以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
本実施形態は、本発明に係る室内ユニット(3)を備えた空気調和装置(1)に関する。この空気調和装置(1)では、室内ユニット(3)が室内空間の天井に設置される。なお、以下では、まず本実施形態に係る空気調和装置(1)の構成について説明し、次に室内ユニット(3)の構成について説明する。
〈全体構成〉
図1に示すように、上記空気調和装置(1)は、室外ユニット(2)と室内ユニット(3)とを備えている。室外ユニット(2)には、圧縮機(4)、室外熱交換器(5)、膨張弁(6)、四路切換弁(7)および室外ファン(8)が設けられている。室内ユニット(3)には、室内熱交換器(22)および室内ファン(21)が設けられている。
上記室外ユニット(2)において、圧縮機(4)の吐出側は、四路切換弁(7)の第1ポート(P1)に接続されている。圧縮機(4)の吸入側は、四路切換弁(7)の第3ポート(P3)に接続されている。
上記室外熱交換器(5)は、クロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器として構成されている。室外熱交換器(5)の一端は、四路切換弁(7)の第4ポート(P4)に接続されている。室外熱交換器(5)の他端は、液側閉鎖弁(9a)に接続されている。
上記室外ファン(8)は、室外熱交換器(5)の近傍に設けられている。この室外熱交換器(5)では、室外ファン(8)によって送られる室外空気と該熱交換器(5)内を流通する冷媒との間で熱交換が行われる。室外熱交換器(5)と液側閉鎖弁(9a)との間には、開度可変の膨張弁(6)が設けられている。また、四路切換弁(7)の第2ポート(P2)はガス側閉鎖弁(9b)に接続されている。
上記四路切換弁(7)は、第1ポート(P1)と第2ポート(P2)とが互いに連通し且つ第3ポート(P3)と第4ポート(P4)とが互いに連通する第1状態(図1に実線で示す状態)と、第1ポート(P1)と第4ポート(P4)とが互いに連通し且つ第2ポート(P2)と第3ポート(P3)とが互いに連通する第2状態(図1に破線で示す状態)とが切り換え可能になっている。
この空気調和装置(1)では、四路切換弁(7)が第1状態の場合、暖房運転が行われ、四路切換弁(7)が第2状態の場合、冷房運転が行われる。暖房運転では、図1に示す冷媒回路において、室外熱交換器(5)が蒸発器として機能し且つ室内熱交換器(22)が凝縮器として機能する蒸気圧縮式冷凍サイクルが行われる。一方、冷房運転では、図1に示す冷媒回路において、室外熱交換器(5)が凝縮器として機能し且つ室内熱交換器(22)が蒸発器として機能する蒸気圧縮式冷凍サイクルが行われる。
〈室内ユニットの構成〉
以下で、上記室内ユニット(3)の構成を図2から図4に基づいて詳しく説明する。
図2及び図3に示すように、上記室内ユニット(3)は、上記室内ファン(21)や室内熱交換器(22)を備えた本体ユニット(10)と、該本体ユニット(10)の室内側に配置された掃除ユニット(100)と、該掃除ユニット(100)の室内側を覆う化粧パネル(11)(室内側パネル)とを備えている。すなわち、上記室内ユニット(3)は、上記図3に示すように、上から順に、上記本体ユニット(10)、掃除ユニット(100)及び化粧パネル(11)が積層されてなる。
上記本体ユニット(10)は、室内に向かって開口するように設置される箱状の本体ケーシング(18)を備えていて、この本体ケーシング(18)内には、室内ファン(21)、室内熱交換器(22)、ドレンパン(23)、ベルマウス(24)及び電装品箱(20)が配設されている。なお、本実施形態では、上記ドレンパン(23)の一部及びベルマウス(24)の一部によって、上記本体ユニット(10)の本体ケーシング(18)の下側を覆う通風仕切板が構成される。
上記本体ケーシング(18)の内面には、断熱材(17)が積層されている。また、上記本体ケーシング(18)は、後述のとおり、その開口側が室内側に位置付けられるように、天井裏の天井面から吊り支持されている。
上記室内ファン(21)は、いわゆるターボファンである。図2に示すように、室内ファン(21)は、本体ユニット(10)の本体ケーシング(18)の中央付近に配置され、後述する化粧パネル(11)の吸込口(13)の上側に位置している。上記室内ファン(21)は、ファンモータ(21a)と羽根車(21b)とを備えている。ファンモータ(21a)は、本体ケーシング(18)の天板に固定されている。羽根車(21b)は、ファンモータ(21a)の回転軸に連結されている。
上記室内ファン(21)の下側には、上記吸込口(13)に連通するようにベルマウス(24)が設けられている。このベルマウス(24)は、上記図2に示すように、室内ユニット(3)内において、室内熱交換器(22)の上流側の空間を室内ファン(21)側(室内ファン(21)の吹出側)と吸込グリル(12)側(室内ファン(21)の吸込側)とに区画している。上記ベルマウス(24)を設けることによって、上記室内ファン(21)により該ベルマウス(24)の下方から吸い込まれた空気は、該ベルマウス(24)の上方で周方向に吹き出される。
また、上記ベルマウス(24)及びドレンパン(23)によって構成される本実施形態の通風仕切板には、図3に示すように、直方体状の本体ケーシング(18)の4隅のうち一つの隅部に対応する位置に、開口(24a)が形成されている。この開口(24a)が、後述する導入用ダクト(86)の導入口を構成する。なお、上記開口(24a)は、掃除ユニット(100)のない室内ユニット(3)の場合(本体ユニット(10)のみ)には、室内ファン(21)の吹出空気が漏れないようにカバー(図示省略)によって塞がれている。
上記室内熱交換器(22)は、平面視でロ字状に形成され、上記本体ケーシング(18)内に上記室内ファン(21)を囲むように配置されている。この室内熱交換器(22)では、上記室内ファン(21)によって送られる室内空気(吹出空気)と該熱交換器(22)内を流通する冷媒との間で熱交換が行われる。
上記ドレンパン(23)は、上記室内熱交換器(22)の下側に設けられている。このドレンパン(23)は、上記室内熱交換器(22)において空気中の水分が凝縮して生じるドレン水を受けるためのものである。上記ドレンパン(23)には、ドレン水を排水するためのドレンポンプが設けられている(図示省略)。また、上記ドレンパン(23)は、ドレンポンプを設置した箇所にドレン水が集まるように勾配がつけられている。
上記電装品箱(20)は、室内ユニット(3)内の室内ファン(21)等の構成部品の動作制御を行うための各種電装部品が収納されたもので、図3に示すように、上記ベルマウス(24)の下側で且つ平面視で上記室内ファン(21)の吸込口に重ならないように該吸込口の外方に配置されている。本実施形態では、上記電装品箱(20)は、上記ベルマウス(24)に形成された開口(24a)に対して上記室内ファン(21)の吸込口を挟んで反対側に配置されている。
上記掃除ユニット(100)は、平面視で略矩形状のチャンバケーシング(101)内に、円形状のエアフィルタ(30)、塵埃除去手段(50)、塵埃搬送手段(80)、塵埃捕集箱(90)(塵埃捕集部)等が配設されたものである。すなわち、上記掃除ユニット(40)は、詳しくは後述するように、室内ファン(21)の吸込側に位置するエアフィルタ(30)に付着した塵埃を塵埃除去手段(50)によって除去するとともに、除去した塵埃を塵埃搬送手段(80)によって塵埃捕集箱(90)内に搬送し、該塵埃捕集箱(90)内に貯留できるように構成されている。
上記チャンバケーシング(101)は、上記本体ユニット(10)の本体ケーシング(18)と同じ大きさに形成されていて、図2に示すように、該本体ケーシング(18)との間にシール部材(102)を挟んだ状態で該本体ケーシング(18)の室内側に配置されている。また、上記チャンバケーシング(101)の室内側には、シール部材(103)を挟んで化粧パネル(11)が取り付けられている。
また、上記チャンバケーシング(101)には、各辺に沿うように空気通路(101a)が4つ形成されている。各空気通路(101a)は、上記本体ユニット(10)において、室内熱交換器(22)の外方に形成される本体ケーシング(18)内の空間に連通するように設けられていて、該室内熱交換器(22)で冷媒と熱交換をした後の空気が室内側に向かって流れるように構成されている。すなわち、上記チャンバケーシング(101)の空気通路(101a)内を流れた空気は、上記化粧パネル(11)に形成された吹出口(14)から室内空間へ供給される。なお、上記図2に示すように、上記チャンバケーシング(101)において上記空気通路(101a)の内側を形成する部分は、シール部材(104)を介して上記本体ユニット(10)のドレンパン(23)を下方から支持している。
上記化粧パネル(11)は、平面視で矩形の板状に形成されている(図3参照)。上記図2にも示すように、上記化粧パネル(11)は、その平面視形状が、本体ユニット(10)の本体ケーシング(18)や掃除ユニット(100)のチャンバケーシング(101)の平面視形状よりも一回り大きくなるように形成されている。上述のとおり、上記化粧パネル(11)は、シール部材(103)を間に挟んだ状態でチャンバケーシング(101)の下側を覆うように取り付けられ、これにより、該化粧パネル(11)は、図3に示す状態で室内側に露出することになる。
また、上記化粧パネル(11)には、図3に示すように、1つの吸込口(13)と4つの吹出口(14,14,…)とが形成されている。上記吸込口(13)は、化粧パネル(11)の中央部に略矩形状に形成されていて、後述するスリット部(12a)を有する吸込グリル(12)が嵌め込まれている。上記各吹出口(14)は、細長い矩形状に形成されていて、上記掃除ユニット(100)の空気通路(101a,101a,…)に対応して上記化粧パネル(11)の各辺に沿うように設けられている。そして、各吹出口(14)には、風向調整板(15)が設けられている(図2等参照)。この風向調整板(15)は、回動して風向(吹出方向)を調整するように構成されている。
上記吸込グリル(12)は、その中央部分にスリット状の複数の開口が形成されたスリット部(12a)を有するカバー部材であり、上記化粧パネル(11)の吸込口(13)を覆うように取り付けられている。また、この吸込グリル(12)には、後述するように、掃除機のノズル(150)を挿入するためのノズル挿入部(110)が設けられている。このノズル挿入部(110)は、上記掃除ユニット(100)の塵埃捕集箱(90)内に貯留された塵埃を掃除機によって回収できるように、該掃除機のノズル(150)を挿入可能に構成されている。
さらに、上記化粧パネル(11)には、後述するように、上記掃除ユニット(100)の塵埃捕集箱(90)内に所定量以上の塵埃が貯留された場合や、塵埃除去手段(50)によってエアフィルタ(30)に付着した塵埃を除去している場合などに点灯するLED(16)が設けられている。
〈掃除ユニットの構成〉
次に、上記掃除ユニット(100)内の構成について図3〜図15に基づいて以下で詳しく説明する。
上述のとおり、上記掃除ユニット(100)は、平面視で略矩形状のチャンバケーシング(101)内に、エアフィルタ(30)、塵埃除去手段(50)、塵埃搬送手段(80)、塵埃捕集箱(90)及び電装品箱(105)などが配置されてなるもので、上記本体ユニット(10)の室内ファン(21)の吸込口の下方に位置する上記エアフィルタ(30)を清掃するためのユニットである。
また、上記掃除ユニット(100)には、上記ベルマウス(24)の下方を覆うように仕切板(25)が設けられている。この仕切板(25)は、例えば図2に示すように、上記ベルマウス(24)と上記吸込グリル(12)との間の空間を上下に仕切っている。つまり、上記仕切板(25)は、室内熱交換器(22)の上流側空間をベルマウス(24)を含む室内熱交換器(22)側と吸込グリル(12)側とに区画している。
上記仕切板(25)の中央には、図2や図5に示すように、吸込口(13)から吸い込まれた空気がベルマウス(24)へ流入するための通気孔(26)が形成されている。この通気孔(26)は、円形孔が径方向に延びる4つの径方向梁部(27)によって内部を扇形に仕切られている。各径方向梁部(27)は、互いに上記通気孔(26)の円中心で繋がっており、その部分に円筒状のフィルタ回転軸(28)(回転軸部)が下方に突出形成されている。このフィルタ回転軸(28)は、上記エアフィルタ(30)が回転するための回転軸である。また、上記径方向梁部(27)のうちの一つには、上記エアフィルタ(30)を塵埃除去手段(50)の回転ブラシ(51)に対して上から押さえつけるためのフィルタ押さえ(29)が2つ設けられている。
なお、詳しくは後述するように、上記仕切板(25)の通気孔(26)の側方には、該通気孔(26)と繋がるようにサービス孔(25a)が形成されていて、このサービス孔(25a)を塞ぐようにサービス蓋(106)が配設されている(図24及び図25参照)。
上記図5に示すように、上記エアフィルタ(30)は、仕切板(25)の通気孔(26)の下方に配置され、上記ベルマウス(24)及び通気孔(26)よりも大径の円板状に形成されている。具体的には、上記エアフィルタ(30)は、環状のフィルタ本体(31)とメッシュ部材(37)とを備えている。このフィルタ本体(31)の外周面には、ギア部(32)が設けられている一方、フィルタ本体(31)の中心部には、径方向に放射状に延びる6つの径方向リブ(34)によって支持される円筒状の軸挿通部(33)が設けられている。つまり、各径方向リブ(34)は、軸挿通部(33)から放射状に延びて上記フィルタ本体(31)に接続している。また、上記フィルタ本体(31)の内側には、該フィルタ本体(31)と同心に配置された環状の内側周方向リブ(35)および外側周方向リブ(36)が設けられている。この外側周方向リブ(36)は、内側周方向リブ(35)よりも大径に形成されている。ここで、図6に示すように、上記軸挿通部(33)は、その挿通孔(33a)の内径が上記仕切板(25)に形成されたフィルタ回転軸(28)や、後述する止めネジ(28a)の頭部(28b)よりも大径に形成されている。
上記メッシュ部材(37)は、フィルタ本体(31)の内側全体に張られている。吸込口(13)から吸い込まれた空気は、エアフィルタ(30)のメッシュ部材(37)を通過してベルマウス(24)へ流入する。その際、空気中の塵埃が上記メッシュ部材(37)に捕捉される。
また、上記エアフィルタ(30)は、上述したフィルタ押さえ(29)が環状の各周方向リブ(35,36)の上面に当接することによって下方へ付勢される。これにより、エアフィルタ(30)が後述する塵埃除去手段(50)の回転ブラシ(51)に押さえ付けられる。したがって、この構成により、塵埃除去手段(50)による塵埃の除去効率の向上を図ることができる。
図5及び図6に示すように、上記エアフィルタ(30)は、軸挿通部(33)が仕切板(25)のフィルタ回転軸(28)に対して回転可能に嵌め込まれる。上記エアフィルタ(30)の下方には、塵埃除去手段(50)の塵埃貯留容器(60)が配置されており、該エアフィルタ(30)がフィルタ回転軸(28)に嵌め込まれた状態で、後述する上記塵埃貯留容器(60)のフィルタ取付部(68)と仕切板(25)のフィルタ回転軸(28)とが止めネジ(28a)によって固定されている。これにより、仕切板(25)と塵埃貯留容器(60)との間にエアフィルタ(30)が挟み込まれた状態で保持される。
上記エアフィルタ(30)の近傍には、図4及び図7に示すように、該エアフィルタ(30)を回転駆動するためのフィルタ駆動手段(40)が設けられている。このフィルタ駆動手段(40)は、上記図7に示すように、フィルタ駆動モータ(41)及びリミットスイッチ(44)を備えている。フィルタ駆動モータ(41)の駆動軸には、駆動ギア(42)が設けられ、該駆動ギア(42)がエアフィルタ(30)のギア部(32)と噛み合っている。駆動ギア(42)の一端面(図の例では下面)には、突片であるスイッチ作動部(43)が設けられている。このスイッチ作動部(43)は、駆動ギア(42)の回転によりリミットスイッチ(44)のレバー(44a)に当接することで該レバー(44a)を動かすようになっている。このレバー(44a)が動作すると、それをリミットスイッチ(44)が検知するように構成されている。つまり、上記スイッチ作動部(43)およびリミットスイッチ(44)は、上記駆動ギア(42)の回転を検出するように構成されていて、これにより、該駆動ギア(42)の回転数に応じて上記塵埃除去手段(50)を動作させる時期を検出したり、該駆動ギア(42)が回転していない場合の異常検知を行ったりすることが可能となる。
次に、上記掃除ユニット(100)内に設けられた、上記塵埃除去手段(50)、貯留量検出手段(70)、塵埃搬送手段(80)及び塵埃捕集箱(90)について、図8〜図15を参照しながら説明する。
上記塵埃除去手段(50)は、エアフィルタ(30)に捕捉された塵埃を除去するためのものである。この塵埃除去手段(50)は、図10及び図11に示すように、ブラシ部材である回転ブラシ(51)および清掃用ブラシ(52)(塵埃除去部)と、ブラシ駆動手段(53)と、除去した塵埃を集めておくための塵埃貯留容器(60)とを備えている。上記図10に示すように、上記回転ブラシ(51)および清掃用ブラシ(52)は、塵埃貯留容器(60)のブラシ用開口(63)に設けられている。
上記回転ブラシ(51)は、細長い円柱状のシャフト(51a)と、該シャフト(51a)の外周面に設けられたブラシ(51b)とを備えている。このブラシ(51b)は、複数の植毛によって構成されている。そして、上記ブラシ(51b)は、シャフト(51a)外表面の周方向の一部分に、該シャフト(51a)の軸方向に亘って設けられている。
上記清掃用ブラシ(52)は、回転ブラシ(51)の一側に、該回転ブラシ(51)と接触可能に配置されている。上記清掃用ブラシ(52)は、本体部(52a)と、ブラシ(52b)と、バネ部(52c)とを備えている。この本体部(52a)は、板状部材であり、上記回転ブラシ(51)のシャフト(51a)に対応して同じ長さになるように形成されている。上記本体部(52a)は、回転ブラシ(51)の外周面に対して所定間隔で対向するように配置されている。また、上記本体部(52a)の上部は、回転ブラシ(51)のシャフト(51a)の外周面に沿うように円弧状に形成されている。この本体部(52a)の円弧状の上部には、該本体部(52a)の長さ方向に亘ってブラシ(52b)が設けられている。上記バネ部(52c)は、板ばねによって構成されていて、その一方の端部が上記本体部(52a)の下端に接続されている一方、他方の端部が上記塵埃貯留容器(60)の内壁に接続されている。つまり、上記本体部(52a)は、その下端部を上記バネ部(52c)によって支持されている。
上記回転ブラシ(51)および清掃用ブラシ(52)は、それぞれ、円形状のエアフィルタ(30)の半径と同等以上の長さになるように形成されていて、エアフィルタ(30)の円中心から径方向外方へ延びるように配置されている。すなわち、図4に示すように、上記塵埃除去手段(50)は、上記エアフィルタ(30)の径方向に延びるように配置されている。
上記回転ブラシ(51)は、回転するエアフィルタ(30)のメッシュ部材(37)にブラシ(51b)が接触することにより、該メッシュ部材(37)から塵埃を除去するように構成されている。また、上記回転ブラシ(51)は、図10および図11に示すように、上記ブラシ駆動手段(53)によって可逆に回転駆動される。
上記ブラシ駆動手段(53)は、図8及び図9に示すように、ブラシ駆動モータ(54)と、互いに噛み合う駆動ギア(55)および従動ギア(56)とを備えている。駆動ギア(55)はブラシ駆動モータ(54)の駆動軸に設けられ、従動ギア(56)は回転ブラシ(51)のシャフト(51a)の端部に設けられている。この構成により、上記ブラシ駆動モータ(54)の回転が駆動ギア(55)及び従動ギア(56)を介して回転ブラシ(51)に伝達され、該回転ブラシ(51)が回転駆動される。
以上の構成より、上記回転ブラシ(51)がブラシ駆動手段(53)によって回転すると、上記清掃用ブラシ(52)のブラシ(52b)は、回転ブラシ(51)のブラシ(51b)と接触し、該清掃用ブラシ(52)によって回転ブラシ(51)のブラシ(51b)から塵埃が除去される。つまり、上記清掃用ブラシ(52)は、回転ブラシ(51)から塵埃を除去して該回転ブラシ(51)を清掃するためのものであり、上記ブラシ駆動手段(53)は、該回転ブラシ(51)のブラシ(51b)に捕捉された塵埃を上記清掃ブラシ(52)にこすり付けるように該回転ブラシ(51)を回転させるためのものである。
また、上記回転ブラシ(51)および清掃用ブラシ(52)の各ブラシ(51b,52b)は、いわゆるパイル織物で構成されている。このパイル織物は、基布に毛(パイル糸)が織り込まれて成る有毛繊維であり、毛足が比較的短い。また、このパイル織物は、毛並みが一定方向に傾斜する傾斜パイルである。
具体的には、上記回転ブラシ(51)におけるブラシ(51b)の毛並みは、図10においてシャフト(51a)から左側に向かって傾斜している。つまり、このブラシ(51b)の毛並みは、エアフィルタ(30)の回転方向に対向するように傾斜している。このように、エアフィルタ(30)がブラシ(51b)の毛並みに対向するように回転すると、メッシュ部材(37)に捕捉された塵埃が効率よく掻き出される。
また、清掃用ブラシ(52)におけるブラシ(52b)の毛並みは、図10において本体部(52a)から斜め下側に向かって傾斜している。つまり、このブラシ(52b)の毛並みは、回転ブラシ(51)が上記図10において時計回りに回転する際に、その回転方向に対向するように傾斜している。これにより、上記回転ブラシ(51)が上記清掃用ブラシ(52)のブラシ(52b)の毛並みに対向するように回転することで、該回転ブラシ(51)のブラシ(51b)に付着している塵埃を上記清掃用ブラシ(52)のブラシ(52b)で除去することが可能となる。
なお、これら回転ブラシ(51)および清掃用ブラシ(52)の塵埃除去動作については、後で詳述する。
上記塵埃貯留容器(60)は、清掃用ブラシ(52)によって回転ブラシ(51)から除去された塵埃を集めて一時的に貯留するためのものである。この塵埃貯留容器(60)は、側面視(図8において右側から視た場合)で上側部分が下側部分に対して右側方に膨出した、やや逆くの字に屈曲している柱状の容器である。上記塵埃貯留容器(60)は、上側部分がエアフィルタ(30)の塵埃を除去するための回転ブラシ(51)等が配設される除去部(61)であり、下側部分が該回転ブラシ(51)によってエアフィルタ(30)から除去された塵埃を貯留するための貯留部(62)となっている。
具体的には、上記除去部(61)の上面には、その長手方向に延びるようにブラシ用開口(63)が形成されていて、上述したようにそのブラシ用開口(63)内に塵埃除去手段(50)の回転ブラシ(51)および清掃用ブラシ(52)が設けられている。また、上記除去部(61)の一側面には、上述したフィルタ取付部(68)が設けられている。なお、このフィルタ取付部(68)の構成やエアフィルタ(30)との接続構造等については後述する。
上記貯留部(62)は、断面視で下端側(底部側)が円弧状に膨出している。そして、その貯留部(62)の円弧部には、清掃用ブラシ(52)によって回転ブラシ(51)から除去された塵埃が落下して貯留される。また、上記貯留部(62)は、筒状に形成されていて、その長手方向の両端部(66,67)が開口している。この貯留部(62)の第1端部(66)には、後述する塵埃搬送手段(80)のダンパボックス(81)が接続され、第2端部(67)には、後述する塵埃搬送手段(80)の搬送用ダクト(88)が接続されている。
また、上記図10に示すように、上記塵埃貯留容器(60)には、貯留部(62)に貯留された塵埃量を検出するための貯留量検出手段(70)が設けられている。この貯留量検出手段(70)は、センサボックス(71)内に収納された発光LED(72)及びフォトトランジスタ(73)を備えている。上記センサボックス(71)は、塵埃貯留容器(60)の貯留部(62)の第2端部(67)寄りに、該貯留部(62)の横断方向に延び且つその底部を覆うように設けられている(図5、図8、図9参照)。上記発光LED(72)及びフォトトランジスタ(73)は、上記センサボックス(71)内に、上記貯留部(62)をその横断方向に挟んで対向配置されている。一方、上記貯留部(62)の壁面には、上記発光LED(72)及びフォトトランジスタ(73)にそれぞれ対応して、第1透明窓(64)および第2透明窓(65)が設けられている。
以上の構成により、上記貯留量検出手段(70)において、発光LED(72)で生じた光は、第1透明窓(64)および第2透明窓(65)を順に透過した後、フォトトランジスタ(73)によって光度が検出される。このフォトトランジスタ(73)によって検出された光度に応じて、貯留部(62)における塵埃の貯留量(即ち、充填度)を検出することができる。すなわち、塵埃の貯留量が少ないと、上記貯留部(62)において第1透明窓(64)から第2透明窓(65)への光の透過率が高くなり、上記フォトトランジスタ(73)によって検出される光度が高くなる。逆に、塵埃の貯留量が多いと、上記貯留部(62)において第1透明窓(64)から第2透明窓(65)への光の透過率が低くなり、上記フォトトランジスタ(73)によって検出される光度が低くなる。したがって、この貯留量検出手段(70)によれば、例えば、光度が所定値以下になると、貯留部(62)の貯留量が多いと判断することができる。これにより、後述する塵埃搬送手段(80)によって貯留部(62)内の塵埃を搬送する塵埃搬送動作を行った後でも、上記貯留量検出手段(70)によって上記貯留部(62)内の塵埃の貯留量が多いと検出された場合には、塵埃の搬送先である塵埃捕集箱(90)内が満杯であると判断することが可能になる。
また、上述のように、上記貯留量検出手段(70)を、搬送用ダクト(88)に繋がる上記貯留部(62)の第2端部(67)寄りに設けることで、塵埃が該搬送用ダクト(88)内を搬送されて塵埃捕集箱(90)内に集められる際に、該第2端部(67)で塵埃が詰まったりした場合でも、その状態を検出することが可能になる。すなわち、本実施形態のような構成では、上記搬送用ダクト(88)との接続部分である上記貯留部(62)の第2端部(67)周辺で最も塵埃が詰まり易くなるが、この部分に上記貯留量検出手段(70)を設けることにより、塵埃の詰まりをより確実に検出することが可能になる。
上記塵埃捕集箱(90)は、上記塵埃貯留容器(60)内の塵埃が後述する塵埃搬送手段(80)によって搬送されて貯留されるものである。この塵埃捕集箱(90)は、例えば図3や図4に示すように、やや細長い略直方体状に形成され、上記塵埃貯留容器(60)と同様に仕切板(25)の下方に配置されている。そして、上記塵埃捕集箱(90)は、平面視でエアフィルタ(30)と重ならないように、該エアフィルタ(30)の側方で且つ上記仕切板(25)の一端辺に沿って配置されている。本実施形態では、上記塵埃捕集箱(90)は、上記ダンパボックス(81)に対して、エアフィルタ(30)を挟んで対向する位置で、且つ上記本体ユニット(10)の電装品箱(20)及びサービス蓋(106)の下方に配置される(図23〜図25参照)。また、上記塵埃捕集箱(90)は、上記エアフィルタ(30)との干渉を確実に防止するために、該エアフィルタ(30)側の側板が、該エアフィルタ(30)の外周に対応して円弧状に形成されている。
また、上記塵埃捕集箱(90)は、一方の端部(一側部)の側面に流入口(94)が形成されていて、該流入口(94)に上記搬送用ダクト(88)の他端側が接続されている。一方、上記塵埃捕集箱(90)の他方の端部(他側部)は、掃除ユニット(100)のチャンバケーシング(101)を貫通しており、その端面には該ケーシング(101)の外方に開口する排気口(91)が設けられている。すなわち、上記塵埃捕集箱(90)は、搬送用ダクト(88)が接続される側とは反対側の端部に排気口(91)が設けられていて、その内部を長手方向に空気が流れやすい構成になっている。なお、上記塵埃捕集箱(90)は、排気口(91)側の部分が他の部分よりも断面積が小さくなっている。ここで、上記図4において、符号93は、上記塵埃捕集箱(90)のチャンバケーシング(101)を貫通する部分を、ケーシング内側からシールするシール部材である。
また、上記塵埃捕集箱(90)内には、上記排気口(91)寄りにフィルタ(92)が設けられている。このフィルタ(92)を設けることで、塵埃貯留容器(60)から塵埃捕集箱(90)内に塵埃を搬送する際に、空気は排気口(91)から排出される一方、搬送された塵埃は上記フィルタ(92)に捕捉されて排気口(91)から流出することはない。また、掃除機による吸引によって塵埃捕集箱(90)から塵埃が排出される場合には、室内空気が上記排気口(91)を通じて該塵埃捕集箱(90)内に流入するが、流入した空気中の塵埃は上記フィルタ(92)によって捕捉される。
上述のように、上記排気口(91)による給排気によって塵埃捕集箱(90)内の圧力バランスが適切になるので、該塵埃捕集箱(90)に対する塵埃の搬送動作および排出動作が適切に行われる。
上記電装品箱(105)は、掃除ユニット(100)内のフィルタ駆動手段(40)や、塵埃除去手段(50)、塵埃搬送手段(80)などを駆動制御するための電子部品等が収納されたもので、内部の電装部品は、上記本体ユニット(10)の電装品箱(20)内の電装部品と信号線等により信号の授受可能に電気的に接続されている。
また、上記電装品箱(105)は、図3に示すように、掃除ユニット(100)の仕切板(25)の下方に、上記塵埃捕集箱(90)の配置される辺と隣り合う辺で、且つ上記塵埃貯留容器(60)に接続されるダンパボックス(81)とはエアフィルタ(30)を挟んで対向する位置に配置されている。これにより、詳しくは後述するように、メンテナンス時に上記掃除ユニット(100)の仕切板(25)に設けられたサービス蓋(106)やエアフィルタ(30)を取り外す際、上記塵埃貯留容器(60)を回動させても電装品箱(105)が該塵埃貯留容器(60)と干渉するのを確実に防止することができる。
〈回動構造〉
次に、上記塵埃除去手段(50)の回動構造について図12及び図13に基づいて以下で詳細に説明する。
上述のとおり、上記塵埃除去手段(50)の塵埃貯留容器(60)は、第1端部(66)でダンパボックス(81)に接続されている。そして、このダンパボックス(81)の上面には、導入用ダクト(86)が接続されていて、該ダストボックス(81)内の第1室(81a)に連通している。この導入用ダクト(86)は、図12に示すように、掃除ユニット(100)と本体ユニット(10)との間に設けられた仕切板(25)を貫通するように鉛直上方に延びて、他端側が該本体ユニット(10)のドレンパン(23)の延出部に接続されている。
また、上記導入用ダクト(86)は、円形状の横断面を有する上流側ダクト(86a)および下流側ダクト(86b)を備えていて、これらの2つの部材(86a,86b)が止めネジ(86c)によって上下方向に連結されている。
上記上流側ダクト(86a)は、その横断面積(流路面積)が上記下流側ダクト(86b)の横断面積(流路面積)よりも大きくなるように形成されている。この下流側ダクト(86b)の下端(図12における下側)は、ダンパボックス(81)の上面に接続されている一方、上記上流側ダクト(86a)の上端(図12における上側)は、ドレンパン(23)の水平に延びる延出部にシール部材(86e)を介して当接している。このドレンパン(23)の延出部には、貫通孔である導入口(86d)が形成されているため、上流側ダクト(86a)は、、この導入口(86d)を通じて室内ファン(21)側の空間と連通している。
また、上記上流側ダクト(86a)には、その下部が上部よりも小径になるように段差部(86f)が形成されている。上記下流側ダクト(86b)は、その上部に外方に向かって拡がるフランジ部(86g)が形成されている。そして、上記上流側ダクト(86a)の段差部(86f)と上記下流側ダクト(86b)のフランジ部(86g)とが上下方向に重ね合わされた状態で、止めネジ(86c)によって連結されている。
ここで、上記下流側ダクト(86b)のフランジ部(86g)の上面には、上記図12に示すように、上記止めネジ(86c)が螺合するネジ取付部(86h)が設けられているため、上記上流側ダクト(86a)の段差部(86f)と上記下流側ダクト(86b)のフランジ部(86g)との間の外周部分には、隙間が形成される。この隙間内に上記仕切板(25)の開口周縁部が位置するように、上記上流側ダクト(86a)及び下流側ダクト(86b)は連結されている。この構成により、上記導入用ダクト(86)が脱落しないように上記仕切板(25)の開口周縁部を挟み込みつつ、該導入用ダクト(86)の上端をベルマウス(24)に接続させることが可能になる。
さらに、上述のように、上記上流側ダクト(86a)の段差部(86f)と下流側ダクト(86b)のフランジ部(86g)とで仕切板(25)の開口周縁部を挟み込むような構成にすることで、該上流側ダクト(86a)と下流側ダクト(86b)との連結部分が仕切板(25)に対して回動可能になる。しかも、本実施形態では、上記上流側ダクト(86a)と上記シール部材(86e)との当接部分も回動可能に構成されているため、上記導入用ダクト(86)、ダンパボックス(81)及び塵埃除去手段(50)は、導入用ダクト(86)の軸心(導入口)を中心にして一体で回動できるようになる。したがって、上記塵埃除去手段(50)を、上記エアフィルタ(30)から塵埃を除去する塵埃除去位置(図23参照)と、該塵埃除去手段(50)の少なくとも一部が平面視で該エアフィルタ(30)に重ならないようなメンテナンス位置(図24参照)とに、切り換えることが可能となる。
上記上流側ダクト(86a)の段差部(86f)の外周側には、下方へ突出する突出部(86i)が設けられている。また、上記仕切板(25)の上面で、且つ上記塵埃除去手段(50)が塵埃除去位置にあるときに上記導入用ダクト(86)の突出部(86i)に対応する位置には、上方へ突出する突出部(25b)が設けられている。これらの突出部(86i,25b)は、上記導入用ダクト(86)の回動方向に延びるように突条に形成されていて、上記塵埃除去手段(50)がメンテナンス位置にあるときには、互いに当接しないような長さに形成されている。したがって、上記突出部(86i,25b)同士は、上記塵埃除去手段(50)が塵埃除去位置にあるときには互いに上下に当接する(図13(A)参照)一方、該塵埃除去手段(50)がメンテナンス位置にあるときには互いに当接しない(図13(B)参照)ようになっている。これにより、上記塵埃除去手段(50)が塵埃除去位置にあるときには、上記導入用ダクト(86)及び該塵埃除去手段(50)は、上記仕切板(25)に対して突出部(25b)の突出高さ分だけ持ち上げられて、該塵埃除去手段(50)がエアフィルタ(30)の下面に押し付けられる。一方、上記塵埃除去手段(50)がメンテナンス位置まで回動する間、上記導入用ダクト(86)及び該塵埃除去手段(50)は、塵埃除去位置の場合よりも下方に位置付けられて、該塵埃除去手段(50)は上記エアフィルタ(30)の下方に離間される。よって、上記導入用ダクト(86)の回動によって、上記塵埃除去手段(50)のエアフィルタ(30)に対する高さ位置を変更することができる。
こうすることで、上記塵埃除去手段(50)のメンテナンス位置が、平面視で該塵埃除去手段(50)の少なくとも一部が上記エアフィルタ(30)と重なるような位置である場合には、該塵埃除去手段(50)をメンテナンス位置に位置付けることで、上記エアフィルタ(30)を脱着する際に、該エアフィルタ(30)が上記塵埃除去手段(50)と干渉するのを防止することができる。したがって、上記エアフィルタ(30)のメンテナンス作業性の向上を図れる。
なお、上記各突出部(86i,25b)は、図13に示すように、上記塵埃除去手段(50)がメンテナンス位置のときに互いに対向する側の端部が、該突出部(86i,25b)の延設方向の先端に向かって徐々に突出高さが小さくなるように構成されているため、上記導入用ダクト(86)が回動して上記塵埃除去手段(50)が塵埃除去位置またはメンテナンス位置に切り替わるときに、上記突出部(86i,25b)はスムーズに当接または離間する。したがって、この構成により、上記導入用ダクト(86)及び塵埃除去手段(50)をスムーズに上下動させることができる。
〈エアフィルタの取り付け構造〉
上述のように、掃除ユニット(100)に塵埃除去手段(50)等を回動させる機構を設けることで、メンテナンス時にエアフィルタ(30)を容易に取り外すことのできるフィルタ取り付け構造が可能になる。
具体的には、図5、図6、図8及び図9に示すように、塵埃貯留容器(60)の除去部(61)の一側面に、エアフィルタ(30)を取り付けるためのフィルタ取付部(68)が設けられている。このフィルタ取付部(68)は、貯留部(62)よりも側方に膨出した除去部(61)の膨出方向に開口するように、平面視で略U字状に突出形成されたものである。すなわち、上記フィルタ取付部(68)には、上記膨出方向に開口するようなスリット部(68a)が設けられている。このスリット部(68a)は、図6に示すように、最大幅寸法が仕切板(25)のフィルタ回転軸(28)に螺合する止めネジ(28a)のネジ部(28c)の直径よりも大きく、該フィルタ回転軸(28)の直径よりも小さくなるように形成されている。
これにより、上記図6に示すように、上記フィルタ取付部(68)と仕切板(25)の径方向梁部(27)との間にエアフィルタ(30)を挟み込んだ状態で、上記止めネジ(28a)をフィルタ回転軸(28)に螺合させることで、該エアフィルタ(30)をフィルタ取付部(68)及び仕切板(25)に対して固定することができる。そして、上記エアフィルタ(30)を取り外す際には、上記止めネジ(28a)を緩めて、上記スリット部(68a)の形成されたフィルタ取付部(68)を有する塵埃貯留容器(60)を上記除去部(61)の膨出方向とは反対側(フィルタ取付部(68)の開口方向とは反対側)に回動させることで、上記フィルタ回転軸(28)に止めネジ(28a)の先端部が螺合した状態でエアフィルタ(30)の下側の押さえである上記フィルタ取付部(68)のみを該エアフィルタ(30)の軸挿通部(33)の下方から水平方向に移動させることができる。ここで、上記エアフィルタ(30)の軸挿通部(33)は、その内径が上記仕切板(25)のフィルタ回転軸(28)や止めネジ(28a)の頭部(28b)よりも大径に形成されているため、該エアフィルタ(30)を下方から取り外すことができる。
以上のようなエアフィルタ(30)の取り付け構造にすることで、メンテナンス時には、上記止めネジ(28a)を外すことなく、容易にエアフィルタ(30)を取り外すことができる。
〈塵埃搬送手段〉
上記塵埃搬送手段(80)は、例えば、図4、図5、図8、図12および図14に示すように、上述したダンパボックス(81)および搬送用ダクト(88)と、導入用ダクト(86)と、吸引用ダクト(87)(吸引ダクト)とを備えている。
上記ダンパボックス(81)は、直方体状に形成されていて、その長手方向の一端側が上記貯留部(62)の第1端部(66)に接続されている。したがって、このダンパボックス(81)と上記塵埃貯留容器(60)とによって本発明の収納容器が構成され、該ダンパボックス(81)によって、後述するように各ダクト(86,87,88)が接続される接続通路部が構成される。
図12および図14に示すように、上記ダンパボックス(81)内には、開閉部材としてのダンパ(82)(流路切換手段)が設けられている。このダンパ(82)が閉まると、ダンパボックス(81)の内部空間がその長手方向に仕切られる。つまり、ダンパボックス(81)の内部空間は、上記ダンパ(82)によって、他端側の第1室(81a)と一端側である塵埃貯留容器(60)側の第2室(81b)とに区画される。上記ダンパボックス(81)の一端側に区画形成される上記第2室(81b)には、上述したように、貯留部(62)の第1端部(66)が接続されていて、該第2室(81b)と貯留部(62)とが連通している。
図9や図14に示すように、上記塵埃搬送手段(80)は、ダンパ(82)を開閉駆動するためのダンパ駆動モータ(83)と駆動ギア(84)と従動ギア(85)とを備えている。この駆動ギア(84)はダンパ駆動モータ(83)の駆動軸に接続されていて、上記従動ギア(85)は、ダンパ(82)の回動軸に接続されている。そして、これらの駆動ギア(84)および従動ギア(85)は、互いに噛み合うように配置されている。この構成により、上記ダンパ駆動モータ(83)の回転は、各ギア(84,85)を介してダンパ(82)の回動軸に伝達される。これにより、上記ダンパ駆動モータ(83)の回転によって上記ダンパ(82)は回動軸を中心に回動する、開閉動作が行われる。
上記導入用ダクト(86)は、その一端側が上記ダンパボックス(81)の上面に接続されていて、該ダストボックス(81)内の第1室(81a)に連通している。一方、上記導入用ダクト(86)の他端側は、図12に示すように、ダンパボックス(81)から鉛直上方に延びて、掃除ユニット(100)と本体ユニット(10)との間に設けられた仕切板(25)を貫通し、該本体ユニット(10)のドレンパン(23)の延出部に接続されている。このドレンパン(23)の延出部には、貫通孔である導入口(86d)が形成されている。そして、この導入口(86d)を通じて、導入用ダクト(86)が室内ファン(21)側の空間と連通している。つまり、この導入用ダクト(86)は、室内ファン(21)の吹出空気をダンパボックス(81)内へ導入するように構成されている。したがって、上記導入用ダクト(86)内には、吹出空気通路(89)が形成され、該導入用ダクト(86)及びダストボックス(81)の内部は上記吹出空気の通風路になる。なお、上記導入用ダクト(86)の構成については後述の回動構造の部分で詳述する。
上記吸引用ダクト(87)は、例えば図14や図15に示すように、流入側である一端が上記ダンパボックス(81)の一端側(上記導入用ダクト(86)と塵埃貯留容器(60)との間)の下面に接続されていて、該ダンパボックス(81)内の第2室(81b)に連通している。一方、上記吸引用ダクト(87)の流出側である他端は、化粧パネル(11)に形成されたノズル挿入部(110)に接続されている。このノズル挿入部(110)は、掃除機のノズル(150)を挿入して吸引するための開口を有している。これにより、上記吸引用ダクト(87)内には、吸引通路(95)が形成され、該吸引通路(95)内を掃除機のノズル(150)によって吸引される塵埃及び空気が流れる。
具体的には、上記吸引用ダクト(87)は、図15に示すように、上記ダンパボックス(81)の下面に回動可能に設けられた接続管(87a)(接続部分)と、該接続管(87a)と上記化粧パネル(11)のノズル挿入部(110)とを接続するフレキシブルダクト(87b)と、からなる。上記接続管(87a)の基端側には、図14に示すように、径方向外方に拡がる円形状のフランジ部(87c,87d)が一対、形成されている。これらのフランジ部(87c,87d)の間に、上記ダンパボックス(81)の下部に形成された開口(81c)の周縁部を挟み込むことで、上記ダンパボックス(81)に対して、該接続管(87a)をその軸線を中心に回動可能に接続することができる。このように、上記ダンパボックス(81)に接続される接続管(87a)を回動可能に構成し、該接続管(87a)と上記ノズル挿入部(110)とを変形可能なフレキシブルダクト(87b)によって接続することで、上記図15に示すように、室内ユニット(3)を設置する際に下面視で吸込グリル(12)のスリット部(12a)の向きが変わった場合でも、上記ダンパボックス(81)とノズル挿入部(110)とを確実に接続することができる。しかも、本実施形態では、後述するように、上記ノズル挿入部(110)も回動可能に構成されているため、上記ダンパボックス(81)と該ノズル挿入部(110)とをフレキシブルダクト(87b)によって最短距離で接続することができ、該フレキシブルダクト(87b)の長さをできるだけ短くしつつ、上記吸込グリル(12)のスリット部(12a)の向きをユーザーの好みに合わせて自由に変えることが可能となる。
上記搬送用ダクト(88)は、図2〜図4に示すように、一端が塵埃貯留容器(60)における貯留部(62)の第2端部(67)に接続され、他端が後述する塵埃捕集箱(90)に接続されている。この搬送用ダクト(88)によって、上記塵埃貯留容器(60)と塵埃捕集箱(90)とを連通させることができ、該搬送用ダクト(88)内での塵埃の搬送が可能になる。すなわち、上記搬送用ダクト(88)内には、塵埃搬送路(96)が形成され、該塵埃搬送路(96)内を塵埃が搬送されることになる。なお、上記搬送用ダクト(88)はフレキシブルチューブによって構成されている。
また、上記搬送用ダクト(88)は、塵埃貯留容器(60)に対し、上記導入用ダクト(86)や吸引用ダクト(87)の接続部分(連通部)とは反対側に接続されている。これにより、塵埃を搬送する際には、上記導入用ダクト(88)を介して室内ファン(21)の吹出空気をスムーズに塵埃貯留容器(60)及び搬送用ダクト(88)内に導入することができるとともに、塵埃の回収時には、吸引用ダクト(87)を介して、上記塵埃捕集箱(90)内の塵埃だけでなく上記塵埃貯留容器(60)内の塵埃も一緒に吸引回収することができる。したがって、上述の構成にすることで、塵埃を搬送する際には効率良く搬送を行うことができるとともに、塵埃を回収する際には効率良く塵埃を回収することが可能になる。
上述のような構成を有する塵埃搬送手段(80)において、冷暖房を行う通常運転の場合、上記ダンパボックス(81)のダンパ(82)は閉じられている(図14(A)参照)。これにより、室内ファン(21)の吹出空気はダンパボックス(81)の第2室(81b)へ導入されない。一方、上記塵埃貯留容器(60)内の塵埃を塵埃捕集箱(90)に搬送する場合には、上記ダンパボックス(81)のダンパ(82)が開く(図14(B)参照)。これにより、上記室内ファン(21)の吹出空気を導入用ダクト(86)およびダンパボックス(81)を介して上記塵埃貯留容器(60)内へ導入する搬送流路が形成される。その結果、該塵埃貯留容器(60)内の塵埃は、導入された空気と共に上記搬送用ダクト(88)を流れて上記塵埃捕集箱(90)内へ搬送される。つまり、上述のように、上記ダンパボックス(81)内のダンパ(82)を開くことにより、室内ファン(21)の吹出空気を利用して上記塵埃貯留容器(60)の塵埃を該塵埃貯留容器(60)内から排出して所定位置まで搬送することができる。
さらに、上記塵埃搬送手段(80)では、上記塵埃捕集箱(90)内に捕集された塵埃をケーシング(101)外へ排出する場合も、上記ダンパボックス(81)のダンパ(82)は閉じられている(図14(C)参照)。この場合には、吸引流路が形成され、掃除機によってノズル挿入部(110)から吸引することで、上記塵埃捕集箱(90)内の塵埃が搬送用ダクト(88)、ダンパボックス(81)および吸引用ダクト(87)を通じて掃除機に吸引される。
したがって、上述のように、上記ダンパボックス(81)において、導入用ダクト(86)の接続位置と吸引用ダクト(87)の接続位置との間に、開閉部材としてのダンパ(82)を設け、該ダンパ(82)を開閉させることにより、搬送流路と吸引流路とに空気の流路を切り換えることが可能となる。
〈ノズル挿入部〉
次に、上記吸引用ダクト(87)が接続されるノズル挿入部(110)について、図16〜図22に基づいて以下で詳細に説明する。上記ノズル挿入部(110)は、上記吸込グリル(12)のスリット部(12a)の外側に設けられている。具体的には、図16に示すように、平面視で略矩形状に形成された上記吸込グリル(12)には、その一辺に化粧パネル(11)との接続部であるヒンジ部(12c)が設けられており、上記ノズル挿入部(110)は、該ヒンジ部(12c)の近傍に設けられている。また、上記ノズル挿入部(110)は、上記吸込グリル(12)の一辺の幅方向略中央に設けられている。このように、上記ノズル挿入部(110)を、上記吸込グリル(12)のスリット部(12a)外方のヒンジ部(12c)側に設けることで、該ノズル挿入部(110)を吸込グリル(12)のそれ以外の場所に設ける場合に比べて、該ノズル挿入部(110)に接続されるフレキシブルダクト(87b)の長さを短くすることができる。すなわち、上記吸込グリル(12)を開ける際に、上記ノズル挿入部(110)が該吸込グリル(12)のヒンジ部(12c)側に位置している方が上記ダンパボックス(81)までの距離が短くなり、必要なフレキシブルダクト(87b)の長さを短くすることができる。
さらに、上述のように、上記ノズル挿入部(110)を吸込グリル(12)の幅方向略中央に設けることで、後述するように該吸込グリル(12)の取り付け位置を変えた場合(図16及び図18(A)参照)でも、上記ダンパボックス(81)からノズル挿入部(110)の長さを同程度にすることができ、該ノズル挿入部(110)に接続されるフレキシブルダクト(87b)の長さをできるだけ短くすることができる。
上記ノズル挿入部(110)は、図17に示すように、上記吸込グリル(12)の天井裏側に設けられた箱状のカバー部材(111)を備えている。このカバー部材(111)は、直方体状に形成された上部カバー(116)(上部カバー部材)と下方に開口する箱状に形成された下部カバー(117)(下部カバー部材)とが上下に接続されてなるもので、該上部カバー(116)内には第1空間(114)が、該下部カバー(117)内には第2空間(115)が、それぞれ形成されている。
また、上記上部カバー(116)は、下部カバー(117)に対して回動可能に接続されている。具体的には、上記上部カバー(116)の下面には、円形状の開口(116a)が形成されている一方、上記下部カバー(117)の上面には、上記開口(116a)の周縁部に係合可能な係合部(117a)が形成されていて、該係合部(117a)に対して上記開口(116a)の周縁部が係合した状態で上記上部カバー(116)が下部カバー(117)に対して回動できるように構成されている。すなわち、上記下部カバー(117)の係合部(117a)は、上記上部カバー(116)の開口(116a)に対応して該下部カバー(117)の上面から上方に突出する円筒状の本体部(117b)と、その突出端側に径方向外方に膨出するように設けられた膨出部(117c)とを備えている。上記図17に示すように、この膨出部(117c)と上記下部カバー(117)の上面との間に、上記上部カバー(116)の下面に形成された上記開口(116a)の周縁部を挟み込むことで、該上部カバー(116)を下部カバー(117)に対して回動可能に係合させることができる。なお、特に図示しないが、上記上部カバー(116)は、幅方向(図17において紙面方向)に分割されているため、上記下部カバー(117)に対して上部カバー(116)を組み付ける際には、該下部カバー(117)の係合部(117a)を挟み込むように組み付ければよい。
このように、上記上部カバー(116)と下部カバー(117)とを回動可能に接続することで、図18(A)に示すように吸込グリル(12)のスリット部(12a)の向きを変更した場合でも、図18(B)に示すように上記上部カバー(116)を下部カバー(117)に対して回転させることで、吸引用ダクト(87)をできるだけ短い距離で確実に接続することができる。
上記上部カバー(116)の側面の一つは、上方に向かうほど外方に位置するように傾斜して形成されている。該側面には、斜め下方に向かって開口するようにダクト用開口(116b)が形成されていて、このダクト用開口(116b)に上記吸引用ダクト(87)のフレキシブルダクト(87b)の他端側が後述するように着脱可能に接続されている。上記ダクト用開口(116b)は、上部カバー(116)の内側から弁体(126)によって覆われている。この弁体(126)は、その上端部で上記上部カバー(116)に回動可能に支持されているとともに、該上端部から上部カバー(116)内に向かって突出する突出部(126a)が設けられている。詳しくは後述するように、上記突出部(126a)はピストン部材(120)の一部と当接しており、上記弁体(126)は、該ピストン部材(120)の上下動によって開閉するように構成されている。
上記吸込グリル(12)には、上記下部カバー(117)に対応して、開口部(12b)が形成されている。この開口部(12b)内には、2枚の板状の蓋部材(112,112)(カバー)が並設されていて、これらの蓋部材(112,112)が開口部(12b)の互いに対向する内縁部を中心として上方へ回動するように下部カバー(117)に取り付けられている。すなわち、上記蓋部材(112)は、開口部(12b)に、上方に向かって両開きとなるように設けられている。さらに、上記蓋部材(112)の回動中心側と上記下部カバー(117)の内面との間には、バネ部材(113)が設けられていて、このバネ部材(113)により該蓋部材(112)は閉方向に付勢されている。これにより、上記図17(A)のように掃除機のノズル(150)を挿入していない状態では、上記蓋部材(112)を常に閉じた状態にすることができ、室内側からノズル挿入部(110)の内部が見えにくくすることができるとともに、塵埃が室内へ流出するのを防止することができる。
上記下部カバー(117)の係合部(117a)における円筒状の本体部(117b)の内側は、後述するピストン部材(120)のノズル接続部(121)が挿通する挿通孔(117d)を構成している。すなわち、上記係合部(117a)の本体部(117b)は、上記ノズル接続部(121)がスライド移動する際のガイドとして機能する。このような構成にすることで、上記ノズル接続部(121)、すなわちピストン部材(120)をスムーズに上下動させることができる。
上記ピストン部材(120)は、掃除機のノズル(150)が当接するノズル接続部(121)と、該ノズル接続部(121)の上側に該ノズル接続部(121)と一体形成された軸部(122)とを備えている。上記ノズル接続部(121)は、室内側に突出する半球状に形成されているとともに、その上側を平板部(121a)によって覆われている。このノズル接続部(121)の突出端部には穴部(121b)が設けられている。これにより、断面形状や大きさの異なる掃除機のノズル(150)でも、上記ノズル接続部(121)に対して確実に当接させて、上記穴部(121b)を介して塵埃を吸引回収することができる。
上記ノズル接続部(121)は、内部が空洞になっているとともに、図19に示すように、その基端側(図中の上側)の一部に、開口部(121c)が形成されている。この開口部(121c)は、上記ノズル接続部(121)の半球状部分の基端側から平板部(121a)の一部に亘って、斜め上方に向かって開口するように形成されている。そして、この開口部(121c)の左右には、上記平板部(121a)から斜め上方に向かって延びる当接部(121d)が設けられている。この当接部(121d)は、上記上部カバー(116)のダクト用開口(116b)をカバー内側から覆う弁体(126)に形成された突出部(126a)に当接するように形成されている。すなわち、上記弁体(126)の突出部(126a)は、該弁体(126)の幅方向両端部に設けられているとともに、上方へ向かって湾曲するように形成されているため、上記ノズル接続部(121)が上昇すると、該ノズル接続部(121)の当接部(121d)によって上方に押し上げられるように構成されている。これにより、図17(B)に示すように、上記弁体(126)を開状態にすることができる。なお、上記当接部(121d)は、上記上部カバー(116)が下部カバー(117)に対して回動した際に、該上部カバー(116)の側面に当たって、該上部カバー(116)とともに回転するように構成されている。したがって、上記上部カバー(116)の回動に伴って、上記ピストン部材(120)も回動するように構成されている。
上記軸部(122)は、上記ノズル接続部(121)の平板部(121a)上に上方に延びるように一体形成されている。該軸部(122)の上端部は、上記上部カバー(116)の上面の内側に形成された円筒状のガイド部(116c)内に位置付けられていて、これにより、上記ノズル接続部(121)を上下方向によりスムーズに移動させることができるようになっている。また、上記軸部(122)の外周側には、上記ガイド部(116c)の下端部と上記ノズル接続部(121)の平板部(121a)との間に挟み込まれるようにバネ部材(125)が配設されている。このバネ部材(125)は、上記ノズル接続部(121)を下方(最下点)に付勢するように構成されているとともに、該ノズル接続部(121)に対して下方から掃除機のノズル(150)が押し付けられた場合には、該ノズル接続部(121)の上方への移動を許容するように構成されている。なお、上記ノズル接続部(121)は、上記バネ部材(125)によって下方に付勢された状態で、平板部(121a)の外周部が下部カバー(117)の係合部(117a)の膨出部(117c)に当接するように構成されている。
したがって、以上の構成により、上記ノズル接続部(121)に対して、掃除機のノズル(150)を下方から押し付けると、該ノズル接続部(121)は上記バネ部材(125)の付勢力に抗して上昇し、該ノズル接続部(121)に形成された開口部(121c)の全体が上部カバー(116)内の第1空間(114)に向かって開口するようになる。また、上記ノズル接続部(121)の上昇に伴って、該ノズル接続部(121)の開口部(121c)の左右に設けられた当接部(121d)が、上部カバー(116)のダクト用開口(116b)をカバー内側から覆う弁体(126)の突出部(126a)を押し上げて、これにより、該弁体(126)を開状態にする。そうすると、上記ダクト用開口(116b)を介して吸引用ダクト(87)と上記ノズル接続部(121)の内部空間が連通状態になる。
すなわち、上記ノズル接続部(121)が上方へ変位すると、該ノズル接続部(121)の内部空間が、該ノズル接続部(121)に形成された開口部(121c)、上部カバー(116)内の第1空間(114)、吸引用ダクト(87)、ダンパボックス(81)、塵埃貯留容器(60)及び搬送用ダクト(88)を介して、塵埃捕集箱(90)の内部と連通することになる。この状態で、掃除機を動作させると、該掃除機の吸引力によって、上記塵埃捕集箱(90)内に貯留された塵埃が、搬送用ダクト(88)、塵埃貯留容器(60)、ダンパボックス(81)、吸引用ダクト(87)、カバー部材(111)の第1空間(114)、ノズル接続部(121)を介して掃除機のノズル(150)に吸引される。
一方、上記ノズル接続部(121)が掃除機のノズル(150)によって押し上げられていない状態では、該ノズル接続部(121)は、上記バネ部材(125)によって下方に付勢されているため、図17(A)に示すように、ダクト用開口(116b)の弁体(126)は、上記ノズル接続部(121)の当接部(121d)によって持ち上げられることなく、該ダクト用開口(116b)を閉状態にする。これにより、上記ノズル接続部(121)と吸引用ダクト(87)とは非連通状態となって、塵埃が室内へ飛散するのを防止できる。
なお、上記下部カバー(117)の内部の側面及び上面には、掃除機のノズル(150)を上記ノズル接続部(121)に確実に当接させるためのノズルガイド部(118)が設けられている。このノズルガイド部(118)は、上記下部カバー(117)の内部の側面と上面とに跨って形成される板状の部材であり、直方体状の下部カバー(117)の上面の各辺に対して、2つずつ設けられている。
また、図20及び図21に示すように、上記ノズル挿入部(110)の下部カバー(117)の膨出部(117c)は、周方向の所定角度の範囲で外径が大きくなるように形成されている。すなわち、上記膨出部(117c)は、外径の大きい大径部(117e)と外径の小さい小径部(117f)とからなる(図21参照)。一方、上部カバー(116)の底面の内側には、該上部カバー(116)の回転中心からの位置が下部カバー(117)と組み合わされた状態で上記膨出部(117c)の大径部(117e)よりも内側で且つ小径部(117f)よりも外側に位置するように、ピン部(116d)が設けられている。これにより、上記上部カバー(116)が下部カバー(117)に対して回動すると、該上部カバー(116)のピン部(116d)が下部カバー(117)の小径部(117f)と大径部(117e)との段差部分に当接し、該上部カバー(116)の回動が規制されるようになっている(図21参照)。すなわち、上記上部カバー(116)のピン部(116d)が下部カバー(117)の係合部(117a)を構成する膨出部(117c)の小径部(117f)の外側に位置している場合には、上記上部カバー(116)の回動は許容される一方、上記ピン部(116d)が下部カバー(117)の膨出部(117c)の小径部(117f)と大径部(117e)との段差部に当接すると、該上部カバー(116)の回動が規制される。
上述のような構成にすることで、上記ノズル挿入部(110)の上部カバー(116)が所定角度以上、回動しないようにすることができ、これにより、該上部カバー(116)に接続されるフレキシブルダクト(87b)が屈曲した状態になるのを防止することができる。すなわち、上記ノズル挿入部(110)は、吸込グリル(12)に設けられているため、該ノズル挿入部(110)の上部カバー(116)の回動角度によっては、該吸込グリル(12)を閉めると、該上部カバー(116)に接続されるフレキシブルダクト(87b)が折れた状態で収納されるおそれがある。そうすると、上記フレキシブルダクト(87b)内の空気や塵埃の流れが大きく阻害されるとともに、該フレキシブルダクト(87b)に損傷を与えるおそれもある。これに対して、上記上部カバー(116)の回動範囲を、上記吸込グリル(12)を閉めても上記フレキシブルダクト(87b)が折れないような角度範囲にすることで、該フレキシブルダクト(87b)が屈曲した状態になるのを防止できる。
なお、上記図20の構成の場合、上記ノズル挿入部(110)が吸込グリル(12)のヒンジ部(12c)の近傍に設けられていることから、上記上部カバー(116)の回動範囲は、該ヒンジ部(12c)の設けられた吸込グリル(12)の一辺に対して上部カバー(116)のダクト用開口(116b)が最も近づく位置を中心に60度から−60度(合計120度)を除いた範囲に設定される。すなわち、上記上部カバー(116)は、吸込グリル(12)のヒンジ部(12c)が設けられている辺とは反対側の180度に加えて、その範囲から両方向へさらに30度ずつ回動できるようになっている。このように、上記上部カバー(116)を180度以上、回動可能に構成することで、該上部カバー(116)の角度位置によっては、該上部カバー(116)に接続されるフレキシブルダクト(87b)を掃除ユニット(100)内に押し込めることができ、該フレキシブルダクト(87b)に邪魔されることなく上記吸込グリル(12)を容易に閉めることができる。
ここで、上記フレキシブルダクト(87b)の接続構造について以下で詳細に説明する。図22に示すように、上記ノズル挿入部(110)とフレキシブルダクト(87b)との接続部(131)において、該ノズル挿入部(110)の上部カバー(116)に第1接続部(132)を設ける一方、それに対応する上記フレキシブルダクト(87b)の端部に第2接続部(133)を設け、該第1接続部(132)と第2接続部(133)とを係合させる。
上記第1接続部(132)は、概略円筒状の部材の外周面上に全周に亘って膨出する膨出部(132a)が形成されたもので、この膨出部(132a)に後述する第2接続部(133)の係合部(133c)が係合する。
上記第2接続部(133)は、上記第1接続部(132)よりも大径である概略円筒状の部材からなる本体部(133a)を備えていて、その外周面上に爪部(133b)が一体形成されている。この爪部(133b)は、上記フレキシブルダクト(87b)の軸方向外方に延びて上記第1接続部(132)の膨出部(132a)と係合する円筒状の係合部(133c)と、該係合部(133c)とは反対方向に延びる突片状のレバー部(133d)と、該係合部(133c)及びレバー部(133d)をその中間部分で上記本体部(133a)と弾性的に接続する弾性変形部(133e)と、を備えている。上記レバー部(133d)は、先端側に向かうほど径方向外方に位置付けられるように形成されている。この構成により、該レバー部(133d)を径方向内方へ変位させることにより、上記弾性変形部(133e)が変形を生じて、該レバー部(133d)とは反対方向に延びる上記係合部(133c)を径方向外方へ変位させることができる。一方、上記レバー部(133d)を元の位置に戻すと、上記弾性変形部(133e)の弾性復元力によって上記係合部(133c)は元の位置に戻る。
したがって、上記第2接続部(133)の係合部(133c)を上記第1接続部(132)の膨出部(132a)に係合させる場合には、該係合部(133c)が膨出部(132a)に当接すると、該係合部(133c)を弾性支持する弾性変形部(133e)が弾性変形を生じて該係合部(133c)を径方向外方に変位させて、該係合部(133c)と膨出部(132a)との係合を可能にする(図22(b)参照)。一方、上記第2接続部(133)を第1接続部(132)から取り外す場合には、上記レバー部(133d)を径方向内方へ変形させることで、上記係合部(133c)を径方向外方へ変位させ、該係合部(133c)を上記第1接続部(132)の膨出部(132a)から分離させることにより、該係合部(133c)と膨出部(132a)との係合が解除される。
このような構成にすることで、上記ノズル挿入部(110)に対してフレキシブルダクト(87b)を容易に着脱することができ、メンテナンス時等における作業性の向上を図れる。
〈メンテナンス構造〉
以下で、上記本体ユニット(10)の電装品箱(20)をメンテナンスする際に、上記掃除ユニット(100)を該本体ユニット(10)に取り付けた状態で該電装品箱(20)にアクセスするための構成について説明する。
具体的には、図23〜図25に示すように、上記掃除ユニット(100)は、エアフィルタ(30)及びサービス蓋(106)を取り外し可能に構成されていて、該サービス蓋(106)を取り外せば、上記本体ユニット(10)の電装品箱(20)にアクセスできるような位置に、該サービス蓋(106)及び電装品箱(20)が設けられている。
より詳しくは、上記塵埃貯留容器(60)及びダンパボックス(81)は、上述のとおり、該ダンパボックス(81)に接続された導入用ダクト(86)の軸心を中心として回動可能に構成されていて、これにより、上記エアフィルタ(30)を取り外す際には、該塵埃貯留容器(60)及びダンパボックス(81)を該エアフィルタ(30)の側方に移動させることができる(図24参照)。
なお、上記塵埃貯留容器(60)及びダンパボックス(81)を回動させる場合には、該塵埃貯留容器(60)と塵埃捕集箱(90)との間を接続する搬送用ダクト(88)や、上記ダンパボックス(81)と化粧パネル(11)のノズル挿入部(110)とを接続する吸引用ダクト(87)(フレキシブルダクト(87b))を取り外す必要がある。そのため、容易に着脱可能なように、上記搬送用ダクト(88)の塵埃貯留容器(60)及び塵埃捕集箱(90)の接続部分(107,108)や、上記フレキシブルダクト(87b)のダンパボックス(81)(接続管(87a)との接続部分(109)は、上記ノズル挿入部(110)とフレキシブルダクト(87b)との接続部(131)と同様の構成(図22参照)が採用されている。
また、上記掃除ユニット(100)内の塵埃捕集箱(90)は、該掃除ユニット(100)に対して着脱可能に構成されていて、該塵埃捕集箱(90)を取り外すことで、該塵埃捕集箱(90)の上方に設けられたサービス蓋(106)が露出する。このサービス蓋(106)も取り外し可能に構成されていて、図25に示すように、エアフィルタ(30)、サービス蓋(106)の順に取り外せば、上記本体ユニット(10)内の電装品箱(20)が露出して、該電装品箱(20)のメンテナンス作業が可能になる。
−運転動作−
次に、上記室内ユニット(3)における運転動作について図11及び図14を参照しながら説明する。上記室内ユニット(3)は、冷暖房を行う通常運転と、エアフィルタ(30)の清掃を行うフィルタ清掃運転とが切換可能に構成されている。
〈通常運転〉
通常運転では、回転ブラシ(51)を回転させてそのブラシ(51b)を清掃用ブラシ(52)側に位置させる。つまり、上記回転ブラシ(51)を、該回転ブラシ(51)のブラシ(51b)がエアフィルタ(30)に接触しない位置まで回転させて、該回転ブラシ(51)の非ブラシ面(即ち、ブラシ(51b)が設けられていないシャフト(51a)の外周面)をエアフィルタ(30)に対面させる。また、ダンパボックス(81)のダンパ(82)は閉じた状態にする(図14(A)の状態)。なお、エアフィルタ(30)は回転してない停止状態である。
この状態において、室内ファン(21)が駆動される。そうすると、室内ユニット(3)では、吸込口(13)から吸い込まれた室内空気がエアフィルタ(30)を通過してベルマウス(24)内へ流入する。空気がエアフィルタ(30)を通過する際、空気中の塵埃がエアフィルタ(30)のメッシュ部材(37)に捕捉される。ベルマウス(24)に流入した空気は室内ファン(21)から吹き出される。この吹出空気は、室内熱交換器(22)の冷媒と熱交換して冷却または加熱された後、各吹出口(14)から室内へ供給される。これにより、室内の冷房または暖房が行われる。この運転では、ダンパボックス(81)のダンパ(82)が閉じられているため、室内ファン(21)の吹出空気がダンパボックス(81)を通じて塵埃貯留容器(60)へ導入されることはない。
このように、通常運転では、回転ブラシ(51)のブラシ(51b)とエアフィルタ(30)とが非接触状態となる。つまり、ブラシ(51b)がエアフィルタ(30)から離隔される。したがって、ブラシ(51b)がエアフィルタ(30)に接触し続けることによる劣化を防止することができ、これにより、回転ブラシ(51)の耐久性が向上する。
〈フィルタ清掃運転〉
フィルタ清掃運転では、図1に示す冷媒回路において圧縮機(4)が停止されて冷媒が循環しない状態となる。このフィルタ清掃運転では、「塵埃除去動作」と「ブラシ清掃動作」と「塵埃搬送動作」と「塵埃排出動作」とが切換可能に構成されている。なお、上記「塵埃除去動作」、「ブラシ清掃動作」及び「塵埃搬送動作」の間は、化粧パネル(11)に設けられたLED(16)が点灯するように構成されている。これにより、これらの動作を行っている旨をユーザーに対して報知することができる。
「塵埃除去動作」は、エアフィルタ(30)に捕捉された塵埃を除去する動作である。「ブラシ清掃動作」は、回転ブラシ(51)に捕捉された塵埃を除去する動作である。「塵埃搬送動作」は、塵埃貯留容器(60)から塵埃捕集箱(90)に塵埃を搬送する動作である。「塵埃排出動作」は、塵埃捕集箱(90)から室内ユニット(3)外へ塵埃を排出する動作である。
本実施形態では、「塵埃除去動作」と「ブラシ清掃動作」とが交互に行われる。先ず「塵埃除去動作」では、室内ファン(21)が停止される。そして、回転ブラシ(51)のブラシ(51b)をエアフィルタ(30)に接触させる。この状態において、エアフィルタ(30)は、回転ブラシ(51)のブラシ(51b)の毛を逆立てるように回転移動する(図11(A)の白抜き矢印方向)。なお、このとき回転ブラシ(51)は停止させたままである。
そうすると、上記エアフィルタ(30)の塵埃が回転ブラシ(51)のブラシ(51b)に捕捉される(図11(A))。そして、フィルタ駆動手段(40)のリミットスイッチ(44)のレバー(44a)が作動すると、フィルタ駆動モータ(41)が停止してエアフィルタ(30)の回転が停止する。つまり、エアフィルタ(30)は所定角度だけ回転して停止する。したがって、エアフィルタ(30)において回転ブラシ(51)のブラシ(51b)と接触した領域の塵埃が除去される。ここで、上記ブラシ(51b)は、エアフィルタ(30)の回転方向(移動方向)に対して逆立つように傾斜して植毛されているため、該エアフィルタ(30)の塵埃はブラシ(51b)によって容易に掻き取られる。よって、回転ブラシ(51)による塵埃の除去効率を向上させることができる。上述のように、上記エアフィルタ(30)の回転が停止すると、「塵埃除去動作」から「ブラシ清掃動作」に切り換わる。
「ブラシ清掃動作」では、引き続き室内ファン(21)が停止した状態で、まず上記回転ブラシ(51)が図11において左回り(反時計回り)に回転する。その際、上記回転ブラシ(51)は、ブラシ(51b)に塵埃を捕捉したまま、清掃用ブラシ(52)に対してブラシ部(51b,52b)同士が接触するように回転する(図11(B))。上記回転ブラシ(51)は、所定の回転角度だけ回転した後、停止する。
その後、上記回転ブラシ(51)は、上述の回転方向とは逆回り(図11において右回り(時計回り))に回転する。そうすると、上記回転ブラシ(51)のブラシ(51b)に捕捉されていた塵埃は、上記清掃用ブラシ(52)のブラシ(52b)によって除去される(図11(C))。これは、上記清掃用ブラシ(52)のブラシ(52b)の毛並みが下向き、すなわち回転ブラシ(51)の時計回りの回転によって逆立つように傾斜して植毛されているため、該清掃用ブラシ(52)によって回転ブラシ(51)のブラシ(51b)に付着した塵埃が掻き取られるからである。
また、上記回転ブラシ(51)及び清掃用ブラシ(52)のブラシ部(51b,52b)同士が接触することによって、該清掃用ブラシ(52)の本体部(52a)が上記回転ブラシ(51)と離間する方向へ押されるが、該本体部(52a)はバネ部(52c)によって回転ブラシ(51)側へ付勢されているため、ブラシ部(51b,52b)同士が離隔することはなく、清掃用ブラシ(52)が適切に回転ブラシ(51)に押し付けられる。したがって、上記回転ブラシ(51)のブラシ(51b)から塵埃をより確実に除去して、上記清掃用ブラシ(52)のブラシ(52b)に塵埃を捕捉することができる。なお、上記回転ブラシ(51)は、元の状態(図11(A)の状態)の位置まで回転して停止する。
続いて、上記回転ブラシ(51)は、再び左回り(反時計回り)に所定の回転角度だけ回転する。そうすると、上記清掃用ブラシ(52)のブラシ(52b)に捕捉されていた塵埃が回転ブラシ(51)のブラシ(51b)によって掻き取られ、塵埃貯留容器(60)の貯留部(62)に落下する(図11(D))。すなわち、上記回転ブラシ(51)のブラシ(51b)の毛並みが回転方向に沿うように傾斜しているため、上記清掃用ブラシ(52)のブラシ(52b)から塵埃を掻き取ることができる。その際も、上記清掃用ブラシ(52)は、バネ部(52c)によって回転ブラシ(51)側に適切に押し付けられるため、該清掃用ブラシ(52)から塵埃をより確実に除去することができる。
以上により、回転ブラシ(51)に捕捉された塵埃は除去され、塵埃貯留容器(60)の貯留部(62)に貯留される。その後、回転ブラシ(51)は再び右回り(時計回り)に回転して元の状態(図11(A))に戻り、「ブラシ清掃動作」が一旦終了する。
上述のような「ブラシ清掃動作」が終了すると、再び上述した「塵埃除去動作」が行われる。つまり、再びエアフィルタ(30)が回転され、リミットスイッチ(44)のレバー(44a)が再び作動するとエアフィルタ(30)が停止する。これにより、エアフィルタ(30)において回転ブラシ(51)のブラシ(51b)を通過した領域の塵埃が回転ブラシ(51)のブラシ(51b)に捕捉される(図11(A))。このように、「塵埃除去動作」と「ブラシ清掃動作」とが交互に繰り返すことにより、エアフィルタ(30)の所定領域毎に塵埃が除去されていく。そして、上記エアフィルタ(30)の全領域において塵埃が除去されると、「塵埃除去動作」および「ブラシ清掃動作」が完全に終了する。例えば、リミットスイッチ(44)のレバー(44a)が所定回数作動すると、エアフィルタ(30)が1回転したと判断して上記動作が終了する。
ところで、上述した「塵埃除去動作」および「ブラシ清掃動作」時には、貯留量検出手段(70)によって塵埃貯留容器(60)における塵埃貯留量が検出される。つまり、発光LED(72)による光の光度がフォトトランジスタ(73)によって検出される。そして、フォトトランジスタ(73)の検出光度が設定値(下限値)以下になると、塵埃貯留容器(60)における塵埃量が所定量に達したとして、「塵埃搬送動作」に切り換えられる。
「塵埃搬送動作」では、回転ブラシ(51)が図11(A)の状態で停止されると共に、エアフィルタ(30)が停止状態になる。また、ダンパボックス(81)のダンパ(82)が開状態(図14(B)の状態)になる。この状態において、室内ファン(21)が駆動されることにより、室内ファン(21)の吹出空気は、導入用ダクト(86)およびダンパボックス(81)を介して塵埃貯留容器(60)内へ導入される。これにより、塵埃貯留容器(60)の塵埃が空気と共に搬送用ダクト(88)を介して塵埃捕集箱(90)内へ搬送される。そうすると、上記塵埃貯留容器(60)において塵埃の貯留量が減少し、フォトトランジスタ(73)の検出光度が高くなる。そして、その検出光度が設定値(上限値)以上になると、塵埃貯留容器(60)における塵埃が殆ど排出されたとして、「塵埃搬送動作」が終了する。その後、「塵埃除去動作」または「ブラシ清掃動作」が再開される。
本実施形態のフィルタ清掃運転では、所定条件によって「塵埃排出動作」が行われる。すなわち、上記「塵埃搬送動作」でダンパ(82)を開いた後に、発光LED(72)を点灯させて、その光度を検出し、光度が所定値よりも低ければ、上記塵埃貯留容器(60)内の塵埃が室内ファン(21)の吹出空気によって搬送されていない、すなわち、塵埃貯留容器(60)から塵埃捕集箱(90)までの搬送路で塵埃が詰まっているか、若しくは該塵埃捕集箱(90)内に多量の塵埃が捕集されていると判断して、化粧パネル(11)のLED(16)を点灯させてユーザーにその旨を報知し、リモコン操作等に応じて、以下のような「塵埃排出動作」を行う。なお、このような、ダンパ(82)の動きと連動させて上記発光LED(72)の光度を検出する動作(以下、満タン・詰まり検出動作ともいう)は、例えば1週間に1回など、定期的に行われる。
「塵埃排出動作」では、上述した「塵埃搬送動作」と同様に、回転ブラシ(51)が図11(A)の状態で停止されると共に、エアフィルタ(30)が停止状態になる。また、ダンパボックス(81)のダンパ(82)が閉状態(図14(C)の状態)になる。
上述の状態において、ユーザーによって掃除機のノズルを化粧パネル(11)のノズル挿入部(110)に挿入した状態で、吸引動作を行う。この吸引動作により、塵埃捕集箱(90)内の塵埃が搬送用ダクト(88)、塵埃貯留容器(60)、ダンパボックス(81)、吸引用ダクト(87)及びノズル挿入部(110)を介して掃除機へ吸い込まれる。その際、塵埃貯留容器(60)内に残っていた塵埃も吸引用ダクト(87)を介して掃除機へ吸い込まれる。その結果、塵埃捕集箱(90)および塵埃貯留容器(60)の塵埃が室内ユニット(3)外へ排出される。
なお、上述のような満タン・詰まり検出動作は、一旦、光度が所定値よりも小さいと判定された場合には、上記「塵埃排出動作」によって塵埃の詰まりが無くなり且つ塵埃捕集箱(90)内の塵埃が少なくなるまで、すなわち上記発光LED(72)の光度が所定値以上になる場合まで、所定間隔で定期的に行われ、該光度が所定値以上になった場合には、上記化粧パネル(11)のLED(16)を消灯する。その後は、通常の満タン・詰まり検出動作を例えば1週間に1回、行う。
−実施形態の効果−
以上より、この実施形態では、掃除機のノズル(150)が挿入されるノズル挿入部(110)に接続される吸引用ダクト(87)は、塵埃除去手段(50)の塵埃貯留容器(60)に連結されたダンパボックス(81)に接続されており、該吸引用ダクト(87)が接続されている側とは反対側の塵埃貯留容器(60)には、塵埃捕集箱(90)に繋がる搬送用ダクト(88)が接続されているため、上記掃除機のノズル(150)によって吸引すると、上記塵埃捕集箱(90)内の塵埃だけでなく、上記塵埃貯留容器(60)内の塵埃も回収することができ、効率良く塵埃を回収することができる。
また、上記塵埃捕集箱(90)を設けることで、塵埃除去手段(50)によってエアフィルタ(30)から除去した塵埃を該塵埃捕集箱(90)内に捕集することができ、塵埃回収の頻度を低減することができる。
また、上記塵埃捕集箱(90)に繋がる搬送用ダクト(88)が接続されている側とは反対側の上記ダンパボックス(81)には、室内ファン(21)の吹出空気を流すための導入用ダクト(86)が接続されているため、該室内ファン(21)の吹出空気によって上記ダンパボックス(81)と連結されている上記塵埃貯留容器(60)内の塵埃を、上記搬送用ダクト(88)を介して上記塵埃捕集箱(90)に捕集することができる。したがって、上述の構成により、塵埃を確実に搬送することができる。
また、上記ダンパボックス(81)内には、上記導入用ダクト(86)の接続される位置と、上記吸引用ダクト(87)の接続される位置との間に、空気の流路を切り換えるためのダンパ(82)が設けられているため、該ダンパ(82)の切換動作によって、上記室内ファン(21)の吹出空気を上記導入用ダクト(86)を介して上記ダンパボックス(81)及び塵埃貯留容器(60)内に導入して塵埃を上記塵埃捕集箱(90)に搬送する搬送流路と、該塵埃捕集箱(90)内の塵埃を上記吸引用ダクト(87)を介して掃除機のノズル(150)によって吸引する吸引流路とに切り換えることができる。具体的には、上記ダンパ(82)は、上記室内ファン(21)の吹出空気を導入する際には開く一方、上記掃除機のノズル(150)によって上記塵埃捕集箱(90)内の塵埃を回収する際には閉じて上記室内ファン(21)の吹出空気を導入しないように構成されているため、塵埃回収時に室内ファン(21)の吹出空気によって回収作業が阻害されるのを防止することができる。
また、上記吸引用ダクト(87)の接続管(87a)は、ダンパボックス(81)に対して接続部分の軸線を中心に回動可能に構成されているため、該ダンパボックス(81)に対して吸引用ダクト(87)のレイアウトの自由度を向上することができる。
さらに、上記ノズル挿入部(110)も、その上部カバー(116)が下部カバー(117)に対して回動可能に構成されているため、該上部カバー(116)に接続される上記吸引用ダクト(87)のレイアウトの自由度を向上することができる。したがって、上記ダンパボックス(81)とノズル挿入部(110)との位置関係が変わった場合でも、該ダンパボックス(81)とノズル挿入部(110)とを確実に接続することができるとともに、両者を最短距離で接続することも可能となる。よって、吸込グリル(12)のスリット部(12a)のスリット方向を変えても、それに対応して上記ダンパボックス(81)とノズル挿入部(110)とを確実に接続することができるため、上記吸込グリル(12)におけるスリットの向きのレイアウトの自由度を向上することができる。
《その他の実施形態》
上記実施形態は、以下のように構成してもよい。
上記実施形態では、室内ユニット(3)を、本体ユニット(10)、掃除ユニット(100)及び化粧パネル(11)の3つに分割しているが、この限りではなく、一つのケーシング内に上記本体ユニット(10)及び掃除ユニット(100)の構成部品が配置され、その室内側を化粧パネル(11)で覆うようにしてもよい。
また、上記実施形態では、エアフィルタ(30)から除去した塵埃を塵埃捕集箱(90)に捕集するようにしているが、この限りではなく、塵埃を捕集できるような構成であれば、例えば袋状のものなど、どのような構成であってもよい。
また、上記実施形態では、上記塵埃捕集箱(90)を掃除ユニット(100)内に設けているが、この限りではなく、室内ユニット(3)とは別に設けるようにしてもよい。
また、上記実施形態では、塵埃貯留容器(60)から上記塵埃捕集箱(90)に塵埃を搬送する手段として、室内ファン(21)の吹出空気を利用するようにしているが、この限りではなく、塵埃を搬送できる構成であれば、どのような構成であってもよいし、専用のファンを設けるようにしてもよい。
また、上記実施形態では、エアフィルタ(30)は、円形状に形成されているが、この限りではなく、例えば矩形状に形成されていてもよい。この場合には、上記エアフィルタ(30)及び回転ブラシ(51)は直線的に相対移動する。そして、この場合でも、塵埃除去手段(50)及びダンパボックス(81)を回動可能に構成することで、該塵埃除去手段(50)及びダンパボックス(81)を平面視で上記エアフィルタ(30)と重ならない位置に容易に移動させることができる。
また、上記実施形態では、上記導入用ダクト(86)及び仕切板(25)に、それぞれ、突出部(86i,25b)を設けて、該導入用ダクト(86)の回動によって該導入用ダクト(86)が仕切板(25)に対して上下動するように構成されているが、この限りではなく、上記導入用ダクト(86)の外周面上にネジ部を設けるなど、該導入用ダクト(86)を上下動させることができる構成であればどのような構成であってもよい。なお、当然のことながら、上記塵埃除去手段(50)のメンテナンス位置が、平面視でエアフィルタ(30)と重ならないような位置であれば、上述のように上記導入用ダクト(86)が上下動するような構成にする必要はない。
さらに、上記実施形態では、ダンパボックス(81)内に流路切換手段としてダンパ(82)を設けているが、この限りではなく、流路を切り換えることができる構成であれば、どのような構成のものであってもよい。