JP6218710B2 - 作業車両 - Google Patents

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Description

本発明は、エンジン動力を駆動輪に伝達する走行用動力伝達機能と、エンジン動力を作業装置に伝達する作業用動力伝達機能とを備えたトランスミッションを有する作業車両に関する。
特許文献1には、走行用動力伝達機能と作業用動力伝達機能とを備えたトランスミッションを有する作業車両が開示されている。このトランスミッションは、エンジンからの出力が導入される中央の入力ケースと、その入力ケースの左右両側に連結された一対の車軸ケースとからなる。各車軸ケースには油圧式無段変速装置が内蔵され、HSTの変速出力により後輪が駆動される。入力ケースには、エンジン出力軸と連結される入力軸、当該入力軸からギヤセットを通じて動力を受けるクラッチ入力部とクラッチ出力部とを有する油圧PTOクラッチ、クラッチ出力軸と連結されたPTO軸、クラッチ出力部と連結されたベベルギヤを内蔵している。さらに、入力ケースの底部には、油圧回路へのオイル供給源となるオイルフィルタが配置されている。
特開2013−108525号公報(図5、図6)
入力ケースには、油圧PTOクラッチの油切れによる不具合を回避するため、油圧PTOクラッチの高さまで油が満たされる。しかしながら、このことは、クラッチプレート間での摩擦力の増加や油撹拌による油温上昇といった問題点を導く。
このことから、油圧PTOクラッチのレベルまで油を満たさなくとも、油圧PTOクラッチ及びその周辺のギヤや軸受に油が与えられるような技術が要望されている。
本発明による、エンジンを備えた作業車両は、トランスミッションケースと、前記エンジンからの動力を受けるとともに、前記トランスミッションケース内に配置された入力軸と、前記入力軸の下方で前記トランスミッションケース内に配置されている前記第PTO出力軸と、前記入力軸と同軸心で前記入力軸に設けられるとともに、前記入力軸から前記PTO出力軸への動力を入り切りする油圧PTOクラッチと、前記トランスミッションケース内における前記入力軸より下方に位置する下部空間に貯められる作動油と、前記下部空間から作動油を吸い込む油圧ポンプと、前記油圧ポンプによって吸い上げられた作動油を前記油圧PTOクラッチに供給するように前記入力軸に形成された給油路とが備えられている。
この構成によれば、油圧PTOクラッチが回転している場合には、その回転が作り出す遠心力によって、油圧PTOクラッチを設けている入力軸に形成された給油路に満たされている作動油が油圧PTOクラッチへの供給口などで漏れ出す。この漏れ出した作動油が飛散して油圧PTOクラッチやその周辺の部材に付着した作動油が潤滑油として機能する。このため、トランスミッションケース内に貯められる作動油が入力軸より下方であっても、油切れにより油圧PTOクラッチやその周辺の部材に不都合が生じることが回避される。同時に、トランスミッションケース内に貯められる作動油が入力軸より下方であることから、油圧PTOクラッチのクラッチプレート間などにおける摩擦力の増加や油撹拌による油温上昇といった問題も回避される。
本発明の好適な実施形態の1つでは、前記油圧ポンプによって吸い上げられた作動油の前記給油路への供給を許可する開放位置と前記給油路への供給を禁止する閉鎖位置とを有する制御弁が備えられ、前記給油路から分岐して作動油を前記下部空間に戻す戻り油路が設けられ、前記戻り油路に前記下部空間への作動油の流れを禁止するとともに前記戻り油路から給油路への作動油の流れを許すチェック弁が介装されている。この構成では、作動油の給油路への供給の禁止、つまり油圧PTOクラッチに作動油が供給されていない状態であっても、遠心力による負圧の発生により、戻り油路からチェック弁を通じて油圧PTOクラッチの方に流れた作動油が漏れ出して、周囲に飛散する。これにより、油圧PTOクラッチの切り状態でも入り状態でも、回転している油圧PTOクラッチ等から遠心力により周囲に作動油が漏れ出し飛散することで、潤滑油の供給が可能となる。その際に、前記チェック弁のチェック圧が、回転する入力軸及び油圧PTOクラッチの遠心力に起因する負圧によって逆流を許す圧力に設定される。これにより、飛散する作動油の供給が保証される。その結果、油圧PTOクラッチのレベルまで油を満たさなくとも、潤滑油の供給がより安定したものとなる。
本発明の好適な実施形態の1つでは、入力軸が前記油圧ポンプのポンプ軸として用いられている。この構成は、油圧ポンプのポンプ軸が入力軸と兼用されること、及び入力軸に形成された給油路と油圧ポンプとの距離が短縮されることから、油圧回路のコンパクト化に貢献する。
さらに、前記油圧PTOクラッチへの作動油の供給を制御する制御弁と前記チェック弁とユニットケースとを含む制御弁ユニットが前記トランスミッションケースの壁体に設け、前記油圧ポンプが前記ユニットケース内に形成されることで、油圧配管の簡略化される利点が得られる。
本発明では、作動油はトランスミッションの低いレベルに位置する下部空間に満たされるだけであるので、前記油圧ポンプのための吸い込みフィルタが前記下部空間に貯蔵された作動油内に沈められていると、油圧ポンプが確実に作動油を吸い込むことができて好都合である。
本発明の好適な実施形態の1つでは、前記油圧PTOクラッチのクラッチ出力軸からの動力を前記PTO出力軸に伝達する、複数変速段を有するPTO変速機構が備えられている。これにより、車両に装備される作業装置の仕様や作業状態に適切な回転数で作業装置を駆動することでき、作業効率や作業品質が向上する。
本発明の好適な実施形態の1つでは、前記入力軸から動力伝達される走行出力軸が前記入力軸より低い位置で前記トランスミッションケースに配置され、かつ車体横断方向に延びるとともに前記走行出力軸からベベルギヤを介して動力伝達される車軸伝動軸が配置されている。この構成により、車軸の地上高さより高いレベルにエンジンの下端を位置させることができる。エンジンが車軸より後方の車体後部に配置される場合には、エンジンの最低限の地上高さが車体の障害物を乗り越え限界高さを決定付ける。このため、車体の重心を下げつつ、車体後部の最低地上高さが高くなるという利点が得られる。
本発明の好適な実施形態の1つでは、前記車軸伝動軸の両端に油圧無段変速装置が配置され、前記油圧無段変速装置のポンプ軸が車軸伝動軸と同軸心に配置され、前記油圧無段変速装置のモータ軸が前記ポンプ軸の前方に配置され、前記モータ軸から動力を受ける車軸が前記ポンプ軸の後方に位置し、前記ポンプ軸と前記モータ軸と車軸と同じ高さである。この構成により、油圧無段変速装置は水平姿勢となり、モータ軸と車軸との距離を大きくとりながらも、油圧無段変速装置の高さ方向の長さを抑制することができる。
本発明の基本的な構成を説明する模式図である。 本発明の実施形態の1つであるゼロターンモアーの側面図である。 ゼロターンモアーの平面図である。 エンジンとトランスミッションとを示す左側面図である。 エンジンとトランスミッションとを示す平面図である。 入力伝動部を示す断面図である。 PTO変速機構の展開図である。 トランスミッションの内部構成を示す模式的平面図である。 トランスミッションの入力伝動部の構成を示す側面図である。
本発明による作業車両の具体的な実施形態を説明する前に、図1を用いて本発明を特徴付けている基本的な構成を説明する。
図1は、作業車両のトランスミッション4を構成する入力伝動部4cにおけるトランスミッションケース(以下単にミッションケースと称する)40内の構成を模式的に示した縦断面図である。エンジン3のクランク軸3aに連結された入力軸30がミッションケース40の上方を車体前後方向に延びている。入力軸30には油圧PTOクラッチ44が設けられており、油圧PTOクラッチ44の出力軸(クラッチ出力軸)として機能する第1軸41が入力軸30を外嵌している。PTO出力軸として機能する第2軸42が第1軸41に平行で第1軸41の下方に設けられており、ギヤセットである作業動力伝達部45によって第1軸41から第2軸42への動力伝達が行われる。また、走行出力軸として機能する第3軸43も第1軸41に平行で第1軸41の下方に設けられており、ギヤセットである走行動力伝達部47によって入力軸30から第3軸43への動力伝達が行われる。
ミッションケース40には、作動油が貯められるが、この発明では、ミッションケース40の入力軸30より下方に位置する下部空間40Sに作動油が貯められるだけでよい。下部空間40Sの底部には吸い込みフィルタ84が配置されている。
入力軸30は、入力伝動部4cにおけるミッションケース40の後壁(エンジン側)から前壁まで延び、前壁と後壁とで軸受支持されている。入力軸30の前端(前壁領域)から油圧PTOクラッチ44が設けられている箇所まで、入力軸30の内部に給油路80が軸方向に沿って形成されている。さらに、給油路80は、油圧PTOクラッチ44が設けられている箇所において、油圧PTOクラッチ44のクラッチピストンのための給油分岐路やその他の潤滑油必要領域への給油分岐路に分岐する。この給油路80や給油分岐路はそれ自体の構造はよく知られているので、図1では、模式的に点線で示されているだけである。
入力軸30が軸受けされている前壁領域には、油圧システムを構成する油圧機器ユニット8が装着されている。図1における油圧機器ユニット8の図示領域には、この油圧システムにおける油圧PTOクラッチ44への油圧回路が模式的にしめされている。この油圧回路では、油圧ポンプ8Pによって下部空間40Sから吸い込みフィルタ84を通じて吸い上げられる作動油は、油圧弁83へ向かう油路とリリーフ弁85を経て下部空間40Sに戻される戻り油路81とに分流する。油圧弁83は、切替可能な第1位置と第2位置を有し、第1位置において、油圧ポンプ8Pからの作動油が入力軸30に形成された給油路80を通じて油圧PTOクラッチ44に供給され、油圧PTOクラッチ44を入り状態にする。第2位置において油圧ポンプ8Pから油圧PTOクラッチ44への作動油供給が停止され、油圧PTOクラッチ44を切り状態にする。
油圧弁83から入力軸30に形成された給油路80までの油路の途中で、補助戻り油路81aが接続している。この補助戻り油路81aの他端は、戻り油路81のリリーフ弁85より下流側に接続されている。補助戻り油路81aには、チェック弁82が介装されている。チェック弁82は、給油路80から戻り油路81への作動油の流れを禁止し、戻り油路81から給油路80への作動油の流れを許す。油圧PTOクラッチ44に作動油が供給されていない状態においても、油圧PTOクラッチ44及び入力軸30が回転していれば、その遠心力で油圧PTOクラッチ44の周辺から作動油が漏れ出し、周辺に飛散する。この漏れ出しによる給油路80に負圧が発生すると、チェック弁82が開いて、補助戻り油路81aを通じて給油路80へ作動油が補給され、作動油の漏れ出しと飛散が続行する。つまり、チェック弁82のチェック圧は、入力軸30の回転による遠心力に起因する給油路80の負圧により、チェック弁82が開く圧力に設定されている。
第3軸43の後端領域には、車体横断方向に延びた車軸伝動軸としての分岐軸480が設けられており、ベベルギヤセットとして構成された分岐部48によって第3軸43から分岐軸480への動力伝達が行われる。分岐軸480の両端にはHST7が連結している。HST7によって変速された回転動力によって後輪12が駆動される。
次に、図面を用いて、本発明による作業車両の具体的な実施形態の1つを説明する。図2は、作業車両の一例である、ゼロターンモアーとも称される草刈機の側面図であり、図3は平面図である。図2と図3とに示されているように、草刈機は、左右一対の前輪11と回転駆動される走行車輪としての左右一対の後輪12とによって対地支持された車体10を備えている。車体10は、ベース部材として車体フレーム2を有しており、車体フレーム2は左右一対の前フレーム21と後フレーム22とからなる。前輪11と後輪12との間で、モアーユニット13がリンク機構14を介し前フレーム21から吊り下げられている。車体10の機体前後方向中央領域に運転部5が配置されている。このため、車体10の機体前後方向中央領域には座席支持体52が形成されており、座席支持体52の上面には運転座席53が設けられている。さらに座席支持体52の左右側面にはフェンダ54が形成されている。運転座席53の前方にステップ51が敷設されている。運転座席53の下方には燃料タンク15が配置されている。燃料タンク15は、左側のフェンダ54の下側に位置する左タンク部と、運転座席53の下に位置する中央部と、右側のフェンダ54の下側に位置する右タンク部とからなり、相互に連通している。
運転部5の後部にはロプス(ROPS)装置6が設けられている。ロプス装置6の後方で、車体10の後端領域に位置する、左右一対の後フレーム22の中央にはエンジン3が配置されている。エンジン3の前側にラジエータ31が配置されている。さらにラジエータ31の斜め下方にトランスミッション4が配置されている。ラジエータ31の下方を車体前後方向でトランスミッション4の入力軸30でもあるエンジン出力軸が延びている。
図4と図5とか明らかなように、トランスミッション4は、入力伝動部4cと、入力伝動部4cの左壁に連結されている左後車軸伝動部4aと、入力伝動部4cの右壁に連結されている右後車軸伝動部4bとからなる。入力伝動部4cの後部は、ラジエータ31の下方に入り込んでいる。入力伝動部4cは、入力軸30の動力を、走行用動力と作業用動力とに分配する機能を有する。左後車軸伝動部4aと右後車軸伝動部4bにはそれぞれ、独立して操作可能な静油圧式変速機構(以後単にHST7と称する)7が、無段変速機構の一例として内装されている。HST7は、入力伝動部4cからの走行用動力を、正転(前進)状態及び逆転(後進)状態で、低速から高速まで無段階に変更して、それぞれの後輪12に伝達する。これにより、左右の後輪12の両方が同じまたはほぼ同じ速度で前進方向に駆動することで直進前進が作り出され、左右の後輪12が同じまたはほぼ同じ速度で後進方向に駆動することで直進後進が作り出される。さらに、左右の後輪12の速度を互いに異ならせることで、車体10を任意の方向に旋回移動させることができ、例えば、左右の後輪12のいずれか一方を零速に近い低速にさせ、他方の後輪12を高速で前進側あるいは後進側に操作することで小回り旋回させることができる。さらに、左右の後輪12を互いに逆方向に駆動することで、車体10を左右の後輪12のほぼ中央部を旋回中心としてスピンターンさせることもできる。左右一対の前輪11は、キャスタ輪に構成されて縦軸芯周りで向きを自由に変更することができるから、左右の後輪12駆動による走行方向に応じて向きが修正されることになる。
左右の静油圧式変速機構(HST)7に対する変速操作は、図2及び図3に示されている運転座席53の両側に配置された左右一対の変速レバー51によって行われる。変速レバー51を前後中立位置に保持すると無段変速装置が中立停止状態となり、変速レバー51を中立位置から前方に操作することで前進変速が実現し、後方に操作することで後進変速が実現する。
次に、図6、図7、図8、図9を用いて、トランスミッション4の内部構造を説明する。なお、これらの図面では、説明対象部材及び説明対象に関係する部材以外の部材は省略されている。
入力伝動部4cを構成するミッションケース40の後壁40bから入り込んだ入力軸30は、ミッションケース40の前壁40aまで延びており、前壁40aと後壁40bとに軸受けされている。入力軸30の前端には油圧ポンプ8Pであるトロコイドポンプが連結されている。さらに油圧ポンプ8Pの前側には油圧システムを構成する油圧機器ユニット8が設けられている。この油圧機器ユニット8には、図1で説明された油圧回路が構築されている。油圧機器ユニット8の油圧ユニットハウジング8aは、油圧ポンプ8Pのハウジングも兼ねており、前壁40aを貫通しており、横に延びたフランジ部によって前壁40aに取り付けられている。
入力軸30には多板式の油圧PTOクラッチ44が設けられている。油圧PTOクラッチ44の入力部となる入力スリーブ44aは走行動力伝達部47を構成する走行第1ギヤ471とともに入力軸30に固定されている。油圧PTOクラッチ44の出力部となる出力スリーブ44bは軸方向に突き出したボス部を有し、このボス部がPTO伝動系の第1軸41として機能する。この第1軸41に、作業動力伝達部45を構成するPTO第1ギヤ451が外嵌固定されている。多板を押し付けてクラッチ入り状態を作り出す油圧ピストン44cが出力スリーブ44bに設けられたピストン収容室にスライド可能に装着されている。
入力軸30には、油圧機器ユニット8に接続されている給油路80が軸中心に沿って形成されている。給油路80から複数の給油分岐路80aが径方向に延びている。1つの給油分岐路80aは、出力スリーブ44bのピストン収容室と給油路80とを連通する。他の給油分岐路80aは、油圧PTOクラッチ44と入力軸30との間などの潤滑必要箇所に作動油を潤滑油として供給する。図1を用いて説明したように、入力軸30の回転時には、この潤滑必要箇所を通じて作動油が外に漏れだし、周囲に飛散する。
入力伝動部4cを構成するミッションケース40の底壁40cの近くに吸い込みフィルタ84が横置きで配置されている。入力軸30の下方で吸い込みフィルタ84の上方に配置されているPTO伝動系の第2軸42として機能するPTO出力軸が配置されている。作動油は入力軸30と第2軸42との間の高さレベルまえ貯められており、本発明ではその作動油貯蔵空間を下部空間40Sと称している。
この実施形態では、図7に示されているように、PTO伝動系の第1軸41と第2軸42との間に、高低2つの変速段を有するPTO変速機構46が設けられている。PTO変速機構46は、PTO出力軸である第2軸42とほぼ同じ高さで第2軸42と平行に延びている変速軸460を有する。高速変速段は、変速軸460に相対回転可能に設けられた第1ギヤ462と第2軸42に相対回転不能に設けられた第2ギヤ463からなる。低速変速段は、変速軸460に相対回転可能に設設けられた第3ギヤ464と第2軸42に相対回転不能に設けられた第4ギヤ465からなる。第1ギヤ462と第3ギヤ464との間には、それ自体はよく知られたかみ合いクラッチ部466が設けられており、第1ギヤ462と第3ギヤ464のいずれかを変速軸460に固定することができる。油圧PTOクラッチ44の出力軸である第1軸41のPTO第1ギヤ451から変速軸460への動力伝達は、第2軸42に相対回転可能に設けられたPTO第2ギヤ452、PTO第2ギヤ452に同軸心で固定されたPTO第3ギヤ453と、PTO第3ギヤ453とかみ合うとともに変速軸460に相対回転不能に設けられた変速入力ギヤ461とによって行われる。PTO出力軸である第2軸42は前壁40aから前方に突き出しており、モアーユニット13に動力を伝達する。
走行伝動系では、走行出力軸として機能する第3軸43が入力軸30の下方で第2軸42とほぼ同じ高さを延びている。第3軸43には、走行第1ギヤ471とかみ合う走行第2ギヤ472が相対回転不能に設けられている。第3軸43の後端には、ベベルギヤユニット(分岐部48)を構成する第1ベベルギヤ481が固定されており、車体横断方向に延びた車軸伝動軸としての分岐軸480に、第1ベベルギヤ481とかみ合う第2ベベルギヤ482が固定されている。分岐軸480の両端は、左後車軸伝動部4a及び右後車軸伝動部4b内に配置されたHST7に連結されている。
左後車軸伝動部4aと右後車軸伝動部4bとは実質的に同じ構成であるので、ここでは、図8を用いて、左後車軸伝動部4aだけを説明する。入力伝動部4cからの動力、つまり分岐軸480の動力を受けるHST7は、この実施形態では、可変容量形ポンプとして構成された油圧ポンプ71と固定容量形モータとして構成された油圧モータ72とを備えている。油圧ポンプ71のポンプ軸71aは分岐軸480の延長部でもよいが、分岐軸480と連結された個別のポンプ軸71aであってもよい。油圧モータ72のモータ軸73は、ポンプ軸71aより車体前後方向で前方に変位している。また、後輪12のための後車軸120は、ポンプ軸71aより車体前後方向で後方に変位している。モータ軸73から後車軸120への動力伝達は、モータ軸73に固定された小径ギヤ741と後車軸120に固定された大径ギヤ742とによって行われ、モータ軸73と後車軸120との間で大きな減速が行われる。このような構成により、任意に変速された回転動力がモータ軸73から出力され、さらに後車軸120に伝達され、後輪12が駆動される。この実施形態では、ポンプ軸71aとモータ軸73と後車軸120とが実質的に同じ地上高さに位置している。
〔別実施の形態〕
(1)上述した実施形態では、エンジン3が車体10の後部に配置されていたが、エンジン3が車体10の前部に配置され、トランスミッション4がエンジン3の後方に配置されてもよい。
(2)上述した実施形態では、モアーユニット13が前輪11と後輪12との間に配置されるミッドマウント式が採用されていたが、モアーユニット13が前輪11の前に配置されるフロントマウント式の採用も可能である。
(3)上述した実施形態では、前輪11がキャスタ輪で構成されたが、ステアリングホイールによって操作される操舵輪で構成してもよい。その際には、差動機構によって分岐される同一の変速装置からの出力を左右の後輪12が差動機構を介して受けることになる。
(4)上述した実施形態では、作業装置としてモアーユニット13を搭載した作業車両、つまり乗用草刈機が取り上げられた。これに代えて、作業装置として、噴霧装置、除雪装置、植付装置、収穫装置などを搭載することも可能である。
本発明は、エンジンとトランスミッションと作業装置とを備えた作業車両に適用可能である。
10 :車体
11 :前輪
12 :後輪
120 :後車軸
13 :モアーユニット
14 :リンク機構
15 :燃料タンク
2 :車体フレーム
22 :後フレーム
3 :エンジン
3a :クランク軸
30 :入力軸
31 :ラジエータ
4 :トランスミッション
4a :左後車軸伝動部
4b :右後車軸伝動部
4c :入力伝動部
40 :トランスミッションケース(ミッションケース)
40S :下部空間
40a :前壁
40b :後壁
40c :底壁
41 :第1軸
42 :第2軸(PTO出力軸)
43 :第3軸(走行出力軸)
44 :油圧PTOクラッチ
44a :入力スリーブ
44b :出力スリーブ
44c :油圧ピストン
45 :作業動力伝達部
451 :PTO第1ギヤ
452 :PTO第2ギヤ
453 :PTO第3ギヤ
46 :PTO変速機構
460 :変速軸
461 :変速入力ギヤ
462 :第1ギヤ
463 :第2ギヤ
464 :第3ギヤ
465 :第4ギヤ
466 :合いクラッチ部
47 :走行動力伝達部
471 :走行第1ギヤ
472 :走行第2ギヤ
48 :ベベルギヤユニット
48 :分岐部
480 :分岐軸(車軸伝動軸)
481 :第1ベベルギヤ
482 :第2ベベルギヤ
5 :運転部
51 :変速レバー
52 :座席支持体
53 :運転座席
54 :フェンダ
6 :ロプス装置
71 :油圧ポンプ
71a :ポンプ軸
72 :油圧モータ
73 :モータ軸
741 :小径ギヤ
742 :大径ギヤ
8 :油圧機器ユニット
8P :油圧ポンプ
8a :油圧ユニットハウジング
80 :給油路
80a :給油分岐路
81 :戻り油路
81a :補助戻り油路
82 :チェック弁
83 :油圧弁
84 :吸い込みフィルタ
85 :リリーフ弁

Claims (9)

  1. エンジンを備えた作業車両であって、
    トランスミッションケースと、
    前記エンジンからの動力を受けるとともに、前記トランスミッションケース内に配置された入力軸と、
    前記入力軸の下方で前記トランスミッションケース内に配置されているPTO出力軸と、
    前記入力軸と同軸心で前記入力軸に設けられるとともに、前記入力軸から前記PTO出力軸への動力を入り切りする油圧PTOクラッチと、
    前記トランスミッションケース内における前記入力軸より下方に位置する下部空間に貯められる作動油と、
    前記下部空間から作動油を吸い込む油圧ポンプと、
    前記油圧ポンプによって吸い上げられた作動油を前記油圧PTOクラッチに供給するように前記入力軸に形成された給油路と、
    が備えられている作業車両。
  2. 前記油圧ポンプによって吸い上げられた作動油の前記給油路への供給を許可する開放位置と前記給油路への供給を禁止する閉鎖位置とを有する制御弁が備えられ、前記給油路から分岐して作動油を前記下部空間に戻す戻り油路が設けられ、前記戻り油路に前記下部空間への作動油の流れを禁止するとともに前記戻り油路から給油路への作動油の流れを許すチェック弁が介装されている請求項1に記載の作業車両。
  3. 前記チェック弁のチェック圧は、前記入力軸の回転による遠心力に起因する負圧によって逆流を許す圧力に設定されている請求項2に記載の作業車両。
  4. 前記入力軸が前記油圧ポンプのポンプ軸として用いられている請求項1から3のいずれか一項に記載の作業車両。
  5. 前記油圧PTOクラッチへの作動油の供給を制御する制御弁と前記チェック弁とユニットケースとを含む制御弁ユニットが前記トランスミッションケースの壁体に設けられており、前記油圧ポンプは前記ユニットケース内に形成されている請求項1から4のいずれか一項に記載の作業車両。
  6. 前記油圧ポンプのための吸い込みフィルタが前記下部空間に貯蔵された作動油内に沈められている請求項1から5のいずれか一項に記載の作業車両。
  7. 前記油圧PTOクラッチのクラッチ出力軸からの動力を前記PTO出力軸に伝達する、複数変速段を有するPTO変速機構が備えられている請求項1から6のいずれか一項に記載の作業車両。
  8. 前記入力軸から動力伝達される走行出力軸が前記入力軸より低い位置で前記トランスミッションケースに配置され、かつ車体横断方向に延びるとともに前記走行出力軸からベベルギヤを介して動力伝達される車軸伝動軸が配置されている請求項1から6のいずれか一項に記載の作業車両。
  9. 前記車軸伝動軸の両端に油圧無段変速装置が配置され、前記油圧無段変速装置のポンプ軸が車軸伝動軸と同軸心に配置され、前記油圧無段変速装置のモータ軸が前記ポンプ軸の前方に配置され、前記モータ軸から動力を受ける車軸が前記ポンプ軸の後方に位置し、前記ポンプ軸と前記モータ軸と車軸と同じ高さである請求項8に記載の作業車両。
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