JP6199707B2 - ポリクロロプレン組成物及び積層ゴム支承 - Google Patents

ポリクロロプレン組成物及び積層ゴム支承 Download PDF

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Description

本発明は、ポリクロロプレン組成物及びこの組成物を用いて形成した積層ゴム支承に関する。より詳しくは、地震対策として橋梁や建築物などの構造物に用いられる積層ゴム支承の減衰特性改善技術に関する。
ポリクロロプレン組成物の用途の1つに積層ゴム支承がある。積層ゴム支承は、橋梁や建築物などの構造物の基礎とその上部構造との間に設置され、構造物全体の振動系の固有周期を延長させることにより、地震動に対する構造物の応答を低減させるものである。一般に、積層ゴム支承は、ゴムシートと鋼板を数層交互に積層した構造であり、鉛直方向には高剛性・高耐力が要求され、水平方向には低剛性・大変形性が要求される。
このような要求に対応したポリクロロプレン組成物としては、キサントゲン変性されたポリクロロプレンに、アセチレンブラックを配合し、加硫したときの破断伸びと静的せん断弾性率との関係が特定の範囲になるようにしたポリクロロプレン組成物がある(例えば、特許文献1参照。)。また、従来、キサントゲン変性されたポリクロロプレン及び/又はメルカプタン変性されたポリクロロプレンと、硫黄変性されたポリクロロプレンとを特定割合で混合したものに、アセチレンブラックを特定量配合したポリクロロプレン組成物も提案されている(例えば特許文献2参照)。
一方、積層ゴム支承には、ポリクロロプレン組成物以外の材料も用いられており、例えば、減衰特性と耐久性に優れたものとして、ゴム層と硬質板層を積層し、外周部分を低減衰ゴムで形成し、内側部分を天然ゴムなどの高減衰ゴムで形成したものがある(例えば、特許文献3参照。)。また、これらの特性に加えて、温度に依存せずに優れた減衰性を発揮するものとして、天然ゴムに、窒素吸着比表面積やDBP吸収量などを特定したカーボンブラックを配合したものも提案されている(例えば、特許文献4参照。)。
特開平11−315169号公報 特開2003−292681号公報 特開2012−7123号公報 特開2011−21046号公報
前述した特許文献3,4に記載の積層ゴム支承では、減衰性を発揮させるために天然ゴムを使用しているが、天然ゴムは耐候性・耐オゾン性に劣るため、耐候性に優れたゴム材料で被覆する必要があり、製造工程が複雑になるという問題点がある。これに対して、ポリクロロプレン組成物は、耐候性・耐オゾン性に優れることから、積層ゴム支承に適用した場合に、被覆ゴム材と内部のゴム材を同一のゴム材とすることができるため、製造工程を簡易化することが可能となる。
しかしながら、近年、積層ゴム支承に対して、前述した特性に加えて、地震動などの振動が加わった際に、これを短時間で減衰することが求められている。
そこで、本発明は、地震動が加わった際に、揺れの強さ(加速度)を短時間で減衰することが可能なポリクロロプレン組成物及び積層ゴム支承を提供することを主目的とする。
本発明に係るポリクロロプレン組成物は、ポリクロロプレン100質量部と、DBP吸油量が60〜95ml/100gであるカーボンブラック10〜60質量部を含有し、前記ポリクロロプレンは、2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエン結合単位量が10質量%未満のポリクロロプレンAと、2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエン結合単位量が10〜30質量%のポリクロロプレンBとの混合物であり、ポリクロロプレンAとポリクロロプレンBの配合比が、質量比で、A:B=10:90〜70:30であり、ポリクロロプレン全質量あたり2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエン結合単位量が10〜30質量%のものである。
前記カーボンブラックは、比表面積が100〜123m/gで、数平均粒子径が20〜25nmであるカーボンブラックaと、比表面積が70〜100m/gで、数平均粒子径が26〜30nmのカーボンブラックbとの混合物であり、カーボンブラックaとカーボンブラックbの配合比が、質量比で、a:b=20:80〜80:20のものである。
本発明のポリクロロプレン組成物は、更に、前記ポリクロロプレン100質量部あたり、可塑剤を10〜40質量部含有していてもよい。
本発明に係る積層ゴム支承は、前述したポリクロロプレン組成物を用いたものである。
本発明によれば、加硫したときに高い等価減衰定数(Heq)を示すため、地震動が加わった際の揺れの強さ(加速度)を短時間で減衰することができる積層ゴム支承を実現することができる。
「2ブロック・ラップ・シェア型」試験体を模式的に示す図である。
以下、本発明を実施するための形態について、添付の図面を参照して、詳細に説明する。なお、本発明は、以下に説明する実施形態に限定されるものではない。
(第1の実施形態)
先ず、本発明の実施形態に係るポリクロロプレン組成物について説明する。本実施形態のポリクロロプレン組成物は、2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエン結合単位量が10〜30質量%であるポリクロロプレン100質量部と、DBP吸油量が60〜95ml/100gであるカーボンブラックを10〜60質量部配合したものである。
本実施形態のポリクロロプレン組成物に配合されるポリクロロプレンは、2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエン結合単位量が10質量%未満のポリクロロプレンAと、2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエン結合単位量が10〜30質量%のポリクロロプレンBとの混合物であり、その配合比は、質量比で、ポリクロロプレンA:ポリクロロプレンB=10:90〜70:30である。
[ポリクロロプレン]
本実施形態のポリクロロプレン組成物に用いるポリクロロプレンは、その構造中に、2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエン結合単位を10〜30質量%含有する。2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエンの結合単位量が10質量%に満たないと、加硫したときに高い等価減衰定数(Heq)を示さず、振動を減衰する効果が得られない。また、30質量%を超えて2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエン結合単位を含むポリクロロプレンを用いると、低温環境下で脆化してしまう。
なお、加硫したときの等価減衰定数(Heq)をより高くするには、ポリクロロプレンの2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエン結合単位量は、25質量%以下であることが好ましく、より好ましくは20質量%以下である。ここでいう「2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエン結合単位の含有量」とは、ポリクロロプレン全質量に対する2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエンの結合単位の質量比である。
ポリクロロプレン中に2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエンの結合単位を導入するには、クロロプレンを重合する際に、2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエンを共重合させればよい。そして、ポリクロロプレンにおける2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエン結合単位量は、重合時の2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエンの存在量を調整することで、任意に調整することができる。
また、本実施形態のポリクロロプレン組成物では、2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエン結合単位の含有量が異なる2種類のポリクロロプレンを用いる。具体的には、2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエン結合単位量が10質量%未満のポリクロロプレンAと、2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエン結合単位量が10〜30質量%のポリクロロプレンBとを混合し、ポリマー全体での2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエン結合単位量が、前述した範囲になるようにする。
ポリクロロプレンAは、ポリクロロプレン組成物の脆化温度を低下させる効果があり、ポリクロロプレンBは、ポリクロロプレン組成物の等価減衰定数(Heq)を高くする効果がある。このため、これらのポリクロロプレンA、ポリクロロプレンBを混合して用いることにより、脆化温度と等価減衰定数(Heq)のバランスを任意に調整することができる。
ただし、ポリクロロプレンAとポリクロロプレンBの配合比が、質量比で、A:B=10:90〜70:30の範囲から外れると、脆化温度と等価減衰定数(Heq)のバランスがくずれてしまう。そして、このようなポリクロロプレン組成物を用いると、ゴム支承が、地震動が加わった際の揺れの強さを短時間で減衰できないものや、耐寒性に劣るものになってしまう。
ポリクロロプレンには、要求される特性に合わせて、本発明の効果を阻害しない範囲で、他の単量体が共重合されていてもよい。クロロプレンと共重合可能な単量体としては、1−クロロ−1,3−ブタジエン、硫黄、スチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、イソプレン、ブタジエン並びにアクリル酸、メタクリル酸及びこれらのエステル類などが挙げられる。
ポリクロロプレンを得る方法は、特に限定されるものではなく、例えば通常用いられる乳化重合方法により、クロロプレン単量体やこれと共重合可能な他の単量体を重合すればよい。その場合、乳化重合で用いる乳化剤は、一般にクロロプレンの乳化重合に使用される乳化剤、例えば炭素数が6〜22の飽和または不飽和の脂肪酸のアルカリ金属塩、ロジン酸又は不均化ロジン酸のアルカリ金属塩、β−ナフタレンスルホン酸のホルマリン縮合物のアルカリ金属塩などを用いることができる。
乳化重合で用いる重合開始剤は、クロロプレンの乳化重合に一般に用いられる公知の重合開始剤を用いることができる。その具体例としては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過酸化水素、t−ブチルハイドロパーオキサイドなどの有機過酸化物類などが挙げられる。
重合温度及びモノマーの最終転化率は、特に限定されるものではないが、重合温度は0〜50℃であることが好ましく、20〜50℃がより好ましい。また、モノマー転化率は60〜90%の範囲に入るように行うことが好ましく、最終添加率がこの範囲に達した時点で重合禁止剤を少量添加して重合を停止させる。その際、重合禁止剤としては、例えば、チオジフェニルアミン、4−ターシャリーブチルカテコール、2,2−メチレンビス−4−メチル−6−ターシャリーブチルフェノールなどの一般に用いられているものを使用することができる。
未反応の単量体は、例えば、スチームストリッピング法によって除去し、その後、ラテックスのpHを調整し、常法の凍結凝固、水洗、熱風乾燥などにより重合体を単離することができる。
ポリクロロプレンは、分子量調節剤の種類により、硫黄変性ポリクロロプレン、メルカプタン変性ポリクロロプレン、キサントゲン変性ポリクロロプレンに分類される。硫黄変性ポリクロロプレンは、硫黄とクロロプレンを共重合したポリマーをチウラムジスルフィドで可塑化したものである。メルカプタン変性ポリクロロプレンは、n−ドデシルメルカプタン、tert−ドデシルメルカプタン、オクチルメルカプタンなどのアルキルメルカプタン類を分子量調節剤に使用したものである。また、キサントゲン変性ポリクロロプレンは、アルキルキサントゲン化合物を分子量調節剤に使用したものである。
ポリクロロプレンは、いずれの方法で変性されたポリクロロプレンも使用可能であるが、メルカプタン変性ポリクロロプレンを用いることが好ましい。メルカプタン変性ポリクロロプレンは、金属との加硫接着性や耐熱性に優れるため、これを用いた積層ゴム支承は耐久性に優れたものになる。
[カーボンブラック]
カーボンブラックは、熱分解法により製造されたサーマルブラックやアセチレンブラック、また、不完全燃焼法により製造されたファーネスブラック、チャンネルブラックのいずれも使用可能である。これらの中でも、特にファーネスブラックが、ポリクロロプレンの補強効果が大きいため好ましい。
これらカーボンブラックは、低ストラクチャータイプ、即ちDBP吸油量が60〜95ml/100gの範囲のものを用いる。カーボンブラックのDBP吸油量が60ml/100gに満たないと、ポリクロロプレン組成物を加硫して得られる加硫物の引張り応力、引張り強度が低下する。また、カーボンブラックのDBP吸油量が95ml/100gを超えてしまうと、得られるポリクロロプレン組成物の粘度が上昇し、ゴム弾性が低下したり、スコーチを起こしやすくなって加工性が低下する。カーボンブラックのDBP吸油量は、加硫物の機械特性及び加工性の観点から、65〜90ml/100gが好ましく、より好ましくは70〜80ml/100gである。
カーボンブラックの配合量は、ポリクロロプレン100質量部に対して10〜60質量部である。カーボンブラックの配合量が10質量部に満たないと、加硫物の引張強度やモジュラス、等価減衰定数(Heq)が低下する。カーボンブラックの配合量が60質量部を超えると、ポリクロロプレン組成物がスコーチを起こしやすくなり、加工性が低下すると共に、加硫物の脆化温度が高くなる。カーボンブラックの配合量は、加硫物の機械特性及び加工性の観点から、ポリクロロプレン100質量部に対して、20〜60質量部であることが好ましく、より好ましくは30〜50質量部である。
本実施形態のポリクロロプレン組成物には、比表面積100〜123m/gで、数平均粒子径20〜25nmのカーボンブラックaと、比表面積70〜100m/gで、数平均粒子径26〜30nmのカーボンブラックbとを混合して用いることが好ましい。
カーボンブラックaは、ポリクロロプレンの補強効果が高いものであり、カーボンブラックbは、カーボンブラックaと併用することで、得られるポリクロロプレン組成物のスコーチタイムを長くすることができる。このため、これらのカーボンブラックを混合して用いることにより、ポリクロロプレンの補強効果を維持しつつその加工性を向上させることができる。
これらカーボンブラックaとカーボンブラックbとの配合比は、質量比で、A:B=20:80〜80:20であることが好ましい。この範囲で併用することにより、得られるポリクロロプレン組成物の補強効果と加工性のバランスが向上する。本実施形態のポリクロロプレン組成物に用いるカーボンブラックの具体例としては、N219(ISAF-LS、Intermediate Super Abrasion Furnace)やN326(HAF-LS、High Abrasion Furnace-Low Structure)のような低ストラクチャータイプが挙げられる。
[可塑剤]
本実施形態のポリクロロプレン組成物には、前述した各成分に加えて、可塑剤が添加されていることが好ましい。可塑剤は、得られるポリクロロプレン組成物を加硫した際に、その脆化温度を低くすると共に、その静的せん断弾性率を調整する効果がある。ポリクロロプレン組成物に配合される可塑剤としては、ジアルキルセバケート、ジアルキルアゼレート、ジアルキルアジペートなどが挙げられる。
これらの可塑剤の中でも、特に、ジアルキルセバケート類としてのジブチルセバケート、ジオクチルセバケート、ジメチルセバケート、ジアルキルアゼレート類としてのジオクチルアゼレート、ジアルキルアジペート類としてのジオクチルアジペート、ジイソデシルアジペート、ジイソブチルアジペートを用いると、得られるポリクロロプレン組成物の脆化温度を低下させる効果が高く、得られる積層ゴム支承の寒冷地での耐久性が向上するため好ましい。
可塑剤を添加する場合は、その添加量は、ポリクロロプレン100質量部に対して、10〜40質量部とする。この範囲で添加すると、脆化温度を低下させる効果が高い。
[その他の成分]
本実施形態のポリクロロプレン組成物には、必要に応じて、例えば加硫剤、加硫促進剤、軟化剤、加工助剤、老化防止剤、滑剤、充填剤等の添加剤を配合することができる。
加硫剤には特に制限はないが、金属酸化物が好ましく、具体的には酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化鉛、四酸化三鉛、三酸化鉄、二酸化チタン、酸化カルシウム等が挙げられる。これらは2種以上を併用して用いることもできる。また、加硫剤は、後述する加硫促進剤と併用することにより、更に効果的に加硫を行うこともできる。これらの加硫剤の添加量は、ポリクロロプレン100質量部に対して2〜10質量部が好ましい。
加硫促進剤としては、ポリクロロプレンの加硫に一般に用いられるチオウレア系、グアニジン系、チウラム系、チアゾール系の加硫促進剤が使用できるが、チオウレア系のものが好ましい。チオウレア系の加硫促進剤としては、エチレンチオウレア、ジエチルチオウレア、トリメチルチオウレア、トリメチルチオウレア、N,N’−ジフェニルチオウレアなどが挙げられ、特にトリメリルチオウレアが好ましい。また加硫促進剤は上記に挙げたもの2種以上を併用して用いてもよい。これらの加硫促進剤の添加量は、ポリクロロプレン100質量部に対して0.5〜5質量部が好ましい。
本実施形態のポリクロロプレン組成物は、通常のポリクロロプレン組成物と同様の方法で、ニーダー、バンバリー又はロールなどの混練り機によって混合し、目的に応じた形状に成形加工し成形加硫物を得ることが出来る。具体的には各成分を加硫温度以下の温度で混練し、次いでその混練物を各種形状に成形し加硫する。加硫時の温度や加硫時間は適宜設定することができる。加硫温度は140〜180℃が好ましく、150〜170℃が更に好ましい。
以上詳述したように、本実施形態のポリクロロプレン組成物は、2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエン結合単位量が異なるポリクロロプレンAとポリクロロプレンBとを混合し、ポリクロロプレン全質量あたりの2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエン結合単位を10〜30質量%にし、更に、DBP吸油量が60〜95ml/100gのカーボンブラックを特定量配合しているため、加硫したときの等価減衰定数(Heq)を高めることができる。これにより、地震動が加わった際の揺れの強さ(加速度)を短時間で減衰することができる積層ゴム支承を実現することが可能となる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態に係る積層ゴム支承について説明する。本実施形態の積層ゴム支承は、前述した第1の実施形態のポリクロロプレン組成物を用いて形成したものである。本実施形態の積層ゴム支承は、例えば、前述したポリクロロプレン組成物を厚さ5〜30mmのシート状に成形して得られた矩形のゴム板と、厚さ2.8〜4.5mmの鋼板からなる矩形の補強板とが、複数層に亘って交互に積層され一体加硫成型された積層ゴム体と、この積層ゴム体の下面に固着される下沓と、積層ゴム体の上面に固着される上沓とで構成されている。
本実施形態の積層ゴム支承は、加硫したときの等価減衰定数(Heq)が高いポリクロロプレン組成物を用いているため、地震動が加わった際の揺れの強さ(加速度)を短時間で減衰することができる。
以下、本発明の範囲内で作製した実施例と、本発明の範囲から外れる比較例とを比較し、本発明の効果について説明する。本実施例においては、ポリクロロプレン、カーボンブラック又は可塑剤の種類や配合量を変えて実施例及び比較例のポリクロロプレン組成物を作製し、その等価減衰定数(Heq)を測定した。また、併せて、実施例及び比較例の各ポリクロロプレン組成物について、静的せん断弾性率(GS)、引張強さ(TB)、破断時伸び(EB)、硬度(HS)及び脆化温度の測定も行った。
(実施例1)
下記表1に示す割合で、ポリクロロプレン、カーボンブラック及び可塑剤を配合し、更に、ステアリン酸0.5質量部、酸化マグネシウム4.0質量部、酸化亜鉛5.0質量部、その他の添加剤を加え、JIS K 6299に準拠して練りロール機を用いて混練し、実施例1のポリクロロプレン組成物を得た。
(実施例2、46、8、9、参考例3、7、10〜11、比較例1〜6)
下記表1、2に示す割合で、ポリクロロプレン、カーボンブラック及び可塑剤を配合した以外は、前述した実施例1と同様の方法で、実施例2、46、8、9、参考例3、7、10〜11及び比較例1〜6のポリクロロプレン組成物を作製した。
Figure 0006199707
Figure 0006199707
上記表1、2に示すポリクロロプレン、カーボンブラック及び可塑剤の詳細は、下記の通りである。
ポリクロロプレン1:ムーニー粘度65、2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエン結合単位の含有量6質量%
ポリクロロプレン2:ムーニー粘度48、2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエン結合単位の含有量20質量%
ポリクロロプレン3:ムーニー粘度48、2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエン結合単位の含有量0質量%
ポリクロロプレン4:ムーニー粘度55、2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエン結合単位の含有量15質量%
ポリクロロプレン5:ムーニー粘度80、2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエン結合単位の含有量35質量%
カーボンブラックI:東海カーボン株式会社製 シースト600(DBP吸油量75ml/100g、算術平均粒子径23nm)
カーボンブラックII:旭カーボン株式会社製 旭#70L(DBP吸油量75ml/100g、算術平均粒子径28nm)
カーボンブラックIII:旭カーボン株式会社製 旭#35(DBP吸油量50ml/100g、算術平均粒子径78nm)
カーボンブラックIV:旭カーボン株式会社製 旭#75(DBP吸油量128ml/100g、算術平均粒子径26nm
可塑剤i:ジブチルセバケート
可塑剤ii:ジオクチルアゼレート
可塑剤iii:ジオクチルセバケート
可塑剤iV:ジオクチルアジペート
可塑剤v:ジイソデシルアジペート
前述した方法で作製した実施例1、2、46、8、9、参考例3、7、10〜11及び比較例1〜6のポリクロロプレン組成物を、以下に示す方法で評価した。
<静的せん断弾性率(GS)>
静的せん断弾性率は、JIS K 6254に準拠して求めた。本実施例では、静的せん断弾性率が0.50〜1.30MPaの範囲のものを合格とした。
<引張強さ(TB)、破断時伸び(EB)>
引張強さ及び破断時伸びは、JIS K 6251に準拠して求めた。本実施例では、引張強さは15MPa以上、破断時伸びは550%以上の値を示したものを合格とした。
<硬度(HS)>
硬度は、JIS K6253に準拠してデュロメータ硬さ計を用いて測定した。
<脆化温度>
脆化温度は、JIS K6261に準拠し、低温衝撃脆化試験により測定した。その結果、脆化温度が−40℃以下であったものを合格とした。
<等価減衰定数(Heq)>
等価減衰定数は、実施例、参考例及び比較例の各ポリクロロプレン組成物と厚さ1mmの鋼板を加硫接着させて、図1に示す「2ブロック・ラップ・シェア型」試験体(ゴム部:幅25mm、長さ25mm、厚み3.5mm)を作製し、JIS K 6410−2に準拠して、作製した試験体のHeq(%)を測定した。等価減衰定数は、6%を超える値を示したものを合格とした。
以上の結果を、下記表3、4にまとめて示す。
Figure 0006199707
Figure 0006199707
上記表3に示すように、本発明の範囲内で作製した実施例1、2、46、8、9、参考例3、7、10〜11のポリクロロプレン組成物は、等価減衰定数(Heq)が高く、その他の性能も優れていた。これに対して、本発明の範囲から外れる比較例1〜6のポリクロロプレン組成物は、等価減衰定数(Heq)又はその他の特性が劣っていた。


以上の結果から、本発明によれば、等価減衰定数(Heq)が高く、地震動が加わった際に、揺れの強さ(加速度)を短時間で減衰することができる積層ゴム支承を実現できることが確認された。
1 試験体
2 ゴム
3 金属片

Claims (2)

  1. ポリクロロプレン100質量部と、
    DBP吸油量が60〜95ml/100gであるカーボンブラック10〜60質量部と、
    ジブチルセバケート及びジオクチルアゼレートを合計で17〜40質量部、又は、ジオクチルセバケート17〜40質量部と、
    を含有し、
    前記ポリクロロプレンは、2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエン結合単位量が10質量%未満のポリクロロプレンAと、2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエン結合単位量が10〜30質量%のポリクロロプレンBとの混合物であり、
    ポリクロロプレンAとポリクロロプレンBの配合比が、質量比で、A:B=10:90〜70:30であり、
    ポリクロロプレン全質量あたりの2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエン結合単位量が10〜30質量%であるポリクロロプレン組成物。
  2. 請求項に記載のポリクロロプレン組成物を用いた積層ゴム支承。
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