以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態では、操作装置101及び車両用シフト装置500について説明する。先ず、操作装置101を用いた車両用シフト装置500について説明を行う。図1は、本発明の第1実施形態に係わる操作装置101を用いた車両用シフト装置500を説明する斜視図である。図2は、本発明の第1実施形態の係わる操作装置101を用いた車両用シフト装置500を説明する図であって、図2(a)は、図1に示すX2側から見た正面図であり、図2(b)は、図1に示すY2側から見た側面図である。図3は、本発明の第1実施形態に係わる操作装置101を用いた車両用シフト装置500を説明する分解斜視図である。
本発明の第1実施形態の操作装置101を用いた車両用シフト装置500は、図1及び図2に示すような箱状の外観を呈し、図3に示すように、操作者によって把持されるシフトノブ50Nと、操作者によるシフトノブ50Nの傾倒操作を受けて傾倒方向KDへの操作が行える操作装置101と、操作装置101からの信号を受けて車両側機器に信号を送信する制御部50Cと、操作装置101の操作部材1が位置する複数のポジションを検出する位置検出手段(図示していない)と、を備えて構成されている。他に、本発明の第1実施形態では、車両用シフト装置500は、図3に示すように、操作装置101の主要な部分(後述する図5に示す部分)を覆うように配設された箱状のケースK1と、ケースK1の開口部K1kを覆うカバーK2と、ケースK1に収容され制御部50Cが搭載された配線基板19と、を有している。そして、この車両用シフト装置500は、車両に搭載され、第前後の方向(傾倒方向KD、図2(a)に示すY方向)の傾倒操作が行える、車両のシフト操作のために用いられる。
先ず、車両用シフト装置500のシフトノブ50Nは、図1ないし図3に示すように、操作者によって把持し易いように細長い形状で形成され、図1及び図2に示すように、図3に示す操作装置101の操作部材1の操作軸1jを覆うようにして操作部材1に係合されて配設されている。
次に、車両用シフト装置500の制御部50Cは、集積回路(IC、Integrated Circuit)を用いて構成され、操作装置101の箱状のケースK1に収容された配線基板19(図3を参照)に搭載されている。そして、制御部50Cは、図示していないコネクタを介して車両側機器に接続され、シフトノブ50Nの傾倒操作を受けて操作がされた位置情報信号を車両側機器に送信している。この位置情報信号を受けて、車両側では、シフトパターンに対応した動作を行うとともに、シフトパターンにおけるシフトノブ50Nのポジションをインストルメントパネル等に設けられた表示部に表示するようにしている。
次に、車両用シフト装置500の位置検出手段は、図示はしていないが、抵抗体パターンが形成された基板と抵抗パターンを摺接する摺動子とから構成される回転型可変抵抗器を用いており、傾倒方向KDの傾倒操作での複数のポジションを検出するための位置検出器を有している。そして、この位置検出器は、操作装置101の箱状のケースK1に収容されている。なお、後述するが、位置検出器が支持体2の傾倒軸12e(後述する図5を参照)に係合されて傾倒軸12eの回転角度を検出している。
また、位置検出手段には、位置検出器からのそれぞれの信号を処理する信号処理部52Sを有しており、信号処理部52Sは、図3に示すように、配線基板19に搭載されている。また、信号処理部52Sは、図示しないフレキシブルプリント基板(FPC、Flexible printed circuits)を介して、位置検出器に接続されている。そして、信号処理部52Sは、位置検出器からの信号に基づいて傾倒軸12eの回転角度を算出し、この回転角度から操作部材1の傾倒方向KDへの移動を検出している。
最後に、車両用シフト装置500のケースK1、カバーK2及び配線基板19について説明する。先ず、車両用シフト装置500のケースK1は、ポリブチレンテレフタレート(PBT、poly butylene terephtalate)等の合成樹脂材を成形して作製されており、図3に示すように、一方面が開放された開口部K1kを有して、矩形状で箱状に形成されている。そして、このケースK1は、操作装置101の主要部分、制御部50C、位置検出手段及び配線基板19等を収容し、図示はしていないが、カバーK2と係合している。
また、ケースK1には、図3に示すように、その中央部分に円形の貫通穴K1hが形成されており、この貫通穴K1hに操作部材1の操作軸1jが挿通されて、ケースK1の上面側に操作軸1jが露出している。また、ケースK1には、その側面に軸受け穴K1jが形成されており、この軸受け穴K1jに後述する支持体2の固定軸52jが挿通されて係合され、後述する支持体2の枠体32がケースK1に固定される。
次に、車両用シフト装置500のカバーK2は、ケースK1と同じように、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等の合成樹脂材を成形して作製されており、図3に示すように、板状に形成されて、ケースK1の開口部K1kを覆うようにして配設されている(図1及び図2を参照)。そして、図示はしていないが、カバーK2はケースK1と係合されている。
最後に、車両用シフト装置500の配線基板19は、一般的な片面のプリント配線板(printed wiring board)を用いており、前述したように、制御部50C及び信号処理部52Sが搭載されている(図3を参照)。また、配線基板19には、図示はしていないが、位置検出器と信号処理部52Sとの電気的接続のためのフレキシブルプリント基板(FPC)が接続されているとともに、外部機器との接続のためのコネクタが搭載されている。
ここで、本発明の第1実施形態における、操作装置101を用いた車両用シフト装置500のシフト操作について、図4を用いて具体的に説明する。図4は、本発明の第1実施形態に係わる操作装置101を用いた車両用シフト装置500の操作を具体的に説明する図であって、図4(a)は、車両のシフトの配置(シフトパターン)を示した平面図であり、図4(b)は、シフトノブ50Nのポジション位置を示した平面図である。図4(a)に示すシフトパターンは、前述したインストルメントパネル等に設けられた表示部に表示される。また、図4(b)に示すポジション位置は、シフトノブ50N(操作部材1)が操作されて、操作部材1が移動した位置を模式化したものである。
本発明の第1実施形態の車両用シフト装置500は、シフトノブ50Nが変速機に直接接続されている機械制御方式の車両ではなく、電子制御方式の車両に適用される。故に、操作装置101から送信されるシフト位置の情報信号だけで、車両のシフト操作が行われる。このシフト位置は、前述したインストルメントパネル等に設けられた表示部に表示されたシフトパターンに示されている。
例えば、シフトノブ50N(操作部材1)が図4(b)に示す基準ポジションP2に位置し、シフト位置が図4(a)に示すニュートラルモード“N”に位置する場合、シフトノブ50Nを傾倒方向KDのY1方向に傾倒操作して、図4(b)に示す前1段ポジションS21にすると、図4(a)に示すリバースモード“R”にシフト位置が移動したと、情報信号が車両側に送信され、車両のシフト操作が行われる。そして、操作者は、操作が完了したためシフトノブ50Nから手を離すので、シフトノブ50Nが自動復帰して、基準ポジションP2に戻るようになる。
また、その後の操作で、基準ポジションP2に位置するシフトノブ50Nを傾倒方向KDのY2方向に傾倒操作し、図4(b)に示す後1段ポジションS23、後2段ポジションS24と順に操作すると、リバースモード“R”にあったシフト位置が、図4(a)に示すニュートラルモード“N”、ドライブモード“D”へと順に移動する。この操作を受けて、図4(a)に示すドライブモード“D”にシフト位置が移動したと、情報信号が車両側に送信され、車両のシフト操作が行われる。そして、操作者は、操作が完了したためシフトノブ50Nから手を離すので、シフトノブ50Nが自動復帰して、基準ポジションP2に戻るようになる。
このようにして、車両用シフト装置500は、リバースモード“R”、ニュートラルモード“N”及びドライブモード“D”を有するオート操作に対して、基準位置であるオート操作ポジションを操作装置101の操作部材1の基準ポジションP2に割り付けて使用している。この際に、前述したように、リバースモード“R”からドライブモード“D”に切り換えるため、操作装置101の操作部材1は、後1段ポジションS23、後2段ポジションS24とY2方向に2段に傾倒操作できるようになっている。
同様にして、ドライブモード“D”からリバースモード“R”に切り換えるため、操作装置101の操作部材1は、図4(b)に示す前1段ポジションS21、前2段ポジションS22とY1方向に2段に傾倒操作できるようになっている。なお、図2(a)及び図3でも、説明を分かり易くするため、傾倒操作の傾倒方向KDを図示している。
次に、操作装置101について説明する。図5は、本発明の第1実施形態の操作装置101を説明する図であって、主要部分の斜視図である。なお、図5は、操作部材1が、基準ポジションP2に位置する状態で、傾倒方向KDの傾倒操作がされない基準位置にある場合を示している。図6は、図5に示す支持体2の枠体32及び固定軸52jを省略して模式化した正面図であって、図6(a)は、傾倒方向KDの傾倒操作がされない基準位置の状態を示し、図6(b)は、操作部材1がY1方向に傾倒された状態を示し、図6(c)は、操作部材1がY2方向に傾倒された状態を示している。
本発明の第1実施形態の操作装置101は、図5に示すような外観を呈し、図5に示すように、操作者の操作を受けて傾倒動作可能な操作部材1と、操作部材1を傾倒動作可能に支持する支持体2と、操作部材1と連動して傾倒動作する複数の可動部材HKと、図6に示すように、可動部材HKにそれぞれ支持され互いに対向する一対の可動側磁性体MMと、可動側磁性体MMの回動動作を止めるストッパー部6(後述する図9及び図10を参照)と、を備えて構成されている。他に、本発明の第1実施形態では、操作装置101は、図6に示すように、互いに対向する一対の可動側磁性体MMの間に配置された対向側磁性体TMと、を有している。そして、操作装置101は、操作者の傾倒操作を受けて、操作部材1が傾倒方向KD(図4に示すY1方向及びY2方向)の傾倒動作が行える装置となっている。
先ず、操作装置101の操作部材1について説明する。図7は、操作部材1を説明する図であって、図7(a)は、操作部材1の斜視図であり、図7(b)は、図7(a)をX2側から見た操作部材1の正面図である。
操作部材1は、ポリブチレンテレフタレート(PBT、polybutyleneterephtalate)等の合成樹脂材を成形して作製されており、図7に示すように、垂直方向(図5に示すZ方向)に延設された柱状の操作軸1jと、操作軸1jの他端側に設けられ操作軸1jの軸中心が貫く平面に広がる基体部1dと、を有して構成されている。そして、操作部材1の操作軸1jには、前述したように、車両用シフト装置500のシフトノブ50Nが覆われて配設されている。なお、操作部材1として合成樹脂材を用いたが、これに限るものではなく、例えば、亜鉛(Zn)等の金属材を用いても良い。
操作部材1の操作軸1jは、図7に示すように、円柱形状で形成され、基体部1dを貫いて形成されている。また、操作軸1jは、図2に示すように、上方部分(ケースK1の上面から露出する部分)がシフトノブ50Nに覆われて、シフトノブ50Nと係合されている。なお、操作軸1jとシフトノブ50Nとの係合構造については、一般的に広く用いられる係合構造を適用できるので、詳細な説明は省略する。
操作部材1の基体部1dは、図7に示すように、操作軸1jを挟んで左右(図7に示すY1方向及びY2方向)に延設して形成されており、その中央部分には、基体部1dの延設方向(図7に示すY方向)と直交する方向(図7に示すX方向)に貫く貫通孔1hが設けられている。この貫通孔1hには、操作部材1の傾倒動作を可能にする支持体2の傾倒軸12eが挿通されて嵌合されている。そして、操作部材1の傾倒方向KD(図7に示すY方向)への傾倒動作に伴って、基体部1dも連動して傾倒動作を行うように構成されている。
また、基体部1dは、操作装置101が組み立てられた際には、図6に示すように、複数の可動部材HKの間に配設されて、基体部1dが傾倒軸12eを軸中心として回動した際には、可動部材HKと当接するように構成されている。そして、基体部1dには、図7(b)に示すように、可動部材HK(後述する第1可動部材H13)に対して平行で対向した第1押圧部11pと、可動部材HK(後述する第2可動部材H23)に対して傾斜して対向した第2押圧部21pと、を有している。この第1押圧部11pと第2押圧部21pとは、傾倒軸12eを挟んで操作軸1jの両側にそれぞれ設けられている。また、本発明の第1実施形態では、可動部材HK(後述する第3可動部材H33)に対して平行で対向した第3押圧部31pと、可動部材HK(後述する第4可動部材H43)に対して傾斜して対向した第4押圧部41pと、を有している。この第3押圧部31pと第4押圧部41pとは、傾倒軸12eを挟んで操作軸1jの両側にそれぞれ設けられている。
次に、操作装置101の支持体2について説明する。図8は、支持体2を説明する図であって、図8(a)は、支持体2である枠体32の上方斜視図であり、図8(b)は、枠体32の下方斜視図である。
支持体2は、図5に示すように、操作部材1の傾倒動作(傾倒方向KDへの傾倒動作)を可能にする傾倒軸12eと、傾倒軸12eが挿通されて傾倒軸12eを回動可能に支持している枠体32と、軸線方向が傾倒軸12eと直交する固定軸52jと、から主に構成されている。
先ず、支持体2の傾倒軸12eは、鉄等の軟磁性体からなり、円柱形状に形成されている。そして、操作装置101が組み立てられた際には、この傾倒軸12eは、操作部材1(基体部1d)の貫通孔1hに挿通されて操作部材1と嵌合されるとともに、複数の可動部材HKと係合し可動部材HKの傾倒方向KD(図6に示すY方向)への傾倒動作を可能に支持している。
次に、支持体2の枠体32は、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等の合成樹脂材を成形して作製されており、図8に示すように、矩形状で枠状に形成されている。そして、操作装置101が組み立てられた際には、図5に示すように、枠体32の枠内に、操作部材1の基体部1d、複数の可動側磁性体MM、複数の対向側磁性体TM及び複数の可動部材HKが収容される。
また、枠体32には、図8に示すように、対向する長辺壁にそれぞれ穴部32hが形成されており、この穴部32hに傾倒軸12eが挿通されて(図5を参照)、傾倒軸12eが枠体32に回動可能に支持されている。これにより、この傾倒軸12eを軸中心(回動中心)として、操作部材1が傾倒方向KDへの回動できるとともに、基体部1dもこの傾倒軸12eを軸中心として回動することができる。
また、枠体32には、図8に示すように、枠体32の長手方向(図8に示すY方向)の側壁(短辺壁)にそれぞれ孔部32kが形成されており、この孔部32kに固定軸52jが挿通されて枠体32に固定される(図5を参照)。そして、操作装置101が組み立てられた際には、この固定軸52jは、ケースK1に設けられた軸受け穴K1j挿通されて、ケースK1の固定される(図3を参照)。
また、枠体32の長辺壁側には、図8に示すように、枠体32の枠内に向けて延出された爪部32tが、上下(図8に示すZ方向)に対向して1対、この1対が左右(図8に示すX方向)に対向してもう一組、更にこの一組が長手方向(図8に示すY方向)に一組、設けられている。そして、詳細な図示はしていないが、対向側磁性体TMの端部がこの爪部32tに嵌合されて、対向側磁性体TMが枠体32に保持されるようになる。
次に、操作装置101の可動部材HKについて説明する。可動部材HKは、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等の合成樹脂材である非磁性体からなり、図6(c)に示すように、基体部1dの第1押圧部11pと対向して配設された第1可動部材H13と、図6(a)に示すように、基体部1dの第2押圧部21pと対向して配設された第2可動部材H23と、図6(b)に示すように、基体部1dの第3押圧部31pと対向して配設された第3可動部材H33と、図6(a)に示すように、基体部1dの第4押圧部41pと対向して配設された第4可動部材H43と、を有して構成されている。そして、この複数の可動部材HKは、操作部材1の傾倒操作と連動して傾倒動作する。
また、可動部材HKの第1可動部材H13と第2可動部材H23とは、図6に示すように、支持体2の傾倒軸12eを挟んでそれぞれ設けられており、第1可動部材H13及び第2可動部材H23の一端側が傾倒軸12eに回動可能に遊嵌されて、傾倒軸12eを中心にしてそれぞれが回動するようになっている。そして、操作部材1が一方向(図6(b)に示すY1方向)に傾倒操作された際に、基体部1dの傾倒操作方向(一方向への傾倒操作方向)に傾倒動作する基体部1dの第1押圧部11pにより、第1押圧部11pと対向する第1可動部材H13が押圧され、更に傾倒操作が一方向に継続された際に、第1押圧部11p側(図6(b)に示すY2方向側)と傾倒軸12eを挟んで反対側(図6(b)に示すY1方向側)にある基体部1dの第2押圧部21pにより、第2押圧部21pと対向する第2可動部材H23が押圧されるように構成されている。
また、可動部材HKの第3可動部材H33と第4可動部材H43とは、図6に示すように、支持体2の傾倒軸12eを挟んでそれぞれ設けられており、第3可動部材H33及び第4可動部材H43の一端側が傾倒軸12eに回動可能に遊嵌されて、傾倒軸12eを中心にしてそれぞれが回動するようになっている。そして、操作部材1が他方向(図6(c)に示すY2方向)に傾倒操作された際に、基体部1dの傾倒操作方向(他方向への傾倒操作方向)に傾倒動作する基体部1dの第3押圧部31pにより、第3押圧部31pと対向する第3可動部材H33が押圧され、更に傾倒操作が他方向に継続された際に、第3押圧部31p側(図6(c)に示すY2方向側)と傾倒軸12eを挟んで反対側(図6(c)に示すY1方向側)にある基体部1dの第4押圧部41pにより、第4押圧部41pと対向する第4可動部材H43が押圧されるように構成されている。
また、複数の可動部材HKのそれぞれには、傾倒軸12eと平行な支持軸5を有しており、この支持軸5を軸中心として可動側磁性体MMが揺動可能に支持されている。これにより、例えば図6(b)に示すように、可動部材HK(第1可動部材H13)が傾倒動作しても、支持軸5に支持された可動側磁性体MM(後述する第1可動側磁性体M14)が他方の可動側磁性体MM(後述する第3可動側磁性体M34)に吸引される向きに揺動される。言い換えると、支持軸5に支持された可動側磁性体MMは、初期の水平な姿勢を保って、他方の可動側磁性体MMと引き合いながら対向し、他方の可動側磁性体MMとの間隔を左右で均等にあけながら移動するようになる。このため、可動側磁性体MMが可動部材HKに固定されて可動部材HKと同じように傾倒動作する場合と比較して、傾倒軸12eに近い側の一対の可動側磁性体MM間の間隔を広くすることができる。このことにより、支持軸5をより傾倒軸12eに近い側に設けることができるので、傾倒方向KDにおける可動側磁性体MMの配置間隔を小さくすることができる。従って、操作装置101の小型化を図ることができる。
次に、操作装置101の対向側磁性体TM及び可動側磁性体MMについて説明する。先ず、操作装置101の対向側磁性体TMは、矩形で板状形状の永久磁石からなり、図6に示すように、操作部材1の基体部1dを挟んで、第1可動部材H13(第3可動部材H33)側に配設された第1対向側磁性体T14と、第2可動部材H23(第4可動部材H43)側に配設された第2対向側磁性体T24と、を有して構成されている。また、対向側磁性体TMは、一対の可動側磁性体MMの間に配設されている。つまり、第1対向側磁性体T14が一対の第1可動側磁性体M14及び第3可動側磁性体M34の間に配設されているとともに、第2対向側磁性体T24が一対の第2可動側磁性体M24及び第4可動側磁性体M44の間に配設されている。これにより、永久磁石(対向側磁性体TM)の発生する磁束が一対の可動側磁性体MM間に働き、一対の可動側磁性体MM同士が吸引し合うこととなる。
また、本発明の第1実施形態では、対向側磁性体TM(第1対向側磁性体T14及び第2対向側磁性体T24)は、詳細な図示はしていないが、図8に示す枠体32内に収容されて枠体32に固定されている。つまり、対向側磁性体TMは、操作部材1の傾倒動作と連動しない枠体32に保持されているので、操作者の傾倒操作に関わらず、一定の位置に固定される。
次に、操作装置101の可動側磁性体MMは、鉄等の軟磁性体からなり、図7及び図8(b)に示すように、第1可動部材H13に支持された第1可動側磁性体M14と、第2可動部材H23に支持された第2可動側磁性体M24と、第3可動部材H33に支持された第3可動側磁性体M34と、第4可動部材H43に支持された第4可動側磁性体M44と、から構成されている。そして、第1可動側磁性体M14と第3可動側磁性体M34とが対をなして、第1対向側磁性体T14を間に挟み、第2可動側磁性体M24と第4可動側磁性体M44とが対をなして、第2対向側磁性体T24を間に挟み、一対の可動側磁性体MM同士が近づけられて配置されていて互いに吸引されている。なお、図6では、可動側磁性体MMと対向側磁性体TMとの間が一定間隔を有しているように図示されているが、この間には、可動側磁性体MMと対向側磁性体TMが直接当接する際に生じる当接音を防止するために、図示していない緩衝部材が可動側磁性体MM側或いは対向側磁性体TMに設けられている。
また、可動側磁性体MM(第1可動側磁性体M14、第2可動側磁性体M24、第3可動側磁性体M34及び第4可動側磁性体M44)は、全体が矩形で板状形状をしており、可動側磁性体MMの両端側のそれぞれが互いの端面同士が対向するようにして曲げられている。これにより、対向側磁性体TM(永久磁石)の発生する磁束が一対の可動側磁性体MM間でより閉じ込められることとなり、一対の可動側磁性体MM間の吸引力を高めることができる。
また、可動側磁性体MMは、非磁性体の可動部材HKに支持されているので、例えば軟磁性体からなる可動部材に支持されている場合と比較して、一対の可動側磁性体MM間で磁束が閉じ込められ、一対の可動側磁性体MM間の吸引力をより強めることができる。これにより、同等な吸引力を得ようとした場合には、対向側磁性体TMを小さくすることができ、高価な永久磁石(対向側磁性体TM)を小さくすることができ、操作装置101を安く作製することができる。
次に、操作装置101のストッパー部6について説明する。ストッパー部6は、操作部材1が基準位置(基準ポジションP2)から傾倒方向KDに傾倒されて次の複数のポジションに位置する際に、一対の可動側磁性体MMの内、他方の可動側磁性体MMの回動動作を止める機能を有している。つまり、本発明の第1実施形態では、ストッパー部6は、支持体2の枠体32に保持された対向側磁性体TMに設けられている。
以下に、図9及び図10に示す模式図を交えながら、操作装置101における傾倒方向KDへの動きについて説明することにより、ストッパー部6の詳細を説明することとする。また、傾倒方向KDに移動する動きについては、基準ポジションP2を基準位置として(図4(b)を参照)、操作者の傾倒操作によって行われる動きについて詳細に説明する。図9は、本発明の第1実施形態の操作装置101における動作を説明する模式図であって、図9(a)は、基準位置の状態の図であり、図9(b)は、一方向(図9に示すY1方向)に傾倒した状態の図であり、図9(c)は、図9(b)より更に一方向に傾倒した状態の図である。図10は、本発明の第1実施形態の操作装置101における動作を説明する模式図であって、図10(a)は、図9(a)と同じ基準位置の状態の図であり、図10(b)は、他方向(図10に示すY2方向)に傾倒した状態の図であり、図10(c)は、図10(b)より更に他方向に傾倒した状態の図である。
先ず、傾倒方向KDにおける操作部材1の一方向(図6(b)に示すY1方向)の傾倒動作について説明する。操作部材1が基準ポジションP2の基準位置にある際には、図9(b)に示すように、操作部材1の基体部1dは、Y方向に対して水平が保たれており、この基体部1dと対向した4つの可動部材HK(第1可動部材H13、第2可動部材H23、第3可動部材H33、第4可動部材H43)も水平が保たれている。そして、4つの可動部材HKに支持された第1可動側磁性体M14と第3可動側磁性体M34、及び第2可動側磁性体M24と第4可動側磁性体M44が、それぞれ第1対向側磁性体T14及び第2可動側磁性体M24を間に挟み、近接して対向配設されている。これにより、操作部材1が基準位置(基準ポジションP2)にある場合には、対向側磁性体TMを挟んでそれぞれの可動側磁性体MMとがすべて吸引されて吸着しているので、操作部材1にガタツキが生じないという効果を奏している。
次に、操作者により操作部材1が図9(a)に示す基準位置(基準ポジションP2)から一方向(図9(b)に示すY1方向)に傾倒操作されると、傾倒軸12eを回動中心として操作部材1の回動が行われ、傾倒操作側と反対側(図9(b)に示すY2方向側)にある基体部1dの第1押圧部11pが対向する第1可動部材H13を押圧し、第1可動部材H13が傾倒軸12eに対して上方側に回動するようになる。そして、第1可動部材H13に支持された第1可動側磁性体M14も傾倒軸12eに対して回動動作する。その際には、第1可動側磁性体M14が支持軸5を軸中心として揺動可能に支持されているので、第1可動側磁性体M14は、他方の第3可動側磁性体M34に吸引され初期の水平な姿勢を保ちながら移動するようになる。
一方、第1可動側磁性体M14と対をなす他方の第3可動側磁性体M34は、緩衝部材を介して第1対向側磁性体T14に吸着しており、第3可動側磁性体M34における一方向への回動動作が、枠体32に保持されて一定の位置に固定された第1対向側磁性体T14によって止められることとなる。そして、図9(b)に示すように、第1可動側磁性体M14と第3可動側磁性体M34とが離反し、第1可動側磁性体M14と第3可動側磁性体M34との強い吸引状態から弱い吸引状態へ変化する。その際には、操作部材1は、基準ポジションP2から前1段ポジションS21(図4(b)を参照)に位置するようになり、操作者に対して、基準ポジションP2から前1段ポジションS21に移動する際の節度感(クリック感)が得られるようになる。なお、本発明の第1実施形態では、第3可動側磁性体M34の回動動作を止めているのは、第1対向側磁性体T14、強いて云うなら第3可動側磁性体M34と対向する第1対向側磁性体T14の面であり、この面がストッパー部6(説明を分かり易くするためストッパー部6aとする)となっている。
更に、操作者により図9(b)に示す位置(前1段ポジションS21)から一方向(Y1方向)への傾倒操作が継続されると、操作部材1の更なる回動が行われ、傾倒操作側(図9(b)に示すY1方向側)にある基体部1dの第2押圧部21pが対向する第2可動部材H23を押圧し、第2可動部材H23が傾倒軸12eに対して下方側に回動するようになる。そして、第2可動部材H23に支持された第2可動側磁性体M24も傾倒軸12eに対して回動動作する。その際には、第2可動側磁性体M24が支持軸5を軸中心として揺動可能に支持されているので、第2可動側磁性体M24は、他方の第4可動側磁性体M44に吸引され初期の水平な姿勢を保ちながら移動するようになる。
一方、第2可動側磁性体M24と対をなす他方の第4可動側磁性体M44は、緩衝部材を介して第2対向側磁性体T24に吸着しており、第4可動側磁性体M44における一方向への回動動作が、枠体32に保持されて一定の位置に固定された第2対向側磁性体T24によって止められることとなる。そして、図9(c)に示すように、第2可動側磁性体M24と第4可動側磁性体M44とが離反し、第2可動側磁性体M24と第4可動側磁性体M44との強い吸引状態から弱い吸引状態へ変化する。その際には、操作部材1は、前1段ポジションS21から前2段ポジションS22(図4(b)を参照)に位置するようになり、操作者に対して、前1段ポジションS21から前2段ポジションS22に移動する際の節度感(クリック感)が得られるようになる。なお、本発明の第1実施形態では、第4可動側磁性体M44の回動動作を止めているのは、第2対向側磁性体T24、強いて云うなら第4可動側磁性体M44と対向する第2対向側磁性体T24の面であり、この面がストッパー部6(説明を分かり易くするためストッパー部6bとする)となっている。
以上のように構成された本発明の第1実施形態の操作装置101は、操作部材1が基準位置(基準ポジションP2)から傾倒されて複数のポジションに位置する際には、図9に示すように、各複数のポジションに対応したストッパー部6をそれぞれ有している。具体的には、図4(b)に示す前1段ポジションS21に対応して、ストッパー部6aが設けられ、図4(b)に示す前2段ポジションS22に対応して、ストッパー部6bが設けられている。
これにより、例えば基準位置(基準ポジションP2)から次のポジション(前1段ポジションS21)、次のポジション(前1段ポジションS21)から更に次のポジション(前2段ポジションS22)への切り換えに際し、一方の可動側磁性体MMにおける一方向への回動動作が継続されるとともに、それぞれに対応したストッパー部6(6a、6b)により他方の可動側磁性体MMの回動動作が止められることとなる。このため、各ポジションにおいて、一対の可動側磁性体MM同士が引き剥がされて、お互い離反するようになり、その際の強い吸引状態から弱い吸引状態への変化により、操作者に対して、節度感を与えることができる。このことにより、従来例と比較して、節度感を生じさせる部分に摺動機構がないため、耐久性が優れている操作装置101を提供することができる。
更に、永久磁石(対向側磁性体TM)を挟んで一対の可動側磁性体MMを配設して、互いを離反させた構成としたので、最小限(1個)の永久磁石で、非接触での節度感を得られることができる。このため、高価な永久磁石を極力少なくすることができ、操作装置101を安く作製することができる。
また、本発明の第1実施形態の操作装置101では、操作部材1が一方向(図9に示すY1方向)に傾倒操作された際に、基体部1dの第1押圧部11pが第1可動部材H13を押圧し、第1可動部材H13に支持された第1可動側磁性体M14が傾倒軸12eに対して回動動作され、ストッパー部6(6a)が第3可動部材H33に支持された第3可動側磁性体M34の回動動作を止め、更に傾倒操作が一方向(傾倒操作方向)に継続された際に、第2押圧部21pが第2可動部材H23を押圧し、第2可動部材H23に支持された第2可動側磁性体M24が傾倒軸12eに対して回動動作され、ストッパー部6(6b)が第4可動部材H43に支持された第4可動側磁性体M44の回動動作を止めるように、具体的に構成されている。これにより、回動動作している第1可動側磁性体M14とストッパー部6aに止められた第3可動側磁性体M34とが容易に離反して、更に傾倒操作が一方向に継続された際に、傾倒軸12eを挟んで反対側にあり、回動動作している第2可動側磁性体M24とストッパー部6bに止められた第4可動側磁性体M44とが容易に離反するようになる。このことにより、各ポジション(前1段ポジションS21及び前2段ポジションS22)に対応して、一対の第1可動側磁性体M14と第3可動側磁性体M34とを容易に離反させることができるとともに、一対の第2可動側磁性体M24と第4可動側磁性体M44とを容易に離反させることができる。従って、節度感を有した操作装置101を容易に作製することができる。
一方、本発明の第1実施形態の操作装置101では、操作部材1の他方向(図6(c)に示すY2方向)の傾倒操作においても、同様な構成を有している。そこで、傾倒方向KDにおける操作部材1の他方向(図10に示すY2方向)の傾倒動作についても説明する。
先ず、操作者により操作部材1が図10(a)に示す基準位置(基準ポジションP2)から他方向(図10(b)に示すY2方向)に傾倒操作されると、傾倒軸12eを回動中心として操作部材1の回動が行われ、傾倒操作側(図10(b)に示すY2方向側)にある基体部1dの第3押圧部31pが対向する第3可動部材H33を押圧し、第3可動部材H33が下方側に回動するようになる。そして、第3可動部材H33に支持された第3可動側磁性体M34も傾倒軸12eに対して回動動作する。その際には、第1可動側磁性体M14が支持軸5を軸中心として揺動可能に支持されているので、第1可動側磁性体M14は、他方の第3可動側磁性体M34に吸引され初期の水平な姿勢を保ちながら移動するようになる。
一方、第3可動側磁性体M34と対をなす他方の第1可動側磁性体M14は、緩衝部材を介して第1対向側磁性体T14に吸着しており、第1可動側磁性体M14における他方向への回動動作が、枠体32に保持されて一定の位置に固定された第1対向側磁性体T14によって止められることとなる。そして、図10(b)に示すように、第1可動側磁性体M14と第3可動側磁性体M34とが離反し、第1可動側磁性体M14と第3可動側磁性体M34との強い吸引状態から弱い吸引状態へ変化する。その際には、操作部材1は、基準ポジションP2から後1段ポジションS23(図4(b)を参照)に位置するようになり、操作者に対して、基準ポジションP2から後1段ポジションS23に移動する際の節度感(クリック感)が得られるようになる。なお、本発明の第1実施形態では、第1可動側磁性体M14の回動動作を止めているのは、第1対向側磁性体T14、強いて云うなら第1可動側磁性体M14と対向する第1対向側磁性体T14の面であり、この面がストッパー部6(説明を分かり易くするためストッパー部6cとする)となっている。
更に、操作者により図10(b)に示す位置(後1段ポジションS23)から他方向(Y2方向)への傾倒操作が継続されると、操作部材1の更なる回動が行われ、傾倒操作側とは反対側(図10(b)に示すY1方向側)にある基体部1dの第4押圧部41pが対向する第4可動部材H43を押圧し、第4可動部材H43が上方側に回動するようになる。そして、第4可動部材H43に支持された第4可動側磁性体M44も傾倒軸12eに対して回動動作する。その際には、第4可動側磁性体M44が支持軸5を軸中心として揺動可能に支持されているので、第4可動側磁性体M44は、他方の第2可動側磁性体M24に吸引され初期の水平な姿勢を保ちながら移動するようになる。
一方、第4可動側磁性体M44と対をなす他方の第2可動側磁性体M24は、緩衝部材を介して第2対向側磁性体T24に吸着しており、第2可動側磁性体M24における他方向への回動動作が、枠体32に保持されて一定の位置に固定された第2対向側磁性体T24によって止められることとなる。そして、図10(c)に示すように、第2可動側磁性体M24と第4可動側磁性体M44とが離反し、第2可動側磁性体M24と第4可動側磁性体M44との強い吸引状態から弱い吸引状態へ変化する。その際には、操作部材1は、後1段ポジションS23から後2段ポジションS24(図4(b)を参照)に位置するようになり、操作者に対して、後1段ポジションS23から後2段ポジションS24に移動する際の節度感(クリック感)が得られるようになる。なお、本発明の第1実施形態では、第2可動側磁性体M24の回動動作を止めているのは、第2対向側磁性体T24、強いて云うなら第2可動側磁性体M24と対向する第2対向側磁性体T24の面であり、この面がストッパー部6(説明を分かり易くするためストッパー部6dとする)となっている。
以上のように構成された本発明の第1実施形態の操作装置101は、操作部材1が他方向(図10に示すY2方向)に傾倒操作された際に、基体部1dの第3押圧部31pが第3可動部材H33を押圧し、第3可動部材H33に支持された第3可動側磁性体M34が回動動作され、ストッパー部6(6c)が第1可動部材H13に支持された第1可動側磁性体M14の回動動作を止め、更に傾倒操作が他方向(傾倒操作方向)に継続された際に、第4押圧部41pが第4可動部材H43を押圧し、第4可動部材H43に支持された第4可動側磁性体M44が回動動作され、ストッパー部6(6d)が第2可動部材H23に支持された第2可動側磁性体M24の回動動作を止めるように、具体的に構成されている。これにより、回動動作している第3可動側磁性体M34とストッパー部6cに止められた第1可動側磁性体M14とが容易に離反して、更に傾倒操作が他方向に継続された際に、傾倒軸12eを挟んで反対側にあり、回動動作している第4可動側磁性体M44とストッパー部6dに止められた第2可動側磁性体M24とが容易に離反するようになる。このことにより、各ポジション(後1段ポジションS23及び後2段ポジションS24)に対応して、一対の第1可動側磁性体M14と第3可動側磁性体M34とを容易に離反させることができるとともに、一対の第2可動側磁性体M24と第4可動側磁性体M44とを容易に離反させることができる。従って、節度感を有した操作装置101を容易に作製することができる。
また、本発明の第1実施形態では、操作部材1をY1方向或いはY2方向に傾倒させて、図9(b)及び図9(c)或いは図10(b)及び図10(c)に示すように、一対の可動側磁性体MM(第1可動側磁性体M14及び第3可動側磁性体M34、第2可動側磁性体M24及び第4可動側磁性体M44)が離反した際に、一対の可動側磁性体MM同士がそれぞれの間に働く吸引力が消失しない位置にそれぞれ配設されている。これにより、例えば各ポジション(前1段ポジションS21、前2段ポジションS22、後1段ポジションS23及び後2段ポジションS24)において、操作者による傾倒操作の力が取り除かれたときに、引き剥がされた一対の可動側磁性体MM同士が互いの吸引力により再び吸引することとなる。このことにより、自動復帰のための復帰部材を使用しなくても、操作部材1を基準位置(基準ポジションP2)に自動復帰させることができる。
また、上述した複数の可動側磁性体MM同士の配設位置関係の他に、下記のような配設位置関係にして複数の可動側磁性体MM同士を配設しても良い。つまり、第1可動側磁性体M14と第3可動側磁性体M34とが離反してから第2可動側磁性体M24と第4可動側磁性体M44とが離反する迄に、一対の第1可動側磁性体M14と第3可動側磁性体M34とをそれぞれの間に働く吸引力が消失しない位置に配設するようにし、第2可動側磁性体M24と第4可動側磁性体M44とが離反した際に、第1可動側磁性体M14と第3可動側磁性体M34の間に働く吸引力が消失したとしても、一対の第2可動側磁性体M24と第4可動側磁性体M44とをそれぞれの間に働く吸引力が消失しない位置に配設するようにすると良い。これにより、操作者による傾倒操作の力が取り除かれたときに、先ず、第2可動側磁性体M24と第4可動側磁性体M44との吸着が行われ、次に、第1可動側磁性体M14と第3可動側磁性体M34との吸着が行われて、自動復帰のための復帰部材を使用しなくても、操作部材1を基準位置に自動復帰させることができる。
以上のように、本発明の第1実施形態の操作装置101は、図4(a)に示すシフトの配置(シフトパターン)を有した車両用シフト装置500に好適に適用することができる。つまり、本発明の第1実施形態の車両用シフト装置500が各ポジション(前1段ポジションS21、前2段ポジションS22、基準ポジションP2、後1段ポジションS23、後2段ポジションS24)への操作が行えるシフトの配置(シフトパターン)を有しているので、操作装置101は、この車両用シフト装置500に好適に適用することができる。これにより、車両用シフト装置500は、節度感を有したシフト操作を行うことができ、しかも従来例と比較して、節度感を生じさせる部分に摺動機構がないため、耐久性が優れた車両用シフト装置500となる。
更に、操作装置101の操作部材1が基準位置にある場合には、対向側磁性体TMを挟んで、一対の可動側磁性体MM同士がすべて吸引されて吸着しているので、操作部材1に係合されたシフトノブ50Nが基準位置にある際に、車両が走行中であってもシフトノブ50Nにガタツキが生じなく、車両用シフト装置500に、より一層好適である。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、例えば次のように変形して実施することができ、これらの実施形態も本発明の技術的範囲に属する。
<変形例1>
上記第1実施形態では、ストッパー部6として、支持体2の枠体32に保持された対向側磁性体TMの面を好適に用いたが、これに限るものではなく、一対の可動側磁性体MMの他方の回動動作を止める機構を別途設けるようにしても良い。
<変形例2><変形例3>
上記第1実施形態では、対向側磁性体TM(第1対向側磁性体T14及び第2対向側磁性体T24)を支持体2の枠体32に保持する構成としたが、これに限るものではない。例えば、可動側磁性体MMの一方に固定して可動側磁性体MMと一緒に回動動作する構成でも良い(変形例2)。その際には、一対の可動側磁性体MMの他方の回動動作を止める機構を別途設ける必要がある。また、対向側磁性体TMを支持体2の枠体32に保持する構成と可動側磁性体MMの一方に固する構成を適宜組み合わせても良い(変形例3)。
<変形例4>
上記第1実施形態では、支持体2の傾倒軸12eを好適に軟磁性体で作製したが、これに限るものではない。例えば、非磁性のアルミニウムや銅合金等の金属材でも良いし、非磁性体の合成樹脂材料でも良い。
<変形例5>
上記第1実施形態では、対向側磁性体TM(第1対向側磁性体T14及び第2対向側磁性体T24)の大きさや形状を同じにして、磁界の強さを同じにした構成としたが、左右で違う磁界の強さにしても良い。これにより、傾倒方向KD(Y1方向或いはY2方向)での操作感を変えることができる。
<変形例6>
上記第1実施形態では、可動部材HKが非磁性体の合成樹脂から作製されていたが、この合成樹脂に限るものではない。例えば、非磁性体であれば好適であり、アルミニウムや銅合金等の金属材であっても良い。例えば、軟磁性体の鉄等の金属材であっても良い。
本発明は上記実施の形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない限りにおいて適宜変更することが可能である。