JP6212001B2 - 分離膜構造体 - Google Patents

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Description

本発明は、分離膜を備える分離膜構造体に関する。
分離膜構造体には、管状の多孔質無機材料からなる基材と、基材の表面に形成されたゼオライト膜等の分離膜と、を備えるものがある。この分離膜構造体は、一端を封止して使用される(例えば、特許文献1,2参照)。
特開平10−180060 特開2006−88079
特許文献1では、ガラス粉末とアルミナ粉末の混合物を用い、500℃以上で融着して封止する技術が提案されている。分離膜としてゼオライト膜を使用する場合に、特許文献1の技術を用いると、融着時のゼオライト膜と支持体との膨張率の差異に由来したゼオライト膜のひび割れを生じる可能性があった。特許文献2では、基材と同じ外径の金属栓を、基材と分離膜とを備える分離膜構造体本体の一端に配置して、分離膜構造体本体の端部と金属栓の側面を、フッ素系エラストマーを介して帯ゼンマイで被覆し、加熱により封止する技術が提案されている。特許文献2の技術では、金属栓と帯ゼンマイとの界面から被処理流体がリークする可能性があった。このような課題は、ゼオライト膜に限らず、種々の分離膜を用いた分離膜構造体に共通する。そこで、分離膜構造体本体の一端を適切に封止する技術が望まれていた。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することができる。
(1)本発明の一形態によれば、分離膜構造体が提供される。この分離膜構造体は、管状の多孔質無機材料からなる基材と、前記基材の内表面又は外表面に形成された分離膜と、を備える分離膜構造体本体と、前記分離膜構造体本体の一方の端部を封止する、弾性材料から成るシール部材と、を備え、前記シール部材は、前記分離膜構造体本体の前記一方の端部の開口を被覆する開口被覆部と、前記分離膜構造体本体の内表面および外表面のうち、少なくとも前記分離膜が形成された面の一部を被覆する表面被覆部と、を備えてもよい。
この形態の分離膜構造体によれば、シール部材が、界面がない1つの部材として形成されているため、分離膜構造体本体の一端を複数の部材を用いて封止する場合に比べて、界面からの漏洩を抑制することができ、シール性を向上させることができる。また、シール部材は、弾性体から形成されているため、分離膜構造体本体との密着性が良好であり、金属製の封止材を用いる場合に比べて、シール性を向上させることができる。さらに高温条件下(例えば400℃以上)でシール部材を処理する必要がないので、分離膜と基材との膨張率の差異に由来した分離膜のひび割れ等も防止することができる。そのほか、低コスト化、省資源化、製造の容易化、性能の向上のうち、少なくとも1つを解決することができる。
(2)上記形態の分離膜構造体において、前記シール部材の前記表面被覆部は、前記分離膜構造体本体の前記内表面の一部と前記外表面の一部を被覆してもよい。このようにすると、シール部材によって、分離膜構造体本体の内径側および外径側共に、面で封止されるため、良好なシール性を得ることができる。
(3)上記形態の分離膜構造体において、前記分離膜と前記表面被覆部との間に配置される封止材を、さらに備えてもよい。分離膜は多孔質膜であるため、微視的には、表面に凹凸がある。封止材が分離膜表面の凹凸に入り込み、シール部材と分離膜との間にさらに封止材を備えるため、シール部材と分離膜との間のシール性を向上させることができる。また、シール部材と分離膜との間に隙間が存在していたとしても、確実にシールすることができる。
(4)上記形態の分離膜構造体において、前記シール部材の少なくとも一部を被覆する補助部材を、さらに備えてもよい。このようにすると、補助部材によりシール部材が分離膜構造体本体の内側方向に締め付けられるため、シール部材と分離膜構造体本体との密着性が向上され、分離膜構造体本体の一方の端部のシール性が向上される。
本発明は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、分離膜構造体モジュール、分離膜構造体を備えた装置、分離膜構造体の製造方法、分離膜構造体モジュールの製造方法等の形態で実現することができる。
本発明の第1実施形態としての分離膜構造体の構成を模式的に示す断面図である。 第1実施形態の分離膜構造体を用いた分離装置の構成を模式的に示す説明図である。 第2実施形態としての分離膜構造体の構成を模式的に示す断面図である。 第1変形例のシール部材の断面形状を模式的に示す断面図である。 第2変形例の分離膜構造体の構成を模式的に示す断面図である。
A.第1実施形態:
A−1.分離膜構造体の構造:
図1は、本発明の第1実施形態としての分離膜構造体の構成を模式的に示す断面図である。図1は、略円管状に形成された分離膜構造体100の中心軸を含む切断面を図示している。図1に示すように、分離膜構造体100は、分離膜構造体本体20と、シール部材40と、封止材50と、補助部材60と、を備える。
図1に示すように、分離膜構造体本体20は、基材22と、分離膜24と、を備える。基材22は、略円管状に形成されたアルミナ製の多孔質体である。基材22を形成する材料は、アルミナに限定されず、例えば、ムライト、チタニア、ジルコニア等のセラミックを用いてもよいし、ステンレス、チタン等の金属材料を用いてもよい。分離膜24としては、ゼオライト膜を用いている。本実施形態では、基材22の外表面に、水熱合成法により分離膜24を形成している。分離膜24を形成する材料はゼオライトに限定されず、例えば、炭素膜、シリカ膜、MOF(Metal−Organic Framework)膜等を用いてもよい。
ここで、本発明に用いるゼオライトとしては従来公知の合成ゼオライト、天然ゼオライトを用いることができる。また、通常ゼオライトは狭義には結晶性アルミノシリケートであるが、これに限定するものではなく、Alを含まないシリカライト、結晶性アルミノシリケートフォスフェート(SAPO)、結晶性アルミノシフォスフェート(ALPO)、結晶性チタノシリケート(TS)、ゼオライトの骨格にTi、Mn、Co、FeおよびZnなどの多様な金属元素を一部置換させて得た類似ゼオライトなども用いることができる。本発明で分離膜として形成されるゼオライトの具体的な種類は特に限定されるものではなく、あらゆるゼオライトを膜として形成することが可能である。
シール部材40は、開口被覆部42と第1の表面被覆部44と、第2の表面被覆部43とが、シリコーン樹脂により一体的に形成されている。図1では、説明のために開口被覆部42と第1の表面被覆部44および第2の表面被覆部43との仮想的な境界を一点鎖線で示している。
開口被覆部42は、分離膜構造体本体20の外径と略同一の直径の略円柱状を成す。開口被覆部42は、分離膜構造体本体20の一方の端部の開口を被覆して封止する。
第1の表面被覆部44は、内径が開口被覆部42の外径と同一の略円管状を成す。第1の表面被覆部44は、封止材50を介して分離膜構造体本体20の外表面の一部を被覆する。すなわち、第1の表面被覆部44は、分離膜構造体本体20の端部の分離膜24が形成された面の一部を被覆する。
第2の表面被覆部43は、分離膜構造体本体20内径と略同一の直径の略円柱状を成す。第2の表面被覆部43は、分離膜構造体本体20の内表面の一部を被覆する。本実施形態では、シリコーン樹脂製のシール部材40を例示したが、シール部材40を形成する材料は本実施形態に限定されない。例えば、軟質フッ素樹脂、シリコーンゴム、フッ素ゴム等の種々の弾性体を用いることができる。本実施形態における第1の表面被覆部44および第2の表面被覆部43が、請求項における表面被覆部に相当する。
封止材50は、シリコーン系のグリスであり、分離膜構造体本体20の一方の端部の外表面に塗布されて、分離膜構造体本体20の分離膜24と、シール部材40の第1の表面被覆部44との間に充填された状態になっている。封止材50により、シール部材40による分離膜構造体本体20の一端のシール性が向上される。なお、図1では、説明の容易化のために、シール部材40の第1の表面被覆部44と分離膜構造体本体20との間隙を大きく表示している。
補助部材60は、ポリオレフィンから成り、加熱により内径が分離膜構造体本体20の外径よりも小さくなる、略円管状の熱収縮チューブである。補助部材60は、シール部材40の外周面と、分離膜構造体本体20の外表面の一部を被覆している。分離膜構造体本体20の一方の端部の表面に封止材50を塗布して、シール部材40を嵌入し、その上に、補助部材60を被覆して、150℃で加熱することにより、図1に示す分離膜構造体100が形成される。補助部材60が加熱により分離膜構造体本体20の内側方向に収縮すると、補助部材60によりシール部材40が分離膜構造体本体20の内側方向に締め付けられるため、分離膜構造体本体20の一方の端部のシール性が向上される。また、150℃の加熱では、分離膜24と基材22の熱膨張はほとんどなく、分離膜24にひび割れが発生することはない。補助部材60は、ポリオレフィン製に限定されず、熱により収縮する部材であればよく、フッ素系ポリマー、熱可塑性エラストマー等種々の樹脂製の熱収縮部材を用いることができる。
A−2.分離膜構造体を用いた分離装置:
図2は、第1実施形態の分離膜構造体100を用いた分離装置200の構成を模式的に示す説明図である。分離装置200は、クロスフロー方式の分離装置であり、分離膜構造体100と、タンク120と、恒温器140と、冷却トラップ160と、真空ポンプ180と、を主に備える。
恒温器140は、内部に分離膜構造体100が格納される筐体であり、内部温度を、一定に保持する。タンク120は、内部に被処理流体を貯留し、配管124を介して被処理流体を、分離膜構造体100に供給する。配管124は、恒温器140内でコイル状に形成されているため、分離膜構造体100に供給される被処理流体の温度が恒温器140の内部温度相当の温度に保たれる。分離膜構造体100にて分離処理された後の被処理流体は、配管122を介してタンク120に戻される。
また、分離膜構造体100の開口端は、配管162を介して、冷却トラップ160に接続され、冷却トラップ160は、配管164を介して真空ポンプ180に接続されている。真空ポンプ180は、冷却トラップ160を介して、分離膜構造体100の内部を吸引し、2kPa程度に減圧する。これにより、被処理流体に含まれる成分のうち、分離膜構造体100の分離膜24および基材22を通過可能な成分が、基材22の内部に吸引され、配管162を介して冷却トラップにて捕集される。
被処理流体として水を含むバイオエタノールを用いて、上述の分離装置200によるバイオエタノールの脱水処理について説明する。バイオエタノールは、タンク120から送出され、配管124を通って恒温器140内で所定の温度に保たれて、分離膜構造体100に供給される。分離膜構造体100の内部は、減圧されているため、バイオエタノール中の水は分離膜構造体100の分離膜24および基材22を通過して分離膜構造体100内に吸引され、配管162を介して冷却トラップ160にて捕集される。分離膜構造体100により一部脱水されたバイオエタノールが、配管122を介してタンク120に戻される。この処理を繰り返し行うことにより、分離装置200を用いたバイオエタノールの脱水を行うことができる。
上記では、分離装置200を用いたバイオエタノールの脱水について説明したが、分離膜構造体100を用いて、種々の被処理流体を処理することができる。例えば、水と有機物の混合物を被処理流体とすることができる。有機物としては、アルコール、エーテル、エステル、有機酸等種々の有機物を対象とすることができる。
A−3.第1実施形態の効果:
エタノール90%、水10%の混合液を被処理流体(供給液)として、上述の分離装置200を用いて水の分離を行い、分離係数を算出した。分離係数は、以下の(式1)を用いて算出した。
分離係数=(透過液中の水量(%)/透過液中のエタノール量(%))/(供給液中の水量(%)/供給液中のエタノール量(%))…(式1)
ここで、透過液とは、冷却トラップ160にて捕集された液である。
上記供給液に対して分離装置200を用いて水の分離(脱水)を行い、冷却トラップ160に捕集された透過液を回収し、ガスクロマトグラフィーによって分析した結果、水99.5%、エタノール0.5%であった。上記(式1)によって分離係数を算出すると1790であった。一般に、分離係数が1000以上であれば、十分に封止されているといえるため、本実施形態の分離膜構造体100は、分離膜構造体本体20の一端が漏れなく封止されているといえる。
第1実施形態の分離膜構造体100によれば、シール部材40が、1つの部材として形成されているため、分離膜構造体本体20の一端を複数の部材を用いて封止する場合に比べて、界面からの漏洩を抑制することができ、シール性を向上させることができる。また、シール部材40は、弾性体から形成されているため、分離膜構造体本体20との密着性が良好であり、金属製の封止材を用いる場合に比べて、シール性を向上させることができる。
第1実施形態のシール部材40は、開口被覆部42が端部の開口を被覆すると共に、第2の表面被覆部43が分離膜構造体本体20の内側に嵌入して、分離膜構造体本体20の内表面の一部を被覆し、第1の表面被覆部44が分離膜構造体本体20の外表面の一部を被覆する。すなわち、シール部材40によって、分離膜構造体本体20の内径側および外径側共に、面で封止されるため、良好なシール性を得ることができる。
第1実施形態の分離膜構造体100によれば、シール部材40と分離膜24との間に封止材50を備える。分離膜24は多孔質膜であるため、微視的には、表面に凹凸がある。封止材50としてのグリスは半固体であるため、分離膜24表面の凹凸に入り込み、シール部材40と分離膜24との間のシール性を向上させることができる。
第1実施形態の分離膜構造体100は補助部材60を備え、補助部材60が加熱により分離膜構造体本体20の内側方向に収縮すると、補助部材60によりシール部材40が分離膜構造体本体20の内側方向に締め付けられるため、シール部材40と分離膜構造体本体20の外表面との密着性が向上され、分離膜構造体本体20の一方の端部のシール性が向上される。また、補助部材60は、シール部材40だけでなく分離膜構造体本体20の一部まで被覆している。そのため、さらに、シール部材40と分離膜24との間への被処理流体の流入が抑制され、シール性が向上される。
B.第2実施形態:
B−1.分離膜構造体の構造:
図3は、第2実施形態としての分離膜構造体の構成を模式的に示す断面図である。図3は、図1と同様に略円管状に形成された分離膜構造体100Aの中心軸を含む切断面を図示している。図3に示すように、分離膜構造体100Aは、分離膜構造体本体20Aと、シール部材40Aと、封止材50と、補助部材60Aと、を備える。
図3に示すように、分離膜構造体本体20Aは、基材22と、分離膜24と、を備える。第2実施形態の分離膜構造体本体20Aは、分離膜24が基材22の内表面に形成されている点が第1実施形態の分離膜構造体本体20と異なる。本実施形態における分離膜構造体本体20Aも、第1実施形態と同様に、水熱合成法により分離膜24を形成している。
シール部材40Aは、開口被覆部42Aと第1の表面被覆部44Aとが、シリコーン樹脂により一体的に形成されている。図3では、説明のために開口被覆部42Aと第1の表面被覆部44Aとの仮想的な境界を一点鎖線で示している。
開口被覆部42Aは、分離膜構造体本体20Aの外径と略同一の直径の略円柱状を成す。開口被覆部42Aは、分離膜構造体本体20Aの一方の端部の開口を被覆する。
第1の表面被覆部44Aは、分離膜構造体本体20Aの内径と略同一の直径の略円柱形状を成す。第1の表面被覆部44Aは、封止材50を介して分離膜構造体本体20Aの内表面の一部を被覆する。すなわち、第1の表面被覆部44Aは、分離膜構造体本体20Aの端部の分離膜24が形成された面の一部を被覆する。本実施形態における第1の表面被覆部44Aが、請求項における表面被覆部に相当する。
封止材50は、第1実施形態と同様のグリスであり、分離膜構造体本体20Aの一方の端部の内表面に塗布されて、分離膜構造体本体20Aの分離膜24と、シール部材40Aの第1の表面被覆部44Aとの間に充填された状態になっている。図3でも、説明の容易化のために、シール部材40Aの第1の表面被覆部44Aと分離膜構造体本体20Aとの間隙を大きく表示している。
補助部材60Aは、シール部材40Aと分離膜構造体本体20Aの一方の端部の一部を覆う蓋状に形成されている。補助部材60Aは、第1実施形態と同様のポリオレフィンから成り、加熱により収縮する部材である。分離膜構造体本体20Aの一方の端部の内表面に封止材50を塗布して、シール部材40Aを嵌入し、補助部材60を被覆して、加熱することにより、図3に示す分離膜構造体100Aが形成される。補助部材60Aが加熱により分離膜構造体本体20Aの内側方向に収縮すると、補助部材60Aによりシール部材40Aが分離膜構造体本体20Aの内側方向に締め付けられるため、シール部材40Aの開口被覆部42Aと分離膜構造体本体20Aの一方の端面との密着性が向上され、分離膜構造体本体20Aの一方の端部のシール性が向上される。
基材22の内表面に分離膜24が形成された分離膜構造体100Aを用いて被処理流体を処理する場合、第1実施形態とは異なり、被処理流体を分離膜構造体100Aの内部に供給し、分離膜構造体100Aの外環境を真空にする。補助部材60Aは、開口被覆部42Aの外周面だけでなく、開口被覆部42Aの全体と分離膜構造体本体20Aの一部を被覆しており、シール部材40Aを、分離膜構造体本体20Aの内側方向に締め付けている。そのため、分離膜構造体100Aの外環境の真空化による分離膜構造体本体20Aとシール部材40Aとの間の空隙の発生を抑制し、シール性能が低下するのを抑制することができる。
第2実施形態の分離膜構造体100Aを用いて、第1実施形態と同様にエタノール90%、水10%の混合液を被処理流体(供給液)として分離係数を算出した。第1実施形態と同様に、上記供給液に対して分離装置200を用いて水の分離(脱水)を行い、冷却トラップに捕集された透過液を回収し、ガスクロマトグラフィーによって分析した結果、水99.5%、エタノール0.5%であった。上記(式1)によって分離係数を算出すると1790であった。すなわち、本実施形態の分離膜構造体100Aも、第1実施形態の分離膜構造体100と同様に、分離膜構造体本体20Aの一端が漏れなく封止されているといえる。第2実施形態の分離膜構造体100Aにおいても、分離膜構造体本体20Aの分離膜24が形成された内表面の一部を第1の表面被覆部44によって被覆しており、分離膜構造体本体20Aの内径側が面で封止されるため、良好なシール性を得ることができる。
C.変形例:
本発明は、上述の実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態中の技術的特徴は、上述の課題の一部または全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部または全部を達成するために、適宜、差し替えや組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。例えば、次のような変形も可能である。
C−1.第1変形例:
分離膜構造体本体の一端を封止するシール部材の形状は、上記実施形態に限定されない。分離膜構造体本体の一方の端部を封止すると共に、分離膜24が形成されている表面の一部を被覆する形状であればよい。例えば、図4に示すような形状であってもよい。図4は、第1変形例のシール部材40Bの断面形状を模式的に示す断面図である。図4は、シール部材40Bの中心軸を含む切断面を図示している。変形例のシール部材40Bは、開口被覆部42Bと、第1の表面被覆部44Bと、第2の表面被覆部43Bと、を備え、断面形状が宀(ベン)型を成す。図4に矢印Yで示すように第1の表面被覆部44Bを引っ繰り返すと、第1実施形態のシール部材40と同様の形状になる。シール部材40Bを用いて、第1実施形態と同様に分離係数を算出したら、第1実施形態と同様に、分離係数は1790となった。すなわち、第1変形例のシール部材40Bを用いても、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。なお、上記第1実施形態のシール部材40や、第1変形例のシール部材40Bを用いて分離膜構造体本体の一方の端部を封止すると、分離膜構造体本体の内表面も外表面も面で被覆されるため、分離膜24が基材22の内表面に形成される場合も外表面に形成される場合も、どちらに用いても、適切に分離膜構造体本体20の一方の端部を封止することができる。
C−2.第2変形例:
上記実施形態において、補助部材は、シール部材の外周面全面を被覆する例を示したが、補助部材はシール部材の少なくとも一部を被覆すればよい。また、封止材50を備えない構成にしてもよい。図5は、第2変形例の分離膜構造体の構成を模式的に示す断面図である。図5は、図1と同様に、分離膜構造体100Cの中心軸を含む切断面を図示している。図5では、分離膜構造体100Cのシール部材40C近傍を示し、分離膜構造体本体20の一部の図示を省略している。第2変形例の分離膜構造体100Cでは、シール部材40Cの形状、補助部材60Cの形状が上記実施形態と異なると共に、封止材50を備えない点が上記実施形態と異なる。
シール部材40Cは、開口被覆部42Cと第1の表面被覆部44Cとが、シリコーン樹脂により一体的に形成されている。図5では、説明のために開口被覆部42Cと第1の表面被覆部44Cとの仮想的な境界を一点鎖線で示している。開口被覆部42Cは、分離膜構造体本体20の外径と略同一の直径の略円柱状を成す。開口被覆部42Cは、分離膜構造体本体20の一方の端部の開口を被覆して封止する。第1の表面被覆部44Cは、内径が開口被覆部42Cの外径と同一の略円管状を成す。第1の表面被覆部44Cは、分離膜構造体本体20Cの外表面の一部を被覆する。すなわち、第1の表面被覆部44Cは、分離膜構造体本体20の端部の分離膜24が形成された面を被覆する。シール部材40Cは、第1実施形態のシール部材40から第2の表面被覆部43を抜いた構成を成す。補助部材60Cは、シール部材40Cの一部を被覆する管状に形成されている。このようにしても、補助部材60Cによってシール部材40Cが分離膜構造体本体20の内側方向に締め付けられるため、シール部材40Cと分離膜構造体本体20との密着性が向上し、分離膜構造体100Cの一方の端部のシール性が向上する。
第2変形例の分離膜構造体100Cを用いて、第1実施形態と同様に分離係数を算出した。上記供給液に対して分離装置200を用いて水の分離(脱水)を行い、冷却トラップ160に捕集された透過液を回収し、ガスクロマトグラフィーによって分析した結果、水99.4%、エタノール0.6%であった。上記(式1)によって分離係数を算出すると1490であった。すなわち、このようにしても、分離膜構造体本体20の分離膜24が形成された外表面の一部が面で封止されているため、良好なシール性を得ることができる。但し、上記実施形態の分離膜構造体は、第2変形例の分離膜構造体100Cに比較して分離係数が高い。すなわち、分離膜とシール部材との間に封止材を備える構成にするとシール性をさらに向上させることができるため、好ましい。
C−3.第3変形例:
上記実施形態において、孔径や材料の異なる複数の層を有する多層構造の基材を用いてもよい。例えば、上記実施形態の基材22と同一形状の支持体において、その支持体の分離膜24が形成される表面に、孔径が支持体よりも小さく、分離膜24よりも大きい多孔質構造の中間層を設けた2層構造の基材を用いてもよい。中間層は、支持体と同一の材料で形成してもよいし、異なる材料で形成してもよい。また、中間層を、支持体と同一の孔径で、支持体と異なる材料で形成してもよい。さらに、中間層を2層以上とし、3層以上の層を有する基材を形成してもよい。
C−4.第4変形例:
上記実施形態において、基材22の形状として、断面形状(基材22の軸線と垂直な切断面)が円形状の円管状を例示したが、基材の形状はこれに限定されない。例えば、断面形状が楕円形を成す円管状であってもよい。さらに、断面形状が多角形状(三角形、四角形、五角形、六角形等)の多角形管状であってもよい。シール部材の形状を、基材の断面形状に合わせて形成することにより、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
C−5.第5変形例:
上記実施形態において、分離膜構造体が補助部材を備える例を示したが、補助部材を備えない構成にしてもよい。このようにしても、シール部材が、分離膜構造体本体の一方の端部の開口を被覆する開口被覆部と、分離膜構造体本体の分離膜が形成された面の一部を被覆する表面被覆部とを備えるため、分離膜構造体本体の一方の端部を良好に封止することができる。
C−6.第6変形例:
上記実施形態において、封止材50としてシリコーン系のグリスを例示したが、これに限定されず、フッ素系のグリス、グリス以外の半固体ペースト状の封止材を用いてもよい。また、封止材50として接着剤を用いてもよい。封止材50として接着剤を用いた場合、分離膜構造体において封止材50は固体の層になるが、接着剤は、分離膜24に塗布される際は半固体(または液状)であり、分離膜24表面の凹凸に入り込む。そして、接着剤が固まると分離膜24とシール部材とが接着されるため、シール性が向上される。また、封止材50として、ブチルゴム、シリコーン等のシーリング剤を用いて形成しても、接着剤を用いた場合と同様に、シール性が向上される。但し、封止材50として、グリス等の半固体ペースト状の封止材を用いると、例えば、シール部材が破損した場合等に分離膜構造体本体とシール部材とを容易に分離することができるため、メンテナンスの容易化に資する。
20,20A…分離膜構造体本体
22…基材
24…分離膜
40,40A,40B,40C…シール部材
42,42A,42B,42C…開口被覆部
43,43B…第2の表面被覆部
44,44A,44B,44C…第1の表面被覆部
50…封止材
60,60A,60C…補助部材
100,100A,100C…分離膜構造体
120…タンク
122,124…配管
140…恒温器
160…冷却トラップ
162,164…配管
180…真空ポンプ
200…分離装置

Claims (4)

  1. 管状の多孔質無機材料からなる基材と、前記基材の内表面又は外表面に形成された分離膜と、を備える分離膜構造体本体と、
    前記分離膜構造体本体の一方の端部を封止する、弾性材料から成るシール部材と、
    を備え、
    前記シール部材は、
    前記分離膜構造体本体の前記一方の端部の開口を被覆する開口被覆部と、
    前記分離膜構造体本体の内表面および外表面のうち、少なくとも前記分離膜が形成された面の一部を被覆する表面被覆部と、を備え、
    前記開口被覆部と前記表面被覆部とは、一体的に形成されている、分離膜構造体。
  2. 請求項1に記載の分離膜構造体において、
    前記シール部材の前記表面被覆部は、前記分離膜構造体本体の前記内表面の一部と前記外表面の一部を被覆する、分離膜構造体。
  3. 請求項1または請求項2に記載の分離膜構造体において、
    前記分離膜と前記表面被覆部との間に配置される封止材を、さらに備える、分離膜構造体。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の分離膜構造体において、
    前記シール部材の少なくとも一部を被覆する補助部材を、さらに備える、分離膜構造体。
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