネル9aの下縁部には、前方に凹む段差部41が車幅方向における全体に亘って設けられている。このアウタアッパーパネル9aは、インナーパネル7の窓用開口13よりも上側の部分に対向している。そして、アウタアッパーパネル9aの外周縁部は、窓用開口13の上縁部、つまり内側フランジ21の上辺部と、インナーパネル7の外周縁部、つまり外側フランジ17のうち左右両側の側辺部における上端部分及び上辺部とに接着剤45で接着されている。
他方、アウタロアパネル9bは、インナーパネル7の下半部分の形状に対応して下方に向かうに従って左右の幅が狭くなる形状に形成されていて、ドア本体3のロア部3bを構成している。アウタロアパネル9bの上縁部には、前方に凹む段差部43が車幅方向における全体に亘って設けられている。このアウタロアパネル9bは、インナーパネル7の窓用開口13よりも下側の部分に対向している。そして、アウタロアパネル9bの外周縁部は、窓用開口13の下縁部、つまり内側フランジ21の下辺部と、インナーパネル7の外周縁部、つまり外側フランジ17のうち左右両側の側辺部における下半部分及び下辺部とに接着剤45で接着されている。このアウタロアパネル9bの中央部には、ナンバープレート取付部47が前方に向かって凹むように設けられている。
窓パネル5は、インナーパネル7の上半部分のうちアウターパネル9対応箇所を除く部分と同様な略台形状に形成されている。この窓パネル5は、アウタアッパーパネル9aの下縁部にある段差部41とアウタロアパネル9bの上縁部にある段差部43との間に嵌め込まれている。そして、窓パネル5の上縁部及び下縁部は、これら両段差部41,43に後方から接着剤49で接着されている。また、窓パネル5の左右両側の側縁部は、インナーパネル7の左右両側の側端部、つまり外側フランジ17の側辺部に接着剤49で接着されている。
この窓パネル5のうち窓用開口13に対応する領域は透明な窓領域5aであって、その外側領域5bは黒色のセラミックスなどからなる隠蔽層によって隠蔽された隠蔽領域となっている。窓パネル5のうち窓領域5aは、インナーパネル7に形成された窓用開口13と共に窓部6を構成している。窓パネル5の下側中央部分には、ワイパー装置(不図示)のモータ出力軸が挿通される貫通孔51が形成されている。
上記アウタアッパーパネル9a及びアウタロアパネル9bとインナーパネル7とを接着する接着剤45は、ゴム弾性を有する接着剤、いわゆる弾性接着剤である。弾性接着剤45は、硬化するとゴム状弾性体となって、被着体からの内部圧力を分散すると共に、振動や衝撃などの外部応力を吸収するものである。そのことで、ドア本体3のうちロア部3bの上縁部及び下縁部を含めてアウタアッパーパネル9a及びアウタロアパネル9bとインナーパネル7とが接着された部分は、これら両パネル7,9a,9bが重ねられてドア本体3の中でも相対的に厚く比較的強度の高い部分である上に、これら両パネル3,9a,9bが弾性接着剤45で接着された弾性接着部53となっている。この弾性接着部53は、車両の後面衝突時において、その衝撃でドア本体3に生じる応力を部分的に吸収するようになっている。これによって、弾性接着部53及びこれに沿うアウタアッパーパネル9a部分及びアウタロアパネル9b部分は、完全に折損することが抑制され、飛散し難くなっている。また、インナーパネル7、アウタアッパーパネル9a及びアウタロアパネル9bと窓パネル5とを接着する接着剤49も弾性接着剤であり、これら両パネル5,7,9a,9bが接着された部分も弾性接着部53となっている。弾性接着剤45,49としては、ウレタン系接着剤を採用することができる。
そして、ドア本体3のロア部3bにおける内部空間Sには、長方形状の補強シート状物55が長辺を車幅方向に沿わせて同方向に広げられた状態で設けられている。補強シート状物55は、矩形や菱形、六角形などの多数の網目56を有する無結節網からなるネット状の部材であって、上記網目56の目合いは1.0mm〜20.0mm程度で、補強シート状物55に対するアウタロアパネル9bへの接着で使用される弾性接着剤45の流れ性と硬化後の接着保持強度とによって適切な大きさのものが選定される。また、補強シート状物55は、ポリエステル、ポリエチレン、ゴム又はナイロンなどの延伸性を有する繊維からなる撚糸55aを編網して形成されており、上下左右などの多方向に延伸性を有する。この補強シート状物55は、ドア本体3のロア部3bの略全域、すなわちロア部3bのうち左右両側の側端側部分及び上下両縁部を除く中央寄りの部分全体に配置されるように上縁部及び下縁部をドア本体3に留めて上下方向に掛け渡されている。
補強シート状物55の上縁部及び下縁部は、アウタロアパネル9bのうち弾性接着部53に沿う部分に接着されている。具体的には、補強シート状物55の上縁部は、アウタロアパネル9bのうちドア本体3のロア部3bの上縁部における弾性接着部53に沿う内部空間S側の部分、つまりインナーパネル7の内側フランジ21の下辺部とアウタロアパネル9bの上縁部とが接着されてなる弾性接着部53に沿うアウタロアパネル9b部分にウレタン系接着剤などの弾性接着剤57で接着されている。また、補強シート状物55の下縁部は、アウタロアパネル9bのうちドア本体3のロア部3bの下縁部における弾性接着部53に沿う内部空間S側の部分、つまりインナーパネル7の外側フランジ17の下辺部とアウタロアパネル9bの下縁部とが接着されてなる弾性接着部53に沿うアウタロアパネル9b部分にウレタン系接着剤などの弾性接着剤57で接着されている。
これら補強シート状物55の上縁部及び下縁部を接着する弾性接着剤57は、インナーパネル7側から当該補強シート状物55の縁部を包み込み網目56を通してアウタロアパネル9bに付着している。こうして、補強シート状物55の上下両縁部を構成する撚糸55aは、弾性接着剤57に埋設された状態となっている。このように補強シート状物55の上下両縁部がアウタロアパネル9bに接着されていることで、当該補強シート状物55の上下両縁部がアウタロアパネル9bに塗布された接着剤にインナーパネル7側から被せて接着されている場合に比べて、アウタロアパネル9bに対する補強シート状物55の接着強度を高めることができる。
補強シート状物55の上下両縁部を接着する弾性接着剤57のインナーパネル7側の表面には、当該補強シート状物55の縁部をアウタロアパネル9bに接着する際に用いたマスキングシート59が付着したまま残存している。また、補強シート状物55は、各サイド補強リブ29の受け面部39にもウレタン系接着剤などの弾性接着剤58で接着されている。この受け面部39に補強シート状物55を接着する弾性接着剤58は、当該受け面部39に付着されると共に、インナーパネル7側から当該補強シート状物55を部分的に包み込み網目56を通してアウタロアパネル9bに付着している。この補強シート状物55の中央部分には、ナンバープレート照明用のランプへの給電等を行う配線(不図示)を通すための開口60が形成されている。
上記構成のバックドア1を組み立てるには、まず、アウタロアパネル9bのインナーパネル7対向側の面に補強シート状物55を接着する。このアウタロアパネル9bに対する補強シート状物55の接着作業について、図5(a),(b)を参照しながら説明する。図5(a)は、弾性接着剤57の塗布工程を示す断面図である。図5(b)は、弾性接着剤57の押圧工程を示す断面図である。
アウタロアパネル9bに対する補強シート状物55の接着作業では、まず、アウタロアパネル9bのインナーパネル7対向側の面上に補強シート状物55を載置し、この補強シート状物55をアウタロアパネル9b上において所定の位置に位置合わせする。このとき、補強シート状物55の上縁部を、アウタロアパネル9bのうち同パネル9bの上縁部におけるインナーパネル7との接着予定部分の内側に沿った部分に配置させると共に、補強シート状物55の下縁部を、アウタロアパネル9bのうち同パネル9bの下縁部におけるインナーパネル7との接着予定部分の内側に沿った部分に配置させる。
次いで、アウタロアパネル9bのうち上下両縁部における接着予定部分の内側に沿った各部分、つまり補強シート状物55の上下両縁部に、図5(a)に示すように、接着装置のノズル201を走査させながらこのノズル201から弾性接着剤57を吐出させることで、当該補強シート状物55の上下両縁部を覆うように弾性接着剤57を塗布する。続いて、この弾性接着剤57を、図5(b)に示すように、マスキングシート59を介して押圧ローラ203で補強シート状物55側、つまりはアウタロアパネル9b側に押圧する。これによって、補強シート状物55のうち弾性接着剤57が塗布された部分では、弾性接着剤57が網目56に充填されると共にこの網目56を通してアウタロアパネル9bにまで行き渡り、補強シート状物55の上下両縁部を構成する撚糸55aが弾性接着剤57に埋設される。しかる後、弾性接着剤57を硬化(乾燥)させることにより、補強シート状物55の上下両縁部がアウタロアパネル9bに接着される。
次いで、このように補強シート状物55が取り付けられたアウタロアパネル9bとアウタアッパーパネル9aとを、インナーパネル7の外側フランジ17及び内側フランジ21のうちこれらアウタアッパーパネル9a及びアウタロアパネル9bと対向する部分に弾性接着剤45を塗布した後に、この弾性接着剤45を介してこれら両パネル9a,9bを外側フランジ17及び内側フランジ21に接着することにより、インナーパネル7にそれぞれ接合する。
インナーパネル7へのアウタロアパネル9bの接合作業では、補強シート状物55が取り付けられたアウタロアパネル9bのうち各サイド補強リブ29に対応する部分にも、補強シート状物55を部分的に覆うように弾性接着剤58を塗布しておく。この弾性接着剤58は、インナーパネル7とアウタロアパネル9bとの接合時に、対応するサイド補強リブ29の受け面部39で補強シート状物55ごとアウタロアパネル9bに押さえ付けられる。これによって、補強シート状物55のうち各サイド補強リブ29に対応する部分でも、当該補強シート状物55の上下両縁部と同様に、当該補強シート状物55を構成する撚糸55aが弾性接着剤58に埋設される。そのことで、補強シート状物55が弾性接着剤58で各サイド補強リブ29に部分的に接着される。
なお、上記で補強シート状物55が取り付けられたアウタロアパネル9bのうち各サイド補強リブ29に対応する部分に塗布しておくとした弾性接着剤58は、インナーパネル7の各サイド補強リブ29の受け面部39に塗布するようにしてもよい。
しかる後、インナーパネル7に接合されたアウタアッパーパネル9a及びアウタロアパネル9bの各段差部41,43と、インナーパネル7の外側フランジ17のうち窓パネル5と対向する左右両側の側辺部とに、弾性接着剤49を塗布する。そして、窓パネル5を、これら両段差部41,43の間に嵌め込んで、アウタアッパーパネル9aとアウタロアパネル9bとインナーパネル7とに弾性接着剤49を介して接着する。上記の作業を経て、図1に示すバックドア1が組み立てられる。なお、上記窓パネル5の接着作業は、予め窓パネル5側に弾性接着剤49を塗布しておき、アウタアッパーパネル9a及びアウタロアパネル9bとインナーパネル7との接着作業と併せて行うこともできる。
−実施形態1の効果−
図6は、バックドア1の後面衝突時におけるロア部3bに対応する箇所の様子について一例を示す断面図である。この実施形態1では、ドア本体3のうちロア部3bの上縁部及び下縁部がインナーパネル7とアウタロアパネル9bとを弾性接着剤45で接着した弾性接着部53であるので、車両の後面衝突時における衝撃でドア本体3に生じる応力がこの弾性接着部53で部分的に吸収される。これによって、図6に示すように、ドア本体3のロア部3bを構成する両パネル7,9b、つまり剛性の高いインナーパネル7だけでなく靱性の高いアウタロアパネル9bまでが飛散する事態となっても、ドア本体3の弾性接着部53とアウタロアパネル9bのうちこの弾性接着部53に沿う内部空間S側の部分とは飛散させずにドア本体3として残すことができる。
そして、この実施形態1では、ドア本体3のロア部3bにおける内部空間Sに補強シート状物55が車幅方向に広げた状態で設けられ、この補強シート状物55の上下両縁部が、ドア本体3において上述した車両の後面衝突時に飛散させずに残すことができる部分、すなわちアウタロアパネル9bのうち弾性接着部53に沿う内部空間S側の部分に接着されているので、ドア本体3のロア部3bを構成する両パネル7,9bが飛散しても、車幅方向に広げた補強シート状物55を上下方向に掛け渡した状態でロア部3bに残すことができる。この補強シート状物55は、延伸性を有するので、ドア本体3のロア部3bが大きく変形してもその変形に応じて延伸し、車両の後面衝突時の衝撃に耐え得て裂開し難い。
したがって、車両の後面衝突時においてドア本体3のロア部3bを構成する両パネル7,9bが飛散しても、バックドア1のうちロア部3bに対応する箇所に補強シート状物55を残すことができるので、同箇所に大きな穴が開くことを防止できる。
《発明の実施形態2》
この実施形態2に係るバックドア1は、アウタロアパネル9bに対する補強シート状物55の上縁部及び下縁部の接着構造が上記実施形態1と異なる。なお、以降の各実施形態では、アウタロアパネル9bに対する補強シート状物55の上下両縁部の接着構造が上記実施形態1と異なる他はバックドア1について上記実施形態1と同様に構成されているので、バックドア1のうち構成の異なる部分についてのみ説明し、同一の構成箇所は図1〜図6に基づく上記実施形態1の説明に譲ることにして、その詳細な説明を省略する。
図7は、この実施形態2に係るバックドア1の分解斜視図である。図8は、この実施形態2に係るインナーパネル7のアウターパネル9対向側の面を示す正面図である。図9は、図8のIX−IX線相当におけるバックドア1の断面図である。図10は、図8のX−X線相当におけるバックドア1の断面図である。
本実施形態のバックドア1では、図9に示すように、補強シート状物55の上縁部が、ドア本体3のロア部3bの上縁部における弾性接着部53でインナーパネル7とアウタロアパネル9bとの間に弾性接着剤45と共に挟み込まれてドア本体3に接着されている。この補強シート状物55の上縁部を接着する弾性接着剤45は、上記実施形態1と同様に、インナーパネル7側から当該補強シート状物55を包み込み網目56を通してアウタロアパネル9bに付着している。他方、補強シート状物55の下縁部は、アウタロアパネル9bのうちドア本体3のロア部3bの下縁部における弾性接着部53に沿う内部空間S側の部分に弾性接着剤57で接着されている。
インナーパネル7のアウターパネル9対向側の面のうち下縁部、具体的にはこの下縁部において一対の中央補強リブ25の両側に位置する部分には、図7及び図8に示すように、複数の支持リブ61が車幅方向に互いに間隔をあけて突設されている。各支持リブ61は、側面視で略台形状に形成されていて、アウタロアパネル9b側に突出すると共に上下方向に延びている。これら複数の支持リブ61は、インナーパネル7のうち補強シート状物55の下縁部に対応する箇所に設けられた押え板部としての押え板部材63を支持している。
この押え板部材63は、車幅方向に延びる鋼材であり、図9に示すように、両端部を除いてL字状の縦断面形状を有する。押え板部材63のうち断面L字状に形成された部分は、各支持リブ61の突出端に当接した後板部63aと、各支持リブ61の上端面に当接した上板部63bとで構成されている。押え板部材63の両端部は、図7及び図10に示すように、後板部63aの端から前方に延びた後に当該押え板部材63を延長するように直角に屈折して側方に延びるL字状の横断面形状を有し、そのうち側方に延びる部分が挿通孔を有する取付部63cを構成している。
また、インナーパネル7のうち上記支持リブ61の列の左右両側には、取付ボス65が1つずつ突設されている。押え板部材63は、この取付ボス65に取付部63cが挿通孔を挿通させた固定ねじ67で締結されていることにより、インナーパネル7に固定されている。そして、補強シート状物55の下縁部を接着する接着剤57は、このように複数の支持リブ61で支持された押え板部材63の後板部63aでアウタロアパネル9bに押さえ付けられている。
本実施形態のアウタロアパネル9bに対する補強シート状物55の接着作業について、図11(a),(b)を参照しながら説明する。図11(a)は、補強シート状物55への弾性接着剤57の塗布工程を示す断面図である。図11(b)は、インナーパネル7とアウタロアパネル9bとの接合工程を示す断面図である。本実施形態のアウタロアパネル9bに対する補強シート状物55の接着作業では、まず、押え板部材63の両端部にある取付部63cをインナーパネル7の取付ボス65に固定ねじ67で締結することにより、当該押え板部材63を複数の支持リブ61に支持させた状態で固定しインナーパネル7に取り付ける。
次いで、補強シート状物55をアウタロアパネル9bのインナーパネル7対向側の面に載置し、アウタロアパネル9b上において所定の位置に位置合わせする。このとき、補強シート状物55の上縁部をアウタロアパネル9bの上縁部におけるインナーパネル7との接着予定部分に配置させ、補強シート状物55の下縁部をアウタロアパネル9bの下縁部におけるインナーパネル7との接着予定部分に沿った部分に配置させる。続いて、図11(a)に示すように、補強シート状物55が載置されたアウタロアパネル9bのうちインナーパネル7との接着予定部分に補強シート状物55の上縁部を覆うように弾性接着剤45を塗布した後に、アウタロアパネル9bのうち下縁部における接着予定部分の内側に沿った部分、つまり補強シート状物55の下縁部にも弾性接着剤57を塗布する。このとき併せて、アウタロアパネル9bのうち各サイド補強リブ29に対応する部分にも、補強シート状物55を部分的に覆うように弾性接着剤58を塗布しておく。
次に、インナーパネル7の下半部分にある外側フランジ17のうち左右の両側辺部及び下辺部とそれらの周辺に位置する本体部11の一部とを、図11(b)に示すように押圧治具205でアウタロアパネル9bの左右の両側縁部及び下縁部にそれぞれ弾性接着剤45を介して押圧することで接着する。また、それと共にインナーパネル7の内側フランジ21の下辺部をアウタロアパネル9bの上縁部に補強シート状物55の上縁部ごと弾性接着剤45を介して押圧することで接着する。そのことにより、補強シート状物55の上縁部が、インナーパネル7の内側フランジ21の下辺部とアウタロアパネル9bの上縁部との間に弾性接着剤45と共に挟み込まれてドア本体3に接着される。
また、このとき、補強シート状物55の下縁部に塗布された弾性接着剤57が、押え板部材63の後板部63aで補強シート状物55を介してアウタロアパネル9bに押さえ付けられる。この押え板部材63はインナーパネル7側から複数の支持リブ61で支持されているので、弾性接着剤57には略均一な圧力がかかる。これによって、補強シート状物55の下縁部を安定してアウタロアパネル9bに接着することができる。しかる後、弾性接着剤57を硬化(乾燥)させることにより、インナーパネル7とアウタロアパネル9bとが接合されると同時に、補強シート状物55のうち上下両縁部と各サイド補強リブ29に対応する部分とがアウタロアパネル9bに接着される。
−実施形態2の効果−
この実施形態2によると、アウタロアパネル9bに対する補強シート状物55の接着作業をインナーパネル7とアウタロアパネル9bとの接合作業と併せて行うことができ、補強シート状物55の接着作業を簡素化することができる。その他については、上記実施形態1と同様の効果を得ることができる。
《発明の実施形態3》
図12は、この実施形態3に係るバックドア1の分解斜視図である。図13は、この実施形態3に係るインナーパネル7のアウターパネル9対向側の面を示す正面図である。図14は、図12のXIV−XIV線相当におけるバックドア1の断面図である。本実施形態のバックドア1では、上記実施形態2と同様に、補強シート状物55の上縁部は、ドア本体3のロア部3bの上縁部における弾性接着部53でインナーパネル7とアウタロアパネル9bとの間に弾性接着剤45と共に挟み込まれてドア本体3に接着されている。
また、本実施形態のバックドア1では、上記実施形態2における押え板部材63を備えない代わりに、図12〜図14に示すように、車幅方向に延びる細い板状の押え板部71がインナーパネル7のうち補強シート状物55の下縁部に対応する箇所に同パネル7と一体に設けられている。押え板部71は、インナーパネル7の下縁部に沿って直線状に延び、車幅方向の全体に亘って形成されている。この押え板部71の両端は、インナーパネル7の外側立ち壁15と一体に連結されている。また、押え板部71は、一対の中央補強リブ25と一体に連結されている。
押え板部71は、車幅方向に互いに間隔をあけてインナーパネル7に突設された複数の支持リブ73で支持されている。これら各支持リブ73は、側面視で略長方形状に形成されていて、アウタロアパネル9b側に突出すると共に上下方向に延びている。そして、補強シート状物55の下縁部を接着する接着剤57は、このように複数の支持リブ61で支持された押え板部材63でアウタロアパネル9bに押さえ付けられている。なお、本実施形態のバックドア1では、インナーパネル7にサイド補強リブ29が設けられてない。
本実施形態のアウタロアパネル9bに対する補強シート状物55の接着作業は、押え板部材63をインナーパネル7に取り付ける工程を除いて、上記実施形態2と同様の手順で行うことができる。
−実施形態3の効果−
この実施形態3によると、上記実施形態2と同様に、アウタロアパネル9bに対する補強シート状物55の接着作業をインナーパネル7とアウタロアパネル9bとの接合作業と併せて行うことができる上に、押え板部材63を必要としない分だけ上記実施形態2よりも補強シート状物55の接着作業をさらに簡素化できると共にバックドア1の部品点数を削減することができる。
《その他の実施形態》
上記実施形態2では、補強シート状物55の上縁部がロア部3bの上縁部における弾性接着部53でドア本体3に接着され、補強シート状物55の下縁部がアウタロアパネル9bのうちドア本体3のロア部3bの下縁部における弾性接着部53に沿う部分に接着されているとしたが、これに限らず、例えば、補強シート状物55の下縁部が、ドア本体3のロア部3bの下縁部における弾性接着部53でインナーパネル7とアウタロアパネル9bとの間に弾性接着剤45と共に挟み込まれてドア本体3に接着され、補強シート状物55の上縁部が、アウタロアパネル9bのうちドア本体3のロア部3bの上縁部における弾性接着部53に沿う内部空間S側の部分に弾性接着剤57で接着されていてもよい。
このような形態の一例を図15に示す。図15は、上記実施形態2の変形例に係るバックドア1の図9相当図である。インナーパネル7のアウターパネル9対向側の面のうち上縁部、具体的にはこの上縁部において一対の中央補強リブ25の両側に位置する部分には、図15に示す支持リブ80が車幅方向に互いに間隔をあけて複数突設されている。これら複数の支持リブ80は、各々アウタロアパネル9b側に突出すると共に上下方向に延びており、インナーパネル7のうち補強シート状物55の上縁部に対応する箇所に設けられた押え板部としての押え板部材81を支持している。
この押え板部材81は、上記実施形態2と同様な形状を有し、各支持リブ80の突出端に当接した後板部81aと、各支持リブ80の下端面に当接する下板部81bと、後板部81aの端から当該押え板部材81を延長するように側方に延びる一対の取付部(不図示)とを備え、インナーパネル7のうち上記支持リブ80の列の左右両側に突設された取付ボス(不図示)に取付部を固定ねじで締結することにより、インナーパネル7に取り付けられている。そして、この補強シート状物55の上縁部を接着する弾性接着剤57は、上記実施形態2の補強シート状物55の下縁部と同様に、押え板部材81の後板部81aでアウタロアパネル9bに押さえ付けられている。
上述した形態であっても、上記実施形態1と同様の効果を得ることができ、その上、アウタロアパネル9bに対する補強シート状物55の接着作業を簡素化することができる。
また、上記実施形態1〜3では、補強シート状物55が長方形状に形成された無結節網からなるネット状の部材である形態を例に挙げて説明したが、補強シート状物55を構成するネット状の部材は有結節網からなっていても構わない。また、補強シート状物55は、延伸性を有する繊維からなる編物や織物であってもよく、台形状などの他の形状に形成されていても構わない。この補強シート状物55としては、多方向に延伸性を有することが望ましいが、少なくとも一方向に延伸性を有するものであれば採用することができる。
また、上記実施形態1〜3では、アウターパネル9がアウタアッパーパネル9aとアウタロアパネル9bとの2つの分割体で構成されている形態を例示したが、これに限定されず、アウターパネル9は一枚物のパネルで構成されていてもよい。この場合、アウターパネル9は、例えばアウタアッパーパネル9aとアウタロアパネル9bとの間に窓用開口が形成されたミドルパネルを設けた構成を有し、これら3者を一体的に成形することで製造される。
以上説明したように、本発明は、車両用バックドアについて有用であり、特に、車両の後面衝突時においてドア本体のロア部を構成するインナーパネル及びアウターパネルが飛散しても、バックドアのうちロア部に対応する箇所に大きな穴が開くのを防止することが要望される車両用バックドアに適している。
S 内部空間
1 バックドア
3 ドア本体
3a アッパー部
3b ロア部
5 窓パネル
6 窓部
7 インナーパネル
9 アウターパネル
9a アウタアッパーパネル
9b アウタロアパネル
13 窓用開口
15 外側立ち壁
17 外側フランジ
19 内側立ち壁
21 内側フランジ
23 ヒンジ取付部
29 サイド補強リブ
31 肉抜き孔
33 脆弱部
35 サイド補強リブの先端部
37 縦壁部
39 受け面部
45,49 弾性接着剤
53 弾性接着部
55 補強シート状物
55a 撚糸
56 網目
57,58 弾性接着剤
61 支持リブ
63 押え板部材(押え板部)
71 押え板部
73 支持リブ

Claims (3)

  1. 樹脂製インナーパネル(7)と樹脂製アウターパネル(9)とを互いに対向させた状態に接合してなりこれら両パネル(7, 9)の間に内部空間(S)を有するドア本体(3)を備え、該ドア本体(3)の上半部分に窓部(6)が設けられた車両用バックドアであって、
    前記インナーパネル(7)の剛性は前記アウターパネル(9)の剛性よりも高い一方、前記アウターパネル(9)の靱性は前記インナーパネル(7)の靱性よりも高く、
    前記ドア本体(3)のうち前記窓部(6)よりも下側に位置するロア部(3b)の上縁部及び下縁部は、前記インナーパネル(7)と前記アウターパネル(9)とがゴム弾性を有する接着剤(45)で接着された弾性接着部(53)であり、
    前記ドア本体(3)のロア部(3b)における内部空間(S)には、延伸性を有する繊維からなる補強シート状物(55)が車幅方向に広げられた状態で設けられ、
    前記補強シート状物(55)の上縁部及び下縁部は、前記アウターパネル(9)のうち前記弾性接着部(53)に沿う前記内部空間(S)側の部分に接着されているか、又は、これら上縁部及び下縁部のうち、一方の縁部は前記弾性接着部(53)で前記ドア本体(3)に接着され、他方の縁部は前記アウターパネル(9)のうち前記弾性接着部(53)に沿う前記内部空間(S)側の部分に接着されており、
    前記補強シート状物(55)は、上縁部と下縁部との間に、前記ドア本体(3)に固定されていない部分を有する
    ことを特徴とする車両用バックドア。
  2. 請求項1に記載された車両用バックドアにおいて、
    前記補強シート状物(55)は、多数の網目(56)を有するネット状の部材であり、
    前記補強シート状物(55)の上縁部及び下縁部を接着する接着剤(57)は、前記インナーパネル(7)側から当該補強シート状物(55)を包み込み前記網目(56)を通して前記アウターパネル(9)に付着している
    ことを特徴とする車両用バックドア。
  3. 請求項1又は2に記載された車両用バックドアにおいて、
    前記アウターパネル(9)のうち前記弾性接着部(53)に沿う前記内部空間(S)側の部分に前記補強シート状物(55)の縁部を接着する接着剤(57)は、前記インナーパネル(7)のうち当該補強シート状物(55)の縁部に対応する箇所に設けられて車幅方向に延びる押え板部(63, 71)で前記アウターパネル(9)に押さえ付けられ、
    前記押え板部(63, 71)は、車幅方向に互いに間隔をあけて前記インナーパネル(7)に突設された複数のリブ(61, 73)で支持されている
    ことを特徴とする車両用バックドア。
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