JP6201323B2 - 配送用シール、配送用シールの使用方法、識別シール、識別シールの使用方法 - Google Patents

Description

本発明は、配送用シール、配送用シールの使用方法、識別シール、識別シールの使用方法に関するものである。

近年、被着体である冊子状の印刷物その他の軽量物を対象とする「メール便」と呼ばれる宅配サービスが多く利用されている。
この「メール便」は、配送業者が送り主から配送物を預かり、集荷した配送物を配達地域別に仕分けして発送し、受取人の郵便受け等に配送物を投函して配送を完了するもので、配送物が投函可能な大きさのものに制限されている。
このサービスでは、従来から実施されている宅配便と異なり、配送物を受取人に渡す際に受領印や、サインを貰う、いわゆる判取りは行わない。

通常の宅配システムでは、伝票に記載された番号で配送物の配送状況を管理しているが、「メール便」でも、管理番号のみが表示されたラベルを配送伝票とともに配送物に貼付し、配送状況の管理に使用している。
そこで、配送物に届け先（受取人）の住所のみを記載し、併せて機械読取り用のコードだけが印刷されたラベルを貼付する配送システムが提供されている。
このシステムにおいて、受取人の確認は前述の機械読取り用のコードを携帯端末で読取ることによって、コードに紐つけされた受取人名を携帯端末の表示部に表示させて確認するというものである（例えば、特許文献１参照）。

特開２００１−２７２９１４号公報

また、近年では、通常条件で送付される通常メール便のほかに、速達扱いの速達メール便等、複数の種別が出現している。
そこで本発明は、１つのシールであっても複数の種別に対応して使用することができる配送用シール、配送用シールの使用方法、識別シール、識別シールの使用方法を提供することを目的とするものである。

本発明は、以下のような解決手段により、課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。また、符号を付して説明した構成は、適宜改良してもよく、また、少なくとも一部を他の構成物に代替してもよい。

・第１の発明は、取扱店控とお客様控がお客様控切り離し予定部で連接され、速達、通常何れかの取扱種別を選択して使用することが可能な配送用シールであって、前記配送用シールは、印刷面から紙基材、第一の粘着剤層、中間基材の剥離処理層、中間基材、第二の粘着剤層、剥離基材の剥離処理層、剥離基材が順次積層された積層体からなり、前記取扱店控には、第一の切込みにより長方形状の配送物貼付シール部が形成され、前記配送物貼付シール部は配送物貼付シール部の短辺に平行で短辺と同一長の第二の切込みにより配送物貼付シール本体部と取扱種別表示部に分断され、前記第一の切込みは紙基材側から第二の粘着剤層を貫通する状態で、前記第二の切込みは紙基材と第一の粘着剤層を貫通する状態で形成され、前記取扱種別表示部の紙基材の表出面には速達であることを示す取扱種別表示が識別可能に印刷され、前記第一の切込みの取扱種別表示部が形成されていない側の配送物貼付シール部の短辺の両側には、当該短辺の切込みを跨ぐように配送情報が印刷されていることを特徴とする配送用シールである。
・第２の発明は、第１の発明の配送用シールにおいて、配送情報表示文字を囲むマークガイドが配送物貼付シール部の短辺の切込みを跨ぐように印刷されていることを特徴とする配送用シールである。
・第３の発明は、第１または２の発明の配送用シールの使用方法であって、速達、通常何れかの取扱種別を選択し、選択した取扱種別に該当する配送情報を囲むように、または、配送情報の周囲に印刷されたマークガイドに沿ってマークを記載し、通常取扱種別を選択した場合は、第二の切込み部で配送物貼付シール本体部を剥ぎとり、速達取扱種別を選択した場合は、第一の切込み部で配送物貼付シール部を剥ぎとり、それぞれ粘着剤層で配送物に貼付し、取扱店控とお客様控をお客様控切り離し予定部で切り離し、お客様控を客に渡し、取扱店控を店に残すことを特徴とする配送用シールの使用方法である。

・第４の発明は、印刷面から紙基材、第一の粘着剤層、第一の剥離処理層、中間基材、第二の粘着剤層、第二の剥離処理層、剥離基材が順次積層された積層体からなり、前記紙基材表出面に印刷された取扱種別表示及び配送情報を選択することによって速達、通常何れの取扱種別にも使用することが可能な配送用シールであって、配送用シールには配送物に貼付される矩形状の貼付シールが前記紙基材、第一の粘着剤層、第一の剥離処理層、中間基材を貫通する貼付シール周縁切込みによって形成され、前記貼付シールは貼付シールの短辺に平行で短辺と同一長の前記紙基材を貫通する主シール部境界切込みによって主シール部と補助シール部に分断され、前記補助シール部の紙基材の表出面には速達であることを示す取扱種別表示が識別可能に印刷され、前記補助シール部が形成されていない側の貼付シール周縁切込みの短辺切込みを跨ぐように配送情報が印刷されていることを特徴とする配送用シールである。
・第５の発明は、第４の発明の配送用シールにおいて、主シール部の表出面には機械読み取り可能な管理コードが、貼付シールの外側の所定部表出面には前記管理コードに紐付けされ、識別可能に表示された問い合わせ情報が印刷されていることを特徴とする配送用シールである。
・第６の発明は、第４または５の発明の配送用シールにおいて、貼付シール周縁切込みの配送情報が印刷された短辺切込みを跨ぐように配送情報を囲むマークガイドが印刷されていることを特徴とする配送用シールである。
・第７の発明は、第４〜６何れかの発明の配送用シールの使用方法であって、速達、通常何れかの取扱種別に該当する配送情報を囲むように、または、配送情報の周囲に印刷されたマークガイドに沿ってマークを付し、通常取扱種別を選択した場合は、主シール部境界切込と貼付シール周縁切込みに沿って第一の剥離剤層から貼付シールの主シール部だけを剥がし取り、速達取扱種別を選択した場合は、貼付シール周縁切込みに沿って第二の剥離剤層から主シール部と補助シール部からなる貼付シールを剥がし取り、それぞれ粘着剤層で配送物に貼付し、主シール部または貼付シールが剥がされた配送用シールを客控として配送物依頼人に渡すことを特徴とする配送用シールの使用方法である。
・第８の発明は、第７の発明の配送用シールの使用方法において、さらに、配送物依頼人から配送物の配送状況を問われたときに、配送物依頼人が提示した問い合わせ情報によって管理コードを検索し、配送担当が配送物を投函する直前に貼付シールの管理コードを携帯端末によって読み取って登録した管理コードが存在すれば、問い合わせがあった配送物は配送済みとすることを特徴とする配送用シールの使用方法である。

・第９の発明は、印刷面から第一の基材（３ａ，３０３ａ）、第一の粘着剤層（３ｂ，３０３ｂ）、第一の剥離処理層（３ｃ，３０３ｃ）、第二の基材（３ｄ，３０３ｄ）、第二の粘着剤層（３ｅ，３０３ｅ）、第二の剥離処理層（２ａ，２０２ａ）、剥離基材（２，２０２）が順次積層された識別シールであって、周辺シール部（１０，２１０）と、前記第一の基材、前記第一の粘着剤層、前記第一の剥離処理層、前記第二の基材を貫通する貼付シール周縁切込み（１１，２１１）によって前記周辺シール部から分断された貼付シール部（２０，２２０）とを備え、前記貼付シール部は、前記第一の基材及び前記第一の粘着剤層により形成され、前記第一の剥離処理層から剥離可能に設けられた主シール部（３０，２３０）と、前記第一の基材及び前記第一の粘着剤層により形成され、前記第一の基材を貫通する主シール部境界切込み（４１，２４１）によって前記主シール部から分断され、前記第一の基材に視認可能に設けられた識別情報（４２，２４２）を有する補助シール部（４０，２４０）と、前記主シール部及び前記補助シール部よりも下層の前記第一の剥離処理層、前記第二の基材、前記第二の粘着剤層により形成される下層シール部（４５，２４５）とを備え、前記主シール部、前記補助シール部及び前記下層シール部を一体で前記第二の剥離処理層から剥離して前記識別情報を有する態様で被着物（７０，２７０）に貼付することと、前記主シール部、前記補助シール部及び前記下層シール部のうち前記主シール部のみを前記第一の剥離処理層から剥離して前記識別情報を有さない態様で被着物に貼付することとが選択可能であること、を特徴とする識別シールである。
・第１０の発明は、第９の発明の識別シールにおいて、前記主シール部（３０，２３０）及び前記周辺シール部（１０，２１０）に設けられ、前記貼付シール周縁切込み（１１，２１１）を跨ぐように配置された細識別情報（４３，４４，２４３，２４４）を備えること、を特徴とする識別シールである。
・第１１の発明は、第１０の発明の識別シールにおいて、前記細識別情報（４３，４４，２４３，２４４）は、複数の種類が設けられていること、を特徴とする識別シールである。
・第１２の発明は、第１１の発明の識別シールにおいて、前記細識別情報（４３，４４，２４３，２４４）の周囲全周又は周囲一部に、前記貼付シール周縁切込みを（１１，２１１）を跨ぐように配置されたマークガイドを備えること、を特徴とする識別シールである。
・第１３の発明は、第９から第１２のいずれかの発明の識別シールにおいて、前記主シール部（３０，２３０）、前記周辺シール部（１０，２１０）にそれぞれ設けられた管理情報（６２，６３，２６２，２６３）を備えること、を特徴とする識別シールである。
・第１４の発明は、第９から第１３のいずれかの発明の識別シールにおいて、前記識別シールは、配送用シール（１，２０１）であり、前記貼付シール部（２０，２２０）は、配送物である被着体（７０，２７０）に再貼付され、前記周辺シール部（１０，２１０）は、配送元の控えであること、を特徴とする識別シールである。
・第１５の発明は、第９から第１２のいずれかの発明の識別シールにおいて、前記貼付シール部（２２０）、前記周辺シール部（２１０）にそれぞれ設けられた管理情報（２６２，２６３）を備え、前記識別シール（２０１）は、配送用シールであり、前記貼付シール部は、配送物である被着体（２７０）に再貼付され、前記周辺シール部の前記管理情報（２６２）が設けられた部分（２６２ａ）は、分離線（２６２ｂ）により前記周辺シール部から分離可能であり、発送元の控え片に再貼付可能であること、を特徴とする識別シールである。

・第１６の発明は、第９から第１３のいずれかの発明の識別シールにおいて、前記識別シール（１）から分離可能に設けられた分離片（５）を備えること、を特徴とする識別シールである。
・第１７の発明は、第１６の発明の識別シールにおいて、前記主シール部（３０）、前記周辺シール部（１０）、前記分離片（５）にそれぞれ設けられた管理情報（６１，６２，６３）を備えること、を特徴とする識別シールである。
・第１８の発明は、第１６又は第１７の発明の識別シールにおいて、前記識別シールは、配送用シール（１）であり、前記貼付シール部（２０）は、配送物である被着体（７０）に再貼付され、前記周辺シール部（１０）、前記分離片（５）は、配送元の控えであること、を特徴とする識別シールである。

・第１９の発明は、第９から第１８のいずれかの発明の識別シールの使用方法であって、前記貼付シール部（２０，２２０）を、前記主シール部（３０，２３０）、前記補助シール部（４０，２４０）及び前記下層シール部（４５，２４５）を一体で前記第二の剥離処理層（２ａ，２０２ａ）から剥離するか、前記主シール部、前記補助シール部及び前記下層シール部のうち前記主シール部のみを前記第一の剥離処理層（３ｃ，２０３ｃ）から剥離するか、を選択する工程と、剥離した前記貼付シール部を、被着体（７０，２０７）に再貼付する工程とを備えること、を特徴とする識別シールの使用方法である。

・第２０の発明は、第１６から第１８のいずれかの発明の識別シールの使用方法であって、前記分離片（５）を分離する工程と、前記貼付シール部（２０）を、前記主シール部（３０）、前記補助シール部（４０）及び前記下層シール部（４５）を一体で前記第二の剥離処理層（２ａ）から剥離するか、前記主シール部、前記補助シール部及び前記下層シール部のうち前記主シール部のみを前記第一の剥離処理層（３ｃ）から剥離するか、を選択する工程と、剥離した前記貼付シール部を、被着体（７０）に再貼付する工程とを備えること、を特徴とする識別シールの使用方法である。

本発明によれば、１つのシールであっても、複数の種別に対応して使用することができる配送用シール及びその使用方法を提供できる。
また、本発明は、被着体の識別に好適な識別シート、識別方法を提供できる。

第１実施形態の配送用シールの一実施形態について説明するための図である。 図１の配送用シールのＡ−Ａ線断面について説明するための図である。 第１実施形態の配送用シールの他の実施形態について説明するための図である。 第１実施形態の速達メール便の使用方法について説明するための図である。 第１実施形態の配送物に速達メール便扱いの配送物貼付シール部が貼付されたメール便の一例と、その使用方法について説明するための図である。 第２実施形態の配送用シールの一実施形態について説明するための図である。 第２実施形態の配送用シールのＡ−Ａ線断面について説明するための図である。 第２実施形態の配送用シールの使用方法について説明するための図である。 第２実施形態の配送物に速達メール便扱いの貼付シール部が貼付されたメール便の一例と、その使用方法について説明するための図である。

以下、図面等を参照して、本発明の実施形態について説明する。
（第１実施形態）
図１及び図２を参照して、本発明の配送用シールの第１実施形態について説明する。
図１は、第１実施形態の配送用シールの一実施形態について説明するための図である。
図２は、図１の配送用シールの層構成について説明するための断面図である。
図２ａは、各部材が接着した状態であり、図２ｂ、図２ｃは、各部材を剥離した状態である。
図１に示すように、本実施形態の配送用シール１（識別シール）は、取扱店控１０（周辺シール部）とお客様控５（分離片）がお客様控切り離し予定部６（分離線）で連接され、速達、通常何れかの取扱種別を選択して使用することが可能な配送用シールである。
配送用シール１は、図２に示すように、剥離基材２と剥離基材２の剥離処理層２ａ（第二の剥離処理層）に、シール層３が積層された積層体である。
シール層３は、上側から順に、紙基材３ａ（第一の基材）、第一の粘着剤層３ｂ、中間基材３ｄ（第二の基材）の第一の剥離処理層３ｃ、中間基材３ｄ、第二の粘着剤層３ｅが積層されている。

上記構成により、配送用シール１は、取扱種別表示４２や、配送情報４３などが印刷されている印刷面から紙基材３ａ、第一の粘着剤層３ｂ、中間基材３ｄの第一の剥離処理層３ｃ、中間基材３ｄ、第二の粘着剤層３ｅ、剥離基材２の第二の剥離処理層２ａ、剥離基材２が順次積層された積層体からなっている。
第一の粘着剤層３ｂ、第二の粘着剤層３ｅの粘着剤は、再貼付可能な種類である。

配送用シール１は、客控５、取扱店控１０、配送物貼付シール部２０を備える。
客控５、取扱店控１０は、切り離し予定部６で連接されている。
取扱店控１０、配送物貼付シール部２０は、シール層３の全ての層を貫通する長方形状の閉じた第一の切込み１１（貼付シール周縁切込み）によって分断されている。

配送物貼付シール部２０は、第二の切込み４１によって、主シール部３０、取扱種別表示部４０（補助シール部）に分断されている。
第二の切込み４１は、配送物貼付シール部２０の短辺側の一端内側に配置されている。第二の切込み４１は、配送物貼付シール部２０の短辺に平行で短辺と同一長の切込みである。第二の切込み４１は、紙基材３ａと第一の粘着剤層３ｂを貫通する状態で形成されている。

第一の切込み１１は紙基材３ａ側から第二の粘着剤層３ｅを貫通する状態で形成され、第二の切込み４１は紙基材３ａと第一の粘着剤層３ｂを貫通する状態で形成されている。

また、取扱種別表示部４０の紙基材３ａの表出面には「速達」であることを示す取扱種別表示４２が識別可能な文字で印刷されている。
また、第一の切込み１１の取扱種別表示部４０が形成されていない側の配送物貼付シール部２０の短辺（図１の配送物貼付シール部２０の右側短辺）の両側には、「Ａ４ １ｃｍ ８０」や、「Ａ４ ２ｃｍ １００」などの配送情報４３，５３及び、配送情報４３，５３の表示文字を囲むマークガイド４４，５４（点線で表示している横に長い円）が短辺の切込み１１を跨ぐように印刷されている。
配送情報４３の表示文字を囲むマークガイド４４，５４は印刷されている方が判り易いが、必ずしも必要ではない。

本実施形態では、取扱種別表示部４０の紙基材３ａの表出面に「速達」の取扱種別表示４２が識別可能な「文字」で印刷された例で説明するが、取扱種別表示はこの形態に拘るものではなく、例えば、印刷の色、マーク、図柄などで表示することもできる。
本実施形態の例では、主シール部３０には「通常」の取扱種別表示４２が識別可能な「文字」で表示していないが、配送物貼付シール部２０に「速達」の取扱種別表示が無い場合は、配送物は「通常」扱いされる。

配送用シール１は、前述のように紙基材３ａ、第一の粘着剤層３ｂ、中間基材３ｄの第一の剥離処理層３ｃ、中間基材３ｄ、第二の粘着剤層３ｅ、剥離基材２の第二の剥離処理層２ａ、剥離基材２が順次積層された積層構造になっていて、お客様控切り離し予定部６は切り離し易いように、例えば、上述の紙基材３ａから剥離基材２までの積層体を貫通するミシン目状の切込みによって形成されている。
お客様控切り離し予定部６は筋押しや、単なる印刷による表示だけでもよい。
お客様控切り離し予定部６にミシン目状の切込みになどを形成しない場合は、前述の中間基材３ｄは薄紙で構成し、剥離基材２も極力切れ易い薄紙などを使用する。

すなわち、配送用シール１の構成は、以下の通りである。
剥離基材２及びシール層３は、第一の切込み１１によって、取扱店控１０と、配送物貼付シール部２０とに分断されている。
図２に示すように、第一の切込み１１の断面形状は、シール層３、第二の剥離処理層２ａを貫通して、剥離基材２の上部まで達している。これは、第一の切込み１１が第二の粘着剤層３ｅを完全に貫通することにより、配送物貼付シール部２０が剥離しやすくなるためである。

配送物貼付シール部２０は、図２に太線で示すように、主シール部３０、取扱種別表示部４０、下層シール部４５を備える。
主シール部３０、取扱種別表示部４０は、下層シール部４５よりも上側に積層された紙基材３ａ、第一の粘着剤層３ｂから形成されている。主シール部３０、取扱種別表示部４０は、第二の切込み４１により分断され、第二の切込み４１を介して連設されている。
第二の切込み４１の断面形状は、紙基材３ａ、第一の粘着剤層３ｂを貫通し、第一の剥離処理層３ｃの上部まで達している。これは、主シール部３０単独で、第一の剥離処理層３ｃから剥離しやすくするためである。なお、主シール部３０単独でより剥離しやくするために、第二の切込み４１は、中間基材３ｄの上部まで設けてもよい。

取扱種別表示部４０は、印刷面である紙基材３ａの上面に、取扱種別表示４２を有する。
下層シール部４５は、主シール部及び取扱種別表示部４０よりも下側（下層）の第一の剥離処理層３ｃ、中間基材３ｄ（第二の基材）、第二の粘着剤層３ｅにより形成される。

上記構成により、主シール部３０、取扱種別表示部４０、下層シール部４５は、一体となり、配送物貼付シール部２０全体が第二の剥離処理層２ａから剥離できる（図２ｂ参照）。また、主シール部３０は、単独で、第一の剥離処理層３ｃから剥離できる（図２ｃ参照）。

取扱種別表示４２は、「速達」の文字が、視認可能に印刷されたものである。
配送情報４３，５３（細識別情報）は、主シール部３０内の右側の領域と、取扱店控１０とに連続するように設けられており、第一の切込み１１を跨ぐように配置されている。
配送情報４３，５３は、配送物の取扱種別を、さらに詳細に識別するための情報である。つまり、取扱種別表示４２は、配送物の取扱種別を識別し、さらに、配送情報４３，５３は、配送物の大きさ、配送料等を識別できるようになっている。
配送情報４３は、「速達」についてのものであり、「Ａ４ １ｃｍ １２０」、「Ａ４ ２ｃｍ １５０」が設けられている。一方、配送情報５３は、「通常」についてのものであり、「Ａ４ １ｃｍ ８０」、「Ａ４ ２ｃｍ １００」が設けられている。
なお、「速達」は、配送物貼付シール部２０全体を剥離して取り扱い（図２ｂ、図４ｂ参照）、一方、「通常」は、主シール部３０単独で剥離して取扱う（図２ｃ、図４ｃ参照）。

マークガイド４４，５４は、配送情報４３，５３の周囲全周に、第一の切込み１１を跨ぐように配置されている。
なお、マークガイド４４，５４は、配送情報４３，５３の周囲一部に設けてもよい。この場合には、例えば、括弧の記号等を、配送情報４３，５３の左側及び右側に設ければよい。

客控５、取扱店控１０、配送物貼付シール部２０の主シール部３０は、同一の番号（管理情報）が付された、問合せ番号６１、管理コード６２、管理コード６３を備える。
客控５の問合せ番号６１、取扱店控１０の管理コード６２には、番号のみが印刷されている。
主シール部３０の管理コード６３には、番号に加えて、その番号を示すバーコードが付されている。バーコードは、取扱店が配送物の荷受のためポスレジスターで読み込んだり、配送担当者が配送管理のため携帯端末で読み込むために利用されたりする。

図３を参照して、第１実施形態の配送用シールの他の実施形態について説明する。
図３に示す配送用シールの例は、図で判るように、配送物貼付シール部２０が取扱店控１０の内側に形成された例である。
図１の例と同様、配送物貼付シール部２０の右側の短辺の切込み１１の両側には、短辺の切込み１１を跨ぐように配送情報４３，５３が印刷されている。
図１に示す例と、図３に示す例を比較したときに、図３に示す例の方が、配送用シールが取扱店で保管中に、または、使用される前に取扱種別表示部４０が剥がれてしまう危険性が少ない一方で、図１に示す例に比べて材料費が高くなるという欠点がある。

図１、図３を参照して、配送用シールの管理コードについて説明する。
配送物の配送依頼を受けた取扱店では、依頼主に「通常」、「速達」何れの扱いで配送するか選択してもらい、取扱店控１０に印刷された配送情報４３，５３を囲むように（または、マークガイド４４，５４に沿って）マークを記載する。
取扱店では、配送物貼付シール部２０を取扱店控１０から剥ぎ取って（粘着剤層で）配送物に貼付し、配送用シール１のお客様控切り離し予定部６でお客様控５を切り離し、依頼主に渡す。
配送用シール１の取扱店控１０の配送物貼付シール部２０と、前述の取扱店に残される取扱店控１０には、管理コード６２，６３が印刷されている。
この管理コード６２，６３は、各配送用シール固有のコード（または番号）となっていて、取扱店控１０本体部には目視で読み取り可能な文字で、配送物貼付シール部２０には光学読取可能なコードで印刷されている。
依頼主は、配送物の配送状況を確認したいときに、お客様控５に印刷されたお問合せ番号６１を取扱店側に伝え、配送物の所在を確認する。
そのために、お問合せ番号６１は、取扱店控１０に印刷された管理コード６２、配送物貼付シール部２０の管理コード６３と同一になっている。

（使用方法）
図１、図４、図５を参照して、第１実施形態の配送用シールを使用した速達メール便の使用方法について説明する。
図４に示すように、配送物の配送依頼を受けた取扱店では、依頼主に速達、通常の何れを指定するか選択してもらう。
図４ｂは、メール便依頼主が速達を指定し、かつ、配送物７０のサイズが「Ａ４ １ｃｍ １２０」の例である。
図４ａ、図４ｂに示すように、メール便の取扱店の担当（作業者）は、メール便依頼主が「速達」扱いを指定したため、配送用シール１の配送情報４３の「Ａ４ １ｃｍ １２０」のマークガイド４４に沿ってマーク４４ａを記載する。
そして、取扱店の担当は、取扱店控１０から第一の切込み１１に沿って配送物貼付シール部２０を取扱種別表示部４０と一緒に剥がす（図２ｂ参照）。つまり、取扱店の担当は、配送物貼付シール部２０を剥離する場合に、主シール部３０、取扱種別表示部４０及び下層シール部４５を一体で剥離して、取扱種別表示４２を有する態様を選択する。その後、取扱店の担当は、配送物貼付シール部２０を配送物に第二の粘着剤層３ｅで再貼付する（図５参照）。

一方、図４ｃは、メール便依頼主が「通常」扱いを指定し、配送物７０のサイズが「Ａ４ １ｃｍ ８０」の例である。
図４ｃに示すように、メール便の取扱店の担当は、メール便依頼主が「通常」扱いを指定したため、配送用シール１の配送情報５３の「Ａ４ １ｃｍ ８０」のマークガイド５４に沿ってマーク５４ａを記載する（図４ａのマーク５４ａの図示は省略する）。
そして、取扱店の担当は、第二の切込み４１で主シール部３０を剥がす（図２ｃ参照）。つまり、取扱店の担当は、配送物貼付シール部２０を剥離する場合に、主シール部３０のみを剥離して、取扱種別表示４２を有さない態様を選択する。その後、取扱店の担当は、配送物貼付シール部２０を配送物に第一の粘着剤層３ｂで再貼付する（図示は省略する）。

図４ａに示すように、マーク４４ａが記載された取扱店控１０は、剥離基材２の第二の剥離処理層２ａが表出した状態で取扱店に残される。
図４ａの取扱店控１０の上段の配送情報「８０」、「１００」は通常扱の料金を示し、下段の配送情報「１２０」、「１５０」は速達扱の料金を示す。
また、配送物貼付シール部２０の上段の配送情報「Ａ４ １ｃｍ」、「Ａ４ ２ｃｍ」は通常扱であることを示し、下段の配送情報「Ａ４ １ｃｍ」、「Ａ４ ２ｃｍ」は速達扱であることを示す。なお、Ａ４は配送物の大きさを表し、１ｃｍは配送物の厚さを表す。

取扱店控１０には、マーク４４ａ又はマーク５４ａの右半分が存在するので、取扱店は、これらを確認すれば、配送物７０を配達担当者に受け渡した後でも、配送種別が「速達」又は「通常」で配送されたことを確認できる。これにより、取扱店は、配送種別の識別に加えて、その料金を識別して確認できる。また、取扱店は、大きさ等についても、未使用の配送用シール１等を参照すれば、識別して確認できる。
取扱店では、ファイル孔１０ａでファイルし、前述のお客の問合せに備える。

図３に示す配送用シールの場合も同様である。
図示しないが、メール便依頼主の指定に基づき配送用シール１の配送情報４３の「Ａ４ １ｃｍ１２０」のマークガイドに沿ってマーク４３ａを記載し、図４ａ、図４ｂに準じて、取扱店控１０から配送物貼付シール部２０を取扱種別表示部４０と一緒に剥がした後、図４ｂ、図５に示すように配送物に貼付する。マーク４３ａが記載された取扱店控１０は、剥離基材２の第二の剥離処理層２ａが表出した状態で取扱店に残される。
取扱店では、ファイル孔でファイルし、前述のお客の問合せに備える。

図５を参照して、第１実施形態の配送物に速達メール便扱いの配送物貼付シール部が貼付された状態の一例について説明する。
配送物７０には、配送物７０の受取人の住所及び氏名、依頼主の住所及び氏名などが記載された配送伝票７１と配送物貼付シール部２０が、担当によって貼付される。また、配送伝票７１と配送物貼付シール部２０は互いに重ならないように配送物７０に貼付される。
なお、これら住所、氏名などを配送物７０に直接記載する場合には、配送伝票７１は、不要である。

配送物取扱店の担当は、主シール部３０には管理コード６３を、配送物取扱店のポスレジスター等に入力する。これにより、管理コード６３を示す番号、つまり配送シール１の識別番号と、配送物取扱店を識別する店番号等とが関連付けられることになる。
配送物７０は、取扱店から配達担当者が受け取ると、取扱種別表示部４０及び配送情報５３のマーク５４ａが「速達」扱いとされているため、速達便集積場に送られる。
配送物７０は、取扱店から配達担当者が受け取ると、取扱種別表示部４０及び、配送情報表示部のマーク４３ａが「速達」扱いとされているため、速達便集積場に送られる。

配送担当は、配送物７０を配送伝票７１に記載された受取人に届ける。
メール便システムでは受取人から受領印を貰わないため、受取人のポストに投函する前に、配送物に貼付された配送物貼付シール部２０の光学読取可能な管理コード６３を専用端末で読取り、配達が完了したことを専用端末に記憶させる。
光学読取用管理コード６３はＯＣＲコードでも、二次元コードでも、バーコードでもよい。

専用端末に記憶させた管理コード６３は、お客からの問合せに使用されるため、問合せ先センターや取扱店に送信される。
なお、２種類の配送種別のいずれが選択されても、配送物貼付シール部２０の主シール部３０は、配送物７０に貼付された状態では、同一の管理コード６３が表出する。このため、配送物貼付シール部２０と、取扱店控１０及び客控５とは、同一の番号で関連付けることができ、従来と同様なトレーサビリティ（追跡可能性）等を有する。

また、上記例とは異なり、取扱店控１０の紙片をお客様控えにして、かつ、客控５（分離片）の紙片を取扱店控にしてもよい。これらの紙片は、配送担当者には回収されず、配送元（つまり、取扱店及び依頼主）に残る。このため、これらの紙片を、取扱店及び依頼主のどちらの控えにするかは、使用態様に応じて適宜設定できるからである。

図１、図２を参照して、本実施形態の配送用シールに使用される材料と、配送用シールの作製方法について説明する。
中間基材（紙基材）２４、第二の粘着剤層３ｅ、剥離基材の第二の剥離処理層２ａ、剥離基材２が順次積層された市販の粘着紙の中間基材（紙基材）２４の表面にワックス、シリコンなどで剥離処理を施し、第一の粘着剤層３ｂ、紙基材３ａを積層して配送用シールの積層体を作製する。
紙基材３ａの表面に「取扱店控」、「お客様控」、「取扱種別表示」、「配送情報」、「マークガイド」などをオフセットインキによって印刷する。
前述の「取扱店控」、「お客様控」、「取扱種別表示」、「配送情報」、「マークガイド」などが印刷された積層体の紙基材面から押し切り刃により第一の切込み１１、第二の切込み４１を形成する。
多面付け状態の配送用シールに、プリンタで管理コード６２，６３、お問合せ番号６１を印字し、裁断して配送用シール１を作製する。

このように、配送用シール１は、「通常」、「速達」を選択して、配送物７０の識別に利用できる。これにより、「通常」、「速達」用それぞれにシールを用意する必要がなく、シールの在庫管理が容易である。また、「通常」、「速達」用にそれぞれバーコードを発行する必要がないので、バーコードの番号を破棄することがなく、バーコードを有効利用できる。さらに、取扱店の担当は、配送物７０の「通常」、「速達」に応じて、配送物貼付シール部２０の剥離方法を選択すればよいので、作業が簡単である。

以上説明したように、本実施形態の配送用シールは、従来宅配などで使用されるメール便で、配送のためのシールを通常メール用と、速達メール用と別々に用意し、使い分けていたものを一つの配送用シールにまとめることができ、取り違えて使用されることもなくなり、また、在庫管理も容易になり、結果として配送のためのコストダウンを計ることができる。
また、前述の配送用シールの使用方法によって、配送物に選択された取扱種別が表示されるために、支払われた料金に応じた配送を好適に行なう事ができる。

（第２実施形態）
次に、本発明の第２実施形態について説明する。
なお、以下の説明及び図面において、前述した第１実施形態と同様の機能を果たす部分には、末尾（下２桁）に同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。

図６、図７を参照して、本発明の配送用シールの一実施形態について説明する。
第２実施形態の配送用シール２０１は、主に以下の点を、第１実施形態から変更した。
・客控２１０として、第１実施形態の取扱店控１０（図１参照）を用いた。このため、客控５（図１参照）を削除して、配送用シール２０１の全体の形状を小型にし、コストダウンした。また、配送用シール２０１では、取扱店控は、設けられていない。
・お客様問合せ情報２６２として、管理コード６２（図１参照）を用いた。また、お客様問合せ情報２６２が印刷された部分である問合せ情報片２６２ａは、分離線２６２ｂにより、分離可能にした。

以下、詳細に説明する。
図７に示すように、配送用シール２０１を構成する基材は、印刷面から紙基材２０３ａ、第一の粘着剤層２０３ｂ、第一の剥離処理層２０３ｃ、中間基材２０３ｄ、第二の粘着剤層２０３ｅ、第二の剥離処理層２０２ａ、剥離基材２０２が順次積層された積層体からなっている。第一の粘着剤層２０３ｂ、第二の粘着剤層２０３ｅの粘着剤は、再貼付可能な種類である。

また、配送用シール２０１には配送物に貼付される矩形状の貼付シール２２０が紙基材２０３ａ、第一の粘着剤層２０３ｂ、第一の剥離処理層２０３ｃ、中間基材２０３ｄを貫通する貼付シール周縁切込み２１１によって形成されている。
さらに、貼付シール２２０は、貼付シールの短辺（本実施形態では、左右に細長い矩形状の貼付シールの例で説明する）に平行で貼付シールの短辺と同一長の主シール部境界切込み２４１によって主シール部２３０と補助シール部２４０に分断されている。
上述の主シール部境界切込み２４１は、紙基材２０３ａを貫通する状態で形成されている。
また、貼付シール２２０は、配送用シール２０１の内側に形成することもできるし、図６に示すように貼付シール２２０の一方の短辺（図６に示す貼付シール２２０の左側短辺）と配送用シール２０１の一辺（図６に示す配送用シール２０１の左辺）を共有させることもできる。

補助シール部２４０の紙基材２０３ａの表出面には「速達」であることを示す取扱種別表示２４２が識別可能に印刷され、補助シール部２４０が形成されていない側の貼付シール周縁切込み２１１の短辺切込み（図６の例では、右側の短辺切込み）を跨ぐように取扱種別に対応した複数の配送情報２４３，２５３が印刷され、配送情報２４３，２５３を囲んでマークを付けるためのマークガイド２４４，２５４が印刷されている。
配送物依頼人は、配送用シール２０１の紙基材２０３ａの表出面に印刷された取扱種別表示（図示せず）及び配送情報２４３，２５３を選択してマークすることによって、配送物を「速達」扱いで配送することも、「通常」扱いで配送することもできる。

貼付シール周縁切込み２１１は、紙基材２０３ａ、第一の粘着剤層２０３ｂ、第一の剥離処理層２０３ｃ、中間基材２０３ｄを貫通する状態で形成されるが、第二の粘着剤層２０３ｅが極めて薄いために、貼付シール周縁切込み２１１を形成する抜き刃は、第二の粘着剤層２０３ｅを貫通し、一部剥離基材２０２にまで到達している場合が多い。
主シール部境界切込み２４１は、紙基材２０３ａを貫通する状態で形成されるが、貼付シール周縁切込み２１１を形成する場合と同様に、第一の粘着剤層２０３ｂが極めて薄いために、主シール部境界切込み２４１を形成する抜き刃は、第一の粘着剤層２０３ｂを貫通し、一部中間基材２０３ｄにまで到達している場合が多い。

図６に示すように、貼付シール２２０には、機械読み取り可能な管理コード２６３がバーコードで印刷され、貼付シール２２０の外側の配送用シール２０１の所定部（貼付シール２２０の真上）には管理コード２６３に紐付けされた問合せ情報２６１が目視可能な状態で印刷されている。
問合せ情報２６１は、数字、すなわち「番号」でも、記号入りアルファベット、記号入り数字、仮名入り数字、何れでもよい。
以下、本実施形態の説明では問合せ情報２６１は、数字だけで構成された「問合せ番号」の例で説明する。
問合せ情報２６２は、問合せ情報片２６２ａに印刷されている。
問合せ情報片２６２ａは、切り込み線である分離線２６２ｂによって客控２１０と分離している。このため、問合せ情報片２６２ａは、客控２１０から分離して、剥離基材２０２から剥離できる。

本実施形態では取扱種別表示は補助シール部２４０の表出面に「速達」、貼付シール２２０の外側の客控２１０に「通常・速達」の表示が印刷によって表示された例で説明するが、取扱種別表示は、前述の表示方法ではなく印刷色、イラスト、文字＋印刷色＋イラスト、その他の識別可能な手段で表示することもできる（以下の本実施形態の説明では取扱種別表示は文字で表示する例で説明する）。
また、図６に示す客控２１０に印刷された取扱種別「通常・速達」の表示は、マークされたマークガイド２４４，２５４の位置で取扱種別を識別できるために必ずしも表示の必要はない。前述の取扱種別表示「通常・速達」が客控側に印刷されている場合は、客が指定した「通常」、「速達」のいずれかにチェックまたはマークを付して取扱種別を明示することもできる。

次に、配送情報２４３，２５３について説明する。図６に示す配送情報２４３，２５３が「Ａ４ １ｃｍ ８０」、「Ａ４ ２ｃｍ １００」、「Ａ４ １ｃｍ １２０」、「Ａ４ ２ｃｍ １５０」と表示されているのは、配送物の大きさがＡ４サイズで、配送物の厚さが１または２ｃｍで、配送料金が８０円〜１５０円であるということを示している。
すなわち、「Ａ４ １ｃｍ ８０」、「Ａ４ ２ｃｍ １００」は、配送料金の安い通常扱いの配送情報で、「Ａ４ １ｃｍ １２０」、「Ａ４ ２ｃｍ １５０」は速達扱いの配送情報を意味している。
取扱店の担当は、配送物依頼人の要求に基づいて、配送情報２４３，２５３を選択し、貼付シール周縁切込み２１１の補助シール部２４０が形成されていない側の貼付シール周縁切込み２１１の短辺を跨ぐように、また、マークガイド２４４，２５４に沿ってマークを付ける。

図７、図８を参照して、配送用シールの使用方法について説明する。
配送物取扱店の担当は、配送物依頼人から取扱種別「通常」、「速達」の何れで配送するかを確認し、配送用シール２０１の該当する配送情報２４３，２５３を囲むように、または、配送情報２４３，２５３の周囲に印刷されたマークガイド２４４，２５４に沿ってマーク２４４ａ，２５４ａを付ける。

なお、信書の取り扱いができない等の事情がある場合には、取扱店の担当（作業者）は、配送物２７０が信書ではないという署名を、依頼者に対して依頼する。依頼者は、了解すると、署名シート（図示しない）に署名する。
署名シートは、複写片になっており、署名の店舗控、署名の客控を備える。複数の配送物２７０を同時に依頼する場合でも、署名シートは、１枚でよい。

配送物を取扱種別「通常」で配送指定された場合は、主シール部境界切込み２４１と貼付シール周縁切込み２１１に沿って貼付シールの主シール部２３０だけを第一の剥離処理層２０３ｃから引き剥がす。
引き剥がされた主シール部２３０には、図８ｃに示すように、貼付シール周縁切込み２１１の右側短辺（主シール部２３０の右側短辺）を跨ぐように印刷された最上部の配送情報２５３、「Ａ４ １ｃｍ」にマーク２５４ａの半分が残されている。
図７の紙基材２０３ａが第一の粘着剤層２０３ｂを伴って剥がされる。

一方、配送物を取扱種別「速達」で配送指定された場合は、貼付シール周縁切込み２１１に沿って貼付シール２２０を第二の剥離処理層２０２ａから引き剥がす。
引き剥がされた貼付シール２２０は、図８ｂに示すように、主シール部２３０と補助シール部２４０が連接され、補助シール部２４０には取扱種別表示２４２の「速達」の文字が表示され、貼付シール２２０の右側短辺を跨ぐように印刷された配送情報２４３、「Ａ４ １ｃｍ」にマーク２４４ａの半分が残されている。
貼付シールは、図７の紙基材２０３ａ、第一の粘着剤層２０３ｂ、第一の剥離処理層２０３ｃ、中間基材２０３ｄ、第二の粘着剤層２０３ｅが積層された状態で剥がされる。

配送物が「速達」で配送指定された場合は、図８ａに示すように配送用シール２０１の貼付シールが形成されていた部分が第二の剥離処理層２０２ａの剥離処理面となって配送用シール２０１の紙基材表出面に露出し客控２１０となる。
一方、配送物が「通常」で配送指定された場合は、図８ａに示す第一の剥離処理層２０３ｃの剥離処理面に補助シール部２４０が残されて、客控２１０となる。
貼付シール２２０が剥離された配送用シール２０１は、客控２１０として使用され、配送を依頼した依頼主に渡される。なお、前述した署名シートに署名した場合には、署名シートの客控（図示せず）も、依頼主に渡される。

客控２１０には、問合せ情報２６２が印刷されている。また、マーク２４４ａ（又はマーク２５４ａ）が付された配送情報２４３（又は配送情報２５３）の位置及び内容によって、この客控２１０は、「速達」（又は「通常」）で取り扱われた配送物２７０の控えであることが判るようになっている。

なお、複数の配送物２７０を同時に依頼した場合には、複数の客控２１０が依頼主に渡され、客控２１０の管理が煩雑になる可能性がある。この場合には、依頼主は、複数の客控２１０から各問合せ情報片２６２ａを剥離して、紙片等に貼付して、これを控え片として利用できる。前述した署名シートの客控え片がある場合には、各問合せ情報片２６２ａを、この客控え片に貼付してもよい。
これにより、客控２１０を破棄等しても、問合せ情報２６２を確認できる。このため、依頼主は、署名シートの客控等のみを管理すればよいので、管理が容易になる。

図５を参照して、配送物に速達メール便扱いの貼付シールが貼付されたメール便の一例と、その使用方法について説明する。
届け先情報２７１が記載された配送物２７０は、貼付シール２２０の補助シール部２４０の取扱種別表示「速達」によって、「速達」で取り扱われる。
一方、配送物の受取人は、貼付シール２２０に表示された取扱種別表示「速達」によってまた、貼付シール２２０の右側短辺に付された半マーク２４４ａの位置によって、この配送物は「速達」で取り扱われた配送物であることが判る。

配送担当は、配送物を届け先のポストに投函する直前に貼付シール２２０の管理コード２６３を携帯端末によって読み取り、無線、または、有線によって配送物の管理コード２６３を配送済みと登録する。
携帯端末に記憶させた管理番号は、お客からの問合せに使用されるため、問合せ先センターや取扱店に送信される。

配送物取扱店の担当は、図８ａに示す客控２１０を所持する客から配送物の配送状況を問われたときに、問合せ番号「１１２３−４５６７−８９０１」で、問合せ番号に紐付けされた管理コードを検索し、管理コードが存在すれば、問合せがあった配送物は配送済みとすることができる。

図７を参照して、本実施形態の配送用シールに使用される材料と配送用シールの作製方法について説明する。
配送用シールの基材としては、市販のタック紙「紙基材２０３ａ＋第一の粘着剤層２０３ｂ＋第一の剥離処理層２０３ｃ＋中間基材２０３ｄ」を、「第二の粘着剤層２０３ｅ＋第二の剥離処理層２０２ａ＋剥離基材２０２」で構成される市販のタック紙に積層して使用する。
紙基材の表出面の印刷には、市販のオフセットインキを使用し、図示しないが「問合せ番号」や、「管理コード」はノンインパクトプリンタ（例えば、インクジェットプリンタ）によって印刷する。
紙基材２０３ａは、上質紙、中質紙、コート紙などから適宜選択し、選択した紙基材を使用しているタック紙を使用する。
貼付シール周縁切込み２１１及び主シール部境界切込み２４１は、シリンダ型、平圧型押し切り刃により、配送用シール２０１の印刷に位置合わせを行いながら形成する。

なお、各問合せ情報片２６２ａを剥離して、署名シートの控え片等に貼付する構成は、第１実施形態に適用してもよい。この場合には、取扱店が、署名シートの取扱店控え片等に貼付することにより、複数の配送物を容易に管理できる。

以上説明したように、本実施形態の配送用シールは、従来宅配などで使用されるメール便で、配送のためのシールを通常メール便用と、速達メール便用とを別々に用意し使い分けする必要があったものを、一つの配送用シールにまとめることができ、取り違えて使用されることもなくなる。また、在庫管理も容易になり、結果としてコストダウンを計ることができる。
また、配送用シールは、配送物には選択された取扱種別表示、または、それに該当する配送情報にマークが付されるために、配達員は間違って料金を収集することもない。
また、配送用シールは、問合せ情報と管理コードが紐付けされ、配送物配送直後に管理コードを登録することによって配送物の配送状況を掌握することができる。

以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前述した実施形態に限定されるものではなく、後述する変形形態のように種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の技術的範囲内である。また、実施形態に記載した効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、実施形態に記載したものに限定されない。なお、前述した実施形態及び後述する変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。

（変形形態）
（１）本実施形態において、通常と、速達とを識別する例を示したが、これに限定されない。例えば、通常と、チルド等とを識別等してもよい。

（２）実施形態において、識別シールは、配送物の種別の識別のために用いる例を示したが、これに限定されない。識別シールは、他の被着体の識別に用いてもよい。例えば、病院等において、複数の看者（被着体）の容態を識別したり、工場等において、複数の製品（被着体）の品質を識別するために用いてもよい。

（１）
１ 配送用シール
２ 剥離基材
２ａ 剥離処理層
３ａ 紙基材
３ｂ 粘着剤層
３ｃ 剥離処理層
３ｄ 中間基材
３ｅ 粘着剤層
５ 客控
１０ 取扱店控
２０ 配送物貼付シール部
３０ 主シール部
４０ 取扱種別表示部
４２ 取扱種別表示
４３，５３ 配送情報
４４，５４ マークガイド
４４ａ，５４ａ マーク
４５ 下層シール部
６１ 問合せ番号
６２，６３ 管理コード
（２）
２０１ 配送用シール
２０２ 剥離基材
２０２ａ 剥離処理層
２０３ａ 紙基材
２０３ｂ 粘着剤層
２０３ｃ 剥離処理層
２０３ｄ 中間基材
２０３ｅ 粘着剤層
２１０ 客控
２２０ 貼付シール
２３０ 主シール部
２４０ 補助シール部
２４２ 取扱種別表示
２４３，２５３ 配送情報
２４４，２５４ マークガイド
２４４ａ，２５４ａ マーク
２６２ 問合せ情報
２６２ａ 情報片
２６２ｂ 分離線
２６３ 管理コード

Claims (20)

1. 取扱店控とお客様控がお客様控切り離し予定部で連接され、速達、通常何れかの取扱種別を選択して使用することが可能な配送用シールであって、
   前記配送用シールは、印刷面から紙基材、第一の粘着剤層、中間基材の剥離処理層、中間基材、第二の粘着剤層、剥離基材の剥離処理層、剥離基材が順次積層された積層体からなり、
   前記取扱店控には、第一の切込みにより長方形状の配送物貼付シール部が形成され、前記配送物貼付シール部は配送物貼付シール部の短辺に平行で短辺と同一長の第二の切込みにより配送物貼付シール本体部と取扱種別表示部に分断され、
   前記第一の切込みは紙基材側から第二の粘着剤層を貫通する状態で、前記第二の切込みは紙基材と第一の粘着剤層を貫通する状態で形成され、
   前記取扱種別表示部の紙基材の表出面には速達であることを示す取扱種別表示が識別可能に印刷され、
   前記第一の切込みの取扱種別表示部が形成されていない側の配送物貼付シール部の短辺の両側には、当該短辺の切込みを跨ぐように配送情報が印刷されていること
   を特徴とする配送用シール。
2. 請求項１に記載の配送用シールにおいて、
   配送情報表示文字を囲むマークガイドが配送物貼付シール部の短辺の切込みを跨ぐよう
   に印刷されていること
   を特徴とする配送用シール。
3. 請求項１または２に記載の配送用シールの使用方法であって、
   速達、通常何れかの取扱種別を選択し、選択した取扱種別に該当する配送情報を囲むように、または、配送情報の周囲に印刷されたマークガイドに沿ってマークを記載し、
   通常取扱種別を選択した場合は、第二の切込み部で配送物貼付シール本体部を剥ぎとり、速達取扱種別を選択した場合は、第一の切込み部で配送物貼付シール部を剥ぎとり、それぞれ粘着剤層で配送物に貼付し、取扱店控とお客様控をお客様控切り離し予定部で切り離し、お客様控を客に渡し、取扱店控を店に残すこと
   を特徴とする配送用シールの使用方法。
4. 印刷面から紙基材、第一の粘着剤層、第一の剥離処理層、中間基材、第二の粘着剤層、第二の剥離処理層、剥離基材が順次積層された積層体からなり、前記紙基材表出面に印刷された取扱種別表示及び配送情報を選択することによって速達、通常何れの取扱種別にも使用することが可能な配送用シールであって、
   配送用シールには配送物に貼付される矩形状の貼付シールが前記紙基材、第一の粘着剤層、第一の剥離処理層、中間基材を貫通する貼付シール周縁切込みによって形成され、前記貼付シールは貼付シールの短辺に平行で短辺と同一長の前記紙基材を貫通する主シール部境界切込みによって主シール部と補助シール部に分断され、
   前記補助シール部の紙基材の表出面には速達であることを示す取扱種別表示が識別可能に印刷され、
   前記補助シール部が形成されていない側の貼付シール周縁切込みの短辺切込みを跨ぐように配送情報が印刷されていること
   を特徴とする配送用シール。
5. 請求項４に記載の配送用シールにおいて、
   主シール部の表出面には機械読み取り可能な管理コードが、貼付シールの外側の所定部表出面には前記管理コードに紐付けされ、識別可能に表示された問い合わせ情報が印刷されていること
   を特徴とする配送用シール。
6. 請求項４または５に記載の配送用シールにおいて、
   貼付シール周縁切込みの配送情報が印刷された短辺切込みを跨ぐように配送情報を囲むマークガイドが印刷されていること
   を特徴とする配送用シール。
7. 請求項４〜６何れかに記載の配送用シールの使用方法であって、
   速達、通常何れかの取扱種別に該当する配送情報を囲むように、または、配送情報の周囲に印刷されたマークガイドに沿ってマークを付し、
   通常取扱種別を選択した場合は、主シール部境界切込と貼付シール周縁切込みに沿って第一の剥離剤層から貼付シールの主シール部だけを剥がし取り、速達取扱種別を選択した場合は、貼付シール周縁切込みに沿って第二の剥離剤層から主シール部と補助シール部からなる貼付シールを剥がし取り、それぞれ粘着剤層で配送物に貼付し、主シール部または貼付シールが剥がされた配送用シールを客控として配送物依頼人に渡すこと
   を特徴とする配送用シールの使用方法。
8. 請求項５に記載の配送用シールの使用方法であって、
   さらに、配送物依頼人から配送物の配送状況を問われたときに、配送物依頼人が提示した問い合わせ情報によって管理コードを検索し、配送担当が配送物を投函する直前に貼付シールの管理コードを携帯端末によって読み取って登録した管理コードが存在すれば、問い合わせがあった配送物は配送済みとすること
   を特徴とする配送用シールの使用方法。
9. 印刷面から第一の基材、第一の粘着剤層、第一の剥離処理層、第二の基材、第二の粘着剤層、第二の剥離処理層、剥離基材が順次積層された識別シールであって、
   周辺シール部と、
   前記第一の基材、前記第一の粘着剤層、前記第一の剥離処理層、前記第二の基材を貫通する貼付シール周縁切込みによって前記周辺シール部から分断された貼付シール部とを備え、
   前記貼付シール部は、
   前記第一の基材及び前記第一の粘着剤層により形成され、前記第一の剥離処理層から剥離可能に設けられた主シール部と、
   前記第一の基材及び前記第一の粘着剤層により形成され、前記第一の基材を貫通する主シール部境界切込みによって前記主シール部から分断され、前記第一の基材に視認可能に設けられた識別情報を有する補助シール部と、
   前記主シール部及び前記補助シール部よりも下層の前記第一の剥離処理層、前記第二の基材、前記第二の粘着剤層により形成される下層シール部とを備え、
   前記主シール部、前記補助シール部及び前記下層シール部を一体で前記第二の剥離処理層から剥離して前記識別情報を有する態様で被着物に貼付することと、前記主シール部、前記補助シール部及び前記下層シール部のうち前記主シール部のみを前記第一の剥離処理層から剥離して前記識別情報を有さない態様で被着物に貼付することとが選択可能であること、
   を特徴とする識別シール。
10. 請求項９に記載の識別シールにおいて、
    前記主シール部及び前記周辺シール部に設けられ、前記貼付シール周縁切込みを跨ぐように配置された細識別情報を備えること、
    を特徴とする識別シール。
11. 請求項１０に記載の識別シールにおいて、
    前記細識別情報は、複数の種類が設けられていること、
    を特徴とする識別シール。
12. 請求項１１に記載の識別シールにおいて、
    前記細識別情報の周囲全周又は周囲一部に、前記貼付シール周縁切込みを跨ぐように配置されたマークガイドを備えること、
    を特徴とする識別シール。
13. 請求項９から請求項１２のいずれかに記載の識別シールにおいて、
    前記主シール部、前記周辺シール部にそれぞれ設けられた管理情報を備えること、
    を特徴とする識別シール。
14. 請求項９から請求項１３のいずれかに記載の識別シールにおいて、
    前記識別シールは、配送用シールであり、
    前記貼付シール部は、配送物である被着体に再貼付され、
    前記周辺シール部は、配送元の控えであること、
    を特徴とする識別シール。
15. 請求項９から請求項１２のいずれかに記載の識別シールにおいて、
    前記貼付シール部、前記周辺シール部にそれぞれ設けられた管理情報を備え、
    前記識別シールは、配送用シールであり、
    前記貼付シール部は、配送物である被着体に再貼付され、
    前記周辺シール部の前記管理情報が設けられた部分は、
    分離線により前記周辺シール部から分離可能であり、
    発送元の控え片に再貼付可能であること、
    を特徴とする識別シール。
16. 請求項９から請求項１３のいずれかに記載の識別シールにおいて、
    前記識別シールから分離可能に設けられた分離片を備えること、
    を特徴とする識別シール。
17. 請求項１６に記載の識別シールにおいて、
    前記主シール部、前記周辺シール部、前記分離片にそれぞれ設けられた管理情報を備えること、
    を特徴とする識別シール。
18. 請求項１６又は請求項１７に記載の識別シールにおいて、
    前記識別シールは、配送用シールであり、
    前記貼付シール部は、配送物である被着体に再貼付され、
    前記周辺シール部、前記分離片は、配送元の控えであること、
    を特徴とする識別シール。
19. 請求項９から請求項１８のいずれかに記載の識別シールの使用方法であって、
    前記貼付シール部を、前記主シール部、前記補助シール部及び前記下層シール部を一体で前記第二の剥離処理層から剥離するか、前記主シール部、前記補助シール部及び前記下層シール部のうち前記主シール部のみを前記第一の剥離処理層から剥離するか、を選択する工程と、
    剥離した前記貼付シール部を、被着体に再貼付する工程とを備えること、
    を特徴とする識別シールの使用方法。
20. 請求項１６から請求項１８のいずれかに記載の識別シールの使用方法であって、
    前記分離片を分離する工程と、
    前記貼付シール部を、前記主シール部、前記補助シール部及び前記下層シール部を一体で前記第二の剥離処理層から剥離するか、前記主シール部、前記補助シール部及び前記下層シール部のうち前記主シール部のみを前記第一の剥離処理層から剥離するか、を選択する工程と、
    剥離した前記貼付シール部を、被着体に再貼付する工程とを備えること、
    を特徴とする識別シールの使用方法。

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