JP6218700B2 - 空気調和機の室内機 - Google Patents

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本発明は、空気調和機の室内機、特にフィルターが除去した塵埃を貯留するダストボックスの構造に関する。
空気調和機の室内機は、送風ファンにより吸い込んだ室内の空気を熱交換器を通過させ、室内の空気と熱交換器内を流れる冷媒との間で熱交換を行うことで空気の調和を行っている。この際、室内を浮遊する塵埃等が熱交換器に付着するのを防止するために、熱交換器の空気の吸い込み側にフィルターが設けられている。しかし、このフィルターに塵埃が付着し、目詰まりが生じて風路の抵抗が増大すると、空気調和機の空調能力が低下すると共に、消費電力が増大してしまう。
このような問題を解消するため、フィルターの自動清掃機能を備えた様々な空気調和機が提案されている。例えば、塵埃を貯留する部品であるダストボックスと、ダストボックスの上部に蓋の役目をするダストカバーとが設けられ、ダストカバーと塵埃を貯留するダストボックス本体とが、ヒンジ構造にて接続されて構成されている。さらに、ダストカバーには塵埃を除去する清掃ブラシが備えられており、清掃ブラシにより除去された塵埃は、ダストカバーの下部にあるダストボックス本体に貯留される。そして、ダストボックスを空気調和機本体から取り外した後に、ダストカバーを開くことで、貯留した塵埃を廃棄している(例えば特許文献1参照)。
特開2008−82690号公報(請求項1、第3頁)
上記の空気調和機の室内機のダストボックスは、高さを有するダストボックス本体に貯留された塵埃の内、ダストボックス本体の上部に貯留している塵埃については、ダストカバーを開き、直接ゴミ箱やゴミ袋に捨てるものである。また、ダストボックス本体の下部に溜まった塵埃は掃除機で吸い上げたり、ダストボックスをひっくり返して、塵埃を振り落とす必要がある。この際、塵埃がダストボックス本体内に残ってしまう場合や、ダストカバーを外す時に清掃ブラシに手が触れて、ユーザーが衛生的に不快感を感じてしまうという問題点があった。
本発明は、上記のような問題点を解決するためになされたもので、容易にダストボックス内の塵埃を直接廃棄することができ、手などが清掃ブラシに触れる恐れがないダストボックスを備えた空気調和機の室内機を得ることを目的とする。
本発明に係る空気調和機の室内機は、塵埃を付着するフィルターと、フィルターに付着した塵埃を掻き集めるブラシと、ブラシの軸を回転支持する軸受を備え、上面及び底面に開口部が形成され、ブラシが上面の開口部から上方へ突出したボックス本体、及びボックス本体の底面の開口部を覆い、掻き集められた塵埃を貯留するダストカバーを備えたダストボックスと、ダストボックスを固定する外郭構造部と、を備え、ダストボックスは、外郭構造部に着脱自在に取り付けられ、ダストカバーは、ヒンジを介してボックス本体に回動自在に連結しており、ヒンジは、スライド部と、回動時に折り曲がる変形部とを有し、スライド部は、先端にボックス本体の外表面に形成されたガイド部の上縁に係止するストッパー爪を有し、変形部が折り曲がることで、ダストカバーが回動し、ボックス本体の底面の開口部が露出するものである。
本発明によれば、ダストボックスのダストカバーをヒンジを介して回動させて、ボックス本体の底面の開口部を露出させることで、容易にダストボックス内の塵埃を直接廃棄することができ、さらに手などがブラシに触れる可能性を排除することができる。
本発明の実施の形態における室内機全体の分解斜視図である。 本発明の実施の形態における室内機全体の断面図である。 本発明の実施の形態におけるフィルター自動清掃機構の斜視図である。 本発明の実施の形態におけるフィルター自動清掃機構の断面図である。 本発明の実施の形態におけるダストボックス部の拡大断面図である。 本発明の実施の形態におけるダストボックスの正面斜視図及び背面斜視図である。 図6のシャフト部分の拡大図である。 本発明の実施の形態におけるフィルター自動清掃機構の一部を分解した斜視図である。 本発明の実施の形態におけるフィルター自動清掃機構の一部を分解した斜視図である。 本発明の実施の形態における分解したダストボックスの斜視図である。 本発明の実施の形態における分解したダストボックスの背面斜視図である。 本発明の実施の形態におけるダストボックスの正面斜視図及び背面斜視図である。 本発明の実施の形態におけるダストカバー回動時のダストボックスの断面図である。
実施の形態
図1〜図13は、本発明の実施の形態を示す図である。
なお、本実施の形態における冷凍サイクルは、圧縮機及び凝縮器を備えた空気調和機の室外機から、圧縮機で圧縮された高圧の冷媒が、冷媒配管及び膨張弁を介して室内機内の蒸発器(熱交換器)へ送られ、蒸発器内を流れる冷媒と室内空気との間で熱交換を行うことで構成されている。
図1は、本発明の実施の形態における室内機全体の分解斜視図である。図1に示されるように、空気調和機の室内機は、基台7、送風ファン6、熱交換器5、ドレンパン組立体4、フィルター自動清掃機構3、電気品2及び筺体1を有している。
基台7は、箱型を形成し、空気調和機の室内機の背面側に設けられている。基台7には、室内の空気を室内機内へ送風する送風ファン6、室内機内へ送風された室内空気と冷媒との間で熱交換を行う熱交換器5、ドレンパン組立体4、電気品2、意匠部品である筺体1及び後述するフィルター自動清掃機構3が取り付けられる。
図2は、本発明の実施の形態における室内機全体の断面図である。図2に示されるように、フィルター自動清掃機構3は、室内空気の吸込み口である室内機の上部に設けられている。また、上下風向調整板8は、送風ファン6より下方の室内機の下部に設けられている。熱交換器5は、フィルター自動清掃機構3と送風ファン6との間に設けられ、送風ファン6は、熱交換器5と上下風向調整板8との間に設けられている。ドレンパン組立体4は、室内の空気に含まれる水分が熱交換器5で冷却されて結露することによって発生するドレン水を受けるため、熱交換器5の下方に設けられている。
次に、室内機の動作について図2を参照しながら説明する。送風ファン6は、室内機の上面より室内空気を吸込む。吸い込まれた空気は、フィルター自動清掃機構3のフィルター9部分を通過し、熱交換器5によって熱交換がなされ冷気又は暖気にされる。そして、送風ファン6は、その冷気又は暖気を下方に設けられた上下風向調整板8へ送風し、上下風向調整板8は、その送風された空気の風向を調整する。ここで、室内機の上面から吸い込まれた空気が、フィルター自動清掃機構3のフィルター9部分を通過する際、フィルター9は、室内空気の塵埃を捕集する。フィルター9で捕集され、フィルター9に付着した塵埃の回収方法については後述する。
図3は、本発明の実施の形態におけるフィルター自動清掃機構3の斜視図である。図3に示されるように、フィルター自動清掃機構3は、主にフィルター9及びボックス本体10aとダストカバー11とから成るダストボックス10などにより構成されている。ダストボックス10は、フィルター自動清掃機構3の前面の左右に取り付けられている。
図4は、本発明の実施の形態におけるフィルター自動清掃機構3の断面図である。図4に示されるように、フィルター自動清掃機構3は、フィルター9より内側であって、かつ、ダストボックス10より上方に、軸15を備える。軸15の表面には、ギア16が軸15の中心から放射状に設けられている。軸15及びギア16の動作については後述する。
図5は、本発明の実施の形態におけるダストボックス10部の拡大断面図である。図5に示されるように、フィルター自動清掃機構3は、フィルター9、ボックス本体10a、ダストカバー11、ブラシ12及びノコギリ刃14から構成される塵埃回収部30、モータ収納部(図示せず)及び外郭構造部31(図8参照)により構成される。ボックス本体10aの上面には開口部が形成され、上面の開口部からはフィルター9に付着した塵埃を掻き集めるブラシ12が上方へ突出している。
次に、フィルター9に付着した塵埃の回収機構について、図5を参照しながら説明する。モータ収納部にあるモータ(図示せず)により軸15を回転させ、ギア16を介して軸15の回転をフィルター9に伝えることで、フィルター9は下方に回転運動する。フィルター9が下方に回転すると、フィルター9が、塵埃回収部30のブラシ12に接し、ブラシ12がフィルター9に付着した塵埃を掻き集める。
ブラシ12も、フィルター9を回転運動させるモータとは別のモータ(図示せず)により往復運動を行う。ブラシ12がモータによって往復運動をすると、ブラシ12の両側に設けられ、かつダストボックス10の上部に設けられたノコギリ刃14形状にブラシ12がぶつかり、ブラシ12によって掻き集められた塵埃が、ブラシ12からダストボックス10内部で解放され、重力により塵埃が落下する。この機構により、フィルター9に付着した塵埃がダストボックス10の底に貯留される。
図6は、本発明の実施の形態におけるダストボックス10の正面斜視図及び背面斜視図である。図6に示されるように、ボックス本体10aの側面にはブラシ12の軸を回転支持する軸受17が形成されている。また、右側のダストボックス10は、右端にシャフト13を有している。同様に、左側のダストボックス10は、左端にシャフト13を有している。ダストボックス10は、シャフト13によってフィルター自動清掃機構3の外郭構造部31(図8参照)に固定されている。
図7は、図6のシャフト13部分の拡大図である。図7に示されるように、ダストボックス10は、外郭構造部31に挿入されているシャフト13を抜くことで取り外すことができるため、フィルター自動清掃機構3に対して着脱可能となっている。
図8及び図9は、本発明の実施の形態におけるフィルター自動清掃機構3の一部を分解した斜視図である。図8及び図9に示されるように、ダストボックス10は、外郭構造部31に挿入されているシャフト13を抜くことで、フィルター自動清掃機構3から取り外すことが可能である。ダストボックス10の底部に貯留された塵埃の廃棄は、ダストボックス10をフィルター自動清掃機構3から取り外した状態で行う。
図10は、本発明の実施の形態における分解したダストボックス10の斜視図である。図10に示されるように、ボックス本体10aの底面には開口部26が形成されているが、ボックス本体10aの底面の閉塞時には、ボックス本体10aの底面の開口部26を覆うようにダストカバー11が底蓋体となって取り付けられる。ダストカバー11は、外縁部の前面側、背面側、右側面側及び左側面側の全周にフランジ21を立設している。そして、ダストカバー11によってボックス本体10aの底面の開口部26が閉塞される時には、フランジ21が、ボックス本体10aの外周縁を覆うようにして配置される。そのため、塵埃がボックス本体10aとダストカバー11との隙間から出ずに確実にダストボックス10内に保持することができる。
図11は、本発明の実施の形態における分解したダストボックス10の背面斜視図である。図11に示されるようにダストカバー11は、背面側のフランジ21の左右両端にヒンジ18を備えている。ヒンジ18は、中央にスライド部22を有し、スライド部22の一端の先端部分にはストッパー爪24を備え、ダストカバー11側の他端には、折れ曲がりやすく形成された変形部25を備える。変形部25は、例えば他の部位より薄肉に形成されていることで、折れ曲がりやすくなっている。また、ボックス本体10aには、背面の左右両端の外表面にヒンジ18を挿入するガイド部23が形成されている。
図12は、本発明の実施の形態におけるダストボックス10の正面斜視図及び背面斜視図である。図12に示されるように、ガイド部23にヒンジ18が挿入され、ストッパー爪24が、ガイド部23の上縁に係止されることで、上下方向にスライド可能なスライド部22の移動が制限される。このように、ボックス本体10aとダストカバー11とは、ヒンジ18及びガイド部23を介することで、連結されることとなる。ダストカバー11は、ヒンジ18の変形部25が折れ曲がり、変形部25が支点となることで回動自在となる。また、ダストカバー11の前面側においては、ボックス本体10aの突起19が、ダストカバー11の固定部20に挿入されることで、回動自在なダストカバー11がボックス本体10aに固定されている。
図13は、本発明の実施の形態におけるダストカバー11回動時のダストボックス10の断面図である。ダストボックス10の底部に貯留された塵埃の廃棄方法について、図13を参照しながら説明する。ボックス本体10a前面の突起19からダストカバー11の固定部20を取り外すと、ダストカバー11がヒンジ18の変形部25を支点に回動自在となる。ダストカバー11は底蓋体であるため、ダストカバー11を回動するだけで、ダストボックス10の底に貯留した塵埃の廃棄ができる。さらに、ヒンジ18は、変形部25を支点に折れ曲げることが可能であるため、ボックス本体10aの底面の開口部26を露出することができる。そのため、容易に塵埃の廃棄を行うことができる。このように、ブラシ12が突出しているダストボックス10本体をひっくり返したり回転させたりせず、向きを固定したままで塵埃の廃棄を行うことができるため、ブラシ12に手が触れる可能性を排除することができる。
以上のように、ボックス本体10aの底蓋体であるダストカバー11にヒンジ18形状を設けたことにより、ダストボックス10のダストカバー11を回動させて、ボックス本体10aの底面の開口部26を露出させることで、容易にダストボックス内の塵埃を直接廃棄することができる。さらに、ダストカバー11の回動のみにより塵埃の廃棄ができ、ダストボックス10本体をひっくり返したり回転させたりせずに塵埃の廃棄を行うことができるため、手などがブラシ12に触れる恐れがないダストボックス10を備えた空気調和機の室内機を得ることができる。
なお、本実施の形態において、ダストボックス10をフィルター自動清掃機構3に2つ取り付けた例を示しているが、本発明はこれに限定されず、ダストボックス10をフィルター自動清掃機構3に1つ又は3つ以上取り付けても良い。
また、本実施の形態において、ヒンジ18をダストカバー11の背面側に設けているが、本発明はこれに限定されず、ヒンジ18をダストカバー11の前面側に設けても良い。
また、本実施の形態において、ボックス本体10aの突起19をボックス本体10aの前面側に設け、ダストカバー11の固定部20をダストカバー11の前面側に設けているが、本発明はこれに限定されず、それぞれの背面側に設けても良い。
1 筺体、2 電気品、3 フィルター自動清掃機構、4 ドレンパン組立体、5 熱交換器、6 送風ファン、7 基台、8 上下風向調整板、9 フィルター、10 ダストボックス、10a ボックス本体、11 ダストカバー、12 ブラシ、13 シャフト、14 ノコギリ刃、15 軸、16 ギア、17 軸受、18 ヒンジ、19 突起、20 固定部、21 フランジ、22 スライド部、23 ガイド部、24 ストッパー爪、25 変形部、26 開口部、30 塵埃回収部、31 外郭構造部。

Claims (2)

  1. 塵埃を付着するフィルターと、
    前記フィルターに付着した前記塵埃を掻き集めるブラシと、
    前記ブラシの軸を回転支持する軸受を備え、上面及び底面に開口部が形成され、前記ブラシが前記上面の開口部から上方へ突出したボックス本体、及び前記ボックス本体の前記底面の開口部を覆い、前記掻き集められた塵埃を貯留するダストカバーを備えたダストボックスと、
    前記ダストボックスを固定する外郭構造部と、
    を備え、
    前記ダストボックスは、前記外郭構造部に着脱自在に取り付けられ、前記ダストカバーは、ヒンジを介して前記ボックス本体に回動自在に連結しており、
    前記ヒンジは、スライド部と、回動時に折り曲がる変形部とを有し、
    前記スライド部は、先端に前記ボックス本体の外表面に形成されたガイド部の上縁に係止するストッパー爪を有し、
    前記変形部が折り曲がることで、前記ダストカバーが回動し、前記ボックス本体の前記底面の開口部が露出する
    ことを特徴とする空気調和機の室内機。
  2. 前記ダストカバーは、外縁部の全周に立設されたフランジを有し、前記ダストカバーによって前記ボックス本体の前記底面の開口部が閉塞される時には、前記フランジが前記ボックス本体の外周縁を覆うようにして前記ボックス本体の前記底面の開口部を閉塞する
    ことを特徴とする請求項1に記載の空気調和機の室内機。
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