JP5062115B2 - 空気調和装置の室内機 - Google Patents
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Description
図1は、本発明の一実施形態に係る室内機を含む空気調和装置の全体構成を示す概略図である。空気調和装置1は、室内の壁に取り付けられる室内機2と、室外に設置される室外機3とを備えている。室内機2と室外機3とは、冷媒配管、加湿ホース、伝送線及び通信線などを集合した集合連絡管4によって接続されている。熱交換の面から空気調和装置1を見ると、例えば、室内機2の室内側熱交換器(冷房時は蒸発器/暖房時は凝縮器)及び、室外機3の圧縮機と室外側熱交換器(冷房時は凝縮器/暖房時は蒸発器)と膨張弁などが、集合連絡管4の中を通る冷媒配管で連結されて冷媒回路を構成している。一方、制御の面から空気調和装置1を見ると、リモートコントローラなどの制御端末から指令を受けて室内機2のファンモータなどの室内側機器を制御するための電装品箱が室内機2に設けられ、室外機3のファンモータなどの室外側機器を制御するための電装品箱が室外機3に設けられている。そして、室内機2の電装品箱と室外機3の電装品箱とが集合連絡管4の中を通る伝送線で接続されている。
(室内機の正面構成)
図2は、本発明の一実施形態に係る空気調和装置の室内機の正面図である。室内機2は、本体ケーシング5の上部に吸込口6、下部に吹出口7を備え、前面が前面パネル8で覆われている。そのため、前面から室内空気の吸い込みは行われず、室内機2はもっぱら本体ケーシング5の上部から室内空気の吸い込みを行っており、室内空気の循環は室内機2の天面5aの側から室内機2の底面5cの側に向けて行われる。吹出口7には、運転停止時に閉じ、運転時に開く、2枚の風向調節羽根9が設けられている。この風向調節羽根9によって室内機2の上下方向の風向きを調節している。図2は、運転停止状態を示しており、吹出口7の開口部が風向調節羽根9で閉じられている状態を示している。なお、前面パネル8は、パネル上部8a近傍の支点を中心に回動自在に本体ケーシング5に取り付けられている。
次に、図5から図7を用いて本体ケーシングの前面グリルについて説明する。図5は本体ケーシングの一部を構成する前面グリルの正面図、図6は前面グリルの平面図及び、図7は前面グリルの側面図である。既に説明したように、本体ケーシング5の前面5bには、前面パネル8が取り付けられる。前面グリル12の前部には、エアフィルタ(後述)等のメンテナンスをするための2つの開口部19a,19bがある。前面グリル12の前部から一段背面側に下がったところにストライプ状の凹凸が並ぶ装飾部25が形成されているので、前面グリル12に前面パネル8が取り付けられても、開口部19a,19bの上部は前面パネル8によって塞がれず、開口部19a,19bの上部が副吸込口6bとなる。前面グリル12の天面5aには、主吸込口6aが形成されている。副吸込口6bは、主吸込口6aに比べると一段下方に下がった位置に形成されているが、室内機2の上方に向かって設けられており、機能的には副吸込口6bも主吸込口6aと同等であって、天面5aに設けられているものということができる。なお、本発明において天面に設けられている吸込口とは後述する送風ファン(クロスフローファン)の上端より上の面に設けられているものをいうが、以上説明したように、開口部が天井に向かって開いている吸込口6a,6bのようなものが好ましい。
図8は、図2のA−A線における室内機の断面の概略を示す図であり、図9は、図2のB−B線における室内機の断面の概略を示す図である。図8及び図9に示すように、本体ケーシング5の天面5aの主吸込口6a及び副吸込口6bの下流側には、主吸込口6a及び副吸込口6bの全面に対向して2枚のエアフィルタ35a,35bが配置されている。図8に示すエアフィルタ35aが本体ケーシング5の幅方向の左半分を分担し、図9に示すエアフィルタ35bが本体ケーシング5の幅方向の右半分を分担している。エアフィルタ35a,35bのさらに下流側には室内側熱交換器36が配置されている。吸込口6を通過して室内側熱交換器36に到達する室内空気は全てエアフィルタ35a,35bを通過して塵埃の除去を受ける。
次に、図8を用いて、吸込口と舌部との位置関係を説明する。縦断面視において、舌部42の上面42aのうち吸込口6に最も近いところと、吸込口6のうちもっとも前面に近くかつ最も下方にあるところとを直線で結ぶ。この結ばれた直線を符号L1で示すとすると、この直線L1より前方の領域は比較的室内空気の風量が少なく、直線L1より前方に存在する空気が室内機2の空気調和に寄与する割合が小さくなっている。そのため、直線L1より前方に配置されている部材は、空気調和を妨げ難いということになる。フィルタ清掃部材14は、この直線L1よりも前方にあるため、通風抵抗の増加に寄与しない。同様に、清掃機構駆動部15cのフィルタ駆動用ローラ52bも直線L1よりも前方にあるため空気調和の妨げとなることはない。
ここでは、図8及び図9に示したフィルタ清掃機構15について説明する。図10がフィルタ清掃機構の正面図、図11がフィルタ清掃機構の左側面図、及び図12がフィルタ清掃機構の底面図である。また、フィルタ清掃機構の清掃機構駆動部とエアフィルタの関係を図13に示す。
図14はフィルタ清掃部材の分解図、図15(a)はフィルタ清掃部材の正面図、図15(b)はフィルタ清掃部材の平面図、並びに図16(a)、図16(b)、図16(c)、図16(d)及び図16(e)はそれぞれ図15(b)におけるE−E線、F−F線、G−G線、H−H線及びI−I線で切断した断面図である。フィルタ清掃部材14は、ブラシ47と、ブラシ47を保持するブラシ側部材60と、ブラシ側部材60の蓋をする蓋部材61とを備えている。蓋部材61は、ブラシ側部材60にヒンジ65で回動自在に掛止されており、中央のロック部材66により蓋を閉じた状態でブラシ側部材60に固定される(図15(b)、図16(c)、図16(e))。ブラシ側部材60と蓋部材61は、組み合わせることで内部に塵埃を入れる空間を形成し、ダストボックス49を構成する(図18(b)、図16(d))。ブラシ側部材60の一辺には、ブラシ47の長さに対応して櫛部の歯50が並んでいる(図14)。
次に、図9などに示した加湿ダクト20について説明する。図17(a)は加湿ダクトの正面図、図17(b)は加湿ダクトの側面図、図18(a)は加湿ダクトの背面図、図18(b)は図17(a)のJ−J線断面図、及び図19は図18(b)の状態からプレフィルタを抜き取ったときの加湿ダクトの分解断面図である。加湿ダクト20の下部には円筒状の吸込口71が設けられ、この吸込口71に接続される加湿ホース(図示せず)により室外機3から加湿空気が供給される。加湿ダクト20の上部には給気口55が設けられており、吸込口71と給気口55の間にプレフィルタ21が配置されている。吸込口71が正面視において、左下に設けられているため、加湿空気の流れは、左斜め下から右斜め上に向かう。そのため、給気口55を出た加湿空気は、本体ケーシング5の中では、正面5bから見て右方向に広がりやすい。給気口55の中には、加湿ダクト20内の結露を検出するための結露センサ72が取り付けられている。
図20及び図21は、正面グリルを外した状態における室内機の正面図及び斜視図である。また、図22は室内側熱交換器と加湿ダクトとの関係を説明するための正面図である。正面視において、図20及び図22の斜線を施した領域を加湿ダクト20が占めている。加湿ダクト20の直上には、図20に示すようにフィルタ清掃部材14を装着する凹部27があり、図21に示すようにフィルタ清掃部材14が装着される。さらにフィルタ清掃部材14の上にはフィルタ清掃機構15がある。そして、フィルタ清掃機構15のフィルタ駆動用ローラ52a,52b及びフィルタ駆動用モータ56a,56b(清掃機構駆動部15c)は、フィルタ清掃部材14の上に設けられている。そのため、吸込口6が天面にあって、室内空気を吸込むための吸込口が室内機3の前面にないだけでなく、上部から吸い込まれた室内空気もフィルタ清掃部材14や清掃機構駆動部15cがあるために、加湿ダクト20の周囲に到達し難くなっている。図22から分かるように、室内側熱交換器36の下部前面側熱交換器36abには、加湿ダクト20の給気口55が対向していて、フィルタ清掃機構15は概ね下部前面側熱交換器36abには対向していない。そのため、下部前面側熱交換器36abの多くを加湿ダクト20から供給される加湿空気の熱交換に当てることができる。このような機能を十分発揮させるために、加湿ダクト20は図9に示す直線L1よりも下方に配置されているので好ましい。さらに、図9に示すように、室内側熱交換器36の下部も、加湿ダクト20に対向する部分が直線L1より前に設けられていることが好ましい。
(a)
上記実施形態においては、給気を行うダクトとして、加湿ダクト20を用いる場合について説明したが、本発明に係る給気ダクトは、加湿ダクト20以外のものであってもよい。また、給気ダクト20を配置する位置も、正面から向かって左端だけに限られず、中央や右端に配置することもできる。また、加湿ダクト20の幅は、室内側熱交換器36の幅W2の5分の1程度であるが加湿空気供給のために室内側熱交換器36を有効に利用するためには6分の1程度より大きい方が好ましい。
上記実施形態においては、室内側熱交換器として側面視逆V字状の形状をした室内側熱交換器36について説明したが、室内側熱交換器の形状は逆V字状の室内側熱交換器に限られず、例えば背面側熱交換器36bがないタイプのものにも適用できる。ただし、小型化するためには、逆V字状の室内側熱交換器が好ましい。
上記実施の形態においては、吸込口6は、本体ケーシング5の天面5aにのみ設けられている場合について説明したが、例えば、前面パネル8の上方に開口部を形成して給気口としてもよく、前面視においてクロスフローファン40と重なる領域よりも上に設けられていればよい。
(1)
図9に示すように、吸込口6は縦断面視においてクロスフローファン40(送風ファン)よりも上の本体ケーシング5の天面5aに設けられている。吸込口6もクロスフローファン40も室内機2の長手方向に平行に延びているので、正面視においてもクロスフローファン40に重なる領域より吸込口6が上方に設けられていることが分かる。加湿ダクト20の開口部55が対向する室内側熱交換器36の下部前面側熱交換器36abは、吸込口6からクロスフローファン40への室内空気の強い流れの外に位置する。このような下部前面側熱交換器36abに加湿ダクト20の開口部55から外気が供給される。そのため、室内空気の熱交換にあまり活用されていない下部前面側熱交換器36abを用いて外気に対する熱交換を行うことができることとなり、熱交換の性能を落とすことなく、室内機の小型化を図ることができる。
加湿ダクト20の開口部55から吹き出される加湿空気は、全てプレフィルタ21(第2エアフィルタ)を通過し、プレフィルタ21により塵埃を取り除かれる(図9参照)。加湿空気の塵埃をプレフィルタ21で取り除くため、吸込口6の下流にあるエアフィルタ35a(第1エアフィルタ)は加湿空気の塵埃除去を行わなくて済む。そのため、エアフィルタ35aを加湿ダクト20の開口部55まで延ばす必要がなくなる。そのため、小型化が行い易い上に、着脱容易にエアフィルタ35aを設けられ、掃除も簡単に行える。
ダストボックス49を設けることで吸込口6から加湿ダクト20に至るまでの距離をダストボックス49の高さ分だけ長くできる(図9参照)。つまり、ダストボックス49の高さ分だけ前面側熱交換器36aを高さ方向に長くできるので前面側熱交換器36aの面積を大きくできる。その結果、下部前面側熱交換器36abの上側も一部室内空気の熱交換に寄与する一方、加湿空気の熱交換に寄与する下部前面側熱交換器36abの面積も広がり、加湿空気の給気よる熱交換対象の空気量の増加によって空気調和の性能が低下するのを抑えることができる。
図9に示すように、加湿ダクト20の厚みにより生じる加湿ダクト20上方の空間にフィルタ清掃機構15を設けている。その結果、加湿ダクト20の厚みにより生じる空間を活用してダストボックス49(フィルタ清掃部材14)を設け、その上に同じ奥行きでフィルタ清掃機構15を設けることができる。それにより、フィルタ清掃機構15を備える室内機の小型化が図られる。
図20に示すように、加湿ダクト20と電装品箱45を並べて配置することで、正面視においてクロスフローファン40(送風ファン)と重なる領域よりも上方に吸込口を設けることにより吸込口6が小さくのなるのを電装品箱がなくなった側方に吸込口6や室内側熱交換器36を広げることで補うことができる。それにより、熱交換の性能を落とすことなく、室内機の小型化を図ることができる。
2 室内機
3 室外機
6 吸込口
7 吹出口
8 前面パネル
14 フィルタ清掃部材
15 フィルタ清掃機構
20 加湿ダクト
35a,35b エアフィルタ
36 室内側熱交換器
40 クロスフローファン
42 舌部
45 電装品箱
46 防滴カバー
49 ダストボックス
52a,52b フィルタ駆動用ローラ
56a,56b フィルタ駆動用モータ
Claims (6)
- 吸込口(6)と前記吸込口の下方に配置された吹出口(7)と前記吸込口から前記吹出口に至る通風路において高圧側と低圧側を形成するための舌部(42)とを有する本体(5)と、
前記吸込口の下流側に配置され、前記吸込口から吸い込まれた室内空気の塵埃を捕集する第1エアフィルタ(35a,35b)と、
前記吹出口と前記吸込口との間に配置され、前記吸込口から前記吹出口に至る通風経路に対して給気を行う開口部(55)及び着脱可能な第2エアフィルタ(21)を有する給気ダクト(20)と、
前記吸込口の下流側に配置された室内側熱交換器(36)と、
前記室内側熱交換器の下流側であって正面視において前記給気ダクトよりも上に出るように配置された送風ファン(40)とを備え、
前記吸込口は、前記本体の背面を除く全ての領域うち正面視において前記送風ファンと重なる領域よりも上方でかつ前記吸込口は、天面(5a)にのみ設けられ、
前記第1エアフィルタは、前記給気ダクトの上方に配置されるとともに、縦断面視において前記吸込口の前端から前記舌部に延び前記舌部の表面と接する直線よりも後方を少なくとも覆うように配置され、
前記給気ダクトは、前記直線よりも下方の位置であってかつ、前記開口部が前記室内側熱交換器の下部に対向する位置に配置されている、空気調和装置の室内機。 - 前記給気ダクトは、前記本体の側面側に配置され、前記側面側の下方に吸込口(71)をさらに有する、請求項1に記載の空気調和装置の室内機。
- 前記給気ダクトの上方かつ前記直線の前方に配置され、前記第1エアフィルタから除去された塵埃を入れておくダストボックス(49)をさらに備える、請求項1又は請求項2に記載の空気調和装置の室内機。
- 前記給気ダクトの上方に配置され、前記第1エアフィルタに付着した塵埃の掃除をするフィルタ清掃機構(15)をさらに備える、請求項1から3のいずれかに記載の空気調和装置の室内機。
- 前記給気ダクトの側方かつ前記直線の前方に側面視において前記給気ダクトと重なる位置に並べて配置された電装品箱(45)をさらに備える、請求項1から4のいずれかに記載の空気調和装置の室内機。
- 前記室内側熱交換器は、前記開口部に対向する前記下部が前記直線よりも前に設けられている、請求項1から5のいずれかに記載の空気調和装置の室内機。
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