JP6201073B1 - 抜管治具及び抜管方法 - Google Patents
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Abstract
Description
このような管を交換する作業に使用される抜管治具を示す従来技術として、例えば下記特許文献1、2がある。
しかしながら上記特許文献1の技術においては、装置が大がかりなものとなり、限られたスペース内では作業を行うことが困難であるという問題があった。
また上記文献2の技術は抜管工法と抜管工具に関する発明で、熱交換器の各チューブを取り換える際の、各チューブを抜き取る作業が迅速に且つ容易になるというメリットがある。
しかしながら上記特許文献2の技術においては、インパクトレンチ4を用いて管口に矢3を捩じ込むものの、それ以降は、インパクトレンチ4に替えて、捩じ込んだ矢3に引抜き機5を取り付けて作業を行う必要があり、作業効率が悪く、抜管作業の短時間化を図ることが難しいという問題があった。
また本発明の抜管治具は、上記第1の特徴に加えて、筒状固定具は、内部を移動する本体ロッドや管を外部から視認可能な視認用貫通孔を備えることを第2の特徴としている。
また本発明の抜管方法は、請求項1に記載の抜管治具を用いて管板に固着された管を引き抜く抜管方法であって、筒状固定具を備える本体ロッドを管の軸方向に配置する本体ロッド配置工程と、前記本体ロッドに回転駆動機を接合させて、前記回転駆動機を介して前記本体ロッドを正回転させることで歯列部を管の内面に食い込ませる本体ロッド挿入工程と、ナットに第1の係合部を係合させた後、第2の係合部に前記回転駆動機を係合させて、前記回転駆動機を介して動力伝達具を正回転させることで前記ナットを管板に向けて移動させ、これによって筒状固定具を管板に当接させる筒状固定具当接工程と、前記筒状固定具が管板に当接した状態で回転駆動機を介して前記動力伝達具を正回転させることで、前記ナットの管板に向かう推進力を、前記本体ロッドの引き抜き力として作用させて管板から管を引き抜く抜管工程とを備えることを第3の特徴としている。
回転駆動機の回転力を介して、管を作業効率良く且つ迅速に引き抜くことが可能な抜管治具とすることができる。
抜管作業中において、本体ロッドや管の移動量を視認することが可能となる。よって抜管作業を一段と効率的に行うことが可能な抜管治具とすることができる。
本体ロッド挿入工程と筒状固定具当接工程と抜管工程との何れの工程においても、回転駆動機を正回転させることでそれぞれの工程を完了させることができる。よって回転駆動機以外の装置を使用することなく、回転駆動機の回転力を利用して、管を作業効率良く且つ迅速に引き抜くことが可能な抜管方法とすることができる。また本体ロッド挿入工程と筒状固定具当接工程と抜管工程との何れの工程においても、回転駆動機を正回転させることでそれぞれの工程を完了させることができる。よって抜管作業時の作業ミスを効果的に防止可能な抜管方法とすることができる。従って一段と効率良く抜管作業を行うことが可能な抜管方法とすることができる。
なお本実施形態においては、回転駆動機70としてインパクトレンチを用いる構成としてある。
この本体ロッド10は、図2に示すように、歯列部11と、係合部12と、ネジ部13と、中間部14とで構成される。
なお本実施形態においては、歯列部11と中間部14との間、中間部14とネジ部13との間、ネジ部13と係合部12との間をそれぞれ溶接することで、一つの本体ロッド10を形成する構成としてある。勿論、本体ロッド10の形成方法は本実施形態のものに限るものではなく、適宜変更可能である。
なお、ここで「先端」とは、本体ロッド10において、管80に挿入される側を先端とし、回転駆動機70と係合される側を末端とするものである。
本実施形態においては、図2(a)に示すように、本体ロッド10の最先端から中間部14に向かうにつれて、歯の外径が大きくなるように、複数の凸条歯Tを本体ロッド10の軸方向に並列配置させることで、歯列部11を構成してある。
この歯列部11は、鋼の外周にいわゆるタップを形成する通常の形成方法を施すことで形成されている。勿論、歯列部11を構成する材質は、鋼に限るものではなく、適宜変更可能である。
また歯列部11を構成する凸条歯Tの数も本実施形態のものに限るものではなく、適宜変更可能である。
また本実施形態においては、本体ロッド10を正回転(後述する)させた際に凸条歯Tが管80の内面に噛み込む構成としてある。
よって、図示していないが、係合部12の後端の開口部の形状は回転作動部71の外形と同一形状をなしている。
勿論、係合部12を構成する材質は、鋼に限るものではなく、適宜変更可能である。
このネジ部13は、例えば鋼を用いて、鋼の外周に通常のネジ切り加工を施すことで形成することができる。
なお、ネジ部13のネジ山の数は、本実施形態のものに限るものではなく、適宜変更可能である。
なお図4(b)に示す、ベアリング50の環状部の幅B、ワッシャー60の環状部の幅Cは、後述する受圧面31を押圧できる幅であることが必要である。
また本実施形態においては、ナット40を正回転(正方向に回転)させると、歯列部11に近づく側へとナット40が進み、ナット40を逆回転(逆方向に回転)させると、歯列部11から遠ざかる側へとナット40が進むような、ネジ部13、ナット40を用いる構成としてある。
ここで「正回転」とは、右回しに回す回転を意味し、逆回転とは、左回しに回す回転を意味するものとする。勿論、正回転と逆回転の回転方向を本実施形態の構成と反対方向とする構成としてもよい。
このような構成とすることで、様々な厚みの管板や、管板に蓋を備える場合でも、対応可能な抜管治具とすることができる。
なお本実施形態においては、中間部14として、円柱状に形成した鋼を用いる構成としてある。勿論、中間部14の形状や材質は本実施形態のものに限るものではなく、適宜変更可能である。
図2に簡略化して示すように、この動力伝達具20は、鋼を用いた略円筒状体で構成されており、先端に第1の係合部21を備えると共に、後端に第2の係合部22を備える。
なお、図4(b)に示す係合部21の先端の環状部の幅Dと、ナット40の環状部の幅Eとは、係合部21の先端の環状部とナット40の環状部との少なくとも何れか一方でワッシャー60を押圧できる幅であることが必要である。本実施形態においては、係合部21の先端の環状部と、ナット40の環状部との両方でワッシャー60を押圧する構成としてある。
よって図示していないが、第2の係合部22の開口部の形状は、回転作動部71の外形と同一形状をなしている。つまり第2の係合部22の開口部の形状と、本体ロッド10の係合部12の開口部の形状とを、同一大きさ、同一形状とする構成としてある。
これら第1の係合部21、第2の係合部22は、例えば型を用いて鋼を加工することで形成することができる。
本実施形態においては、この筒状固定具30は、鋼を用いた略円筒状体で構成されている。具体的には図2、図3に示すように、後端から先端にかけて段階的に外径が小さくなる略円筒状体で構成されている。言い換えれば、受圧面31の外径よりも押圧面32の外径のほうが小さい略円筒状体で構成されている。
更に図2(a)に一部を示すように、後端の受圧面31と、先端の押圧面32とを、ともに水平面に対して垂直な平坦面とする構成としてある。
勿論、筒状固定具30を構成する材質は、本実施形態のものに限るものでなく、適宜変更可能である。
なお図4(b)に示す、筒状固定具30の先端の開口部33の開口径Fは、管80の外径Gよりも大きいことが必要である。
そして図4(a)に示すように、第2の係合部22に回転作動部71(図示しない)を係合し、回転作動部71を正回転させて、回転駆動機70の回転力を動力伝達具20に加える。
すると図4(a)、(b)に示すように、第1の係合部21を介して、ナット40が正回転し、管板90の方向へと移動する。これによって第1の係合部21の押圧面21aと、ナット40の押圧面41とを介して、ワッシャー60の受圧面61が押圧される。
その後、ワッシャー60の押圧面62によって、ベアリング50の受圧面51が押圧される。それに伴い、ベアリング50の押圧面52によって筒状固定具30と対向する側のワッシャー60の受圧面61が押圧される。そして筒状固定具30と対向する側のワッシャー60の押圧面62によって筒状固定具30の受圧面31が押圧される。これによって筒状固定具30が管板90へ向けて押圧移動される。
その後、図4(a)、(b)に示すように、筒状固定具30の押圧面32が、管板90に表面92に接触し、筒状固定具30のそれ以上の移動(前進)が阻止される。つまり回転駆動機70の回転力によって、筒状固定具30が管板90と当接した状態で固定される。
従って抜管作業の短時間化、省コスト化を実現できる。また作業スペースが狭い場所であっても、効率良く抜管作業を行うことが可能な抜管治具1及び抜管方法とすることができる。
更に動力伝達具20も略円筒状体とする構成とすることで、抜管作業の前後においては持ち運び易く、作業中においては把持し易い抜管治具1とすることができる。
従って一段と効率的に抜管作業を行うことができる抜管治具1とすることができる。
この視認用貫通孔34は、抜管工程において、筒状固定具30の内部を移動する本体ロッド10や管80を外部から視認可能とするためのものである。
このような視認用貫通孔34を設けることで、抜管作業時に本体ロッド10や管80の移動量を視認することが可能となる。よって抜管作業を一段と効率的に行うことが可能な抜管治具とすることができる。
なお、筒状固定具30の周方向における視認用貫通孔34を設ける位置は、本実施形態のものに限るものではなく、適宜変更可能である。
但し、図6(a)に示す、筒状固定部30の先端から視認用貫通孔34までの長さHは、管板90の厚みの長さに合わせることが望ましい。これによって視認用貫通孔34から管80を視認できたタイミングで動力伝達具20の回転動作を停止させ、次の工程に移ることができるからである。このように視認用貫通孔34を設けることで、一段と作業効率の良い抜管治具とすることができる。
このような構成とすることで、様々な厚みを有する管板90に対応可能な抜管治具とすることができる。よって一段と省コスト化が可能な抜管治具とすることができる。
10 本体ロッド
11 歯列部
12 係合部
13 ネジ部
14 中間部
20 動力伝達具
21 第1の係合部
21a 押圧面
22 第2の係合部
30 筒状固定具
31 受圧面
32 押圧面
33 開口部
34 視認用貫通孔
40 ナット
41 押圧面
50 ベアリング
51 受圧面
52 押圧面
60 ワッシャー
61 受圧面
62 押圧面
70 回転駆動機
71 回転作動部
80 管
90 管板
91 孔
92 表面
B 幅
C 幅
D 幅
E 幅
F 開口径
G 外径
H 長さ
T 凸条歯
Claims (3)
- 管板に固着されている管の内面に、ロッドに備える凸条歯を食い込ませてロッドと共に管を引抜く抜管治具であって、一端に複数の凸条歯を軸方向に配列させてなる歯列部を有すると共に他端に回転駆動機と係合する係合部を有し、且つ前記歯列部と前記係合部との間にナットを螺合させてなるネジ部を有する本体ロッドと、一端に前記ナットの外周に係合する第1の係合部を有すると共に他端に回転駆動機と係合する第2の係合部を有し、回転駆動機を介して前記ナットを進退自在に移動させる動力伝達具と、前記歯列部と前記ナットとの間で前記本体ロッドに挿通されて、ナットを介して管板に向けて押圧移動されると共に、管板に当接した後においては、ナットの管板に向かう推進力を前記本体ロッドの引き抜き力として作用させる筒状固定具とを備え、前記筒状固定具は、後端から先端にかけて段階的に外径が小さくなる略円筒状体であると共に、先端の開口径が前記管の外径よりも大きく、前記本体ロッドは、前記歯列部と前記ネジ部との間に、円柱状の中間部を備えると共に、前記中間部の外径は、前記歯列部を構成する凸条歯の外径及び前記ネジ部の外径の何れの外径よりも大きいことを特徴とする抜管治具。
- 筒状固定具は、内部を移動する本体ロッドや管を外部から視認可能な視認用貫通孔を備えることを特徴とする請求項1に記載の抜管治具。
- 請求項1に記載の抜管治具を用いて管板に固着された管を引き抜く抜管方法であって、筒状固定具を備える本体ロッドを管の軸方向に配置する本体ロッド配置工程と、前記本体ロッドに回転駆動機を接合させて、前記回転駆動機を介して前記本体ロッドを正回転させることで歯列部を管の内面に食い込ませる本体ロッド挿入工程と、ナットに第1の係合部を係合させた後、第2の係合部に前記回転駆動機を係合させて、前記回転駆動機を介して動力伝達具を正回転させることで前記ナットを管板に向けて移動させ、これによって筒状固定具を管板に当接させる筒状固定具当接工程と、前記筒状固定具が管板に当接した状態で回転駆動機を介して前記動力伝達具を正回転させることで、前記ナットの管板に向かう推進力を、前記本体ロッドの引き抜き力として作用させて管板から管を引き抜く抜管工程とを備えることを特徴とする抜管方法。
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