JP6201665B2 - 画像表示装置の製造方法並びに発光装置及びカラーフィルターの選択方法 - Google Patents
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Description
光源、緑色蛍光体及び4価のマンガンイオンで付活された赤色蛍光体を含み、可視光領域を含む光を発する発光装置を準備する工程と、緑色画素の分光透過曲線における波長460〜640nmの範囲の積分値に対する波長550〜640nmの範囲の積分値の比率が38%以上となる、赤色、緑色及び青色の各画素を含むカラーフィルター候補を準備する工程と、該カラーフィルター候補と前記発光装置とを組み合わせたときにNTSC比が65%以上となる、カラーフィルターを準備する工程と、該カラーフィルター、該発光装置及び光透過制御部材を用いて画像表示装置を構成する工程と、を含む画像表示装置の製造方法である。
また、本発明は、光源、緑色蛍光体及び4価のマンガンイオンで付活された赤色蛍光体を含み、可視光領域を含む光を発する発光装置を準備する工程と、緑色画素の分光透過曲線における波長460〜640nmの範囲の積分値に対する波長560〜640nmの範囲の積分値の比率が23%以上となる、赤色、緑色及び青色の各画素を含むカラーフィルター候補を準備する工程と、該カラーフィルター候補と前記発光装置とを組み合わせたときにNTSC比が65%以上となる、カラーフィルターを準備する工程と、該カラーフィルター、該発光装置及び光透過制御部材を用いて画像表示装置を構成する工程と、を含む画像表示装置の製造方法である。
また、本発明は、光源、緑色蛍光体及び4価のマンガンイオンで付活された赤色蛍光体を含み、可視光領域を含む光を発する発光装置に組み合わせる赤色、緑色及び青色の各画素を有するカラーフィルターを選択する方法であって、緑色画素の分光透過曲線における波長460〜640nmの範囲の積分値に対する波長560〜640nmの範囲の積分値の比率が23%以上となるカラーフィルター候補を準備して、前記発光装置と組み合わせたときにNTSC比が65%以上となるようにカラーフィルターを選択することを含む、方法である。
なお、色名と色度座標との関係、光の波長範囲と単色光の色名との関係等は、JIS Z8110に従う。具体的には、380nm〜455nmが青紫色、455nm〜485nmが青色、485nm〜495nmが青緑色、495nm〜548nmが緑色、548nm〜573nmが黄緑色、573nm〜584nmが黄色、584nm〜610nmが黄赤色、610nm〜780nmが赤色である。
本発明の画像表示装置の製造方法は、光源、緑色蛍光体及び4価のマンガンイオンで付活された赤色蛍光体を含み、可視光領域を含む光を発する発光装置を準備する工程(以下、「第一の工程」ともいう)と、緑色画素の分光透過曲線における波長460〜640nmの範囲の積分値に対する波長550〜640nmの範囲の積分値の比率が38%以上または、波長560〜640nmの範囲の積分値の比率が23%以上となる、赤色、緑色及び青色の各画素を含むカラーフィルター候補を準備する工程(以下、「第二の工程」ともいう)と、該カラーフィルター候補と前記発光装置とを組み合わせたときにNTSC比が65%以上となる、カラーフィルターを準備する工程(以下、「第三の工程」ともいう)と、該カラーフィルター、該発光装置及び光透過制御部材を用いて画像表示装置を構成する工程(以下、「第四の工程」ともいう)と、を含む。
上記特定の要件を満たすカラーフィルターと発光装置を用いて製造される画像表示装置は、十分な色再現性を維持しつつ、高輝度を達成することができる。
なお、NTSC比とは、アメリカテレビジョン標準化委員会(National Television Standards Committee)によりCIE1931 XYZ表色系の色度(x,y)にて定められた標準方式の3原色、赤(0.67,0.33)、緑(0.21,0.71)、青(0.14,0.08)を結ぶ三角形を基準として、画像表示装置の赤・緑・青単色の色度を結んで得られる三角形を比較した面積比のことである。この面積比が即ち色再現範囲として定義され、その比率が高いほど色再現性が高いと判定される。
なお、AdobeRGB比とは、アドビシステム社(Adobe System Incorporated)によりCIE1931 XYZ表色系の色度(x,y)にて定められた標準方式の3原色、赤(0.6400,0.3300)、緑(0.2100,0.7100)、青(0.1500,0.0600)を結ぶ三角形を基準として、画像表示装置の赤・緑・青単色の色度を結んで得られる三角形を比較した面積比のことである。この面積比が即ち色再現範囲として定義され、その比率が高いほど色再現性が高いと判定される。
なお、sRGB比とは、国際電気標準会議(International Electrotechnical Commission)によりCIE1931 XYZ表色系の色度(x,y)にて定められた標準方式の3原色、赤(0.6400,0.3300)、緑(0.3000,0.6000)、青(0.1500,0.0600)を結ぶ三角形を基準として、画像表示装置の赤・緑・青単色の色度を結んで得られる三角形を比較した面積比のことである。この面積比が即ち色再現範囲として定義され、その比率が高いほど色再現性が高いと判定される。
第一の工程では、光源、緑色蛍光体及び4価のマンガンイオンで付活された赤色蛍光体を含む発光装置を準備する。発光装置は、所望の発光特性を有する発光装置を公知の方法を用いて製造して準備しても、所望の発光特性等を考慮して市販の発光装置から適宜選択して準備してもよい。
発光装置の形式は特に制限されず、通常用いられる形式から適宜選択することができる。発光装置の形式としては、砲弾型、表面実装型等を挙げることができる。一般に砲弾型とは、外面を構成する封止樹脂の形状を砲弾型に形成したものを指す。また表面実装型とは、凹状の収納部内に光源となる発光素子及び封止樹脂を充填して形成されたものを示す。さらに発光装置の形式としては、平板状の実装基板上に光源となる発光素子を実装し、その発光素子を覆うように封止樹脂をレンズ状等に形成した発光装置等も挙げられる。
発光装置100は、可視光の短波長側(例えば380nm〜485nm)の光を発する窒化ガリウム系化合物半導体の発光素子(光源)10と、発光素子10を載置する成形体40と、を有する。成形体40は第1のリード20と第2のリード30とを有しており、熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂により一体成形されている。成形体40により底面と側面を持つ凹部が形成されており、凹部の底面に発光素子10が載置されている。発光素子10は一対の正負の電極を有しており、その一対の正負の電極は第1のリード20及び第2のリード30とワイヤ60を介して電気的に接続されている。発光素子10は封止部材50により封止されている。封止部材50にはエポキシ樹脂やシリコーン樹脂、エポキシ変性シリコーン樹脂、変成シリコーン樹脂等の熱硬化性樹脂を用いることが好ましい。封止部材50は発光素子10からの光を波長変換する赤色及び緑色の蛍光体70を含有している。
半導体発光素子は、可視光の短波長領域の光を発するものを使用することができる。例えば、青色、緑色の半導体発光素子としては、窒化物系半導体(InXAlYGa1−X−YN、0≦X、0≦Y、X+Y≦1)を用いたものを用いることができる。
また、赤色蛍光体におけるMn4+の付活量は、赤色蛍光体の組成式が
M1 2M2 1−aMn4+ aF6
で示される場合、aが0<a<0.2を満たすことが好ましい。
Eu付活βサイアロン蛍光体に関しては、国際公開第2007/066733号パンフレットに示されるようなより発光スペクトルの半値幅が狭く、極大発光波長が短波長のものをより好適に用いることができる。
(1)光源が、半導体発光素子であり、赤色蛍光体が、励起波長が400nm〜600nmであり、極大発光波長が610nm〜670nmであり、発光スペクトルの半値幅が30nm以下である発光装置。
(2)光源が、極大発光波長が460nm以下の半導体発光素子であり、赤色蛍光体が、励起波長が400nm〜600nmであり、極大発光波長が610nm〜670nmであり、発光スペクトルの半値幅が30nm以下である発光装置。
(3)光源が、極大発光波長が460nm以下の半導体発光素子であり、赤色蛍光体が、励起波長が400nm〜600nmであり、極大発光波長が610nm〜670nmであり、発光スペクトルの半値幅が30nm以下であり、緑色蛍光体が、ユーロピウム(Eu)付活蛍光体である発光装置。
(4)光源が、極大発光波長が460nm以下の半導体発光素子であり、赤色蛍光体が、Mn4+付活Mgフルオロジャーマネート蛍光体及びM1 2M2F6:Mn4+(M1=Li,Na,K,Rb,Cs;M2=Si,Ge,Sn,Ti,Zr)蛍光体からなる群より選択される少なくとも1種のフッ化物蛍光体であり、緑色蛍光体が、Eu付活クロロシリケート蛍光体、Eu付活シリケート蛍光体、Eu付活βサイアロン蛍光体、Eu付活チオガレート蛍光体、(Y,Lu)3(Al,Ga)5O12:Ceで示される希土類アルミン酸塩蛍光体、及び例えばLa3Si6N11:Ceで表されるランタンシリコンナイトライド系蛍光体からなる群より選択される少なくとも1種の付活蛍光体である発光装置。
(5)光源が、極大発光波長が460nm以下の半導体発光素子であり、赤色蛍光体が、M1 2M2F6:Mn4+(M1=K;M2=Si,Ge)蛍光体であり、緑色蛍光体が、M12 2SiO4:Eu(M12=Ca,Sr,Ba,Zn)で示されるEu付活βサイアロン蛍光体である発光装置。
第二の工程では、緑色画素の分光透過曲線における460〜640nmの範囲の積分値に対する波長550〜640nmの範囲の積分値の比率が38%以上または、波長560〜640nmの範囲の積分値の比率が23%以上となる、赤色画素、緑色画素及び青色画素を有するカラーフィルター候補を準備する。カラーフィルター候補は、所望の分光透過特性を有するカラーフィルターを公知の方法を用いて製造して準備しても、所望の分光透過特性等を考慮して市販のカラーフィルターから適宜選択して準備してもよい。
図3は、本発明の選択対象となるカラーフィルター候補の各画素(青色、緑色、赤色)の、縦軸に透過率(%)、横軸に波長をとった分光透過スペクトルを重ね合せて示したスペクトル図の一例を示す。図3は、後述する本発明の一実施形態に説明するカラーフィルター候補の分光透過曲線の一例である。
図3及び図4に示すように、本発明の方法において、選択対象となるカラーフィルター候補は、例えば後述する図6に示すような従来のカラーフィルターの緑色画素の分光透過曲線と比べて、緑色画素の分光透過曲線が長波長側(550〜640nmまたは560〜640nm)において比較的ブロードなピークを有するものである。
本発明の方法によって選択対象となり得る、図3に示したカラーフィルター候補の緑色画素の分光透過曲線における波長460〜640nmの範囲の積分値に対する波長550〜640nmの範囲の積分値の比率は40.05%である。また、本発明の方法によって選択対象となり得る、図3に示したカラーフィルター候補の緑色画素の分光透過曲線における波長460〜640nmの範囲の積分値に対する波長560〜640nmの範囲の積分値の比率が31.74%である。
カラーフィルター候補となり得るカラーフィルターは、緑色画素の分光透過曲線における波長460〜640nmの範囲の積分値に対する波長550〜640nmの範囲の積分値の比率は、38%以上となるカラーフィルターである。
また、カラーフィルター候補となり得るカラーフィルターは、緑色画素の分光透過曲線における波長460〜640nmの範囲の積分値に対する波長560〜640nmの範囲の積分値の比率が、好ましくは25%以上となり、より好ましくは28%以上となるカラーフィルターである。
カラーフィルター候補となるカラーフィルターは、赤色画素の分光透過曲線における透過率80%となる波長が600nm以下にあり、透過率50%となる波長が587nm以下にある、カラーフィルターであることがより好ましい。
第三の工程は、発光装置とカラーフィルター候補とを組み合わせたときにNTSC比が65%以上となるカラーフィルターを選択する工程である。具体的には、発光装置の発光スペクトルを作成し、この発光スペクトルに基づき、発光装置とカラーフィルター候補とを組み合わせたときにNTSC比65%以上となるようなカラーフィルターを選択する手法が挙げられる。
また、カラーフィルターは、前記発光装置と組み合わせたときのNTSC比が68%以上となるものであることが好ましく、NTSC比が70%以上となるものであることがより好ましい。
第四の工程は、カラーフィルター、該発光装置及び光透過制御部材を用いて画像表示装置を構成する工程である。具体的には、第一の工程〜第三の工程で準備された発光装置及びカラーフィルターと、光透過制御部材(例えば、液晶等)等を加えて構成される。第四の工程において、第一の工程〜第三の工程で準備された発光装置及びカラーフィルターと組み合わせるものであれば、光透過制御部材は、特に制限されず、従来公知の光透過制御部材から適宜選択して用いることができる。
本発明のカラーフィルターを選択する方法は、光源、緑色蛍光体及び4価のマンガンイオンで付活された赤色蛍光体を含み、可視光領域を含む光を発する発光装置に組み合わせる、赤色、緑色及び青色の各画素を有するカラーフィルターを選択する方法であって、光源、緑色蛍光体及び4価のマンガンイオンで付活された赤色蛍光体を含み、可視光領域を含む光を発する発光装置候補を準備する工程と、緑色画素の分光透過曲線における波長460〜640nmの範囲の積分値に対する波長550〜640nmの範囲の積分値の比率が38%以上となるカラーフィルター候補を準備する工程と、発光装置候補とカラーフィルター候補とを組み合わせたときにNTSC比が65%以上となるカラーフィルターを選択する工程とを含む。
本発明のカラーフィルターを選択する方法は、光源、緑色蛍光体及び4価のマンガンイオンで付活された赤色蛍光体を含み、可視光領域を含む光を発する発光装置に組み合わせる、赤色、緑色及び青色の各画素を有するカラーフィルターを選択する方法であって、光源、緑色蛍光体及び4価のマンガンイオンで付活された赤色蛍光体を含み、可視光領域を含む光を発する発光装置候補を準備する工程と、緑色画素の分光透過曲線における波長460〜640nmの範囲の積分値に対する波長560〜640nmの範囲の積分値の比率が23%以上となるカラーフィルター候補を準備する工程と、発光装置候補とカラーフィルター候補とを組み合わせたときにNTSC比が65%以上となるカラーフィルターを選択する工程とを含む。
カラーフィルターを選択する方法におけるカラーフィルター候補を準備する工程の詳細は、前記画像表示装置の製造方法における第二の工程について説明した事項と同様であり、好ましい態様も同様である。
カラーフィルターを選択する方法におけるカラーフィルターを選択する工程の詳細は、前記画像表示装置の製造方法における第三の工程について説明した事項と同様であり、好ましい態様も同様である。
画像表示装置用モジュールは、本発明の選択方法で選択されるカラーフィルター及び発光装置を含む。画像表示装置用モジュールに含まれるカラーフィルター及び発光装置を用いて画像表示装置(好ましくは、液晶表示装置)を構成することで、十分な色再現域を維持しつつ、高輝度が両立される画像表示装置が得られる。
画像表示装置用モジュールは、発光装置をバックライトユニットの構成部材として含んでいてもよい。すなわち、画像表示装置用モジュールは、発光装置を含むバックライトユニットとカラーフィルターとを含むものであってもよい。ここで、バックライトユニットとは、反射シート、導光板、拡散シート、レンズシートなどの光学部材及び発光装置が組み合わされたものを言う。
画像表装置用モジュールに含まれるカラーフィルター及び発光装置は、前述した発光装置及びカラーフィルターの組合せであれば、特に制限はない。
画像表示装置は、前記製造方法で製造されたものであるか、前記選択方法で選択される発光装置及びカラーフィルターを備える。画像表示装置は、前記製造方法で製造されたものであるか、前記発光装置及びカラーフィルターを備えるものであれば特に制限されず、従来公知の画像表示装置からその構成を適宜選択することができる。画像表示装置は例えば、前記発光装置及びカラーフィルターに加えて、光透過制御部材(例えば、液晶)等を備えて構成される。
画像表示装置は、前記選択方法で選択される発光装置及びカラーフィルターを備えることで、輝度と色再現性とが高いレベルで両立される。
発光素子として、極大発光波長(発光ピーク波長)が447nmである半導体発光素子(以下「発光素子1」ともいう)を準備した。赤色蛍光体として組成式がK2SiF6:Mn4+であるフッ化物蛍光体(以下、「KSF」ともいう)を準備した。緑色蛍光体として組成式がM11 8MgSi4OX11:Eu(M11=Ca,Sr,Ba,Zn;X11=F,Cl,Br,I)で示されるクロロシリケート蛍光体、M12 2SiO4:Eu(M12=Mg,Ca,Sr,Ba,Zn)で示されるシリケート蛍光体、Si6−zAlzOzN8−z:Eu(0<z<4.2)で示されるβサイアロン蛍光体、M13Ga2S4:Eu(M13=Mg,Ca,Sr,Ba)で示されるチオガレート蛍光体を準備した。
準備した発光素子、赤色蛍光体及び緑色蛍光体を組み合わせて、常法により発光装置1を作製した。発光装置1は、発光素子1のピーク波長が447nmであり、緑色蛍光体がβサイアロン蛍光体であり、ピーク波長が540nmであり、半値幅が60nm以下であり、赤色蛍光体がKSFであり、ピーク波長が629nmであり、半値幅が4nm以下(≦4nm)であった。図2は、発光装置1の発光スペクトルを示す。
発光装置1を発光させて、仮想カラーフィルターを透過させた光の各画素の透過率を計算によりシミュレーションし、緑色画素の分光透過曲線における波長460〜640nmの範囲の積分値に対する波長550〜640nmの範囲の積分値の比率が38%以上であり、波長560〜640nmの範囲の積分値の比率が23%以上であるカラーフィルター候補1を準備した。
また、発光装置1を発光させて、仮想カラーフィルターを透過させた光の各画素の透過率を計算によりシミュレーションし、赤色画素の分光透過曲線における透過率80%となる波長が605nm以下にあり、透過率50%となる波長が590nm以下にあるカラーフィルター候補1を準備した。図3は、発光装置1の発光スペクトルをもとに、カラーフィルター候補1の各画素(青色、緑色、赤色)の、縦軸に透過率(%)、横軸に波長をとった分光透過スペクトルを重ね合せて示したスペクトル図である。
図3に示すカラーフィルター候補1は、緑色画素の分光透過曲線における波長460〜640nmの範囲の積分値に対する波長550〜640nmの範囲の積分値の比率は40.05%であった。また、図3に示すカラーフィルター候補1は、緑色画素の分光透過曲線における波長460〜640nmの範囲の積分値に対する波長560〜640nmの範囲の積分値の比率が31.74%であった。また、波長460〜640nmの範囲における緑色画素の分光透過曲線の半値幅が110nm程度であり、半値幅は100nmを超えていた。また、図3に示すカラーフィルター候補1は、赤色画素の分光透過曲線における透過率80%となる波長は596nmであり、透過率50%となる波長は585nmであった。さらに、カラーフィルター候補1と発光装置1とを組み合わせたときのNTSC比をシミュレーションし、NTSC比65%以上となるカラーフィルター候補をカラーフィルター候補1として選択した。
また、図3又は後述する図8に示すように、緑色画素の分光透過曲線における波長460〜640nmの範囲の積分値に対する波長560〜640nmの範囲の積分値の比率が23%以上(具体的には31.74%)となるカラーフィルター候補1は、緑色画素の分光透過曲線は長波長側に比較的ブロードなピークを有する。
さらに、図3又は後述する図8に示すように、カラーフィルター候補1は、赤色画素の分光透過曲線における透過率80%となる波長が605nm以下(具体的には596nm)にあり、透過率50%となる波長が590nm以下(具体的には585nm)にあるカラーフィルター候補1は、後述する図6に示すような従来のカラーフィルターの赤色画素の分光透過曲線と比べて、赤色画素の分光透過曲線が短波長側にシフトしている。
発光素子として、極大発光波長(発光ピーク波長)が447nmである半導体発光素子(以下「発光素子1」ともいう)と、黄色蛍光体として、YAG系蛍光体(Y,Ce)3Al5O12を準備し、発光素子1と黄色蛍光体とを組み合わせ、情報により参考発光装置2を作製した。図5は、参考発光装置2の発光スペクトルを示す。
発光装置2を発光させて、仮想カラーフィルターを透過させた光の各画素の透過率を計算によりシミュレーションした。図6は、発光装置2の発光スペクトルをもとに、仮想カラーフィルターの各画素(青色、緑色、赤色)の、縦軸に透過率(%)、横軸に波長をとった分光透過スペクトルを重ね合せて示したスペクトル図である。
発光装置2の発光スペクトルに基づき、選択されるカラーフィルター候補は、十分な色再現域を得るために、波長460〜640nmの範囲における緑色画素の分光透過曲線おける半値幅が比較的狭く、シャープなピークを有し、波長590nm以上の範囲における赤色画素の分光透過曲線の立ち上がりがシャープであり、長波長側にシフトさせた赤色、緑色及び青色の各画素を有するカラーフィルターを組み合わせる必要が生じる。
また、図6に示すように、参考カラーフィルター2は、緑色画素の分光透過曲線における波長460〜640nmの範囲の積分値に対する波長560〜640nmの範囲の積分値の比率が23%以上を満足していない(具体的には20.50%)。
図6に示すように、参考カラーフィルター2は、緑色画素の分光透過曲線のピークが400〜610nmの範囲にあり、ピークが640nmの範囲まで広がっていない。
また、図6又は後述する図8に示すように、参考カラーフィルター2の緑色画素の分光透過曲線は、図3に示すカラーフィルター候補1の緑色画素の分光透過曲線と比較して、シャープなピークを有する。
さらに、図6に示すように、参考カラーフィルター2は、赤色画素の分光透過曲線における透過率80%となる波長は605nm以下ではなく(具体的には610nm)、透過率50%となる波長が590nm以下ではない(具体的には599nm)。
図6又は後述する図8に示すように、参考カラーフィルター2は、図3に示す本発明のカラーフィルター候補1の赤色画素の分光透過曲線と比較して、赤色画素の分光透過曲線が長波長側にシフトしている。
また、図8に示すように、カラーフィルター候補1の分光透過曲線(実線)は、参考カラーフィルター2の分光透過曲線(破線)と比較して、赤色画素の分光透過曲線が短波長側にシフトしている。
Claims (10)
- 光源、緑色蛍光体及び4価のマンガンイオンで付活された赤色蛍光体を含み、可視光領域を含む光を発する発光装置を準備する工程と、
緑色画素の分光透過曲線における波長460〜640nmの範囲の積分値に対する波長550〜640nmの範囲の積分値の比率が38%以上となる、赤色、緑色及び青色の各画素を含むカラーフィルター候補を準備する工程と、
該カラーフィルター候補と前記発光装置とを組み合わせたときにNTSC比が65%以上となる、カラーフィルターを準備する工程と、
該カラーフィルター、該発光装置及び光透過制御部材を用いて画像表示装置を構成する工程と、
を含み、
該カラーフィルターの赤色画素の分光透過曲線における透過率80%となる波長が600nm以下にあって、透過率50%となる波長が587nm以下にあり、
該緑色蛍光体は、発光ピーク波長が510nm〜550nmであって、発光スペクトルの半値幅が100nm以下であり、
該赤色蛍光体は、発光ピーク波長が610nm〜670nmであって、発光スペクトルの半値幅が30nm以下である、
画像表示装置の製造方法。 - 光源、緑色蛍光体及び4価のマンガンイオンで付活された赤色蛍光体を含み、可視光領域を含む光を発する発光装置を準備する工程と、
緑色画素の分光透過曲線における波長460〜640nmの範囲の積分値に対する波長560〜640nmの範囲の積分値の比率が23%以上となる、赤色、緑色及び青色の各画素を含むカラーフィルター候補を準備する工程と、
該カラーフィルター候補と前記発光装置とを組み合わせたときにNTSC比が65%以上となる、カラーフィルターを準備する工程と、
該カラーフィルター、該発光装置及び光透過制御部材を用いて画像表示装置を構成する工程と、
を含み、
該カラーフィルターの赤色画素の分光透過曲線における透過率80%となる波長が600nm以下にあって透過率50%となる波長が587nm以下にあり、
該緑色蛍光体は、発光ピーク波長が510nm〜550nmであって、発光スペクトルの半値幅が100nm以下であり、
該赤色蛍光体は、発光ピーク波長が610nm〜670nmであって、発光スペクトルの半値幅が30nm以下である、
画像表示装置の製造方法。 - 前記緑色蛍光体は、発光ピーク波長が520〜550nmである請求項1または2に記載の画像表示装置の製造方法。
- 前記赤色蛍光体は、励起波長が400nm〜485nmである請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像表示装置の製造方法。
- 前記緑色蛍光体は、組成式がM11 8MgSi4O16X11:Eu(M11=Ca,Sr,Ba,Zn;X11=F,Cl,Br,I)で示されるEu付活クロロシリケート蛍光体、M12 2SiO4:Eu(M12=Mg,Ca,Sr,Ba,Zn)で示されるEu付活シリケート蛍光体、Si6−zAlzOzN8−z:Eu(0<z<4.2)で示されるEu付活βサイアロン蛍光体及びM13Ga2S4:Eu(M13=Mg,Ca,Sr,Ba)で示されるEu付活チオガレート蛍光体からなる群より選択された少なくとも1種を含む請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像表示装置の製造方法。
- 前記赤色蛍光体は、Mn4+付活Mgフルオロジャーマネート蛍光体及びM1 2M2F6:Mn4+(M1=Li,Na,K,Rb,Cs;M2=Si,Ge,Sn,Ti,Zr)からなる群より選択された少なくとも1種を含む請求項1〜5のいずれか1項に記載の画像表示装置の製造方法。
- 光源の発光ピーク波長が、485nm以下である請求項1〜6のいずれか1項に記載の画像表示装置の製造方法。
- 光源、緑色蛍光体及び4価のマンガンイオンで付活された赤色蛍光体を含み、可視光領域を含む光を発する発光装置に組み合わせる赤色、緑色及び青色の各画素を有するカラーフィルターを選択する方法であって、
緑色画素の分光透過曲線における波長460〜640nmの範囲の積分値に対する波長550〜640nmの範囲の積分値の比率が38%以上となるカラーフィルター候補を準備して、前記発光装置と組み合わせたときにNTSC比が65%以上となるようにカラーフィルターを選択することを含み、
該カラーフィルターの赤色画素の分光透過曲線における透過率80%となる波長が600nm以下にあって、透過率50%となる波長が587nm以下にあり、
該緑色蛍光体は、発光ピーク波長が510nm〜550nmであって、発光スペクトルの半値幅が100nm以下であり、
該赤色蛍光体は、発光ピーク波長が610nm〜670nmであって、発光スペクトルの半値幅が30nm以下である、
方法。 - 光源、緑色蛍光体及び4価のマンガンイオンで付活された赤色蛍光体を含み、可視光領域を含む光を発する発光装置に組み合わせる赤色、緑色及び青色の各画素を有するカラーフィルターを選択する方法であって、
緑色画素の分光透過曲線における波長460〜640nmの範囲の積分値に対する波長560〜640nmの範囲の積分値の比率が23%以上となるカラーフィルター候補を準備して、前記発光装置と組み合わせたときにNTSC比が65%以上となるようにカラーフィルターを選択することを含み、
該カラーフィルターの赤色画素の分光透過曲線における透過率80%となる波長が600nm以下にあって、透過率50%となる波長が587nm以下にあり、
該緑色蛍光体は、発光ピーク波長が510nm〜550nmであって、発光スペクトルの半値幅が100nm以下であり、
該赤色蛍光体は、発光ピーク波長が610nm〜670nmであって、発光スペクトルの半値幅が30nm以下である、
方法。 - 請求項8または9に記載の方法によって選択されるカラーフィルターと、発光装置とを含む画像表示装置用モジュール。
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