JP2011012731A - 軸保持具 - Google Patents

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JP2011012731A JP2009156458A JP2009156458A JP2011012731A JP 2011012731 A JP2011012731 A JP 2011012731A JP 2009156458 A JP2009156458 A JP 2009156458A JP 2009156458 A JP2009156458 A JP 2009156458A JP 2011012731 A JP2011012731 A JP 2011012731A
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Hirohito Hayashi
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Abstract

【課題】スプライン歯やキー溝などの係合歯や係合溝を傷つけることなく、軸を保持することができ、軸から軸保持具を取外す時には、簡単に取外すことができる軸保持具を提供する。
【解決手段】軸保持具4は、スプライン歯1などの係合歯に対して係合するスプライン溝10を有する円筒部5と、メガネレンチなどによって軸保持具4を支持する支持部7と、スプライン歯1とスプライン溝10の係合を解くための取外し部材を螺合するためのねじ孔8を設けている。
軸保持具4による保持は、まずスプライン歯1とスプライン溝10とを係合させて軸保持具4にてスプライン軸3を保持する。作業者は、支持部7にメガネレンチを係合し、軸保持具4をメガネレンチにて支持する。
軸保持具4を取外す際には、ボルトをねじ孔8に挿入する。そして、スプライン軸1と当接させることにより、スプライン歯1とスプライン溝10の係合を解く。
【選択図】 図2

Description

この発明は、端部にスプライン歯などの係合歯やキー溝などの係合溝を有する軸を保持するための軸保持具に関する。
従来、モータの回転軸などにおいて、軸の端部にスプライン歯を有するスプライン軸や、キー溝を有する軸が使用されている(例えば、特許文献1を参照)。
また、モータには、回転軸に螺刻した雄ねじ部を設け、雄ねじ部と螺合する固定ナットを用いて、モータの構成部品であるロータ部材の固定を行うものがある。このようなモータでは、組立て作業において、ロータ部材を固定する際には、回転軸が回転しないように回転軸を保持して固定ナットの締め付けの作業を行っている。
回転軸の保持は、回転軸が上記のようなスプライン軸の場合には、パイプレンチやポンププライヤーなどの工具によってスプライン歯の部分を挟んで、作業者が支持することによって行われていた。
特開平7−274436号公報
しかしながら、スプライン軸をパイプレンチやポンププライヤーなどの工具によって、直接回転軸のスプライン歯の部分を挟んで支持するため、工具によって挟まれた部分のスプライン歯を傷つけてしまうおそれがある。
また、パイプレンチやポンププライヤーでのスプライン軸の保持では、固定ナットに充分な締め付けトルクをかけることができないという問題点もある。
そのため、固定ナットの弛みの問題が生じるおそれがあり、ロータ部材の固定を固定ナットにより締め付ける構造ではなく、ロータ部材を加熱して組付ける焼嵌めによる固定や、プレスによるカシメによって固定をしている場合もある。
このような場合には、ロータ部材を固定するために、焼嵌め専用の加熱炉やプレス機を使用しなければならず、試作時や少量生産の時には、設備投資費が莫大なものとなってしまうという新たな問題点も生じていた。
また、特許文献1では、スプライン結合した小歯車を出力軸から離脱させる際には、取外し用治具を使用して引き抜くことが記載されている。しかし、この方法では、引き抜き時に大きな力を必要とするし、小歯車が取外し用治具から外れないように注意しながら作業をしなければならず、離脱の作業が難しいという問題がある。
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたもので、本発明の目的は、スプライン歯などの係合歯やキー溝などの係合溝を傷つけることなく、軸を保持することができ、軸から軸保持具を取外す時には、簡単に取外すことができる軸保持具の提供にある。
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、端部に係合歯を有する軸を保持する軸保持具であって、前記係合歯に対して係合する溝形状部を有する軸係合部と、前記軸保持具が支持される支持部と、前記係合歯と前記溝形状部との係合を解く取外し部材を前記軸に対して進退可能に螺合するねじ部と、を有することを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、軸の保持を軸の係合歯に溝形状部を係合させて保持するので、係合歯を傷つけることなく軸保持具にて軸を保持することができる。
また、軸保持具は支持部を有しており、作業者は工具などの支持具で支持部を支持する。これにより作業者は、軸を軸保持具の支持部を介して確実に保持することができる。
また、ねじ部に螺合する取外し部材によって係合歯と溝形状部との係合が解かれるため、軸から軸保持具を取外す時には、簡単に取外すことができる。
請求項2に記載の発明は、端部に係合溝を有する軸を保持する軸保持具であって、前記係合溝に対して係合する突状部を有する軸係合部と、前記軸保持具が支持される支持部と、前記係合溝と前記突状部との係合を解く取外し部材を前記軸に対して進退可能に螺合するねじ部と、を有することを特徴とする。
請求項2に記載の発明によれば、軸の保持を軸の係合溝に突状部を係合させて保持するので、係合溝を傷つけることなく軸保持具にて軸を保持することができる。
また、軸保持具は支持部を有しており、作業者は工具などの支持具で支持部を支持する。これにより作業者は、軸を軸保持具の支持部を介して確実に保持することができる。
また、ねじ部に螺合する取外し部材によって係合溝と突状部との係合が解かれるため、軸から軸保持具を取外す時には、簡単に取外すことができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明であって、前記軸保持具の一方側に形成され、前記支持部は前記軸保持具の他方側に形成されることを特徴とする。
請求項3に記載の発明によれば、支持部が軸係合部とは反対側に形成されるので、支持部に対して支持具を係合しやすい。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3いずれか一項に記載の発明であって、前記支持部は、六角柱状の六角部を有することを特徴とする。
請求項4に記載の発明によれば、支持部は六角柱状をしているので、支持具での支持に適した既存の工具を係合して支持することができる。
請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の発明であって、前記係合歯はスプライン歯であり、前記溝形状部はスプライン歯に係合するスプライン溝であることを特徴とする。
請求項5に記載の発明によれば、軸がスプライン歯を有するスプライン軸であるときに、スプライン歯を傷つけることがないので好適である。
請求項6に記載の発明は、請求項2に記載の発明であって、前記係合溝はキー溝であり、前記突状部はキー溝に係合する突形状であることを特徴とする。
請求項6に記載の発明によれば、軸がキー溝を有する軸であるときに、キー溝を傷つけることがないので好適である。
請求項7に記載の発明は、請求項1又は4のいずれか一項記載の発明であって、前記取外し部材はボルトであり、前記軸係合部は内周面に溝形状部が形成された筒状であり、前記ねじ部は、軸係合部に対する他端から軸係合部へと貫通する貫通孔であることを特徴とする。
請求項7に記載の発明によれば、ねじ部と螺合したボルトを軸係合部へと貫通させることにより、ボルトと軸が当接する。この当接により係合歯と溝形状部の係合を簡単で確実に解くことができる。
本発明によれば、軸保持具によって軸の係合歯や係合溝を傷つけることなく軸を保持することができ、軸保持具は軸から簡単に取外すことができる。
(a)本発明の第1の実施形態に係る軸保持具の軸係合部側からを示す斜視図である。(b)本発明の第1の実施形態に係る軸保持具の支持部側からを示す斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係る軸保持具のスプライン軸への外挿を示す斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係る軸保持具の断面図である。 本発明の第1の実施形態に係る軸保持具のメガネレンチによる支持を示す斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係る軸保持具のスプライン軸からの取外しを示す断面図である。 本発明の第2の実施形態に係るスプライン軸を示す斜視図である。 本発明の第2の実施形態に係る軸保持具と取外しアタッチメントを示す斜視図である。 本発明の第2の実施形態に係る軸保持具と取外しアタッチメントを示す断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る軸保持具のスプライン軸からの取外しを示す断面図である。 本発明のその他の実施形態に係るキー溝を有する軸を示す斜視図である。
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態にかかる軸保持具について、図1〜5を用いて説明する。
この実施形態では、モータ回転軸の端部に図2に示すような係合歯としてのスプライン歯1を多数有する雄スプライン部2を備えた軸としてのスプライン軸3に対する軸保持具4に適用した例である。
軸保持具4は、スプライン軸3の雄スプライン部2に外挿する筒状の軸係合部としての円筒部5と、作業者が工具などの支持具6を使用して軸保持具4が支持する支持部7と、ねじ部としてのねじ孔8とから構成されている。
円筒部5は、スプライン軸3を軸保持具4に外挿する際にスプライン軸3の端部と対向する側(一方側)にスプライン軸3を挿入するための開口部9を有している。そして、円筒部5の内周面には、スプライン歯1に係合する溝形状部としてのスプライン溝10を多数有した、雌スプライン部11を備えている。
したがって、スプライン軸3の雄スプライン部2のスプライン歯1と、円筒部5の雌スプライン部11のスプライン溝10が係合(スプライン係合)することによって、スプライン軸3が軸保持具4に保持される。
また、雌スプライン部11は、外挿する雄スプライン部2に対して、スプライン歯1を傷つけることなくスプライン軸3の保持ができる適切なはめあいとなるように設定されている。
支持部7は、円筒部5の開口部9とは反対側の(他方側)に設けられ、支持具6を係合するための六角柱状をした六角部12と端面部13が備えられている。六角部12の形状は、既存の支持具6が係合できるように、既存の六角ボルトの頭部と同様の形状をしている。
一方、六角部12の対角線の長さは、円筒部5の外周の直径よりも小さくなっており、支持部7と円筒部5の間には、段差をなす台座部14が形成されている。
ねじ孔8は、図3に示すように、内周面に螺刻がされており、支持部7の端面部13から円筒部5の内部へと貫通する貫通孔である。また、ねじ孔8の中心軸は挿入されるスプライン軸3の中心軸と平行であり、かつ同軸となっている。
ここで、軸保持具4の製作は、円筒部5の内周面に雌スプライン部11を形成し、六角部12を形成した別体の支持部7とを溶接し、最後にねじ孔8を形成することによって行われる。
次に、ねじ孔8と螺合する取外し部としてのボルト15について説明する。図5に示すように、ボルト15は、ねじ孔8に対応したねじ山有し、ボルト15のねじ山部分の長さは、貫通孔の全長よりも長くなっている。そして、ボルト15の頭部16には六角レンチ(図示せず)を挿入するための六角孔17を有している。
次に、本件第1の実施形態に係る軸保持具4の作用について、モータ回転軸であるスプライン軸3にモータのロータ部材を固定ナットで固定する作業を通じて説明する。
まず、軸保持具4によるスプライン軸3の保持について説明する。
図2に示すように、作業者は、スプライン軸3のスプライン歯1と軸保持具4のスプライン溝10を合わせながら、スプライン軸3に対して軸保持具4を外挿する。これにより、スプライン歯1とスプライン溝10がスプライン係合することにより、スプライン軸3が軸保持具4に保持される。
次に、図4に示すように、軸保持具4の支持部7に支持具6を係合する。図4では、支持具6の例として既存の工具であるメガネレンチ6を使用した場合を示している。
メガネレンチ6は、支持部7の六角部12の形状(サイズ)に適合した接合口18を有するものを使用し、接合口18を六角部12に係合する。その後、作業者はメガネレンチ6の柄19を持ち、メガネレンチ6によって、軸保持具4の支持部7を支持する。この時、軸保持具4には円筒形状部と支持部7の間に台座部14が設けられているので、メガネレンチ6の側面部20を台座部14に当接させながら支持をする。
そして、作業者は、スプライン軸3にロータ部材を挿通してこれを固定するために、スプライン軸3の中腹部付近の外周に螺刻された雄ねじ部に対して固定ナットを締め付ける作業を行う。この締め付け時に、作業者は、軸保持具4の支持部7をメガネレンチ6にて支持することにより、スプライン軸3が回転しないように保持する。
このように、軸保持具4を使用して、作業者はスプライン軸3が回転しないように保持する。
次に、スプライン軸3から軸保持具4を取外す場合について説明する。
固定ナットを締め付ける作業において、係合しているスプライン溝10とスプライン歯1が強く接触し、噛み込んで固着してしまう場合がある。
このように固着が生じた場合には、軸保持具4をスプライン軸3から手で引き抜くことができなくなる。その際に、ボルト15を使用する。
まず、ボルト15をスプライン軸3を外挿した円筒部5に対して他端の端面部13からねじ孔8へと螺入する。
ここで、ねじ孔8は、スプライン軸3の中心軸と平行であり、かつ同軸であるため、ねじ孔8に螺入されたボルト15は、スプライン軸3に対して先端部21が接近する進行方向と、先端部21が離隔する後退方向に進退可能に螺合する。
そして、螺入をし続けると、ボルト15の先端部21がスプライン軸3の端部に当接する。
当接した状態でさらにボルト15を螺入すると、ボルト15のねじ込みの作用により、図5に示すように、ボルト15の先端部21がスプライン軸3を押しながら円筒部5内部へと進入する。即ち、円筒部5は、ボルト15の先端部21によって相対的にスプライン軸3に対して移動する。
この時、スプライン軸3のスプライン歯1とスプライン溝10が相対的に移動するため、ボルト15がスプライン軸3に当接してからある一定量ねじ込まれると、スプライン歯1とスプライン溝10との係合によって固着した状態が解かれる。これにより、軸保持具4は、スプライン軸3から簡単に取外すことができる。
ここで、もし、スプライン歯1とスプライン溝10の固着が強く、ボルト15を螺入することができない場合には、ボルト15の頭部16に設けられた六角孔17に六角レンチを差し込むことによって、より強い力でボルト15をねじ込むことができる。
上記第1の実施形態によれば以下のような効果を奏する。
(1)軸保持具4は、スプライン軸3のスプライン歯1に係合する突形状のスプライン溝10を有し、スプライン歯1とスプライン溝10が係合することによって、スプライン軸3を保持する。これにより、スプライン歯1を直接パイプレンチなどの工具で保持しないため、スプライン歯1を傷つけることなくスプライン軸3を保持することができる。
(2)作業者は、軸保持具4の六角部12に適合したメガネレンチ6によって、スプライン軸3の保持をすることができる。したがって、軸保持具4はメガネレンチ6などによって確実に支持されるので、それによりスプライン軸3も確実に保持することができる。
また、スプライン軸3を確実に保持できるので、固定ナットを締め上げる際にも、固定ナットに充分なトルクをかけて締め付けを行うことができる。これにより、固定ナットの締め付けを十分に行うことができるので、ロータ部材の固定を焼嵌めによる固定や、カシメによる固定で行う必要がない。したがって、加熱炉や、プレス機を使用する必要がない。
(3)六角部12の六角柱状は六角ボルトの頭部と同様の形状している。これにより、支持具6には、メガネレンチ6などの支持に適した既存の工具を係合して支持することができるので、軸保持具4を支持するための専用工具を作成する必要がない。
(4)支持部7は、円筒部5の開口部9とは反対側に設けられている。これにより、スプライン軸3に軸保持具4を外挿した状態であっても、簡単に支持部7にメガネレンチ6を係合することができる。
(5)軸保持具4は、台座部14を有しているため、作業者はメガネレンチ6の側面部20を台座部14に当接させながら支持をすることができる。これにより、安定して軸保持具4を支持することができる。
(6)スプライン歯1とスプライン溝10が固着した場合には、ねじ孔8にボルト15を螺入することによって、スプライン軸3と軸保持具4とを相対的に移動させる。これにより、スプライン歯1とスプライン溝10が固着しても、スプライン軸3と軸保持具4とを簡単に取外しができる。
(7)ボルト15がスプライン軸3と当接してからある一定量ねじ込まれると、スプライン歯1とスプライン溝10との固着が解かれる。これにより、作業者は、固着が解かれる時を予測でき、安全にスプライン軸3と軸保持具4との取外しをすることができる。
(8)軸保持具4は、円筒部5内周面に雌スプラインを形成した後に、支持部7を溶接し、最後にねじ孔8を形成することによって作成する。このように軸保持具4は作成が容易であるため、軸保持具4をすぐに作成することができる。このため、試作品や少量生産の場合などにおいて特に効果的である。
(9)軸保持具4は、場所をとることがないので、作業の邪魔になりにくい。
(第2の実施形態)
以下、本件の第2の実施形態について図6〜9を用いて説明する。
第1の実施形態では、係合歯としてのスプライン歯1を多数有する雄スプライン部2を有するスプライン軸3に適用した例であったが、第2の実施形態では、図6に示すように係合溝としてのスプライン溝31を多数有する雌スプライン部32を有するスプライン軸33に対する軸保持具34に適用した例を示す。
軸保持具34は、スプライン軸33に挿入する軸係合部としての挿入部35と、作業者が工具などの支持具(図示せず)を使用して支持するための支持部37と、ネジ部としての雄ねじ部38を有している。
挿入部35の外周面には、スプライン軸33のスプライン溝31に係合する突形状を有する突状部としてのスプライン歯39が多数設けられた雄スプライン部40を備えている。
したがって、スプライン軸33の雌スプライン部32と、挿入部35の雄スプライン部40が係合することによって、スプライン軸33が軸保持具34に保持される。
また、雄スプライン部40は、外挿される雌スプライン部32に対してスプライン溝31を傷つけることなくスプライン軸33の保持ができる適切なはめあいとなるように設定されている。
また、支持部37は、雄スプライン部40とは反対側(他方側)に設けられ、支持部37の形状は第1実施例と同様に六角柱状をした六角部41と端面部42が設けられている。
雄ねじ部38は、雄スプライン部40と支持部37の間に設けられた円柱形状の部分の外周面に螺刻されている。ここで、支持部37の六角部41の対角線の長さは、雄ねじ部38の雄ねじ谷の直径よりも小さくなっており、支持部37と雄ねじ部38の間には段差をなす台座部43が設けられている。
次に、軸保持具34に外挿される取外し部材としての取外しアタッチメント44について説明する。
取外しアタッチメント44は、端部にスプライン軸33の端部と当接するための円環部46を有する環状部45と、内周面に軸保持具34の雄ねじ部38と螺合する雌ねじ部47と、取外しアタッチメント44を螺合する際に工具を掛合させて回転させる六角形状の掛合部48とから構成されている。掛合部48は、既存の工具が掛合できるような六角形状となっている。
次に本件第2の実施形態の作用について第1実施形態と同様の組立て作業を通じて説明する。
まず、軸保持具34によるスプライン軸33の保持について説明する。
スプライン軸33のスプライン溝31と軸保持具34のスプライン歯39を合わせながらスプライン軸33に対して軸保持具34を挿入する。
次に、軸保持具34の支持部37に対して支持具を係合する。第2の実施形態においても、第1実施形態同様にメガネレンチ(図示せず)にて支持をする。この時、軸保持具34には、雄ねじ部38と支持部37の間に台座部43が設けられているため、作業者はメガネレンチを当接させて支持する。
そして、第1実施例と同様にスプライン軸33にロータ部材を挿通してこれを固定するために、スプライン軸33の中腹部付近に螺刻した雄ねじ部38に対して固定ナットを締め付ける作業を行う。この締め付け時に、作業者は、固定ナットを工具によりトルクをかけて締め付けるとともに、スプライン軸33を回転しないように軸保持具34にてスプライン軸33を保持する。
このように、軸保持具34を使用して、作業者は、スプライン軸33が回転しないように保持する。
次に、スプライン軸33から軸保持具34を取外す場合について説明する。
第2の実施形態においても、スプライン溝31とスプライン歯39とが強く接触し、噛み込み固着してしまう場合がある。この時には、スプライン軸33から軸保持具34を手で引き抜くことができない。
このように固着が発生してしまった場合には、取外しアタッチメント44を使用する。
まず、取外しアタッチメント44の円環部46を先にして支持部37側から軸保持具34に外挿する。そして、軸保持具34の雄ねじ部38に取外しアタッチメント44の雌ねじ部47を螺合させる。螺合後は、取外しアタッチメント44を軸保持具34に対して回転させて、取外しアタッチメント44をスプライン軸33の方へ移動させる。
取外しアタッチメント44を移動させ続けると、図9のように取外しアタッチメント44の円環部46がスプライン軸33の端部に当接する。
当接した状態で、さらに取外しアタッチメント44を移動(回転)すると、取外しアタッチメント44のねじ込みの作用により、アタッチメント44の円環部46がスプライン軸33を押しながら移動する。即ち、スプライン軸33が取外しアタッチメント44に押されて、軸保持具34はスプライン軸33に対して相対的に軸方向において離れる方向へと移動する。この相対的な移動によってスプライン軸33とスプライン歯39の固着した状態が解かれる。そして、固着が解かれると軸保持具34はスプライン軸33から取外せるようになる。
ここで、もしスプライン溝31とスプライン歯39との固着が強く、取外しアタッチメント44をねじ込むことが難しい場合には、取外しアタッチメント44の掛合部48に工具を掛合して強い力でねじ込むことができる。この時、取外しアタッチメント44の掛合部48に工具を掛合し、取外しアタッチメント44を回転させながら、軸方向に取外しアタッチメント44を移動させる。
上記第2の実施形態によれば以下のような効果を奏する。
(10)スプライン軸33が雌スプライン部32を有するものであっても、軸保持具34を適用することができる。
上記第1、第2の実施形態は、上記に限定されるものではなく、以下のように変更してもよい。
第1の実施形態では、軸を雄スプライン部2を有するスプライン軸3として説明し、第2の実施形態では、軸を雌スプライン部32を有するスプライン軸33として説明したが、軸は、端部に係合歯もしくは係合溝を有していればよく、例えば、図10に示すような係合溝としてのキー溝49を有する軸50やセレーション歯などを有する軸であってもよい。
また、軸はモータの回転軸だけで無く、トランスミッションのギア軸や、クラッチの軸、トラクションダンパーの軸など、スプライン軸やキー溝などを有する軸であればよい。
上記第1、第2の実施形態では、支持部7、37を六角部12、41と端面部13、42を有する形状として説明したが、軸保持具4、34を支持具6にて保持できる構造であればどのような形状であってもよい。例えば、六角部12、41の形状を八角部や四角部としてもよいし、支持部7、37に四角孔を形成し、ソケットレンチのラチェットハンドルのソケット接合部分を差し込んで係合できるようにしてもよい。また、支持部の軸保持具の円周方向への螺合孔を形成し、その螺合孔に螺合する螺合部を有する棒を係合できるようにしてもよい。
また、六角部12、41に係合する支持具6の例として既存の工具であるメガネレンチ6にて説明をしたが、メガネレンチ6で無くてもよく、スパナやトルクレンチなどであってもよい。また、パイプレンチやポンププライヤーで六角部12、41を挟持して支持してもよい。
また、第1の実施形態では、取外し部材をボルト15として説明したが、先端部にネジ形状を有するスライドハンマーを使用してスプライン軸3と軸保持具4の取外しを行ってもよい。この場合には、スライドハンマーの先端部をねじ孔8に挿入し、スライドハンマーのハンマー部によって衝撃を与えて、その振動によってスプライン歯1とスプライン溝10の係合による固着を解放する。
また、第1実施形態では、軸保持具4の製作は、円筒部5と支持部7とを溶接して形成する方法で説明したが、円筒部5とが支持部7が一体構造であっても良い。
1 スプライン歯
3 スプライン軸
5 円筒部
7 支持部
8 ねじ孔
10 スプライン溝
15 ボルト
31 スプライン溝
33 スプライン軸
35 挿入部
37 支持部
38 雄ねじ部
39 スプライン歯
44 取外しアタッチメント
49 キー溝
50 軸

Claims (7)

  1. 端部に係合歯を有する軸を保持する軸保持具であって、
    前記係合歯に対して係合する溝形状部を有する軸係合部と、
    前記軸保持具が支持される支持部と、
    前記係合歯と前記溝形状部との係合を解く取外し部材を前記軸に対して進退可能に螺合するねじ部と、を有することを特徴とする軸保持具。
  2. 端部に係合溝を有する軸を保持する軸保持具であって、
    前記係合溝に対して係合する突状部を有する軸係合部と、
    前記軸保持具が支持される支持部と、
    前記係合溝と前記突状部との係合を解く取外し部材を前記軸に対して進退可能に螺合するねじ部と、を有することを特徴とする軸保持具。
  3. 前記軸係合部は、前記軸保持具の一方側に形成され、前記支持部は前記軸保持具の他方側に形成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の軸保持具。
  4. 前記支持部は、六角柱状の六角部を有することを特徴とする請求項1〜3いずれか一項に記載の軸保持具。
  5. 前記係合歯はスプライン歯であり、前記溝形状部はスプライン歯に係合するスプライン溝であることを特徴とする請求項1に記載の軸保持具。
  6. 前記係合溝はキー溝であり、前記突状部はキー溝に係合する突形状であることを特徴とする請求項2に記載の軸保持具。
  7. 前記取外し部材はボルトであり、
    前記軸係合部は内周面に溝形状部が形成された筒状であり、
    前記ねじ部は、軸係合部へと貫通する貫通孔であることを特徴とする請求項1又は4に記載の軸保持具。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN105840691A (zh) * 2016-05-24 2016-08-10 上海华铭智能终端设备股份有限公司 一种有自由行程的自动离合装置及旋转门机构
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