JP6199032B2 - 車両用灯具 - Google Patents

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Description

本願発明は、導光体を備えた車両用灯具に関するものである。
従来より、車両用灯具として、光源からの光を導光体に対してその一端面から入射させてその前面部から前方へ向けて出射させるように構成されたものが知られている。
「特許文献1」には、このような車両用灯具の導光体として、下から上へ向けて横方向に湾曲して延びるように構成されたものが記載されている。
この「特許文献1」に記載された車両用灯具においては、その導光体の後面部に形成された複数の反射素子により、導光体内を導光された光を前方へ向けて内面反射させるように構成されている。そして、この車両用灯具においては、その導光体の横方向に延びる部分において左右方向に大きく拡散する光を出射させるように構成されている。
特開2009−146722号公報
一般に、導光体からの出射光は、その長手方向(すなわち導光体が延びる方向)に関してはその拡散角度を大きく確保することが比較的容易であるが、長手方向と直交する方向に関してはその拡散角度を大きく確保することが困難である。そして、このような導光体の特性のため、その配置の自由度が制約されてしまう、という問題がある。
本願発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、導光体を備えた車両用灯具において、灯具機能を損なうことなく導光体の配置の自由度を高めることができる車両用灯具を提供することを目的とするものである。
本願発明は、導光体の構成に工夫を施すことにより、上記目的達成を図るようにしたものである。
すなわち、本願発明に係る車両用灯具は、
所定方向に延びるように配置された導光体と、この導光体に対して該導光体における上記所定方向の端面から光を入射させるように配置された光源とを備え、上記端面から入射した光を上記導光体の前面部から前方へ向けて出射させるように構成された車両用灯具において、
上記導光体の前面部の上記所定方向と直交する平面に沿った断面形状が、凸曲線状に設定されており、
上記導光体の後面部の上記所定方向と直交する平面に沿った断面形状が、上記凸曲線の両端位置から該凸曲線よりも曲率の小さい曲線または直線で後方へ向けて延びる1対の第1線と、これら1対の第1線の後端位置を結ぶ第2線とで形成されており、
上記導光体の前面部と後面部とが滑らかに繋がるように形成されており、
上記導光体の後面部における上記第2線が位置する部分に、該導光体内を導光された光の一部を前方へ向けて内面反射させるための光反射処理として、後方へ突出する複数の反射素子が形成されており、
上記各反射素子は、上記所定方向と交差する方向に延びるように形成されており、該反射素子における上記所定方向と交差する方向の端面が、上記後面部における上記第1線が位置する部分の表面形状を後方側へ延長させた表面形状で形成されており、
上記導光体は、上記所定方向と直交する平面内において、上記後面部における上記第2線が位置する部分で内面反射した光の一部を、上記反射素子における上記所定方向と交差する方向の端面および上記後面部における上記第1線が位置する部分で全反射により内面反射させてから上記前面部に到達させるように構成されており、かつ、該前面部寄りの位置で内面反射した光ほど該前面部から出射する際の上記所定方向と直交する方向への偏向出射角度が大きくなるような断面形状で構成されている、ことを特徴とするものである。
上記「所定方向」の具体的な方向は特に限定されるものではなく、例えば、上下方向や左右方向等が採用可能である。
上記「光源」は、導光体における一方の端面のみから光を入射させるように配置されていてもよいし、その他方の端面からも光を入射させるように配置されていてもよい。
上記各「第1線」は、上記凸曲線の両端位置から該凸曲線よりも曲率の小さい曲線または直線で後方へ向けて延びるように形成されていれば、その具体的な形状は特に限定されるものではない。
上記「光反射処理」は、導光体内を導光された光の一部を前方へ向けて内面反射させることが可能な処理であれば、その具体的な処理内容は特に限定されるものではなく、例えば、複数の反射素子を形成したりシボ加工を施したりする処理等が採用可能である。
上記構成に示すように、本願発明に係る車両用灯具は、導光体の前面部における上記所定方向(すなわち導光体の長手方向)と直交する平面に沿った断面形状が凸曲線状に設定されており、また、導光体の後面部の上記平面に沿った断面形状が、上記凸曲線の両端位置から該凸曲線よりも曲率の小さい曲線または直線で後方へ向けて延びる1対の第1線と、これらの後端位置を結ぶ第2線とで形成されており、かつ、導光体の前面部と後面部とが滑らかに繋がるように形成されており、そして、導光体の後面部における第2線が位置する部分には、該導光体内を導光された光の一部を前方へ向けて内面反射させるための光反射処理が施されているので、次のような作用効果を得ることができる。
すなわち、導光体に対してその長手方向の端面から入射した光は、導光体内を導光されながら、その後面部における第2線が位置する後面領域で内面反射して導光体の前面部から前方へ向けて出射することとなるが、その際、後面部の光反射処理が施された後面領域で内面反射した光の一部は、後面部における第1線の断面形状で延びる側面領域で全反射により内面反射してから前面部に到達することとなる。そして、この側面領域で内面反射した後に前面部から出射する光は、従来のように各反射素子で内面反射した後そのまま前面部から出射する光よりも、長手方向と直交する方向への偏向出射角度が大きいものとなる。
このように長手方向と直交する方向への光拡散角度を大きく確保することができるので、導光体が左右方向に延びるように配置されていなくても、車両用灯具としての配光機能を確保することができる。したがって導光体の配置の自由度を高めることができる。
しかも、この導光体は、その前面部と後面部とが滑らかに繋がるように形成されているので、長手方向と直交する方向への光拡散がムラなく行われるようにすることができる。
このように本願発明によれば、導光体を備えた車両用灯具において、灯具機能を損なうことなく導光体の配置の自由度を高めることができる。
上記構成において、凸曲線が円弧で構成されたものとすれば、長手方向と直交する方向への光拡散角度をより大きく確保することができる。
上記構成において、各第1線が直線で構成されたものとすれば、これら各第1線での内面反射が正反射により行われるようにすることができ、これにより光路計算を容易に行うことが可能となる。
上記構成において、上記所定方向(すなわち導光体の長手方向)が上下方向に設定されている場合には、従来の構成では、左右方向の拡散角度を十分に確保することが困難であるので、本願発明の構成を採用することが特に効果的である。
その際、導光体の前面部に、該導光体内を導光された光の一部を側方へ向けて偏向出射させる凸状ステップが形成された構成とすれば、この凸状ステップからの出射光により側方照射光を得ることが一層容易に可能となる。
本願発明の一実施形態に係る車両用灯具を示す正面図 図1のII−II線断面図 図2の要部詳細図 上記車両用灯具の導光体ユニットを示す斜視図 (a)は、上記実施形態の第1変形例に係る導光体を示す、図3と同様の図、(b)は、上記実施形態の第2変形例に係る導光体を示す、図3と同様の図 上記実施形態の第3変形例に係る車両用灯具を示す正面図
以下、図面を用いて、本願発明の実施の形態について説明する。
図1は、本願発明の一実施形態に係る車両用灯具10を示す正面図である。また、図2は、図1のII−II線断面図である。
これらの図に示すように、本実施形態に係る車両用灯具10は、車両の右前端部に設けられるコンビネーションランプであって、ランプボディ12とその前端開口部に取り付けられた素通し状の透光カバー14とで形成される灯室内に、リフレクタユニット20と導光体ユニット30とアンバーバルブ40とが組み込まれた構成となっている。そして、リフレクタユニット20はヘッドランプとしての機能、導光体ユニット30はクリアランスランプとしての機能、アンバーバルブ40はフロントターンシグナルランプとしての機能をそれぞれ果たすようになっている。
なお、車両用灯具10としては、図2において、Xで示す方向が「前方」(車両としても「前方」)であり、Yで示す方向が「前方」と直交する「左方向」である。
透光カバー14は、車幅方向外側(すなわち右側)へ向けて後方側へ回り込むように湾曲している。
リフレクタユニット20は、光源バルブ22と、この光源バルブ22からの光を前方へ向けて反射させるリフレクタ24とを備えた構成となっている。その際、リフレクタ24は、その車幅方向外側の端縁部24aが略円弧状に延びるように形成されている。
導光体ユニット30は、光源32と、この光源32からの光を入射させるように配置された導光体34とを備えた構成となっている。
導光体34は、アクリル樹脂等からなる透明な合成樹脂成形品であって、上下方向に延びる棒状導光体として構成されている。その際、この導光体34は、リフレクタ24の端縁部24aと略等間隔をおいて湾曲して延びるように形成されている。
光源32は、白色で発光する発光ダイオードであって、導光体34の下端面34cの近傍において、その発光面を下端面34cへ向けるようにして配置されている。この光源32は光源支持部材36に支持されており、この光源支持部材36はランプボディ12に支持されている。
そして、この導光体ユニット30においては、その導光体34の下端面34cから入射した光源32からの光を、その前面部34aから前方へ向けて出射させるように構成されている。
アンバーバルブ40は、アンバー色で発光する光源バルブであって、導光体ユニット30の車幅方向外側に配置されている。
図2に示すように、導光体34は、該導光体34の後方近傍に配置された導光体支持部材52に支持されており、この導光体支持部材52はランプボディ12に支持されている。また、灯室内には、導光体34の左右両側に近接した状態で上下方向に延びるエクステンションパネル54が配置されている。このエクステンションパネル54は、リフレクタ24を囲むようにして配置されており、ランプボディ12に支持されている。
なお、図1においては、導光体ユニット30の配置を明確に示すため、導光体支持部材52およびエクステンションパネル54を取り外した状態で車両用灯具10を示している。
図3は、図2の要部詳細図である。また、図4は、導光体ユニット30を示す斜視図である。
これらの図にも示すように、導光体34は、その水平断面形状(正確には導光体34の長手方向と直交する平面に沿った断面形状)が以下のような形状を有している。
すなわち、導光体34の前面部34aは、その水平断面形状が凸曲線状(具体的には円弧状)に設定されている。また、導光体34の後面部34bは、その水平断面形状が、上記凸曲線の両端位置から後方へ向けて互いに近づく方向に傾斜して直線状に延びる1対の第1線L1と、これら1対の第1線L1の後端位置を結ぶようにして左右方向に直線状に延びる第2線L2とで形成されている。すなわち、この後面部34bは、1対の第1線L1が位置する部分が1対の側面領域34b1として構成されるとともに、第2線L2が位置する部分が後面領域34b2として構成されている。
そして、導光体34は、その前面部34aと後面部34bにおける側面領域34b1とが滑らかに繋がるように(すなわち段差や折れ曲がりを生じることなく繋がるように)形成されている。
導光体34の後面部34bにおける後面領域34b2には、導光体34内を導光された光の一部を前方へ向けて全反射により内面反射させるための複数の反射素子34s1が、導光体34の長手方向に連続して鋸歯状に形成されている。
導光体34の前面部34aには、該導光体34内を導光された光の一部を車幅方向外側へ向けて偏向出射させる凸状ステップ34s2が形成されている。その際、この凸状ステップ34s2は、導光体34の前面部34aにおける左右方向の中心位置から車幅方向外側に離れた位置において、楔状の断面形状で導光体34の全長にわたって形成されている。
導光体34は、この凸状ステップ34s2が形成されている部分を除いて、灯具前後方向に延びる軸線Axに関して左右対称の水平断面形状を有している。
導光体34に入射した光は、その前面部34aおよび後面部34bにおいて全反射による内面反射を繰り返しながら、その上端面34dへ導かれることとなる、なお、図2、3においては、導光体34内を導光される光の光路を、その前面部34aの水平断面形状を構成している円弧の中心を基準にして示している。
この導光途中で、後面部34bの後面領域34b2に到達した光は、各反射素子34s1において前方へ向けて内面反射して、その前面部34aから前方へ向けて出射することとなる。
その際、これら各反射素子34s1で内面反射した光の一部は、後面部34bの側面領域34b1で全反射により内面反射してから前面部34aに到達する。そして、このようにして前面部34aに到達した光は、各反射素子34s1で内面反射した後そのまま導光体34の前面部34aから出射する光よりも、左右方向への偏向出射角度が大きいものとなる。
また、前面部34aに到達した光のうち凸状ステップ34s2に到達した光は、その右側面部34s2Rから直接あるいはその左側面部34s2Lで全反射により内面反射した後に右側面部34s2Rから車幅方向外側へ向けて出射することとなる。
この凸状ステップ34s2は、該凸状ステップ34s2により偏向出射される光の最大偏向角度が、灯具前後方向に対して側方80°以上の値となるように、その右側面部34s2Rおよび左側面部34s2Lの傾斜角度が設定されている。
次に、本実施形態の作用効果について説明する。
本実施形態に係る車両用灯具10は、導光体34の前面部34aの長手方向(すなわち所定方向)と直交する平面に沿った断面形状が凸曲線状に設定されており、また、導光体34の後面部34bの上記平面に沿った断面形状が、上記凸曲線の両端位置から直線で後方へ向けて延びる1対の第1線L1と、これらの後端位置を結ぶ第2線L2とで形成されており、かつ、導光体34の前面部34aと後面部34bとが滑らかに繋がるように形成されており、そして、その後面部34bの後面領域34b2(すなわち第2線L2が位置する部分)には、該導光体34内を導光された光の一部を前方へ向けて内面反射させるための光反射処理として複数の反射素子34s1が形成されているので、次のような作用効果を得ることができる。
すなわち、導光体34に対してその下端面34cから入射した光は、導光体34内を導光されながら、各反射素子34s1で内面反射して導光体34の前面部34aから前方へ向けて出射することとなるが、その際、後面部34bの後面領域34b2に形成された複数の反射素子34s1で内面反射した光の一部は、後面部34bの側面領域34b1(すなわち第1線L1が位置する部分)において全反射により内面反射してから前面部34aに到達することとなる。そして、この側面領域34b1で内面反射した後に前面部34aから出射する光は、従来のように各反射素子34s1で内面反射した後そのまま導光体34の前面部34aから出射する光よりも、左右方向(すなわち長手方向と直交する方向)への偏向出射角度が大きいものとなる。
このように長手方向と直交する方向への光拡散角度を大きく確保することができることにより、導光体34が上下方向に延びるように配置されているにもかかわらず、導光体ユニット30としての配光機能を確保することができる。したがって導光体34の配置の自由度を高めることができる。
しかも、この導光体34は、その前面部34aと後面部34bとが滑らかに繋がるように形成されているので、長手方向と直交する方向への光拡散がムラなく行われるようにすることができる。
このように本実施形態によれば、導光体34を備えた車両用灯具10において、灯具機能を損なうことなく導光体34の配置の自由度を高めることができる。
その際、本実施形態においては、導光体34の前面部34aの長手方向と直交する平面に沿った断面形状が円弧状に設定されているので、長手方向と直交する方向への光拡散角度をより大きく確保することができる。
また本実施形態においては、各第1線L1が直線で構成されているので、これら各第1線L1での内面反射が正反射により行われるようにすることができ、これにより光路計算を容易に行うことが可能となる。
本実施形態に係る車両用灯具10のように、導光体34が上下方向に延びるように配置されている場合には、従来の構成では左右方向の拡散角度を十分に確保することが困難であるので、本実施形態の構成を採用することが特に効果的である。
その際、本実施形態においては、導光体34の前面部34aに、該導光体34内を導光された光の一部を右側方へ向けて偏向出射させる凸状ステップ34s2が形成されているので、この凸状ステップ34s2からの出射光により側方照射光を得ることが一層容易に可能となる。
上記実施形態においては、光源32が、導光体34の下端面34cの近傍に配置されているものとして説明したが、その上端面34dの近傍に配置された構成や、その下端面34cおよび上端面34dの近傍にそれぞれ配置された構成とすることも可能である。
上記実施形態においては、光源32として発光ダイオードが用いられているものとして説明したが、それ以外の種類の光源が用いられた構成とすることも可能である。
上記実施形態においては、導光体34が上下方向に湾曲して延びるように配置されているものとして説明したが、直線状に延びるように配置された構成や、水平方向あるいはそれ以外の斜め方向に延びるように配置された構成とすることも可能である。
上記実施形態においては、車両用灯具10が、車両の右前端部に設けられるコンビネーションランプである場合について説明したが、車両に設けられる箇所や機能にかかわらず、上記実施形態と同様の構成を採用することにより上記実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
次に、上記実施形態の変形例について説明する。
まず、上記実施形態の第1変形例について説明する。
図5(a)は、本変形例に係る導光体134を示す、図3と同様の図である。
同図(a)に示すように、本変形例の導光体134は、その基本的な構成については上記実施形態の場合と同様であるが、上記実施形態の導光体34のように凸状ステップ34s2が形成されていない点で上記実施形態の場合と異なっている。
この導光体134に入射した後、その後面部134bの後面領域134b2に到達した光は、各反射素子134s1において前方へ向けて内面反射して、その前面部134aから前方へ向けて出射することとなる。
その際、これら各反射素子134s1で内面反射した光の一部は、後面部134bの側面領域134b1で全反射により内面反射してから前面部134aに到達する。そして、このようにして前面部134aに到達した光は、各反射素子134s1で内面反射した後そのまま導光体134の前面部134aから出射する光よりも、長手方向と直交する方向への偏向出射角度が大きいものとなる。
しかも導光体134は、その前面部134aと後面部134bとが滑らかに繋がるように形成されているので、長手方向と直交する方向への光拡散がムラなく行われるようにすることができる。
したがって、本変形例の構成を採用した場合においても、灯具機能を損なうことなく導光体134の配置の自由度を高めることができる。
次に、上記実施形態の第2変形例について説明する。
図5(b)は、本変形例に係る導光体234を示す、図3と同様の図である。
同図(b)に示すように、本変形例の導光体234は、その基本的な構成については上記第1変形例の場合と同様であるが、その長手方向と直交する平面に沿った断面形状が上記実施形態の場合と異なっている。
すなわち、本変形例に係る導光体234は、その後面部234bの側面領域234b1の水平断面形状を規定する各第1線C1が、上記実施形態の各第1線L1のような直線ではなく、導光体234の前面部234aの断面形状を規定する凸曲線よりも曲率の小さい曲線で構成されている。その際、後面部234bの側面領域234b1は、前面部234aと滑らかに繋がるように形成されている。
この導光体234に入射した後、その後面部234bの後面領域234b2に到達した光は、各反射素子234s1において前方へ向けて内面反射して、その前面部234aから前方へ向けて出射することとなる。
その際、これら各反射素子234s1で内面反射した光の一部は、後面部234bの側面領域234b2で全反射により内面反射してから前面部234aに到達する。このとき、内面反射した光が前面部234aに到達する位置や角度は、上記第1変形例の場合とは異なったものとなるが、このようにして前面部234aに到達した光は、各反射素子234s1で内面反射した後そのまま導光体234の前面部234aから出射する光よりも、長手方向と直交する方向への偏向出射角度が大きいものとなる。
しかも導光体234は、その前面部234aと後面部234bとが滑らかに繋がるように形成されているので、長手方向と直交する方向への光拡散がムラなく行われるようにすることができる。
したがって、本変形例の構成を採用した場合においても、灯具機能を損なうことなく導光体234の配置の自由度を高めることができる。
次に、上記実施形態の第3変形例について説明する。
図6は、本変形例に係る車両用灯具310を示す正面図である。
同図に示すように、本実施形態に係る車両用灯具310も、車両の右前端部に設けられるコンビネーションランプであって、ランプボディ312とその前端開口部に取り付けられた素通し状の透光カバー314とで形成される灯室内に、リフレクタユニット320と導光体ユニット330とアンバーバルブ340とが組み込まれた構成となっている。
だたし、本変形例においては、導光体ユニット330がリフレクタユニット320の上方に配置された構成となっている。この導光体ユニット330は、灯具正面視において左右方向に直線状に延びる導光体334と、この導光体334の右端面334cの近傍において、その発光面を右端面334cへ向けるようにして配置された光源332とを備えた構成となっている。
その際、光源332は上記実施形態の光源32と同様の構成を有しており、また、導光体334は、その長手方向と直交する平面に沿った断面形状が、上記第1変形例の導光体134と同様の断面形状を有している。
本変形例の導光体ユニット330のように、導光体334が左右方向に延びるように配置されている場合であっても、その前端部334aからの出射光は、左右方向に大きな拡がりを持った光となるだけでなく、上下方向にもある程度の拡がりを持った光となる。
しかも導光体334は、その前面部334aと後面部334bとが滑らかに繋がるように形成されているので、上下方向への光拡散がムラなく行われるようにすることができる。
したがって、本変形例のように導光体334が配置されている場合には、導光体ユニット330としての配光機能を容易に確保することができる。
なお、上記実施形態およびその変形例において諸元として示した数値は一例にすぎず、これらを適宜異なる値に設定してもよいことはもちろんである。
また、本願発明は、上記実施形態およびその変形例に記載された構成に限定されるものではなく、これ以外の種々の変更を加えた構成が採用可能である。
10、310 車両用灯具
12、312 ランプボディ
14、314 透光カバー
20、320 リフレクタユニット
22 光源バルブ
24 リフレクタ
24a 端縁部
30、330 導光体ユニット
32、332 光源
34、134、234、334 導光体
34a、134a、234a、334a 前面部
34b、134b、234b、334b 後面部
34b1、134b1、234b1 側面領域
34b2、134b2、234b2 後面領域
34c 下端面
34d 上端面
34s1、134s1、234s1 反射素子
34s2 凸状ステップ
34s2L 左側面部
34s2R 右側面部
36 光源支持部材
40、340 アンバーバルブ
52 導光体支持部材
54 エクステンションパネル
334c 右端面
Ax 軸線
C1、L1 第1線
L2 第2線

Claims (5)

  1. 所定方向に延びるように配置された導光体と、この導光体に対して該導光体における上記所定方向の端面から光を入射させるように配置された光源とを備え、上記端面から入射した光を上記導光体の前面部から前方へ向けて出射させるように構成された車両用灯具において、
    上記導光体の前面部の上記所定方向と直交する平面に沿った断面形状が、凸曲線状に設定されており、
    上記導光体の後面部の上記所定方向と直交する平面に沿った断面形状が、上記凸曲線の両端位置から該凸曲線よりも曲率の小さい曲線または直線で後方へ向けて延びる1対の第1線と、これら1対の第1線の後端位置を結ぶ第2線とで形成されており、
    上記導光体の前面部と後面部とが滑らかに繋がるように形成されており、
    上記導光体の後面部における上記第2線が位置する部分に、該導光体内を導光された光の一部を前方へ向けて内面反射させるための光反射処理として、後方へ突出する複数の反射素子が形成されており、
    上記各反射素子は、上記所定方向と交差する方向に延びるように形成されており、該反射素子における上記所定方向と交差する方向の端面が、上記後面部における上記第1線が位置する部分の表面形状を後方側へ延長させた表面形状で形成されており、
    上記導光体は、上記所定方向と直交する平面内において、上記後面部における上記第2線が位置する部分で内面反射した光の一部を、上記反射素子における上記所定方向と交差する方向の端面および上記後面部における上記第1線が位置する部分で全反射により内面反射させてから上記前面部に到達させるように構成されており、かつ、該前面部寄りの位置で内面反射した光ほど該前面部から出射する際の上記所定方向と直交する方向への偏向出射角度が大きくなるような断面形状で構成されている、ことを特徴とする車両用灯具。
  2. 上記凸曲線が円弧で構成されている、ことを特徴とする請求項1記載の車両用灯具。
  3. 上記各第1線が直線で構成されている、ことを特徴とする請求項1または2記載の車両用灯具。
  4. 上記所定方向が上下方向に設定されており、
    上記導光体が灯具正面視において湾曲して延びるように形成されており、
    上記複数の反射素子は上記導光体が延びる方向に連続的に形成されている、ことを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の車両用灯具。
  5. 上記導光体の前面部に、該導光体内を導光された光の一部を側方へ向けて偏向出射させる凸状ステップが形成されている、ことを特徴とする請求項4記載の車両用灯具。
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