JP6201029B1 - 無電解白金めっき液および無電解白金めっき方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来の、低濃度で無電解めっきが進行しないという課題および部分めっきができないという課題を解決するための無電解白金めっき液の提供。【解決手段】白金化合物、錯化剤、還元剤および添加剤を含有するアルカリ性無電解白金めっき液において、当該還元剤が水素化ホウ素化合物であり、当該添加剤が、鎖状スルフィドまたは鎖状ジスルフィド、チオシアン酸、チオサリチル酸、チオ硫酸、チオリンゴ酸およびそれらの塩から選ばれたイオウ化合物である、無電解白金めっき液。【選択図】なし

Description

本発明は、1回ごとに使いきりの無電解白金めっき液およびそれを用いる無電解白金めっき方法に関し、特に、セラミックス基材への無電解白金めっき液および無電解白金めっき方法に関する。
従来、金属基材やプラスチックス基材やセラミックス基材へ無電解白金めっきが行われてきた。このうち、セラミックス基材への無電解白金めっきは非常に難しいめっきであった。無電解白金めっき液の種類としてはさまざまなものがあり、水素化ホウ素化合物を還元剤とした無電解白金めっき液としては、白金化合物を主成分とし、これに錯化剤と還元剤、更に反応抑制のための安定剤を加えたものが使用されていた。
水素化ホウ素化合物は水溶液中でBH となり、白金を還元するとBO となる。BH は活性が大きく酸化速度が速いので、無電解めっき液は不安定となり自然分解の傾向をもつ。しかも、白金は析出電位が貴で還元されやすい性質をもっている。還元剤に水素化ホウ素化合物を用いると、白金イオンの還元が過度に進んで液中に白金が析出してしまうという不都合な現象(自己分解)が起きやすくなる。このため実用的には反応速度が遅い4価の白金化合物を用いたり、安定剤に芳香環をもつ有機イオウ化合物を使用するのが一般的であった。他方、酸性液ではBH と白金イオンが結合して難溶性の塩を生じるので、無電解白金めっき液はアルカリ性で用いられる。
例えば、特開平09−287078号公報(後述する特許文献1)の請求項2には、めっき液を安定化させるためチオール化合物等を添加する、「白金の無電解めっき液において、白金塩として白金ニトロ錯塩,白金ニトロアンミン錯塩又は白金クロロアンミン錯塩を、錯化剤としてエチレンジアミン,エチレンアミン,メチルアミン又はピペリジンを、安定剤として亜硝酸塩類を、そして還元剤として水素化ホウ素塩を含有し、かつチオール化合物又は互変異性によりチオール化合物となる化合物を添加剤として含有することを特徴とする白金の無電解めっき液」が記載されている
また、特開2016−089190号公報(後述する特許文献2)の請求項2には、セラミックス基材上に白金皮膜を形成させるための無電解白金めっき液であって、特定のスルホンアミド化合物などを含有する無電解白金めっき液が提案されている。このめっき液は、浴安定性に優れ、製品歩留まりが良く、優れた膜質が得られるという長所を有している。
これまでの無電解めっきは、大型のめっき浴に大量の無電解めっき液を投入しておき、めっき液が劣化するまで多数個の被めっき基材を繰り返し、何ターンにもわたって無電解めっきが行われている。また、特別な装置を用いて少量の無電解めっき液により使いきりの無電解めっき(以下、「ワンポットめっき」という。)をすることも行われている(例えば、特開2014−201794号公報図1参照)。しかしながら、これまでの無電解めっき液では液中の白金濃度が下限値未満になると、無電解めっき液が残留している白金化合物と安定剤が強固な錯体を形成して、良好な品質の白金めっき皮膜を析出することができないという問題があった。
すなわち、これまでの無電解白金めっき液で繰り返しめっきやワンポットめっきをした場合、無電解めっき液中の白金化合物が比較的高濃度で残り完全に使い切ることができなかった。このため、めっきに寄与しない高価な白金地金の保管による費用や残液からの回収の費用が必要となり、白金めっきは割高となっていた。
本発明者は、高濃度でも低濃度でも良好なめっき品質を有するワンポットめっき用の無電解白金めっき液を開発した(特開2016−037612号公報(後述する特許文献3))。この無電解白金めっき液は、「水溶性白金化合物、錯化剤、還元剤および安定剤からなるアルカリ性無電解白金メッキ液において、水溶性白金化合物の濃度が0.0005〜0.3mol/L(Ptとして0.1〜60g/L)であり、錯化剤が上記水溶性白金化合物の濃度の2〜300倍(モル比)のポリエチレンアミン類からなり、その濃度が0.001〜5mol/Lで、還元剤が水素化ホウ素化合物からなり、その濃度が0.001〜1mol/Lであり、安定剤がヒドラジン化合物からなり、その濃度が0.001〜1mol/Lであり、水酸化アルカリによりpH11〜14である」ものである。
しかしながら、この無電解白金めっき液は、前半の高濃度段階では、めっき反応が激しく、白金の電気回路配線が予定よりはみ出してしまい、部分めっきがうまく描けないという課題があり、一方、後半の低濃度段階では、めっき反応が終息して速度低下や析出停止、場合によっては部分的に析出皮膜が再溶解してしまい、クラック等を引き起こすといった課題があった。従来から用いられている安定剤は、前半の課題を解消することはできるが、後半の課題についてはむしろ致命的な問題に繋がることがしばしばあった。
特開平09−287078号公報 特開2016−089190号公報 特開2016−037612号公報
本発明は、上記課題にかんがみてなされたものである。本発明者等は上記課題を解決するため、無電解白金めっき液に還元力の強い水素化ホウ素化合物を用い、これに種々の添加剤を加えその効果を検討した。本発明者等は鋭意研究を重ねた結果、無電解白金めっき液中に特定のイオウ化合物を含有させると、液中の白金濃度が希薄になっても析出した白金粒子が再溶解せず、さらに白金めっきが進行することを見い出した。
イオウ化合物は、一般的に無電解白金めっき液の安定剤として知られているが、本発明者等は特定のイオウ化合物が白金の再溶解を妨げる作用をすることを見い出した。この現象は、特定のイオウ化合物のイオウイオンが白金の触媒核に対して触媒毒のように直接的に作用をし、非可逆的な白金微粒子のめっき析出物を形成することによるものである。この特定のイオウ化合物の添加によって無電解白金めっき液の濃度を極端に減少することができ、効率の良いワンポットめっきが可能となった。本発明は上記知見に基づいてなされたものであって、ワンポットめっきに適した無電解白金めっき液およびそれを用いる無電解白金めっき方法を提供するものである。
本発明の無電解白金めっき液は、白金化合物、錯化剤、還元剤および添加剤を含有するアルカリ性無電解白金めっき液において、当該還元剤が水素化ホウ素化合物であり、当該添加剤が、鎖状スルフィドまたは鎖状ジスルフィド、チオシアン酸、チオサリチル酸、チオ硫酸、チオリンゴ酸およびそれらの塩から選ばれたイオウ化合物であることを特徴とする。
また、本発明の無電解白金めっき方法は、白金化合物、錯化剤、還元剤およびイオウ化合物の添加剤を含有する使いきりのアルカリ性無電解白金めっき液であって、当該還元剤が水素化ホウ素化合物であり、当該添加剤が、鎖状スルフィドまたは鎖状ジスルフィド、チオシアン酸チオサリチル酸、チオ硫酸チオリンゴ酸およびそれらの塩から選ばれたイオウ化合物である無電解白金めっき液を用い、残液の白金濃度が開始時の10%以下になるまで無電解めっきすることを特徴とする。
本発明の無電解白金めっき液および無電解白金めっき方法において、還元剤である水素化ホウ素化合物としては、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素カリウム、水素化ホウ素アンモニウム、ジメチルアミンボラン、ジエチルアミンボラン、ピリジンボランなどがある。取り扱いの点から、これらの還元剤のうち水素化ホウ素ナトリウムまたは水素化ホウ素カリウムが好ましい。
また、本発明のアルカリ性無電解白金めっき液および無電解白金めっき方法に用いられる白金化合物としては、たとえば、酸化白金、ジクロロ白金、ヘキサクロロ白金、テトラクロロ白金酸、ヘキサクロロ白金酸、テトラクロロ白金塩、ヘキサクロロ白金塩、ジニトロジアンミン白金(Pt−Pソルト)、ヘキサヒドロキシ白金酸(Pt−Oソルト)、テトラアンミン白金塩、ヘキサアンミン白金塩、テトラニトロ白金塩、ヘキサニトロ白金塩、シス−ジアミンジクロロ白金(シスプラチン)、エチレンジアミン白金錯塩などがある。取り扱いの点から、これらの白金化合物のうちエチレンジアミン白金錯塩またはジニトロジアンミン白金(Pt−Pソルト)が好ましい。
本発明における無電解めっき液の白金化合物の濃度範囲は極端に広く、0.1g/L〜溶解度の上限値の1/2の範囲である。これは、白金化合物が白金金属として析出していく速度よりも、析出した白金金属に対して特定のイオウ化合物が触媒毒として作用する速度のほうが速いからと考えられる。ここで、濃度範囲の下限値はめっき浴設備の大型化を避けるためである。すなわち、この下限値以下でも無電解白金めっきは時間をかければ進行するが、多量の無電解めっき液が必要となり、液量が増え、めっき設備が大掛かりになるからである。また、濃度範囲の上限値は高価な白金地金の滞留やロスを避けるためである。エチレンジアミン白金錯塩またはジニトロジアンミン白金の場合は、白金として0.1〜30g/Lの範囲が好ましい。
本発明の無電解白金めっき液および無電解白金めっき方法における錯化剤としては、エチレンジアミンのほか、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミンが例示される。
本発明の無電解白金めっき液および無電解白金めっき方法における安定剤としては、従来のイオウ化合物を本発明の添加剤と併せて用いることができるほか、従来の亜硝酸塩類またはアミノカルボン酸塩類が配合される。また、メタニトロベンゼンスルフォン酸(NBS)およびその塩、パラニトロ安息香酸(PNBA)およびその塩、ジニトロ安息香酸(DNBA)およびその塩、並びにパラニトロフェノール(PNF)およびその塩のうちの少なくとも1種以上を用いることもできる。これらの芳香族ニトロ化合物は、ニトロ基により白金表面近傍での触媒活性度を低下させ、非触媒面への析出(パターンめっきをする場合にはパターン外の析出)を防止する。また、めっき液中では水素化ホウ素化合物の分解に伴う白金錯体の自己分解を防止する作用をする。代表的にはニトロベンゼンスルホン酸およびその塩が挙げられる。
本発明の無電解白金めっき液および無電解白金めっき方法における添加剤である鎖状スルフィドまたは鎖状ジスルフィドは、イオウ原子が空のd軌道をもち、Ptの低スピンのd8イオンがdπ−dπ結合を形成することによって安定な錯体をつくる。すなわち、溶液中に中間体として生成するスルフェニウムイオン(RS)が開始剤となり、イオン的な連鎖反応によって極低濃度の白金まで安定的に析出させることができる。反応性は、スルフィドのほうがジスルフィドよりも高い。
芳香族メルカプト化合物、イミダゾ−ル、ベンゾイミダゾ−ル、チアゾ−ル等の芳香環をもつイオウ化合物を単独で無電解白金めっき液に用いた場合、めっき液中の白金濃度が低下すると白金粒子の析出が止まってしまうことがわかった。上記の白金に対する触媒毒作用が立体的に阻害されるためと思われる。ところが、鎖状スルフィドまたは鎖状ジスルフィドの存在下で芳香環をもつイオウ化合物を無電解白金めっき液に併存した場合、無電解めっき液中の白金濃度が低下しても白金粒子の析出が止まってしまうことはなかった。
また、チオシアン酸、チオサリチル酸、チオ硫酸、チオリンゴ酸およびそれらの塩も白金化合物に対し鎖状スルフィドまたは鎖状ジスルフィドと同様の作用を示すことがわかった。
本発明の無電解白金めっき液における好ましい実施態様は以下のとおりである。
上記添加剤の鎖状スルフィドまたは鎖状ジスルフィドとして、2,2‘−チオジグリコール酸、2,2’−チオジエタノールおよび3,3‘−ジチオビス(1−プロパンスルホン酸ナトリウム)が好適に用いられる。また、チオシアン酸塩、チオサリチル酸、チオ硫酸塩およびチオリンゴ酸も好適に用いられる。
また、上記白金化合物が酸化白金、ジクロロ白金、ヘキサクロロ白金、テトラクロロ白金酸、ヘキサクロロ白金酸、テトラクロロ白金塩、ヘキサクロロ白金塩、ジニトロジアンミン白金(Pt−Pソルト)、ヘキサヒドロキシ白金酸(Pt−Oソルト)、テトラアンミン白金塩、ヘキサアンミン白金塩、テトラニトロ白金塩、ヘキサニトロ白金塩、シス−ジアミンジクロロ白金(シスプラチン)およびエチレンジアミン白金錯塩よりなる群から選ばれた1種以上の白金化合物であることが好ましい。特に、エチレンジアミン白金錯塩(Pt(en)Cl)およびジニトロジアンミン白金(Pt−Pソルト:Pt(NO(NH)が好ましい。これらの白金化合物は、ヘキサクロロ白金酸塩(MPtCl)またはテトラクロロ白金酸塩(MPtCl)を出発化合物として合成することができる。
また、上記還元剤としてさらにヒドラジンまたはヒドラジン化合物を含むことが好ましい。ヒドラジン化合物としては、塩酸ヒドラジン、硫酸ヒドラジンが挙げられる。ヒドラジン、ヒドラジン化合物を水素化ホウ素化合物と共存させると、水素発生の分解反応が穏やかになり、無電解白金めっき液からのめっき析出物がより安定する。白金の析出効率はほぼ100%となり、時間が経過しても析出効率が下がることがなくなる。このような効果をもたらすヒドラジン化合物の濃度は、ヒドラジン一水和物として0.05〜50g/Lである。好ましくは、0.5〜50g/Lである。
また、本発明の無電解白金めっき方法によれば、残液の白金濃度が開始時の10%以下になるまで無電解めっきすることが可能であるが、好ましい実施態様として、残液の白金濃度が開始時の5%以下になるまで無電解めっきすることが挙げられる。
なお、めっき液の液温は、従来の無電解白金めっき液と同様に、30〜60℃とするのが良い。
本発明の無電解白金めっき液は、極低濃度の白金まで析出させることができ、その結果、白金めっき製品に投入する白金地金量・液量をこれまでより減らすことができる。また、コロイド触媒の有無によって白金の析出を抑制することができ、その結果、白金濃度が極めて低くても緻密な白金を所望の電気回路幅で析出させることができる。さらに、無電解めっき装置を小型化することができ、しかも廃液に含まれる高価な白金地金の損失が少なくすることができる。本発明の無電解白金めっき液を量産品に用いると、必要な箇所だけ白金めっきの電気回路を形成することができる。そのため、無電解白金めっきに使用する白金量が減り、製造コストが廉価になり、回収費用も廉価になるという副次的効果もある。
また、本発明の無電解白金めっき液は、白金濃度が高濃度から低濃度にわたって広範囲の無電解白金めっきを行うことができる。その結果、めっきの析出速度を変えて表裏面の基材の材質に合わせて1回ごとに使いきりの無電解めっきすることができ、短時間でワンポットめっきをすることができる。特に、様々な形状の素材の内面と外面を同時に無電解めっきする場合などには、内面と外面のめっきを同時に終了させる両面めっきを行うことができる効果がある。
また、本発明の無電解白金めっき方法によれば、高価な白金地金の滞留を少なくすることができ、かつ、回収費用も節約することができる。さらに、残液中の白金濃度が極端に少ないので、めっき廃液処理の費用を削減することもできるという効果もある。
次に、本発明の実施例、比較例について述べる。
〔実施例1〕[1]白金触媒化工程
縦25mm×横25mm×厚さ1mmのアルミナ基板を使用した。このアルミナ基板を13%の酸性フッ化アンモニウム溶液(30℃)に10分間浸漬し、その後、水洗、乾燥した。次いで、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)テープを使用して片面に1.1cmのウィンドウを形成した。このアルミナ基板に市販の白金コロイド分散液(田中貴金属工業株式会社製、平均粒径2〜5nm、Pt10g/L含有有機溶剤)を塗布した後、PTFEテープをはがし、大気中300℃で20分間熱処理して白金コロイドをアルミナ基板上のウィンドウ内に固着した。
[2]無電解白金めっき工程
あらかじめ微小容器に3mLの無電解白金めっき液を建浴した。
白金化合物としてジニトロジアンミン白金(II)(Pt(NO(NH):Pt0.8g/L、
錯化剤としてエチレンジアミン(C):15.8g/L、
添加剤として2,2‘−チオジグリコール酸(CS):400mg/L、
還元剤として水素化ホウ素ナトリウム(NaBH):1.0g/L、
pH調整剤として水酸化ナトリウム(NaOH):3.4g/L
上記液量3mLの無電解白金めっき液中に上記の白金コロイド付アルミナ基板(片面ウィンドウ内1.1cmが処理面積となる)を浸漬し、液負荷3.7dm/Lで、50℃、2時間、無電解白金めっきを行った。
析出効率は98.6%であった。アルミナ基板のウィンドウに白金が1.08μm析出した。析出した白金粒子は緻密で、球状のコブやクラックはみられなかった。また、残液の白金濃度は11.4mg/Lであった。さらに、この白金めっきアルミナ基板を大気中1,000℃で熱処理を行った結果、光沢のある銀色の白金皮膜が得られた。
〔実施例2〜8〕、〔比較例1〜4〕
上記[1]白金触媒化工程と[2]無電解白金めっき工程の条件を変化させて、同様の処理を行った。特に実施例8と比較例4では、[1]白金触媒化工程においてPTFEテープを使用せずに両面全面に白金触媒を形成した白金コロイド付アルミナ基板(全面13.5cmが処理面積となる)を使用し、[2]無電解白金めっき工程において液量2mLとして、液負荷67.6dm/Lで、全面に無電解白金めっきを行った。
実施例1を含めて、実施例2〜8、比較例1〜4の無電解白金めっき液の組成と処理条件、およびその結果を表1〜表3に示す。
表1
Figure 0006201029
表2

Figure 0006201029

表3
Figure 0006201029
表1〜表3より、本発明の無電解白金めっき液を用いることにより、極めて高い析出効率を達成すること、すなわち、極低濃度まで白金を析出させることができ、均一で緻密なめっきが可能であること、また、パターンに忠実に白金皮膜を形成できること、さらに、熱処理後美麗な白金皮膜をもつ製品を得ることができることが理解できる。
産業上の利用分野
本発明の無電解白金めっき液は、半導体装置、太陽電池基材、自動車部品、医療用器具、装飾用等、さまざまな産業分野に利用することができる。

Claims (9)

  1. 白金化合物、錯化剤、還元剤および添加剤を含有する使いきりのアルカリ性無電解白金めっき液において、当該還元剤が水素化ホウ素化合物であり、当該添加剤が、鎖状スルフィドまたは鎖状ジスルフィド、チオシアン酸チオリンゴ酸およびそれらの塩から選ばれたイオウ化合物であることを特徴とする無電解白金めっき液。
  2. 上記添加剤である鎖状スルフィドまたは鎖状ジスルフィドが、2,2’−チオジグリコール酸、2,2’−チオジエタノール3,3’−ジチオビス(1−プロパンスルホン酸)およびそれらの塩から選ばれたイオウ化合物であることを特徴とする請求項1に記載の無電解白金めっき液。
  3. 上記白金化合物が、酸化白金、ジクロロ白金、ヘキサクロロ白金、テトラクロロ白金酸、ヘキサクロロ白金酸、テトラクロロ白金塩、ヘキサクロロ白金塩、ジニトロジアンミン白金、ヘキサヒドロキシ白金酸、テトラアンミン白金塩、ヘキサアンミン白金塩、テトラニトロ白金塩、ヘキサニトロ白金塩、シス−ジアミンジクロロ白金(シスプラチン)およびエチレンジアミン白金錯塩よりなる群から選ばれた1種以上の白金化合物であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の無電解白金めっき液。
  4. 上記還元剤として、さらにヒドラジンまたはヒドラジン化合物を含む請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の無電解白金めっき液。
  5. 白金化合物、錯化剤、還元剤および添加剤を含有する使いきりのアルカリ性無電解白金めっき液であって、当該還元剤が水素化ホウ素化合物であり、当該添加剤が、鎖状スルフィドまたは鎖状ジスルフィド、チオシアン酸チオリンゴ酸およびそれらの塩から選ばれたイオウ化合物である無電解白金めっき液を用い、残液の白金濃度が開始時の10%以下になるまで無電解めっきすることを特徴とする無電解白金めっき方法。
  6. 上記残液の白金濃度が、開始時の5%以下になるまで無電解めっきすることを特徴とする請求項5に記載の無電解白金めっき方法。
  7. 上記添加剤である鎖状スルフィドまたは鎖状ジスルフィドが、2,2‘−チオジグリコール酸、2,2’−チオジエタノール、3,3‘−ジチオビス(1−プロパンスルホン酸)およびそれらの塩から選ばれたイオウ化合物である無電解白金めっき液を用いることを特徴とする請求項5または請求項6に記載の無電解白金めっき方法。
  8. 上記白金化合物が、酸化白金、ジクロロ白金、ヘキサクロロ白金、テトラクロロ白金酸、ヘキサクロロ白金酸、テトラクロロ白金塩、ヘキサクロロ白金塩、ジニトロジアンミン白金、ヘキサヒドロキシ白金酸、テトラアンミン白金塩、ヘキサアンミン白金塩、テトラニトロ白金塩、ヘキサニトロ白金塩、シス−ジアミンジクロロ白金(シスプラチン)およびエチレンジアミン白金錯塩よりなる群から選ばれた1種以上の白金化合物である無電解白金めっき液を用いることを特徴とする請求項5〜請求項7のいずれか1項に記載の無電解白金めっき方法。
  9. 上記還元剤として、さらにヒドラジンまたはヒドラジン化合物を含む無電解白金めっき液を用いる請求項5〜請求項8のいずれか1項に記載の無電解白金めっき方法。
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