JP6198190B2 - 路面性状計測システム、及び路面性状計測方法 - Google Patents

路面性状計測システム、及び路面性状計測方法 Download PDF

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本願発明は、わだち掘れといった舗装路面の凹凸状態を計測する技術に関するものであり、より具体的には、路面上を計測した計測点群を用いて基準となる路面モデルを作成し、現状の路面と比較することで凹凸状態を判定する路面性状計測システム、及び路面性状計測方法に関するものである。
戦後、我が国では飛躍的にモータリゼーションが進み、1954年の第一次道路整備五箇年計画の策定を皮切りに本格的な道路整備が始まり、2002年度を最終年度とする第12次道路整備五箇年計画まで継続して道路整備は進められてきた。その結果、我が国の流通事情は著しく改善され、国民の生活圏が格段に拡がるとともに、高度経済成長を後押しするなど社会経済の発展にも貢献してきた。このように道路は、まさに国民を支える根幹的な社会資本である。
着々と整備が進められてきた我が国の道路は、その総延長がおよそ120万kmに及び、うち約80%が舗装されている。欧米諸国の舗装率は概ね100%に達しているが、我が国の道路密度が3.2km/kmであり、米国の0.7km/kmや英国の1.7km/kmに比べて高い数値であることを考えれば、舗装状況は極めて高い水準にあるといえる。
道路の舗装は、アスファルト舗装とコンクリート舗装の2種類に大別される。アスファルト舗装の設計耐用年数は10年、コンクリート舗装の設計耐用年数が20年とされるように、一般にコンクリート舗装の方が高強度である。したがって、トンネルなど舗装の打ち換えが困難な場所ではコンクリート舗装が多用される。ただし、コンクリート舗装が採用されるケースは稀で、ほとんどの道路はアスファルト舗装が施されており、道路全体でみれば約90%がアスファルト舗装で占められている。
アスファルト舗装の構成は、下から路盤、基層、表層であり、このうち基層と表層にはアスファルト混合物が用いられる。アスファルト舗装の設計耐用年数は10年と説明したが、10年経過前であっても繰り返し使用されるうちに変状することがあり、特に基層や表層は目立った性状変化を見せることもある。性状変化の程度によっては安全走行に支障をきたすおそれもあるので、通常は定期的に舗装の性状調査が行われる。
アスファルト舗装の性状を表す指標としては、ひび割れ、平坦性、わだち掘れ、が代表的であり、舗装の性状調査もこれら3種類について調べられることが多い。このうち「わだち掘れ」は、道路の横断方向の凹凸のことであり、通常は車輪通過の頻度が高い位置で発生する。特に我が国は、レーンマーク(車線境界線)で車線を区別するいわゆる車線主義を採用しているため、車輪の軌跡は一定する傾向にあり、わだち掘れが生じやすい環境にあるといえる。繰り返し、しかも同じ場所を車輪が通過する結果、基層や表層のアスファルト混合物の流動が起こり、舗装表面に凹凸が生じてわだち掘れとなるわけである。
これまで、現地でわだち掘れを検出するには、目視による観察が主流であった。熟練者による目視観察は確実で信憑性も高いが、多くの手間や時間がかかるため、広い範囲にわたって頻繁に調査することは難しい。また、昨今では熟練者も減少傾向にあり、高い精度で調査を行うことが難しくなっている。そこで、調査者の経験や技能に頼ることなく、しかも効率的に調査を行う様々な手法が提案されている。
例えば特許文献1では、レーザーを利用して効率的にわだち掘れの調査を行うことを提案している。
特開平07−035522号公報
特許文献1のようにレーザーを用いて路面を計測すれば、効率的な調査が可能となり、広い範囲にわたって高頻度で調査することも現実的となる。また、調査結果は客観的なものであることから、調査者によってその精度が異なることもない。しかしながら、例えばレーザー計測によって現状の路面形状を取得したとしても、そこからわだち掘れを検出することは必ずしも容易ではない。
図6は、路面にわだち掘れが発生している道路を示す横断図であり、(a)は車両が通行している状況を示す図、(b)は基準となる断面と重ね合わせた図である。図6(a)に示すように、上下線ともにわだち掘れが発生していることが、一見して認識できる。しかしながら、現状の路面形状のみでは、どの程度のわだち掘れが生じているのかを判断することが難しい。また、上り側(図の左側)車線のうち路肩寄りの凹部L1や、下り側(図の右側)車線の凹部R1、凹部R2は直感的にわだち掘れと判断できるが、上り側車線の中央よりの凹部L2に関しては、当初からの形状とも考えられるし、わだち掘れとも考えられ、明確に判断することは難しい。
一方、図6(b)に示すように基準となる断面と、現状の路面形状を重ねて比較すると、凹部L1〜R2まで明確にわだち掘れであることが判断できる。そのうえ、どの程度のわだち掘れであるかも把握できる。つまり、レーザー計測などによって現況の路面形状を取得できたとしても、基準となる断面と重ね合わせることではじめて、わだち掘れを判断することができるわけである。
ところで、基準となる断面としては図6(b)に示す設計断面や竣工時の出来形図などが考えられるが、これらの図が保管されているケースは実は極めて稀である。仮に、設計断面図や出来形図が残っていたとしても、その後の改修工事による結果まで正確に管理されていることはほとんどない。したがって、基準となる断面を入手することは容易でなく、路面形状を取得できたとしてもわだち掘れを判断することができないのが現状である。
本願発明の課題は従来手法が抱える問題を解決することであり、効率的であってしかも客観的な結果を得ることのできる路面性状の計測手法を提供することであり、具体的には現況断面と基準となる断面を比較することでわだち掘れ等を検出する路面性状計測システム、及び路面性状計測方法を提供することにある。
本願発明は、舗装路面の凹凸を検出するための基準となる断面を形成すべく、レーンマーク等を利用した基準線を設定するという点に着目したものであり、従来にはなかった発想に基づいてなされた発明である。
本願発明の路面性状計測システムは、舗装路面の計測点の集合である計測点群を用いて、この舗装路面の凹凸を計測するものであり、基準線設定手段と、基準領域設定手段、基準路面モデル作成手段、計測路面モデル作成手段、差分抽出手段を備え、差分に基づいて舗装路面の凹凸を検出するシステムである。このうち基準線設定手段は、舗装路面の画像に基づいて「第1の基準線」及び「第2の基準線」を設定するものである。また、基準領域設定手段は、第1の基準線から所定幅だけ拡張した「第1の基準領域」を設定するとともに、第2の基準線から所定幅だけ拡張した「第2の基準領域」を設定するものである。基準路面モデル作成手段は、計測点群のうち第1の基準領域にある計測点、及び第2の基準領域内にある計測点を「基準計測点」として抽出し、さらにこの基準計測点によって「基準路面モデル」を作成するものである。計測路面モデル作成手段は、計測点群に含まれる計測点によって「計測路面モデル」を作成するものである。差分抽出手段は、基準路面モデルと計測路面モデルとの間に生ずる部分的な高低差を差分として抽出するものである。
本願発明の路面性状計測システムは、レーザー計測によって得られる計測点群を利用することもできる。この場合、レーザーの反射強度を基に作成した舗装路面の画像を用い、この舗装路面の画像のうち高い反射強度を示す領域に基づいて、第1の基準線と第2の基準線を設定する。
本願発明の路面性状計測方法は、舗装路面の計測点の集合である計測点群を用いて、この舗装路面の凹凸を計測する方法であり、基準線設定工程と、基準領域設定工程、基準路面モデル作成工程、計測路面モデル作成工程、差分抽出工程を備え、差分に基づいて舗装路面の凹凸を検出する方法である。このうち基準線設定工程では、舗装路面の画像に基づいて「第1の基準線」及び「第2の基準線」を設定する。また、基準領域設定工程では、第1の基準線から所定幅だけ拡張した「第1の基準領域」を設定するとともに、第2の基準線から所定幅だけ拡張した「第2の基準領域」を設定する。基準路面モデル作成工程では、計測点群のうち第1の基準領域にある計測点、及び第2の基準領域内にある計測点を「基準計測点」として抽出し、さらにこの基準計測点によって「基準路面モデル」を作成する。計測路面モデル作成工程では、計測点群に含まれる計測点によって「計測路面モデル」を作成する。差分抽出工程では、基準路面モデルと記計測路面モデルとの間に生ずる部分的な高低差を差分として抽出する。
本願発明の路面性状計測方法は、さらに計測工程と画像作成工程を備えた方法とすることもできる。このうち計測工程では、レーザー計測を行って計測点群を取得し、画像作成工程では、レーザー計測で得られるレーザーの反射強度を基に舗装路面の画像を作成する。この場合、基準線設定工程では、舗装路面の画像のうち高い反射強度を示す領域に基づいて第1の基準線と第2の基準線を設定する。
本願発明の路面性状計測システム、及び路面性状計測方法には、次のような効果がある。
(1)基準となる面と、現況面を比較するので、明確に凹凸部を検出できるうえに、凹凸の程度も的確に把握できる。
(2)所定の横断面を設定して凹凸部を検出するのではなく、所定の範囲(面)で凹凸部を検出するので、効率的かつ漏れなく凹凸部を検出することができる。
(3)凹凸の検出結果は、例えば等高線図(コンター図)や段彩図などで表すことができるので、専門的な知識がない者も含め多く人が路面の変状を把握することができる。
本願発明の主な流れを示すフロー図。 レーザー計測で得られた反射強度に基づいて作成した路面画像を示すモデル図。 レーンマークに基づいて設定された基準線を示す平面図。 基準線に基づいて設定された基準領域を示す平面図。 (a)は基準路面モデルを示す平面図、(b)は計測路面モデルを示す平面図。 (a)路面にわだち掘れが発生している道路を車両が通行している状況を示す横断図、(b)は路面にわだち掘れが発生している道路と基準となる断面を重ね合わせた横断図。
本願発明の路面性状計測システム、及び路面性状計測方法の一例を、図に基づいて説明する。
1.全体概要
本願発明は、2種類の路面形状の相違によって目的の変状を把握するシステムと方法であって、この2種類の路面形状は3次元座標を持つ点群によって構成される。そこで、まずは3次元座標について説明する。
3次元座標は、平面座標値と高さの情報からなり、この「平面座標値」は緯度と経度あるいはX座標とY座標で表されるものであって、「高さ」は標高など所定の基準水平面からの鉛直方向の距離を意味する。この3次元座標は、種々の手段によって取得することができる。例えば、2枚1組のステレオ航空写真(衛星写真)を基に取得したり、レーザー計測やレーダー計測によって取得したり、あるいは直接現地を測量して取得することもできる。
本願発明の対象は舗装路面であり、その代表例が道路であることから、ここで用いる計測点群はモバイルマッピングシステム(以下、「MMS」という。)によって取得するのが好ましい。MMSは、移動車にレーザー計測装置や、GPS(Global Positioning System)などの測位計、IMU(Inertial Measurement Unit)などの慣性計測装置を装備したものである。
MMSが上記装置を装備していることで、レーザー計測装置から照射されるレーザーパルスの照射位置(x,y,z)と照射姿勢(ω,φ,κ)を把握することができ、その結果、照射時刻と受信時刻の時間差から計測点(レーザーパルスが反射した路面上の点)の3次元座標を得ることができるわけである。また、路面で反射したレーザーパルスはMMSに搭載されたセンサで受信されるが、このとき、レーザーパルスの強度(以下、「反射強度」という。)も受信時刻とともに記録される。この反射強度は、いわば受信したレーザーパルスのエネルギーの大きさであり、直接的には電圧として計測され、電圧を換算することでエネルギーの大きさが得られる。一般的に、白い物に反射したときは強い反射強度が、黒い物に反射したときは弱い反射強度が記録される。
なお、本願発明では比較的広い範囲(路面)、すなわち多数の計測点を扱うため、本願発明を実施するうえでは、実施に必要なプログラムを作成し、このプログラムをコンピュータに実行させるという手法を用いるとよい。ここで使用するコンピュータは、CPU等のプロセッサ、ROMやRAMといったメモリを具備したもので、さらにマウスやキーボード等の入力手段やディスプレイを含むこともあり、パーソナルコンピュータ(PC)や、iPad(登録商標)といったタブレットPC、あるいはPDA(Personal Data Assistance)などが例示できる。
つぎに、本願発明の概要について説明する。図1は、本願発明の主な流れを示すフロー図である。以下、この図に従って本願発明の概要を説明する。まず、MMS等を利用して舗装路面を計測し、3次元座標を持つ計測点群を取得する(Step100)。なお、既存の計測点群がある場合は、必ずしも舗装路面の計測を実施する必要はない。
舗装路面を表す計測点群が用意できれば、大きく2つの流れに分かれる。一つは「基準路面モデル」を作成する流れ(図1の右側のフロー)であり、もう一つは「計測路面モデル」を作成する流れ(図1の左側のフロー)である。便宜上、右側のフローから説明する。
まず、舗装路面を表す画像(以下、単に「路面画像」という。)を作成する(Step301)。なお、既存の路面画像がある場合はこれを用いることとし、当該ステップを省略することもできる。次に、路面画像に示されるレーンマークなどに基づいて2本の基準線を設定し(Step302)、その基準線から所定幅(バッファ)だけ拡張した基準領域を設定する(Step302)。そして、舗装路面を表す計測点群のうち基準領域内にある計測点のみを抽出して「基準計測点」とし(Step304)、この基準計測点によって平面モデルを作成する(Step305)。ここで作成されたモデルが、「基準路面モデル」である。
一方、「計測路面モデル」を作成する流れは以下のとおりである。計測路面モデルの作成過程で生成された2つの基準領域を利用して、対象とする舗装路面の領域(以下、単に「路面領域」という。)を設定する(Step201)。具体的には、2つの基準領域を包含するように路面領域は設定される。次に、路面領域内にある計測点を抽出し(Step202)、これによって平面モデルを作成する(Step203)。ここで作成されたモデルが、「計測路面モデル」である。
基準路面モデルは、例えばレーンマーク内にある計測点のみでモデルを作成するため、いわゆる車道部分の計測点が除かれる。レーンマーク上を車輪が通過することは稀で、つまりこの部分は当初から変状をきたしていないことが推測される。すなわち、レーンマーク間を結ぶ断面は設計断面(あるいは出来形断面)に相当し、レーンマーク内にある計測点のみで作成したモデルは「基準となる路面モデル」といえる。一方、車道を含む計測点によって作成される計測路面モデルは、わだち掘れなど路面の凹凸も表現されており、まさに現況を反映した路面モデルといえる。
基準路面モデルと計測路面モデルが得られると、両者を重ね合わせて差分を抽出する(Step400)。具体的には、基準路面モデルを定規としてとらえ、計測路面モデルとの間で高低差が生じた箇所を差分として抽出する。抽出された差分は、その程度による等高線図(コンター図)や、差分の程度に応じて彩色した段彩図などで表し、これらの図を確認しながらわだち掘れといった路面の凹凸を検出する(Step500)。あるいは、閾値を設け、この閾値と差分の程度を比較することでわだち掘れや有害な凹凸を自動的に検出することもできる。
以下、本願発明の路面性状計測システム、及び路面性状計測方法を構成する主要な要素について詳述する。
2.路面画像
既述のとおりMMSでレーザー計測を行った場合、3次元座標を得るとともに反射強度も記録することができる。そこで、この反射強度に基づいて、舗装路面の画像化を行う。具体的には、反射強度に応じたグレースケールで路面画像を作成したり、あるいは反射強度に応じた色で表す段彩図を路面画像としたり、その他従来から用いられている種々の手法で路面画像を作成することができる。なお、反射強度に基づく画像に限らず、写真など他の画像を用いることもできるが、この場合、計測点との平面的な位置関係が把握できるものが適している。
図2は、レーザー計測で得られた反射強度に基づいて作成した路面画像を示すモデル図である。この図では、反射強度が強いものほど白く、弱いものほど黒く表している。つまり、白い物ほど反射強度が強いことを考えれば、この図は舗装路面をそのままグレースケールで表現した画像といえる。図2を見ると、レーンマーク(白線)と車道部分が明確に認識できることがわかる。
3.基準線
舗装路面のうち車輪が通過することが少ない場所であって、路面画像から認識できる場所を参考にしながら基準線を設定する。図3は、レーンマークに基づいて設定された基準線10を示す平面図である。この図に示すように基準線10は、道路の延長方向に沿うように設定される。また、基準路面モデルを作成するために、間隔をあけて2本以上の基準線を設定する必要がある。図3では、左側のレーンマークに基づいて第1の基準線10a、中央のレーンマークに基づいて第2の基準線10b、右側のレーンマークに基づいて第3の基準線10cの3本の基準線10を設定している。なお、図2のうち◆印で示すものは、舗装路面を計測した計測点20である。
基準線10は、例えばディスプレイに表示された路面画像を確認しながら、作図機能を有するソフトウェアを利用して設定することができる。また基準線10は、計測点20との平面的な位置関係がわかるように平面座標を備える必要がある。具体的には、基準線10の始点、中間点、終点など構成点に対して平面座標を付与する。作図機能のあるソフトウェアを利用すれば、作図しながら構成点に平面座標が付与されるので好適である。なお、図3では基準線10を直線(1線分)として例示しているが、複数の線分からなる折れ線としたり、あるいは円弧やスプラインなど曲線としたり、その他任意の形状を採用することもできる。
4.基準領域
図4は、基準線10に基づいて設定された基準領域30を示す平面図である。この図に示すように基準領域30は、基準線10を基に拡張された領域であって、設定した基準線10と同数だけ設定される。例えば図4では、基準線10を中心として横断方向(道路延長方向に対する垂直方向)に、左右それぞれ所定幅(例えば、10cm)だけ拡張し、この拡張された領域(つまり20cm幅)を基準領域30としている。すなわち、第1の基準線10aに基づいて第1の基準領域30aが設定され、第2の基準線10bに基づいて第2の基準領域30bが設定され、第3の基準線10cに基づいて第3の基準領域30cが設定されている。なお基準領域30を設定する際、必ずしも基準線10の左右に拡張する必要はなく、どちらか一方にのみ拡張して基準領域30を設定することもできる。
5.基準計測点
基準計測点20sは、計測点20のうち基準領域30の範囲内にある計測点である。図4では、基準計測点20sを白抜きの◇印で示し、その他の計測点20を黒塗りの◆印で示している。既述のとおり基準線10は、計測点20との平面的な位置関係がわかるように平面座標を備えており、基準線10に基づいて拡張された基準領域30も計測点20との平面的な位置関係がわかる平面座標を備えている。したがって、基準計測点20sは演算処理することによって求めることができ、例えばソフトウェアを利用して計測点20の中から自動的に基準計測点20sを抽出することもできる。
6.基準路面モデル
図5(a)は、基準路面モデル40を示す平面図である。この図では、TIN(Triangulated Irregular Network)による手法で基準路面モデル40を作成している。TINとは、隣接する3つのランダム点(この場合は、基準計測点20s)を結んで形成される三角形を基本構造とするもので、多数の三角形から構成される網(Network)である。もちろん、基準路面モデル40を作成するに当たってはTINによる手法に限らず、他の手法で作成したメッシュ状のモデルでもよい。図5(a)からも分かるように基準路面モデル40は、変状しにくい場所(この場合は、レーンマーク)にある点、すなわち基準計測点20sのみを拠りどころとして構成されており、まさに基準となる路面モデルである。
7.計測路面モデル
図5(b)は、計測路面モデル50を示す平面図である。この図も、TINによる手法で計測路面モデル50を作成しているが、他の手法で作成することもできる。この図からも分かるように計測路面モデル50は、路面領域内にある計測点20によって作成されており、わだち掘れなど舗装路面の凹凸が生じやすい車道を含んで表されている。なお、路面領域が基準領域30を包含するように設定されるのは既述のとおりであり、図5(b)の場合は、第1の基準領域30aと第3の基準領域30cを含むように、路面領域は設定されている。具体的には、第1の基準領域30aの外側(左側)境界線と、第3の基準領域30cの外側(右側)境界線によって囲まれる領域が路面領域となる。
8.差分抽出
基準路面モデル40と計測路面モデル50は、それぞれ「路面モデル」としているが、これは厳密な「平面モデル」を意味するものではない。これまで説明したように、計測点20(基準計測点20s)は3次元座標を備えており、これを構成点としている以上、基準路面モデル40と計測路面モデル50はいわば3次元モデルである。したがって、基準路面モデル40、計測路面モデル50ともに、一面で構成されるのではなく様々な起伏をもって構成されている。
3次元モデルである基準路面モデル40及び計測路面モデル50を重ね合わせると、部分的に高低差が生ずることがある。舗装路面に何ら変化がなければ、定規である基準路面モデル40と同等の形状で計測路面モデル50が表される。ところが、車輪通過が繰り返されることによって舗装路面に変状があると、計測路面モデル50の方が基準路面モデル40より低く(凹部)、あるいは高く(凸部)なるなど、両者モデルに部分的な高低差が生ずる。このような高低差が生じたところが、差分として抽出される。例えば、図5(b)に示す計測路面モデル50では、メッシュ(構成する三角形)ごとに基準路面モデル40と比較し、所定の高低差があれば差分として抽出する。そして、抽出された差分は、事前に設定した閾値と照らし合わされ、例えば「わだち掘れ」あるいは「有害な凸部」として検出することができる。もちろん、既述のとおり等高線図や段彩図などを作成し、これを確認しながらわだち掘れといった路面の凹凸を検出することもできる。
本願発明の路面性状計測システム、及び路面性状計測方法は、一般道や高速道路など舗装されているあらゆる道路で利用することができる。また、空港滑走路やエプロン、港湾施設の舗装面など、道路以外の舗装面にも応用することができる。これまでストックされたインフラを長寿命化させるべく社会資本の維持管理が我が国喫緊の課題であることに鑑みれば、本願発明は産業上利用できるとともに、社会的に大きな貢献を期待し得る発明である。
10 基準線
10a 第1の基準線
10b 第2の基準線
10c 第3の基準線
20 計測点
20s 基準計測点
30a 第1の基準領域
30b 第2の基準領域
30c 第3の基準領域
40 基準路面モデル
50 計測路面モデル

Claims (4)

  1. 舗装路面の計測点の集合である計測点群を用いて、該舗装路面の凹凸を計測する路面性状計測システムにおいて、
    舗装路面の画像に基づいて、第1の基準線及び第2の基準線を設定する基準線設定手段と、
    前記第1の基準線から所定幅だけ拡張した第1の基準領域を設定するとともに、前記第2の基準線から所定幅だけ拡張した第2の基準領域を設定する基準領域設定手段と、
    前記計測点群のうち、前記第1の基準領域にある計測点及び前記第2の基準領域内にある計測点を基準計測点として抽出し、該基準計測点によって基準路面モデルを作成する基準路面モデル作成手段と、
    前記計測点群に含まれる計測点によって、計測路面モデルを作成する計測路面モデル作成手段と、
    前記基準路面モデルと前記計測路面モデルとの間に生ずる部分的な高低差を差分として抽出する差分抽出手段と、を備え、
    前記差分に基づいて、舗装路面の凹凸を検出することを特徴とする路面性状計測システム。
  2. 前記計測点群がレーザー計測によって得られるものであり、
    前記舗装路面の画像が、レーザーの反射強度を基に作成されるものであり、
    前記舗装路面の画像のうち高い反射強度を示す領域に基づいて、前記第1の基準線及び前記第2の基準線を設定することを特徴とする請求項1記載の路面性状計測システム。
  3. 舗装路面の計測点の集合である計測点群を用いて、該舗装路面の凹凸を計測する路面性状計測方法において、
    舗装路面の画像に基づいて、第1の基準線及び第2の基準線を設定する基準線設定工程と、
    前記第1の基準線から所定幅だけ拡張した第1の基準領域を設定するとともに、前記第2の基準線から所定幅だけ拡張した第2の基準領域を設定する基準領域設定工程と、
    前記計測点群のうち、前記第1の基準領域にある計測点及び前記第2の基準領域内にある計測点を基準計測点として抽出し、該基準計測点によって基準路面モデルを作成する基準路面モデル作成工程と、
    前記計測点群に含まれる計測点によって、計測路面モデルを作成する計測路面モデル作成工程と、
    前記基準路面モデルと前記計測路面モデルとの間に生ずる部分的な高低差を差分として抽出する差分抽出工程と、を備え、
    前記差分に基づいて、舗装路面の凹凸を検出することを特徴とする路面性状計測方法。
  4. レーザー計測を行って前記計測点群を取得する計測工程と、
    前記レーザー計測で得られるレーザーの反射強度を基に、前記舗装路面の画像を作成する画像作成工程と、をさらに備え、
    前記基準線設定工程では、前記舗装路面の画像のうち高い反射強度を示す領域に基づいて、前記第1の基準線及び前記第2の基準線を設定することを特徴とする請求項3記載の路面性状計測方法。
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