以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態では、操作装置101及び操作装置101を用いた車両用シフト装置500について説明する。先ず、操作装置101を用いた車両用シフト装置500について説明を行う。図1は、本発明の第1実施形態に係わる操作装置101を用いた車両用シフト装置500を説明する斜視図である。図2は、本発明の第1実施形態の係わる操作装置101を用いた車両用シフト装置500を説明する図であって、図2(a)は、図1に示すY2側から見た正面図であり、図2(a)は、図1に示すX1側から見た側面図である。図3は、本発明の第1実施形態に係わる操作装置101を用いた車両用シフト装置500を説明する図であって、図1に示すZ1側から見た上面図である。図4は、本発明の第1実施形態に係わる操作装置101を用いた車両用シフト装置500を説明する分解斜視図である。
本発明の第1実施形態の操作装置101を用いた車両用シフト装置500は、図1ないし図3に示すような外観を呈し、図4に示すように、操作者によって把持されるシフトノブ50Nと、操作者によるシフトノブ50Nの傾倒操作を受けて多方向への操作が行える操作装置101と、操作装置101からの信号を受けて車両側機器に信号を送信する制御部50Cと、操作装置101の操作部材11が位置する複数のポジションを検出する位置検出手段5S(図4では図示していない)と、を備えて構成されている。そして、この車両用シフト装置500は、車両に搭載され、第1方向D1(図3に示すX方向)と第1方向D1と直交する第2方向D2(図3に示すY方向)との傾倒操作が行える、車両のシフト操作のために用いられる。
車両用シフト装置500のシフトノブ50Nは、図4に示すように、操作者によって把持し易いように細長い形状で形成され、図1ないし図3に示すように、図4に示す操作装置101の操作部材11の操作部11tを覆うようにして係合されて配設されている。
車両用シフト装置500の制御部50Cは、集積回路(IC、Integrated Circuit)を用いて構成され、操作装置101の箱状のケースK1に収容された配線基板19(図4を参照)に搭載されている。そして、制御部50Cは、図示していないコネクタを介して車両側機器に接続され、シフトノブ50Nの傾倒操作を受けて操作がされた位置情報信号を車両側機器に送信している。この位置情報信号を受けて、車両側では、シフトパターンに対応した動作を行うとともに、シフトパターンにおけるシフトノブ50Nのポジションをインストルメントパネル等に設けられた表示部に表示するようにしている。
車両用シフト装置500の位置検出手段5Sは、操作装置101に装着されているので、後述する操作装置101の説明で合わせて詳細に説明を行う。
ここで、本発明の第1実施形態における、操作装置101を用いた車両用シフト装置500のシフト操作について、図5を用いて具体的に説明する。図5は、本発明の第1実施形態ないし第4実施形態に係わる操作装置を用いた車両用シフト装置の操作を具体的に説明する図であって、図5(a)は、車両のシフトの配置(シフトパターン)を示した平面図であり、図5(b)は、シフトノブのポジション位置を示した平面図である。図5(a)に示すシフトパターンは、前述したインストルメントパネル等に設けられた表示部に表示される。また、図5(b)に示すポジション位置は、シフトノブ(操作部材)が操作されて、操作部材が移動した位置を模式化したものである。
本発明の第1実施形態の車両用シフト装置500は、シフトノブ50Nが変速機に直接接続されている機械制御方式の車両ではなく、電子制御方式の車両に適用される。故に、操作装置101から送信されるシフト位置の情報信号だけで、車両のシフト操作が行われる。このシフト位置は、前述したインストルメントパネル等に設けられた表示部に表示されたシフトパターンに示されている。
例えば、シフトノブ50Nが図5(b)に示す操作部材11の第2ポジションP2に位置し、シフト位置が図5(a)に示すニュートラルモード“N”に位置する場合、シフトノブ50NをY1方向に傾倒操作して、図5(b)に示す前1段ポジションS21にすると、図5(a)に示すリバース“R”にシフト位置が移動したと、情報信号が車両側に送信され、車両のシフト操作が行われる。そして、操作者は、操作が完了したためシフトノブ50Nから手を離すので、シフトノブ50Nが自動復帰して、第2ポジションP2に戻るようになる。
また、その後の操作で、第2ポジションP2に位置するシフトノブ50NをY2方向に傾倒操作し、図5(b)に示す後1段ポジションS23、後2段ポジションS24と順に操作すると、リバースモード“R”にあったシフト位置が、図5(a)に示すニュートラルモード“N”、ドライブモード“D”へと順に移動する。この操作を受けて、図5(a)に示すドライブモード“D”にシフト位置が移動したと、情報信号が車両側に送信され、車両のシフト操作が行われる。そして、操作者は、操作が完了したためシフトノブ50Nから手を離すので、シフトノブ50Nが自動復帰して、第2ポジションP2に戻るようになる。
このようにして、車両用シフト装置500は、リバースモード“R”、ニュートラルモード“N”及びドライブモード“D”を有するオート操作に対して、基準位置であるオート操作ポジションを操作装置101の操作部材11の第2ポジションP2に割り付けて使用している。この際に、前述したように、リバースモード“R”からドライブモード“D”に切り換えるため、操作装置101の操作部材11は、後1段ポジションS23、後2段ポジションS24とY2方向に傾倒操作できるようになっている。同様にして、ドライブモード“D”からリバースモード“R”に切り換えるため、操作装置101の操作部材11は、図5(b)に示す前1段ポジションS21、前2段ポジションS22とY1方向に傾倒操作できるようになっている。なお、操作装置101の操作部材11のY方向への移動方向、所謂傾倒方向を、車両のシフト操作の第2方向D2として割り付けを行っている。
一方、例えば、図5(a)に示すドライブモード“D”にシフト位置がある場合、第2ポジションP2に位置するシフトノブ50NをX2方向に傾倒操作し、図5(b)に示す操作部材11の第1ポジションP1にすると、ドライブモード“D”にあったシフト位置が、図5(a)に示すマニュアルモードMに移動する。この際に、操作者がシフトノブ50Nから手を離しても、操作部材11(シフトノブ50N)は、第1ポジションP1に留まり、操作部材11の傾倒状態をそのまま維持している。
また、その後の操作で、第1ポジションP1に位置するシフトノブ50NをY1方向に傾倒操作し、図5(b)に示す前方ポジションS11にすると、図5(a)に示すシフトアップモード“+”にシフト位置が移動したと、情報信号が車両側に送信され、車両のシフトダウン操作が行われる。同様にして、第1ポジションP1に位置するシフトノブ50NをY2方向に傾倒操作し、図5(b)に示す後方ポジションS13にすると、図5(a)に示すシフトダウンモード“−”にシフト位置が移動したと、情報信号が車両側に送信され、車両のシフトアップ操作が行われる。
このようにして、車両用シフト装置500は、シフトアップモード“+”及びシフトダウンモード“−”を有するマニュアル操作に対して、基準位置であるマニュアル操作ポジションを操作装置101の操作部材11の第1ポジションP1に割り付けて使用している。なお、操作装置101の操作部材11が第1ポジションP1と第2ポジションP2とを移動するX方向への移動方向、所謂傾倒方向を、車両のシフト操作の第1方向D1として割り付けを行っている。また、図2及び図4でも、説明を分かり易くするため、傾倒操作の第1方向D1及び第2方向D2を図示している。
次に、操作装置101について説明を行う。図6は、本発明の第1実施形態の操作装置101を説明する斜視図である。図6は、図4に示すケースK1及びカバーK2を省略している。図7は、本発明の第1実施形態の操作装置101を説明する図であって、図7(a)は、図6に示すY2側から見た正面図であり、図7(b)は、図7(a)の枠体12Cの連結板(12C1、12C2)を省略した正面図である。図8は、本発明の第1実施形態の操作装置101を説明する図であって、図8(a)は、図6に示すX1側から見た側面図であり、図8(b)は、図8(a)の枠体12Cの支持板(12C3、12C4)を省略した側面図である。なお、図7及び図8は、操作部材11が第2ポジションP2に位置する状態を示している。図9は、可動側磁性体MMと対向側磁性体TMの部分の分解斜視図である。
本発明の第1実施形態の操作装置101は、図4及び図6に示すような外観を呈し、図7及び図8に示すように、操作者の操作を受けて傾倒動作可能な操作部材11と、操作部材11を傾倒動作可能に支持する支持体12と、操作部材11とともに第2方向D2へ傾倒動作する複数の可動側磁性体MMと、複数の可動側磁性体MMのそれぞれと対向して配置された複数の対向側磁性体TMと、対向側磁性体TMの傾倒動作を止めるストッパー部16と、を備えて構成されている。他に、操作装置101には、図7(b)に示すように、操作部材11とともに第1方向D1(図6及び図7(b)に示すX1方向及びX2方向)へ傾倒動作する複数の傾倒側磁性体KMと、傾倒側磁性体KMのそれぞれと対向して配置された複数の固定側磁性体RMと、図4に示すように、支持体12と対向側磁性体TMとを覆うように配設された箱状のケースK1と、ケースK1の開口部K1kを覆うカバーK2と、ケースK1に収容され制御部50Cが搭載された配線基板19と、を有している。そして、操作装置101は、操作者の傾倒操作を受けて、操作部材11が第1ポジションP1及び第2ポジションP2(図5(b)を参照)間を移動する第1方向D1の傾倒動作と、第1方向D1と直交する第2方向D2(図6及び図8(b)に示すY1方向及びY2方向)の傾倒動作と、が行える多方向への操作が可能な装置となっている。
先ず、操作装置101の操作部材11は、合成樹脂材を成形して作製されており、図6に示すように、支持体12と係合され垂直方向(図6に示すZ方向)に延設された柱状の操作軸11jと、操作軸11jの一端側から斜めに延設された操作部11tと、図7(b)及び図8(b)に示すように、操作軸11jの他端側に設けられ操作軸11jの軸中心が貫く平面に広がる平板状の基体部11d及び平板状の基部11kと、を有して構成されている。そして、操作部材11の操作部11tには、前述したように、車両用シフト装置500のシフトノブ50Nが覆われて配設されている。
操作部材11の基体部11dは、図7(b)及び図8(b)に示すように、平板形状をしており、操作軸11jと基部11kとの間に配設されている。そして、操作部材11の第2方向D2(図8に示すY方向)への傾倒動作に伴って、基体部11dも連動して傾倒動作を行うように構成されている。なお、第2方向D2への傾倒動作に伴って、基部11kも連動して傾倒動作を行うように構成されている。
また、操作部材11の基部11kは、図7(b)に示すように、中央部分が少し曲げられた平面形状をしている。そして、操作部材11の第1方向D1(図7に示すX方向)への傾倒動作に伴って、基部11kも連動して傾倒動作を行うように構成されている。
次に、操作装置101の支持体12は、合成樹脂材を成形して作製されており、図6に示すように、操作部材11の傾倒操作に応じて回動する第1連動部材12Aと、操作部材11の傾倒操作に応じて回動するとともに軸線方向が互いに直交する第2連動部材12Bと、第2連動部材12Bを支持している枠体12Cと、から構成されている。
支持体12の第1連動部材12Aは、図6及び図9に示すように、対向して配置される長尺の一対の側壁部12aと、これらの側壁部12aの両端部同士を連結する連結部12bと、この連結部12bからそれぞれ延設して両端に設けられた傾倒軸(第1傾倒軸)12eと、を有して構成されている。そして、この傾倒軸12eは、操作装置101が組み立てられた際には、枠体12Cの一対の支持板(12C3、12C4)に挿通されて(図6では、支持板12C4側のみが図示されている)、回動可能に枠体12Cに支持されている。これにより、この傾倒軸12eを軸中心として、第1連動部材12Aが回動できるようになっているとともに、操作部材11の基体部11dも回動できるようになっている。
また、支持体12の第2連動部材12Bは、図6に示すように、ブロック状のベース部12gと、ベース部12gから上方に延設された結合部(図示はしていない)と、ベース部12gを貫いて配設されている第2傾倒軸(図示はしていない)と、を有して構成されている。そして、操作装置101が組み立てられた際には、第2連動部材12Bが第1連動部材12Aの側壁部12a及び連結部12bに囲まれた空間に挿入され、第2傾倒軸が一対の側壁部12aの孔部12d(図9を参照)に挿通されて、回動可能に第1連動部材12Aに支持されている。また、図示しない結合部が操作部材11の操作軸11jに挿入されて係合している。これにより、支持体12は、第1連動部材12A、第2連動部材12B及び枠体12Cを用いて、操作部材11を傾倒動作可能に支持していることとなる。具体的には、第2連動部材12Bの第2傾倒軸を回動軸として、操作部材11が第1方向D1への回動ができ、第1連動部材12Aの傾倒軸(第1傾倒軸)12eを回動軸(軸中心)として、操作部材11が第2方向D2への回動ができようになっている。
次に、操作装置101の固定側磁性体RMは、図7(b)に示すように、永久磁石EM4と永久磁石EM4の3面を囲むように配設されたヨークYM4とからなる磁性体であり、操作部材11が第1ポジションP1に移動した際に、傾倒側磁性体KMと当接または近接する第1磁石R14と、操作部材11が第2ポジションP2に移動した際に(図7(b)の状態)、傾倒側磁性体KMと当接または近接する第2磁石R24と、を組み合わせて構成されている。そして、固定側磁性体RMの第1磁石R14及び第2磁石R24は、図7(b)及び図8(b)に示すように、操作部材11の基体部11dにより支持され、ねじ等により基体部11dに固定されている。これにより、操作部材11の第1方向D1(図7に示すX方向)への傾倒動作が行われても、固定側磁性体RMが可動しない状態に保たれる。なお、固定側磁性体RMを配設する際には、傾倒側磁性体KMと対向する対向面以外の部分をヨークYM4が永久磁石EM4を覆うようにした向きで配設する。
次に、操作装置101の傾倒側磁性体KMは、固定側磁性体RMと同様に、図7(b)に示すように、永久磁石EM4と永久磁石EM4の3面を囲むように配設されたヨークYM4とからなる磁性体であり、操作部材11が第1ポジションP1に移動した際に、固定側磁性体RMと当接または近接する第3磁石K34と、操作部材11が第2ポジションP2に移動した際に(図7(b)の状態)、固定側磁性体RMと当接または近接する第4磁石K44と、を組み合わせて構成されている。そして、傾倒側磁性体KMの第3磁石K34及び第4磁石K44は、操作部材11の基部11kに配設されて固定されて、操作部材11の第1方向D1への傾倒動作と連動して傾倒動作を行うように構成されている。なお、傾倒側磁性体KMを配設する際にも、固定側磁性体RMと対向する対向面以外の部分をヨークYM4が永久磁石EM4を覆うようにした向きで配設する。
操作装置101の可動側磁性体MMは、固定側磁性体RM及び傾倒側磁性体KMと同様に、図8(b)及び図9に示すように、永久磁石EM4と永久磁石EM4の3面を囲むように配設されたヨークYM4とからなる磁性体であり、第1可動磁石M14、第2可動磁石M24、第3可動磁石M34及び第4可動磁石M44から構成されている。そして、傾倒軸(第1傾倒軸)12eを挟んで、Y1方向に傾倒動作する側に第1可動磁石M14、第2可動磁石M24と順に並んで基体部11dに固定して配設し、Y2方向に傾倒動作する側に第3可動磁石M34、第4可動磁石M44と順に並んで基体部11dに固定して配設している。
また、操作装置101の対向側磁性体TMは、図8(b)及び図9に示すように、永久磁石EM4と永久磁石EM4の3面を囲むように配設されたヨークYM4とからなる磁性体であり、第1対向磁石T14、第2対向磁石T24、第3対向磁石T34及び第4対向磁石T44から構成されている。
また、対向側磁性体TMには、ヨークYM4が固定される長方形の固定板TT4をそれぞれ有しており、操作装置101が組み立てられた際には、図7に示すように、固定板TT4における長手方向側(図9に示すX方向側)の両側の末端部が、枠体12Cの一対の支持板(12C3、12C4)における一方側(図7に示すZ1側)の端部と対向するようになる。この末端部が、操作部材11が傾倒された際に、後述するストッパー部16と当接する当接部TTpとなる。
また、対向側磁性体TMは、傾倒軸(第1傾倒軸)12eを挟んで、Y1方向に傾倒動作する側に第1対向磁石T14、第2対向磁石T24と順に並んで配設し、Y2方向に傾倒動作する側に第3対向磁石T34、第4対向磁石T44と順に並んで配設している。更に、第1対向磁石T14を第1可動磁石M14と対向させ、第2対向磁石T24を第2可動磁石M24と対向させ、第3対向磁石T34を第3可動磁石M34と対向させ、第4対向磁石T44を第4可動磁石M44と対向させて、操作部材11が第1ポジションP1或いは第2ポジションP2の基準位置にある場合には、図8(b)に示すように、対向側磁性体TMが可動側磁性体MMのすべてと吸引さて吸着するように配設されている。なお、可動側磁性体MMと対向側磁性体TMとを配設する際にも、それぞれが対向する対向面以外の部分をヨークYM4が永久磁石EM4を覆うようにした向きで配設する。
次に、操作装置101のストッパー部16は、図8(a)に示すように、枠体12Cの支持板12C4の一方側(図8(a)に示すZ1側)の端部に、4つ(16a、16b、16c、16d)設けられている。このストッパー部16は、傾倒軸(第1傾倒軸)12eを挟んで、操作部材11がY1方向(傾倒方向)に傾倒動作する側にストッパー部16a、ストッパー部16bと順に並んで配設し、操作部材11がY2方向(傾倒方向)に傾倒動作する側にストッパー部16c、ストッパー部16dと順に並んで配設している。また、図示はしていないが、支持板12C3の一方側の端部にも、4つのストッパー部16(16a、16b、16c、16d)と対向する位置に、4つのストッパー部16が設けられている。これにより、一対の支持板(12C3、12C4)の端部を加工するだけで、容易に複数のストッパー部16を形成することができる。
また、Y1方向に傾倒動作する側では、図8(a)に示すように、基準位置において、基体部11dとの距離がストッパー部16a、ストッパー部16bの順で徐々に短く変化している。同様にして、Y2方向に傾倒動作する側では、基体部11dとの距離がストッパー部16c、ストッパー部16dの順で徐々に短く変化している。また、言い換えると、図8(a)に示すように、Y1方向に傾倒動作する側では、第1対向磁石T14の当接部TTp1とストッパー部16aとの距離が第2対向磁石T24の当接部TTp2とストッパー部16bとの距離より短くなっており、Y2方向に傾倒動作する側では、第3対向磁石T34の当接部TTp3とストッパー部16cとの距離が第4対向磁石T44の当接部TTp4とストッパー部16dとの距離より短くなっている。
なお、後述する動作の説明で詳細に説明するが、このストッパー部16は、操作者による基準位置からの傾倒操作を受けて、操作部材11が位置する複数のポジションのそれぞれに対応して設けられている。つまり、前述した図5(b)に示す前方ポジションS11及び前1段ポジションS21にはストッパー部16a、前2段ポジションS22にはストッパー部16b、後方ポジションS13及び後1段ポジションS23には、ストッパー部16c、後2段ポジションS24にはストッパー部16d、が対応して設けられている。
次に、操作装置101のケースK1は、軟磁性体である鋼板に曲げ加工を行って作製されており、図4に示すように、一方面が開放された開口部K1kを有して、箱状に形成されている。このケースK1には、支持体12、複数の可動側磁性体MM、複数の対向側磁性体TM、複数の傾倒側磁性体KM、複数の固定側磁性体RM、配線基板19、位置検出手段5Sが収容されている。
次に、操作装置101のカバーK2は、軟磁性体である鋼板に抜き加工を行って作製されており、図4に示すように、ケースK1の開口部K1kを覆う形状で形成されている。そして、ケースK1及びカバーK2が軟磁性体である鋼板から形成されているので、操作装置101が組み立てられた際には、複数の可動側磁性体MM、複数の対向側磁性体TM、複数の傾倒側磁性体KM及び複数の固定側磁性体RMから発生する磁気が、ケースK1及びカバーK2から外部に漏れることを防止することができる。これにより、外部機器への磁気により悪影響を防止することができる。
次に、操作装置101の配線基板19は、プリント配線板(printed wiring board)を用いており、前述したように、制御部50Cが搭載されている。また、配線基板19には、図示はしていないが、位置検出手段5Sとの電気的接続のためのフレキシブルプリント基板が接続されているとともに、外部機器との接続のためのコネクタが搭載されている。
最後に、車両用シフト装置500の位置検出手段5Sについて説明する。位置検出手段5Sは、抵抗体パターンが形成された基板と抵抗パターンを摺接する摺動子とから構成される回転型可変抵抗器を用いており、第1位置検出手段51S及び第2位置検出手段52Sを操作装置101に配設している。具体的には、図6に示すように、第1位置検出手段51Sが第1連動部材12Aの傾倒軸(第1傾倒軸)12eに係合されて、第2位置検出手段52Sが第2連動部材12Bの第2傾倒軸(図示していない)に係合されている。
また、第1位置検出手段51Sには、第1位置検出手段51Sからの信号を処理する第1信号処理部5S1が図示しないフレキシブルプリント基板により接続されており、第1位置検出手段51Sが傾倒軸(第1傾倒軸)12eの回転角度を検出して、配線基板19に搭載された第1信号処理部5S1(図4を参照)がこの回転角度から操作部材11の第2方向D2への移動を検出している。同様にして、第2位置検出手段52Sには、第2位置検出手段52Sからの信号を処理する第2信号処理部5S2が図示しないフレキシブルプリント基板により接続されており、第2位置検出手段52Sが第2傾倒軸の回転角度を検出して、配線基板19に搭載された第2信号処理部5S2(図4を参照)がこの回転角度から操作部材11の第1方向D1への移動を検出している。
次に、以上のように構成された操作装置101の動作について説明する。
先ず、操作部材11が第1ポジションP1と第2ポジションP2とを移動する第1方向D1の動きについて図7(b)を用いて説明する。
先ず、図7(b)に示す基準位置である第2ポジションP2から、操作者によりX2方向に傾倒操作がされて基準位置である第1ポジションP1に操作部材11が位置した際に、固定側磁性体RMと傾倒側磁性体KMとは対向して配置されているので、第1磁石R14と第3磁石K34とが引き合うようになる。そして、操作部材11が第1ポジションP1に留まり、操作部材11の傾倒状態がそのまま維持されるようになる。同時に、第2磁石R24と第4磁石K44とが引き剥がされるので、操作者に対して、強い吸引状態から弱い吸引状態への変化による節度感を与えることができる。
次に、基準位置である第1ポジションP1から、操作者によりX1方向に傾倒操作がされて基準位置である第2ポジションP2(図7(b)に示す状態)に操作部材11が位置した際に、同様に固定側磁性体RMと傾倒側磁性体KMとは対向して配置されているので、第2磁石R24と第4磁石K44とが引き合うようになる。そして、操作部材11が第2ポジションP2に留まり、操作部材11の傾倒状態がそのまま維持されるようになる。同時に、第1磁石R14と第3磁石K34とが引き剥がされるので、操作者に対して、強い吸引状態から弱い吸引状態への変化による節度感を与えることができる。
このように、永久磁石EM4という簡単な部品で、強い吸引力を生じさせることができ、操作部材11を第1ポジションP1及び第2ポジションP2に容易に固定することができる。更に、この永久磁石EM4がヨークYM4で覆われているので、簡単な構成で、より強い吸引力を生じさせることができる。
次に、第1方向D1とは別な第2方向D2への動きについて、図5及び図10を用いて簡単に説明する。図10は、本発明の第1実施形態の操作装置101における動作を説明する模式図であって、図10(a)は、基準位置の状態の図であり、図10(b)は、Y1方向に傾倒した状態の図であり、図10(c)は、図10(b)より更にY1方向に傾倒した状態の図であり、図10(d)は、Y2方向に傾倒した状態の図であり、図10(e)は、図10(d)より更にY2方向に傾倒した状態の図である。なお、図10では、説明を分かり易くするため、枠体12Cの一対の支持板(図8(b)に示す12C3、12C4)を破線で示し、枠体12Cとして指し示している。
第2方向D2に移動する動きについては、この第1ポジションP1或いは第2ポジションP2を基準位置として(図5(b)を参照)、操作者の傾倒操作によって行われる。ここでは、第2ポジションP2を基準位置とした動きについて詳細に説明する。なお、第1ポジションP1を基準位置とした第2方向D2の動きについては、以下説明する動きと同様である。
先ず、操作部材11が第2ポジションP2の基準位置にある際には、図10(a)に示すように、操作部材11の基体部11dは、Y方向に対して平行が保たれており、この基体部11dに固定して配設された複数の可動側磁性体MMも平行が保たれている。同様にして、複数の可動側磁性体MMのそれぞれと吸引されて吸着した複数の対向側磁性体TMも平行が保たれている。これにより、操作部材11が基準位置(第2ポジションP2)にある場合には、可動側磁性体MMと対向側磁性体TMがすべて吸引されて吸着しているので、操作部材11にガタツキが生じない。
また、操作部材11が基準位置(第2ポジションP2)にある場合には、対向側磁性体TMの固定板TT4の当接部TTp(TTp1、TTp2、TTp3、TTp4)は、枠体12Cの一対の支持板(12C3、12C4)に設けられた4つのストッパー部16(16a、16b、16c、16d)と離間している。
次に、操作者によりY1方向への傾倒操作がされると、傾倒軸(第1傾倒軸)12eを回動軸として操作部材11の回動が行われ、操作部材11が基準位置(第2ポジションP2)から傾倒されて前1段ポジションS21(図5(b)を参照)に位置するようになる。そして、その回動に伴って、基体部11dがY1方向に傾倒動作するようになり、図10(b)に示す位置まで傾倒される。その前1段ポジションS21に位置する際には、第1対向磁石T14の固定板TT4の当接部TTp1とストッパー部16aとが当接し、このストッパー部16aが第1対向磁石T14の傾倒動作を止めるようになる。一方、第1対向磁石T14と吸引されていた第1可動磁石M14は、そのまま傾倒動作が継続されるので、第1対向磁石T14と第1可動磁石M14は、引き剥がされて離反するようになる。従って、この強い吸引状態から弱い吸引状態への変化により、第2ポジションP2から前1段ポジションS21に移動する際の節度感(クリック感)が得られるようになる。
更に、操作者によりY1方向への傾倒操作が継続されると、操作部材11の更なる回動が行われ、操作部材11が前1段ポジションS21から傾倒されて前2段ポジションS22(図5(b)を参照)に位置するようになる。そして、その更なる回動に伴って、基体部11dがY1方向に更に傾倒動作するようになり、図10(c)に示す位置まで傾倒される。その前2段ポジションS22に位置する際には、第2対向磁石T24の固定板TT4の当接部TTp2とストッパー部16bとが当接し、このストッパー部16bが第2対向磁石T24の傾倒動作を止めるようになる。一方、第2対向磁石T24と吸引されていた第2可動磁石M24は、そのまま傾倒動作が継続されるので、第2対向磁石T24と第2可動磁石M24は、引き剥がされて離反するようになる。従って、この強い吸引状態から弱い吸引状態への変化により、前1段ポジションS21から前2段ポジションS22に移動する際の節度感(クリック感)が同様に得られるようになる。
以上のように、本発明の第1実施形態では、ストッパー部16bとストッパー部16aとを傾倒方向(図10に示すY1方向)に順に並べて設けており、図10(a)に示す基準位置において、ストッパー部16aと当接部TTp1との距離と、ストッパー部16bと当接部TTp2との距離と、を徐々に変化させている。これにより、操作部材11が傾倒方向に傾倒操作された際に、当接部TTp(TTp1、TTp2)とストッパー部16(16a、16b)との距離が近い順に、可動側磁性体MM(第1可動磁石M14及び第2可動磁石M24)と対向して配置された対向側磁性体TM(第1対向磁石T14及び第2対向磁石T24)の傾倒動作を、第1対向磁石T14、第2対向磁石T24の順に止めることができる。このため、各ポジション(前1段ポジションS21、前2段ポジションS22)に対応して、可動側磁性体MMと対向側磁性体TMを容易に離反させることができる。
また、本発明の第1実施形態では、操作部材11を傾倒させて、図10(b)及び図10(c)に示す一例のように、Y1方向に傾倒動作する側に配設された可動側磁性体MM(第1可動磁石M14及び第2可動磁石M24)と対向側磁性体TM(第1対向磁石T14及び第2対向磁石T24)が離反した際に、可動側磁性体MMと対向側磁性体TMがそれぞれの間に働く吸引力が消失しない位置に可動側磁性体MMと対向側磁性体TMを配設されている。これにより、各ポジション(前1段ポジションS21、前2段ポジションS22)において、操作者による傾倒操作の力が取り除かれたときに、引き剥がされた可動側磁性体MMと対向側磁性体TMとが互いの吸引力により再び吸引することとなる。このことにより、自動復帰のための付勢部材を使用しなくても、操作部材11を基準位置に自動復帰させることができる。なお、第1可動磁石M14と第1対向磁石T14とが離反した際、或いは第2可動磁石M24と第2対向磁石T24とが離反した際に、可動側磁性体MMと対向側磁性体TMがそれぞれの間に働く吸引力が消失しない位置に可動側磁性体MMと対向側磁性体TMを配設するようにしても良い。これにより、操作者による傾倒操作の力が取り除かれたときに、第2可動磁石M24と第2対向磁石T24との吸着、第1可動磁石M14と第1対向磁石T14との吸着が順次行われ、自動復帰のための付勢部材を使用しなくても、操作部材11を基準位置に自動復帰させることができる。
また、本発明の第1実施形態では、可動側磁性体MMと対向側磁性体TMが永久磁石EM4で、この永久磁石EM4がヨークYM4で覆われているので、簡単な構成で、可動側磁性体MMと対向側磁性体TMとの引き剥がしの強い力、或いは引き合う強い力を、簡単に生じさせることができる。このことにより、操作者に対して強い操作感触と節度感を与えることができる。
以上のようなY1方向への動きは、操作者によるY2方向への傾倒操作の際にも、同様に行われる。
つまり、操作部材11が基準位置(第2ポジションP2)から傾倒されて後1段ポジションS23(図5(d)を参照)に位置すると、第3対向磁石T34の固定板TT4の当接部TTp3とストッパー部16cとが当接して、第3対向磁石T34の傾倒動作が止められ、一方、第3可動磁石M34の傾倒動作がそのまま継続される。これにより、第3対向磁石T34と第3可動磁石M34が引き剥がされて離反するようになり、この強い吸引状態から弱い吸引状態への変化で、第2ポジションP2から後1段ポジションS23に移動する際の節度感(クリック感)が得られるようになる。
また、更なる操作者のY2方向への傾倒操作が継続されて、操作部材11が後1段ポジションS23から傾倒されて後2段ポジションS24(図5(e)を参照)に位置すると、第4対向磁石T44の固定板TT4の当接部TTp4とストッパー部16dとが当接して、第4対向磁石T44の傾倒動作が止められ、一方、第4可動磁石M44の傾倒動作がそのまま継続される。これにより、第4対向磁石T44と第4可動磁石M44が引き剥がされて離反するようになり、この強い吸引状態から弱い吸引状態への変化で、後1段ポジションS23から後2段ポジションS24に移動する際の節度感(クリック感)が同様に得られるようになる。なお、本発明の第1実施形態では、固定板TT4の当接部TTpとストッパー部16と当接させるように構成したが、この固定板TT4を用いずに、ヨークYM4を延設して、ヨークYM4の末端部を当接部とし、この当接部とストッパー部16と当接するように構成しても良い。
また、Y2方向に傾倒動作する側に配設された可動側磁性体MM(第3可動磁石M34及び第4可動磁石M44)と対向側磁性体TM(第3対向磁石T34及び第4対向磁石T44)も、それぞれの間に働く吸引力が消失しない位置に配設されている。これにより、各ポジション(後1段ポジションS23、後2段ポジションS24)において、操作者による傾倒操作の力が取り除かれたときに、引き剥がされた可動側磁性体MMと対向側磁性体TMとが互いの吸引力により再び吸引することとなる。このことにより、自動復帰のための付勢部材を使用しなくても、操作部材11を基準位置に自動復帰させることができる。
以上のように、本発明の第1実施形態の操作装置101は、第2方向D2への傾倒動作を行うことができる。つまり、操作部材11が基準位置から傾倒されて複数のポジションに位置する際には、各複数のポジションに対応したストッパー部16(16a、16b、16c、16d)をそれぞれ有しているので、例えば基準位置(第2ポジションP2)から次のポジション(前1段ポジションS21或いは後1段ポジションS23)、次のポジション(前1段ポジションS21或いは後1段ポジションS23)から更に次のポジション(前2段ポジションS22或いは後2段ポジションS24)への切り換えに際し、それぞれに設けられたストッパー部16(16a或いは16c、16b或いは16d)により対向側磁性体TM(第1対向磁石T14或いは第3対向磁石T34、第2対向磁石T24或いは第4対向磁石T44)の傾倒動作が止められる。なお、例えば操作部材11が第1ポジションP1(基準位置)に位置する際には、基準位置(第1ポジションP1)から次のポジション(前方ポジションS11或いは後方ポジションS13)への切り換えに際し、それぞれに設けられたストッパー部16(16a或いは16c)により対向側磁性体TM(第1対向磁石T14或いは第3対向磁石T34)の傾倒動作が止められる。
これにより、各ポジション(前1段ポジションS21或いは前方ポジションS11、前2段ポジションS22、後1段ポジションS23或いは後方ポジションS13、後2段ポジションS24)において、可動側磁性体MMと対向側磁性体TMが引き剥がされて離反するようになり、その際の強い吸引状態から弱い吸引状態への変化で節度感を出すことができる。このことにより、従来例と比較して、節度感を生じさせる部分に摺動機構がないため、操作装置101の耐久性が優れている。
最後に、本発明の第1実施形態の操作装置101は、図5(a)に示すシフトの配置(シフトパターン)を有した車両用シフト装置500に好適に適用することができる。これにより、操作装置101の各ポジション(前1段ポジションS21或いは前方ポジションS11、前2段ポジションS22、第2ポジションP2或いは第1ポジションP1、後1段ポジションS23或いは後方ポジションS13、後2段ポジションS24)を車両用シフト装置500のシフトの配置(シフトパターン)に好適に適用することができ、節度感を有したシフト操作を行うことができる。しかも従来例と比較して、節度感を生じさせる部分に摺動機構がないため、耐久性が優れた車両用シフト装置500を提供することができる。更に、操作装置101の操作部材11が基準位置にある場合には、可動側磁性体MMと対向側磁性体TMがすべて吸引されて吸着しているので、操作部材11に係合されたシフトノブ50Nが基準位置にある際に、走行中であってもシフトノブ50Nにガタツキが生じなく、車両用シフト装置500に、より一層好適である。
以上のように構成された本発明の第1実施形態の操作装置101及び車両用シフト装置500における、効果について、以下に纏めて説明する。
本発明の第1実施形態の操作装置101は、操作部材11が基準位置から傾倒されて複数のポジションに位置する際には、各複数のポジションに対応したストッパー部16(16a、16b、16c、16d)をそれぞれ有しているので、例えば基準位置(第2ポジションP2)から次のポジション(前1段ポジションS21或いは後1段ポジションS23)、次のポジション(前1段ポジションS21或いは後1段ポジションS23)から更に次のポジション(前2段ポジションS22或いは後2段ポジションS24)への切り換えに際し、それぞれに設けられたストッパー部16(16a或いは16c、16b或いは16d)により対向側磁性体TM(第1対向磁石T14或いは第3対向磁石T34、第2対向磁石T24或いは第4対向磁石T44)の傾倒動作が止められる。このため、各ポジション(前1段ポジションS21、前2段ポジションS22、後1段ポジションS23及び後2段ポジションS24)において、可動側磁性体MMと対向側磁性体TMが引き剥がされて離反するようになり、その際の強い吸引状態から弱い吸引状態への変化で節度感を出すことができる。このことにより、従来例と比較して、節度感を生じさせる部分に摺動機構がないため、操作装置101は、耐久性が優れている。
また、対向側磁性体TM(第1対向磁石T14、第2対向磁石T24、第3対向磁石T34及び第4対向磁石T44)のそれぞれに設けられた当接部TTp(TTp1、TTp2、TTp3、TTp4)と複数のストッパー部16(16a、16b、16c、16d)とのそれぞれの距離が徐々に変化しているので、操作部材11が傾倒方向に傾倒操作された際に、当接部TTpとストッパー部16との距離が近い順に、可動側磁性体MM(第1可動磁石M14、第2可動磁石M24、第3可動磁石M34及び第4可動磁石M44)と対向して配置された対向側磁性体TM(第1対向磁石T14、第2対向磁石T24、第3対向磁石T34及び第4対向磁石T44)の傾倒動作を、第1対向磁石T14、第2対向磁石T24の順、或いは第3対向磁石T34、第4対向磁石T44の順に止めることができる。このため、各ポジション(前1段ポジションS21或いは前方ポジションS11、前2段ポジションS22、後1段ポジションS23或いは後方ポジションS13、後2段ポジションS24)に対応して、可動側磁性体MMと対向側磁性体TMを容易に離反させることができ、節度感を有した操作装置101を容易に作製することができる。
また、傾倒軸(第1傾倒軸)12eの両端を支持する一対の支持板(12C3、12C4)の一方側の端部に、複数のストッパー部16を設けたので、一対の支持板(12C3、12C4)の端部を加工するだけで、容易に複数のストッパー部16を形成することができる。このことにより、節度感を有した操作装置101をより容易に作製することができる。
また、可動側磁性体MMと対向側磁性体TMが離反した際に、可動側磁性体MMと対向側磁性体TMとが、それぞれの間に働く吸引力が消失しない位置に配設されているので、各ポジションにおいて、操作者による傾倒操作の力が取り除かれたときに、引き剥がされた可動側磁性体MMと対向側磁性体TMとが互いの吸引力により再び吸引することとなる。このことにより、自動復帰のための付勢部材を使用しなくても、操作部材11を基準位置に自動復帰させることができる。
また、可動側磁性体MMと対向側磁性体TMが永久磁石EM4で、この永久磁石EM4がヨークYM4で覆われているので、簡単な構成で、可動側磁性体MMと対向側磁性体TMとの引き剥がしの強い力、或いは引き合う強い力を、簡単に生じさせることができる。このことにより、操作者に対して強い操作感触と節度感を与えることができる。
本発明の第1実施形態の車両用シフト装置500は、各ポジション(前1段ポジションS21或いは前方ポジションS11、前2段ポジションS22、第2ポジションP2或いは第1ポジションP1、後1段ポジションS23或いは後方ポジションS13、後2段ポジションS24)への操作が行える操作装置101を車両用シフト装置500のシフトの配置(シフトパターン)に好適に適用することができる。これにより、節度感を有したシフト操作を行うことができ、しかも従来例と比較して、節度感を生じさせる部分に摺動機構がないため、耐久性が優れた車両用シフト装置500を提供することができる。更に、操作装置101の操作部材11が基準位置にある場合には、可動側磁性体MMと対向側磁性体TMがすべて吸引されて吸着しているので、操作部材11に係合されたシフトノブ50Nが基準位置にある際に、走行中であってもシフトノブ50Nにガタツキが生じなく、車両用シフト装置500に、より一層好適である。
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態では、操作装置102及び操作装置102を用いた車両用シフト装置600について説明する。先ず、操作装置102を用いた車両用シフト装置600について説明を行う。図11は、本発明の第2実施形態に係わる操作装置102を用いた車両用シフト装置600を説明する斜視図である。図12は、本発明の第2実施形態の係わる操作装置102を用いた車両用シフト装置600を説明する図であって、図12(a)は、図11に示すY2側から見た正面図であり、図12(b)は、図11に示すX1側から見た側面図である。図13は、本発明の第2実施形態に係わる操作装置102を用いた車両用シフト装置600を説明する図であって、図11に示すZ1側から見た上面図である。図14は、本発明の第2実施形態に係わる操作装置102を用いた車両用シフト装置600を説明する分解斜視図である。図14には、操作装置102の操作部材21と支持体22が図示されている。また、第2実施形態の車両用シフト装置600は、第1実施形態の車両用シフト装置500に対し、外観の構成が異なる。なお、第1実施形態と同一構成については、同一符号を付して詳細な説明は省略する。
本発明の第2実施形態の操作装置102を用いた車両用シフト装置600は、図11ないし図13に示すような外観を呈し、図14に示すように、操作者によって把持されるシフトノブ60Nと、操作者によるシフトノブ60Nの傾倒操作を受けて多方向への操作が行える操作装置102と、操作装置102からの信号を受けて、車両側機器に信号を送信する制御部60Cと、操作装置102の操作部材21が位置する複数のポジションを検出する位置検出手段(図示していない)と、を備えて構成されている。他に、車両用シフト装置600には、操作装置102の上面を覆うように配設された箱状のケースK61と、操作装置102の下面を覆うカバーK62と、操作装置102に収容され制御部60Cが搭載された配線基板29と、を有している。そして、この車両用シフト装置600は、車両に搭載され、第1方向D1(図13に示すX方向)と第1方向D1と直交する第2方向D2(図13に示すY方向)との傾倒操作が行える、車両のシフト操作のために用いられる。
車両用シフト装置600のシフトノブ60Nは、図14に示すように、操作者によって把持し易いように細長い形状で形成され、図11ないし図13に示すように、図14に示す操作装置102の操作部材21の操作部21tを覆うようにして係合されて配設されている。
車両用シフト装置600の制御部60Cは、集積回路(IC、Integrated Circuit)を用いて構成され、図14に示すように、操作装置102に収容された配線基板29に搭載されている。そして、制御部60Cは、図示していないコネクタを介して車両側機器に接続され、シフトノブ60Nの傾倒操作を受けて操作がされた位置情報信号を車両側機器に送信している。この位置情報信号を受けて、車両側では、シフトパターンに対応した動作を行うとともに、シフトパターンにおけるシフトノブ60Nのポジションをインストルメントパネル等に設けられた表示部に表示するようにしている。
車両用シフト装置600のケースK61は、合成樹脂材を成形して作製されており、図14に示すように、箱状に成形されており、中央に開口K61hを有して構成され、操作装置102の上面を覆うように配設されている。その際に、図14に示すように、操作装置102の操作部材21の操作部21tが、開口K61hを貫通して、ケースK61から露出している。
車両用シフト装置600のカバーK62は、合成樹脂材を成形して作製されており、図14に示すように、操作装置102の下面を覆う平板状の形状で形成されている。また、カバーK62には、複数のリブが形成されており、このリブに配線基板29が支持されて固定されている。
車両用シフト装置600の配線基板29は、プリント配線板(printed wiring board)を用いており、前述したように、制御部60Cが搭載されている。また、配線基板29には、図示はしていないが、位置検出手段との電気的接続のためのフレキシブルプリント基板が接続されているとともに、外部機器との接続のためのコネクタが搭載されている。
なお、車両用シフト装置600の位置検出手段は、操作装置102に装着されているので、後述する操作装置102の説明で合わせて説明を行う。
以上のように構成された本発明の第2実施形態の車両用シフト装置600は、第1実施形態の車両用シフト装置500と同様に、シフトノブ60Nが変速機に直接接続されている機械制御方式の車両ではなく、電子制御方式の車両に適用される。故に、操作装置102から送信されるシフト位置の情報信号だけで、車両のシフト操作が行われる。このシフト位置は、前述したインストルメントパネル等に設けられた表示部に表示されたシフトパターンに示されている。
また、車両用シフト装置600は、第1実施形態の車両用シフト装置500と同様に、図5(a)に示すシフトの配置(シフトパターン)を有しており、第1実施形態の車両用シフト装置500と同様なシフト操作が行われる。よって、車両用シフト装置600のシフト操作についての説明は省略する。
次に、操作装置102について説明する。図15は、本発明の第2実施形態の操作装置102を説明する斜視図である。図15は、説明を分かり易くするため、位置検出手段を省略している。図16は、本発明の第2実施形態の操作装置102を説明する図であって、図16(a)は、図15に示すY2側から見た正面図であり、図16(b)は、図16(a)の枠体22Cを省略した正面図である。図17は、本発明の第2実施形態の操作装置102を説明する図であって、図17(a)は、図15に示すX1側から見た側面図であり、図17(b)は、図17(a)の枠体22Cを省略した側面図である。なお、図16及び図17は、操作部材21が第2ポジションP2に位置する状態を示している。図18は、本発明の第2実施形態の操作装置102を説明する図であって、図15に示すZ1側から見た上面図である。図19は、本発明の第2実施形態の操作装置102を説明する図であって、図18に示すXIX−XIX線における断面図である。図20は、可動側磁性体MMと対向側磁性体TMの部分を示す斜視図である。図21は、枠体22Cの斜視図である。
本発明の第2実施形態の操作装置102は、図15、図16(a)及び図17(a)に示すような外観を呈し、図16及び図17に示すように、操作者の操作を受けて傾倒動作可能な操作部材21と、操作部材21を傾倒動作可能に支持する支持体22と、操作部材21とともに第2方向D2へ傾倒動作する複数の可動側磁性体MMと、複数の可動側磁性体MMのそれぞれと対向して配置された複数の対向側磁性体TMと、対向側磁性体TMの傾倒動作を止めるストッパー部26(図20を参照)と、を備えて構成されている。他に、操作装置102には、図16(b)に示すように、操作部材21とともに第1方向D1(図15及び図16(b)に示すX1方向及びX2方向)へ傾倒動作する複数の傾倒側磁性体KMを有している。そして、操作装置102は、操作者の傾倒操作を受けて、操作部材21が第1ポジションP1及び第2ポジションP2間を移動する第1方向D1の傾倒動作と、第1方向D1と直交する第2方向D2(図15及び図17(b)に示すY1方向及びY2方向)の傾倒動作と、が行える多方向への操作が可能な装置となっている。
先ず、操作装置102の操作部材21は、合成樹脂材を成形して作製されており、図15に示すように、支持体22と係合され垂直方向(図15に示すZ方向)に延設された柱状の操作軸21jと、操作軸21jの一端側にねじ止めされて係合している操作部21tと、図16(b)及び図17(b)に示すように、操作軸21jの他端側に設けられ操作軸21jの軸中心が貫く平面に広がる平板状の基体部21d及び平板状の基部21kと、を有して構成されている。そして、操作部材21の操作部21tには、前述したように、車両用シフト装置600のシフトノブ60Nが覆われて配設されている。
操作部材21の基体部21dは、軟磁性体からなり、図16(b)及び図17(b)に示すように、平面形状をしており、操作軸21jと基部21kとの間に配設されている。そして、操作部材21の第2方向D2(図17に示すY方向)への傾倒動作に伴って、基体部21dも連動して傾倒動作を行うように構成されている。なお、第2方向D2への傾倒動作に伴って、基部21kも連動して傾倒動作を行うように構成されている。
また、操作部材21の基部21kは、図16(b)に示すように、中央部分が少し曲げられた平板形状をしている。そして、操作部材21の第1方向D1(図16に示すX方向)への傾倒動作に伴って、基部21kも連動して傾倒動作を行うように構成されている。
次に、操作装置102の支持体22は、合成樹脂材を成形して作製されており、図15に示すように、操作部材21の傾倒操作に応じて回動する第1連動部材22Aと、操作部材21の傾倒操作に応じて回動するとともに軸線方向が互いに直交する第2連動部材22Bと、第2連動部材22Bを支持している枠体22Cと、から主に構成されている。
支持体22の第1連動部材22Aは、図15、図18及び図20に示すように、方形の筒状に形成された外壁部22aと、対向する外壁部22aの一対からそれぞれ延設して設けられた傾倒軸(第1傾倒軸)22eと、を有して構成されている。そして、この傾倒軸22eは、操作装置102が組み立てられた際には、枠体22Cの対向する一対の側壁部22Cpに設けられた穴部22Ch(図21を参照)に挿通されて、回動可能に枠体22Cに支持されている。これにより、この傾倒軸22eを軸中心として、第1連動部材22Aが回動できるようになっているとともに、基体部21dも回動できるようになっている。
また、支持体22の第2連動部材22Bは、図15に示すように、ブロック状のベース部22gと、ベース部22gから上方に延設された結合部(図示はしていない)と、ベース部22gを貫いて配設されている第2傾倒軸22jと、を有して構成されている。そして、操作装置102が組み立てられた際には、第2連動部材22Bが第1連動部材22Aの外壁部22aに囲まれた空間に挿入され、第2傾倒軸22jが一対の外壁部22aの孔部22d(図20を参照)に挿通されて、回動可能に第1連動部材22Aに支持されている。また、図示しない結合部が操作部材21の操作軸21jに挿入されて係合している。これにより、支持体22は、第1連動部材22A、第2連動部材22B及び枠体22Cを用いて、操作部材21を傾倒動作可能に支持していることとなる。具体的には、第2連動部材22Bの第2傾倒軸22jを回動軸として、操作部材21が第1方向D1への回動ができ、第1連動部材22Aの傾倒軸(第1傾倒軸)22eを回動軸(軸中心)として、操作部材21が第2方向D2への回動ができようになっている。
次に、操作装置102の傾倒側磁性体KMは、図16(b)に示すように、永久磁石EM4と永久磁石EM4の3面を囲むように配設されたヨークYM4とからなる磁性体であり、操作部材21が第1ポジションP1に移動した際に、軟磁性体の基体部21dと当接または近接する第1傾倒磁石K14と、操作部材21が第2ポジションP2に移動した際に(図16(b)の状態)、基体部21dと当接または近接する第2傾倒磁石K24と、を組み合わせて構成されている。そして、傾倒側磁性体KMの第1傾倒磁石K14及び第2傾倒磁石K24は、操作部材21の基部21kに配設されて固定されて、操作部材21の第1方向D1への傾倒動作と連動して傾倒動作を行うように構成されている。なお、傾倒側磁性体KMを配設する際には、基体部21dと対向する対向面以外の部分をヨークYM4が永久磁石EM4を覆うようにした向きで配設する。
次に、操作装置102の可動側磁性体MM及び可動側磁性体MMと対向して配置された対向側磁性体TMは、図17(b)に示すように、基体部21dを挟持して配設されている第1磁性体MT14と第2磁性体MT24、及び第3磁性体MT34と第4磁性体MT44から構成されている。また、傾倒軸(第1傾倒軸)22eを挟んで、第1磁性体MT14及び第2磁性体MT24が、一方向側(図17(b)に示すY1方向)の基体部21dに配設されているとともに、第3磁性体MT34及び第4磁性体MT44が、他方向側(図17(b)に示すY2方向)の基体部21dに配設されている。但し、本発明の第2実施形態では、基体部21dが一方向に傾倒した際の可動側磁性体MMが、基体部21dが他方向に傾倒した際に、対向側磁性体TMとして用いられるとともに、一方向に傾倒した際の対向側磁性体TMが、他方向に傾倒した際に、可動側磁性体MMとして用いられるように構成されている。従って、第1磁性体MT14、第2磁性体MT24、第3磁性体MT34及び第4磁性体MT44は、操作部材21の傾倒動作によって、可動側磁性体MMとも対向側磁性体TMともなり得る。この説明は、第2方向D2の動きの説明の際に、改めて説明する。
また、可動側磁性体MM及び対向側磁性体TMは、図17(b)に示すように、永久磁石EM4と永久磁石EM4の3面を囲むように配設されたヨークYM4とからなる磁性体であり、可動側磁性体MMと対向側磁性体TMとが対向する対向面以外の部分を、ヨークYM4が永久磁石EM4を覆うようにした向きで配設している。
また、可動側磁性体MM及び対向側磁性体TMのヨークYM4には、図20に示すように、ヨークYM4の長手方向(図20に示すX方向)に延設された突設部が設けられており、この突設部が、操作部材21が傾倒された際に、後述するストッパー部26と当接する当接部TTqとなる。つまり、第1磁性体MT14には当接部TTq1、第2磁性体MT24には当接部TTq2、第3磁性体MT34には当接部TTq3、第4磁性体MT44には当接部TTq4がそれぞれ両側に設けられている。
次に、操作装置102のストッパー部26は、図19及び図21に示すように、枠体22Cの対向する一対の側壁部22Cpに、それぞれ4つ(26a、26b、26c、26d)設けられている。このストッパー部26は、傾倒軸(第1傾倒軸)22eを挟んで、操作部材21がY1方向(傾倒方向)に傾倒動作する側にストッパー部26a及びストッパー部26d、操作部材21がY2方向(傾倒方向)に傾倒動作する側にストッパー部26b及びストッパー部26cを配設している。
また、ストッパー部26aとストッパー部26cとは、図21に示すように、傾倒軸(第1傾倒軸)22eが挿通される穴部22Chに対して、同じ距離(間隔距離と高さ位置)に設けられている。同様にして、ストッパー部26bとストッパー部26dとも、穴部22Chに対して同じ距離に設けられている。そして、操作部材21が基準位置(第1ポジションP1或いは第2ポジションP2)に位置する際に、図19に示すように、ストッパー部26cと同じ高さに位置するストッパー部26a(図21を参照)と当接部TTq(当接部TTq1は図20を参照)との距離が、ストッパー部26bと当接部TTq(TTq4)との距離より短くなっている。同様にして、ストッパー部26cと当接部TTq(TTq3)との距離が、ストッパー部26bと同じ高さに位置するストッパー部26d(図21を参照)と当接部TTq(当接部TTq2は図20を参照)との距離より短くなっている。
なお、後述する動作の説明で詳細に説明するが、このストッパー部26は、操作者による基準位置からの傾倒操作を受けて、操作部材21が位置する複数のポジションのそれぞれに対応して設けられている。つまり、図5(b)に示す前方ポジションS11及び前1段ポジションS21にはストッパー部26a、前2段ポジションS22にはストッパー部26b、後方ポジションS13及び後1段ポジションS23にはストッパー部26c、後2段ポジションS24にはストッパー部26d、が対応して設けられている。
最後に、車両用シフト装置600の位置検出手段について説明する。位置検出手段は、抵抗体パターンが形成された基板と抵抗パターンを摺接する摺動子とから構成される回転型可変抵抗器を用いており、第1位置検出手段及び第2位置検出手段を操作装置102に配設している。具体的には、図示はしていないが、第1位置検出手段が第1連動部材22Aの傾倒軸(第1傾倒軸)22eに係合されて、第2位置検出手段が第2連動部材22Bの第2傾倒軸22jに係合されている。
また、第1位置検出手段には、第1位置検出手段からの信号を処理する第1信号処理部6S1(図14を参照)が図示しないフレキシブルプリント基板により接続されており、第1位置検出手段が傾倒軸(第1傾倒軸)22eの回転角度を検出して、配線基板29に搭載された第1信号処理部6S1がこの回転角度から操作部材21の第2方向D2への移動を検出している。同様にして、第2位置検出手段には、第2位置検出手段からの信号を処理する第2信号処理部6S2(図14を参照)が図示しないフレキシブルプリント基板により接続されており、第2位置検出手段が第2傾倒軸22jの回転角度を検出して、配線基板29に搭載された第2信号処理部6S2がこの回転角度から操作部材21の第1方向D1への移動を検出している。
次に、以上のように構成された操作装置102の動作について説明する。
先ず、操作部材21が第1ポジションP1と第2ポジションP2とを移動する第1方向D1の動きについて図16(b)を用いて説明する。
先ず、図16(b)に示す基準位置である第2ポジションP2から、操作者によりX2方向に傾倒操作がされて基準位置である第1ポジションP1に操作部材21が位置した際に、軟磁性体の基体部21dと傾倒側磁性体KMとは対向して配置されているので、第1傾倒磁石K14と基体部21dとが引き合うようになる。そして、操作部材21が第1ポジションP1に留まり、操作部材21の傾倒状態がそのまま維持されるようになる。同時に、第2ポジションP2で互いに引き合っていた第2傾倒磁石K24と基体部21dとが引き剥がされるので、操作者に対して、強い吸引状態から弱い吸引状態への変化による節度感を与えることができる。
次に、基準位置である第1ポジションP1から、操作者によりX1方向に傾倒操作がされて基準位置である第2ポジションP2(図16(b)に示す状態)に操作部材21が位置した際に、同様に軟磁性体の基体部21dと傾倒側磁性体KMとは対向して配置されているので、第2傾倒磁石K24と基体部21dとが引き合うようになる。そして、操作部材21が第2ポジションP2に留まり、操作部材21の傾倒状態がそのまま維持されるようになる。同時に、第1ポジションP1で互いに引き合っていた第1傾倒磁石K14と基体部21dとが引き剥がされるので、操作者に対して、強い吸引状態から弱い吸引状態への変化による節度感を与えることができる。
このように、永久磁石EM4と軟磁性体の基体部21dという簡単な部品で、強い吸引力を生じさせることができ、操作部材21を第1ポジションP1及び第2ポジションP2に容易に固定することができる。更に、この永久磁石EM4がヨークYM4で覆われているので、簡単な構成で、より強い吸引力を生じさせることができる。
次に、第1方向D1とは別な第2方向D2への動きについて、図5及び図22を用いて説明する。図22は、本発明の第2実施形態の操作装置102における動作を説明する模式図であって、図22(a)は、基準位置の状態の図であり、図22(b)は、Y1方向に傾倒した状態の図であり、図22(c)は、図22(b)より更にY1方向に傾倒した状態の図であり、図22(d)は、Y2方向に傾倒した状態の図であり、図22(e)は、図22(d)より更にY2方向に傾倒した状態の図である。
第2方向D2に移動する動きについては、この第1ポジションP1或いは第2ポジションP2を基準位置として(図5(b)を参照)、操作者の傾倒操作によって行われる。ここでは、第2ポジションP2を基準位置とした動きについて詳細に説明する。なお、第1ポジションP1を基準位置とした第2方向D2の動きについては、以下説明する動きと同様であるので、説明を省略する。
先ず、操作部材21が第2ポジションP2の基準位置にある際には、図22(a)に示すように、操作部材21の基体部21dは、Y方向に対して平行が保たれており、この軟磁性体である基体部21dに吸着した複数の可動側磁性体MM及び複数の対向側磁性体TMも平行が保たれている。
また、操作部材21が基準位置(第2ポジションP2)にある場合には、第1磁性体MT14の当接部TTq1、第2磁性体MT24の当接部TTq2、第3磁性体MT34の当接部TTq3、第4磁性体MT44の当接部TTq4は、枠体22Cに設けられた4つのストッパー部26(26a、26d、26c、26b)と離間している。
次に、操作者によりY1方向への傾倒操作がされると、傾倒軸(第1傾倒軸)22eを回動軸として操作部材21の回動が行われ、操作部材21が基準位置(第2ポジションP2)から傾倒されて前1段ポジションS21(図5(b)を参照)に位置するようになる。そして、その回動に伴って、基体部21dがY1方向に傾倒動作するようになり、図22(b)に示す位置まで傾倒される。その前1段ポジションS21に位置する際には、第1磁性体MT14の当接部TTq1とストッパー部26aとが当接し、このストッパー部26aが第1磁性体MT14の傾倒動作を止めるようになる。一方、第1磁性体MT14と対向した第2磁性体MT24は、そのまま傾倒動作が継続されるので、基体部21dを介して第2ポジションP2で互いに引き合っていた第1磁性体MT14と第2磁性体MT24とは、第1磁性体MT14が基体部21dから引き剥がされることにより離反するようになる。従って、この強い吸引状態から弱い吸引状態への変化により、第2ポジションP2から前1段ポジションS21に移動する際の節度感(クリック感)が得られるようになる。
更に、操作者によりY1方向への傾倒操作が継続されると、操作部材21の更なる回動が行われ、操作部材21が前1段ポジションS21から傾倒されて前2段ポジションS22(図5(b)を参照)に位置するようになる。そして、その更なる回動に伴って、基体部21dがY1方向に更に傾倒動作するようになり、図22(c)に示す位置まで傾倒される。その前2段ポジションS22に位置する際には、第4磁性体MT44の当接部TTq4とストッパー部26bとが当接し、このストッパー部26bが第4磁性体MT44の傾倒動作を止めるようになる。一方、第4磁性体MT44と対向した第3磁性体MT34は、そのまま傾倒動作が継続されるので、基体部21dを介して前1段ポジションS21で互いに引き合っていた第4磁性体MT44と第3磁性体MT34とは、第4磁性体MT44が基体部21dから引き剥がされることにより離反するようになる。従って、この強い吸引状態から弱い吸引状態への変化により、前1段ポジションS21から前2段ポジションS22に移動する際の節度感(クリック感)が同様に得られるようになる。
ここで、Y1方向への傾倒操作の際には、第1磁性体MT14及び第4磁性体MT44は対向側磁性体TMとして用いられ、第2磁性体MT24及び第3磁性体MT34は可動側磁性体MMとして用いられている。
以上のように、本発明の第2実施形態では、ストッパー部26aとストッパー部26bとを傾倒軸(第1傾倒軸)22eを挟んで設けており、図22(a)に示す基準位置において、ストッパー部26aと当接部TTq1との距離と、ストッパー部26bと当接部TTq4との距離と、を異なるようにしている。これにより、操作部材21が傾倒操作された際に、当接部TTq(TTq1、TTq4)とストッパー部26(26a、26b)との距離が近い順に、可動側磁性体MM(第2磁性体MT24及び第3磁性体MT34)と対向して配置された対向側磁性体TM(第1磁性体MT14及び第4磁性体MT44)の傾倒動作を順に止めることができる。このため、各ポジション(前1段ポジションS21、前2段ポジションS22)に対応して、可動側磁性体MMと対向側磁性体TMを容易に離反させることができる。
また、本発明の第2実施形態では、操作部材21をY1方向に傾倒させて、図22(b)及び図22(c)に示す一例のように、対向側磁性体TM(第1磁性体MT14及び第4磁性体MT44)と基体部21dが離反した際に、対向側磁性体TMと基体部21dがそれぞれの間に働く吸引力が消失しない位置に対向側磁性体TMと基体部21dを配設している。これにより、各ポジション(前1段ポジションS21、前2段ポジションS22)において、操作者による傾倒操作の力が取り除かれたときに、引き剥がされた対向側磁性体TMと基体部21dとが互いの吸引力により再び吸引することとなる。このことにより、自動復帰のための付勢部材を使用しなくても、操作部材21を基準位置に自動復帰させることができる。なお、第1磁性体MT14と基体部21dとが離反した際、或いは第4磁性体MT44と基体部21dとが離反した際に、対向側磁性体TMと基体部21dがそれぞれの間に働く吸引力が消失しない位置に対向側磁性体TMと基体部21dを配設するようにしても良い。これにより、操作者による傾倒操作の力が取り除かれたときに、第4磁性体MT44と基体部21dとの吸着、第1磁性体MT14と基体部21dとの吸着が順次行われ、自動復帰のための付勢部材を使用しなくても、操作部材21を基準位置に自動復帰させることができる。
また、本発明の第2実施形態では、可動側磁性体MMと対向側磁性体TMが永久磁石EM4で、この永久磁石EM4がヨークYM4で覆われているので、簡単な構成で、可動側磁性体MM或いは対向側磁性体TMの引き剥がしの強い力、或いは引き合う強い力を、簡単に生じさせることができる。このことにより、操作者に対して強い操作感触と節度感を与えることができる。
以上のようなY1方向への動きは、操作者によるY2方向への傾倒操作の際にも、同様に行われる。
つまり、操作部材21が図22(a)に示す基準位置(第2ポジションP2)から傾倒されて後1段ポジションS23(図5(b)を参照)に位置すると、第3磁性体MT34の当接部TTq3とストッパー部26cとが当接して、第3磁性体MT34の傾倒動作が止められ、一方、第4磁性体MT44の傾倒動作がそのまま継続される(図22(d)に示す状態)。これにより、基体部21dを介して第2ポジションP2で互いに引き合っていた第3磁性体MT34と第4磁性体MT44とが、第3磁性体MT34が基体部21dから引き剥がされることにより離反するようになる。従って、この強い吸引状態から弱い吸引状態への変化で、第2ポジションP2から後1段ポジションS23に移動する際の節度感(クリック感)が得られるようになる。
また、更なる操作者のY2方向への傾倒操作が継続されて、操作部材21が後1段ポジションS23から傾倒されて後2段ポジションS24(図5(b)を参照)に位置すると、第2磁性体MT24の当接部TTq2とストッパー部26dとが当接して、第2磁性体MT24の傾倒動作が止められ、一方、第1磁性体MT14の傾倒動作がそのまま継続される(図22(e)に示す状態)。これにより、基体部21dを介して後1段ポジションS23で互いに引き合っていた第2磁性体MT24と第1磁性体MT14とが、第2磁性体MT24が基体部21dから引き剥がされることにより離反するようになり、この強い吸引状態から弱い吸引状態への変化で、後1段ポジションS23から後2段ポジションS24に移動する際の節度感(クリック感)が同様に得られるようになる。
ここで、Y2方向への傾倒操作の際には、第1磁性体MT14及び第4磁性体MT44は可動側磁性体MMとして用いられ、第2磁性体MT24及び第3磁性体MT34は対向側磁性体TMとして用いられている。以上のように、本発明の第2実施形態では、操作部材21の基体部21dが一方向(Y1方向)に傾倒した際の可動側磁性体MMと対向側磁性体TMが、他方向(Y2方向)に傾倒した際に、対向側磁性体TMと可動側磁性体MMとして入れ替えて用いている。これにより、可動側磁性体MMと対向側磁性体TMの数を半分にすることができる。このことにより、節度感を有した操作装置102を容易にしかも安く作製することができる。
また、対向側磁性体TM(第2磁性体MT24及び第3磁性体MT34)と基体部21dも、それぞれの間に働く吸引力が消失しない位置に配設されている。これにより、各ポジション(後1段ポジションS23、後2段ポジションS24)において、操作者による傾倒操作の力が取り除かれたときに、引き剥がされた対向側磁性体TMと基体部21dとが互いの吸引力により再び吸引することとなる。このことにより、自動復帰のための付勢部材を使用しなくても、操作部材21を基準位置に自動復帰させることができる。
以上のように、本発明の第2実施形態の操作装置102は、第2方向D2への傾倒動作を行うことができる。つまり、操作部材21が基準位置から傾倒されて複数のポジションに位置する際には、各複数のポジションに対応したストッパー部26(26a、26b、26c、26d)をそれぞれ有しているので、例えば基準位置(第2ポジションP2)から次のポジション(前1段ポジションS21或いは後1段ポジションS23)、次のポジション(前1段ポジションS21或いは後1段ポジションS23)から更に次のポジション(前2段ポジションS22或いは後2段ポジションS24)への切り換えに際し、それぞれに設けられたストッパー部26(26a或いは26c、26b或いは26d)により対向側磁性体TM(第1磁性体MT14或いは第3磁性体MT34、第4磁性体MT44或いは第2磁性体MT24)の傾倒動作が止められる。例えば操作部材21が第1ポジションP1(基準位置)に位置する際には、基準位置(第1ポジションP1)から次のポジション(前方ポジションS11或いは後方ポジションS13)への切り換えに際し、それぞれに設けられたストッパー部26(26a或いは26c)により対向側磁性体TM(第1磁性体MT14或いは第3磁性体MT34)の傾倒動作が止められる。
これにより、各ポジション(前1段ポジションS21或いは前方ポジションS11、前2段ポジションS22、後1段ポジションS23或いは後方ポジションS13、後2段ポジションS24)において、可動側磁性体MM或いは対向側磁性体TMが基体部21dから引き剥がされて、お互い離反するようになり、その際の強い吸引状態から弱い吸引状態への変化で節度感を出すことができる。このことにより、従来例と比較して、節度感を生じさせる部分に摺動機構がないため、操作装置102の耐久性が優れている。
最後に、本発明の第2実施形態の操作装置102は、図5(a)に示すシフトの配置(シフトパターン)を有した車両用シフト装置600に好適に適用することができる。これにより、操作装置102の各ポジション(前1段ポジションS21或いは前方ポジションS11、前2段ポジションS22、第2ポジションP2或いは第1ポジションP1、後1段ポジションS23或いは後方ポジションS13、後2段ポジションS24)を車両用シフト装置600のシフトの配置(シフトパターン)に好適に適用することができ、節度感を有したシフト操作を行うことができる。しかも従来例と比較して、節度感を生じさせる部分に摺動機構がないため、耐久性が優れた車両用シフト装置600を提供することができる。
以上のように構成された本発明の第2実施形態の操作装置102及び車両用シフト装置600における、効果について、以下に纏めて説明する。
本発明の第2実施形態の操作装置102は、操作部材21が基準位置から傾倒されて複数のポジションに位置する際には、各複数のポジションに対応したストッパー部26(26a、26b、26c、26d)をそれぞれ有しているので、例えば基準位置(第2ポジションP2)から次のポジション(前1段ポジションS21或いは後1段ポジションS23)、次のポジション(前1段ポジションS21或いは後1段ポジションS23)から更に次のポジション(前2段ポジションS22或いは後2段ポジションS24)への切り換えに際し、それぞれに設けられたストッパー部26(26a或いは26c、26b或いは26d)により対向側磁性体TM(第1磁性体MT14或いは第3磁性体MT34、第4磁性体MT44或いは第2磁性体MT24)の傾倒動作が止められる。このため、各ポジション(前1段ポジションS21、前2段ポジションS22、後1段ポジションS23及び後2段ポジションS24)において、可動側磁性体MM或いは対向側磁性体TMが引き剥がされて、お互い離反するようになり、その際の強い吸引状態から弱い吸引状態への変化で節度感を出すことができる。このことにより、従来例と比較して、節度感を生じさせる部分に摺動機構がないため、操作装置102は、耐久性が優れている。
また、傾倒軸(第1傾倒軸)22eを挟んで設けられた当接部TTq(TTq1、TTq2、TTq3、TTq4)とストッパー部26(26a、26b、26c、26d)とのそれぞれの距離がそれぞれ異なるので、操作部材21が傾倒操作された際に、当接部TTqとストッパー部26との距離が近い順に、可動側磁性体MMと対向して配置された複数の対向側磁性体TMの傾倒動作を順に止めることができる。このため、各ポジション(前1段ポジションS21或いは前方ポジションS11、前2段ポジションS22、後1段ポジションS23或いは後方ポジションS13、後2段ポジションS24)に対応して、可動側磁性体MMと対向側磁性体TMを容易に離反させることができ、節度感を有した操作装置102を容易に作製することができる。
また、操作部材21の基体部21dが一方向(Y1方向)に傾倒した際の可動側磁性体MMと対向側磁性体TMが、他方向(Y2方向)に傾倒した際に、対向側磁性体TMと可動側磁性体MMとして入れ替えて用いているので、可動側磁性体MMと対向側磁性体TMの数を半分にすることができる。このことにより、節度感を有した操作装置102を容易にしかも安く作製することができる。
また、対向側磁性体TMと基体部21dが離反した際に、対向側磁性体TMと基体部21dとが、それぞれの間に働く吸引力が消失しない位置に配設されているので、各ポジションにおいて、操作者による傾倒操作の力が取り除かれたときに、引き剥がされた対向側磁性体TMと基体部21dとが互いの吸引力により再び吸引することとなる。このことにより、自動復帰のための付勢部材を使用しなくても、操作部材21を基準位置に自動復帰させることができる。
また、可動側磁性体MMと対向側磁性体TMが永久磁石EM4で、この永久磁石EM4がヨークYM4で覆われているので、簡単な構成で、可動側磁性体MM或いは対向側磁性体TMの引き剥がしの強い力、或いは引き合う強い力を、簡単に生じさせることができる。このことにより、操作者に対して強い操作感触と節度感を与えることができる。
本発明の第2実施形態の車両用シフト装置600は、各ポジション(前1段ポジションS21或いは前方ポジションS11、前2段ポジションS22、第2ポジションP2或いは第1ポジションP1、後1段ポジションS23或いは後方ポジションS13、後2段ポジションS24)への操作が行える操作装置102を車両用シフト装置600のシフトの配置(シフトパターン)に好適に適用することができる。これにより、節度感を有したシフト操作を行うことができ、しかも従来例と比較して、節度感を生じさせる部分に摺動機構がないため、耐久性が優れた車両用シフト装置600を提供することができる。
[第3実施形態]
本発明の第3実施形態では、操作装置103及び操作装置103を用いた車両用シフト装置630について説明する。先ず、操作装置103を用いた車両用シフト装置630について説明を行う。図23は、本発明の第3実施形態に係わる操作装置103を用いた車両用シフト装置630を説明する分解斜視図である。図23には、操作装置103の操作部材31と支持体32が図示されている。また、第3実施形態の車両用シフト装置630は、第1実施形態及び第2実施形態の車両用シフト装置(500、600)に対し、外観の構成が異なる。なお、第1実施形態及び第2実施形態と同一構成については、同一符号を付して詳細な説明は省略する。
本発明の第3実施形態の操作装置103を用いた車両用シフト装置630は、第2実施形態と同様な外観を呈し、図23に示すように、操作者によって把持されるシフトノブ63Nと、操作者によるシフトノブ63Nの傾倒操作を受けて多方向への操作が行える操作装置103と、操作装置103からの信号を受けて車両側機器に信号を送信する制御部63Cと、操作装置103の操作部材31が位置する複数のポジションを検出する位置検出手段(図示していない)と、を備えて構成されている。他に、車両用シフト装置630には、操作装置103の上面を覆うように配設された箱状のケースK61と、操作装置103の下面を覆うカバーK62と、操作装置103に収容され制御部63Cが搭載された配線基板29と、を有している。そして、この車両用シフト装置630は、車両に搭載され、第1方向D1(図23に示すX方向)と第1方向D1と直交する第2方向D2(図23に示すY方向)との傾倒操作が行える、車両のシフト操作のために用いられる。
車両用シフト装置630のシフトノブ63Nは、図23に示すように、操作者によって把持し易いように細長い形状で形成され、図23に示す操作装置103の操作部材31の操作部31tを覆うようにして係合されて配設される。
車両用シフト装置630の制御部63Cは、集積回路(IC、Integrated Circuit)を用いて構成され、図23に示すように、操作装置103に収容される配線基板29に搭載されている。そして、制御部63Cは、図示していないコネクタを介して車両側機器に接続され、シフトノブ63Nの傾倒操作を受けて、操作がされた位置情報信号を車両側機器に送信している。この位置情報信号を受けて、車両側では、シフトパターンに対応した動作を行うとともに、シフトパターンにおけるシフトノブ63Nのポジションをインストルメントパネル等に設けられた表示部に表示するようにしている。
車両用シフト装置630のケースK61及びカバーK62は、第2実施形態と同様な材質、構成なので、詳細な説明は省略する。また、車両用シフト装置630の配線基板29も同様に、第2実施形態と同様な材質、構成なので、詳細な説明は省略する。なお、車両用シフト装置630の位置検出手段は、操作装置103に装着されているので、後述する操作装置103の説明で合わせて説明を行う。
以上のように構成された本発明の第3実施形態の車両用シフト装置630は、第2実施形態の車両用シフト装置600と同様に、シフトノブ63Nが変速機に直接接続されている機械制御方式の車両ではなく、電子制御方式の車両に適用される。故に、操作装置103から送信されるシフト位置の情報信号だけで、車両のシフト操作が行われる。このシフト位置は、前述したインストルメントパネル等に設けられた表示部に表示されたシフトパターンに示されている。
また、車両用シフト装置630は、第1実施形態の車両用シフト装置500と同様に、図5(a)に示すシフトの配置(シフトパターン)を有しており、第1実施形態の車両用シフト装置500と同様なシフト操作が行われる。よって、車両用シフト装置630のシフト操作についての説明は省略する。
次に、操作装置103について説明する。図24は、本発明の第3実施形態の操作装置103を説明する斜視図である。図24は、説明を分かり易くするため、位置検出手段を省略している。図25は、本発明の第3実施形態の操作装置103を説明する図であって、図25(a)は、図24に示すY2側から見た正面図であり、図25(b)は、図25(a)の枠体32Cを省略した正面図である。図26は、本発明の第3実施形態の操作装置103を説明する図であって、図26(a)は、図23に示すX1側から見た側面図であり、図26(b)は、図26(a)の枠体32Cを省略した側面図である。なお、図25及び図26は、操作部材31が第2ポジションP2に位置する状態を示している。図27は、可動側磁性体MMと対向側磁性体TMの部分を示す斜視図である。図28は、図27における可動側磁性体MM、対向側磁性体TM、傾倒側磁性体KM、第2連動部材32B、操作部31t及び操作軸31jを省略した斜視図である。図29は、枠体32Cの斜視図である。
本発明の第3実施形態の操作装置103は、第2実施形態と同様に、図24、図25(a)及び図26(a)に示すような外観を呈し、図25及び図26に示すように、操作者の操作を受けて傾倒動作可能な操作部材31と、操作部材31を傾倒動作可能に支持する支持体32と、操作部材31とともに第2方向D2へ傾倒動作する複数の可動側磁性体MMと、複数の可動側磁性体MMのそれぞれと対向して配置された複数の対向側磁性体TMと、対向側磁性体TMの傾倒動作を止めるストッパー部36(図29を参照)と、を備えて構成されている。他に、操作装置103には、図25(b)に示すように、操作部材31とともに第1方向D1(図24及び図25(b)に示すX1方向及びX2方向)へ傾倒動作する複数の傾倒側磁性体KMと、傾倒側磁性体KMと対向配置された傾倒側基体部K35と、を有している。そして、操作装置103は、操作者の傾倒操作を受けて、操作部材31が第1ポジションP1及び第2ポジションP2間を移動する第1方向D1の傾倒動作と、第1方向D1と直交する第2方向D2(図24及び図26(b)に示すY1方向及びY2方向)の傾倒動作と、が行える多方向への操作が可能な装置となっている。
先ず、操作装置103の操作部材31は、第2実施形態と同様に、合成樹脂材を成形して作製されており、図24に示すように、支持体32と係合され垂直方向(図24に示すZ方向)に延設された柱状の操作軸31jと、操作軸31jの一端側にねじ止めされて係合している操作部31tと、図25(b)及び図26(b)に示すように、操作軸31jの他端側に設けられ操作軸31jの軸中心が貫く平面に広がる基体部31d及び平板状の基部31kと、を有して構成されている。そして、操作部材31の操作部31tには、前述したように、車両用シフト装置630のシフトノブ63Nが覆われて配設されている。
操作部材31の基体部31dは、非磁性体からなり、図28に示すように、操作軸31j(図27を参照)を挟んで左右(図28に示すY1方向及びY2方向)に2つの枠状形状を有しており、後述する第1連動部材32Aと一体に形成されている。そして、操作部材31の第2方向D2(図28に示すY方向)への傾倒動作に伴って、第1連動部材32Aと一体に形成された基体部31dも連動して傾倒動作を行うように構成されている。なお、第2方向D2への傾倒動作に伴って、基部31kも連動して傾倒動作を行うように構成されている。
また、操作部材31の基部31kは、図25(b)に示すように、中央部分が少し曲げられた平板形状をしている。そして、操作部材31の第1方向D1(図25に示すX方向)への傾倒動作に伴って、基部31kも連動して傾倒動作を行うように構成されている。
次に、操作装置103の支持体32は、第2実施形態と同様に、合成樹脂材を成形して作製されており、図24に示すように、操作部材31の傾倒操作に応じて回動する第1連動部材32Aと、操作部材31の傾倒操作に応じて回動するとともに軸線方向が互いに直交する第2連動部材32Bと、第2連動部材32Bを支持している枠体32Cと、から主に構成されている。
支持体32の第1連動部材32Aは、図24、図27及び図28に示すように、方形の筒状に形成された外壁部32aと、対向する外壁部32aの一対からそれぞれ延設して設けられた傾倒軸(第1傾倒軸)32eと、を有して構成されている。そして、この傾倒軸32eは、操作装置103が組み立てられた際には、枠体32Cの対向する一対の側壁部32Cpに設けられた穴部32Ch(図29を参照)に挿通されて、回動可能に枠体32Cに支持されている。これにより、この傾倒軸32eを軸中心(回動軸)として、第1連動部材32Aが回動できるようになっており、第1連動部材32Aと一体に形成された基体部31dも、この傾倒軸32eを軸中心として回動するようになっている。
また、支持体32の第2連動部材32Bは、図24に示すように、ブロック状のベース部32gと、ベース部32gから上方に延設された結合部(図示はしていない)と、ベース部32gを貫いて配設されている第2傾倒軸32jと、を有して構成されている。そして、操作装置103が組み立てられた際には、第2連動部材32Bが第1連動部材32Aの外壁部32aに囲まれた空間に挿入され、第2傾倒軸32jが一対の外壁部32aの孔部に挿通されて、回動可能に第1連動部材32Aに支持されている。また、図示しない結合部が操作部材31の操作軸31jに挿入されて係合している。これにより、支持体32は、第1連動部材32A、第2連動部材32B及び枠体32Cを用いて、操作部材31を傾倒動作可能に支持していることとなる。具体的には、第2連動部材32Bの第2傾倒軸32jを回動軸として、操作部材31が第1方向D1への回動ができ、第1連動部材32Aの傾倒軸(第1傾倒軸)32eを回動軸(軸中心)として、操作部材31が第2方向D2への回動ができようになっている。
次に、操作装置103の傾倒側磁性体KMは、第2実施形態と同様に、図25(b)に示すように、永久磁石EM4と永久磁石EM4の3面を囲むように配設されたヨークYM4とからなる磁性体であり、操作部材31が第1ポジションP1に移動した際に(図25(b)の状態)、傾倒側基体部K35と当接または近接する第1傾倒磁石K14と、操作部材31が第2ポジションP2に移動した際に、傾倒側基体部K35と当接または近接する第2傾倒磁石K24と、を組み合わせて構成されている。そして、傾倒側磁性体KMの第1傾倒磁石K14及び第2傾倒磁石K24は、操作部材31の基部31kに配設されて固定されて、操作部材31の第1方向D1への傾倒動作と連動して傾倒動作を行うように構成されている。なお、傾倒側磁性体KMを配設する際には、傾倒側基体部K35と対向する対向面以外の部分をヨークYM4が永久磁石EM4を覆うようにした向きで配設する。
次に、操作装置103の傾倒側基体部K35は、鉄等の軟磁性体からなり、図27及び図28に示すように、第1方向D1側に長尺の板状形状をしており、短手方向(図27に示すY方向)の端部が下方(図27に示すZ2方向)折り曲げられている。そして、傾倒側基体部K35の長手方向(図27に示すX方向)の両端側には、傾倒側磁性体KMが対向配置される。また、傾倒側基体部K35は、操作部材31の基体部31dと係合されて、第1連動部材32Aの傾倒軸(第1傾倒軸)32eを回動軸(軸中心)として、第2方向D2への回動ができようになっている。
次に、操作装置103の可動側磁性体MM及び対向側磁性体TMは、第2実施形態と同様に、図26(b)に示すように、基体部31dを挟持して配設されている第1磁性体MT14と第2磁性体MT24、及び第3磁性体MT34と第4磁性体MT44から構成されている。また、傾倒軸(第1傾倒軸)32eを挟んで、第1磁性体MT14及び第2磁性体MT24が、一方向側(図26(b)に示すY1方向)の基体部31dに配設されているとともに、第3磁性体MT34及び第4磁性体MT44が、他方向側(図26(b)に示すY2方向)の基体部31dに配設されている。但し、本発明の第3実施形態では、第2実施形態と同様に、基体部31dが一方向に傾倒した際の可動側磁性体MMが、基体部31dが他方向に傾倒した際に、対向側磁性体TMとして用いられるとともに、一方向に傾倒した際の対向側磁性体TMが、他方向に傾倒した際に、可動側磁性体MMとして用いられるように構成されている。従って、第1磁性体MT14、第2磁性体MT24、第3磁性体MT34及び第4磁性体MT44は、操作部材31の傾倒動作によって、可動側磁性体MMとも対向側磁性体TMともなり得る。
また、本発明の第3実施形態では、第2実施形態と同様に、操作部材31を傾倒させて、可動側磁性体MM(第2磁性体MT24及び第3磁性体MT34)と対向側磁性体TM(第1磁性体MT14及び第4磁性体MT44)とが離反した際に、可動側磁性体MMと対向側磁性体TMとがそれぞれの間に働く吸引力が消失しない位置に、可動側磁性体MMと対向側磁性体TMとを配設している。これにより、各ポジション(前1段ポジションS21、前2段ポジションS22)において、操作者による傾倒操作の力が取り除かれたときに、互いに引き剥がされた可動側磁性体MMと対向側磁性体TMとが互いの吸引力により再び吸引することとなる。このことにより、自動復帰のための付勢部材を使用しなくても、操作部材31を基準位置に自動復帰させることができる。
また、可動側磁性体MM及び対向側磁性体TMは、図26(b)に示すように、永久磁石EM4と永久磁石EM4の3面を囲むように配設されたヨークYM4とからなる磁性体であり、可動側磁性体MMと対向側磁性体TMとが対向する対向面以外の部分を、ヨークYM4が永久磁石EM4を覆うようにした向きで配設している。
但し、本発明の第3実施形態では、第2実施形態と違い、第1磁性体MT14と第2磁性体MT24と、及び第3磁性体MT34と第4磁性体MT44とは、基体部31dの一方向側、或いは他方側の枠状形状内に一部が収容されて、互いに吸引される位置、つまり少し離間している位置になるように対向配置されている。これにより、永久磁石EM4である可動側磁性体MMと永久磁石EM4である対向側磁性体TMとの吸着力を増加させることができ、小さな永久磁石を用いても大きな吸着力を発生することができる。このため、操作装置103の小型化が図れ、安価な操作装置103を提供することができる。
更に、永久磁石EM4と永久磁石EM4の場合では、永久磁石と軟磁性体との場合と比較して、互いの相対距離が離れることに伴う吸引力の低下が緩やかなものとなっている。このため、急激なクリック感を与えないようにすることもできる。
また、可動側磁性体MM及び対向側磁性体TMのヨークYM4には、図27に示すように、ヨークYM4の長手方向(図27に示すX方向)に延設された突設部が設けられており、この突設部が、操作部材31が傾倒された際に、後述するストッパー部36と当接する当接部TTqとなる。つまり、第1磁性体MT14には当接部TTq1、第2磁性体MT24には当接部TTq2、第3磁性体MT34には当接部TTq3、第4磁性体MT44には当接部TTq4がそれぞれ両側に設けられている。
次に、操作装置103のストッパー部36は、第2実施形態と同様に、図29に示すように、枠体32Cの対向する一対の側壁部32Cpに、それぞれ4つのストッパー部36(36a、36b、36c、36d)設けられている。このストッパー部36は、傾倒軸(第1傾倒軸)32eを挟んで、操作部材31がY1方向(傾倒方向)に傾倒動作する側にストッパー部36a及びストッパー部36d、操作部材31がY2方向(傾倒方向)に傾倒動作する側にストッパー部36b及びストッパー部36cを配設している。
また、ストッパー部36aとストッパー部36cとは、第2実施形態と同様に、図29に示すように、傾倒軸(第1傾倒軸)32eが挿通される穴部32Chに対して、同じ距離(間隔距離と高さ位置)に設けられている。同様にして、ストッパー部36bとストッパー部36dとも、穴部32Chに対して同じ距離に設けられている。そして、操作部材31が基準位置(第1ポジションP1或いは第2ポジションP2)に位置する際に、ストッパー部36cと同じ高さに位置するストッパー部36aと当接部TTq(当接部TTq1)との距離が、ストッパー部36bと当接部TTq(TTq4)との距離より短くなっている。同様にして、ストッパー部36cと当接部TTq(TTq3)との距離が、ストッパー部36bと同じ高さに位置するストッパー部36dと当接部TTq(当接部TTq2)との距離より短くなっている。
なお、このストッパー部36は、第2実施形態と同様に、操作者による基準位置からの傾倒操作を受けて、操作部材31が位置する複数のポジションのそれぞれに対応して設けられている。つまり、図5(b)に示す前方ポジションS11及び前1段ポジションS21にはストッパー部36a、前2段ポジションS22にはストッパー部36b、後方ポジションS13及び後1段ポジションS23にはストッパー部36c、後2段ポジションS24にはストッパー部36d、が対応して設けられている。
最後に、車両用シフト装置630の位置検出手段は、第2実施形態と同様な回転型可変抵抗器を用いており、配設位置や機能も第2実施形態と同様なので、詳細な説明は省略する。
また、以上のように構成された操作装置103の動作、つまり操作部材31が第1ポジションP1と第2ポジションP2とを移動する第1方向D1の動き、及び第1方向D1とは別な第2方向D2への動きについては、第2実施形態と同様なので、これについても詳細な説明は省略する。但し、第3実施形態では、第1方向D1の動きに対して、第2実施形態の基体部21dに替えて傾倒側基体部K35を用い、第2方向D2の動きに対して、第2実施形態のような基体部21dに可動側磁性体MM及び対向側磁性体TMを吸着させる構成ではなく、可動側磁性体MMと対向側磁性体TMとを直接吸引させる構成としている。
以上のように、本発明の第3実施形態の操作装置103は、第2方向D2への傾倒動作を行うことができる。つまり、操作部材31が基準位置から傾倒されて複数のポジションに位置する際には、各複数のポジションに対応したストッパー部36(36a、36b、36c、36d)をそれぞれ有しているので、例えば基準位置(第2ポジションP2)から次のポジション(前1段ポジションS21或いは後1段ポジションS23)、次のポジション(前1段ポジションS21或いは後1段ポジションS23)から更に次のポジション(前2段ポジションS22或いは後2段ポジションS24)への切り換えに際し、それぞれに設けられたストッパー部36(36a或いは36c、36b或いは36d)により対向側磁性体TM(第1磁性体MT14或いは第3磁性体MT34、第4磁性体MT44或いは第2磁性体MT24)の傾倒動作が止められる。例えば操作部材31が第1ポジションP1(基準位置)に位置する際には、基準位置(第1ポジションP1)から次のポジション(前方ポジションS11或いは後方ポジションS13)への切り換えに際し、それぞれに設けられたストッパー部36(36a或いは36c)により対向側磁性体TM(第1磁性体MT14或いは第3磁性体MT34)の傾倒動作が止められる。
これにより、各ポジション(前1段ポジションS21或いは前方ポジションS11、前2段ポジションS22、後1段ポジションS23或いは後方ポジションS13、後2段ポジションS24)において、可動側磁性体MM及び対向側磁性体TMとが引き剥がされて、お互い離反するようになり、その際の強い吸引状態から弱い吸引状態への変化で節度感を出すことができる。このことにより、従来例と比較して、節度感を生じさせる部分に摺動機構がないため、操作装置103の耐久性が優れている。
最後に、本発明の第3実施形態の操作装置103は、図5(a)に示すシフトの配置(シフトパターン)を有した車両用シフト装置630に好適に適用することができる。これにより、操作装置103の各ポジション(前1段ポジションS21或いは前方ポジションS11、前2段ポジションS22、第2ポジションP2或いは第1ポジションP1、後1段ポジションS23或いは後方ポジションS13、後2段ポジションS24)を車両用シフト装置630のシフトの配置(シフトパターン)に好適に適用することができ、節度感を有したシフト操作を行うことができる。しかも従来例と比較して、節度感を生じさせる部分に摺動機構がないため、耐久性が優れた車両用シフト装置630を提供することができる。
以上のように構成された本発明の第3実施形態の操作装置103及び車両用シフト装置630における、効果について、以下に纏めて説明する。
本発明の第3実施形態の操作装置103は、操作部材31が基準位置から傾倒されて複数のポジションに位置する際には、各複数のポジションに対応したストッパー部36(36a、36b、36c、36d)をそれぞれ有しているので、例えば基準位置(第2ポジションP2)から次のポジション(前1段ポジションS21或いは後1段ポジションS23)、次のポジション(前1段ポジションS21或いは後1段ポジションS23)から更に次のポジション(前2段ポジションS22或いは後2段ポジションS24)への切り換えに際し、それぞれに設けられたストッパー部36(36a或いは36c、36b或いは36d)により対向側磁性体TM(第1磁性体MT14或いは第3磁性体MT34、第4磁性体MT44或いは第2磁性体MT24)の傾倒動作が止められる。このため、各ポジション(前1段ポジションS21、前2段ポジションS22、後1段ポジションS23及び後2段ポジションS24)において、可動側磁性体MMと対向側磁性体TMとが引き剥がされて、お互い離反するようになり、その際の強い吸引状態から弱い吸引状態への変化で節度感を出すことができる。このことにより、従来例と比較して、節度感を生じさせる部分に摺動機構がないため、操作装置103は、耐久性が優れている。
また、傾倒軸(第1傾倒軸)32eを挟んで設けられた当接部TTq(TTq1、TTq2、TTq3、TTq4)とストッパー部36(36a、36b、36c、36d)とのそれぞれの距離がそれぞれ異なるので、操作部材31が傾倒操作された際に、当接部TTqとストッパー部36との距離が近い順に、可動側磁性体MMと対向して配置された複数の対向側磁性体TMの傾倒動作を順に止めることができる。このため、各ポジション(前1段ポジションS21或いは前方ポジションS11、前2段ポジションS22、後1段ポジションS23或いは後方ポジションS13、後2段ポジションS24)に対応して、可動側磁性体MMと対向側磁性体TMを容易に離反させることができ、節度感を有した操作装置103を容易に作製することができる。
また、操作部材31の基体部31dが一方向(Y1方向)に傾倒した際の可動側磁性体MMと対向側磁性体TMが、他方向(Y2方向)に傾倒した際に、対向側磁性体TMと可動側磁性体MMとして入れ替えて用いているので、可動側磁性体MMと対向側磁性体TMの数を半分にすることができる。このことにより、節度感を有した操作装置103を容易にしかも安く作製することができる。
また、永久磁石EM4と永久磁石EM4の場合では、永久磁石と軟磁性体との場合と比較して、互いの相対距離が離れることに伴う吸引力の低下が緩やかなものとなっている。このため、急激なクリック感を与えないようにすることもできる。
また、可動側磁性体MMと対向側磁性体TMとが離反した際に、可動側磁性体MMと対向側磁性体TMとが、それぞれの間に働く吸引力が消失しない位置に配設されているので、各ポジションにおいて、操作者による傾倒操作の力が取り除かれたときに、互いに引き剥がされた可動側磁性体MMと対向側磁性体TMとが互いの吸引力により再び吸引することとなる。このことにより、自動復帰のための付勢部材を使用しなくても、操作部材31を基準位置に自動復帰させることができる。
また、可動側磁性体MMと対向側磁性体TMが永久磁石EM4で、この永久磁石EM4がヨークYM4で覆われているので、簡単な構成で、可動側磁性体MM或いは対向側磁性体TMの引き剥がしの強い力、或いは引き合う強い力を、簡単に生じさせることができる。このことにより、操作者に対して強い操作感触と節度感を与えることができる。
本発明の第3実施形態の車両用シフト装置630は、各ポジション(前1段ポジションS21或いは前方ポジションS11、前2段ポジションS22、第2ポジションP2或いは第1ポジションP1、後1段ポジションS23或いは後方ポジションS13、後2段ポジションS24)への操作が行える操作装置103を車両用シフト装置630のシフトの配置(シフトパターン)に好適に適用することができる。これにより、節度感を有したシフト操作を行うことができ、しかも従来例と比較して、節度感を生じさせる部分に摺動機構がないため、耐久性が優れた車両用シフト装置630を提供することができる。
[第4実施形態]
本発明の第4実施形態では、操作装置104及び操作装置104を用いた車両用シフト装置700について説明する。先ず、操作装置104を用いた車両用シフト装置700について説明を行う。先ず、操作装置104を用いた車両用シフト装置700について説明を行う。図30は、本発明の第4実施形態に係わる操作装置104を用いた車両用シフト装置700を説明する分解斜視図である。なお、図30には、操作装置104の操作部材41と支持体42の一部(ケースK71でもある)が図示されている。また、第4実施形態の車両用シフト装置700は、第1実施形態ないし第3実施形態の車両用シフト装置(500、600、630)に対し、外観の構成が異なる。なお、第1実施形態ないし第3実施形態と同一構成については、同一符号を付して詳細な説明は省略する。
本発明の第4実施形態の操作装置104を用いた車両用シフト装置700は、第1実施形態と同様な外観を呈し、図30に示すように、操作者によって把持されるシフトノブ70Nと、操作者によるシフトノブ70Nの傾倒操作を受けて多方向への操作が行える操作装置104と、操作装置104からの信号を受けて車両側機器に信号を送信する制御部70Cと、操作装置104の操作部材41が位置する複数のポジションを検出する位置検出手段(図示していない)と、を備えて構成されている。他に、車両用シフト装置700には、操作装置104の上面を覆うように配設された箱状のケースK71(支持体42の一部でもある)と、操作装置104の下面を覆うカバーK72と、操作装置104に収容され制御部70Cが搭載された配線基板19と、を有している。そして、この車両用シフト装置700は、車両に搭載され、第1方向D1(図30に示すX方向)と第1方向D1と直交する第2方向D2(図30に示すY方向)との傾倒操作が行える、車両のシフト操作のために用いられる。
車両用シフト装置700のシフトノブ70Nは、図30に示すように、操作者によって把持し易いように細長い形状で形成され、図30に示す操作装置104の操作部材41の操作軸41jを覆うようにして係合されて配設される。
車両用シフト装置700の制御部70Cは、集積回路(IC、Integrated Circuit)を用いて構成され、図30に示すように、操作装置104に収容される配線基板19に搭載されている。そして、制御部70Cは、図示していないコネクタを介して車両側機器に接続され、シフトノブ70Nの傾倒操作を受けて、操作がされた位置情報信号を車両側機器に送信している。この位置情報信号を受けて、車両側では、シフトパターンに対応した動作を行うとともに、シフトパターンにおけるシフトノブ70Nのポジションをインストルメントパネル等に設けられた表示部に表示するようにしている。
車両用シフト装置700のケースK71及びカバーK72は、第1実施形態と同様な材質、構成なので、詳細な説明は省略する。また、車両用シフト装置700の配線基板19も同様に、第1実施形態と同様な材質、構成なので、詳細な説明は省略する。なお、車両用シフト装置700の位置検出手段は、操作装置104に装着されているので、後述する操作装置104の説明で合わせて説明を行う。
以上のように構成された本発明の第4実施形態の車両用シフト装置700は、第1実施形態の車両用シフト装置500と同様に、シフトノブ70Nが変速機に直接接続されている機械制御方式の車両ではなく、電子制御方式の車両に適用される。故に、操作装置104から送信されるシフト位置の情報信号だけで、車両のシフト操作が行われる。このシフト位置は、前述したインストルメントパネル等に設けられた表示部に表示されたシフトパターンに示されている。
また、車両用シフト装置700は、第1実施形態の車両用シフト装置500と同様に、図5(a)に示すシフトの配置(シフトパターン)を有しており、第1実施形態の車両用シフト装置500と同様なシフト操作が行われる。よって、車両用シフト装置700のシフト操作についての説明は省略する。
次に、操作装置104について説明する。図31は、本発明の第4実施形態の操作装置104を説明する斜視図である。図31は、説明を分かり易くするため、位置検出手段を省略している。図32は、本発明の第4実施形態の操作装置104を説明する図であって、図32(a)は、図31に示すY2側から見た正面図であり、図32(b)は、図31に示すX1側から見た側面図である。なお、図31及び図32は、操作部材41が第1ポジションP1に位置する状態を示している。図33は、図31に示す固定部材43を省略した斜視図である。図34は、図33に示す支持体42の傾倒部材42Aを省略した斜視図である。図35(a)は、図34に示すY2側から見た正面図であり、図35(b)は、図34に示すX1側から見た側面図である。
本発明の第4実施形態の操作装置104は、図31及び図32に示すような外観を呈し、図33ないし図35に示すように、操作者の操作を受けて傾倒動作可能な操作部材41と、操作部材41を傾倒動作可能に支持する支持体42と、操作部材41とともに第2方向D2へ傾倒動作する複数の可動側磁性体MMと、複数の可動側磁性体MMのそれぞれと対向して配置された複数の対向側磁性体TMと、対向側磁性体TMの傾倒動作を止めるストッパー部46(図37及び図38(b)を参照)と、を備えて構成されている。他に、操作装置104は、図32(b)に示すように、対向側磁性体TMの上方を覆うようにして配設された固定部材43と、図32(a)に示すように、操作部材41とともに第1方向D1(図31に示すX1方向及びX2方向)へ傾倒動作する複数の傾倒側磁性体KMと、傾倒側磁性体KMと対向配置された傾倒側基体部K45と、を有している。そして、操作装置104は、操作者の傾倒操作を受けて、操作部材41が第1ポジションP1及び第2ポジションP2間を移動する第1方向D1の傾倒動作と、第1方向D1と直交する第2方向D2(図31に示すY1方向及びY2方向)の傾倒動作と、が行える多方向への操作が可能な装置となっている。
先ず、操作装置104の操作部材41について説明する。図36は、操作部材41を説明する図であって、図36(a)は、操作部材41の斜視図であり、図36(b)は、図36(a)に示すX1側から見た操作部材41の側面図である。操作部材41は、第1実施形態と同様に、合成樹脂材を成形して作製されており、図33及び図34に示すように、支持体42と係合され垂直方向(図31に示すZ方向)に延設された柱状の操作軸41jと、図36に示すように、操作軸41jの他端側に設けられ操作軸41jの軸中心が貫く平面に広がる基体部41dと、基体部41dの下方(図36に示すZ2方向)に設けられた脚部41fと、を有して構成されている。そして、操作部材41の操作軸41jには、前述したように、車両用シフト装置700のシフトノブ70Nが覆われて配設されている。
操作部材41の基体部41dは、図36に示すように、操作軸41jを挟んで左右(図33に示すY1方向及びY2方向)に延設して形成されており、その中央部分には、貫通孔41hが設けられている。この貫通孔41hには、操作部材41の傾倒動作を可能にする傾倒軸(第1傾倒軸)42eが挿通されて嵌合されている。そして、操作部材41の第2方向D2(図31に示すY方向)への傾倒動作に伴って、基体部41dも連動して傾倒動作を行うように構成されている。なお、第2方向D2への傾倒動作に伴って、脚部41fも連動して傾倒動作を行うように構成されている。
また、基体部41dは、操作装置104が組み立てられた際には、図34及び図35に示すように、後述する複数の可動側磁性体MMの間に配設されて、基体部41dが傾倒軸42eを軸中心として回動した際には、可動側磁性体MMと当接するように構成されている。なお、本発明の第4実施形態では、図36に示すように、可動側磁性体MM(後述する第1可動側磁性体MF14)と平行となる面側(図35(b)示すZ2側)を第1押圧部41pとし、可動側磁性体MM(後述する第2可動側磁性体MF24)に対して傾斜している面側(図35(b)に示すZ1側)を第2押圧部41qとしている。
操作部材41の脚部41fは、図36(a)に示すように、第1方向D1(図36(a)に示すX方向)延設した矩形状をしているとともに、図32(a)及び図35(a)に示すように、両端部が下方に曲げられた形状をしている。そして、操作部材41の第1方向D1及び第2方向D2(図32を参照)への傾倒動作に伴って、脚部41fも連動して傾倒動作を行うように構成されている。
次に、操作装置104の支持体42について説明する。図37は、支持体42を説明する図であって、傾倒部材42Aの斜視図である。支持体42は、合成樹脂材を成形して作製されており、図33に示すように、操作部材41の傾倒動作(第2方向D2への傾倒動作)を可能にする傾倒軸(第1傾倒軸)42eと、軸線方向が傾倒軸42eと直交する第2傾倒軸42jと、操作部材41の傾倒操作(第1方向D1への傾倒動作)に応じて第2傾倒軸42jを回動中心として回動する傾倒部材42Aと、第2傾倒軸42jが挿通され傾倒部材42Aを回動可能に支持している枠体(図示していない)と、から主に構成されている。なお、本発明の第4実施形態では、前述したが、枠体として、ケースK71を用いている。
支持体42の傾倒部材42Aは、図37に示すように、対向する2つのブロック状のベース体42gと、ベース体42gを連結し対向して配設されて2つの連結壁42rと、で枠状形状に形成されている。そして、操作装置104が組み立てられた際には、傾倒部材42Aの枠内に、操作部材41の基体部41d、複数の可動側磁性体MM及び複数の対向側磁性体TMが収容される。
傾倒部材42Aのベース体42gには、それぞれ穴部42hが形成されており、この穴部42hに傾倒軸42eが挿通されて(図33を参照)、傾倒軸42eが回動可能に傾倒部材42Aに支持されている。これにより、この傾倒軸42eを軸中心(回動軸)として、操作部材41が第2方向D2への回動できるようになっており、基体部41dも、この傾倒軸42eを軸中心として回動するようになっている。また、ベース体42gの上面側には、後述するストッパー部46が設けられている。
また、傾倒部材42Aの連結壁42rには、それぞれ孔部42dが形成されており、この孔部42dに第2傾倒軸42jが挿通されて連結壁42rに嵌合されている(図33を参照)。そして、図示はしていないが、第2傾倒軸42jは、枠体(ケースK71)に回動可能に支持されている。これにより、この第2傾倒軸42jを回動軸(軸中心)として、傾倒部材42Aが第1方向D1への回動できるようになっており、傾倒部材42Aに係合された操作部材41も、この第2傾倒軸42jを軸中心として回動するようになっている。以上のことから、支持体42は、傾倒軸(第1傾倒軸)42eと第2傾倒軸42jと傾倒部材42Aと枠体とを用いて、操作部材41を傾倒動作可能に支持していることとなる。
次に、操作装置104の固定部材43について説明する。図38は、固定部材43を説明する図であって、図38(a)は、固定部材43の上方斜視図であり、図38(b)は、固定部材43の下方斜視図である。固定部材43は、合成樹脂材を成形して作製されており、図38に示すように、矩形で平板状のベース板43bと、ベース板43bの四方端から下方に延設された側壁43wと、から構成されて、下方が開放された箱状形状に形成されている。そして、操作装置104が組み立てられた際には、図31及び図32に示すように、支持体42の傾倒部材42Aに載置されて、可動側磁性体MM及び対向側磁性体TMの上方を覆うようにして配設される。その際には、図32(b)に示すように、固定部材43と傾倒部材42Aとで、対向側磁性体TMの一部を挟持するように構成されている。
ベース板43bの中央部分には、図38に示すように、操作部材41の操作軸41jが挿通される円形形状の貫通穴43kが設けられている。この貫通穴43kは、操作部材41の可動が可能な大きさで形成されている。また、側壁43wの下方端には、後述するストッパー部46が設けられている。
次に、操作装置104の傾倒側磁性体KM及び傾倒側基体部K45について説明する。操作装置104の傾倒側磁性体KMは、第2実施形態と同様に、図32(a)及び図35(a)に示すように、永久磁石EM4と永久磁石EM4の3面を囲むように配設されたヨークYM4とからなる磁性体であり、操作部材41が第1ポジションP1に移動した際に(図32(a)の状態)、傾倒側基体部K45と当接または近接する第1傾倒磁石K14と、操作部材41が第2ポジションP2に移動した際に、傾倒側基体部K45と当接または近接する第2傾倒磁石K24と、を組み合わせて構成されている。そして、傾倒側磁性体KMの第1傾倒磁石K14及び第2傾倒磁石K24は、支持体42の傾倒部材42Aに配設されて固定されて、操作部材41の第1方向D1への傾倒動作と連動して傾倒動作を行うように構成されている。なお、傾倒側磁性体KMを配設する際には、傾倒側基体部K45と対向する対向面以外の部分をヨークYM4が永久磁石EM4を覆うようにした向きで配設する。
操作装置104の傾倒側基体部K45は、鉄等の軟磁性体からなり、図31及び図32に示すように、方形で板状形状をしており、図示はしていないが、ケースK71に固定されている。そして、傾倒側基体部K45の第1方向D1(図31に示すX方向)の両側には、傾倒側磁性体KMが対向配置されるように構成されている。なお、操作装置104の第1ポジションP1と第2ポジションP2とを移動する第1方向D1の動きについては、第2実施形態と同様なので、詳細な説明は省略する。但し、第4実施形態では、第2実施形態の基体部21dに替えて傾倒側基体部K45を用いた構成としている。
次に、操作装置104の可動側磁性体MM及び対向側磁性体TMについて説明する。図39は、本発明の可動側磁性体MM及び対向側磁性体TM置を説明する図であって、図39(a)は、対向側磁性体TMの斜視図であり、図39(b)は、可動側磁性体MMの斜視図である。図40は、本発明の第4実施形態の可動側磁性体MM及び対向側磁性体TMを説明する図であって、図40(a)は、図35(b)に示す第1可動側磁性体MF14を省略した側面図であり、図40(b)は、図35(b)に示す第2可動側磁性体MF24を省略した側面図である。
操作装置104の対向側磁性体TMは、図39(a)に示すように、永久磁石EM4と永久磁石EM4の四方を囲むように配設されたホルダHD4とから構成されており、図39(a)に示すように、傾倒軸42eを挟んで設けられた第1対向側磁性体TF14と第2対向側磁性体TF24を有している。なお、本発明の第4実施形態では、操作部材41が傾倒操作される一方向側(図32(b)に示すY1方向側)に配設される対向側磁性体TMを第1対向側磁性体TF14とし、他方向側(図32(b)に示すY2方向側)に配設される対向側磁性体TMを第2対向側磁性体TF24としている。
また、対向側磁性体TMのホルダHD4は、図39(a)に示すように、永久磁石EM4を収容できるような枠状に形成されており、長手方向(図39(a)に示すX方向)に延設され凸部HD4tを両端側にそれぞれ有している。そして、図32(b)に示すように、この凸部HD4tが固定部材43と傾倒部材42Aとに挟持されることにより、対向側磁性体TMが固定される。なお、ホルダHD4として、合成樹脂等の非磁性の材料を用いたが、鉄等の軟磁性体を用い、永久磁石EM4のヨークの機能を持たせても良い。
操作装置104の可動側磁性体MMは、鉄等の軟磁性体からなり、図34及び図35に示すように、板状部分が対向側磁性体TMと対向して配設されており、本発明の第4実施形態では、図40(b)に示す第1対向側磁石TF14の下方に対向して配設された第1可動側磁性体MF14と、図40(a)に示す第2対向側磁石TF24の上方に対向して配設された第2可動側磁性体MF24と、を有して構成される。
また、第1可動側磁性体MF14と第2可動側磁性体MF24とは、支持体42の傾倒軸42eを挟んでそれぞれ設けられており、第1可動側磁性体MF14及び第2可動側磁性体MF24の一端側が傾倒軸42eに回動可能に遊嵌されている。そして、操作部材41が一方向(図40に示すY1方向)に傾倒操作された際に、傾倒操作側にある基体部41dの第1押圧部41pにより、一方向側にある第1可動側磁性体MF14が押圧され、更に傾倒操作が同じ向きに継続された際に、傾倒操作側と反対側(図40に示すY2方向側)にある基体部41dの第2押圧部41qにより、反対側にある第2可動側磁性体MF24が押圧されるように構成されている。
更に、本発明の第4実施形態では、図40(b)に示す第2対向側磁石TF24の下方に対向して配設された第1可動側磁性体MF14と、図40(a)に示す第1対向側磁石TF14の上方に対向して配設された第2可動側磁性体MF24と、を有して構成されている。つまり、第1可動側磁性体MF14と第2可動側磁性体MF24の組合せで、二組有していることとなる。なお、この第1可動側磁性体MF14及び第2可動側磁性体MF24も同様に、支持体42の傾倒軸42eを挟んでそれぞれ設けられている。そして、操作部材41が他方向(図40に示すY2方向)に傾倒操作された際に、傾倒操作側、つまり多方向側にある基体部41dの第1押圧部41pにより、他方向側にある第1可動側磁性体MF14が押圧され、更に傾倒操作が同じ向きに継続された際に、傾倒操作側と反対側、つまり一方向側(図40に示すY1方向側)にある基体部41dの第2押圧部41qにより、一方向側にある第2可動側磁性体MF24が押圧されるように構成されている。
次に、操作装置104のストッパー部46について説明する。図41は、本発明の第4実施形態の操作装置104における動作を説明する模式図であって、図41(a)は、基準位置の状態の図であり、図41(b)は、Y1方向に傾倒した状態の図であり、図41(c)は、図41(b)より更にY1方向に傾倒した状態の図であり、図41(d)は、Y2方向に傾倒した状態の図であり、図41(e)は、図41(d)より更にY2方向に傾倒した状態の図である。
操作装置104のストッパー部46は、操作部材41が基準位置(第1ポジションP1或いは第2ポジションP2)から傾倒されて次の複数のポジションに位置する際に、対向側磁性体TMの傾倒動作を止める機能を有しているので、本発明の第4実施形態では、対向側磁性体TMの一部を挟持している固定部材43及び傾倒部材42Aに設けられている。以下に、図41に示す操作装置104の動作の模式図を交えながら、第2方向D2への動きとストッパー部46について説明する。なお、第2方向D2に移動する動きについては、この第1ポジションP1或いは第2ポジションP2を基準位置として(図5(b)を参照)、操作者の傾倒操作によって行われるが、ここでは、第2ポジションP2を基準位置とした動きについて詳細に説明する。
先ず、操作者により操作部材41が図41(a)に示す基準位置(第2ポジションP2)から一方向(図40に示すY1方向)に傾倒操作されると、傾倒軸(第1傾倒軸)42eを回動軸として操作部材41の回動が行われ、傾倒操作側にある基体部41dの第1押圧部41pが一方向側にある第1可動側磁性体MF14を押圧し、第1可動側磁性体MF14が下方に移動するようになる。一方、傾倒操作側にある第1対向側磁性体TF14の凸部HD4tを挟持している傾倒部材42Aに設けられたストッパー部46(図37に示す46a)が第1対向側磁性体TF14の傾倒動作を止めるので、図41(b)に示すように、第1可動側磁性体MF14と第1対向側磁性体TF14との吸着が外れるようになる。そして、操作部材41は、基準位置(第2ポジションP2)から前1段ポジションS21(図5(b)を参照)に位置するようになる。従って、この強い吸引状態から弱い吸引状態への変化により、第2ポジションP2から前1段ポジションS21に移動する際の節度感(クリック感)が得られるようになる。
更に、操作者により一方向(Y1方向)への傾倒操作が継続されると、操作部材41の更なる回動が行われ、傾倒操作側と反対側(図40に示すY2方向側)にある基体部41dの第2押圧部41qが反対側にある第2可動側磁性体MF24を押圧し、第2可動側磁性体MF24が上方に移動するようになる。一方、反対側にある第2対向側磁性体TF24の凸部HD4tを挟持している固定部材43に設けられたストッパー部46(図38(b)に示す46b)が第2対向側磁性体TF24の傾倒動作を止めるので、図41(c)に示すように、第2可動側磁性体MF24と第2対向側磁性体TF24との吸着が外れるようになる。そして、操作部材41は、前1段ポジションS21から前2段ポジションS22(図5(b)を参照)に位置するようになる。従って、この強い吸引状態から弱い吸引状態への変化により、前1段ポジションS21から前2段ポジションS22に移動する際の節度感(クリック感)が同様に得られるようになる。
以上のように構成された本発明の第4実施形態の操作装置104は、ストッパー部46aに止められた第1対向側磁性体TF14と第1可動側磁性体MF14との吸着が外れて、次にストッパー部46bに止められた第2対向側磁性体TF24と第2可動側磁性体MF24との吸着が外れるようになる。このことにより、各ポジション(前1段ポジションS21、前2段ポジションS22)に対応して、可動側磁性体MMと対向側磁性体TMを容易に離反させることができる。従って、節度感を有した操作装置104を容易に作製することができる。
また、本発明の第4実施形態では、操作部材41をY1方向に傾倒させて、図41(b)及び図41(c)に示すように、可動側磁性体MM(第1可動側磁性体MF14及び第2可動側磁性体MF24)と対向側磁性体TM(第1対向側磁性体TF14及び第2対向側磁性体TF24)とが離反した際に、可動側磁性体MMと対向側磁性体TMとがそれぞれの間に働く吸引力が消失しない位置に可動側磁性体MMと対向側磁性体TMとを配設している。これにより、各ポジション(前1段ポジションS21、前2段ポジションS22)において、操作者による傾倒操作の力が取り除かれたときに、引き剥がされた可動側磁性体MMと対向側磁性体TMとが互いの吸引力により再び吸引することとなる。このことにより、自動復帰のための付勢部材を使用しなくても、操作部材41を基準位置に自動復帰させることができる。なお、第1可動側磁性体MF14と第1対向側磁性体TF14とが離反した際、或いは第2可動側磁性体MF24と第2対向側磁性体TF24とが離反した際に、可動側磁性体MMと対向側磁性体TMがそれぞれの間に働く吸引力が消失しない位置に可動側磁性体MMと対向側磁性体TMを配設するようにしても良い。これにより、操作者による傾倒操作の力が取り除かれたときに、第2可動側磁性体MF24と第2対向側磁性体TF24との吸着、第1可動側磁性体MF14と第1対向側磁性体TF14との吸着が順次行われ、自動復帰のための付勢部材を使用しなくても、操作部材41を基準位置に自動復帰させることができる。
本発明の第4実施形態では、もう一組の第1可動側磁性体MF14及び第2可動側磁性体MF24を有しているので、以上のようなY1方向への動きは、操作者によるY2方向への傾倒操作の際にも、以下のように同様に行われる。
先ず、操作者により操作部材41が図41(a)に示す基準位置(第2ポジションP2)から他方向(図40に示すY2方向)に傾倒操作されると、傾倒軸(第1傾倒軸)42eを回動軸として操作部材41の回動が行われ、傾倒操作側にある基体部41dの第1押圧部41pが他方向側にある第1可動側磁性体MF14を押圧し、第1可動側磁性体MF14が下方に移動するようになる。一方、傾倒操作側にある第2対向側磁性体TF24の凸部HD4tを挟持している傾倒部材42Aに設けられたストッパー部46(図37に示す46c)が第2対向側磁性体TF24の傾倒動作を止めるので、図41(d)に示すように、第1可動側磁性体MF14と第2対向側磁性体TF24との吸着が外れるようになる。そして、操作部材41は、基準位置(第2ポジションP2)から後1段ポジションS23(図5(b)を参照)に位置するようになる。従って、この強い吸引状態から弱い吸引状態への変化により、第2ポジションP2から後1段ポジションS23に移動する際の節度感(クリック感)が得られるようになる。
更に、操作者により他方向(Y2方向)への傾倒操作が継続されると、操作部材41の更なる回動が行われ、傾倒操作側と反対側(図40に示すY1方向側)にある基体部41dの第2押圧部41qが反対側にある第2可動側磁性体MF24を押圧し、第2可動側磁性体MF24が上方に移動するようになる。一方、反対側にある第1対向側磁性体TF14の凸部HD4tを挟持している固定部材43に設けられたストッパー部46(図38(b)に示す46d)が第1対向側磁性体TF14の傾倒動作を止めるので、図41(e)に示すように、第2可動側磁性体MF24と第1対向側磁性体TF14との吸着が外れるようになる。そして、操作部材41は、後1段ポジションS23から後2段ポジションS24(図5(b)を参照)に位置するようになる。従って、この強い吸引状態から弱い吸引状態への変化により、後1段ポジションS23から後2段ポジションS24に移動する際の節度感(クリック感)が同様に得られるようになる。
以上のように構成された本発明の第4実施形態の操作装置104は、ストッパー部46cに止められた第2対向側磁性体TF24と第1可動側磁性体MF14との吸着が外れて、次にストッパー部46dに止められた第1対向側磁性体TF14と第2可動側磁性体MF24との吸着が外れるようになる。このことにより、各ポジション(後1段ポジションS23から後2段ポジションS24)に対応して、可動側磁性体MMと対向側磁性体TMを容易に離反させることができる。このようにして、本発明の第4実施形態の操作装置104は、対向側磁性体TMの数を増やすこと無しに、他方向の傾倒操作にも対応することができ、節度感を有した操作装置104を容易に作製することができる。
また、同様にして、本発明の第4実施形態では、操作部材41をY2方向に傾倒させて、図41(d)及び図41(e)に示すように、可動側磁性体MM(第1可動側磁性体MF14及び第2可動側磁性体MF24)と対向側磁性体TM(第1対向側磁性体TF14及び第2対向側磁性体TF24)とが離反した際に、可動側磁性体MMと対向側磁性体TMとがそれぞれの間に働く吸引力が消失しない位置に可動側磁性体MMと対向側磁性体TMとを配設している。これにより、各ポジション(後1段ポジションS23から後2段ポジションS24)において、操作者による傾倒操作の力が取り除かれたときに、引き剥がされた可動側磁性体MMと対向側磁性体TMとが互いの吸引力により再び吸引することとなる。このことにより、自動復帰のための付勢部材を使用しなくても、操作部材41を基準位置に自動復帰させることができる。
以上説明したように、操作装置104のストッパー部46は、操作者による基準位置からの傾倒操作を受けて、操作部材41が位置する複数のポジションのそれぞれに対応して設けられている。つまり、図5(b)に示す前方ポジションS11及び前1段ポジションS21にはストッパー部46a、前2段ポジションS22にはストッパー部46b、後方ポジションS13及び後1段ポジションS23にはストッパー部46c、後2段ポジションS24にはストッパー部46d、が対応して設けられている。
最後に、車両用シフト装置700の位置検出手段は、第1実施形態と同様な回転型可変抵抗器を用いており、配設位置や機能も第1実施形態と同様なので、詳細な説明は省略する。
以上のように、本発明の第4実施形態の操作装置104は、第2方向D2への傾倒動作を行うことができる。つまり、操作部材41が基準位置から傾倒されて複数のポジションに位置する際には、各複数のポジションに対応したストッパー部46(46a、46b、46c、46d)をそれぞれ有しているので、例えば基準位置(第2ポジションP2)から次のポジション(前1段ポジションS21或いは後1段ポジションS23)、次のポジション(前1段ポジションS21或いは後1段ポジションS23)から更に次のポジション(前2段ポジションS22或いは後2段ポジションS24)への切り換えに際し、それぞれに設けられたストッパー部46(46a或いは46c、46b或いは46d)により対向側磁性体TM(第1対向側磁性体TF14、第2対向側磁性体TF24)の傾倒動作が止められる。例えば操作部材41が第1ポジションP1(基準位置)に位置する際には、基準位置(第1ポジションP1)から次のポジション(前方ポジションS11或いは後方ポジションS13)への切り換えに際し、それぞれに設けられたストッパー部46(46a或いは46c)により対向側磁性体TM(第1対向側磁性体TF14、第2対向側磁性体TF24)の傾倒動作が止められる。
これにより、各ポジション(前1段ポジションS21或いは前方ポジションS11、前2段ポジションS22、後1段ポジションS23或いは後方ポジションS13、後2段ポジションS24)において、可動側磁性体MM及び対向側磁性体TMとが引き剥がされて、お互い離反するようになり、その際の強い吸引状態から弱い吸引状態への変化で節度感を出すことができる。このことにより、従来例と比較して、節度感を生じさせる部分に摺動機構がないため、操作装置104の耐久性が優れている。
最後に、本発明の第4実施形態の操作装置104は、図5(a)に示すシフトの配置(シフトパターン)を有した車両用シフト装置700に好適に適用することができる。これにより、操作装置104の各ポジション(前1段ポジションS21或いは前方ポジションS11、前2段ポジションS22、第2ポジションP2或いは第1ポジションP1、後1段ポジションS23或いは後方ポジションS13、後2段ポジションS24)を車両用シフト装置700のシフトの配置(シフトパターン)に好適に適用することができ、節度感を有したシフト操作を行うことができる。しかも従来例と比較して、節度感を生じさせる部分に摺動機構がないため、耐久性が優れた車両用シフト装置700を提供することができる。
以上のように構成された本発明の第4実施形態の操作装置104及び車両用シフト装置700における、効果について、以下に纏めて説明する。
本発明の第4実施形態の操作装置104は、操作部材41が基準位置から傾倒されて複数のポジションに位置する際には、各複数のポジションに対応したストッパー部46(46a、46b、46c、46d)をそれぞれ有しているので、例えば基準位置(第2ポジションP2)から次のポジション(前1段ポジションS21或いは後1段ポジションS23)、次のポジション(前1段ポジションS21或いは後1段ポジションS23)から更に次のポジション(前2段ポジションS22或いは後2段ポジションS24)への切り換えに際し、それぞれに設けられたストッパー部46(46a或いは46c、46b或いは46d)により対向側磁性体TM(第1対向側磁性体TF14、第2対向側磁性体TF24)の傾倒動作が止められる。このため、各ポジション(前1段ポジションS21、前2段ポジションS22、後1段ポジションS23及び後2段ポジションS24)において、可動側磁性体MMと対向側磁性体TMとが引き剥がされて、お互い離反するようになり、その際の強い吸引状態から弱い吸引状態への変化で節度感を出すことができる。このことにより、従来例と比較して、節度感を生じさせる部分に摺動機構がないため、操作装置104は、耐久性が優れている。
また、操作部材41が一方向に傾倒操作された際に、基体部41dの第1押圧部41pが第1可動側磁性体MF14を押圧し、ストッパー部46a(46)が第1対向側磁性体TF14の傾倒動作を止め、更に傾倒操作が同じ向きに継続された際に、第2押圧部41qが第2可動側磁性体MF24を押圧し、ストッパー部46b(46)が第2対向側磁性体TF24の傾倒動作を止めるように構成した。これにより、ストッパー部46aに止められた第1対向側磁性体TF14と第1可動側磁性体MF14との吸着が外れて、次にストッパー部46bに止められた第2対向側磁性体TF24と第2可動側磁性体MF24との吸着が外れるようになる。このことにより、各ポジション(前方ポジションS11或いは前1段ポジションS21、前2段ポジションS22)に対応して、可動側磁性体MMと対向側磁性体TMとを容易に離反させることができる。従って、節度感を有した操作装置104を容易に作製することができる。
また、操作部材41が他方向に傾倒操作された際に、基体部41dの第1押圧部41pが第1可動側磁性体MF14を押圧し、ストッパー部46c(46)が第2対向側磁性体TF24の傾倒動作を止め、更に傾倒操作が同じ向きに継続された際に、第2押圧部41qが第2可動側磁性体MF24を押圧し、ストッパー部46d(46)が第1対向側磁性体TF14の傾倒動作を止めるように構成した。これにより、ストッパー部46cに止められた第2対向側磁性体TF24と第1可動側磁性体MF14との吸着が外れて、次にストッパー部46dに止められた第1対向側磁性体TF14と第2可動側磁性体MF24との吸着が外れるようになる。このことにより、各ポジション(後方ポジションS13或いは後1段ポジションS23、後2段ポジションS24)に対応して、可動側磁性体MMと対向側磁性体TMとを容易に離反させることができる。このようにして、本発明の第4実施形態の操作装置104は、対向側磁性体TMの数を増やすこと無しに、他方向の傾倒操作にも対応することができ、節度感を有した操作装置104を容易に作製することができる。
また、可動側磁性体MMと対向側磁性体TMとが離反した際に、可動側磁性体MMと対向側磁性体TMとが、それぞれの間に働く吸引力が消失しない位置に可動側磁性体MMと対向側磁性体TMとを配設しているので、操作者による傾倒操作の力が取り除かれたときに、引き剥がされた可動側磁性体MMと対向側磁性体TMとが互いの吸引力により再び吸引することとなる。このことにより、自動復帰のための付勢部材を使用しなくても、操作部材41を基準位置に自動復帰させることができる。
本発明の第4実施形態の車両用シフト装置700は、各ポジション(前1段ポジションS21或いは前方ポジションS11、前2段ポジションS22、第2ポジションP2或いは第1ポジションP1、後1段ポジションS23或いは後方ポジションS13、後2段ポジションS24)への操作が行える操作装置104を車両用シフト装置700のシフトの配置(シフトパターン)に好適に適用することができる。これにより、節度感を有したシフト操作を行うことができ、しかも従来例と比較して、節度感を生じさせる部分に摺動機構がないため、耐久性が優れた車両用シフト装置700を提供することができる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、例えば次のように変形して実施することができ、これらの実施形態も本発明の技術的範囲に属する。
図42は、本発明の第1実施形態に係わる操作装置101の変形例を説明する図であって、図42(a)は、変形例1の操作装置C111を示す側面模式図であり、図42(b)は、変形例2の操作装置C121を示す側面模式図であり、図42(c)は、変形例3の操作装置C131を示す側面模式図である。図43は、本発明の第1実施形態に係わる操作装置101の変形例を説明する図であって、図43(a)は、変形例4の操作装置C141を示す側面模式図であり、図43(b)は、変形例5の操作装置C151を示す側面模式図であり、図43(c)は、変形例6の操作装置C161を示す側面模式図である。図44は、本発明の第2実施形態に係わる操作装置102の変形例を説明する図であって、図44(a)は、変形例7の操作装置C172を示す側面模式図であり、図44(b)は、変形例8の操作装置C182を示す側面模式図である。
<変形例1>
上記第1実施形態では、4組の可動側磁性体MMと対向側磁性体TMを用いて構成したが、例えば図42(a)に示すように、第5可動磁石M54(MM)及び第5対向磁石T54(TM)、第6可動磁石M64(MM)及び第6対向磁石T64(TM)を更に設け、6組の可動側磁性体MMと対向側磁性体TMを用いて構成しても良い。その際には、第5対向磁石T54(TM)の当接部TTp5に対してストッパー部16e、第6対向磁石T64(TM)の当接部TTp6に対してストッパー部16fを設け、ストッパー部16eと当接部TTp5との距離がストッパー部16bより遠い位置、ストッパー部16fと当接部TTp6との距離がストッパー部16dより遠い位置になるように構成する。なお、この4組或いは6組の可動側磁性体MMと対向側磁性体TMを用いる構成に限るものではなく、例えば、2組、3組、5組、6組以上であっても良い。
<変形例2>
上記第1実施形態では、当接部TTp(TTp1、TTp3)とストッパー部(16a、16c)との距離の方が当接部TTp(TTp2、TTp4)とストッパー部(16b、16d)との距離より近くなるように構成していたが、図42(b)に示すように、当接部TTp(TTp2、TTp4)とストッパー部(16b、16d)との距離の方が当接部TTp(TTp1、TTp3)とストッパー部(16a、16c)との距離より近くなるように構成しても良い。
<変形例3>
上記第1実施形態では、可動側磁性体MMとして、永久磁石EM4とヨークYM4を組み合わせて4つ(第1可動磁石M14、第2可動磁石M24、第3可動磁石M34及び第4可動磁石M44)用いて構成したが、基体部C51dとして鉄板等の軟磁性体を用い、この基体部C51dを一体で形成された可動側磁性体CMMとしても良い。これにより、可動側磁性体CMMを複数個準備する必要がなく、基体部C51dにそれぞれ配設する必要も生じない。このことにより、節度感を有した操作装置102をより一層容易に作製することができる。
<変形例4>
上記第1実施形態では、基体部11dが平面形状をしていたが、図43(a)に示しように、一部が曲げられて段差部を有した平板状の基体部C61dでもあっても良い。
<変形例5>
図43(b)に示すように、上記第1実施形態の当接部TTp(TTp1、TTp2、TTp3、TTp4)とストッパー部16(16a、16b、16c、16d)との間に、合成樹脂で作製された緩衝部材C17(C17a、C17b、C17c、C17d)を設ける構成でも良い。これにより、当接部TTpとストッパー部16とが当接する際の衝撃を和らげることができ、当接による音の発生を低減することができる。
<変形例6>
図43(c)に示すように、上記第1実施形態の可動側磁性体MM(第1可動磁石M14、第2可動磁石M24、第3可動磁石M34及び第4可動磁石M44)と対向側磁性体TM(第1対向磁石T14、第2対向磁石T24、第3対向磁石T34及び第4対向磁石T44)との対向する間に、合成樹脂で作製されたギャップ部材G18(G18a、G18b、C18c、G18d)を設ける構成でも良い。これにより、当接部TTpとストッパー部16とが当接する際の衝撃を和らげることができ、当接による音の発生や可動側磁性体MM及び対向側磁性体TMの損傷を低減することができる。
<変形例7>
上記第2実施形態では、第1磁性体MT14、第2磁性体MT24、第3磁性体MT34及び第4磁性体MT44を用いて、可動側磁性体MM及び対向側磁性体TMを4組に構成したが、例えば図44(a)に示すように、第5磁性体MT54及び第6磁性体MT64、第7磁性体MT74及び第8磁性体MT84を更に設け、8組の可動側磁性体MM及び対向側磁性体TMとして構成しても良い。その際には、第5磁性体MT54の当接部TTq5に対してストッパー部26e、第6磁性体MT64の当接部TTq6に対してストッパー部26fを設け、当接部TTqとストッパー部26との距離が、ストッパー部26a、ストッパー部26b、ストッパー部26e、ストッパー部26fの順で、長くなるように構成する。同様にして、第7磁性体MT74の当接部TTq7に対してストッパー部26g、第8磁性体MT84の当接部TTq8に対してストッパー部26hを設け、当接部TTqとストッパー部26との距離が、ストッパー部26c、ストッパー部26d、ストッパー部26g、ストッパー部26hの順で、長くなるように構成する。これにより、Y1方向(一方向)に対して4つのポジションを与えることができ、4つのポジションに対して節度感(クリック感)が得られるようになる。同様にして、Y2方向(他方向)に対して4つのポジションを与えることができ、4つのポジションに対して節度感(クリック感)が得られるようになる。この4組或いは8組の可動側磁性体MMと対向側磁性体TMを用いる構成に限るものではなく、例えば、6組、8組以上であっても良い。
<変形例8>
図44(b)に示すように、上記第2実施形態の基体部21dと可動側磁性体MM及び対向側磁性体TMとの間に、合成樹脂で作製された緩衝部材C27(C27a、C27b)を設ける構成でも良い。これにより、対向側磁性体TMと基体部21dとが吸着して当接する際の衝撃を和らげることができ、当接による音の発生や対向側磁性体TMの損傷を低減することができる。
<変形例9>
上記第2実施形態においても、図示はしないが、変形例5と同様に、当接部TTqとストッパー部26との間に、合成樹脂で作製された緩衝部材を設ける構成でも良い。これにより、当接部TTqとストッパー部26とが当接する際の衝撃を和らげることができ、当接による音の発生を低減することができる。
<変形例10>
上記第2実施形態では、対となる可動側磁性体MMと対向側磁性体TMの両方ともに、永久磁石EM4とヨークYM4を組み合わせて用いた構成としたが、対となる可動側磁性体MMと対向側磁性体TMの少なくとも一方が永久磁石EM4であれば良く、例えば片方が電磁石であっても良い。また、永久磁石EM4のみの構成でも良い。但し、ヨークYM4の替わりに、当接部TTqを設けるための部材を用いる必要がある。
<変形例11>
上記第3実施形態では、可動側磁性体MMと対向側磁性体TMとが互いに吸引される位置、つまり当接している位置或いは少し離間している位置になるように対向配置するように好適に構成したが、可動側磁性体MMと対向側磁性体TMとの間に、合成樹脂で作製された緩衝部材を設ける構成でも良い。これにより、可動側磁性体MMと対向側磁性体TMとが吸着して当接する際の衝撃を和らげることができ、当接による音の発生や対向側磁性体TMの損傷を低減することができる。
<変形例12>
上記第3実施形態においても、図示はしないが、変形例5と同様に、当接部TTqとストッパー部36との間に、合成樹脂で作製された緩衝部材を設ける構成でも良い。これにより、当接部TTqとストッパー部36とが当接する際の衝撃を和らげることができ、当接による音の発生を低減することができる。
<変形例13>
上記第4実施形態では、固定部材43と傾倒部材42Aとで対向側磁性体TMの一部を挟持するようにして対向側磁性体TMを固定していたが、接着材或いはネジ止め等で、固定部材43或いは傾倒部材42Aのどちらか一方に対向側磁性体TMを固定する構成でも良い。その際には、固定部材43側に固定した場合、ストッパー部46は固定部材43側のみに設けられることになり、傾倒部材42A側に固定した場合、ストッパー部46は傾倒部材42A側のみに設けられることになる。
<変形例14>
上記実施形態では、操作装置101ないし操作装置104を電子制御方式の車両用シフト装置500、車両用シフト装置600、車両用シフト装置630及び車両用シフト装置700に好適に適用したが、これに限るものではなく、機械制御方式の車両用シフト装置にも適用できる。また、車両用シフト装置に限らず、ゲーム機等の入力装置にも適用できる。
<変形例15>
上記実施形態では、位置検出手段5S(第1位置検出手段51S、第2位置検出手段52S)として、回転型可変抵抗器を好適に用いたが、これに限るものではない。例えば磁気式のセンサを用い、可動側磁性体MM或いは対向側磁性体TMの動きを検出するようにしても良い。
本発明は上記実施の形態に限定されず、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更することが可能である。