JP6200812B2 - 泡出し複合キャップ - Google Patents
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Description
かかる泡出しキャップには、テフロン樹脂加工布などの小泡発生シートが取り付けられており、容器内容液及びボトルのヘッドスペースに存在している空気を、該シートを通して排出することにより、内容液を泡状に噴出させるというものである。
前記シーリングキャップは、頂板部と、該頂板部の周縁から降下しており且つスクイズ容器の口部に固定される筒状側壁とを有しており、該頂板部には、内容液排出用開口若しくは引き裂きにより内容液排出用開口が形成される開口予定部が形成されており、
前記天井基板の上面には、容器内容液を噴出させるための噴出管が立設されており、
前記泡出し部材は、空気路形成用基板と、該空気路形成用基板の下面側に形成される気液混合流路とを備え、
前記空気路形成用基板の上面と前記天井基板の下面との間には、前記空気管と前記気液混合流路とに連なる空気路が形成され、
前記空気路に連通している気液混合流路は、内容液導入孔を有しており、さらに前記噴出管に連通していると共に、該気液混合流路には、少なくとも1つのメッシュ部材が設けられており、
前記スクイズ容器を傾倒させて且つスクイズしたとき、該容器内の内容物は、前記内容液排出用開口を介して前記筒状本体内を通り、前記内容液導入孔から前記気液混合流路に流れ込み、前記筒状本体内の空気は、該筒状本体内を流れる内容液の液圧によって前記空気管から前記空気路を介して前記気液混合流路に流れ込み、該気液混合流路において内容液と空気とが混合され、空気を含む内容液が前記メッシュ部材を通って微細な泡状となって、前記噴出管から噴出されることを特徴とする泡出し複合キャップが提供される。
(1)前記気液混合流路は、前記空気路形成用基板の下面に取り付けられ且つ前記内容液導入孔を有する中空筒状ハウジングにより形成されており、該空気路形成用基板の周縁部には、前記空気管の上端が嵌め込まれていること。
(2)前記空気路形成用基板の下面には、下方に延びている降下壁によって囲まれた気液混合流路形成領域が形成されており、該降下壁には、前記空気路に連通する開口と前記噴出管に連通する開口とが形成されており、該気液混合流路形成領域に前記中空筒状ハウジングが嵌合固定されていること。
(3)前記気液混合流路は、前記空気路に連通し且つ前記内容液導入孔が形成された気液混合室と、前記噴出管に連通している微細気泡室とを有しており、該気液混合室と該微細気泡室とは、連通孔を有する壁で区画されていること。
(4)前記微細気泡室には、前記メッシュ部材が2つ設けられていること。
(5)前記泡出し部材は、前記天井基板の下面側に嵌合固定され、該泡出し部材の空気路形成用基板の上面と該天井基板の下面との間の周縁部に空気路が形成されていること。
(6)前記泡出し部材が嵌合固定されている天井基板と泡出し部材との組立体に、前記筒状本体が嵌合固定されていること。
(7)前記筒状本体の下方内面には螺条が形成され、該筒状本体は、前記シーリングキャップに螺子固定されていること。
(8)前記天井基板には、オーバーキャップが設けられていること。
即ち、キャップ内の筒状本体内部に存在している空気を使用するため、容器のヘッドスペース内に存在している空気を用いる場合と異なり、空気を内容液と混合するように排出するチューブを用いる必要はなく、勿論、内容液を空気と混合するように排出するためのチューブを容器内に設ける必要はない。
従って、本発明においては、泡出しのためにチューブなどの格別の部材は必要がなく、この結果、この泡出し複合キャップは、容器口部へのキャッピング作業を容易に行うことができることとなる。
先ず、シーリングキャップ3が取り付けられるスクイズ容器について説明すると、この容器は、一般に、各種熱可塑性樹脂によりボトル形状に成形されたものであり、これを傾倒させ、該容器の胴部をスクイズすることにより、容器内容液を絞り出すようにして排出するものである。
また、スクイズ性が確保されている限り、複数の層から形成されていてもよく、例えば、オレフィン系樹脂の内外面層の間にエチレン−ビニルアルコール共重合体等からなるガスバリア性樹脂層が適宜接着剤層を介して形成されていてもよい。また、オレフィン系樹脂層の外面に、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂層が接着剤層を介して積層された構造を有していてもよい。
図1〜図3(特に図3)を参照して、シーリングキャップ3は、前述したスクイズ容器の口部1の密封に使用されるものであり、頂板部10と、頂板部10の周縁から降下している筒状側壁11とを有している。
また、このようにして形成される内容液排出用開口19の径は、容器口部1の半径Dよりもかなり小さく設定されており、キャップの軸線Oの一方側に偏って開口19が形成される。
尚、頂板部10の中央部分が凹部となっているのは、プルリング17をできるだけ突出させず、シーリングキャップ3のハイトをできるだけ小さくするためである。
また、この筒状突起21の外面には、シーリングキャップ3に装着される筒状本体5を係合固定するための螺条21aが形成されている。
また、筒状側壁11は、図示されているように、上方から下方に延びており、アンダーカット25が形成されている下端部を残すように形成されているスリット27により、内側壁11aと外側壁11bとに分断された二重壁構造となっている(図1及び図2では、これらの引照数字は省略されている)。このような二重壁構造とすることにより、例えばスコア等の薄肉部を設けての外側壁11bの引き剥がしにより、シーリングキャップ3を容器口部1から容易に取り外すことが可能となり、分別廃棄性を高めることができる。
筒状本体5の形態を説明するに先立って、天井基板7の形態を説明する。
天井基板7を示す図4を図1及び図2と共に参照して、筒状本体5の上部開口を覆うように設けられる天井基板7は、実質上フラットなパネルにより形成されるが、その周縁部には、この基板7を筒状本体5に固定するための固定用環状突起30が形成されており、この環状突起30の上部は肉厚部30aとなっており、下部は、外面が肉抜きされた薄肉部30bとなっている。即ち、この薄肉部30bの外面に筒状本体5の上端が位置するように、固定用環状突起30の薄肉部30bが筒状本体5の内部に嵌め込まれる。また、この際、筒状本体5の上部外面と固定用環状突起30の肉厚部30aの外面とが面一となるように厚み調整されており、これにより、筒状本体5と天井基板7(固定用環状突起30)との間に段差が形成されることが防止され、段差による外観の低下が回避される。
即ち、この凹部31に後述する筒状本体5の上端に形成されている突片50が嵌め込まれ、これにより、天井基板7と筒状本体5とが相対的に回転せず、位置ずれすることなく、しっかりと、位置決めされることとなる。
この噴出管33は、図4(a)から理解されるように、その上方部分が傾斜しており、その先端部には、蓋35が連結部35aでヒンジ連結されている。
このような噴出管35は、容器内に連通していることが必要であるため、図示されているように中空に形成されており、この噴出管33の内部は、天井基板7の下側に通じている。
尚、傾斜している噴出管33の付け根部分は、この噴出管33の長手方向と傾斜する傾斜壁36が形成され、これにより、噴出管33の傾斜状態が安定に保持されるようになっているが、樹脂量低減のため、この傾斜壁36の部分は、肉抜きされて凹部36aとなっている。
即ち、オーバーキャップ6を閉じたとき、この水平片41が噴出管33の上端に設けられている蓋35の両端部に当接し、これにより、蓋35がオーバーキャップ6の閉栓に伴って噴出管33の上端を閉じるように構成されている。
一方、オーバーキャップ6を閉じたとき、水平片41は、蓋35の周縁を乗り越えて蓋35の下側に移行するが、縦リブ43の傾斜面43aが蓋35の上面に密接し、これにより、蓋35の閉栓状態が安定に保持され、前述したシーリングキャップ3の頂板部10に内容液排出用開口19を形成した後の密封状態が有効に確保されるようになっている。
さらに、オーバーキャップ6を開栓したとき、上記の水平片41が蓋35の周縁に当接し、これを押し上げることとなり、これにより、オーバーキャップ6の開栓と共に、蓋35も開栓され、内容物の排出が可能となる。しかも、このような蓋35の開栓状態は、ヒンジバンド35aの旋回長さ等の調節により、安定に保持することができる。
このような弧状突起45と固定用環状突起30との間の空間が後述する空気路となり(図4(b)参照)、ヒンジバンド6aが設けられる側から切り欠き部45aに空気流Zが流れ込むようになっている。このような空気路及び空気流Zについては後述する。
また、弧状突起45で囲まれる領域には、後述する泡出し部材9の一部が嵌め込まれて天井基板7に固定されるようになっている。
前述したシーリングキャップ3には、筒状本体5が装着され、筒状本体5の上端には、この上部空間を閉じるように上述した天井基板7が設けられる。
前述した図1及び図2と共に、筒状本体5の構造を示す図5を併せて参照し、この筒状本体5は、上下に長い大径部5aと、大径部5aの下端に連なる上下に短い小径部5bとから形成されている。
即ち、筒状本体5の上端に形成されている突片50が天井基板7の環状突起30の凹部31に嵌め込まれるように、筒状本体5の上部に環状突起30を嵌め込むことにより、筒状本体5の上部を覆うように、しかも天井基板7と筒状本体5とが一定の位置関係となるように、天井基板7をしっかりと固定することができる。
さらに、大径部5aと小径部5bとの境界部には、内面全周にわたって水平方向内方に突出した張出し部53が形成されており、この張出し部53の先端には、下方に延びている固定用リング55が形成されている。即ち、上記の螺子係合により筒状本体5がシーリングキャップ3に装着されたとき、シーリングキャップ3の筒状突起21の上端が小径部5bの内面と固定用リング55との間に嵌まり込み、これにより、筒状本体5は、シーリングキャップ3と一体にしっかりと固定されることとなる。
このように、筒状本体5は、その下端部分はシーリングキャップ3に固定され、さらに、上端部分には、これを覆うように天井基板7が固定される。
即ち、天井基板7が装着されている筒状本体5を開栓方向に旋回して、スクイズ容器の口部1に装着されているシーリングキャップ3から取り外し、プルリング17を引っ張ってシーリングキャップ3の頂板部10に内容液排出用開口19を形成した後、再び天井基板7が装着されている筒状本体5をシーリングキャップ3に装着し、この状態でスクイズ容器を傾倒することにより、内容液が排出される。この際、内容液排出用開口19を通って筒状本体5内(即ち、空気室Y)に内容液が流入するが、この時の液圧によって、空気室Y内の空気は、空気管57を通って下方から上方に流れる。本発明では、このようにして空気室Y内の空気を、空気管57を通して流して泡形成に使用することとなる。
従って、排出用開口19の幅dは小さい方が好ましく、例えば、容器の口部の径Dよりも小さく、その1/2以下程度の大きさであることが好ましい。
また、空気管57の位置は、開口19とは径方向反対側に位置せしめると共に、当然のことながら、容器を傾けて内容液を排出する際、排出用開口19が下方(即ち、噴出管33の先端側)となり、空気管57が上方となる位置が、空気を速やかに空気管57に流すという点で最適である。
本発明においては、上記のように筒状本体5の空気室Yに流入した内容液に空気管57に流れ込んだ空気を混合して泡を形成するため、空気室Yの上部に泡出し部材9が設けられる。
また、空気孔67に対して径方向反対側の凸部65の外側面は、若干外方に張り出しており、この部分に、溝部63(空気路)を通って流れる空気流Zを下方の気液混合流路Qに流すための開口71が形成されている。
即ち、この降下壁79は、前述した空気流Zを下方の気液混合流路Qに流すための開口71及び気液混合流路Qを流れる気液混合物(泡状物)を噴出管33内に導入するための開口75を含み、このような降下壁79によって囲まれた領域に、中空筒状ハウジング100が嵌合固定され、この内部に気液混合流路Qが形成される。
また、気液混合室110となる側の中空筒状ハウジング100の底壁には、内容液導入孔143が形成されており、この導入孔143を通って、スクイズ容器から排出される内容液が導入されるようになっている。
即ち、側面140に小径の絞り孔141を形成しておくことにより、空気路からの気流Zが高速で気液混合室110内に導入されて内容液と速やかに混合されると共に、気液混合室110からの内容液の漏洩を有効に防止することができる。
また、中空筒状ハウジング100の側面140とは反対側に位置する底壁には、可撓性の小片147が形成されていることが望ましい。この小片147の機能については後述する。
この仕切り面150には、連通孔153が複数形成されており、気液混合室110で生成する気液混合物に含まれる大きな気泡が、この連通孔153を通ることにより微細な気泡となる。尚、この前述した絞り孔141よりも若干大きな径とすることが好ましい。即ち、この連通孔153の径が小さすぎると、内容液の詰まりなどを生じ易くなり、気泡の微細化をスムーズに行うことが困難となるためである。
一般に、第1のメッシュ部材105は比較的粗く、第2のメッシュ部材107は比較的微細なものとなっている。
このような気泡を含む内容液は、気液混合流Qとなって連通孔153を通り、これにより気泡が細分されて第1の微細気泡室120に流れる。気泡が細分された気液混合流Qは、第1のメッシュ部材105を通って気泡が微細化されて第2の微細気泡室130に流れ込み、さらに第2のメッシュ部材107を通り、さらに気泡が微細化されて噴出管33内に導入され、所望のクリーミーな泡状となって噴出管33の先端から排出されることとなる。
また、中空筒状ハウジング100の底壁に可撓性の小片147(図6では示されていない)を設けておくことにより、逆流する空気流を、中空筒状ハウジング100内を通さずに、直接空気室Yに流すことができ、これにより、中空筒状ハウジング100内に残存する泡の容器内への戻りを抑制することができる。即ち、この小片147は逆止弁としての機能を有しており、空気室Y内に空気が存在するときには、中空筒状ハウジング100の端部と降下壁79との間に生じる若干の隙間を閉じているが、空気室Yが減圧状態となると、この小片147は下方に垂れ下がり、上記の隙間を開放し、この部分から空気が空気室Y内に流入することとなる。
例えば、図の例では、筒状本体5は、シーリングキャップ3に固定する構造となっているが、筒状本体5をシーリングキャップ3に被せるようにして容器の口部1に固定する構造とすることもできる。
また、メッシュ部材は、メッシュカラー103の両端に2つ設けられており、微細気泡室が2つに分割されているが、メッシュ部材105,107の何れか一方を省略することもできるし、さらにメッシュカラーを設けて、メッシュ部材の数を増やすこともできる、さらには、噴出管33内にメッシュ部材を設けることも可能である。
5:筒状本体
7:天井基板
9:泡出し部材
19:内容液排出用開口
33:噴出管
57:空気管
60:空気路形成用基板
63:溝
71:開口
75:開口
79:降下壁
80:気液混合流路形成域
100:中空筒状ハウジング
101:仕切り管
103:メッシュカラー
105:第1のメッシュ部材
107:第2のメッシュ部材
110:気液混合室
120:第1の微細気泡室
130:第2の微細気泡室
143:内容液導入孔
Y:空気室(筒状本体5内空間)
Z:空気流
Q:気液混合流
Claims (9)
- スクイズ容器の口部に装着されるシーリングキャップと、該シーリングキャップ或いは該スクイズ容器の口部に取り付けられる筒状本体と、該筒状本体の上部開口を覆うように形成されている天井基板とを備え、該筒状本体の内部には、下方から上方に延びている空気管が設けられ且つ上方部に泡出し部材が装着されている泡出し複合キャップであって、
前記シーリングキャップは、頂板部と、該頂板部の周縁から降下しており且つスクイズ容器の口部に固定される筒状側壁とを有しており、該頂板部には、内容液排出用開口若しくは引き裂きにより内容液排出用開口が形成される開口予定部が形成されており、
前記天井基板の上面には、容器内容液を噴出させるための噴出管が立設されており、
前記泡出し部材は、空気路形成用基板と、該空気路形成用基板の下面側に形成される気液混合流路とを備え、
前記空気路形成用基板の上面と前記天井基板の下面との間には、前記空気管と前記気液混合流路とに連なる空気路が形成され、
前記空気路に連通している気液混合流路は、内容液導入孔を有しており、さらに前記噴出管に連通していると共に、該気液混合流路には、少なくとも1つのメッシュ部材が設けられており、
前記スクイズ容器を傾倒させて且つスクイズしたとき、該容器内の内容物は、前記内容液排出用開口を介して前記筒状本体内を通り、前記内容液導入孔から前記気液混合流路に流れ込み、前記筒状本体内の空気は、該筒状本体内を流れる内容液の液圧によって前記空気管から前記空気路を介して前記気液混合流路に流れ込み、該気液混合流路において内容液と空気とが混合され、空気を含む内容液が前記メッシュ部材を通って微細な泡状となって、前記噴出管から噴出されることを特徴とする泡出し複合キャップ。 - 前記気液混合流路は、前記空気路形成用基板の下面に取り付けられ且つ前記内容液導入孔を有する中空筒状ハウジングにより形成されており、該空気路形成用基板の周縁部には、前記空気管の上端が嵌め込まれている請求項1に記載の泡出し複合キャップ。
- 前記空気路形成用基板の下面には、下方に延びている降下壁によって囲まれた気液混合流路形成領域が形成されており、該降下壁には、前記空気路に連通する開口と前記噴出管に連通する開口とが形成されており、該気液混合流路形成領域に前記中空筒状ハウジングが嵌合固定されている請求項2に記載の泡出し複合キャップ。
- 前記気液混合流路は、前記空気路に連通し且つ前記内容液導入孔が形成された気液混合室と、前記噴出管に連通している微細気泡室とを有しており、該気液混合室と該微細気泡室とは、連通孔を有する壁で区画されている請求項1〜3の何れかに記載の泡出し複合キャップ。
- 前記微細気泡室には、前記メッシュ部材が2つ設けられている請求項4に記載の泡出し複合キャップ。
- 前記泡出し部材は、前記天井基板の下面側に嵌合固定され、該泡出し部材の空気路形成用基板の上面と該天井基板の下面との間の周縁部に空気路が形成されている請求項1〜5の何れかに記載の泡出し複合キャップ。
- 前記泡出し部材が嵌合固定されている天井基板と泡出し部材との組立体に、前記筒状本体が嵌合固定されている請求項6に記載の泡出し複合キャップ。
- 前記筒状本体の下方内面には螺条が形成され、該筒状本体は、前記シーリングキャップに螺子固定されている請求項1〜7の何れかに記載の泡出し複合キャップ。
- 前記天井基板には、オーバーキャップが設けられている請求項1〜8の何れかに記載の泡出し複合キャップ。
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