JP6203326B1 - 交流回転機の制御装置 - Google Patents
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Abstract
Description
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1における交流回転機の制御装置を示す概略構成図、図2はこの発明の実施の形態1における交流回転機の制御装置の演算処理装置の内部構成を示すブロック図、図3はこの発明の実施の形態1における交流回転機の制御装置の演算処理装置内の誘起電圧演算手段の動作を説明するフロー図、図4はこの発明の実施の形態1における交流回転機の制御装置の異常発生時の各部の状態を説明する説明図である。
演算処理装置10は、回転角度センサ5で検出した回転角度から交流回転機2の回転軸の角速度ω[rad/秒]を演算する回転速度演算手段11と、回転速度演算手段11で演算された角速度ωと予め保有している交流回転機2の電機子鎖交磁束φ[wb]に基づいて誘起電圧Vind[V]をVind=√2×ω×φで演算し、電圧センサ6で測定した電圧値により決定される所定値と比較した結果に基づいて、第一巻線組プリドライバIC出力遮断用スイッチング素子23と、第二巻線組プリドライバIC出力遮断用スイッチング素子33と、第一巻線組下アーム全オン用スイッチング素子25および第二巻線組下アーム全オン用スイッチング素子35に対する開閉指令信号を出力する誘起電圧演算手段12と、プリドライバICを任意のオペレーションモードに設定するためのオペレーションモード設定手段13と、プリドライバICにオペレーションモードが正常に設定されているか確認するオペレーションモード演算手段14と、周期的(例えば1ミリ秒毎)に通信路29,39を介してプリドライバICの設定状態や内部状態を確認することで、プリドライバICの異常発生を検知して、異常発生を検知した場合には誘起電圧演算手段12を起動するとともに、イネーブル信号線28,38にイネーブル信号を出力してプリドライバICを起動または再起動するプリドライバIC異常検知手段15と、通常運転時の交流回転機2をPWM制御するための制御信号51U,51V,51W,52U,52V,52W,61U,61V,61W,62U,62V,62Wを生成出力するスイッチング制御信号生成手段16とで構成されている。
通常の起動時に演算処理装置10は、イネーブル信号線28,38にHighのイネーブル信号を出力して第一巻線組プリドライバIC20および第二巻線組プリドライバIC30を駆動状態とし、通信路29,39を介して設定を送信することで、スイッチング制御信号生成手段16から出力した制御信号51U,51V,51W,52U,52V,52W,61U,61V,61W,62U,62V,62Wに基づき、第一巻線組プリドライバIC20および第二巻線組プリドライバIC30からブリッジ接続された電力変換用のスイッチング素子21U,21V,21W,22U,22V,22W,31U,31V,31W,32U,32V,32Wのゲート端子にPWM駆動信号を出力する。
時刻t11にて、プリドライバICが温度やノイズ等の周辺環境により誤動作し、意図しないオペレーションモードの遷移が発生すると、演算処理装置10のプリドライバIC異常検知手段15は、プリドライバICとの通信路29,39を介して取得したプリドライバICの内部情報から異常状態を検知するか、または取得した内部情報からオペレーションモード演算手段14を用いてオペレーションモードを推定し、オペレーションモード設定手段13で設定されているオペレーションモードと推定したオペレーションモードとをプリドライバIC異常検知手段15で比較して不一致の場合にプリドライバICの異常を検知する。
プリドライバICの異常発生通知を受けた誘起電圧演算手段12は、第一巻線組プリドライバIC出力遮断用スイッチング素子23と第二巻線組プリドライバIC出力遮断用スイッチング素子33に対しスイッチング素子オフ(遮断)を指令して、プリドライバICから出力され電力変換用のスイッチング素子のゲート端子に与えられているPWM駆動信号を遮断するとともに、所定時間間隔で図3に示すフロー図の動作を実行することで交流回転機2を安定した状態に保つ。
また、プリドライバICの異常発生通知を受けたスイッチング制御信号生成手段16は制御信号の生成出力を停止する。
ステップS101において、誘起電圧演算手段12は、電圧センサ6を用いて直流電源7の電圧Vpnを計測して所定値を決定する。ここでは電圧Vpnを所定値とし、図4に破線で示す48Vがこれに相当する。
ステップS102において、回転角度センサ5の計測値を用いて回転速度演算手段11で角速度ωを演算して誘起電圧演算手段12に入力する。
ステップS103において、誘起電圧演算手段12は、回転速度演算手段11で演算された角速度ωと予め保有している交流回転機2の電機子鎖交磁束φに基づいて誘起電圧Vindを演算してステップ104に進む。
ステップS104において、誘起電圧演算手段12は、演算した誘起電圧Vindと所定値の電源電圧Vpnとの大小関係を比較して、誘起電圧Vindが電源電圧Vpnより大きいと判断される場合にはステップS105に進み、誘起電圧Vindが電源電圧Vpnより小さいと判断される場合にはステップS106に進む。
なお、上記説明では電圧の所定値が電源電圧Vpnの場合について説明したが、誘起電圧と所定値電圧との比較はハンチングを防止するため、所定値電圧にヒステリシスを設けてもよい。
また、仮に復帰時点の直前の状態が、図4のt12からt13の間のように、全上アームのスイッチング素子のゲート端子電圧は全てオフで、全下アームのスイッチング素子のゲート端子電圧は全てオンであった場合には、PWM駆動する場合のデューティ比を上アーム用は全て零%に設定し、下アーム用は全て100%に設定した状態で、復帰させるものである。
このようにすることで復帰切替え時の変動がなく、安定な状態を保つことが出来る。
図5はこの発明の実施の形態2における交流回転機の制御装置の演算処理装置の内部構成を示すブロック図、図6はこの発明の実施の形態2における交流回転機の制御装置の異常発生時の各部の状態を説明する説明図である。
上記実施の形態1では、プリドライバIC異常検知手段15は、プリドライバICとの通信路29,39を介して取得したプリドライバICの内部情報からプリドライバICの異常を検知する場合について説明したが、実施の形態2では、図5に示すようにプリドライバIC異常検知手段15が、周期的にモニタしたプリドライバICの出力信号26U,26V,26W,27U,27V,27W,36U,36V,36W,37U,37V,37Wと、スイッチング制御信号生成手段16で生成されてプリドライバICに与えられている制御信号51U,51V,51W,52U,52V,52W,61U,61V,61W,62U,62V,62Wを比較して、不一致のときプリドライバICの異常を検知する構成の場合について説明する。
なお、他の部分については、上記実施の形態1と同様であるため説明を省略する。
図6に示す時刻t21より前のプリドライバICが正常に動作している場合については、実施の形態1の時刻t11より前と同様の動作であるため、説明を省略する。
プリドライバICの異常発生通知を受けた誘起電圧演算手段12は、第一巻線組プリドライバIC出力遮断用スイッチング素子23と第二巻線組プリドライバIC出力遮断用スイッチング素子33に対しスイッチング素子オフ(遮断)を指令して、プリドライバICから出力され電力変換用のスイッチング素子のゲート端子に与えられているPWM駆動信号を遮断するとともに、所定時間間隔で図3に示すフロー図の動作を実行することで交流回転機2を安定した状態に保つ。
また、プリドライバICの異常発生通知を受けたスイッチング制御信号生成手段16は制御信号の生成出力を停止する。
その他の効果については、実施の形態1の効果と同様のため、説明を省略する。
図7はこの発明の実施の形態3における交流回転機の制御装置の演算処理装置の内部構成を示すブロック図、図8はこの発明の実施の形態3における交流回転機の制御装置の演算処理装置内の回転速度演算手段の動作を説明するフロー図、図9はこの発明の実施の形態3における交流回転機の制御装置の異常発生時の各部の状態を説明する説明図である。
上記実施の形態1では、誘起電圧演算手段12で演算した誘起電圧が電圧センサ6で検出した直流電源7の電圧にもとづく設定電圧よりも大きい場合に、第一巻線組下アーム全オン用スイッチング素子25と第二巻線組下アーム全オン用スイッチング素子35に対する駆動指令をオン(導通)にする場合について説明したが、実施の形態3では、図7に示すように、回転速度演算手段11が回転角度センサ5により周期的(例えば100マイクロ秒毎)に検出した回転角度から交流回転機2の回転数Spdを演算し、予め試験により求めた誘起電圧に基づき設定された回転数の設定値Spd_thよりも演算した回転数Spdが大きい場合に、第一巻線組下アーム全オン用スイッチング素子25と第二巻線組下アーム全オン用スイッチング素子35に対する駆動指令をオン(導通)にする場合について説明する。
なお、他の部分については、上記実施の形態1と同様であるため説明を省略する。
図9に示す時刻t31より前のプリドライバICが正常に動作している場合については、実施の形態1の時刻t11より前と同様の動作であるため、説明を省略する。
時刻t31にて、プリドライバICが温度やノイズ等の周辺環境により誤動作し、意図しないオペレーションモードの遷移が発生すると、演算処理装置10のプリドライバIC異常検知手段15は、プリドライバICとの通信路29,39を介して取得したプリドライバICの内部情報から異常状態を検知するか、または取得した内部情報からオペレーションモード演算手段14を用いてオペレーションモードを推定し、オペレーションモード設定手段13で設定されているオペレーションモードと推定したオペレーションモードとをプリドライバIC異常検知手段15で比較して不一致の場合にプリドライバICの異常を検知する。
プリドライバICの異常発生通知を受けた回転速度演算手段11は、第一巻線組プリドライバIC出力遮断用スイッチング素子23と第二巻線組プリドライバIC出力遮断用スイッチング素子33に対しスイッチング素子オフ(遮断)を指令して、プリドライバICから出力され電力変換用のスイッチング素子のゲート端子に与えられているPWM駆動信号を遮断するとともに、所定時間間隔で図8に示すフロー図の動作を実行することで交流回転機2を安定した状態に保つ。
また、プリドライバICの異常発生通知を受けたスイッチング制御信号生成手段16は制御信号の生成出力を停止する。
ステップS301において、回転速度演算手段11は、回転角度センサ5により周期的(例えば100マイクロ秒毎)に検出した回転角度から交流回転機2の回転数Spdを演算する。
ステップS302において、回転速度演算手段11は、予め試験により求めた誘起電圧に基づき設定された回転数Spd_thを読み出す。例えば回転数Spd_thは、試験により求めた誘起電圧が直流電源7の電圧になる回転数に設定されるものであり、図9の一番上に破線で示す1500rpmに設定されている。
ステップS303において、回転速度演算手段11は、演算した回転数Spdと設定された回転数Spd_thとの大小関係を比較して、演算した回転数Spdが設定された回転数Spd_thより大きいと判断される場合にはステップS304に進み、演算した回転数Spdが設定された回転数Spd_thより小さいと判断される場合にはステップS305に進む。
なお、上記説明では設定された回転数Spd_thが一定の場合について説明したが、演算した回転数Spdと設定された回転数Spd_thとの比較はハンチングを防止するため、設定された回転数Spd_thにヒステリシスを設けてもよい。
また、プリドライバICがあらかじめ想定していない故障モードや、温度やノイズ等の周辺環境の影響により誤動作し、ゲートドライバ回路への出力機能を停止した場合に、プリドライバICの出力がプリドライバICの保有する機能で上下アームともに全てオフにできる場合には、上記実施形態で説明した第一巻線組プリドライバIC出力遮断用スイッチング素子23と、第二巻線組プリドライバIC出力遮断用スイッチング素子33を設けなくてもよい。
Claims (10)
- 交流回転機の各相に対してブリッジ接続されて上アーム素子と下アーム素子とを構成するスイッチング素子と、前記交流回転機を制御するための制御信号を出力する演算処理装置と、前記演算処理装置から出力された制御信号にもとづき前記スイッチング素子のゲートに駆動信号を与えるプリドライバICと、前記プリドライバICの異常状態を検知した前記演算処理装置からの遮断信号により動作して、前記プリドライバICから前記スイッチング素子のゲートに与えられている駆動信号を遮断するプリドライバIC出力遮断用スイッチング素子と、前記プリドライバIC出力遮断用スイッチング素子により前記プリドライバICからの駆動信号が遮断されているとき、前記演算処理装置からの信号にもとづき導通して前記スイッチング素子の上アーム素子または下アーム素子のいずれか一方の全アーム素子のゲートに駆動信号を与えるゲートドライバ回路を備え、前記演算処理装置は、前記プリドライバICの異常状態を解除した後、前記プリドライバICから前記スイッチング素子のゲートに与えるPWM駆動信号のデューティ比を直前の異常状態解除中と同じ出力となるよう設定した状態で、前記プリドライバICを通常運転状態に復帰させることを特徴とする交流回転機の制御装置。
- 前記演算処理装置は、前記交流回転機の誘起電圧を演算する誘起電圧演算手段を有しており、前記誘起電圧演算手段で演算された誘起電圧が所定値よりも大きい場合に前記ゲートドライバ回路を導通させることを特徴とする請求項1に記載の交流回転機の制御装置。
- 前記誘起電圧演算手段で使用される電圧の所定値は、前記交流回転機に前記スイッチング素子を介して接続された直流電源の電圧にもとづき設定されていることを特徴とする請求項2に記載の交流回転機の制御装置。
- 前記演算処理装置は、前記交流回転機の回転速度を演算する回転速度演算手段を有しており、前記回転速度演算手段で演算された回転速度が所定値よりも大きい場合に前記ゲートドライバ回路を導通させることを特徴とする請求項1に記載の交流回転機の制御装置。
- 前記回転速度演算手段で使用される回転速度の所定値は、予め試験して求めた前記交流回転機の誘起電圧が前記交流回転機に前記スイッチング素子を介して接続された直流電源の電圧になる回転数にもとづき設定されていることを特徴とする請求項4に記載の交流回転機の制御装置。
- 前記交流回転機は複数の巻線組を有しており、前記複数の巻線組ごとに前記スイッチング素子と、前記プリドライバICと、前記プリドライバIC出力遮断用スイッチング素子と、前記ゲートドライバ回路が設けられており、前記演算処理装置は前記巻線組ごとのプリドライバICの異常状態を別々に検知することを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の交流回転機の制御装置。
- 前記演算処理装置は、通信線を介して入力したプリドライバICの内部情報が異常なときに、プリドライバICの異常状態を検知するプリドライバIC異常検知手段を備えていることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の交流回転機の制御装置。
- 前記演算処理装置は、前記プリドライバICに対して設定指示したオペレーションモードと前記プリドライバICに設定されたオペレーションモードを比較して不一致のときに前記プリドライバICが異常状態であると検知するプリドライバIC異常検知手段を備えていることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の交流回転機の制御装置。
- 前記演算処理装置は、前記交流回転機を制御するために出力した制御信号と前記プリドライバICから出力され前記スイッチング素子のゲートに与えられている駆動信号を比較して不一致のときに前記プリドライバICが異常状態であると検知するプリドライバIC異常検知手段を備えていることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の交流回転機の制御装置。
- 前記演算処理装置は、前記プリドライバICを再起動する初期化手段を備えていることを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の交流回転機の制御装置。
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