JP6758148B2 - 液晶表示装置 - Google Patents
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Description
1つの実施形態においては、上記バックライト光源の発光スペクトルは、430nm〜470nmの波長領域にピークP1、530nm〜570nmの波長領域にピークP2、および、630nm〜670nmの波長領域にピークP3を有する。ピークP1の波長をλ1、高さをhP1および半値幅をΔλ1、ピークP2の波長をλ2、高さをhP2および半値幅をΔλ2、ピークP3の波長をλ3、高さをhP3および半値幅をΔλ3、ピークP1とピークP2との間の谷の高さをhB1、ピークP2とピークP3との間の谷の高さをhB2としたときに、これらが下記の関係式(1)〜(3)を満足する:
(λ2−λ1)/(Δλ2+Δλ1)>1 ・・・(1)
(λ3−λ2)/(Δλ3+Δλ2)>1 ・・・(2)
0.8≦{hP2−(hB2+hB1)/2}/hP2≦1 ・・・(3)。
1つの実施形態においては、上記1つの実施形態においては、上記位相差層の屈折率楕円体はnx>nz>nyの関係を示し、Nz係数は0.2〜0.8である。
1つの実施形態においては、上記液晶表示装置は、液晶パネルと上記位相差層との間に、屈折率楕円体がnz>nx≧nyの関係を示す別の位相差層をさらに備える。
1つの実施形態においては、上記バックライト光源は、赤色を発色するLEDと緑色を発色するLEDと青色を発色するLEDとを含み、該赤色を発色するLEDの蛍光体が4価のマンガンイオンで賦活されている。別の実施形態においては、上記バックライト光源は、青色を発色するLEDと量子ドットを含む波長変換層とを含む。
1つの実施形態においては、上記第1の偏光子の吸収軸は上記液晶パネルの長辺に対して実質的に直交または平行であり、上記第2の偏光子の吸収軸は該液晶パネルの長辺に対して実質的に直交または平行であり、該第1の偏光子の吸収軸と該第2の偏光子の吸収軸とは実質的に直交している。
本明細書における用語および記号の定義は下記の通りである。
(1)屈折率(nx、ny、nz)
「nx」は面内の屈折率が最大になる方向(すなわち、遅相軸方向)の屈折率であり、「ny」は面内で遅相軸と直交する方向(すなわち、進相軸方向)の屈折率であり、「nz」は厚み方向の屈折率である。
(2)面内位相差(Re)
「Re(λ)」は、23℃における波長λnmの光で測定したフィルムの面内位相差である。例えば、「Re(450)」は、23℃における波長450nmの光で測定したフィルムの面内位相差である。Re(λ)は、フィルムの厚みをd(nm)としたとき、式:Re=(nx−ny)×dによって求められる。
(3)厚み方向の位相差(Rth)
「Rth(λ)」は、23℃における波長550nmの光で測定したフィルムの厚み方向の位相差である。例えば、「Rth(450)」は、23℃における波長450nmの光で測定したフィルムの厚み方向の位相差である。Rth(λ)は、フィルムの厚みをd(nm)としたとき、式:Rth=(nx−nz)×dによって求められる。
(4)Nz係数
Nz係数は、Nz=Rth/Reによって求められる。
(5)nx=ny、nx=nz、ny=nz
nx=nyとは、nxとnyが完全に同一である場合だけでなく、nxとnyとが実質的に同一である場合も包含する。nx=nzおよびny=nzの関係についても同様である。
(6)実質的に直交または平行
「実質的に直交」および「略直交」という表現は、2つの方向のなす角度が90°±10°である場合を包含し、好ましくは90°±7°であり、さらに好ましくは90°±5°である。「実質的に平行」および「略平行」という表現は、2つの方向のなす角度が0°±10°である場合を包含し、好ましくは0°±7°であり、さらに好ましくは0°±5°である。さらに、単に「直交」または「平行」というときは、実質的に直交または実質的に平行な状態を含み得るものとする。
(7)角度
本明細書において角度に言及するときは、特に明記しない限り、当該角度は時計回りおよび反時計回りの両方の方向の角度を包含する。
図1は、本発明の1つの実施形態による液晶表示装置の概略断面図である。図面においては、見やすくするために、各層および各光学部材の厚みの比率は実際とは異なっている。本実施形態の液晶表示装置500は、液晶パネル100と、液晶パネル100の視認側に配置された位相差層200と、液晶パネル100を背面側から照明するバックライト光源300と、を備える。図示例では、液晶パネル100と位相差層200との間に、別の位相差層400がさらに配置され得る。目的、構成および所望の特性等に応じて、別の位相差層は省略されてもよい。なお、便宜上、位相差層200を第1の位相差層と、別の位相差層400を第2の位相差層と称する場合がある。本発明の実施形態においては、第1の位相差層200の面内位相差Re(550)は100nm〜180nmであり、好ましくは110nm〜170nmであり、さらに好ましくは120nm〜160nmであり、特に好ましくは135nm〜155nmである。さらに、第1の位相差層200は、Re(450)<Re(550)<Re(650)の関係を満たす。加えて、本発明の実施形態においては、バックライト光源300は不連続な発光スペクトルを有する。
B−1.液晶セル
液晶セル10は、一対の基板11、12と、当該基板間に挟持された表示媒体としての液晶層13とを有する。一般的な構成においては、一方の基板11に、カラーフィルターおよびブラックマトリクスが設けられており、他方の基板12に、液晶の電気光学特性を制御するスイッチング素子と、このスイッチング素子にゲート信号を与える走査線およびソース信号を与える信号線と、画素電極および対向電極とが設けられている。上記基板11、12の間隔(セルギャップ)は、スペーサー等によって制御できる。上記基板11、12の液晶層13と接する側には、例えば、ポリイミドからなる配向膜等を設けることができる。
第1の偏光子20および第2の偏光子30としては、任意の適切な偏光子が採用され得る。第1の偏光子20および第2の偏光子30の材料、厚み、光学特性等は、同一であってもよく異なっていてもよい。以下、第1の偏光子20および第2の偏光子30をまとめて偏光子と称する場合がある。
上記のとおり、第1の位相差層200の面内位相差Re(550)は100nm〜180nmであり、好ましくは110nm〜170nmであり、さらに好ましくは120nm〜160nmであり、特に好ましくは135nm〜155nmである。すなわち、第1の位相差層は、いわゆるλ/4板として機能し得る。したがって、第1の位相差層は、偏光子から視認側に出射された直線偏光を楕円偏光または円偏光に変換する機能を有する。このように、λ/4板として機能し得る第1の位相差層を上記のような特定の軸関係で視認側偏光子(第1の偏光子20)よりも視認側に配置することにより、偏光作用を有する光学部材(例えば、偏光サングラス)を介して表示画面を視認した場合でも、優れた視認性を実現することができる。したがって、本発明の液晶表示装置は屋外で好適に用いられ得る。
バックライト光源300は、バックライトユニット(図示せず)に含まれる。バックライトユニットは、光源に加えて、代表的には導光板、拡散シートおよびプリズムシート等を含む。バックライト光源は、上記のとおり不連続な発光スペクトルを有する。「不連続な発光スペクトルを有する」とは、赤色(R)、緑色(G)および青色(B)のそれぞれの波長領域に明確なピークが存在し、かつ、当該それぞれのピークが明確に区別されることをいう。図2は、不連続な発光スペクトルの一例を模式的に示す図である。図2に示すように、バックライト光源の発光スペクトルは、好ましくは430nm〜470nm、より好ましくは440nm〜460nmの波長領域(青色の波長領域)にピークP1、好ましくは530nm〜570nm、より好ましくは540nm〜560nmの波長領域(緑色の波長領域)にピークP2、および、好ましくは630nm〜670nm、より好ましくは640nm〜660nmの波長領域(赤色の波長領域)にピークP3を有する。好ましくは、ピークP1の波長λ1、高さhP1および半値幅Δλ1、ピークP2の波長λ2、高さhP2および半値幅Δλ2、ピークP3の波長λ3、高さhP3および半値幅Δλ3、ピークP1とピークP2との間の谷の高さhB1、ならびに、ピークP2とピークP3との間の谷の高さhB2は、下記の関係式(1)〜(3)を満足する:
(λ2−λ1)/(Δλ2+Δλ1)>1 ・・・(1)
(λ3−λ2)/(Δλ3+Δλ2)>1 ・・・(2)
0.8≦{hP2−(hB2+hB1)/2}/hP2≦1 ・・・(3)。
式(1)の(λ2−λ1)/(Δλ2+Δλ1)は、より好ましくは1.01〜2.00であり、さらに好ましくは1.10〜1.50である。式(2)の(λ3−λ2)/(Δλ3+Δλ2)は、より好ましくは1.01〜2.00であり、さらに好ましくは1.10〜1.50である。式(3)の{hP2−(hB2+hB1)/2}は、より好ましくは0.85〜1であり、さらに好ましくは0.9〜1である。式(1)は、青色光と緑色光との関係が光源として混色せず独立していることを意味する。式(2)は、緑色光と赤色光との関係が光源として混色せず独立していることを意味する。式(3)は、ピークP1、P2およびP3の間の谷間が低く、青色光、緑色光および赤色光のピークが明確に区別されていることを意味する。式(1)〜(3)を規定することにより、色再現性が向上するという利点がある。式(1)〜式(3)を満足する発光スペクトルを有するバックライト光源300と上記の第1の位相差層200との相乗的な効果により、色再現性に優れ、かつ、偏光作用を有する光学部材を通して視認した際の視認性に優れおよび色むらが抑制されている液晶表示装置を実現することができる。例えば、図3に示すような発光スペクトルを有する従来のバックライト光源(赤色光、緑色光および青色光を発色するLEDを単に組み合わせた白色光源)に比べて、色再現性、偏光作用を有する光学部材を通して視認した際の視認性および色むらをすべて顕著に向上させることができる。
第2の位相差層400は、上記のとおり、屈折率特性がnz>nx≧nyの関係を示す。第2の位相差層の厚み方向の位相差Rth(550)は、好ましくは−260nm〜−10nm、より好ましくは−230nm〜−15nm、さらに好ましくは−215nm〜−20nmである。このような光学特性を有する第2の位相差層を設けることにより、偏光作用を有する光学部材(例えば、偏光サングラス)を介して斜め方向から見たときの色つきが顕著に改善され、結果として、非常に優れた視野角特性を有する液晶表示装置が得られ得る。
導電層(図示せず)は、代表的には透明である(すなわち、導電層は透明導電層である)。第1の偏光子20と液晶セル10との間に導電層を形成することにより、液晶表示装置は、いわゆるインナータッチパネル型入力表示装置として機能し得る。
本発明の液晶表示装置を構成する各層および光学部材の積層には、任意の適切な粘着剤層または接着剤層が用いられる。粘着剤層は、代表的にはアクリル系粘着剤で形成される。接着剤層は、代表的にはポリビニルアルコール系接着剤で形成される。
ダイヤルゲージ(PEACOCK社製、製品名「DG−205」、ダイヤルゲージスタンド(製品名「pds−2」))を用いて測定した。
(2)位相差
各位相差フィルムおよび液晶固化層から50mm×50mmのサンプルを切り出して測定サンプルとし、Axometrics社製のAxoscanを用いて測定した。測定波長は450nm、550nm、測定温度は23℃であった。
また、アタゴ社製のアッベ屈折率計を用いて平均屈折率を測定し、得られた位相差値から屈折率nx、ny、nzを算出した。
(3)吸水率
JIS K 7209に記載の「プラスチックの吸水率及び沸騰吸水率試験方法」に準拠して測定した。試験片の大きさは50mm辺の正方形で、水温25℃の水に24時間試験片を浸水させた後、浸水前後の重量変化を測定することにより求めた。単位は%である。
(4)バックライトスペクトル測定
各実施例および各比較例で得られた液晶表示装置に白画像を表示させ、Topcon社製SR−UL1Rを用いて発光スペクトルの測定を行った。得られた発光スペクトルについての図2に示す波長λ1、波長λ2、波長λ3、高さhP1、高さhP2、高さhP3、高さhB1、高さhB2、半値幅Δλ1、半値幅Δλ2、および半値幅Δλ3に基づいて、以下の式(4)、(5)、および(6)で示される値を求めた。なお、液晶表示装置に白画像を表示させたときの表示光のスペクトルはバックライト光源の発光スペクトルと概ね等しいことから、白画像を表示させたときの表示光のスペクトルをバックライト光源の発光スペクトルとした。
(λ2−λ1)/(Δλ2+Δλ1) ・・・(4)
(λ3−λ2)/(Δλ3+Δλ2) ・・・(5)
{hP2−(hB2+hB1)/2}/hP2 ・・・(6)
(5)視認性評価
各実施例および各比較例で得られた液晶表示装置に白画像を表示させ、偏光サングラス越しに画像を観察した際の視認性を、以下の基準で評価した。
良好・・・色つきおよび虹ムラが発生しなかった
不良・・・色つきが発生した
(第1の位相差層を構成する位相差フィルムAの作製)
撹拌翼および100℃に制御された還流冷却器を具備した縦型反応器2器からなるバッチ重合装置を用いて重合を行った。9,9−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレン(BHEPF)、イソソルビド(ISB)、ジエチレングリコール(DEG)、ジフェニルカーボネート(DPC)、および酢酸マグネシウム4水和物を、モル比率でBHEPF/ISB/DEG/DPC/酢酸マグネシウム=0.348/0.490/0.162/1.005/1.00×10−5になるように仕込んだ。反応器内を十分に窒素置換した後(酸素濃度0.0005〜0.001vol%)、熱媒で加温を行い、内温が100℃になった時点で撹拌を開始した。昇温開始40分後に内温を220℃に到達させ、この温度を保持するように制御すると同時に減圧を開始し、220℃に到達してから90分で13.3kPaにした。重合反応とともに副生するフェノール蒸気を100℃の還流冷却器に導き、フェノール蒸気中に若干量含まれるモノマー成分を反応器に戻し、凝縮しないフェノール蒸気は45℃の凝縮器に導いて回収した。
第1反応器に窒素を導入して一旦大気圧まで復圧させた後、第1反応器内のオリゴマー化された反応液を第2反応器に移した。次いで、第2反応器内の昇温および減圧を開始して、50分で内温240℃、圧力0.2kPaにした。その後、所定の攪拌動力となるまで重合を進行させた。所定動力に到達した時点で反応器に窒素を導入して復圧し、反応液をストランドの形態で抜出し、回転式カッターでペレット化を行い、BHEPF/ISB/DEG=34.8/49.0/16.2[mol%]の共重合組成のポリカーボネート樹脂を得た。このポリカーボネート樹脂の還元粘度は0.430dL/g、ガラス転移温度は128℃であった。得られたポリカーボネート樹脂を80℃で5時間真空乾燥をした後、単軸押出機(いすず化工機社製、スクリュー径25mm、シリンダー設定温度:220℃)、Tダイ(幅900mm、設定温度:220℃)、チルロール(設定温度:125℃)および巻取機を備えたフィルム製膜装置を用いて、厚み70μmのポリカーボネート樹脂フィルムを作製した。得られたポリカーボネート樹脂フィルムの吸水率は1.2%であった。得られたポリカーボネート樹脂フィルムを133℃で、2.0倍に一軸延伸することで、位相差フィルムA(厚み50μm)を得た。得られた位相差フィルムAのRe(550)は140nm、Rth(550)は140nm、Re(450)/Re(550)は0.89であった。
A−PET(アモルファス−ポリエチレンテレフタレート)フィルム、(三菱樹脂(株)製、商品名:ノバクリア SH046 200μm)を基材として用意し、表面にコロナ処理(58W/m2/min)を施した。一方、アセトアセチル変性PVA(日本合成化学工業(株)製 商品名:ゴーセファイマー Z200(重合度1200、ケン化度99.0%以上、アセトアセチル変性度4.6%))を1wt%添加したPVA(重合度4200、ケン化度99.2%)を用意して、乾燥後の膜厚が12μmになるように基材上に塗布し、60℃の雰囲気下において熱風乾燥により10分間乾燥して、基材上にPVA系樹脂の層を設けた積層体を作製した。
次いで、この積層体を、まず空気中130℃でMD方向を2.0倍に延伸して、延伸積層体を生成した。次に、延伸積層体を液温30℃のホウ酸不溶化水溶液に30秒間浸漬することによって、延伸積層体に含まれるPVA分子が配向されたPVA層を不溶化する工程を行った。この工程における不溶化用ホウ酸水溶液は、ホウ酸含有量を、水100重量部に対して3重量部含むものとした。不溶化工程を経たこの延伸積層体を染色することによって、着色積層体を生成した。この着色積層体は、延伸積層体を染色液に浸漬することによって、延伸積層体に含まれるPVA層にヨウ素を吸着させたものである。染色液は、ヨウ素及びヨウ化カリウムを含んでおり、染色液の液温は30℃とし、水を溶媒として、ヨウ素濃度を0.08〜0.25重量%の範囲内とし、ヨウ化カリウム濃度を0.56〜1.75重量%の範囲内とした。ヨウ素とヨウ化カリウムの濃度の比は、1対7とした。染色条件として、偏光子を構成するPVA系樹脂層の単体透過率が40.9%になるように、ヨウ素濃度及び浸漬時間を設定した。
次に、着色積層体を30℃の架橋用ホウ酸水溶液に60秒間浸漬することによって、ヨウ素を吸着させたPVA層のPVA分子同士に架橋処理を施す工程を行った。この架橋工程に使用する架橋用ホウ酸水溶液は、ホウ酸含有量を、水100重量部に対して3重量部とし、ヨウ化カリウム含有量を、水100重量部に対して3重量部としたものである。さらに、得られた着色積層体を、ホウ酸水溶液中において、延伸温度70℃で、先の空気中での延伸と同様の方向に2.7倍に延伸することにより、最終的な延伸倍率が5.4倍となる延伸を行って、供試用偏光子を含む光学フィルム積層体を得た。この延伸工程において使用されるホウ酸水溶液は、ホウ酸含有量を水100重量部に対して4.0重量部とし、ヨウ化カリウム含有量を水100重量部に対して5重量部としたものである。得られた光学フィルム積層体をホウ酸水溶液から取り出し、PVA層の表面に付着したホウ酸を、ヨウ化カリウム含有量が水100重量部に対して4重量部含む水溶液で洗浄した。洗浄された光学フィルム積層体を60℃の温風による乾燥工程によって乾燥し、PETフィルムに積層された厚みが5μmの偏光子を得た。
上述のように作製された偏光子において、PETフィルムに積層された厚みが5μmの偏光子に対し、PETとは反対側の面に、UV硬化型接着剤を介して、上記位相差フィルムAをその遅相軸と偏光子の吸収軸との角度が実質的に45°になるように貼り合せた。さらに、この積層体からPETフィルムを剥離し、位相差層付偏光板を得た。
IPS方式の液晶表示装置を備えるスマートフォン(SONY社製XperiaZ4:バックライトの発光スペクトルは不連続)の液晶表示装置から液晶パネルを取り出し、液晶セルの視認側に配置されていた偏光板を取り除いて、該液晶セルのガラス面を洗浄した。続いて、上記液晶セルの視認側の表面に、上記位相差板付偏光板の偏光子側の面を、偏光子の吸収軸が該液晶セルの初期配向方向に対して直交するように(第1の位相差層の遅相軸と液晶パネルの長辺とのなす角度が45°となり、偏光子の吸収軸と液晶パネルの長辺とのなす角度が0°となるように)、アクリル系粘着剤(厚み20μm)を介して積層し、液晶パネルを得た。位相差板付偏光板を積層した上記液晶パネルに上記スマートフォンのバックライトユニットを取り付け、本実施例の液晶表示装置とした。当該液晶表示装置に白画像を表示させ、白画像状態で偏光サングラス越しに視認性を評価した。評価結果を表1に示す。
(第1の位相差層を構成する位相差フィルムBの作製)
実施例1と同様にして得られたポリカーボネート樹脂(10kg)を塩化メチレン(73kg)に溶解させ、複屈折層形成材料を調製した。ついで、収縮性フィルム(縦一軸延伸ポリプロピレンフィルム、東京インキ(株)製、商品名「ノーブレン」)の上に直接上記複屈折層形成材料を塗工し、その塗膜を乾燥温度30℃で5分間、80℃で5分間乾燥させ、収縮性フィルム/複屈折層の積層体を形成した。得られた積層体を、同時2軸延伸機を用いて、延伸温度155℃でMD方向に収縮倍率0.80、TD方向に1.3倍延伸することで収縮性フィルム上に位相差フィルムBを形成した。ついで、当該位相差フィルムBを収縮性フィルムから剥離した。
以上のようにして、位相差フィルムB(厚み60μm)を得た。得られた位相差フィルムBのRe(550)は140nm、Rth(550)は70nm、Re(450)/Re(550)は0.89であった。位相差フィルムBの遅相軸方向は、長手方向に対して90°であった。
位相差フィルムAの代わりに上記位相差フィルムBを用いたこと以外は実施例1と同様にして位相差層付偏光板を作製し、当該位相差層付偏光板を用いたこと以外は実施例1と同様にして液晶表示装置を作製した。当該液晶表示装置に白画像を表示させ、白画像状態で偏光サングラス越しに視認性を評価した。評価結果を表1に示す。
(第2の位相差層を構成する液晶固化層の作製)
下記化学式(I)(式中の数字65および35はモノマーユニットのモル%を示し、便宜的にブロックポリマー体で表している:重量平均分子量5000)で示される側鎖型液晶ポリマー20重量部、ネマチック液晶相を示す重合性液晶(BASF社製:商品名PaliocolorLC242)80重量部および光重合開始剤(チバスペシャリティーケミカルズ社製:商品名イルガキュア907)5重量部をシクロペンタノン200重量部に溶解して液晶塗工液を調製した。そして、基材フィルム(ノルボルネン系樹脂フィルム:日本ゼオン(株)製、商品名「ゼオネックス」)に当該塗工液をバーコーターにより塗工した後、80℃で4分間加熱乾燥することによって液晶を配向させた。この液晶層に紫外線を照射し、液晶層を硬化させることにより、基材フィルム上に第2の位相差層となる液晶固化層(厚み:1.10μm)を形成した。この液晶固化層のRe(550)は0nm、Rth(550)は−100nmであり、nz>nx=nyの屈折率特性を示した。
実施例1と同様にして得られたPETフィルムと偏光子との積層体に対し、PETフィルムとは反対側の面に、UV硬化型接着剤を介して、上記液晶固化層を、基材フィルムを除去する際の基材フィルムの剥がし方向と偏光子の吸収軸とが実質的に平行となるように貼り合せた。さらに、上記基材フィルムを除去して、液晶固化層の偏光子とは反対側に、UV硬化型接着剤を介して、実施例1と同様に作製した位相差フィルムAをその遅相軸と偏光子の吸収軸との角度が実質的に45°になるように貼り合せた。さらに、この積層体からPETフィルムを剥離した後、UV硬化型接着剤を介して、アクリル系保護フィルム、あるいは必要に応じて位相差層を貼り合せ、位相差層付偏光板を作製した。
上記位相差層付偏光板を用いたこと、および異なるバックライトを備えるスマートフォンを用いたこと以外は実施例1と同様にして液晶表示装置を作製した。当該液晶表示装置に白画像を表示させ、白画像状態で偏光サングラス越しに視認性を評価した。評価結果を表1に示す。
(第1の位相差層を構成する位相差フィルムCの作製)
実施例1と同様にして得られたポリカーボネート樹脂を80℃で5時間真空乾燥をした後、単軸押出機(いすず化工機社製、スクリュー径25mm、シリンダー設定温度:220℃)、Tダイ(幅900mm、設定温度:220℃)、チルロール(設定温度:125℃)および巻取機を備えたフィルム製膜装置を用いて、厚み130μmのポリカーボネート樹脂フィルムを作製した。得られたポリカーボネート樹脂フィルムの吸水率は1.2%であった。
上記ポリカーボネート樹脂フィルムを、特開2014−194483号公報の実施例1に準じた方法で斜め延伸し、位相差フィルムCを得た。
位相差フィルムCの具体的な作製手順は以下のとおりである:ポリカーボネート樹脂フィルム(厚み130μm、幅765mm)を延伸装置の予熱ゾーンで142℃に予熱した。予熱ゾーンにおいては、左右のクリップのクリップピッチは125mmであった。次に、フィルムが第1の斜め延伸ゾーンC1に入ると同時に、右側クリップのクリップピッチの増大を開始し、第1の斜め延伸ゾーンC1において125mmから177.5mmまで増大させた。クリップピッチ変化率は1.42であった。第1の斜め延伸ゾーンC1において、左側クリップのクリップピッチについてはクリップピッチの減少を開始し、第1の斜め延伸ゾーンC1において125mmから90mmまで減少させた。クリップピッチ変化率は0.72であった。さらに、フィルムが第2の斜め延伸ゾーンC2に入ると同時に、左側クリップのクリップピッチの増大を開始し、第2の斜め延伸ゾーンC2において90mmから177.5mmまで増大させた。一方、右側クリップのクリップピッチは、第2の斜め延伸ゾーンC2において177.5mmのまま維持した。また、上記斜め延伸と同時に、幅方向にも1.9倍の延伸を行った。なお、上記斜め延伸は135℃で行った。次いで、収縮ゾーンにおいて、MD収縮処理を行った。具体的には、左側クリップおよび右側クリップのクリップピッチをともに177.5mmから165mmまで減少させた。MD収縮処理における収縮率は7.0%であった。
以上のようにして、位相差フィルムC(厚み40μm)を得た。得られた位相差フィルムCのRe(550)は140nm、Rth(550)は168nm、Re(450)/Re(550)は0.89であった。位相差フィルムCの遅相軸方向は、長手方向に対して45°であった。
位相差フィルムAの代わりに上記位相差フィルムCを用いたこと以外は実施例1と同様にして位相差層付偏光板を作製し、当該位相差層付偏光板を用いたこと以外は実施例1と同様にして液晶表示装置を作製した。当該液晶表示装置に白画像を表示させ、白画像状態で偏光サングラス越しに視認性を評価した。評価結果を表1に示す。
(第1の位相差層を構成する位相差フィルムDの作製)
市販のアートンフィルム(JSR社製、厚み70μm)の両側に、二軸延伸ポリプロピレンフィルム(東レ製、商品名「トレファン」(厚み60μm)) を、アクリル系粘着剤層(厚み15μm)を介して貼り合せた。その後、ロール延伸機でフィルムの長手方向を保持して、147℃の空気循環式恒温オーブン内で1.45倍に延伸して位相差フィルムDを得た。得られた位相差フィルムDのRe(550)は140nm、Rth(550)は70nm、Re(450)/Re(550)は1.00であった。
位相差フィルムAの代わりに上記位相差フィルムDを用いたこと以外は実施例1と同様にして位相差層付偏光板を作製し、当該位相差層付偏光板を用いたこと以外は実施例1と同様にして液晶表示装置を作製した。当該液晶表示装置に白画像を表示させ、白画像状態で偏光サングラス越しに視認性を評価した。評価結果を表1に示す。
(第1の位相差層を構成する位相差フィルムEの作製)
市販のアートンフィルム(JSR社製、厚み100μm)をロール延伸機でフィルムの長手方向を保持して、147℃の空気循環式恒温オーブン内で1.8倍に延伸して位相差フィルムEを得た。得られた位相差フィルムEのRe(550)は140nm、Rth(550)は140nm、Re(450)/Re(550)は1.00であった。
上記位相差フィルムEを用いたこと以外は実施例1と同様にして位相差層付偏光板を作製した。
IPS方式の液晶表示装置を備えるスマートフォン(Apple社製iphone5:バックライトの発光スペクトルは連続)の液晶表示装置から液晶パネルを取り出し、液晶セルの視認側に配置されていた偏光板を取り除いて、該液晶セルのガラス面を洗浄した。続いて、上記液晶セルの視認側の表面に、上記位相差板付偏光板の偏光子側の面を、偏光子の吸収軸が該液晶セルの初期配向方向に対して直交するように、アクリル系粘着剤(厚み20μm)を介して積層し、液晶パネルを得た。位相差板付偏光板を積層した上記液晶パネルを上記スマートフォンに取り付け、本実施例の液晶表示装置とした。当該液晶表示装置に白画像を表示させ、白画像状態で偏光サングラス越しに視認性を評価した。評価結果を表1に示す。
(第1の位相差層を構成する位相差フィルムFの作製)
カーボネート前駆物質としてホスゲン、芳香族2価フェノール成分として(A)2,2−ビス(4− ヒドロキシフェニル) プロパンおよび(B)1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンを用いて、常法に従い(A):(B)の重量比が4:6であって、重量平均分子量(Mw)60,000である下記化学式(II)および(III)の繰り返し単位を含むポリカーボネート系樹脂[数平均分子量(M n)=33,000、Mw/Mn=1.78]を得た。上記ポリカーボネート系樹脂70重量部と、重量平均分子量(Mw)1,300のスチレン系樹脂[数平均分子量(Mn)=716、Mw/Mn=1.78](三洋化成製ハイマーSB75)30重量部とをジクロロメタン300重量部に加え、室温下で4時間攪拌混合して透明な溶液を得た。この溶液をガラス板上にキャストし、室温で15 分間放置した後、ガラス板から剥離して、80℃のオーブンで10分、120℃で20分乾燥して、厚み40μm 、ガラス転移温度(Tg)が140℃ の高分子フィルムを得た。得られた高分子フィルムの波長590nmにおける光透過率は93%であった。また、上記高分子フィルムの面内位相差値:Re(590)は5.0nm、厚み方向の位相差値:Rth(590)は12.0nmであった。平均屈折率は、1.576であった。
得られた高分子フィルムを150℃の空気循環式恒温オーブン内で1.5倍に一軸延伸して位相差フィルムFを得た。得られた位相差フィルムFのRe(550)は140nm、Rth(550)は140nm、Re(450)/Re(550)は1.06であった。
位相差フィルムAの代わりに上記位相差フィルムFを用いたこと以外は実施例1と同様にして位相差層付偏光板を作製し、当該位相差層付偏光板を用いたこと以外は実施例1と同様にして液晶表示装置を作製した。当該液晶表示装置に白画像を表示させ、白画像状態で偏光サングラス越しに視認性を評価した。評価結果を表1に示す。
11 基板
12 基板
13 液晶層
20 第1の偏光子
30 第2の偏光子
100 液晶パネル
200 位相差層(第1の位相差層)
300 バックライト光源
400 別の位相差層(第2の位相差層)
500 液晶表示装置
Claims (6)
- 液晶セルと該液晶セルの視認側に配置された第1の偏光子と該液晶セルの背面側に配置された第2の偏光子とを含む液晶パネルと;
該液晶パネルの視認側に配置された位相差層と;
該液晶パネルを背面側から照明するバックライト光源と;を備え、
該位相差層の面内位相差Re(550)が100nm〜180nmであり、かつ、Re(450)<Re(550)<Re(650)の関係を満たし、
該位相差層の屈折率楕円体がnx>nz>nyの関係を示し、Nz係数が0.2〜0.8であり、
該位相差層の遅相軸と該液晶パネルの長辺とのなす角度が35°〜55°であり、
該バックライト光源が不連続な発光スペクトルを有する、
液晶表示装置。 - 前記バックライト光源の発光スペクトルが、430nm〜470nmの波長領域にピークP1、530nm〜570nmの波長領域にピークP2、および、630nm〜670nmの波長領域にピークP3を有し、
ピークP1の波長をλ1、高さをhP1および半値幅をΔλ1、ピークP2の波長をλ2、高さをhP2および半値幅をΔλ2、ピークP3の波長をλ3、高さをhP3および半値幅をΔλ3、ピークP1とピークP2との間の谷の高さをhB1、ピークP2とピークP3との間の谷の高さをhB2としたときに、これらが下記の関係式(1)〜(3)を満足する、請求項1に記載の液晶表示装置:
(λ2−λ1)/(Δλ2+Δλ1)>1 ・・・(1)
(λ3−λ2)/(Δλ3+Δλ2)>1 ・・・(2)
0.8≦{hP2−(hB2+hB1)/2}/hP2≦1 ・・・(3)。 - 前記液晶パネルと前記位相差層との間に、屈折率楕円体がnz>nx≧nyの関係を示す別の位相差層をさらに備える、請求項1または2に記載の液晶表示装置。
- 前記バックライト光源が、赤色を発色するLEDと緑色を発色するLEDと青色を発色するLEDとを含み、該赤色を発色するLEDの蛍光体が4価のマンガンイオンで賦活されている、請求項1から3のいずれかに記載の液晶表示装置。
- 前記バックライト光源が、青色を発色するLEDと量子ドットを含む波長変換層とを含む、請求項1から3のいずれかに記載の液晶表示装置。
- 前記第1の偏光子の吸収軸が前記液晶パネルの長辺に対して実質的に直交または平行であり、前記第2の偏光子の吸収軸が該液晶パネルの長辺に対して実質的に直交または平行であり、該第1の偏光子の吸収軸と該第2の偏光子の吸収軸とが実質的に直交している、請求項1から5のいずれかに記載の液晶表示装置。
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