JP6206996B2 - 改善された熱老化特性を有する溶融製造可能なテトラフルオロエチレン/ペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)コポリマー - Google Patents

改善された熱老化特性を有する溶融製造可能なテトラフルオロエチレン/ペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)コポリマー Download PDF

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Description

本発明は、テトラフルオロエチレン/ペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)コポリマーの使用温度を増加させること、および熱老化の他の効果に関する。
ペルフルオロポリマーの連続使用温度とは、実質的な強度をなお保持しながらも、ペルフルオロポリマーを長期間使用することが可能な最高温度である。この期間は6ヶ月であり、そして引張特性の保持とは、この特性の損失が、連続使用加熱への曝露より前の特性と比較して50%であることを意味する。これが本明細書における連続使用温度の意味である。コポリマーの引張試験は、試験温度まで加熱されたオーブンからのコポリマー試験試料の取り出しと、次いで、周囲温度(15〜25℃)で引張特性試験を行うことによって行われる。
テトラフルオロエチレン/ペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)コポリマーに関しては、連続使用温度は260℃であり、これは、Plastics Design Libraryによって出版されたS.Ebnesajjad,Fluoroplastics,Vol.2,Melt Processible Fluoropolymers,The Definitive User's Guide and Databook(2003)の第6ページに開示される302℃〜310℃の溶融温度よりはるかに低い。コポリマー溶融温度は、1972年に導入された、(テトラフルオロエチレン/ペルフルオロ(プロピルビニルエーテル)である最高溶融コポリマーに関する。溶融温度は、固体から液体状態へのコポリマーの相変化から生じるDSC吸熱性ピークの位置に相当する温度である。しかしながら、非常に低い連続使用(操作)温度によって示されるように、コポリマーが耐性を示すことが可能な温度は溶融温度よりもはるかに低い。
加熱が長引くことによって引張特性が低下するということは、コポリマーの完全性の低下を示す。課題は、このコポリマーを現在の連続使用温度より高い温度で使用することができるように、すなわち、コポリマーがより高い連続使用温度を有するように、その完全性をいかに改善するかということである。
本発明は、一実施形態において、ペルフルオロアルキルが1〜5個の炭素原子を含有する溶融製造可能なテトラフルオロエチレン/ペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)コポリマー、および溶融流動可能なポリテトラフルオロエチレンを含んでなる組成物を熱老化する工程であって、上記熱老化が260℃より高い温度で実行され、上記組成物が固体状態である工程を含んでなるプロセスを提供することによってこの課題を解決する。本明細書に後述されるように、組成物自体は溶融製造可能であり、そしてポリテトラフルオロエチレンは溶融流動可能である。熱老化の前に、2つのポリマーはブレンドされる。
驚くべきことに、上記ポリテトラフルオロエチレンの存在は、この熱老化曝露の間、コポリマーの完全性を改善し、得られる組成物が260℃を超える連続使用温度を示すことを可能にする。この熱老化は、以下に検討される結晶構造および特性における驚くべき変化を生じることもできる。最も驚くべきことは、以下に検討されるように、2つの溶解温度が1つの溶解温度のみを示すこと、すなわち、エピタキシャル共結晶化からの組成物の固体熱変態である。
熱老化の一実施形態は、少なくとも280℃の温度で組成物を加熱することによってか、または少なくとも4時間加熱を実行することによってか、あるいは両方によって実行される。好ましい熱老化温度は、少なくとも300℃である。熱老化は、好ましくは、少なくとも300℃の連続使用温度を示す組成物を得るために有効である。これは、コポリマー成分単独では260℃のみの連続使用温度を有するが、本発明で使用される組成物は、好ましくは、少なくとも300℃のより高い連続使用温度を有することを意味する。この連続使用温度の存在は、6ヶ月間少なくとも300℃の温度で組成物を加熱した後に、組成物がその初期の引張係数(熱老化より前の引張係数)の少なくとも80%、好ましくは少なくとも90%を保持することによって特徴づけられる。
典型的に、組成物は溶融状態から物品に製造され、そして物品は、少なくとも300℃の連続使用温度などの利点が現れるように熱老化を構成する高温で使用される。
本発明による組成物の熱老化は、長期間、好ましくは少なくとも6ヶ月間、280℃以上、好ましくは少なくとも290℃、そして最も好ましくは少なくとも300℃の温度などの高温操作で使用される、上記引張係数性能を示す組成物またはそれから製造される物品の能力において現れる利点をもたらす。
一実施形態によると、熱老化プロセスは、上記組成物の摩擦係数を減少させるために有効である。この利点は、15〜25℃の周囲温度などの低温で実現することができる。改善された気体による透過抵抗の利点も同様であり、すなわち、熱老化プロセスは、周囲温度において少なくとも50%、酸素および二酸化炭素などの気体の1種またはそれ以上による組成物の透過を減少させるために有効である。高い引張係数は、垂下に対する抵抗の増加に関与する。
本発明のもう1つの実施形態によると、熱老化プロセスの利点の出現は、熱老化された組成物の使用において、周囲温度およびより高い温度の両方である。熱老化は、上記組成物の垂下に対する抵抗を増加させるために有効である。好ましくは、本発明のプロセスにおいて、熱老化は、初期のMFR(熱老化前)と比較して、少なくとも25%、上記組成物のメルトフロー速度(MFR)を減少させるために有効である。
1つの用途において、組成物はチュービングの形態であり、そして垂下に対する抵抗の増加は、チュービング支持体間の垂下に対するチュービングの抵抗によって出現する。垂下に対するこのような抵抗は、上記チュービング内の加圧におけるバルーニングに対する抵抗の増加(直径膨張に対する抵抗の増加)も伴う。このような改善は、組成物で使用されるコポリマーのみから製造される同様のチュービングと比較して、そして熱老化より前の組成物と比較して得られる。
本発明のもう1つの実施形態は、ペルフルオロアルキルが1〜5個の炭素原子を含有するテトラフルオロエチレン/ペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)コポリマーのMITフレックスライフを改善するためのプロセスであって、溶融流動可能なポリテトラフルオロエチレンを上記コポリマーに組み込む工程と、その後、得られた組成物を少なくとも280℃の温度で固体状態で熱処理する工程とを含んでなり、上記ポリテトラフルオロエチレンの量および上記熱処理が、上記組成物のフレックスライフを、上記コポリマー単独および以前の得られた組成物の上記熱処理より前のフレックスライフの少なくとも2倍増加させるために有効であるプロセスとして定義されることができる。熱処理がより長いほど、MITフレックスライフの増加はより大きく、例えば、熱処理より前のコポリマーおよび組成物のMITフレックスライフの少なくとも5倍または少なくとも8倍である。好ましくは、(a)上記溶融流動可能なポリテトラフルオロエチレンの量は、組成物の全重量に基づき15〜35重量%であることができ、(b)熱処理は少なくとも24時間実行することができ、(c)熱処理は、少なくとも2日間、少なくとも300℃の温度で実行することができ、(d)熱処理は、実施例8で記載されるエピタキシャル共結晶化を生じるために有効であり、(e)上記熱処理より前の上記フレックスライフにおける上記コポリマーへの上記ポリテトラフルオロエチレンの組み込みの効果によって、上記組成物の上記フレックスライフを減少させることができ、(f)組成物は物品に溶融製造され、そしてそれは上記熱処理を受ける上記物品であり、かつ/またはコポリマーのMFRは少なくとも5g/10分である。これらの実施形態は、別々に、またはあらゆる組み合わせで適用されることができる。
上記の温度のいずれの熱老化も、好ましくは、組成物およびそれから製造される物品に、組成物およびそれから製造される物品のPFAおよびポリテトラフルオロエチレン成分のエピタキシャル共結晶化(ECC)を生じるために有効である。ECCの出現は、組成物および組成物から製造される物品が、本発明による固体状態での熱老化によってもたらされる単一の溶融温度を示すことである。溶融温度は、実施例に記載されるような、試料(組成物)が溶融状態である350℃までの10℃/分の速度でのDSC試料(組成物)の加熱を伴うDSCによって決定される吸熱性ピークである。米国特許第6,649,699号明細書は、表1〜5に、PFA/溶融流動可能なPTFE組成物は、PFAおよびPTFE成分単独での個々の溶融温度に相当する少なくとも2つのDSC溶融温度(2つの吸熱性ピーク)を示すことを開示する。DSC溶融温度決定までの組成物の第1次曝露に関する米国特許第6,649,699号明細書で観察されるこの結果は、実施例8にさらに記載されるように、本発明で使用される組成物にも存在することが認められた。DSC溶融決定までのこの第1次曝露は、DSC溶融温度決定までの、しばしば「第2次加熱」溶融温度と呼ばれる第2次曝露と区別するため、「第1次加熱」溶融温度としばしば呼ばれ、「第1次加熱」組成物は、200℃まで冷却され、次いで、溶融温度の第2次加熱決定に相当する吸熱性ピークを生じるために、350℃まで10℃/分の速度で再加熱される。第1次加熱DSC溶融温度は、組成物の溶融押出ペレットまたは組成物から溶融製造された物品であることが可能な試料の結晶学的な状態を表す。熱老化の前に、ペレットおよび組成物から溶融製造された物品は、各ポリマー成分の溶融温度にほぼ相当する少なくとも2つの溶融温度の存在によって示されるように、主にPFAおよびPTFEの別々の結晶を含有する。
ECCは、PFAの溶融温度より高いDSC第1次加熱溶融温度が単一の溶融温度であるように、これらの別々の結晶が共結晶になり、そしてPFAおよび溶融流動可能なPTFEの結晶が異なる結晶状態、すなわち、共結晶に変換したことを示す現象である。ECCは、上記のように組成物またはその物品の熱老化から生じる。M.Endoら、Crystallization in Binary Blends of Polytetrafluoroethylene with Perfluorinated Tetrafluoroethylene Copolymer,Polymer Journal,Vol.36,No.9,pp716−727(2004)は、図10に、PFA/PTFEブレンドは単一の溶融温度(第2次加熱)を示していることを開示し、共結晶化を示唆する。717頁に開示されるように、第1次加熱溶融は、溶融温度以下に冷却する前に、1時間623°K(350℃)で保持されそしてブレンドを再加熱し、第2次加熱溶融温度を得る。言い換えると、共結晶化は、DSC第2次溶融温度を得る前に、ブレンドが溶融状態で1時間加熱された後に発見された。
ECCは、本発明において、組成物がその形状を保持し、流動しない温度での熱老化によって生じ、組成物が固体状態にあることを示す。その形状を保持するとは、熱老化後、溶融製造された物品の形状が識別可能であることを意味する。組成物は、組成物から溶融製造された物品の形態であることが可能であり、好ましくは組成物から溶融製造された物品の形態であるので、これは重要である。そのように、物品が熱老化の間、物品がその溶融製造された形状を保持するように、固体状態のままであることは重要である。したがって、本発明による熱老化温度は高いが、その温度は、物品が溶融し、流動して、その初期の(未老化の)形状を失うほど高くはない。この形状安定性は、PFA単独の溶融温度より高い熱老化温度でさえも保持されることが見出された。しかしながら、熱老化温度は、組成物で最も低い溶融温度成分の溶融温度未満、すなわちコポリマーの溶融温度未満であることが好ましい。
本発明の熱老化プロセスは、好ましくは、組成物または組成物から溶融成形される物品の結晶構造における1種またはそれ以上の他の追加的な結晶学的な変化を生じるために有効であり、少なくとも10%の結晶化度指数の増加を示す。この増加は、熱老化より前の組成物および同様の熱老化を受けるコポリマー単独の両方と比較してである。もう1つの結晶学的な変化は、熱老化された組成物またはそれから製造される物品の結晶構造の均一性の改善であって、少なくとも10%のロングピリオドコヒーレンスの増加である。この改善は、同様の熱老化におけるコポリマー単独のロングピリオドコヒーレンスと比べると最も顕著である。異なる結晶学的な変化は、熱老化によって増加する結晶層の厚さと共に、熱老化された組成物の結晶層および熱老化された組成物非晶質層を含んでなるラメラを含む、組成物およびその物品の結晶構造であり、それによって、組成物は熱老化において少なくとも25%のロングピリオド増加を示す。好ましい実施形態によると、組成物またはその物品は、少なくとも280Åの見掛けの結晶径、少なくとも44の結晶化度指数、少なくとも375Åのロングピリオド、および少なくとも450Åのロングピリオドコヒーレンスを示す。
好ましくは、本発明のプロセスの熱老化は、熱老化が実施例2に示すように7日間315℃である場合、300℃で少なくとも30%の貯蔵係数増加を組成物に示させために有効である。
組成物の熱老化によって得られる物理的特性の上記の改善は、個々に、または、あらゆる組み合わせで、熱老化された組成物およびそれから得られる物品において存在することが可能である。組成物およびそれから製造される物品における結晶学的な変化、ならびにいずれかの結晶学的な変化との物理的特性の改善のいずれの組み合わせに関しても同様である。
本発明のもう1つの実施形態は、上記および本明細書に追加的に記載される熱老化プロセスによって製造される熱老化された組成物である。典型的に、熱老化された組成物は、以下に開示される物品などの、それから製造される最終的な物品の形態である。
熱老化された組成物は、前記ペルフルオロアルキルが1〜5個の炭素原子を含有する溶融製造可能なテトラフルオロエチレン/ペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)コポリマー、および溶融流動可能なポリテトラフルオロエチレンを含むものとして記載されることもでき、上記熱老化された組成物は以下の1つまたはそれ以上を示す。
(a)少なくとも300℃の連続使用温度、
(b)摩擦係数の減少、
(c)気体に対する透過の少なくとも50%の減少、
(d)熱老化前の上記組成物のメルトフロー速度と比較して、少なくとも25%のメルトフロー速度の減少、
(e)300℃での貯蔵係数の少なくとも30%の増加、
(f)少なくとも25%のロングピリオド増加によって特徴づけられるその結晶層の厚さの増加、
(g)垂下および/またはバルーニングに対する抵抗の増加、
(h)少なくとも10%のロングピリオドコヒーレンスの増加によって特徴づけられる結晶構造の均一性の改善、
(i)結晶化度指数の少なくとも10%の増加、
(j)エピタキシャル共結晶化、ならびに/あるいは
(k)上記熱老化より前の前記組成物のフレックスライフの少なくとも2倍のフレックスライフの増加。
熱老化および組成物に存在する溶融流動可能なポリテトラフルオロエチレンの量は、これらの望ましい効果の個々または組み合わせを達成するために選択される。熱老化の温度および時間は上記されており、そして溶融流動可能なポリテトラフルオロエチレンの量は以下に記載される。
ある種の結晶学的な特徴に関して、熱老化された組成物は、前記ペルフルオロアルキルが1〜5個の炭素原子を含有する溶融製造可能なテトラフルオロエチレン/ペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)コポリマー、および以下の1つまたはそれ以上を特徴とする結晶構造を熱老化された組成物に提供するために有効な量の溶融流動可能なポリテトラフルオロエチレンを含んでなると記載することができる:(i)熱老化より前の上記熱老化された組成物と比較した場合、少なくとも10%の結晶化度指数の増加、および/または(ii)上記熱老化における上記コポリマー単独の結晶化度指数における増加%よりも少なくとも10%高い結晶化度指数の増加。この熱老化された組成物は、上記熱老化された組成物が、上記熱老化における上記コポリマー単独のロングピリオドコヒーレンスの増加よりも少なくとも10%高いロングピリオドコヒーレンスの増加を示すことを特徴とする、上記熱老化によって改善される上記結晶構造の均一性を示すことも可能である。
本発明のもう1つの態様は、前記ペルフルオロアルキルが1〜5個の炭素原子を含有する溶融製造可能なテトラフルオロエチレン/ペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)コポリマーへの添加剤としての溶融流動可能なポリテトラフルオロエチレンの使用であり、そして得られた組成物は、次いで、上記されたように個々のまたは組み合わせて、物理的特性の改善および結晶学的な変化を得るために熱老化される。本発明のもう1つの実施形態は、上記されたようなこれらの改善および/または変化を得るための組成物の熱老化の使用である。
本発明は、熱老化して、コポリマーの溶融温度よりかなり低い連続操作温度を導くことによって、前記ペルフルオロアルキルが1〜5個の炭素原子を含有する溶融製造可能なテトラフルオロエチレン/ペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)コポリマーの物理的特性悪化の課題を解決する。この課題の解決策は、プロセスが、260℃の連続使用温度より高い温度での熱老化された場合の悪化に対するコポリマーの抵抗の増加として表されることができ、溶融流動可能なポリテトラフルオロエチレンをコポリマーに組み込む工程と、結果として生じる組成物を物品に形成する工程と、コポリマーの連続使用温度よりも高い温度でこの物品を熱老化する工程とを含んでなり、上記組成物に組み込まれるポリテトラフルオロエチレンの量は、組成物が、熱老化温度での熱老化より前の組成物の引張係数の少なくとも80%、好ましくは少なくとも90%を保持することが示されるように、上記悪化を防ぐために有効な量である実施形態にある。高い連続使用温度への組成物の曝露は、実質的に、組成物から形成される物品を含む組成物の熱老化である。増加%または保持%を含む本明細書に開示される引張係数は、特に明記しない限り、熱老化された組成物において、23℃±2℃で測定される。
これらの実施形態のそれぞれに関して、熱老化時間は、好ましくは少なくとも4時間であり、そして熱老化温度は、コポリマーの溶融温度の少なくとも30℃以内、好ましくは少なくとも20℃以内、そしてより好ましくは少なくとも10℃以内であるが、ただし、組成物またはそれから製造される物品は固体状態であることを条件とする。本発明は、組成物に対して非常により長い熱老化時間、例えば、上記の熱老化温度のいずれかにおいて、少なくとも1日、好ましくは少なくとも1週、より好ましくは少なくとも2週、そして最も好ましくは少なくとも6ヶ月を考察する。
本発明による熱老化で使用される組成物は、コポリマーと上記のポリテトラフルオロエチレン成分のエピタキシャル共結晶化の結果として、単一の溶融温度を示す。本明細書に記載される熱老化は、コポリマー成分の連続使用温度より高い温度であるが、組成物が固体状態から溶融状態に変化する温度以下の温度でもある。したがって、熱老化温度において、および熱老化の間、組成物およびそれから製造された物品は流動しないが、その代わりに、その初期の形状を保持する。
上記の結晶学的な構造における変化の1つの出現は、組成物の引張係数の改善である。チュービングに対する垂下およびバルーニングに対する抵抗、摩擦係数の減少ならびに/または気体に対する透過性の減少などの他の改善も得られる。
したがって、本発明のもう1つの実施形態は、(i)熱老化の前の組成物のメルトフロー速度と比較して少なくとも25%のメルトフロー速度の減少を示す熱老化された組成物、および/または(ii)23℃でのその引張係数の少なくとも80%を保持する熱老化された組成物を得るために、280℃から組成物の溶融温度未満までの温度で熱老化され、ペルフルオロアルキルが1〜5個の炭素原子を含有する溶融製造可能なテトラフルオロエチレン/ペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)コポリマー、および有効量の溶融流動可能なポリテトラフルオロエチレンを含んでなる組成物である。この実施形態の一態様において、少なくとも280℃の温度での少なくとも6ヶ月の熱老化後、この引張係数保持は存在する。もう1つの態様において、熱老化は、少なくとも300℃のより高い温度で、少なくとも1週間、好ましくは少なくとも2週間、より好ましくは少なくとも6ヶ月間実行される。
本発明のなおもう1つの実施形態は、(i)熱老化より前の組成物の結晶化度指数と比較した場合、少なくとも10%の結晶化度指数の増加、および/または(ii)同様の熱老化におけるコポリマー単独の結晶化度指数における増加%よりも少なくとも10%高い結晶化度指数の増加を特徴とする結晶構造を熱老化された組成物に提供するための、ペルフルオロアルキルが1〜5個の炭素原子を含有する溶融製造可能なテトラフルオロエチレン/ペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)コポリマー、および有効量の溶融流動可能なポリテトラフルオロエチレンを含んでなる熱老化された組成物である。
熱老化によって生じる組成物の構造変化は、実施例4に記載されるように、1種またはそれ以上の追加的な構造変化を伴うことも可能である。熱老化された組成物は、組成物が、同様の熱老化におけるコポリマー単独のロングピリオドコヒーレンスにおける増加よりも少なくとも50%高い、好ましくは少なくとも60%高いロングピリオドコヒーレンスの増加を示すことを特徴とする結晶構造の均一性の改善を示す。熱老化された組成物は、組成物の結晶質層および非晶質層を含んでなるラメラ積層を含む結晶構造を有し、そして組成物に存在するポリテトラフルオロエチレンの量は、上記組成物が、熱老化において少なくとも10%のロングピリオドの増加を示すことを特徴とする結晶層の厚さを増加させるために有効である。
1つまたはそれ以上のこれらの構造(結晶学的な)変化を生じる熱老化は、少なくとも4時間、少なくとも280度の温度で実行される加熱である。熱老化を、より長い期間、例えば、少なくとも1日、好ましくは少なくとも7日、かつ/またはより高い温度、例えば、少なくとも300℃であるが、組成物の溶解温度未満、すなわち、組成物またはそれから製造される物品に流動を生じる温度未満で実行することができる。
上記された熱老化の効果:引張係数、メルトフロー速度および他の構造変化は、個々に、または組み合わせて、本発明の熱老化された組成物を定義する。
この組成物に使用されるポリテトラフルオロエチレンは低分子量であり、そして以下にLMW PTFEとして記載される。このLMW PTFEは、単独で強度を有さず、すなわち、引張特性試験に必要とされる試験片に成形されることが不可能である。それにもかかわらず、驚くべきことに、組成物がその連続使用温度より高温で加熱される場合、強度保持品質をコポリマーに与える。したがって、組成物中のこのLMW PTFEの存在によって、組成物から成形された物品を長期間、組成物中に存在するコポリマー成分の連続使用温度よりも高い温度で使用することが可能となる。好ましくは、より高い温度への物品の曝露の期間は、少なくとも1週、好ましくは少なくとも1ヶ月、そしてより好ましくは少なくとも6ヶ月であり、そして、より高い曝露温度は、コポリマーの連続使用温度よりも少なくとも20℃高い。
コポリマー単独に関するよりも高い温度での成型品の連続使用の能力によって、地中からの油(液体)、気体および/または蒸気などの熱流体の抽出のためのダウンホールウェルで発生する環境、化学加工産業、および半導体の製造における環境などの高温度環境でのコポリマーの適用性は増加する。これらの適用分野において、物品が暴露される熱には、典型的に物品と接触する液体である熱流体が付随する。熱流体が物品に熱をもたらすか、または熱源が、物品との接触において、加熱された流体から物品に熱をもたらす。いずれにしても、熱老化された組成物のそのような用途における熱流体は、空気以外であることが可能である。物品は、支持体基板上のライニングの形態である場合のように支持されてもよく、または、熱流体輸送のための配管の場合のように支持されていなくてもよくて、すなわち、固定されていなくてもよい。
本発明で使用される組成物で使用されるテトラフルオロエチレン/ペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)コポリマーは、それらを溶融製造可能とさせることが可能であるように溶融流動可能であるものである。溶融製造可能によって、ペルフルオロポリマーが、溶融状態で十分に流動可能であり、押出成形などの溶融加工によって製造可能であり、そして有用であるために十分な強度を有する製品を生じることを意味する。この十分な強度は、8ミル(0.21mm)厚膜を使用して、単独で、少なくとも1000サイクル、好ましくは少なくとも2000サイクルのMIT Flex Lifeを示すコポリマーによって特徴づけられてもよい。MIT Flex Life試験では、膜をジョーの間に挟み、135°の範囲で前後に曲げる。この場合、コポリマーの強度は、脆性ではないことによって示される。本発明で使用されるコポリマーはフルオロプラスチックであり、フルオロエラストマーではない。フルオロプラスチックとして、ペルフルオロポリマーは半結晶性であり、部分的に結晶性とも呼ばれる。(あらゆる熱処理の前の)コポリマーのメルトフロー速度(MFR)は、好ましくは、ASTM D 3307に開示される条件で、ASTM D−1238に記載された押出成形可塑度計を使用することによって、すなわち、372℃の溶融温度で、そして5kg負荷で測定した場合、少なくとも0.1g/10分、好ましくは少なくとも5g/10分、より好ましくは少なくとも6または7g/10分であり、そして50g/10分以下である。
上記コポリマーは、一般に、PFAと記載され、これは、テトラフルオロエチレン(TFE)、および線形または分枝状ペルフルオロアルキル基が1〜5個の炭素原子を含有するペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)(PAVE)のコポリマーである。好ましいPAVEモノマーは、ペルフルオロアルキル基が1個、2個、3個または4個の炭素原子を含有するものであり、それぞれ、ペルフルオロ(メチルビニルエーテル)(PMVE)、ペルフルオロ(エチルビニルエーテル)(PEVE)、ペルフルオロ(プロピルビニルエーテル)(PPVE)およびペルフルオロ(ブチルビニルエーテル)(PBVE)として知られている。コポリマーは、時には製造業者にMFAと呼ばれるTFE/ペルフルオロ(メチルビニルエーテル)/ペルフルオロ(プロピルビニルエーテル)コポリマーなどのいくつかのPAVEモノマーを使用して製造することができるが、本明細書にはPFAとして含まれる。PFAは約1〜15重量%のPAVEを含有してもよいが、単一のPAVEモノマーがPFAを形成するために使用される場合、2〜5重量%、好ましくは3.0〜4.8重量%のPAVE含有量が最も一般的なPAVE含有量であり、TFEがコポリマーの残部を形成している。PAVEがPMVEを含む場合、その組成は約0.5〜13重量%ペルフルオロ(メチルビニルエーテル)および約0.5〜3重量%PPVEであって、全100重量%に対する残部はTFEである。好ましくは、PFAに存在するPAVEの同一性および量は、PFAの溶融温度が300℃より高いものである。PFAの例は、米国特許第3,635,926号明細書(Carlson)および同第5,932,673号明細書(Atenら)に開示される。
本発明で使用されるLMW PTFEに関して、その溶融流動性は、その低分子量から生じる。これは、その極めて高い分子量に起因して、溶融状態において非溶融流動可能であるPTFEと対照的である。この低分子量が溶融流動性をLMW PTFEに与えるが、このポリマー単独は溶融製造可能ではなく、すなわち、極度の脆性によって、LMW PTFE溶融物から成形される物品は役に立たない。(非溶融流動可能なPTFEと比較して)そのような低分子量のため、それは強度を有さない。この低分子量(LMW)PTFEの押出されたフィラメントは脆性であり、撓曲させると即座に破壊する。一般に、圧縮成形されたプラークは、本発明で使用されるLMW PTFEの引張試験のために製造不可能である。というのは、プラークは、圧縮型から取り出す時に亀裂が入るか、または砕けるためであり、引張特性もMIT Flex Lifeも試験不可能である。実質的に、このポリマーでは、引張強さはゼロであり、MIT Flex Lifeは0サイクルである。
LMW PTFEは高い結晶化度を特徴とすることも可能であり、好ましくは少なくとも50J/gの結晶化熱を示す。
LMW PTFEが、その高い結晶化度および強度の欠如によって特徴づけられることに加えて、好ましいLMW PTFEは、溶融流動性を有する。これは、372℃で、溶融ポリマー上に5kgの重量を使用して、ASTM D 1238に従って測定した場合、少なくとも0.01g/10分、好ましくは少なくとも0.1g/10分、そしてより好ましくは少なくとも5g/10分、そしてなおより好ましくは少なくとも10g/10分のメルトフロー速度(MFR)によって特徴づけられることができる。
本発明が製造される組成物で使用されるPFAおよびLMW PTFEのMFRは、372℃の溶融温度で、5kg負荷で、ASTM D 1238に従って決定した場合、好ましくは、互いから20g/10分の範囲内であり、好ましくは互いから15g/10分の範囲内であり、そしてより好ましくは互いから10g/10分の範囲内である。本明細書に開示される全てのメルトフロー速度は、特に明記しない限り、未老化のポリマーにおいて決定される。
LMW PTFEは、非常に長いポリマー鎖の形成を防ぐ条件下での直接重合によって、またはPTFE、すなわち高分子量、非溶融流動可能なPTFEの照射分解によって得られる。LMW PTFEは低分子量を有するが、それにもかかわらず、高温まで、例えば、少なくとも300℃、より好ましくは少なくとも310℃、さらに好ましくは少なくとも320℃まで固体である十分な分子量を有する。好ましくは、LMW PTFEは、PFAの溶融温度より高い溶融温度を有し、好ましくは少なくとも5℃高い。
本発明で使用されるLMW PTFEは、PTFEマイクロパウダーとしばしば呼ばれ、これは、このポリマーを、高分子量、非溶融流動可能なPTFEと区別するもう1つの方法でもある。DuPont Companyの商標TEFLON(登録商標)は、PTFEに適用可能であることが周知である。対照的に、DuPont Companyは、他の材料に添加時に低い表面エネルギーおよび他のフルオロポリマー特性を与えるために使用されるZONYL(登録商標)フルオロ添加剤としてPTFE マイクロパウダーを販売する。
PFA単独の連続使用温度より高温で持続される操作のために使用が可能な物品へと形成可能である組成物を製造するために使用されるPFAおよびLMW PTFEの割合は、所望の結果に依存し、すなわち、LMW PTFEの割合は、物理的特性改善および/または結晶学的な変化あるいは上記それらのあらゆる組み合わせを提供するために有効である。一実施形態において、組成物で使用されるLMW PTFEの量は、PFA単独の連続使用温度を少なくとも280℃まで増加させるために有効である量である。あるいは、組成物中のLMW PTFEのこの量は、連続使用温度を、PFA単独のものからPFA単独の溶融温度の20℃の範囲内、好ましくは溶融温度の10℃の範囲内となるように増加させるために有効である量であり、それによって、PFA/LMW PTFE組成物は、PFA溶融温度が307℃である場合、少なくとも297℃の使用温度を有するだろう。最も好ましくは、組成物の連続使用温度は、少なくとも300℃である。この点に関しては、組成物は、一般に、少なくとも15重量%、好ましくは少なくとも18重量%、そしてより好ましくは少なくとも20重量%のLMW PTFEを含有する。LMW PTFEの最大量は、好ましくは50重量%未満である。上記全てのLMW PTFE最小含有量に関して、構成要素を形成する組成物のLMW PTFEのより好ましい最大量は、45重量%であり、それによって、15〜45重量%および18〜45重量%のLMW PTFE含有量範囲が定義される。同じ基準で、LMW PTFEの好ましい最大量は、40重量%であり、より好ましくは35重量%、そしてさらにより好ましくは30重量%であり、それによって、そのような追加的な範囲は、18〜40重量%、18〜35重量%、ならびに18〜30重量%および20〜45重量%、20〜35重量%、ならびに20〜30重量%のLMW PTFEとして定義される。全てのこれらの重量%量に関して、PFAは、これらのポリマーの組み合わせた重量に基づき全100重量%まで、残りのポリマー含有量を構成する。好ましくは、熱老化された組成物を形成するために、単一のLMW PTFEおよび単一のPFAが使用され、そして、これらは組成物を構成する唯一のポリマー成分である。顔料が組成物中に存在してもよいが、組成物に導電性を与えないものである。好ましくは、組成物の誘電率は、20℃で決定した場合、2.4以下、より好ましくは2.2以下であり、組成物およびそれから製造される物品を電気絶縁性、すなわち、非導電性にすることが可能である。一態様において、組成物およびそれから製造される物品は、導電性カーボンを含まない。
組成物は、好ましくは、所望の割合で、PFAおよびLMW PTFEを一緒に完全に溶融混合することによって調製される。本明細書に開示される溶融混合とは、用語が暗示するように、両成分の溶融温度より高い温度まで組成物を加熱して、そして例えば、射出成形または押出成形においてそれぞれ存在する射出または押出スクリューを使用して生じるように、溶融物を撹拌することによって、生じた溶融物を混合することである。溶融混合のために使用される剪断速度は、一般に少なくとも約75秒-1である。組成物の溶融混合性は、それが溶融流動可能であることを示し、そして組成物に存在するPFAの量も、それを溶融製造可能にさせるために有効である。
溶融混合の前に、2種のポリマーを乾燥ブレンドして、乾燥ブレンドされた混合物として組成物を形成することができる。乾燥ブレンドのためのポリマーの形態は、PFAおよびLMW PTFEパウダーの押出ペレットが可能である。典型的に、ペレットは直径および長さが10mm未満であり、そしてレーザー Microtac(登録商標)装置で測定した場合、LMW PTFEパウダーは50マイクロメートル未満の平均粒径を有する。
溶融組成物を溶融製造プロセスから冷却すると、組成物が、2種のポリマー成分の溶融温度に相当する2つの溶融温度を示すことによって示されるように、PFAおよびLMW PTFEは本質的に別々に結晶化する。上記の固体状態の組成物の熱老化は、エピタキシャル共結晶化をもたらし、それによって、組成物が単一の溶融温度のみを示すように、組成物は変態を受ける。それにもかかわらず、熱老化された組成物は、本明細書中、分子レベルで、熱老化後でさえ、これらの2種の成分が組成物に存在するという確信により、組成物の両ポリマー成分を含んでなる、またはLMW PTFEをPFAに組み込むと記載される。本明細書に使用される「含んでなる」という用語は、製造方法に関しての組成物、すなわち、上記2種の異なるポリマーを組み合わせることによって製造される組成物、ならびに熱老化された組成物を含む得られた組成物の説明を含む。得られた混合物から製造される物品は、後でさらに詳しく検討される。
組成物の溶融混合物は、使用時に、組成物に含有されるPFAの連続使用温度より高い温度、すなわち260℃より高い温度への暴露が可能な、組成物からの所望の物品の最終的な形態へと、または次いで所望の物品の最終的な形態に溶融製造が可能である組成物の押出ペレットへと溶融製造が可能である。溶融製造プロセスは、形成される物品次第であるが、一般に、押出成形、射出成形、トランスファー成形、圧縮成形、ロトリニング(rotolining)または回転成形などの溶融製造プロセスを使用する。
上記から、本発明の熱老化された組成物を形成するために熱老化される組成物は、最初に、溶融混合によって形成され、続いて、溶融混合物を、ペレットの形態などの中間体であることが可能な物品、または物品の最終的な形状であることが可能な物品へと形成することは明白である。したがって、本発明の熱老化された組成物は、溶融混合によって製造されたか、または熱老化された溶融混合組成物、もしくはそのような組成物から形成された物品として定義されることができる。組成物の熱老化は、好ましくは、それが物品、中間体または最終的な形状に形成された後、溶融混合物において実行される。したがって、本発明の一態様において、熱老化は、次いで押出成形または射出成形などによって物品の最終的な形状に溶融製造される中間体物品において行われる。好ましくは、熱老化された組成物または物品の溶融製造によって、組成物のエピタキシャル共結晶化(ECC)が失われて、これは、熱老化組成物から溶融製造された物品が、上記のようにECCを回復させるために、再熱老化されなければならないことを意味するため、熱老化は物品の最終的な形状において行われる。上記のECCおよび/または他の結晶学的な変化を物品に生じるそのような熱老化は、したがって、最終的な造形品の形態で組成物の高い温度使用から生じる処理であることが可能である。
組成物から形成される最終的な形状の物品の例は、容器、化学カラム、パイプ、取付け部品、ポンプおよび弁のためのライニングを含む。これらの用途において、ライニングは、線状の装置を形成する構造によって支持される。組成物から製造される物品は、用途のために必要とされる完全性を有するように十分な壁厚または質量を有するように製造される場合、支持されていないことが可能である。ライニングの代わりに、組成物(物品)は全ての装置を形成することが可能であ。追加的な物品は、熱交換チューブおよび他の熱交換要素、例えば、チューブシートおよび/またはハウジング、ホースおよび伸縮継手、シールおよびガスケットであることが可能である。例えば半導体形成において使用されるバスケットおよびキャリアなどの自己支持物品は製造可能である。組成物は、地中からの油(液体)、気体または蒸気などの熱流体の抽出のためのダウンホールウェルなどの高温用途で使用される通信ケーブルのため、そしてそのような高温用途で使用されるモーターの高温耐性モーターワインディングのための一次および/または二次電気絶縁材へと形成することが可能である。これらの用途のほとんどにおいて、物品の加熱(熱老化)は、熱流体が物品と直接または付近で接触することによって行われる。
本発明で使用される組成物から製造される物品の高温曝露の時間は、用途次第である。組成物は、ペルフルオロポリマー単体の連続使用温度よりも高い本明細書に開示される種々の高温への少なくとも1日、好ましくは少なくとも1週、より好ましくは少なくとも2週、そしてなおより好ましくは少なくとも6ヶ月の曝露の有効性が意図される。PFA/LMW PTFE組成物は、少なくとも96週間、300℃より高い温度に、引張係数に損失を生じずに耐性を示すことが示されている。本明細書に開示される熱老化または高温曝露の期間は、実施例で開示される熱老化を除いて、熱老化の時間/温度への連続または不連続曝露の結果であることができる。連続曝露の場合、熱老化は中断されない。不連続曝露の場合、熱老化された物品がダウンホールウェルの深さにおいて使用されて、そしてウェルで定期的に取り出されて、再設置される場合に生じ得るように、熱老化は中断される。したがって、連続であっても不連続であっても、熱老化時間は熱老化への曝露の蓄積時間である。
本発明のプロセスは、(i)上記PFA単独の引張係数と比較して、結果として生じる組成物の引張係数の増加を得るために有効な量で、溶融流動可能なポリテトラフルオロエチレンを上記PFAと溶融混合する工程と、(ii)上記組成物を物品へと溶融製造する工程と、(iii)上記物品を、上記PFAの連続使用温度より高い温度(260℃より高い温度)への加熱に暴露する工程とによって、PFAの持続された高温適用性(連続使用温度)を増加させるものであって、上記ポリテトラフルオロエチレンの上記有効量が上記加熱の間、少なくとも80%の上記係数を保持するものとして記載されることもできる。得られる組成物に与えられる引張係数の増加は、加熱工程の前の引張係数と比較される。好ましくは、組成物の引張係数は、少なくとも上記加熱の後、加熱工程より前の組成物の引張係数と同じぐらい高いままである。係数は、上記加熱時に増加し得る。好ましい引張係数保持は、組成物の初期の引張係数の少なくとも90%である。加熱は、好ましくは少なくとも280℃の温度である。加熱時間は、好ましくは、少なくとも4時間、より好ましくは少なくとも24時間、さらに好ましくは少なくとも7日である。また加熱は、そのような高温での連続操作を必要とする用途において、少なくとも6ヵ月である。加熱温度は好ましくは少なくとも280℃であり、それはPFA単独の連続操作温度を著しく越える。上記の加熱時間および温度条件は、以下に記載する本発明の実施形態にも適用可能である。
本発明のもう1つの実施形態において、PFAの連続使用温度適用性を増加させるためのプロセスは、(i)上記PFA単体の引張係数と比較して、得られる組成物の引張係数の増加を得るために有効な量で、溶融流動可能なポリテトラフルオロエチレンを上記PFAと混合する工程と、(ii)上記組成物を物品へと製造する工程と、(iii)上記の物理的特性におけるいずれかの改善および/またはいずれかの結晶学的な構造の変化を得るために有効な加熱を上記物品に受けさせる工程とを含んでなる。もう1つの実施形態において、加熱は、上記加熱の前の上記物品の引張係数より高くまで上記引張係数を増加させるために有効である。
本発明のなおもう1つの実施形態は、共結晶化されたペルフルオロポリマー組成物の形成のためのプロセスであって、ペルフルオロアルキルが1〜5個の炭素原子を含有するテトラフルオロエチレン/ペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)コポリマーと溶融流動可能なポリテトラフルオロエチレンとの混合物を溶融して、組成物を形成する工程と、上記組成物が、少なくとも280Å、好ましくは少なくとも350Åの見掛けの結晶径、少なくとも44、好ましくは少なくとも46、より好ましくは少なくとも48の結晶化度指数、および少なくとも450Å、好ましくは少なくとも500Å、より好ましくは少なくとも550Åのロングピリオドコヒーレンスを有するために十分な温度で組成物を熱老化する工程とを含んでなるプロセスである。あるいは、組成物は溶融製造された物品の形態であり、そしてそれは熱老化を受ける物品である。いずれの実施形態においても、熱老化は、組成物/物品にECCを受けさせるために有効であるものであることが可能である。
これらの実施形態における混合は、好ましくは溶融混合であり、そしてこれらの実施形態における加熱は、好ましくは少なくとも280℃の温度である。
本発明のもう1つの実施形態は、組成物またはそれから製造される物品が、固体状態で、280℃からの温度で熱老化されるものであって、組成物/物品が、前記ペルフルオロアルキルが1〜5個の炭素原子を含有する溶融製造可能なテトラフルオロエチレン/ペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)コポリマーと、(i)熱老化より前の上記組成物のメルトフロー速度と比較して、少なくとも25%のメルトフロー速度の減少を示す、上記熱老化された組成物、および/または(ii)少なくとも6ヶ月の上記熱老化の後、23℃でのその引張係数の少なくとも80%、好ましくは少なくとも90%を保持する、上記熱老化された組成物を得るために有効な量のそして溶融流動可能なポリテトラフルオロエチレンとを含んでなるものである。
本発明の熱老化された組成物の性能および熱老化によってもたらされる組成物における構造/化学変化を以下の実施例に記載する。
引張(ヤング)係数は、ASTM D 3307セクション9.6によって修正されるASTM D 638−03の手順によって、厚さ60ミル(1.5mm)の圧縮成形プラークから打ち抜かれた厚さ5mmを有する幅15mm×長さ38mmのダンベル型試験片上で決定する。これらの実施例に報告される全ての引張係数は、特に明記しない限り、23℃±2℃で測定される。
MIT Flex Lifeを測定するための手順は、厚さ8ミル(0.21mm)の圧縮成形された膜を使用するASTM D 2176に開示される。
これらの試験で使用されるプラークおよび膜の圧縮成形は、7×7インチ(17.8×17.8cm)圧縮成形物を製造するために、343℃の温度で、20,000ポンド(9070kg)の力の下で、本明細書に後述されるBrabender(登録商標)押出機で製造される溶融ブレンド組成物において実行された。より詳細に、厚さ60ミル(1.5mm)のプラークを製造するために、80gの組成物を、厚さ63ミル(1.6mm)のチェイスに添加する。チェイスによって、17.8×17.8cmのプラーク径が画定される。圧縮成形プレスのプラテンへの固着を避けるために、チェイスと組成物充填物は、2枚のアルミニウムシートの間に挟まれている。チェイスとアルミニウムシート(プレスのプラテンによって支持される)との組み合わせによって、型を形成する。プレスプラテンは343℃まで加熱される。全プレス時間は10分であり、最初の1分は20,000ポンド(9070kg)のプレス力を徐々に達成するために使用され、残りの時間は圧力開放のために使用される。次いで、このサンドイッチは、70トン(63560kg)コールドプレスに即座に移動され、そして5分間、熱圧縮成形物に20,000ポンド(9070kg)の力が適用される。次いでサンドイッチはコールドプレスから取り出されて、そして圧縮成形されたプラークが型から取り出される。ダンベル試験の試験片(試料)は、ASTM D 3307の図1に記載される鋼鉄ダイを使用して、プラークからダイカットされる。MIT試験で使用される膜は、チェイスが厚さ8ミル(0.21mm)であり、そして型に添加された組成物の量は11.25gであることを除き、同手順を使用した。MIT試験で使用される膜試料は、圧縮成形された膜から切断された幅1/2インチ(1.27cm)の細片であった。
実施例で使用されるLMW PTFEは、以下の通りである:
LMW PTFE Aは、64J/gの結晶化熱、325℃の溶融温度(第2次加熱)および12マイクロメートルの平均粒径、ならびに17.9g/10分のMFRを有する。
LMW PTFE Bは、59J/gの結晶化熱、330℃の溶融温度(第2次加熱)、20マイクロメートルの平均粒径および0.01g/10分のMFRを有する。
これらのLMW PTFEのいずれも、引張特性試験のために十分な完全性を有したプラークに圧縮成形することができなかった。
実施例で使用されるPFAは、以下の通りである:
PFA 1は、14g/10分のMFRを有するTFE/PPVEコポリマーである。
PFA 2は、2g/10分のMFRを有するTFE/PPVEコポリマーである。
PFA 3は、5.2g/10分のMFRを有するTFE/PPVEコポリマーである。
PFA 4は、フッ素処理されたPFA 1であり、そしてポリマー鎖中、106個の炭素原子あたり20個未満の不安定な末端基(−COFおよび−COOH)を有する。
これらのPFAの全ては、307〜308℃の溶融温度(第1次加熱)を有し、3.2〜4.8重量%のPPVEを含有する。非フッ素処理PFA1〜3の末端基の割合は主に−COOHであり、そして全末端基の少ない割合は−COFであり、すなわち、PFAはフッ素処理されない。
実施例で使用されるPFAは、PFAの押出成形、および押出ストランドをペレットに切断することによって得られるペレットの形態である。
本明細書に開示される溶融温度を決定するための手順は、ASTM D3418−08に従うDSC(示差走査熱量計)分析による。使用される熱量計は、TA Instruments(New Castle,DE,USA)Q1000モデルである。温度スケールは、(a)3つの金属溶融開始:水銀(−38.86℃)、インジウム(156.61℃)、スズ(231.93℃)、ならびに(b)10°/分加熱速度および、30ml/分の乾燥窒素流速度を使用して較正された。熱量測定スケールは、インジウムの溶融熱(28.42J/g)および(b)条件を使用して較正された。溶融温度決定は、条件(b)を使用して実行される。本明細書に開示される溶融温度は、使用される最高温度が350℃であることを除き、米国特許第5,603,999号明細書に明示される、加熱/クールダウン/加熱スケジュールに従っているポリマーの第1次または第2次加熱(溶融)から得られる吸熱性ピークの溶融温度である。PFAおよび本明細書に記載されるPFA/LMW PTFE組成物に関して、溶融温度は第1次加熱からである。LMW PTFEに関しては、本明細書に記載される溶融温度は第2次加熱に関する。
結晶化熱(第1次加熱)は、米国特許第5,603,999号明細書に開示されるように決定される。
動的機械分析は、TA Instrument Model Q800を使用して、等温で行われる。この装置は、試験試料に正弦波応力を適用して、0〜90°で歪みおよび位相遅れを監視することによって、機械的(粘弾性)特性を測定する。この試験は、周期的正弦波応力下で試験試料の係数およびエネルギー散逸を測定する。試験試料は、長さ12.8〜13.2mm、厚さ2−6〜2.7mmを測定する圧縮成形バーである。装置のクランプモードは、デュアルカンチレバーベンディングであり、10−インチ−ポンドのクランピングトルク力、ならびに10マイクロメートルの振動振幅および1Hzの周波数を使用する。
実施例で使用されるPFAとLMW PTFEとのブレンド(溶融混合物)は、以下の手順によって得られる:Brabender(登録商標)単一スクリュー押出機が使用される。この押出機は、Saxton型混合チップを有する直径1〜1/4インチ(3.2cm)スクリューを備えており、そしてこの押出機は20:1のL/D比を有する。PFAおよびLMW PTFEパウダーのペレットは乾燥ブレンドされて、続いて、Brabender(登録商標)押出機中で溶融混合される。30重量%LMW PTFE含有量組成物に関して、ブレンドは3工程である。第1の工程において、LMW PTFEの所望の全体量の3分の1をペルフルオロポリマーペレットと混合させ、次いで、この混合物のペレットを押出成形する押出機を通過させる。第2の工程において、これらのペレットをLMW PTFEの所望の全体量のさらなる3分の1と乾燥混合させ、押出機を通過させ、押出ペレットを生じる。第3の工程は、これらのペレットと、LMW PTFEの最終的な3分の1との乾燥ブレンドであり、次いで、この組成物を押出機に通過させて、ペレットの形態で良好に混合されたPFA/LMW PTFEブレンドを得る。20重量%LMW PTFE/PFA組成物に関しては、押出機への最初の2回の通過のみが実行される。押出機の温度プロフィールは、以下の通りである:領域1=315℃、領域2=321℃、領域3=332℃、領域4=338℃、領域5およびダイ=349℃。押出機スクリューは、120rpmで作動される。
実施例において、熱老化された組成物およびそれから製造される試験片は、特に明記しない限り、熱老化の間、固体状態である。
実施例1−315℃での熱老化に耐性を示す組成物
この実施例は、表1で報告される組成物から製造された試験片の、循環空気オーブン中、315℃での無負荷熱老化から得られたPFAとLMW PTFEとのブレンドの引張係数の増加を示す。この熱老化温度は、300℃程度の高温への曝露が発生することが可能であるウェルの深さに配置されるデータケーブルまたは電力ケーブルのための電気絶縁材などのダウンホールウェルでの操作のために適合性を決定するために使用される老化温度より高い。半導体製造および化学プロセス産業で使用される装置のためのライニングに関しても同様である。
Figure 0006206996
表1中、「週」の欄は、315℃での引張係数試験の試験片の熱老化時間を表す。「PFA 2/B−20」の見出しのついた欄では、Bは組成物中20重量%LMW PTFE Bである。以下の表中の残りの欄の見出しおよび同様の欄の見出しは同様に解釈されて、例えば、「A−30」は30重量%LMW PTFE Aである。試験片を毎週オーブンから取り出し、23℃で引張係数を試験する。簡潔さのために、3週間隔の結果のみを表1に報告する。各試験片は1回のみ引張係数を試験されて、次いで廃棄される。それによって、それぞれの引張係数試験の結果は新規の試験片による。
表1に示される引張係数試験結果は、引張係数は、週単位で老化時間を増加させると、増加する傾向があることを示す。1、2、4、5、7、8、10および11週の省略された引張試験結果は、この傾向と一致する。これは、PFA単独での連続使用温度として260℃の確立に導く、老化時間によって引張特性が減少する予想と相反する。驚くべきことに、PFA組成物中のLMW PTFEの実質的な量の存在は、LMW PTFEは単独では引張特性を有さないにもかかわらず、初期の(熱老化の前の)引張係数の少なくとも90%、好ましくは少なくとも80%が得られるという、このような熱老化の改善を提供する。
長期間の老化後の組成物PFA1/LMW PTFE A−20の引張係数試験では、引張係数の同様の保持を示し、以下の表に示すように、315℃での老化時間増加によって、引張係数が増加する傾向がある。
Figure 0006206996
1〜4、6〜9、11〜14ならびに16〜19および11週の省略された引張試験結果は、(a)引張係数の保持および/または(b)老化時間の増加による、引張係数の増加のこの傾向と一致する。この傾向は、6ヶ月間以上の追加的な老化によって観察された。例えば、23℃で試験された引張係数は、315℃での18ヶ月の熱老化後に初期の引張係数の90%以内のままである。組成物PFA3/LMW PTFE A−20に関しても同様である。
この熱老化条件下で、PFA中のLMW PTFE濃度を15重量%まで減少する場合、試験片は、1週間オーブンでの熱老化の間に、ゆがみによって試験に不適当となる。これは、約285℃の操作温度適合性を得るために、例えば、300℃まで熱老化温度を低下させなければならないことを意味する。
この実施例で使用される全てのPFA/LMW PTFE組成物は、熱老化の前に2つの溶融温度を示し、そして熱老化の後に、318℃〜324℃の範囲内の単一の溶融温度を示し、2.2未満の誘電率を示す。これらは、本発明の、および本発明で使用される熱老化された組成物のための好ましい特性である。
実施例2−動的機械分析(DMA)−300℃での貯蔵係数
DMAは、上記の手順によって、上記の装置を使用して決定する。315℃で7日間の熱老化後、PFA 1単体で、およびPFA 1/LMW PTFE A−20の組成物で、貯蔵係数(E’)を300℃で測定する。PFA 1単体のE’は、19.1MPaである。組成物のE’は27.7MPaであり、PFA単体より40%の増加である。
実施例3−熱老化後の高温でのPFA/LMW PTFEの引張係数
連続使用温度を決定するために周囲温度での引張試験が依拠されるが、熱老化後の高温での引張特性を知ることも望ましい。
PFA/LMW PTFE組成物に、7日間、315℃の熱老化を行い、250℃で引張試験を行う場合、表3に示すように、組成物はなお有意な引張係数を示す。
Figure 0006206996
PFA 1/A−20組成物の熱老化がこのような温度/時間条件で行われて、200℃で引張係数を試験する場合、表4に報告される結果が得られる。
Figure 0006206996
実施例4−熱老化によって生じるPFA/LMW PTFE組成物の構造変化
PFA/LMW PTFE組成物の熱老化は、組成物に構造の変化をもたらす。
この構造変化の1つの出現は、組成物PFA 1/LMW PTFE Aに関して表5に報告されるように、組成物の第1次加熱溶融温度が増加するということである。
Figure 0006206996
PFA単体の溶融温度は307℃であり、そして、LMW PTFE A単体の溶融温度は325℃である。
熱老化された組成物内の構造または化学変化のもう1つの出現は、例えば、300℃および315℃で熱老化された組成物PFA1/LMW PTFE A−20に関して表6に報告されるように、それが溶融粘度の増加を示すということであり、すなわち、組成物が溶解された時、溶融流動性の減少を示す。
Figure 0006206996
組成物のMFRは、熱老化の増加により減少する。減少は、315℃で熱老化された組成物に関しては、非常に大きい。加えて、最初の2日間の315℃での組成物の熱老化の効果は、300℃で熱老化された組成物よりも非常に高く、すなわち、低下が非常に鋭い。その後、315℃で熱老化された組成物のMFRは、曝露時間を増加させると、横ばい状態になる傾向があるが、300℃で熱老化された組成物は、曝露時間を増加させると、MFRのそのより段階的な減少を続ける。
構造変化の追加的な出現は、X線分析(小角度および広角度X線分散、SAXSおよびWAXS)によって現れられ、すなわち、結晶化度指数、見かけの結晶径、ロングピリオドおよびロングピリオドコヒーレンスの変化である。溶融混合後の組成物は、典型的な半結晶ポリマーであり、結晶質物質が非晶質連続相(層)中に分散しているか、またはあるいは、交互の結晶質および非晶質層からなる積層に結晶層として存在する。WAXSは、組成物の結晶化度の評価基準を指数として提供し、それは結晶物質の体積分数と比例している。この技術は、見かけの結晶径の評価基準も提供する。SAXSは、ラメラ積層の結晶質および非晶質繰り返し層の合計であるロングピリオドの評価基準を提供する。SAXSは、これらの積層の完全性(ロングピリオド均質性/均一性、全積層長さ、積層誤差)の評価基準も提供し、それはロングピリオドコヒーレンスと呼ばれる。ロングピリオドコヒーレンスは、単に結晶構造の完全性の決定である。
結晶化度指数−組成物PFA 1/LMW PTFE A−20の結晶化度指数は、未老化で41、そして300℃で4時間の老化後は51であり、24%の増加が見られる(計算(51−41)/41×100)。組成物PFA 2/LMW PTFE A−20は、未老化および老化されたもので同様の結晶化度指数を示す。対照的に、PFA 1単体では、同様の老化の前後に、それぞれ、37および43の結晶化度指数を示し、16%のみ増加する。PFA 2は、同様の熱老化時に結晶化度指数のより小さな変化を示し、37から42まで増加する。
見かけの結晶径−表7に報告されるように、測定された見かけの結晶径は、熱老化(300℃で4時間)によって増加する。
Figure 0006206996
熱老化から生じる結晶径の増加は、米国特許第5,473,018号明細書(NamuraおよびNishio)に開示されるように、LMW PTFEがPFAに添加される場合に生じるスフェルライト径の減少と対照的である。スフェルライト径は、マイクロメートル(再結晶平均スフェルライト直径)で測定される。これらのスフェルライトは、結晶径がオングストロームで測定される多数のポリマー結晶から構成される。1マイクロメーター=10,000オングストローム。
ロングピリオド−PFA 1/LMW PTFE A−20組成物は、300℃で4時間の熱老化後、292Åから390Åへのロングピリオドの増加を示す。同様に老化されたPFA 1単体のロングピリオドは、350Åである。したがって、熱老化された組成物中のLMW PTFEの存在は、熱老化時にPFA 1単体によって生じるものよりも厚い結晶質層を生じる。
ロングピリオドコヒーレンス−PFA/LMW PTFE組成物およびPFA単体のロングピリオドコヒーレンスの決定は、表8に報告される。
Figure 0006206996
表8中、PFAはPFA 1であり、LMW PTFEはAである。
組成物中のLMW PTFEの存在は、PFA単独と比較して、ラメラ結晶構造のより高い完全性をもたらす。このような完全性の増加は、熱老化によって増加し、すなわち、組成物のロングピリオドコヒーレンスの増加は、熱老化されたPFA単独に関しては49%であることと比較して、80%である。
上記から、PFA/LMW PTFE組成物の熱老化は、未老化の組成物および/または熱老化されたPFA単体と比較して、結晶構造の予想外の変化をもたらし、以下の通りである:結晶化度の量の増加、結晶厚および完全性の増加。結晶化度の増加およびロングピリオド(結晶質層の厚さに非晶質層の厚さを加えたもの)の増加は、熱老化が結晶質層の厚さを増加させることを示唆する。
これらのSAXSパラメーターの決定は、ポリマーの熟練X線分析者に既知である。結晶化度指数は、方程式(15b)Xk=a・[C3/(C3+C4)]+bから決定される。式中、Xkは結晶化度指数であり、a=1およびb=0、そしてC3およびC4は、結晶質および非晶質ピーク下の積分である。これは、R.Scigala and A.Wlochowicz,“Crystallinity of poly(tetrafluoroethylene)”,Acta Polymerica 40(1989)Nr.1に開示されている。上記方程式中、aおよびbに対して、それぞれ、1および0の値を割当てることは、刊行物の表1に報告されたaおよびbの値に基づく簡略化である。見かけの結晶径は、John Wileyによって出版された“X−ray Diffraction Procedures for Polycrystalline and Amorphous Materials”,H.P.Klug,L.E Alexander(1954)に開示されるように、K=1のScherrer方程式に従って、結晶質Braggピークの幅から算出される。ロングピリオドは、l.Ferryら,“Study of polytetrafluoroethylene crystallization”,Acta Polymerica,46,300−306(1995),VCH Verlagsgesellschaft mbHに従って決定される。より詳細には、この刊行物の第303頁に記載されるように、Q2l(q)プロット対Qのロングピリオドピーク下で線形ベースラインが引かれる。ベースラインを引いた後、得られたピークは、ピーク最大の位置および強度、ならびにピークの幅を得るために分析される。ロングピリオドは、ピークの位置およびBraggの法則から算出される(Ferryらの刊行物のセクション6.2、第303頁)。ロングピリオドコヒーレンスは、Scherrer方程式およびピークの幅から算出される。ピークの幅がより狭いほど、結晶構造の完全性はより高い。
実施例5−非垂下チュービング
組成物の熱老化によって、より高い連続使用温度が提供されるが、より低い温度での改善ももたらされる。そのような改善の一例は、組成物から製造されたチュービングで経験されるような、垂下に対する抵抗の改善である。本明細書で使用される「チュービング」という表現は、パイプを含む。化学プロセス産業で流体、気体または液体を運搬するために使用されるチュービングは、チュービングによって輸送されている流体からの内圧を受け、それによって、直径に沿ってチュービングを膨張させる(バルーン)傾向ある。チュービングは、支持体間で垂下し得る。これらの不利な影響はいずれも、支持体の間の間隔を減少することおよび/またはより重いチュービング壁厚を使用することの追加的な費用によって対処することができる。バルーニングおよび垂下を生じる力は、周囲およびより高い温度作業に存在する可能性がある。本発明に従って熱老化された時のチュービングによって示される引張係数の増加は、チュービングがより低い温度で使用される時の垂下および/またはバルーニング力に対する抵抗の増加に関与する。したがって、そのようなチュービングは、支持体間での直径膨張および垂下に対してより耐性を示す。したがって、所与のチュービング寸法および支持体構造に関して、チュービングはより安定な配管システムを提供する。あるいは、初期のシステム安定性を、より軽量の(より壁の薄い)チュービングおよび/またはより少ない支持体で達成することができる。
実施例6−気体に対する透過性の減少
本発明による組成物の熱老化から得られるより低温の利点のもう1つの例は、そのような熱老化によって、気体に対する組成物の透過性が減少するということである。これは、組成物の膜を通しての気体透過を測定するためのMOCON(登録商標)試験装置を使用して実証される。この実施例で使用される組成物は、75/25重量%PFA 3/LMW PTFE Aである。この組成物を、気体透過試験のための膜に形成する。膜の熱老化を300℃で異なる期間実行し、そして気体透過試験を周囲温度で実行する。この試験の結果を表9に報告する。以下に報告される気体透過の結果は、透過率であるcc−ミル/[m2−日]の単位である。
Figure 0006206996
Figure 0006206996
表9および10から、ちょうど1日の熱老化の後、気体透過は50%より多く減少し、そして特に減少は約55%である。気体に対する透過性のこのような減少を得るために、そのような高温熱老化を使用することは、先行技術では知られていない。
上記の気体は無機気体である。熱老化は、300℃での3日間膜を熱老化した後、約34000から約21000cc−ミル/m2−日]までのメタンなどの有機気体による透過の実質的な減少も生じる。
この実施形態は、気体に対する透過性を減少させるための熱老化プロセスの使用を表す。このプロセスは、気体に対する透過を少なくとも25%、好ましくは少なくとも30%、より好ましくは少なくとも35%、そして最も好ましくは少なくとも50%減少させるための、好ましくは膜の形態での組成物の熱老化として記載されてもよい。組成物は、上記のもののいずれであってもよい。好ましい実施形態は、このプロセスから得られる熱老化された膜である。
実施例7−摩擦係数の減少
本発明による組成物の熱老化から得られるより低温の利点のさらにもう1つの実施例は、そのような熱老化が組成物の摩擦係数を少なくとも25%減少させるということであり、再び、もう1つの効果は先行技術で知られていない。組成物PFA 1/LMW PTFE A−20は、0.05の静的摩擦係数を示す。315℃で14日間の熱老化後、この摩擦係数は0.03まで減少し、これは、TEFLON(登録商標)7Aポリテトラフルオロエチレンモルディングパウダーと同等である。熱老化の効果は、非溶融製造可能であり、非溶融流動可能なPTFEの摩擦係数と同等であるように、この摩擦係数を40%減少させることである。本発明による組成物および熱老化を使用する利点は、組成物を、所望の物品の形状に溶融製造可能であることであり、これは、TEFLON(登録商標)7Aポリテトラフルオロエチレンモルディングパウダーによって表わされる非溶融製造可能であり、非溶融流動可能なPTFEテフロン(登録商標)では可能である。
これらの摩擦係数測定は、193gの負荷を使用して、ASTM D 1894に従って実行する。
この実施形態は、本発明で使用される組成物から製造される物品の摩擦係数を減少させるための熱老化の使用を表す。このプロセスは、その摩擦係数、好ましくは静的摩擦係数を、少なくとも25%、好ましくは少なくとも30%、より好ましくは少なくとも35%減少させるための組成物の熱老化として記載されてもよい。この組成物は、上記のもののいずれであってもよい。好ましい実施形態は、静的摩擦係数におけるこのような改善を示す組成物の熱老化された物品である。
実施例8
この実施例は、エピタキシャル共結晶化を生じるために熱老化が必要とされることを示す。組成物の溶融押出成形は、この効果を生じず、すなわち、組成物は、PFAおよびLMW PTFE成分の溶融温度にほぼ相当する2つの溶融温度を示す。この実施例で試験される組成物は、75重量%PFA3および25重量%LMW PTFE Aである。出発物質は、上記のBrabender(登録商標)単一スクリュー押出機を使用して調製されたペレットの形態のこの組成物である。
このペレットのDSC分析によって、ほぼ315℃および322℃において2つの吸熱性ピークの存在が現れ、組成物のペレットに存在する主にPFAおよびLMW PTFEの別々の結晶の存在を示す。
組成物の成分の完全な溶融ブレンドのためのスクリューデザインを有するKombiplast(登録商標)押出機を通してのペレットの再押出成形および押出物のDSC分析によって、未老化の組成物に対する2つのほぼ同じ溶融温度(312℃および320℃)が現れる。
300℃で1日の押出物の熱老化と、それに続くDSC分析によって、組成物の単一の溶融温度、319℃が現れる。組成物によって本質的に単一の溶融温度が示されるまでに、300℃で少なくとも約12時間の熱老化が必要であることが決定された。
未老化の組成物の再押出成形を6回繰り返し、そして各押出成形に対する得られた未老化の押出物にDSC分析を行ったところ、313℃〜314℃および321℃〜322℃の範囲内で2つの溶融ピークが現れる結果となる。
これらの6つの再押出成形からの未老化の押出物の300℃で1日の熱老化によって、318℃〜319℃の範囲内の単一のDSC溶融ピーク(溶融温度)が現れる。
押出物は固体のままであり、そして押出物の形状は、この熱老化の後でさえも、識別可能であり、すなわち、この熱老化は、固体状態である押出物によって実行される。
したがって、かなりの期間、高温でのそのような熱老化がECCが生じるために必要とされることは明らかである。
実施例9−フレックスライフ
米国特許第6,649,669号明細書および同第7,030,191号明細書は、これら2種のポリマーを含有する組成物のPFA成分および低分子量ポリテトラフルオロエチレン成分のある種の必要条件を定めることによって、米国特許第5,473,018号明細書に報告されるフレックスライフの欠点に対処する。米国特許第6,649,669号明細書は、PFAのペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)含有量が少なくとも4重量%、好ましくは5〜20重量%であり、そしてPFAのメルトフロー速度(MFR)が4g/10分以下であり、そして低分子量のポリテトラフルオロエチレンの量が5〜30重量%であることを必要要件とする。表1および2中、ピークフレックスライフは、10重量%のこの成分である。米国特許第7,030,191号明細書は、PFAのMFRが0.1〜1.7g/10分であり、PFAのペルフルオロ(アルキルビニルエーテル含有量が5〜10重量%、好ましくは6〜10重量%であり、そして組成物中の低分子量ポリテトラフルオロエチレンの量が30〜55重量%である場合にさらなる改善があることを開示する。表1は、フレックスライフに及ぼすPFA MFRの重大な効果を開示し、すなわち、MFRが1.6/10分から11.9g/10分へ増加すると、フレックスライフが95%減少する。低いMFR PFAは、溶融状態で低い流動性を有し、より高い流動性、より高いMFR PFAよりも溶融製造することがより困難になる。課題は、PFAが低いMFR、4g/10分以下(米国特許第6,649,669号明細書)または1.7g/10分以下(米国特許第7,030,191号明細書)を有さなければならないことを限定せずに、PFAのフレックスライフをいかに改善するかということである。本発明の熱老化は、さらにより高いフレックスライフの増加を提供することによって、この課題を解決し、以下に実証されるように、なおより高いMFR PFAを使用することが可能である。
表11に報告されるように315℃で期間を増加して熱処理の後、80重量%PFA 1/20重量%LMW PTFE Aの組成物にMITフレックスライフ試験を行う。
Figure 0006206996
表11で示されるように、熱処理時間の増加によって、MITフレックスライフが増加する傾向がある。この増加は、2日熱処理において少なくとも5倍であり(計算:18550÷3695)、そして3日熱処理において少なくとも8倍である。追加的な熱処理によっても、この傾向は続く。315℃で25日の熱処理後、MITフレックスライフは86777サイクル(0.28mm膜厚)である。
PFA単体のMITフレックスライフは、8500サイクル(0.23mm膜厚)である。表11からわかるように、このようなPFAへのLMW PTFEの追加によって、2日の熱処理後までMITフレックスライフが減少する結果が生じ、MITフレックスライフは、PFA単独および熱処理をしないPFA/LMW PTFE組成物よりも非常に高い。特に、PFA単体のより薄い膜と比較して、2日の老化試験試料のより厚い膜厚を考慮して、PFA単体での改善は2倍以上である。典型的に、本発明によるPFAへのLMW PTFEの追加によって、PFA単体と比較して、MITフレックスライフの減少の結果が生じる。その後の熱老化はフレックスライフのこの損失を回復させて、さらに非常に改善する。
315℃で熱老化された膜に関して表6に報告されるMFR減少は、0日から2日までの加熱におけるMFRの激減と比較して、2日の熱処理後に本質的に横ばいになるが、MITフレックスライフは、2日間以上、例えば少なくとも3日間の老化において増加し続ける。
熱処理の時間は、熱処理の温度に依存し、そして、その逆も同様に、所望のMITフレックスライフの改善に依存する。これは、熱処理される物品の径またはバルクによって異なることも可能である。壁のより厚い物品は、壁のより薄い物品よりも強度の高い熱処理を必要とする。より強度の高いとは、より高い加熱曝露温度、またはより長い曝露期間、あるいは両方を意味する。一般には、熱処理の温度は、好ましくは少なくとも290℃、より好ましくは少なくとも300℃、そして最も好ましくは少なくとも310℃である。期間とは長い熱処理の期間であり、この点に関して、物品を製造するための溶融製造プロセス工程に費やされる時間とは区別される。熱処理は、熱処理の上位温度が組成物の溶融温度、すなわち、組成物が流動し、その形状を失う温度未満であるという点で、溶融製造とも区別される。この点に関しては、熱処理の最大温度は、組成物またはそれから製造される物品が熱処理の間、固体状態であるようなものであり、このことは、組成物/物品が流動せず、そして組成物または物品の最初の形状が、熱処理が実行される間および後に、なお識別可能であることを意味する。したがって、熱処理の上位温度は、熱処理される物品が固体状態のままであり、そして流動可能になるように溶融状態に変化しないようなものである。熱処理の期間は、一般に、少なくとも1日である。より長い期間の加熱によって、MITフレックスライフのさらなる改善が生じ、これは時間、例えば、少なくとも1.25または1.5または1.75日、または少なくとも2日、または少なくとも3日、さらに少なくとも4日に依存して増加する。これらの加熱時間のそれぞれは、加熱曝露の時間/温度条件として本明細書に開示される加熱温度のいずれとも組み合わせることができる。一般に、熱処理はオーブンで実行され、それは物品を包囲する媒体を構成する空気を含有してもよい。好ましくは、熱処理は熱処理期間で連続的であり、すなわち中断されない。
なお、本発明は、特許請求の範囲を含め、以下の発明を包含する。
1.ペルフルオロアルキルが1〜5個の炭素原子を含有する溶融製造可能なテトラフルオロエチレン/ペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)コポリマー、および溶融流動可能なポリテトラフルオロエチレンを含んでなる組成物を熱老化する工程を含んでなる方法であって、前記熱老化が260℃より高い温度で実行され、前記組成物が固体状態である、方法。
2.前記熱老化によって、前記組成物にエピタキシャル共結晶化が生じる、1に記載の方法。
3.前記熱老化が、少なくとも280℃の温度であり、かつ/または少なくとも4時間である、1に記載の方法。
4.前記熱老化が有効であり、前記組成物が、少なくとも300℃の連続使用温度を示す、1に記載の方法。
5.前記連続温度を示すということが、前記組成物が、前記熱老化より前のその引張係数の少なくとも80%を保持することを特徴とする、4に記載の方法。
6.前記熱老化が前記組成物の摩擦係数を減少させるために有効である、1に記載の方法。
7.前記熱老化が、気体酸素および二酸化炭素の1種またはそれ以上による前記組成物の透過を少なくとも50%減少させるために有効である、1に記載の方法。
8.前記熱老化が、前記組成物の垂下および/またはバルーニングに対する抵抗を増加させるために有効である、1に記載の方法。
9.前記熱老化が、前記組成物のフレックスライフを、前記熱老化より前の前記組成物のフレックスライフの少なくとも2倍増加させるために有効である、1に記載の方法。
10.前記熱老化が、以下の結晶学的な変化:(i)少なくとも10%の結晶化度指数の増加、(ii)見かけの結晶径の増加、(iii)少なくとも10%のロングピリオドコヒーレンスの増加を特徴とする結晶構造の均一性の改善、(iv)少なくとも25%のロングピリオドの増加による結晶層の厚さの増加、(v)少なくとも280Åの見かけの結晶径、少なくとも44の結晶化度指数、少なくとも375Åのロングピリオド、および少なくとも450Åのロングピリオドコヒーレンスの1つまたはそれ以上を生じるために有効である、1に記載の方法。
11.前記熱老化が有効であり、前記組成物が300℃で少なくとも30%の貯蔵係数の増加を示し、かつ/または前記組成物のメルトフロー速度を少なくとも25%減少させる、1に記載の方法。
12.電気絶縁材、ライニング、チューブを含む熱交換器要素、バスケットおよびキャリアを含む自己支持物品、ならびにチュービングの形態の1に記載の熱老化された組成物。
13.ペルフルオロアルキルが1〜5個の炭素原子を含有する溶融製造可能なテトラフルオロエチレン/ペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)コポリマー、および溶融流動可能なポリテトラフルオロエチレンを含んでなる熱老化された組成物であって、以下:
(a)少なくとも300℃の連続使用温度、
(b)摩擦係数の減少、
(c)気体に対する透過の少なくとも50%の減少、
(d)熱老化より前の前記組成物のメルトフロー速度と比較して、少なくとも25%のメルトフロー速度の減少、
(e)300℃での貯蔵係数の少なくとも30%の増加、
(f)少なくとも25%のロングピリオドの増加を特徴とする、その結晶層の厚さの増加、
(g)垂下および/またはバルーニングに対する抵抗の増加、少なくとも10%の結晶化度指数増加、
(h)少なくとも10%のロングピリオドコヒーレンスの増加を特徴とする結晶構造の均一性の改善、
(i)少なくとも25%のロングピリオドの増加を特徴とする結晶層の厚さの増加、
(j)エピタキシャル共結晶化、ならびに/あるいは
(k)前記熱老化より前の前記組成物のフレックスライフの少なくとも2倍のフレックスライフの増加
の1つまたはそれ以上を示す、熱老化された組成物。
14.ペルフルオロアルキルが1〜5個の炭素原子を含有する溶融製造可能なテトラフルオロエチレン/ペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)コポリマー、および以下:(i)熱老化より前の前記熱老化された組成物と比較した場合、少なくとも10%の結晶化度指数の増加、および/または(ii)前記熱老化における前記コポリマー単独の結晶化度指数における増加%よりも少なくとも10%高い結晶化度指数の増加の1つまたはそれ以上を特徴とする結晶構造を有する熱老化された組成物を提供するために有効な量の溶融流動可能なポリテトラフルオロエチレンを含んでなる熱老化された組成物。
15.以下:
(i)前記熱老化された組成物が、前記熱老化における前記コポリマー単独のロングピリオドコヒーレンスの増加よりも少なくとも10%高いロングピリオドコヒーレンスの増加を示すことを特徴とする、前記熱老化によって改善される前記結晶構造の均一性、
(ii)前記熱老化された組成物の結晶質層および前記熱老化された組成物の非晶質層を含んでなるラメラを含む前記結晶構造、前記ポリテトラフルオロエチレンの量は、前記熱老化された組成物が、前記熱老化において少なくとも25%のロングピリオドの増加を示すことを特徴とする前記結晶層の厚さを増加させるために有効である、
(iii)少なくとも280オングストロームの見かけの結晶径、少なくとも44の結晶化度指数、少なくとも375オングストロームのロングピリオド、および少なくとも450オングストロームのロングピリオドコヒーレンス、ならびに
(iv)315℃で7日間の前記熱老化の後の前記テトラフルオロエチレン/ペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)コポリマー単体の300℃貯蔵係数よりも少なくとも30%高い300℃貯蔵係数
の1つまたはそれ以上を示す、14に記載の熱老化された組成物。

Claims (9)

  1. ペルフルオロアルキルが1〜5個の炭素原子を含有する溶融製造可能なテトラフルオロエチレン/ペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)コポリマー、および溶融流動可能なポリテトラフルオロエチレンを含んでなる組成物を熱老化する工程を含んでなる方法であって、
    前記組成物は、溶融流動可能なポリテトラフルオロエチレンおよび、溶融製造可能なテトラフルオロエチレン/ペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)コポリマーの組合せた重量に基づいて、15〜50重量%の溶融流動可能なポリテトラフルオロエチレンを含み、
    前記熱老化が、固体状態である前記組成物と、少なくとも280℃の温度で少なくとも4時間実行される、方法。
  2. 前記熱老化によって、前記組成物にエピタキシャル共結晶化が生じる、請求項1に記載の方法。
  3. 前記熱老化は、前記組成物が少なくとも300℃の連続使用温度を示させるのに有効であり、前記組成物が、前記熱老化より前のその引張係数の少なくとも80%を保持することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  4. 前記熱老化が前記組成物の摩擦係数を減少させるために有効である、請求項1に記載の方法。
  5. 前記熱老化が、気体酸素および二酸化炭素の1種またはそれ以上による前記組成物の透過を少なくとも50%減少させるために有効である、請求項1に記載の方法。
  6. 前記熱老化が、前記組成物の垂下および/またはバルーニングに対する抵抗を増加させるために有効である、請求項1に記載の方法。
  7. 前記熱老化が、前記組成物のフレックスライフを、前記熱老化より前の前記組成物のフレックスライフの少なくとも2倍増加させるために有効である、請求項1に記載の方法。
  8. 前記熱老化が、以下の結晶学的な変化:(i)少なくとも10%の結晶化度指数の増加、(ii)見かけの結晶径の増加、(iii)少なくとも10%のロングピリオドコヒーレンスの増加を特徴とする結晶構造の均一性の改善、(iv)少なくとも25%のロングピリオドの増加による結晶層の厚さの増加、(v)少なくとも280Åの見かけの結晶径、少なくとも44の結晶化度指数、少なくとも375Åのロングピリオド、および少なくとも450Åのロングピリオドコヒーレンスの1つまたはそれ以上を生じるために有効である、請求項1に記載の方法。
  9. 前記熱老化が有効であり、前記組成物が300℃で少なくとも30%の貯蔵係数の増加を示し、かつ/または前記組成物のメルトフロー速度を少なくとも25%減少させる、請求項1に記載の方法。
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