JP6202724B2 - 缶搬送装置 - Google Patents
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Description
特許文献1には、モータの駆動力によって連続回転駆動される伝達軸と、各ターレットに取り付けられた複数の従動軸との各間に、伝達軸の連続回転運動を従動軸の間欠回転運動に変換する複数の変換機構を設けた搬送装置が開示されている。この構成では、複数のターレットの高速間欠回転が可能であり、近年要求が高まっている缶の処理装置の処理能力向上が図られている。
また、従動軸とターレットとをタイミングベルトで接続した場合でも、タイミングベルトに繰り返し負荷が加わることで、タイミングベルトが伸び易くなるため、複数のターレットの相対的な回転位置がずれる、という問題がある。
また、回転伝達機構は複数の入力軸部を連続回転させるように駆動源の駆動力を伝達するため、間欠回転を伝達する場合と比較して、回転伝達機構にかかる負荷を低減することができる。
また、上記構成によれば、隣り合う入力軸部間の距離が変化しても、これら入力軸部に同一の伝達用タイミングベルトを容易に巻き回すことができる。したがって、複数のターレットの位置調整をさらに容易に行うことができる。
図1に示すように、この実施形態に係る搬送装置1(缶搬送装置)は、例えば円筒状に形成された缶(被搬送物)Cの外面や内面に塗装処理を施す塗装装置2に採用したものであり、塗装装置2の一部を構成している。
また、各ターレット5は、その軸線周り(図1における矢印方向)に間欠的に回転することで、缶Cをターレット5の周方向に搬送するように構成されている。複数のターレット5は、缶Cが全てのターレット5間で受け渡されて搬送されるように、複数のターレット5の回転軸線を互いに平行させた状態で配列されている。
供給側ターレット5Aは、前段の工程(例えば缶Cの成形工程)からの缶Cを取り入れて、第一塗装ターレット5Bに受け渡すものである。第一塗装ターレット5Bは、供給側ターレット5Aから受け渡された缶Cを第一塗装部3Aまで搬送すると共に、缶内面塗装が終了した缶Cを第一塗装部3Aから乾燥用ターレット5Cに受け渡すものである。乾燥用ターレット5Cは、第一塗装ターレット5Bから受け渡された缶Cを搬送しながら、缶Cの内面に塗装された塗料を乾燥させ、第二塗装ターレット5Dに受け渡す役割を果たす。なお、図示例における乾燥用ターレット5Cは一つだけであるが、例えば複数であってもよい。第二塗装ターレット5Dは、乾燥用ターレット5Cから受け渡された缶Cを第二塗装部3Bまで搬送すると共に、缶底外面塗装が終了した缶Cを第二塗装部3Bから送出側ターレット5Eに受け渡すものである。送出側ターレット5Eは、第二塗装ターレット5Dから受け渡された缶Cを後段の工程(例えば缶Cの検査処理工程)に送出するものである。
各回転運動変換部7は、図2,3に示すように、モータ6の駆動力によって連続回転させる入力軸部12、ターレット5に一体に取り付けられる出力軸部13、及び、入力軸部12の連続回転を出力軸部13の間欠回転に変換する回転運動変換機構14を備える。
カム部15は、入力軸部12の回転方向に対して傾斜する傾斜部15Aと、傾斜部15Aの両端に連ねて回転方向に延びる平行部15Bとを有している。このカム部15は入力軸部12の回転方向に等間隔で複数配列されている。また、複数のカム部15は、入力軸部12の回転方向に隣り合う二つのカム部15の平行部15Bが、入力軸部12の軸方向に対向するように配されている。カムフォロワ部16は、入力軸部12の回転方向に隣り合う二つのカム部15の間に挟み込むことが可能なブロック状に形成されている。このカムフォロワ部16は、出力軸部13の周方向に等間隔で複数配列されている。
本実施形態では、図4に示すように、各回転運動変換部7が複数の取付ねじ31(雄ねじ部品)により基台4の内面4bに固定される。一方、基台4の壁部には、回転運動変換部7に螺着される取付ねじ31の軸部を挿通させる挿通孔32が形成されている。挿通孔32の内径寸法は、取付ねじ31の軸部の直径寸法よりも大きく、かつ、取付ねじ31の頭部の直径寸法よりも小さく設定されている。これにより、各回転運動変換部7を基台4に固定する際、基台4に対する各回転運動変換部7の位置を調整することが可能となる。
以上のことから、本実施形態の搬送装置1では、基台4に形成された挿通孔32及びこれに挿通させた上で各回転運動変換部7に螺着させる取付ねじ31によって、複数の回転運動変換部7の相対的な位置を調整する位置調整機構30が構成されている。
本実施形態では、位置決め機構40が、棒状の位置決めピン41と、基台4及び回転運動変換部7に形成された複数のピン孔42A,42Bとにより構成されている。基台4のピン孔42Aは、前述した挿通孔32と同様に基台4の壁部を貫通して形成されている。位置決めピン41は、基台4のピン孔42Aに挿通された上で、回転運動変換部7のピン孔42Bに挿入される。これにより、仮に取付ねじ31の緩み等が生じても、回転運動変換部7が基台4の内面4bに沿って移動することを防止できる。すなわち、各々の回転運動変換部7に取り付けられた複数のターレット5の相対的な配置にズレが生じることを防止できる。
なお、基台4及び回転運動変換部7のピン孔42A,42Bは、搬送装置1の製造段階において、位置調整機構30による各回転運動変換部7の位置調整の終了後に形成される。
第二〜第四伝達部21B〜21Dは、複数の入力軸部12の連続回転を同期させるように連続回転を伝達する構成であれば、ギヤやタイミングベルト等を用いた任意の構成であってよい。本実施形態では、第二〜第四伝達部21B〜21Dのそれぞれが、ハウジング11から突出する入力軸部12の端部に設けられた伝達用歯付プーリ23と、複数の伝達用歯付プーリ23に巻回された伝達用タイミングベルト24とを備えている。本実施形態では、いずれの伝達用歯付プーリ23も伝達用タイミングベルト24の内周面に当接するため、伝達用タイミングベルト24の内周面には伝達用歯付プーリ23に噛み合う歯が形成されている。
そして、第一入力軸部12Aの一端部及び第二入力軸部12Bの一端部に設けられた伝達用歯付プーリ23には、第一伝達用タイミングベルト24Bが巻回されている。また、第二入力軸部12Bの他端部、第三入力軸部12Cの一端部、及び、第四入力軸部12Dの一端部に設けられた伝達用歯付プーリ23には、第二伝達用タイミングベルト24Cが巻回されている。さらに、第四入力軸部12Dの他端部及び第五入力軸部12Eの一端部に設けられた伝達用歯付プーリ23には、第三伝達用タイミングベルト24Dが巻回されている。
なお、図示例では、第一、第三伝達用タイミングベルト24B,24D用のテンションプーリ26が、第一、第三伝達用タイミングベルト24B,24Dの内周面に当接し、第二伝達用タイミングベルト24C用のテンションプーリ26が、第二伝達用タイミングベルト24Cの外周面に当接しているが、これに限ることはない。
モータ6の駆動軸18が連続回転した際には、回転伝達機構8によりモータ6の駆動力が複数の入力軸部12に伝達されて、複数の入力軸部12が連続回転する。
本実施形態では、駆動軸18の連続回転が第一伝達部21Aによって第二入力軸部12Bに伝達され、第二入力軸部12Bが連続回転する。また、第二入力軸部12Bの連続回転がそれぞれ第二、第三伝達部21B,21Cによって第一、第三、第四入力軸部12A,12C,12Eに伝達され、第一、第三、第四入力軸部12A,12C,12Eが連続回転する。さらに、第四入力軸部12Dの連続回転が第四伝達部21Dによって第五入力軸部12Eに伝達され、第五入力軸部12Eが連続回転する。すなわち、末端の入力軸部12(第五入力軸部12E)は、基端の入力軸部12(第二入力軸部12B)の連続回転が中間の入力軸部12(第四入力軸部12D)を介して末端の入力軸部12に伝達されることで連続回転する。
以上のように複数の入力軸部12が互いに同期して連続回転するため、各回転運動変換機構14によって入力軸部12の連続回転が出力軸部13の間欠回転に変換されても、複数の出力軸部13及びターレット5の間欠回転を互いに同期させることができる。したがって、互いに隣り合うターレット5間で缶Cの受け渡しを正しく行うことができる。
本実施形態の場合、伝達用タイミングベルト24にかかる負荷が低減されるため、伝達用タイミングベルト24が間欠回転を伝達する場合と比較して、伝達用タイミングベルト24が伸び難くなる。さらに、本実施形態では、単一の伝達用タイミングベルト24が互いに隣り合う入力軸部12に巻回されるため、単一の伝達用タイミングベルト24が全ての入力軸部12に巻回される場合よりも、その長さが短くなることでも、伝達用タイミングベルト24の伸びが抑制される。また、本実施形態では、テンション調整機構25によって伝達用タイミングベルト24に弛みが生じることを抑制できる。以上のことから、複数のターレット5の相対的な回転位置がずれることを確実に防止することができる。
特に、本実施形態の搬送装置1では、第二〜第四伝達部21B〜21Dによってモータ6の駆動力が互いに隣り合う入力軸部12の間で伝達されるため、モータ6の駆動力(駆動軸18の連続回転)が全ての入力軸部12に直接伝達される場合と比較して、複数の入力軸部12(回転運動変換部7)の相対的な配置をさらに容易かつ自由に設定することが可能となる。すなわち、複数のターレット5のレイアウト自由度をさらに向上でき、また、複数のターレット5のレイアウト変更も容易に行うことができる。
なお、各回転運動変換部7を基台4に取り付ける際には、例えば、位置調整機構30の取付ねじ31により各回転運動変換部7を基台4に仮止めすると共に、缶Cと同サイズの芯出し用治具を隣り合う二つのターレット5の受け渡し位置に配しておけばよい。本実施形態の搬送装置1では、同一の芯出し治具を隣り合う二つのターレット5の両方の保持凹部51内に保持させればよい。これにより、複数のターレット5の相対的な位置を容易かつ高精度に設定することが可能となる。
以上のことから、搬送装置1の組み立て及びメンテナンスをさらに容易に行うことができる。
具体的に説明すれば、搬送装置1の製造段階において、位置調整機構30により基台4に対して複数の回転運動変換部7を位置調整した後に、基台4及び複数の回転運動変換部7にピン孔42A,42Bが形成されるため、搬送装置1のメンテナンスにおいて回転運動変換部7を基台4に取り付ける際には、前述した芯出し用治具を用いることなく、位置決めピン41をピン孔42A,42Bに挿入するだけで、回転運動変換部7を容易かつ高精度に位置決めできる。したがって、搬送装置1のメンテナンス時には、複数のターレット5を高い精度で容易に位置決めできる。
例えば、ターレット5の数は上記実施形態のものに限らず、任意であってよい。例えば塗装用のターレット5は、塗装部3の数に合わせて一つあるいは三つ以上設けられてよい。なお、塗装用のターレット5が三つ以上設けられる場合には、上記実施形態の場合と同様に、隣り合う二つの塗装用のターレット5の間に乾燥用ターレット5Cが設けられることが好ましい。
また、上記実施形態では、いずれの伝達用歯付プーリ23も伝達用タイミングベルト24の内周面に当接しているが、例えば、単一の伝達用タイミングベルト24を掛け回した複数(三つ以上)の伝達用歯付プーリ23のうち一部が、伝達用タイミングベルト24の外周面に当接してもよい。この場合には、伝達用タイミングベルト24として、内周面及び外周面の両方に歯が形成された両歯付タイミングベルトを採用すればよい。
また、上記実施形態では、回転運動変換部7の入力軸部12及び出力軸部13の軸方向が互いに直交しているが、例えば互いに平行したり傾斜したりしてもよい。この場合、回転運動変換部7は、上記実施形態のものと異なる構造の回転運動変換機構14を備えていればよい。
5 ターレット
6 モータ(駆動源)
7 回転運動変換部
8 回転伝達機構
12 入力軸部
13 出力軸部
14 回転運動変換機構
23 伝達用歯付プーリ
24 伝達用タイミングベルト
25 テンション調整機構
30 位置調整機構
C 缶(被搬送物)
Claims (3)
- 間欠的に回転される複数のターレット間で被搬送物の受け渡しを行う缶搬送装置であって、
前記複数のターレットと、
前記ターレット毎に設けられ、連続回転させる入力軸部、前記ターレットに一体に取り付けられる出力軸部、及び、前記入力軸部の連続回転を前記出力軸部の間欠回転に変換する回転運動変換機構、を有する複数の回転運動変換部と、
前記入力軸部を回転駆動する駆動源と、
前記駆動源の駆動力を複数の前記入力軸部に伝達する回転伝達機構と、を備え、
前記回転伝達機構は、
互いに隣接配列される複数のターレットの入力軸部の間に巻回される複数の伝達用タイミングベルトを備え、前記複数の伝達用タイミングベルトによって前記駆動源の駆動力を隣接配列されたターレットの入力軸部の間で伝達することを特徴とする缶搬送装置。 - 前記伝達用タイミングベルトのテンションを調整するテンション調整機構を備えることを特徴とする請求項1に記載の缶搬送装置。
- 複数の前記回転運動変換部の相対的な位置を調整する位置調整機構を備えることを特徴とする請求項1から請求項1又は2に記載の缶搬送装置。
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