JP6201976B2 - 車両用電源制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両の走行駆動用のエンジンの始動を制御する車両用電源制御装置に関するものである。
近年、ギヤ駆動式スタータに加えて、ベルト駆動式スタータを備える車両が知られている(例えば、特許文献1)。特許文献1のエンジンの始動装置では、ギヤ駆動式スタータでエンジンを始動させた場合に要した始動時間と、ベルト駆動式スタータでエンジンを始動させた場合に要した始動時間とを計測し、始動時間が基準値を超えた方のスタータが異常であると判定されている。
ベルト駆動式スタータはギヤ駆動式スタータに比べて静粛性に優れているので、両スタータを備える車両においては、エンジンの始動を可能な限りベルト駆動式スタータで行うことが望まれる。
特開2004−324446号公報
ここで、ベルト駆動式スタータは、静粛性ではギヤ駆動式スタータに勝るが、車両の状態が氷点下を下回る低温状態にある場合はベルトに滑りが発生し、エンジンの始動に失敗する可能性がある。そこで、エンジンが低温状態にある場合、ギヤ駆動式スタータでエンジンの始動が行われる。
このように、エンジンの始動を可能な限りベルト駆動式スタータで行わせると、ギヤ駆動式スタータの使用頻度が極めて低くなり、ギヤ駆動式スタータが長期間放置された状態になる。これにより、ギヤ駆動式スタータを構成する部品の電気的接触部(例えば、リレースイッチの接点)に酸化被膜が形成される、或いは、ギヤ駆動式スタータを構成するピニオンの噛み合わせが悪化する等して、ギヤ駆動式スタータの性能が悪化する虞がある。その結果、いざ、ギヤ駆動式スタータによるエンジンの始動を試みた場合、エンジンの始動に失敗する事態が発生する。
特許文献1は、ギヤ駆動式スタータ及びベルト駆動式スタータの異常を回転センサを用いずに診断することを課題とする発明であり、ギヤ駆動式スタータが長期間放置されることが全く考慮されていない。そのため、特許文献1では、ギヤ駆動式スタータの使用頻度が低くなることに起因して、ギヤ駆動式スタータの性能が劣化し、いざ、ギヤ駆動式スタータでエンジンの始動を試みた場合にエンジンの始動に失敗する可能性がある。
本発明は、2つの始動装置を備える車両において、一方の始動装置が長期間放置され、当該始動装置でエンジンの始動を試みた場合に、エンジンの始動に失敗する事態を回避する車両用電源制御装置を提供する。
本発明の一態様における車両用電源制御装置は、
車両の走行駆動用のエンジンの始動を制御する車両用電源制御装置であって、
前記エンジンを始動させる第1始動装置と、
前記第1始動装置よりも低い静粛性で前記エンジンを始動させる第2始動装置と、
前記エンジンの水温を検知する状態検知部と、
前記車両の始動要求を検知した場合、前記状態検知部により検知された前記エンジンの水温が、基準温度よりも大きいという所定条件を満たすか否かを判定する状態判定部と、
前記状態判定部により、前記エンジンの水温前記基準温度より大きいと判定された場合、前記第1始動装置で前記エンジンを始動させると共に前記第2始動装置が正常であるか否かを確認する処理を実行する一方、前記状態判定部により、前記エンジンの水温が前記基準温度以下と判定された場合、前記第2始動装置で前記エンジンを始動させる始動制御部とを備え
前記始動制御部は、イグニッションキーがオンされたことに基づいて前記始動要求を検知した場合において、前記エンジンの水温が前記基準温度より大きいと判定した場合、前記第1始動装置により前記エンジンを始動させると共に、前記第2始動装置に対しては、前記第2始動装置の始動回路に前記第2始動装置の始動動作を伴わない通電を行い、前記始動回路への通電状態が正常であるか否かを判定する
この態様によれば、車両の状態が車両の始動要求時に成立する可能性の高い所定条件を満たす場合、第2始動装置よりも静粛性が高い第1始動装置でエンジンが始動される。そのため、エンジンの始動が主に第1始動装置により行われ、エンジンの静粛始動を実現できる。
この場合、第2始動装置の使用頻度が低くなり、第2始動装置の性能の劣化が懸念されるが、第1始動装置でエンジンが始動される際、第2始動装置の異常の有無が確認される。
そのため、第2始動装置の異常の有無が定期的に確認され、異常があれば第2始動装置を修理或いは交換する等の措置を事前に行っておくことが可能となる。その結果、所定条件の非成立時に第2始動装置でエンジンの始動を試みた場合に、エンジンの始動に失敗する事態を回避できる。
また、この態様によれば、所定条件が成立するために第1始動装置でエンジンが始動される場合、第2始動装置を構成する始動回路に対して、第2始動装置が実際にエンジンを始動させない程度の通電が行われ、通電が正常であるか否か判定される。そのため、イグニッションキーがオンされる毎に、第1始動装置によるエンジンの始動性に影響を与えることなく、第2始動装置の異常の有無を確認できる。
また、本発明の別の一態様に係る車両用電源制御装置は、車両の走行駆動用のエンジンの始動を制御する車両用電源制御装置であって、
前記エンジンを始動させる第1始動装置と、
前記第1始動装置よりも低い静粛性で前記エンジンを始動させる第2始動装置と、
前記エンジンの水温を検知する状態検知部と、
前記車両の始動要求を検知した場合、前記状態検知部により検知された前記エンジンの水温が、基準温度よりも大きいという所定条件を満たすか否かを判定する状態判定部と、
前記状態判定部により、前記エンジンの水温が基準温度より大きいと判定された場合、前記第1始動装置で前記エンジンを始動させると共に前記第2始動装置が正常であるか否かを確認する処理を実行する一方、前記状態判定部により、前記エンジンの水温が前記基準温度以下と判定された場合、前記第2始動装置で前記エンジンを始動させる始動制御部とを備え、
前記始動制御部は、イグニッションキーがオンされたことに基づいて前記始動要求を検知した場合、前記第2始動装置が所定期間以上使用されていないか否かを判定し、前記所定期間以上使用されていないと判定した場合、前記エンジンの水温が前記基準温度よりも大きいと判定された場合であっても前記第2始動装置で前記エンジンを始動させ、
前記始動制御部は、冬季では前記所定期間を他の季節よりも短く設定する。
この態様によれば、イグニッションキーがオンされた場合において、所定条件が成立する場合であっても、第2始動装置が所定期間以上使用されていなければ、第1始動装置ではなく第2始動装置によりエンジンが始動される。そのため、第2始動装置が長期間放置され、第2始動装置の性能が劣化することを防止できる。
冬季は気温が低いため、他の季節に比べて第2始動装置の始動性能が落ちることが懸念される。本態様では、冬季では所定期間が短く設定されるので、始動性能が落ちる季節において第2始動装置の異常の有無をきめ細かく確認できる。
また、本発明の更に別の一態様に係る車両用電源制御装置は、車両の走行駆動用のエンジンの始動を制御する車両用電源制御装置であって、
前記エンジンを始動させる第1始動装置と、
前記第1始動装置よりも低い静粛性で前記エンジンを始動させる第2始動装置と、
前記エンジンの水温を検知する状態検知部と、
前記車両の始動要求を検知した場合、前記状態検知部により検知された前記エンジンの水温が、基準温度よりも大きいという所定条件を満たすか否かを判定する状態判定部と、
前記状態判定部により、前記エンジンの水温が基準温度より大きいと判定された場合、前記第1始動装置で前記エンジンを始動させると共に前記第2始動装置が正常であるか否かを確認する処理を実行する一方、前記状態判定部により、前記エンジンの水温が前記基準温度以下と判定された場合、前記第2始動装置で前記エンジンを始動させる始動制御部とを備え、
前記始動制御部は、イグニッションキーがオンされたことに基づいて前記始動要求を検知した場合、前記第2始動装置が所定期間以上使用されていないか否かを判定し、前記所定期間以上使用されていないと判定した場合、前記エンジンの水温が前記基準温度よりも大きいと判定された場合であっても前記第2始動装置で前記エンジンを始動させ、
前記始動制御部は、前記第2始動装置が前記エンジンを始動させるのに要した始動時間を計測し、前記計測した始動時間が一定時間以上である場合、次回の前記エンジンの始動を前記第2始動装置により行わせ
この態様では、第2始動装置がエンジンを始動させるのに一定時間以上かかり、第2始動装置に異常の疑いがある場合、次回の始動も第2始動装置で行われる。これにより、第2始動装置の始動が連続して行われ、第2始動装置の異常の有無を精度良く確認できる。
また、上記態様において、前記始動制御部は、所定の自動停止条件成立時に前記エンジンを自動停止させ、所定の再始動条件成立時に第1始動装置により前記エンジンを再始動させるものであり、前記第2始動装置による始動時間が一定時間以上要した場合、前記第2始動装置により自動停止中の前記エンジンを再始動させてもよい。
この態様では、自動停止中のエンジンを再始動させる場合、第2始動装置に異常の疑いがあれば、第2始動装置でエンジンの再始動が行われる。そのため、ドライビング中に第2始動装置の異常の有無を確認できる。
本発明によれば、2つの始動装置を備える車両において、一方の始動装置が長期間放置され、当該始動装置でエンジンの始動を試みた場合に、エンジンの始動に失敗する事態を回避することができる。
本発明の実施の形態にかかる車両用電源制御装置が搭載された車両の電気的構成を示す回路図である。 本発明の実施の形態にかかる車両用電源制御装置のブロック図である。 本発明の実施の形態にかかる車両用電源制御装置による制御動作の一例を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態にかかる車両用電源制御装置の変形例2による制御動作の一例を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態にかかる車両用電源制御装置の変形例3による制御動作の一例を示すフローチャートである。
(車両の全体構成)
図1は、本発明の実施の形態にかかる車両用電源制御装置が搭載された車両の電気的構成を示す回路図である。実施の形態1では、車両として、例えば、4輪自動車が採用される。本図に示される車両は、エンジン1、ベルト駆動式スタータ(以下、B−ISG2と記述する。)、バッテリ3、キャパシタ4、降圧回路5、電気負荷6、ギヤ駆動式スタータ7(Sta)、トランスミッション8、デファレンシャル9、車輪10、車輪軸11、協調ブレーキ12、バイパスリレー13、電圧センサ14、電流センサ15、キャパシタリレー16、電圧センサ17、PTC(Positive Temperature Coefficient)ヒータ18、及び触媒ヒータ19を含む。
B−ISG2とキャパシタ4とは高電圧ラインL1を介して電気的に接続されている。降圧回路5は、高電圧ラインL1と低電圧ラインL2との間に設けられている。バイパスリレー13は、降圧回路5と並列接続されたバイパスラインL3上に設けられている。バッテリ3は、正極が低電圧ラインL2を介して電気負荷6及びギヤ駆動式スタータ7と電気的に接続され、負極が接地されている。バッテリ3の正極には電圧センサ14が電気的に接続されている。バッテリ3の負極には電流センサ15が電気的に接続されている。高電圧ラインL1上には、キャパシタリレー16が設けられている。キャパシタリレー16とB−ISG2との間の高電圧ラインL1上には、PTCヒータ18及び触媒ヒータ19が設けられている。
エンジン1は、車両のエンジンルームに設けられ、車両を走行させる。エンジン1としては、例えば、レシプロエンジン、或いはディーゼルエンジンが採用できる。
B−ISG(ベルト駆動式Integrated Starter Generator)2は、キャパシタ4及びバッテリ3の少なくともいずれか一方からの電力を用いてエンジン1をクランキングさせると共に、車両の少なくとも減速時にはエンジン1から動力を得て発電し、キャパシタ4、バッテリ3、及び電気負荷6に電力を供給する。ここで、B−ISG2は、エンジン1をクランキングさせるに際し、主にキャパシタ4からの電力を用い、キャパシタ4の残容量が低い場合はバッテリ3からの電力を用いる。本実施の形態では、B−ISG2は、車両の状態が後述する所定条件を満たす場合にエンジン1をクランキングする。
具体的には、B−ISG2は、モータジェネレータ21と、モータジェネレータ21のロータシャフトに結合されたロータプーリ22と、エンジン1のクランクシャフトに結合されたクランクプーリ23と、ロータプーリ22及びクランクプーリ23に巻かれたベルト24とを備える。ここで、B−ISG2は、エンジン1の始動時にはクランクシャフトを介してエンジン1に動力を供給する。
B−ISG2は、エンジン1のクランクシャフトと連動して回転するモータジェネレータ21が備えるロータを磁界中で回転させることで発電を行うものであり、磁界を発生するフィールドコイルへの電流の増減に応じて発電電流を調節する。また、B−ISG2には、発電された交流電力を直流電力に変換する整流器(図示省略)が内蔵されている。つまり、B−ISG2で発電された電力は、この整流器で直流に変換された後に、PTCヒータ18、触媒ヒータ19、キャパシタ4、バッテリ3、及び電気負荷6に送電される。
バッテリ3は、例えば、鉛バッテリであり、B−ISG2と電気的に接続され、B−ISG2で発電された電力を蓄える。鉛バッテリは化学反応によって電気エネルギーを蓄えるものであるため、急速な充放電には不向きである。しかし、鉛バッテリは、充電容量を確保し易いため、比較的多量の電力を蓄えることができるという特性を持つ。
キャパシタ4は、例えば、電気二重層キャパシタであり、B−ISG2と電気的に接続され、B−ISG2で発電された電力を蓄える。電気二重層キャパシタは、鉛バッテリとは異なり、電解質イオンの物理的な吸着によって電気を蓄えるものである。このため、電気二重層キャパシタは比較的急速な充放電が可能で、内部抵抗も小さいという特性を持つ。
降圧回路5は、例えば、DC−DCコンバータで構成され、B−ISG2及びキャパシタ4から供給される電圧を所定電圧に降圧して、電気負荷6に供給する。
電気負荷6は、降圧回路5が出力する所定電圧で作動する1以上の電装品で構成される。本実施の形態では、例えば、EAPS(電動パワーステアリング機構)、エアコン、オーディオ、及びグローパスが電気負荷6として採用されるが、これらは一例である。
ギヤ駆動式スタータ7は、エンジン1の始動時に駆動されてエンジン1をクランキングする。ここで、ギヤ駆動式スタータ7は、スターターモータ71及びピニオン72等を含み、ピニオン72がスターターモータ71の動力をエンジン1に設けられたリングギヤ11aに伝えることで、エンジン1をクランキングする。本実施の形態では、ギヤ駆動式スタータ7は、車両の状態が後述する所定条件を満たさない場合にエンジン1をクランキングする。
トランスミッション8は、例えば、マニュアルトランスミッション、オートマチックトランスミッション、或いはCVT等で構成され、エンジン1の回転数を走行に適した回転数に変速する。デファレンシャル9は、カーブによって生じる内側車輪の抵抗分だけ外側車輪の駆動力を自動的に増やし、車両がスムーズにカーブを曲がれるようにする。車輪軸11はエンジン1の動力をトランスミッション8及びデファレンシャル9を介して車輪10に伝える。協調ブレーキ12は、フットブレーキペダル12aの操作量に応じて、回生ブレーキと油圧ブレーキとを協調制御する。
電圧センサ14は、バッテリ3の電圧を測定する。電流センサ15はバッテリ3に流れる電流を測定する。キャパシタリレー16は、キャパシタ4を回路から切り離すときにOFFされ、回路に組み込むときにONされる。電圧センサ17は、キャパシタ4の正極に接続され、キャパシタ4の電圧を計測する。
PTCヒータ18は、キャパシタ4が蓄積する電力及びB−ISG2が発電する電力によって作動し、車両の室内を加熱する。
触媒ヒータ19は、キャパシタ4が蓄積する電力及びB−ISG2が発電する電力によって作動し、排気ガスを浄化するためのキャタリストを加熱する。
図1に示す車両の動作を簡単に説明する。まず、イグニッションキーがONされると、キャパシタリレー16がONされ、バイパスリレー13がOFFされる。そして、B−ISG2又はギヤ駆動式スタータ7がエンジン1をクランキングし、エンジン1が始動する。
車両の減速時において、B−ISG2はエンジン1からの動力により発電する。B−ISG2によって発電された電力はキャパシタ4に蓄積される。また、B−ISG2によって発電された電力は、降圧回路5によって電圧が降圧されて電気負荷6に供給されると共に、余剰電力はバッテリ3に充電される。
車両が停止するといった所定のアイドルストップ条件(以下、「IS条件」と記述する。)が成立すると、エンジン1が自動停止(以下、「アイドルストップ」と記述する。)される。一方、アイドルストップ中において所定のアイドルストップリスタート条件(以下、「IR条件」と記述する。)が成立すると、B−ISG2は、キャパシタ4からの電力によって駆動し、エンジン1を再始動させる。また、電気負荷6の電力需要が高く、低電圧ラインL2に流れる電流が所定の値以上になると、バイパスリレー13がONし、バイパスラインL3は降圧回路5のバイパス経路となる。これにより、キャパシタ4及びB−ISG2の電力は降圧回路5によって降圧されずにバイパスラインL3を介して電気負荷6に供給される。これにより、電気負荷6の駆動を継続させることができる。また、アイドルストップ中及びアイドルストップからの再始動時にキャパシタ4の電力が不足する場合、バイパスリレー13がONされバッテリ3の電力がB−ISG2、PTCヒータ18、及び触媒ヒータ19に供給される。
本実施形態において、B−ISG2は、第1始動装置の一例に相当し、ギヤ駆動式スタータ7は第2始動装置の一例に相当する。
(制御系統)
図2は、本発明の実施の形態にかかる車両用電源制御装置のブロック図である。本図に示すように、車両用電源制御装置は、PCM(Power train control module)220、アクセルSW(スイッチの略、以下同様。)201、フットブレーキSW202、車速センサ203、電圧センサ14、電流センサ15、電圧センサ17、水温センサ204(状態検知部の一例)、B−ISG2、ギヤ駆動式スタータ7、燃料噴射弁208、表示部209、及びイグニッションSW210を備える。PCM220は、各種信号線を介してアクセルSW201及びフットブレーキSW202等の図2のブロックで示す各部品と電気的に接続されている。
アクセルSW201は、アクセルペダルの操作によりアクセルペダルがONされたことを検知し、アクセルペダルのON及びアクセルペダルの操作量を示す検知信号をPCM220に出力する。
フットブレーキSW202は、フットブレーキペダル12a(図1参照)の操作によりフットブレーキペダル12aがONされたことを検知し、フットブレーキペダル12aのON及びフットブレーキペダル12aの操作量を示す検知信号をPCM220に出力する。
車速センサ203は、車両の走行速度を検知し、検知した速度を示す検知信号をPCM220に出力する。
電圧センサ14は、図1で説明したようにバッテリ3の電圧を計測し、PCM220に出力する。電流センサ15は、図1で説明したようにバッテリ3の電流を計測し、PCM220に出力する。電圧センサ17は、図1で説明したようにキャパシタ4の電圧を計測し、PCM220に出力する。
水温センサ204は、例えば、ラジエーターに設けられ、エンジン1の冷却水の温度を計測し、PCM220に出力する。ここで、エンジン1の冷却水の温度は車両の状態の一例に該当する。
B−ISG2及びギヤ駆動式スタータ7は、図1で説明したものであり、PCM220の制御の下、駆動する。燃料噴射弁208は、PCM220の制御の下、エンジン1に燃料を噴射する。
表示部209は、例えば、ギヤ駆動式スタータ7の異常を報知するために、車両のインストルメントパネルに設けられた点灯ランプで構成され、ギヤ駆動式スタータ7が異常であれば点灯する。
イグニッションSW210は、ユーザからイグニッションキーをONする所定の操作が行われ、車両の始動要求を検知した場合、そのことを示す検知信号をPCM220に出力する。
PCM220は、CPU、ROM、RAMを備えるコンピュータで構成され、状態判定部221及び始動制御部222を備える。状態判定部221は、イグニッションSW210により車両の始動要求が検知された場合、水温センサ204が検知した水温が、所定の基準温度Toより大きいという、車両の始動要求時に成立する可能性が高い所定条件を満たすか否かを判定する。
冷却水の温度が低温状態(例えば、摂取マイナス10度〜摂氏0度以下の温度)にある場合、車両が低温環境下にさらされているので、B−ISG2のベルト24に滑りが発生し、B−ISG2は、ギヤ駆動式スタータ7に比べ、エンジン1の始動に失敗する可能性が高い。一方、冷却水の温度が低温状態よりも高い常温状態では、ギヤ駆動式スタータ7及びB−ISG2共、エンジン1の始動に失敗する可能性は低いが、B−ISG2の方がギヤ駆動式スタータ7に比べて静粛性が高い。そこで、本実施の形態では、エンジン1が低温状態にある場合ではギヤ駆動式スタータ7にエンジン1を始動させ、エンジン1が常温状態にある場合ではB−ISG2にエンジン1を始動させ、エンジン1の始動の確実性と静粛性との両立を図っている。
また、車両の使用が想定される地域においては、イグニッションキーがONされた場合に冷却水が低温状態になることは常温状態になる場合に比べて低いと考えられる。そこで、本実施の形態では、水温センサ204により検知された水温が基準温度Toよりも大きいという条件を、車両の始動要求時に成立する可能性の高い所定条件の一例として採用している。なお、基準温度Toとしては、車両が使用される地域にもよるが、例えば、摂氏マイナス10度以上、摂氏0度以下の所定の温度が採用できる。
始動制御部222は、状態判定部221により、水温センサ204により検知された水温が基準温度Toよりも大きいと判定された場合(所定条件の成立時)、B−ISG2でエンジン1を始動させると共に、ギヤ駆動式スタータ7が正常であるか否かを確認する処理を実行する。
ここで、始動制御部222は、ギヤ駆動式スタータ7が備える始動回路121にギヤ駆動式スタータ7の始動動作を伴わない通電を行うことで、ギヤ駆動式スタータ7が正常であるか否かを確認する。
始動回路121は、リレースイッチを含んでおり、スタータモータ71への駆動信号を生成する回路である。そして、始動回路121は、エンジン1の始動開始時には、リレースイッチを開閉させると共に、ピニオン72をリングギヤ11aに噛み合わせる動作を行う。そのため、始動回路121への通電が開始されてからギヤ駆動式スタータ7が実際にエンジン1をクランキングさせるまでには一定の通電時間(例えば、数十msec)を要する。
したがって、通電を開始してから一定の通電時間が経過するまでに始動回路121への通電を停止させれば、ギヤ駆動式スタータ7は、エンジン1をクランキングしない。そこで、始動制御部222は、始動回路121を一定の通電時間だけ通電させる。そして、始動制御部222は、始動回路121上の所定の測定ポイントに所定の電流が流れているか否かを判定することで、始動回路121の通電状態が正常であるか否かを判定する。具体的には、始動回路121の所定の測定ポイントに設けられた電流センサが電流が流れていることを検知した場合、始動制御部222は、始動回路121の通電状態は正常と判定する。一方、電流センサが所定ポイントに電流が流れていることを検知しなければ、始動制御部222は、始動回路121の通電状態は異常と判定する。
また、始動制御部222は、状態判定部221により、水温センサ204により検知された水温が基準温度To以下であると判定された場合(所定条件の非成立時)、ギヤ駆動式スタータ7でエンジン1を始動させる。
これにより、車両が低温環境下にさらされている場合、B−ISG2に代えてギヤ駆動式スタータ7でエンジン1が始動されるので、エンジン1の始動に失敗することが防止される。
(制御動作)
次に、本実施の形態の車両用電源制御装置による制御動作について説明する。図3は、本実施の形態にかかる車両用電源制御装置による制御動作の一例を示すフローチャートである。なお、図3のフローチャートは、ユーザによりイグニッションキーをON(IG−ON)する所定の操作が行われ、イグニッションSW201が車両の始動要求を検知する都度実行される。
ここで、イグニッションSW210は、例えば、車両のキーを携帯するユーザが座席に座るなどして、キーから送信された電波を検知した場合にIG−ONの操作を検知し、IG−ONの検知信号をPCM220に出力すればよい。或いは、イグニッションSW210は、例えば、車両のキーがキースロットルに差し込まれた場合にIG−ONの操作を検知し、IG−ONの検知信号をPCM220に出力すればよい。
S301では、状態判定部221は、水温センサ204から水温センサ204が計測した水温の計測値を読み込む。
S302では、状態判定部221は、水温センサ204が計測した水温が基準温度Toより大きいか否かを判定する。水温センサ204が計測した水温が基準温度Toより大きければ(S302でYES)、始動制御部222は、前回、ギヤ駆動式スタータ7を使用してからの経過期間Txを確認する(S303)。ここで、始動制御部222は、計時機能を備えており、ギヤ駆動式スタータ7がエンジン1を始動した最新の年月及び日時をメモリに記憶させておく。そして、始動制御部222は、現在の年月及び日時と、メモリに記憶させておいた年月及び日時とから、経過期間Txを求めればよい。
一方、水温センサ204が計測した水温が基準温度To以下であれば(S302でNO)、処理はS305に進められる。
S304では、始動制御部222は、経過期間Txが所定期間TA以上であるか否かを判定する。経過期間Txが所定期間TA以上であれば(S304でYES)、始動制御部222は、エンジン1の始動装置としてギヤ駆動式スタータ7を設定する(S305)。以下、S305の設定を設定C1と記述する。
これにより、車両の状態が所定条件を満たす場合であっても、ギヤ駆動式スタータ7が所定期間TA以上使用されていなければ、B−ISG2ではなくギヤ駆動式スタータ7がエンジン1の始動装置として強制的に設定される。その結果、ギヤ駆動式スタータ7が長期間放置されることに起因してギヤ駆動式スタータ7の性能が劣化することを防止できる。なお、所定期間TAとしては、ギヤ駆動式スタータ7の性能にもよるが、ギヤ駆動式スタータ7が使用されないことに起因して、ギヤ駆動式スタータ7を構成するリレースイッチの接点に酸化被膜が形成される期間、及びピニオン72とリングギヤ11aとの噛み合わせが悪化する期間等を考慮して経験的に定められた期間が採用できる。
一方、経過期間Txが所定期間TA未満であれば(S304でNO)、始動制御部222は、エンジン1の始動装置として、B−ISG2を設定すると共に、ギヤ駆動式スタータ7がエンジン1を始動させない通電時間で始動回路121を通電する設定を行う(S306)。以下、S306の設定を設定C2と記述する。
これにより、車両の状態が所定条件を満たしている場合、主に、B−ISG2でエンジン1が始動され、静粛性に優れたエンジン1の始動を実現できる。この際、始動回路121が通電されることで、始動回路121のリレースイッチが開閉され、且つ、ピニオン72もリングギヤ11aと噛み合わせされるので、リレースイッチに酸化被膜が形成されること、及びピニオン72とリングギヤ11aとの噛み合わせが悪化することが抑制される。また、始動回路121に通電を行うこで、上述したように、ギヤ駆動式スタータ7の正常及び異常も確認できる。
S307では、イグニッションSW210は、エンジン1の始動要求を検知すると(S307でYES)、START−ONの検知信号をPCM220に出力し、処理をS308に進める。一方、イグニッションSW210は、エンジン1の始動要求を検知しなければ(S307でNO)、処理をS307に戻す。ここで、イグニッションSW210は、例えば、車両のキーを携帯したユーザによりエンジン1を始動させるためのスタートボタンが押される、或いは、車両のキーがキースロットルに差し込まれ、エンジン1の始動位置まで回転されることで、エンジン1の始動要求を検知すればよい。
S308では、始動制御部222は、設定に応じた始動を実行する。ここでは、設定C1、設定C2のいずれかによる始動が実行される。すなわち、設定C1が設定されている場合は、ギヤ駆動式スタータ7でエンジン1が始動される。一方、設定C2が設定されている場合は、B−ISG2でエンジン1が始動されると共に、始動回路121への通電が行われる。
S309では、始動制御部222は、ギヤ駆動式スタータ7によるエンジン1の始動が完了したことが検知すると(S309でYES)、ギヤ駆動式スタータ7は正常と判定し(S310)、処理を終了する。一方、始動制御部222は、ギヤ駆動式スタータ7によるエンジン1の始動が完了したことを検知しなければ(S309でNO)、ギヤ駆動式スタータ7が異常であると判定し、表示部209を点灯させ、ギヤ駆動式スタータ7が異常である旨を表示する(S311)。
ここで、始動制御部222は、ギヤ駆動式スタータ7にエンジン1の始動を指示してから所定のタイムアウト時間内にエンジン1が始動されなかった場合に、S309でNOと判定すればよい。また、始動制御部222は、エンジン1の回転数を検知する回転数センサ(図略)がエンジン1が回転していることを示す計測結果を計測した場合にエンジン1の始動が完了したと判定すればよい。
このように、本実施の形態では、水温センサ204が検知した水温が基準温度Toより大きい場合であっても、ギヤ駆動式スタータ7が所定期間TA以上使用されていなければ、B−ISG2ではなくギヤ駆動式スタータ7によりエンジンが始動される。そのため、ギヤ駆動式スタータ7が長期間放置され、ギヤ駆動式スタータ7の性能が劣化することを防止できる。その結果、水温センサ204が検知した水温が基準温度To以下の場合において、ギヤ駆動式スタータ7でエンジン1の始動を試みた場合にエンジン1の始動に失敗する事態を回避できる。
また、B−ISG2によりエンジン1が始動される場合、始動回路121に対して、ギヤ駆動式スタータ7がエンジン1をクランキングしない一定の通電時間だけ通電が行われるので、B−ISG2がエンジン1を始動する毎に、B−ISG2によるエンジン1の始動性に影響を与えることなく、通電回路121の通電の異常の有無を確認することができる。なお、始動制御部222は始動回路121の通電の異常を検知した場合は、その旨を表示部209に表示させればよい。
(変形例1)
上記実施の形態では、所定期間TAは固定として説明したが、変形例1では、所定期間TAを季節に応じて変更させることを特徴とする。具体的には、始動制御部222は、冬季においては、所定期間TAを他の季節よりも短く設定する。ここで、冬季とは、車両が使用される地域にもよるが、例えば、日本であれば、12月〜3月が該当する。この場合、始動制御部222は、現在の月が12月〜3月に属していれば、冬季と判定し、それ以外の月に属していれば、冬季でないと判定すればよい。
或いは、始動制御部222は、水温センサ204が検知した水温が冬季であることを示す所定温度範囲に属していれば、冬季であると判定してもよい。
冬季は気温が低いため、他の季節に比べてギヤ駆動式スタータ7の始動性能が落ちることが懸念される。そこで、変形例1では、冬季における所定期間TAを他の季節に比べて短く設定し、ギヤ駆動式スタータ7の使用頻度を高め、ギヤ駆動式スタータ7の性能劣化を抑制している。
(変形例2)
変形例2は、ギヤ駆動式スタータ7がエンジン1を始動させるのに要した始動時間を検知し、その始動時間が基準始動時間Tso以上であれば、次回のエンジン1の始動もギヤ駆動式スタータ7で行うことを特徴とする。
図4は、本実施の形態にかかる車両用電源制御装置の変形例2による制御動作の一例を示すフローチャートである。なお、図4のフローチャートにおいて図3と相違するステップには異なるステップ番号が付与されている。
S401では、始動制御部222は、経過期間Txが所定期間TA以上であるか否か、或いは、フラグFが1に設定されているか否かを判定する。フラグFは、ギヤ駆動式スタータ7によるエンジン1の始動時間Tsが基準始動時間Tsoよりも長く、ギヤ駆動式スタータ7に異常の疑いがある場合に1が設定される。
経過期間Txが所定期間TA以上、或いは、フラグFが1であれば、S401でYESと判定され、処理はS305に進められる。一方、経過期間Txが所定期間TA未満、且つ、フラグFが0に設定されていれば、処理はS306に進められる。すなわち、S401では、ギヤ駆動式スタータ7が前回使用されてから現在までの経過期間Txが所定期間TAに到達していなくても、ギヤ駆動式スタータ7に異常の疑いがあればYESと判定され、ギヤ駆動式スタータ7でエンジン1が始動されるのである。一方、ギヤ駆動式スタータ7が前回使用されてから現在までの経過期間Txが所定期間TAに到達しておらず、且つ、ギヤ駆動式スタータ7に異常の疑いがなければ、B−ISG2でエンジン1が始動されるのである。
図3では、S309でYESの場合、処理がS310に進められていたが、図4では、S309でYESの場合、処理がS402に進められる。
S402では、始動制御部222は、ギヤ駆動式スタータ7がエンジン1を始動するのに要した始動時間Tsが基準始動時間Tsoより大きいか否かを判定する。ここで、基準始動時間Tsoは、ギヤ駆動式スタータ7に異常の疑いがあると想定される時間であって経験的に得られた時間が採用される。また、基準始動時間Tsoは、図3で説明したタイムアウト時間よりも短いものとする。
始動時間Tsが基準始動時間Tso未満であれば(S402でYES)、始動制御部222は、ギヤ駆動式スタータ7は正常と判定する(S403)。一方、始動時間Tsが基準始動時間Tso以上であれば(S402でNO)、始動制御部222は、S402でNOと判定した回数がN回連続したか否かを判定する(S404)。ここで、Nとしては、2以上の整数が採用できる。
S402でNOと判定した回数がN回連続した場合(S404でYES)、始動制御部222は、ギヤ駆動式スタータ7が異常であると判定し、表示部209を点灯させ、ギヤ駆動式スタータ7が異常である旨を表示する(S406)。
一方、S402でNOとした回数がN回連続していない場合(S404でNO)、始動制御部222は、ギヤ駆動式スタータ7に異常の疑いがあり、次回のエンジン1の始動をギヤ駆動式スタータ7で行わせるために、フラグFに1を設定する(S405)。
何らかの要因で、たまたま始動時間Tsが基準始動時間Tso以上と判定(S402でNO)されることが想定される。また、ギヤ駆動式スタータ7の多少劣化したために、始動時間Tsが基準始動時間Tso以上と判定(S402でNO)されることも想定される。この場合、直ちにギヤ駆動式スタータ7が異常であると判定するのは妥当ではない。そこで、変形例2では、S402でNOと判定した回数がN回連続した場合に、ギヤ駆動式スタータ7が異常であると判定している。
S407では、始動制御部222は、フラグFを0に設定する。これにより、S405で、ギヤ駆動式スタータ7に異常の疑いがあるために、フラグFに1が設定された場合であっても、次回のエンジン1の始動において、ギヤ駆動式スタータ7の始動時間Tsが基準始動時間Tso未満と判定され(S402でYES)、ギヤ駆動式スタータ7の異常の疑いがなくなった場合は、フラグFが0に戻される。その結果、次回のエンジン1の始動においては、B−ISG2が用いられ、静粛始動が確保される。
このように、変形例2では、ギヤ駆動式スタータ7に異常の疑いがある場合は、ギヤ駆動式スタータ7によるエンジン1の始動が連続して行われるため、ギヤ駆動式スタータ7の異常の有無を精度良く確認できる。
(変形例3)
変形例3は、変形例2において、ギヤ駆動式スタータ7に異常の疑いがあると判定された場合、アイドルストップ中のエンジン1の再始動をギヤ駆動式スタータ7で行わせることを特徴とする。
変形例3においては、始動制御部222は、エンジン1が駆動を開始した後、IS条件が成立した場合に、エンジン1をアイドルストップさせ、エンジン1のアイドルストップ中にIR条件が成立した場合に、エンジン1を再始動させる。
ここで、IS条件は、以下の(i)〜(iv)の全ての条件が全て満たされた場合に成立する。
(i)アクセルSW201がOFFを示す検知信号を出力した場合
(ii)フットブレーキSW202がONを示す検知信号を出力した場合
(iii)車両の走行速度(車速)が閾値TH2より小さい場合
(iv)電圧センサ14が計測したバッテリ3の電圧が閾値TH3よりも大きい場合
(i)、(ii)の条件は車両が減速状態に入ったことを考慮したものである。(iii)の条件は、減速状態に入った車両の車速がエンジン1をアイドルストップさせても良い程度に低速になったことを考慮したものである。したがって、閾値TH2としては、エンジン1をアイドルストップ状態に移行しても車両の走行に支障がない程度の実験的に得られた車速が採用できる。(iv)の条件は、エンジン1を再始動させることが可能な電力をバッテリ3が蓄積しているか否かを考慮したものである。したがって、閾値TH3としては、B−ISG2を用いてエンジン1の再始動に失敗した場合に、ギヤ駆動式スタータ7を用いてエンジン1の再始動させるに際して、ギヤ駆動式スタータ7がエンジン1を再始動することができるバッテリ3の残容量の下限値であって、実験的に得られた値が採用できる。
また、IR条件は、以下の(i)〜(iv)のいずれか1の条件が満たされた場合に成立する。
(i)アクセルSW201がONを示す検知信号を出力した場合
(ii)フットブレーキSW202がOFFを示す検知信号を出力した場合
(iii)バッテリ3の電圧が閾値TH4より低くなり、バッテリ3が電気負荷6の電力需要を賄うことをできなくなることを防止するためである。
(iv)アイドルストップ時間が閾値TH5よりも大きくなった場合
(i)の条件はアクセルがONされたことをトリガーにアイドルストップ中のエンジン1を再始動させることを考慮したものである。(ii)の条件はフットブレーキペダル12aがOFFされたことをトリガーにアイドルストップ中のエンジン1を再始動させることを考慮したものである。(iii)の条件は、バッテリ3の電圧が閾値TH4より低くなり、アイドルストップ中のエンジン1を再始動できなくなる事態を未然に回避するために、エンジン1を強制的に駆動させ、バッテリ3を充電させることを考慮したものである。(iv)の条件は、アイドルストップ時間が一定の時間を超えた場合、アイドルストップ中のエンジン1を強制的に再始動させることを考慮したものである。したがって、閾値TH5としては、例えば、予め定められたアイドルストップ時間の上限値が採用できる。
図5は、本実施の形態にかかる車両用電源制御装置の変形例3による制御動作の一例を示すフローチャートである。なお、図5の処理は、エンジン1がアイドルストップ状態にある場合に定期的に実行される。
S501では、始動制御部222は、アクセルSW201、フットブレーキSW202、及び車速センサ203から検知信号を読み込み、電圧センサ14からバッテリ3の電圧を読み込む(S501)。
S502では、始動制御部222は、IR条件が成立したか否かを判定する。IR条件が成立していれば(S502でYES)、始動制御部222は、フラグFに1が設定されているか否かを判定する(S503)。一方、IR条件が成立していなければ(S502でNO)、処理がS501に戻される。
フラグFに1が設定されていれば(S503でYES)、ギヤ駆動式スタータ7に異常の疑いがあるため、始動制御部222は、ギヤ駆動式スタータ7でエンジン1を始動させる。一方、フラグFが1に設定されていなければ(S503でNO)、ギヤ駆動式スタータ7に異常の疑いがないため、始動制御部222は、B−ISG2でエンジン1を始動させる(S505)。
そして、S504又はS505が終了すると、処理が図4のS309に進められる。これにより、図4のS309以降の処理が実施され、ギヤ駆動式スタータ7の異常の有無が判定され、異常があればその旨が表示部209に表示される。
このように、変形例3では、アイドルストップ中のエンジン1を再始動させる場合、ギヤ駆動式スタータ7に異常の疑いがあれば、ギヤ駆動式スタータ7でエンジン1の再始動が行われる。そのため、ドライビング中にギヤ駆動式スタータ7の異常の有無が確認できる。
2 B−ISG
3 バッテリ
4 キャパシタ
6 電気負荷
7 ギヤ駆動式スタータ
203 車速センサ
204 水温センサ
209 表示部
PCM 220
221 状態判定部
222 始動制御部

Claims (6)

  1. 車両の走行駆動用のエンジンの始動を制御する車両用電源制御装置であって、
    前記エンジンを始動させる第1始動装置と、
    前記第1始動装置よりも低い静粛性で前記エンジンを始動させる第2始動装置と、
    前記エンジンの水温を検知する状態検知部と、
    前記車両の始動要求を検知した場合、前記状態検知部により検知された前記エンジンの水温が、基準温度よりも大きいという所定条件を満たすか否かを判定する状態判定部と、
    前記状態判定部により、前記エンジンの水温が基準温度より大きいと判定された場合、前記第1始動装置で前記エンジンを始動させると共に前記第2始動装置が正常であるか否かを確認する処理を実行する一方、前記状態判定部により、前記エンジンの水温が前記基準温度以下と判定された場合、前記第2始動装置で前記エンジンを始動させる始動制御部とを備え、
    前記始動制御部は、イグニッションキーがオンされたことに基づいて前記始動要求を検知した場合、前記第2始動装置が所定期間以上使用されていないか否かを判定し、前記所定期間以上使用されていないと判定した場合、前記エンジンの水温が前記基準温度よりも大きいと判定された場合であっても前記第2始動装置で前記エンジンを始動させ、
    前記始動制御部は、冬季では前記所定期間を他の季節よりも短く設定する車両用電源制御装置。
  2. 車両の走行駆動用のエンジンの始動を制御する車両用電源制御装置であって、
    前記エンジンを始動させる第1始動装置と、
    前記第1始動装置よりも低い静粛性で前記エンジンを始動させる第2始動装置と、
    前記エンジンの水温を検知する状態検知部と、
    前記車両の始動要求を検知した場合、前記状態検知部により検知された前記エンジンの水温が、基準温度よりも大きいという所定条件を満たすか否かを判定する状態判定部と、
    前記状態判定部により、前記エンジンの水温が基準温度より大きいと判定された場合、前記第1始動装置で前記エンジンを始動させると共に前記第2始動装置が正常であるか否かを確認する処理を実行する一方、前記状態判定部により、前記エンジンの水温が前記基準温度以下と判定された場合、前記第2始動装置で前記エンジンを始動させる始動制御部とを備え、
    前記始動制御部は、イグニッションキーがオンされたことに基づいて前記始動要求を検知した場合、前記第2始動装置が所定期間以上使用されていないか否かを判定し、前記所定期間以上使用されていないと判定した場合、前記エンジンの水温が前記基準温度よりも大きいと判定された場合であっても前記第2始動装置で前記エンジンを始動させ、
    前記始動制御部は、前記第2始動装置が前記エンジンを始動させるのに要した始動時間を計測し、前記計測した始動時間が一定時間以上である場合、次回の前記エンジンの始動を前記第2始動装置により行わせる車両用電源制御装置。
  3. 前記始動制御部は、イグニッションキーがオンされたことに基づいて前記始動要求を検知した場合において、前記エンジンの水温が前記基準温度より大きいと判定した場合、前記第1始動装置により前記エンジンを始動させると共に、前記第2始動装置に対しては、前記第2始動装置の始動回路に前記第2始動装置の始動動作を伴わない通電を行い、前記始動回路への通電状態が正常であるか否かを判定する請求項1又は2に記載の車両用電源制御装置。
  4. 前記始動制御部は、所定の自動停止条件成立時に前記エンジンを自動停止させ、所定の再始動条件成立時に前記第1始動装置により前記エンジンを再始動させるものであり、前記第2始動装置による始動時間が一定時間以上要した場合、前記第2始動装置により自動停止中の前記エンジンを再始動させる請求項3に記載の車両用電源制御装置。
  5. 車両の走行駆動用のエンジンの始動を制御する車両用電源制御装置であって、
    前記エンジンを始動させる第1始動装置と、
    前記第1始動装置よりも低い静粛性で前記エンジンを始動させる第2始動装置と、
    前記エンジンの水温を検知する状態検知部と、
    前記車両の始動要求を検知した場合、前記状態検知部により検知された前記エンジンの水温が、基準温度よりも大きいという所定条件を満たすか否かを判定する状態判定部と、
    前記状態判定部により、前記エンジンの水温が前記基準温度より大きいと判定された場合、前記第1始動装置で前記エンジンを始動させると共に前記第2始動装置が正常であるか否かを確認する処理を実行する一方、前記状態判定部により、前記エンジンの水温が前記基準温度以下と判定された場合、前記第2始動装置で前記エンジンを始動させる始動制御部とを備え、
    前記始動制御部は、イグニッションキーがオンされたことに基づいて前記始動要求を検知した場合において、前記エンジンの水温が前記基準温度より大きいと判定した場合、前記第1始動装置により前記エンジンを始動させると共に、前記第2始動装置に対しては、前記第2始動装置の始動回路に前記第2始動装置の始動動作を伴わない通電を行い、前記始動回路への通電状態が正常であるか否かを判定する車両用電源制御装置。
  6. 前記始動制御部は、イグニッションキーがオンされたことに基づいて前記始動要求を検知した場合、前記第2始動装置が所定期間以上使用されていないか否かを判定し、前記所定期間以上使用されていないと判定した場合、前記エンジンの水温が前記基準温度よりも大きいと判定された場合であっても前記第2始動装置で前記エンジンを始動させる請求項5に記載の車両用電源制御装置。
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