JP2009025032A - 電池状態検出装置及び方法、並びに出力制御装置及び方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】例えばハイブリッド式の車両用の電池状態検出装置において、任意のタイミングで適切に電池の電池状態を、検出可能とする。
【解決手段】電池状態検出装置(100)は、負荷に電気を供給する組電池(14等)と、組電池を充電又は放電させる充放電手段(9a)と、充放電手段に並列に接続され、充放電手段により充電又は放電される監視電池(10b)と、充放電手段による、監視電池の充電量又は放電量に基づいて、監視電池の電池状態を示す第1電池状態(SOC)を、検出する検出手段(9a等)と、検出された第1電池状態に基づいて、組電池の電池状態を示す第2電池状態を推定可能な推定手段(18等)と、組電池の電池状態を判定する判定指示に対応して、第2電池状態を推定するように、推定手段を制御する制御手段(18等)と、を備える。
【選択図】図3
【解決手段】電池状態検出装置(100)は、負荷に電気を供給する組電池(14等)と、組電池を充電又は放電させる充放電手段(9a)と、充放電手段に並列に接続され、充放電手段により充電又は放電される監視電池(10b)と、充放電手段による、監視電池の充電量又は放電量に基づいて、監視電池の電池状態を示す第1電池状態(SOC)を、検出する検出手段(9a等)と、検出された第1電池状態に基づいて、組電池の電池状態を示す第2電池状態を推定可能な推定手段(18等)と、組電池の電池状態を判定する判定指示に対応して、第2電池状態を推定するように、推定手段を制御する制御手段(18等)と、を備える。
【選択図】図3
Description
本発明は、例えば、ハイブリッド式の車両用の2次電池の電池状態を検出する電池状態検出装置及び方法、並びに、出力制御装置及び方法の技術分野に関する。
この種の電池状態検出装置に関して、特許文献1では、外部電源により充電される2つの組電池に対して昇圧手段及び放電手段を接続し、一方の組電池の容量を検査する場合、他方の組電池によって、負荷にバックアップ電力を供給する技術について開示されている。
また、特許文献2では、単電池を直列的に接続した組電池において、単電池の1つに並列的にパイロット電池(所謂、試験対象となる電池)を接続し試験的な回路を形成して、パイロット電池の充放電試験から単電池の容量を推定する技術について開示されている。
しかしながら、上述した技術によれば、任意に電池状態を監視することが困難となってしまう可能性があるという技術的問題点が生じる。
そこで、本発明は、上述した問題点に鑑みてなされたものであり、例えばハイブリッド式の車両用の電池状態検出装置において、所望のタイミングで適切に電池の電池状態を、検出可能な電池状態検出装置及び方法、並びに出力制御装置及び方法を提供することを課題とする。
(電池状態検出装置)
上記課題を解決するために、本発明に係る電池状態検出装置は、負荷に電気を供給する組電池と、前記組電池を、少なくとも充電又は放電させる充放電手段と、前記充放電手段に並列に接続され、前記充放電手段により充電又は放電される監視電池と、前記充放電手段による、前記監視電池の充電量又は放電量に基づいて、前記監視電池の電池状態を示す第1電池状態(SOC:State of Charge)を検出する検出手段と、前記検出された第1電池状態に基づいて、前記組電池の電池状態を示す第2電池状態を推定可能な推定手段(例えば推定モデル)と、前記組電池の電池状態を判定する判定指示に対応して、前記第2電池状態を推定するように、前記推定手段を制御する制御手段(例えば電池ECU(Electric Control Unit)と、を備える。
上記課題を解決するために、本発明に係る電池状態検出装置は、負荷に電気を供給する組電池と、前記組電池を、少なくとも充電又は放電させる充放電手段と、前記充放電手段に並列に接続され、前記充放電手段により充電又は放電される監視電池と、前記充放電手段による、前記監視電池の充電量又は放電量に基づいて、前記監視電池の電池状態を示す第1電池状態(SOC:State of Charge)を検出する検出手段と、前記検出された第1電池状態に基づいて、前記組電池の電池状態を示す第2電池状態を推定可能な推定手段(例えば推定モデル)と、前記組電池の電池状態を判定する判定指示に対応して、前記第2電池状態を推定するように、前記推定手段を制御する制御手段(例えば電池ECU(Electric Control Unit)と、を備える。
本発明に係る電池状態検出装置によれば、組電池によって、負荷に電気が供給される。ここに、本発明に係る「組電池」とは、例えば、ニッケル水素2次電池、又は鉛蓄電池である単電池が直列に接続されており、例えば発電機等の負荷に、電圧、電流若しくは電力又は電気エネルギを供給する形式で、電気を供給する電池を意味する。充放電手段によって、少なくとも組電池が、充電又は放電される。監視電池は、充放電手段に並列に接続されている。ここに、本発明に係る「監視電池」とは、組電池の電池状態を監視するために、組電池に流す電流量に近い電流量を流すように設定された電池を意味する。ここに、本発明に係る「充放電手段に並列に接続」とは、1次的には充放電手段に並列的に接続されていると共に、副次的には、組電池に並列的に接続されていることを意味する。
検出手段によって、充放電手段による監視電池の充電量又は放電量に基づいて、監視電池の電池状態を示す第1電池状態が検出される。ここに、本発明に係る「電池状態(SOC:State Of Charge)」とは、電池の容量(所謂、放電容量)や、電池が劣化している度合いや、電池の寿命などの、負荷に供給する電気を変化させる、電池の各種の物理的又は化学的な状態を意味する。尚、本発明に係る「検出」とは、典型的には、電池状態を示す何らかの物理量やパラメータを、直接的に「検出」、「測定」、「計測」等することを意味する。更に、電池状態を示す何らかの物理量やパラメータを、間接的に「算出」、「演算」等することを含んでいてもよい。上述した電池状態は、具体的には、電池の温度等の各種の外界環境条件を加味した上で、検出してよい。例えば、外界環境の温度の変化に対応して、電池状態は変化するが、温度に基づくことで、低温環境であれ高温環境であれ、より正確に電池状態を検出することが可能となる。また、充放電手段による電池の充電又は放電は、定圧充電であってもよいし、定電流充電であってもよい。
例えば所定の推定モデルを利用して、推定手段によって、検出された監視電池の第1電池状態に基づいて、組電池の第2電池状態が推定される。ここに、本発明に係る「所定の推定モデル」は、例えば所定の関数、所定の計算式、所定のマップ等を用いた、理論的、経験的、実験的、シミュレーション等の各種の手法によって、組電池の現在の容量又は電池状態が一義的且つ明確に推定できるように、個別具体的に規定されたモデルを意味する。
特に、例えば電池ECU(Electric Control Unit)等の制御手段の制御下で、組電池の電池状態を判定する判定指示に対応して、推定手段によって、組電池の第2電池状態が推定される。
従って、監視電池を充電又は放電させることで、検出された第1電池状態に基づいて、組電池の第2電池状態を、任意の或いは所望のタイミングで適切に推定することが可能である。この結果、制御手段の制御下で、組電池の電池状態の劣化や、組電池の容量(所謂、放電容量)の低下に、迅速且つ的確に対応して、組電池の充電や、監視電池から負荷への電気の代替的な供給や、組電池の交換などを行うことで、負荷に供給する電流量を規格電流に維持し、負荷に印加される印加電圧を規格電圧に維持することが可能である。ここに、本発明に係る「電池状態の劣化」とは、電池の化学的に性質の変化に起因して、電池が負荷に供給する電気のレベルが、例えば電動機等の負荷を適切に駆動するのに必要且つ十分な所定レベルより小さい電池状態へ変化することを意味する。具体的には、監視電池の容量が、例えば60%等の所定レベルより小さい場合、組電池の容量も例えば60%等の所定レベルより小さい可能性が高いと推定して、組電池の充電を行うことが可能である。
加えて、組電池の電池状態が劣化したり、組電池の容量が低下したりした場合、監視電池から負荷へ電気を代替的に供給可能とさせ、監視電池によって、組電池をバックアップさせることで、電気の供給システムにおける冗長性を高めることが可能である。
以上のように本発明に係る電池状態検出装置によれば、例えばハイブリッド式の車両用の電池状態検出装置において、所望のタイミングで適切に電池の電池状態を検出できる。
本発明に係る電池状態検出装置の一の態様では、前記監視電池が前記負荷に供給する電流量と、前記組電池が前記負荷に供給する電流量とを一致させるように、前記監視電池の物理的又は化学的な特性を示す第1特性と、前記組電池の物理的又は化学的な特性を示す第2特性とは、予め設定されている。
この態様によれば、監視電池の物理的又は化学的な特性を示す第1特性、及び、組電池の物理的又は化学的な特性を示す第2特性との比較によって、組電池の第2電池状態を、より適切に推定することが可能である。ここに、本発明に係る「特性」とは、電池における、各種の物理的な化学的な特性を意味する。この特性は、例えば、組成式など化学的な属性によって、規定されるようにしてよい。尚、「電流量を一致させるように」とは、理想的には完全に一致させることを意味するが、第1特性と第2特性との比較により第2電池状態を推定可能な程度に、両電流量を一致させておけば足りる趣旨である。
本発明に係る電池状態検出装置の他の態様では、前記制御手段は、前記監視電池が前記負荷に供給する電流量と、前記組電池が前記負荷に供給する電流量とを近付けるように、前記充放電手段による充電又は放電を制御する。
この態様によれば、制御手段の制御下で、初期設定として、監視電池が供給する電流量と、組電池が供給する電流量とを近付けるように、充放電手段による充電又は放電が制御される。従って、組電池の第2電池状態を、推定するための推定モデルを、より簡便且つ的確にすることが可能である。仮に、監視電池が供給する電流量と、組電池が供給する電流量とが、異なる場合、複数の変数に対応した複雑な推定モデルを予め用意しなければならない。これに対して、この態様によれば、制御手段の制御下で、初期設定として、監視電池が供給する電流量と、組電池が供給する電流量とを近付けるように、充放電手段による充電又は放電が制御される。従って、組電池の第2電池状態を、推定するための推定モデルを、より簡便且つ的確にすることが可能である。尚、本発明において「電流量を近付ける」とは、理想的には両電流量を一致させるまで近付けることを意味するが、第1特性と第2特性との比較により第2電池状態を推定可能な程度に、両電流量を一致させておけば足りる趣旨である。これらの結果、組電池の第2電池状態を、この推定モデルに基づいて、より適切に推定することが可能である。
本発明に係る電池状態検出装置の他の態様では、前記監視電池を、前記負荷から、回路的に開放する開放手段を更に備え、前記制御手段は、前記開放手段によって、前記監視電池が開放された後、前記充放電手段による充電量又は放電量に基づいて、前記第1電池状態を検出するように前記検出手段を制御する。
この態様によれば、監視電池を負荷から開放することで組電池の監視電池に対する影響を無くすことができるので、監視電池の第1電池状態を、より高精度に検出し、ひいては、組電池の第2電池状態を、より適切に推定することが可能である。
この制御手段に係る態様では、前記制御手段は、前記第1電池状態が検出された後、前記監視電池が前記負荷に供給する電流量と、前記組電池が前記負荷に供給する電流量とを近付けるように、前記充放電手段による充電又は放電を制御するように構成してよい。
このように構成すれば、監視電池に対する充放電が行われた後、組電池と、監視電池との間に起電力が生じて、負荷に供給する電気が不安定になることを、効果的に防止することが可能である。
本発明に係る電池状態検出装置の他の態様では、前記監視電池又は前記組電池から、前記負荷に印加される電圧を昇圧する昇圧手段を更に備え、前記制御手段は、前記監視電池及び前記組電池のうちいずれか一方が、低電圧状態にある場合、いずれか他方から前記負荷に印加される電圧を昇圧するように前記昇圧手段を制御する。
この態様によれば、監視電池及び前記組電池のうちいずれか一方が低電圧状態にある場合、即ち、一方の容量の低下に起因して、一方の電圧レベルが、例えば電動機等の負荷を適切に駆動するのに必要且つ十分な所定の電圧レベルよりも低下した場合、昇圧手段によって、いずれか他方から負荷に印加される印加電圧を規格電圧に維持することが可能である。他方によって、一方をバックアップさせることで、電気の供給システムにおける冗長性を高めることが可能である。
本発明に係る電池状態検出装置の他の態様では、外部から前記充放電手段へ直流電流を供給する直流電源を更に備え、前記制御手段は、供給された前記直流電流により、前記監視電池又は前記組電池に対する充電又は放電を行うように前記充放電手段を制御する。
この態様によれば、外部の直流電源により、監視電池又は前記組電池に対する充電又は放電を、より適切且つ高精度に行うことが可能である。
本発明に係る電池状態検出装置の他の態様では、前記監視電池又は前記組電池は、ニッケル水素2次電池、又は鉛蓄電池である。
この態様によれば、電池の内部抵抗が小さく、他の電池と比較して相対的に大容量なニッケル水素2次電池、又は鉛蓄電池によって、電気の供給システムを、より適切に構築可能である。
本発明に係る電池状態検出装置の他の態様では、前記組電池は、ニッケル水素2次電池、又は鉛蓄電池である単電池が直列に接続されている。
この態様によれば、組電池が、ニッケル水素2次電池、又は鉛蓄電池である単電池が直列に接続されていることによって、電気の供給システムを、より安定的且つ適切に構築可能である。
(出力制御装置)
上記課題を解決するために、本発明に係る出力制御装置は、動力源として、内燃機関及び電動発電機を備える出力制御装置であって、前記電動発電機に電気を供給する組電池と、前記組電池を、少なくとも充電又は放電させる充放電手段と、前記充放電手段に並列に接続され、前記充放電手段により充電又は放電される監視電池と、前記充放電手段による、前記監視電池の充電量又は放電量に基づいて、前記監視電池の電池状態を示す第1電池状態(SOC)を、検出する検出手段と、前記検出された第1電池状態に基づいて、前記組電池の電池状態を示す第2電池状態を推定可能な推定手段(例えば推定モデル)と、前記組電池の電池状態を判定する判定指示に対応して、前記第2電池状態を推定するように、前記推定手段を制御する制御手段(例えば電池ECU)と、前記推定された第2電池状態に基づいて、前記内燃機関及び前記電動発電機の出力を制御する出力制御手段と、を備える
本発明に係る出力制御装置によれば、動力源として、内燃機関及び電動発電機、所謂、モータージェネレータ(Motor Generator)を備える。本発明における「内燃機関」とは、燃料の燃焼を動力に変換する機関を総称するが、好適にはガソリン、ディーゼル、LPG等を燃料とするエンジンなどを指す。また、本発明における電動発電機は、バッテリ等の2次電池から供給される電気エネルギを、機械エネルギに変換することによって、電動機として動作する機能と、機械エネルギを電気エネルギに変換することによって、例えばバッテリ等に電気或いは電気エネルギを供給する発電機として動作する機能とを有する。尚、電動発電機は予め、主として電動機(モータ)として使用される電動発電機と、主として発電機(ジェネレータ)として使用される電動発電機の二種類搭載されていてもよい。このような内燃機関と電動発電機と、を備える出力制御装置においては、電動発電機によって適宜内燃機関の動力をアシストすることが可能な所謂パラレル方式の制御が好適に行われてよい。
上記課題を解決するために、本発明に係る出力制御装置は、動力源として、内燃機関及び電動発電機を備える出力制御装置であって、前記電動発電機に電気を供給する組電池と、前記組電池を、少なくとも充電又は放電させる充放電手段と、前記充放電手段に並列に接続され、前記充放電手段により充電又は放電される監視電池と、前記充放電手段による、前記監視電池の充電量又は放電量に基づいて、前記監視電池の電池状態を示す第1電池状態(SOC)を、検出する検出手段と、前記検出された第1電池状態に基づいて、前記組電池の電池状態を示す第2電池状態を推定可能な推定手段(例えば推定モデル)と、前記組電池の電池状態を判定する判定指示に対応して、前記第2電池状態を推定するように、前記推定手段を制御する制御手段(例えば電池ECU)と、前記推定された第2電池状態に基づいて、前記内燃機関及び前記電動発電機の出力を制御する出力制御手段と、を備える
本発明に係る出力制御装置によれば、動力源として、内燃機関及び電動発電機、所謂、モータージェネレータ(Motor Generator)を備える。本発明における「内燃機関」とは、燃料の燃焼を動力に変換する機関を総称するが、好適にはガソリン、ディーゼル、LPG等を燃料とするエンジンなどを指す。また、本発明における電動発電機は、バッテリ等の2次電池から供給される電気エネルギを、機械エネルギに変換することによって、電動機として動作する機能と、機械エネルギを電気エネルギに変換することによって、例えばバッテリ等に電気或いは電気エネルギを供給する発電機として動作する機能とを有する。尚、電動発電機は予め、主として電動機(モータ)として使用される電動発電機と、主として発電機(ジェネレータ)として使用される電動発電機の二種類搭載されていてもよい。このような内燃機関と電動発電機と、を備える出力制御装置においては、電動発電機によって適宜内燃機関の動力をアシストすることが可能な所謂パラレル方式の制御が好適に行われてよい。
特に、例えば電池ECU等の制御手段の制御下で、組電池の電池状態を判定する判定指示に対応して、推定手段によって、組電池の第2電池状態が推定される。
従って、監視電池を充電又は放電させて、検出された第1電池状態に基づいて、組電池の第2電池状態を、任意のタイミングで適切に推定することが可能である。この結果、制御手段の制御下で、組電池の電池状態の劣化や、組電池の容量の低下に、迅速且つ的確に対応して、組電池の充電や、監視電池から負荷への電気の代替的な供給や、組電池の交換などを行うことで、負荷に供給する電流量を規格電流に維持し、負荷に印加される印加電圧を規格電圧に維持することが可能である。
この結果、出力制御手段の制御下で、推定された第2電池状態に基づいて、内燃機関及び電動発電機の出力を、適切に制御することが可能である。
(電池状態検出装置方法)
上記課題を解決するために、本発明に係る電池状態検出方法は、負荷に電気を供給する組電池と、前記組電池を、少なくとも充電又は放電させる充放電手段と、前記充放電手段に並列に接続され、前記充放電手段により充電又は放電される監視電池と、を備える電池状態検出装置における電池状態検出方法であって、前記充放電手段による、前記監視電池の充電量又は放電量に基づいて、前記監視電池の電池状態を示す第1電池状態(SOC)を、検出する検出工程と、前記検出された第1電池状態に基づいて、前記組電池の電池状態を示す第2電池状態を推定可能な推定工程(例えば推定モデル)と、前記組電池の電池状態を判定する判定指示に対応して、前記第2電池状態を推定するように、前記推定工程を制御する制御工程(例えば電池ECU)と、を備える。
上記課題を解決するために、本発明に係る電池状態検出方法は、負荷に電気を供給する組電池と、前記組電池を、少なくとも充電又は放電させる充放電手段と、前記充放電手段に並列に接続され、前記充放電手段により充電又は放電される監視電池と、を備える電池状態検出装置における電池状態検出方法であって、前記充放電手段による、前記監視電池の充電量又は放電量に基づいて、前記監視電池の電池状態を示す第1電池状態(SOC)を、検出する検出工程と、前記検出された第1電池状態に基づいて、前記組電池の電池状態を示す第2電池状態を推定可能な推定工程(例えば推定モデル)と、前記組電池の電池状態を判定する判定指示に対応して、前記第2電池状態を推定するように、前記推定工程を制御する制御工程(例えば電池ECU)と、を備える。
本発明に係る電池状態検出方法によれば、上述した本発明に係る電池状態検出装置に係る実施形態が有する各種利益を享受することが可能となる。
尚、上述した本発明に係る電池状態検出装置に係る実施形態が有する各種態様に対応して、本発明に係る電池状態検出方法に係る実施形態も各種態様を採ることが可能である。
(出力制御方法)
上記課題を解決するために、本発明に係る出力制御方法は、動力源としての内燃機関及び電動発電機と、前記電動発電機に電気を供給する組電池と、前記組電池を、少なくとも充電又は放電させる充放電手段と、前記充放電手段に並列に接続され、前記充放電手段により充電又は放電される監視電池と、を備える出力制御装置における出力制御方法であって、前記充放電手段による、前記監視電池の充電量又は放電量に基づいて、前記監視電池の電池状態を示す第1電池状態(SOC)を、検出する検出工程と、前記検出された第1電池状態に基づいて、前記組電池の電池状態を示す第2電池状態を推定可能な推定工程(例えば推定モデル)と、前記組電池の電池状態を判定する判定指示に対応して、前記第2電池状態を推定するように、前記推定工程を制御する制御工程(例えば電池ECU)と、前記推定された第2電池状態に基づいて、前記内燃機関及び前記電動発電機の出力を制御する出力制御工程と、を備える。
上記課題を解決するために、本発明に係る出力制御方法は、動力源としての内燃機関及び電動発電機と、前記電動発電機に電気を供給する組電池と、前記組電池を、少なくとも充電又は放電させる充放電手段と、前記充放電手段に並列に接続され、前記充放電手段により充電又は放電される監視電池と、を備える出力制御装置における出力制御方法であって、前記充放電手段による、前記監視電池の充電量又は放電量に基づいて、前記監視電池の電池状態を示す第1電池状態(SOC)を、検出する検出工程と、前記検出された第1電池状態に基づいて、前記組電池の電池状態を示す第2電池状態を推定可能な推定工程(例えば推定モデル)と、前記組電池の電池状態を判定する判定指示に対応して、前記第2電池状態を推定するように、前記推定工程を制御する制御工程(例えば電池ECU)と、前記推定された第2電池状態に基づいて、前記内燃機関及び前記電動発電機の出力を制御する出力制御工程と、を備える。
本発明に係る出力制御方法によれば、上述した本発明に係る出力制御装置に係る実施形態が有する各種利益を享受することが可能となる。
尚、上述した本発明に係る出力制御装置に係る実施形態が有する各種態様に対応して、本発明に係る出力制御方法に係る実施形態も各種態様を採ることが可能である。
本発明に係る電池状態検出装置によれば、ハイブリッド式の車両用の電池状態検出装置において、所望のタイミングで適切に電池の電池状態を検出できる。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について説明する。
(1)実施形態の基本構成
先ず、図1を参照して、本発明の実施形態に係るハイブリッドシステム1の構成について説明する。ここに、図1は、本実施形態に係るハイブリッドシステムのブロック図である。
(1)実施形態の基本構成
先ず、図1を参照して、本発明の実施形態に係るハイブリッドシステム1の構成について説明する。ここに、図1は、本実施形態に係るハイブリッドシステムのブロック図である。
図1において、ハイブリッドシステム1は、車速センサ2、アクセルセンサ3、ブレーキコンピュータ4、SOCセンサ5、2次電池10、インバータ12、動力分割機構13、電動発電機14、モータECU15、エンジン16、エンジンECU17、電池ECU18、電動発電機19、HVECU(ハイブリッドECU)20、車輪22及び油圧ブレーキ23を備え、ハイブリッド式の車両を制御するシステムである。
HVECU20は、ハイブリッドシステム1の動作全体を制御する、例えばECU(Engine Controlling Unit)等の制御ユニットであり、本発明に係る「制御手段」の一例として機能する。このHVECU20は、ハイブリッドシステム1の動作全体を制御するために、記憶部を備える。
詳細には、HVECU20によるインバータ12の制御は、エンジンECU17からのエンジン16の運転状態の情報やアクセルペダルの操作量、ブレーキコンピュータからのブレーキペダルの操作量、図示しないシフトポジションセンサからのシフトレンジ、電池ECU18からの2次電池10の電池状態又は充電状態(SOC:State of Charge)等に基づき実行される。例えば、HVECU20は、電池ECU18から供給された2次電池10の電池状態に基づき、モータ駆動からエンジン駆動への切替タイミングを制御する。エンジンの始動は、インバータ12を制御して2次電池10からの電力をジェネレータ19に供給し、ジェネレータ19をスタータモータとして機能させることで行ってよい。
2次電池10は、複数のブロックが直列接続されて構成され、各ブロックは複数のセルから構成される。各ブロック毎に電圧センサが設けられ、各ブロックの検出電圧を電池ECU18に供給する。また、電流センサで検出された2次電池10の電流値も電池ECU18に供給される。さらに、温度センサで検出された温度も電池ECU18に供給される。2次電池10としては、例えばニッケル水素電池を用いることができる。
電池ECU18は、検出された温度に基づき2次電池10の温度管理を実行し、温度が所定温度以上となった場合に図示しない冷却ファンを駆動して2次電池10の温度を一定に維持する。また、検出された電流値に基づき2次電池10の電池状態(SOC)を検出してHVECU20に供給する。電池状態は、初期状態の電池状態と電流積算値に基づき算出される。
エンジン16は、本発明に係る「内燃機関」の一例たるガソリンエンジンであり、ハイブリッド式の車両の主たる動力源として機能する。エンジン16は、アクセルセンサで検出されたアクセルペダルの操作量や冷却水温などの環境条件、さらに電動発電機14の運転状態に基づきエンジンECU17によりその出力や回転数などが制御される。尚、エンジン16の詳細な構成については後述する。
電動発電機14は、本発明に係る「電動発電機」の一例であり、電動発電機14は、ハイブリッド(HV)ECU20により制御され、エンジン16の駆動力をアシストする電動機として機能するように構成されている。この場合、HVECU20は、モータECU15を介してインバータ12の各スイッチを制御することにより2次電池10から電動発電機14に電力を供給している。或いは、電動発電機14は、2次電池10を充電するための発電機として、機能するように構成されている。
電動発電機19は、本発明に係る「電動発電機」の他の一例であり、エンジン16の出力をアシストする電動機として機能するように構成されている。或いは、電動発電機19は、2次電池10を充電するための発電機として機能するように構成されている。
尚、これら電動発電機14及び電動発電機19は、例えば同期電動発電機として構成され、外周面に複数個の永久磁石を有するロータと、回転磁界を形成する三相コイルが巻回されたステータとを備える。但し、他の形式の電動発電機であっても構わない。
動力分割機構13は、図示せぬサンギア、プラネタリキャリア、ピニオンギア、及びリングギアを備えた遊星歯車機構である。これら各ギアのうち、内周にあるサンギアの回転軸は電動発電機14に連結されており、外周にあるリングギアの回転軸は、電動発電機19に連結されている。サンギアとリングギアの中間にあるプラネタリキャリアの回転軸はエンジン16に連結されており、エンジン16の回転は、このプラネタリキャリアと更にピニオンギアとによって、サンギア及びリングギアに伝達され、エンジン16の動力が2系統に分割されるように構成されている。ハイブリッド式の車両において、リングギアの回転軸は、ハイブリッド式の車両における伝達機構に連結されており、この伝達機構を介して車輪22に駆動力が伝達される。
インバータ12は、2次電池10から取り出した直流電力を交流電力に変換して電動発電機14及び電動発電機19に供給すると共に、電動発電機14及び電動発電機19によって発電された交流電力を直流電力に変換して2次電池10に供給することが可能に構成されている。
2次電池10は電動発電機14及び電動発電機19を駆動するための電源として機能することが可能に構成された充電可能な蓄電池である。2次電池10には、2次電池10の残容量を検出するSOCセンサ5が設置されており、ハイブリッドECU20と電気的に接続されている。2次電池10とインバータ12は、システムメインリレーSMRを介して接続される。
車速センサ2は、ハイブリッド式の車両の速度を検出するセンサであり、ハイブリッドECU20と電気的に接続されている。
電池システム100は、SOCセンサ5、後述の組電池10a及び監視電池10bを含む2次電池10、電池ECU18によって、構成されている。尚、この電池システム100の詳細については、後述される。
ここで図2を参照して、エンジン16の詳細な構成の一例を、その基本動作と共に説明する。ここに、図2は、本実施形態に係る、エンジン16の断面を示すと共に、エンジンのシステム系統を示した模式図である。
図2において、エンジン16は、エンジンECU17の制御下で、シリンダ201内において点火プラグ202により混合気を爆発させると共に、爆発力に応じて生じるピストン203の往復運動を、コネクションロッド204を介してクランクシャフト205の回転運動に変換する。この際、外部から吸入された空気は吸気管206を通過し、インジェクタ207から噴射された燃料と混合されて前述の混合気となる。インジェクタ207には、燃料が燃料タンク223からフィルタ224を介して供給される。燃料タンク223には、燃料センサ225が設置されている。シリンダ201内部で燃焼した混合気は排気ガスとなり吸気バルブ208の開閉に連動して開閉する排気バルブ209を通過して排気管210を介して排気される。吸気管206には、クリーナ211が配設されており、クリーナ211の下流側には、エアフローメータ212と吸気温センサ213とが設置されている。吸気管206におけるエアフローメータ212の下流側に配設されたスロットルバルブ214には、スロットルポジションセンサ215が電気的に接続されている。スロットルバルブ214の周囲には、運転者によるアクセルペダル226の踏み込み量を検出するアクセルポジションセンサ216、及びスロットルバルブ214を駆動するスロットルバルブモータ217も配設されている。クランクシャフト205近傍には、クランクシャフト205の回転位置を検出するクランクポジションセンサ218が設置されている。シリンダブロックには、ノックセンサ219及び水温センサ220が配設されており、排気管210には、三元触媒222及び空燃比センサ221が配設されている。
次に、図3を参照して、電池システム100の詳細な構成を、説明する。ここに、図3は、本実施形態に係る、電池システムのシステム系統を模式的に示したブロック図である。
図3に示されるように、本実施形態に係る電池システム100は、充放電回路9a、昇圧回路9b、電流センサ9c及び9d、回路接点「S1」、組電池10a、監視電池10b、並びに上述の電池ECU18を備えて構成されている。
(2) 実施形態の動作原理
(2−1) ハイブリッドシステムの基本動作
図1のハイブリッドシステム1においては、本発明に係る「組電池」の一例である2次電池10へ電気を充電するための、主として発電機として機能する電動発電機14と、2次電池10からの電気の供給を受けることで、主として電動機として機能する電動発電機19と、エンジン16とのそれぞれの駆動力配分が、HVECU20により制御されてハイブリッド式の車両の走行状態が制御される。以下に、幾つかの状況に応じたハイブリッドシステム1の動作について説明する。
(2−1−1)始動時
例えば、ハイブリッド式の車両の始動時においては、2次電池10の電気を用いて駆動される電動発電機14が電動機として機能する。この動力によって、エンジン16がクランキングされエンジン16が始動する。
(2−1−2)発進時
発進時には、2次電池10の蓄電状態に応じて2種類の態様を採り得る。2次電池10の蓄電状態は、SOCセンサ5の出力信号に基づいてHVECU20によって把握されている。例えば、通常の(即ち、電池状態が良好な)発進時においては、電動発電機14によって2次電池10を充電する必要は生じないため、エンジン16は暖機のためだけに始動し、ハイブリッド式の車両は、電動発電機19による駆動力により発進する。一方、蓄電状態が良好ではない(即ち、電池状態が低下している)場合、エンジン16の動力により電動発電機14が発電機として機能し、2次電池10が充電される。
(2−1−3)軽負荷走行時
例えば、低速走行や緩やかな坂を下っている場合には、比較的エンジン16の効率が悪い為、エンジン16は停止され、ハイブリッド式の車両は、電動発電機19による駆動力のみで走行する。尚、この際、電池状態が低下していれば、エンジン16は電動発電機14を駆動するために始動し、電動発電機14により2次電池10の充電が行われる。
(2−1−4)通常走行時
エンジン16の効率が比較的良好な運転領域においては、ハイブリッド式の車両は主としてエンジン16の動力によって走行する。この際、エンジン16の動力は、動力分割機構13によって2系統に分割され、一方は、伝達機構を介して車輪22に伝達され、他方は、電動発電機14を駆動して発電を行う。更に、この発電された電力により、電動発電機19が駆動され、電動発電機19によりエンジン16の動力がアシストされる。尚、この際、電池状態が低下している場合には、エンジン16の出力を上昇させて、電動発電機14により発電された電力の一部が2次電池10へ充電される。
(2−1−5)制動時
減速が行われる際には、車輪22から伝達される動力によって電動発電機19を回転させ、発電機として動作させる。これにより、車輪22の運動エネルギが電気に変換され、2次電池10が充電される、所謂「回生」が行われる。
(2−2)実施形態におけるエンジンの基本制御動作
次に、エンジン16の基本的な制御動作について説明する。
(2) 実施形態の動作原理
(2−1) ハイブリッドシステムの基本動作
図1のハイブリッドシステム1においては、本発明に係る「組電池」の一例である2次電池10へ電気を充電するための、主として発電機として機能する電動発電機14と、2次電池10からの電気の供給を受けることで、主として電動機として機能する電動発電機19と、エンジン16とのそれぞれの駆動力配分が、HVECU20により制御されてハイブリッド式の車両の走行状態が制御される。以下に、幾つかの状況に応じたハイブリッドシステム1の動作について説明する。
(2−1−1)始動時
例えば、ハイブリッド式の車両の始動時においては、2次電池10の電気を用いて駆動される電動発電機14が電動機として機能する。この動力によって、エンジン16がクランキングされエンジン16が始動する。
(2−1−2)発進時
発進時には、2次電池10の蓄電状態に応じて2種類の態様を採り得る。2次電池10の蓄電状態は、SOCセンサ5の出力信号に基づいてHVECU20によって把握されている。例えば、通常の(即ち、電池状態が良好な)発進時においては、電動発電機14によって2次電池10を充電する必要は生じないため、エンジン16は暖機のためだけに始動し、ハイブリッド式の車両は、電動発電機19による駆動力により発進する。一方、蓄電状態が良好ではない(即ち、電池状態が低下している)場合、エンジン16の動力により電動発電機14が発電機として機能し、2次電池10が充電される。
(2−1−3)軽負荷走行時
例えば、低速走行や緩やかな坂を下っている場合には、比較的エンジン16の効率が悪い為、エンジン16は停止され、ハイブリッド式の車両は、電動発電機19による駆動力のみで走行する。尚、この際、電池状態が低下していれば、エンジン16は電動発電機14を駆動するために始動し、電動発電機14により2次電池10の充電が行われる。
(2−1−4)通常走行時
エンジン16の効率が比較的良好な運転領域においては、ハイブリッド式の車両は主としてエンジン16の動力によって走行する。この際、エンジン16の動力は、動力分割機構13によって2系統に分割され、一方は、伝達機構を介して車輪22に伝達され、他方は、電動発電機14を駆動して発電を行う。更に、この発電された電力により、電動発電機19が駆動され、電動発電機19によりエンジン16の動力がアシストされる。尚、この際、電池状態が低下している場合には、エンジン16の出力を上昇させて、電動発電機14により発電された電力の一部が2次電池10へ充電される。
(2−1−5)制動時
減速が行われる際には、車輪22から伝達される動力によって電動発電機19を回転させ、発電機として動作させる。これにより、車輪22の運動エネルギが電気に変換され、2次電池10が充電される、所謂「回生」が行われる。
(2−2)実施形態におけるエンジンの基本制御動作
次に、エンジン16の基本的な制御動作について説明する。
HVECU20は、エンジン16に要求される出力であるエンジン要求出力を一定の周期で繰り返し演算している。HVECU20は、アクセルセンサ3及び車速センサ2の出力信号に基づいてアクセル開度と車速とを取得し、記憶部の不揮発性領域に記録されたマップを参照してアクセル開度及び車速に対応した出力軸トルク(伝達機構に出力されるべきトルク)を求める。また、HVECU20はSOCセンサ5の出力信号に基づいて要求発電量を求める。そして、要求発電量と各種の補機類(A/Cやパワーステアリングなど)の要求量とを参照して出力軸トルクを補正することにより、エンジン要求出力を求める。なお、エンジン要求出力の演算方法は公知のハイブリッド車両で実行されている通りでよく、その細部は必要に応じて種々変更してよい。
(2−3)組電池を充電する充電処理
次に、図4を参照して、本実施形態に係る、組電池を充電する充電処理について説明する。ここに、図4は、本実施形態に係る、電池状態を推定する推定処理を含む、組電池を充電する充電処理の流れを示したフローチャートである。尚、この推定処理は、ハイブリッドECUによって、例えば、数十μ秒、又は数μ秒等の所定の周期で繰り返し実行される。
(2−3)組電池を充電する充電処理
次に、図4を参照して、本実施形態に係る、組電池を充電する充電処理について説明する。ここに、図4は、本実施形態に係る、電池状態を推定する推定処理を含む、組電池を充電する充電処理の流れを示したフローチャートである。尚、この推定処理は、ハイブリッドECUによって、例えば、数十μ秒、又は数μ秒等の所定の周期で繰り返し実行される。
図4に示されるように、電池ECU18の制御下で、組電池10aから放電される電流量、及び、監視電池10bから放電される電流量が、電流センサ9c及び9dによって、測定される(ステップS101)。詳細には、電池ECU18の制御下で、組電池10a、及び、監視電池10bにおける、電圧や温度を示す値が測定され、組電池10a、及び、監視電池10bにおける、容量又は電池状態の異常が監視されるようにしてよい。
次に、電池ECU18の制御下で、組電池10aの電池状態を判定する判定指示を受けたか否かが判別される(ステップS102)。例えば、判定指示を示す制御信号が、電池ECU18により自動的に発行されたか否か、又は運転手により外部操作スイッチが操作されることをトリガーとして、このような判定指示を示す制御信号が、発行されたか否かがモニタリングされる。
次に、電池ECU18の制御下で、回路接点「S1」が開放され、監視電池10bが、負荷から、回路的に開放される(ステップS103)。
次に、電池ECU18の制御下で、現在の監視電池10bの容量又は電池状態が、充放電回路9aによる監視電池10bの放電によって、検出される(ステップS104)。具体的には、充放電回路9aによって、監視電池10bの全放電される際の放電電流と、当該放電電流に対応される監視電池10bの電圧の時間的な変化量に基づいて、現在の監視電池10bの容量又は電池状態が、所定の検出モデルに基づいて検出される。
尚、本実施形態に係る「所定の検出モデル」は、放電電流と、当該放電電流に対応される監視電池10bの電圧の時間的な変化量との相関関係を定量化又は定性化するための、理論的、経験的、実験的、シミュレーション的な各種の手法によって、現在の監視電池10bの容量又は電池状態が一義的且つ明確に検出できるように、例えば所定の関数、所定の計算式、所定のマップ等を用いて個別具体的に規定されてよい。
次に、電池ECU18の制御下で、検出された、現在の監視電池10bの容量又は電池状態に対応される、組電池10aの現在の容量又は電池状態が、所定の推定モデルに基づいて、推定される(ステップS105)。具体的には、現在の監視電池10bの容量又は電池状態が、約70(%)であった場合、組電池10aの現在の容量又は電池状態を、所定の推定モデルに基づいて、約70(%)であると推定してよい。
尚、本実施形態に係る「所定の推定モデル」は、現在の監視電池10bの容量又は電池状態と、組電池10aの現在の容量又は電池状態との相関関係を定量化又は定性化するための、理論的、経験的、実験的、シミュレーション的な各種の手法によって、組電池10aの現在の容量又は電池状態が一義的且つ明確に推定できるように、例えば所定の関数、所定の計算式、所定のマップ等を用いて個別具体的に規定されてよい。この「所定の推定モデル」は、具体的には、電池の温度等の各種の外界環境条件を加味した上で、規定されてよい。例えば、外界環境の温度の変化に対応して、所定の推定モデルは変化するが、温度に基づくことで、低温環境であれ高温環境であれ、より正確に、現在の容量又は電池状態を検出することが可能となる。
このように、監視電池を充電又は放電させて、検出された監視電池の電池状態に基づいて、組電池の電池状態を、任意のタイミングで適切に推定することが可能である。
次に、電池ECU18の制御下で、回路接点「S1」が閉じられ、監視電池10bと、負荷とによって構成される回路が閉じる(ステップS106)。特に、この際に、監視電池10bから放電される電流量と、組電池10aから放電される電流量とが、同一値に近付くように或いは略同一になるように、電池ECU18の制御下で、充放電回路9aによる監視電池10bの充電又は放電が変化させるようにしてよい。
次に、電池ECU18の制御下で、推定された、組電池10aの現在の容量又は電池状態が、例えば電動機等の負荷を適切に駆動するのに必要且つ十分な所定の閾値より大きいか否かが判別される(ステップS107)。ここで、推定された、組電池10aの現在の容量又は電池状態が、所定の閾値より大きくない場合(ステップS107:No)、電池ECU18の制御下で、充放電回路9aによって、組電池10aの充電が行われる(ステップS108)。具体的には、電池ECU18の制御下で、組電池10aに対する充電が開始されると、充放電回路9aの対応するパワースイッチ素子がオンされ、組電池10aに対する充電が行われる。より具体的には、組電池10aに対して、例えば、電流が一定値である定電流充電や、電圧が一定値である定電圧充電が行われてよい。
と同時に、又は、相前後して、例えば、組電池の充電によって、組電池10aの出力電圧が低下した場合に備えて、電池ECU18の制御下で、昇圧回路9bによって、組電池10a、又は監視電池10bの電圧が昇圧される(ステップS109)。この結果、組電池10a、又は監視電池10bが、インバータ12を介して、電動機等の負荷に印加する電圧を、規格電圧に維持することが可能である。
この結果、制御手段の制御下で、組電池の電池状態の劣化や、組電池の容量の低下に、迅速且つ的確に対応して、組電池の充電や、監視電池から負荷への電力の代替的な供給や、組電池の交換などを行うことで、負荷に供給する電流量を規格電流に維持し、負荷に印加される印加電圧を規格電圧に維持することが可能である。
加えて、組電池の電池状態が劣化したり、組電池の容量が低下したりした場合、監視電池から負荷へ電力を代替的に供給可能とさせ、監視電池によって、組電池をバックアップさせることで、電力の供給システムにおける冗長性を高めることが可能である。
(3)他の実施形態
次に、図5及び図6を参照して、他の実施形態に係る、組電池を充電する充電処理について説明する。ここに、図5は、他の実施形態に係る、電池システムのシステム系統を模式的に示したブロック図である。図6は、他の実施形態に係る、組電池を充電する充電処理の流れを示したフローチャートである。
(3−1)構成
図5に示されるように、本実施形態に係る電池システム100は、上述した、充放電回路9a、昇圧回路9b、電流センサ9c及び9d、回路接点「S1」、組電池10a、監視電池10b、電池ECU18に加えて、回路接点「S2」、「S2a」、「S2b」及び「S3」、並びに直流電源10cを備えて構成されている。
(3−2)動作
図6は、上述の図4中のステップS108において、電池ECU18の制御下で、充放電回路9aによって、組電池10aの充電が行われる処理における、詳細な処理手順を示す。
(3)他の実施形態
次に、図5及び図6を参照して、他の実施形態に係る、組電池を充電する充電処理について説明する。ここに、図5は、他の実施形態に係る、電池システムのシステム系統を模式的に示したブロック図である。図6は、他の実施形態に係る、組電池を充電する充電処理の流れを示したフローチャートである。
(3−1)構成
図5に示されるように、本実施形態に係る電池システム100は、上述した、充放電回路9a、昇圧回路9b、電流センサ9c及び9d、回路接点「S1」、組電池10a、監視電池10b、電池ECU18に加えて、回路接点「S2」、「S2a」、「S2b」及び「S3」、並びに直流電源10cを備えて構成されている。
(3−2)動作
図6は、上述の図4中のステップS108において、電池ECU18の制御下で、充放電回路9aによって、組電池10aの充電が行われる処理における、詳細な処理手順を示す。
具体的には、図6に示されるように、電池ECU18の制御下で、組電池10aが、充放電回路9aに、直接的に接続される(ステップS201)。具体的には、回路接点「S2」と、回路接点「S2a」とが、接続される。
次に、電池ECU18の制御下で、直流電源10cが、充放電回路9aに、直接的に接続される(ステップS202)。具体的には、回路接点「S3」が、閉じる。
次に、電池ECU18の制御下で、充放電回路9aによって、直流電源を10cから供給される電力によって、組電池10aの充電が行われる(ステップS203)。具体的には、上述したように、電池ECU18の制御下で、組電池10aに対する充電が開始されると、充放電回路9aの対応するパワースイッチ素子がオンされ、組電池10aに対する充電が行われる。より具体的には、組電池10aに対して、例えば、電流が一定値である定電流充電や、電圧が一定値である定電圧充電が行われてよい。
次に、電池ECU18の制御下で、組電池10aから放電される電流量と、監視電池10bから放電される電流量とが、略同一になるように、充放電回路9aによる組電池10aの充電又は放電が変化させる(ステップS204)。
次に、電池ECU18の制御下で、組電池10aが、電動機等の負荷に、接続される(ステップS205)。具体的には、回路接点「S2」と、回路接点「S2b」とが、接続される。
この結果、制御手段の制御下で、組電池の電池状態の劣化や、組電池の容量の低下に、迅速且つ的確に対応して、外部の直流電源によって、組電池の充電を迅速且つ的確に行うことで、負荷に供給する電流量を規格電流に、より確実に維持し、負荷に印加される印加電圧を規格電圧に、より確実に維持することが可能である。
本発明は、上述した実施形態に限定されることなく、種々の形態にて実施してよい。例えば、本発明はガソリンに限らず、ディーゼルエンジンその他の燃料を利用する各種の内燃機関(エンジン)を有するハイブリッド式の車両の電池状態検出装置に適用してよい。
本発明は、上述した実施形態に限定されることなく、種々の形態にて実施してよい。例えば、本発明は、2次電池に限らず、一次電池に適用してよい。或いは、本発明は、携帯電話等に搭載される各種の電池状態検出装置に適用してよい。或いは、本発明は、ハイブリッド式の車両用の電池状態検出装置に限らず、電気自動車(Electric Vehicle)等の各種の車両用の電池状態検出装置に適用してよい。
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う電池状態検出装置及び方法、並びに、出力制御装置もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
1…ハイブリッドシステム、2…車速センサ、3…アクセルセンサ、4…ブレーキコンピュータ、5…SOCセンサ、充放電回路9a、昇圧回路9b、電流センサ9c及び9d、組電池10a、監視電池10b、10…2次電池、12…インバータ、13…動力分割機構、14…電動発電機、16…エンジン、18…電池ECU、19…電動発電機、20…ハイブリッドECU(HVECU)、22…車輪、100…電池システム
Claims (12)
- 負荷に電気を供給する組電池と、
前記組電池を、少なくとも充電又は放電させる充放電手段と、
前記充放電手段に並列に接続され、前記充放電手段により充電又は放電される監視電池と、
前記充放電手段による、前記監視電池の充電量又は放電量に基づいて、前記監視電池の電池状態を示す第1電池状態を検出する検出手段と、
前記検出された第1電池状態に基づいて、前記組電池の電池状態を示す第2電池状態を推定可能な推定手段と、
前記組電池の電池状態を判定する判定指示に対応して、前記第2電池状態を推定するように、前記推定手段を制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする電池状態検出装置。 - 前記監視電池が前記負荷に供給する電流量と、前記組電池が前記負荷に供給する電流量とを一致させるように、前記監視電池の物理的又は化学的な特性を示す第1特性と、前記組電池の物理的又は化学的な特性を示す第2特性とは、予め設定されていることを特徴とする請求項1に記載の電池状態検出装置。
- 前記制御手段は、前記監視電池が前記負荷に供給する電流量と、前記組電池が前記負荷に供給する電流量とを近付けるように、前記充放電手段による充電又は放電を制御することを特徴とする請求項1又は2に記載の電池状態検出装置。
- 前記監視電池を、前記負荷から、回路的に開放する開放手段を更に備え、
前記制御手段は、前記開放手段によって、前記監視電池が開放された後、前記充放電手段による充電量又は放電量に基づいて、前記第1電池状態を検出するように前記検出手段を制御することを特徴とする請求項1から3のうちいずれか一項に記載の電池状態検出装置。 - 前記制御手段は、前記第1電池状態が検出された後、前記監視電池が前記負荷に供給する電流量と、前記組電池が前記負荷に供給する電流量とを近付けるように、前記充放電手段による充電又は放電を制御することを特徴とする請求項4に記載の電池状態検出装置。
- 前記監視電池又は前記組電池から、前記負荷に印加される電圧を昇圧する昇圧手段を更に備え、
前記制御手段は、前記監視電池及び前記組電池のうちいずれか一方が、低電圧状態にある場合、いずれか他方から前記負荷に印加される電圧を昇圧するように前記昇圧手段を制御することを特徴とする請求項1から5のうちいずれか一項に記載の電池状態検出装置。 - 外部から前記充放電手段へ直流電流を供給する直流電源を更に備え、
前記制御手段は、供給された前記直流電流により、前記監視電池又は前記組電池に対する充電又は放電を行うように前記充放電手段を制御することを特徴とする請求項1から6のうちいずれか一項に記載の電池状態検出装置。 - 前記監視電池又は前記組電池は、ニッケル水素2次電池、又は鉛蓄電池であることを特徴とする請求項1から7のうちいずれか一項に記載の電池状態検出装置。
- 前記組電池は、ニッケル水素2次電池、又は鉛蓄電池である単電池が直列に接続されていることを特徴とする請求項1から8のうちいずれか一項に記載の電池状態検出装置。
- 動力源として、内燃機関及び電動発電機を備える出力制御装置であって、
前記電動発電機に電気を供給する組電池と、
前記組電池を、少なくとも充電又は放電させる充放電手段と、
前記充放電手段に並列に接続され、前記充放電手段により充電又は放電される監視電池と、
前記充放電手段による、前記監視電池の充電量又は放電量に基づいて、前記監視電池の電池状態を示す第1電池状態を検出する検出手段と、
前記検出された第1電池状態に基づいて、前記組電池の電池状態を示す第2電池状態を推定可能な推定手段と、
前記組電池の電池状態を判定する判定指示に対応して、前記第2電池状態を推定するように、前記推定手段を制御する制御手段と、
前記推定された第2電池状態に基づいて、前記内燃機関及び前記電動発電機の出力を制御する出力制御手段と、
を備えることを特徴とする出力制御装置。 - 負荷に電気を供給する組電池と、
前記組電池を、少なくとも充電又は放電させる充放電手段と、
前記充放電手段に並列に接続され、前記充放電手段により充電又は放電される監視電池と、を備える電池状態検出装置における電池状態検出方法であって、
前記充放電手段による、前記監視電池の充電量又は放電量に基づいて、前記監視電池の電池状態を示す第1電池状態を、検出する検出工程と、
前記検出された第1電池状態に基づいて、前記組電池の電池状態を示す第2電池状態を推定可能な推定工程と、
前記組電池の電池状態を判定する判定指示に対応して、前記第2電池状態を推定するように、前記推定工程を制御する制御工程と、
を備えることを特徴とする電池状態検出方法。 - 動力源としての内燃機関及び電動発電機と、
前記電動発電機に電気を供給する組電池と、
前記組電池を、少なくとも充電又は放電させる充放電手段と、
前記充放電手段に並列に接続され、前記充放電手段により充電又は放電される監視電池と、を備える出力制御装置における出力制御方法であって、
前記充放電手段による、前記監視電池の充電量又は放電量に基づいて、前記監視電池の電池状態を示す第1電池状態を、検出する検出工程と、
前記検出された第1電池状態に基づいて、前記組電池の電池状態を示す第2電池状態を推定可能な推定工程と、
前記組電池の電池状態を判定する判定指示に対応して、前記第2電池状態を推定するように、前記推定工程を制御する制御工程と、
前記推定された第2電池状態に基づいて、前記内燃機関及び前記電動発電機の出力を制御する出力制御工程と、
を備えることを特徴とする出力制御方法。
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---|---|---|---|
JP2007185853A Pending JP2009025032A (ja) | 2007-07-17 | 2007-07-17 | 電池状態検出装置及び方法、並びに出力制御装置及び方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2009025032A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102638615A (zh) * | 2012-03-28 | 2012-08-15 | 惠州Tcl移动通信有限公司 | 一种手机及其控制方法 |
US10250055B2 (en) | 2014-04-28 | 2019-04-02 | Samsung Electronics Co., Ltd. | Method and apparatus for estimating state of battery |
CN116774092A (zh) * | 2023-08-18 | 2023-09-19 | 荣耀终端有限公司 | 电池检测方法、电路、设备、芯片及可读存储介质 |
-
2007
- 2007-07-17 JP JP2007185853A patent/JP2009025032A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102638615A (zh) * | 2012-03-28 | 2012-08-15 | 惠州Tcl移动通信有限公司 | 一种手机及其控制方法 |
US10250055B2 (en) | 2014-04-28 | 2019-04-02 | Samsung Electronics Co., Ltd. | Method and apparatus for estimating state of battery |
CN116774092A (zh) * | 2023-08-18 | 2023-09-19 | 荣耀终端有限公司 | 电池检测方法、电路、设备、芯片及可读存储介质 |
CN116774092B (zh) * | 2023-08-18 | 2024-04-09 | 荣耀终端有限公司 | 电池检测方法、电路、设备、芯片及可读存储介质 |
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