JP6198185B2 - カム駆動アクチュエータ - Google Patents
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Description
したがって、これらのものは、それぞれ主軸と切り離されて単体で可動する従動軸に対する軸受構造を採用する必要がある。
しかしながら、このものは、カム体(5)の回転運動を従動軸(6)に伝達しすることで従動軸(6)を直線運動に変換する、所謂2系統によりカム駆動する構成となっているため、基端側の軸受部(8a、81b)は、カム体(5)の回転と従動軸(6)の進退移動とを許容する軸受構成としなければならず、その配設構成に制約を受け、また、カム体(5)をモータ軸(6a)に直結するなどして構成されているため、カム体(5)とモータ軸(6a)とを連結する際に、軸芯ズレが生じ易く同軸度の確保が難しいばかりか、カム体(5)は、高速回転させるとブレを発生し易いという要因を有しており、この回転ブレは小型のものでは許容されるが大型のものでは許容することができない。
しかも、フロントケーシングは、ケーシング本体に対して、一般的なモータと同様の組み付け手段によって行え、組付け後に係合片を装着させるだけなので、製作時における軸芯ズレ規制や同軸度の確保が容易に行え、部品点数の削減や各部材の組付け構成が簡素化されて製作の容易化と、構造の簡略化を図ることができると共に、軸受構成などに影響を与えることなく、係合片側を用途に応じて別途単体で形成して取着することができ、従動軸に大きな推力を要するワーク体への連動連結や、従動軸を高速回転させるなどの大型化を伴う高精度の軸受構造を必要とするカム装置であっても、従動軸の軸芯ブレや回転振動などの発生が回避された最適なものとして提供することができる。
また、係合片は、カム溝が軸受部材内に入り込まない位置よりも先端側のフロントケーシング内に配設できるので、フロントケーシングの前面部が軸受部材などが配設されない自由域として利用でき、フロントケーシングの分割形成や、カム溝を前面から露出させて出没させたり、カム溝を長くしてスパイラル状に周回する長ストロークのカム面の形成も容易に行うことが可能となり、従動軸のカム部から延出する先端長さを短く設定できるだけでなく、カム部を出力軸の一部として利用でき、或いは、従動軸とのシーリング構造や係合片の密封取着なども容易に採用し得て、回転軸と従動軸を二重輪状に並設した軸受構造を必要としないため、ロングノーズ化した細筒形状に形成できるなど、フロントケーシング単体による製作の自由度を高めることができる。
図1はカム駆動アクチュエータの縦断全体構成図、図2は前側面図、図3は後側面図である。これら図に示すように、1はカム駆動アクチュエータであって、該カム駆動アクチュエータ1は、ハイブリッド型ステッピングモータ、DCブラシレスモータ等のモータ駆動手段1aと、カム手段1bとにより一体的に構成される。
ケーシング本体11内には、ステータ2を、回転子3の幅よりも広幅に設定して、後述する従動軸6のカム駆動に連動して回転子3が進退移動するための移動ストローク域Sが、カム起伏幅よりも広幅の領域をもって形成されている。
従動軸6は、回転子3に固定された回転軸32をフロントケーシング112側に延出させたモータ駆動手段1aの出力軸部として機能するように回転軸32と一体に形成され、かつ、回転軸32よりも太径に形成されている。この一体となった回転軸32と従動軸6は、それぞれエンドケーシング111とフロントケーシング112に配設した軸受部材4a、4b(ベアリング部材)の二点間で、回転自在かつ軸方向移動自在に分担支持して軸受するようになっている。
係合片63は、先端にカム面53上を転動するローラ63aを有する軸部(スタッド)よりなるカムフォロアとして形成され、従動軸6の軸受部材4bの近しい位置、即ち、カム溝531が軸受部材4b内に入り込まない位置に配設されることが好適であり、フロントケーシング112の外周面に穿設された取付け孔(ネジ孔)に螺入され片持ち配置させて取着されている。なお、係合片63を対向配置させても良いことは勿論である。
しかも、フロントケーシング112は、ケーシング本体11に対して、一般的なモータと同様の組み付け手段によって行え、組付け後に係合片63を装着させるだけなので、製作時における軸芯ズレ規制や同軸度の確保が容易に行え、部品点数の削減や各部材の組付け構成が簡素化されて製作の容易化と、構造の簡略化を図ることができると共に、軸受構成などに影響を与えることなく、係合片63側を用途に応じて別途単体で形成して取着することができ、従動軸6に大きな推力を要するワーク体への連動連結や、従動軸6を高速回転させるなどの大型化を伴う高精度の軸受構造を必要とするカム装置であっても、従動軸6の軸芯ブレや回転振動などの発生が回避された最適なものとして提供することができる。
しかも、従動軸6は、カム部5が回転するカム面53の全幅を走行案内面として、カム面53上を係合片63に対して均等に面接させながら係合(摺接、転動)案内され、係合負荷や軸芯ズレを生じることなく、直角度を維持した最適な係合案内関係が確保された状態で、係合片63を片持ち配置させても常に安定した推力をもって案内従動させることができ、従動軸6に大きな推力を要するワーク体への連動連結や、従動軸6を高速回転させるなどの大型化を伴う高精度の軸受構造を必要とするカム装置であっても、従動軸6の軸芯ブレや回転振動などの発生が回避された最適なものとして提供することができる。
1a モータ駆動手段
1b カム手段
11 ケーシング本体
111 エンドケーシング
112 フロントケーシング
2 ステータ
22 励磁コイル
3 回転子
31 永久磁石
32 回転軸
4 軸受部材
4a 軸受部材
4b 軸受部材
5 カム部
53 カム面
53a 上カム面
53b 下カム面
531 溝カム
6 従動軸
63 係合片
63a ローラ
S 移動ストローク域
Claims (3)
- ケーシング本体内に、励磁コイルが設けられたステータと、該ステータの内側に前記コイルの励磁によって回動可能に配設された回転子と、該回転子の中心に固定された回転軸とを備えたモータ駆動手段と、
該モータ駆動手段の回動に連動して回転可能に設けられた従動軸に、所定のカム溝が形成されたカム部を設け、フロントケーシングの内周面側に突設された係合片を前記カム溝に係合させて、従動軸を、前記カム溝の起伏に沿って従動せしめて進退移動すべく構成されたカム手段とからなるカム駆動アクチュエータであって、
前記従動軸は、前記回転子に固定された回転軸をフロントケーシング側に延出させたモータ駆動手段の従動軸として機能すべく、回転軸と一体形成し、かつ、回転軸よりも太径に形成する一方、
前記一体となった回転軸と従動軸とを、それぞれエンドケーシングとフロントケーシングの基端側に配設した軸受部材の二点間で回転自在かつ軸方向移動自在に分担支持して軸受することで、従動軸の軸受部材を回転軸の軸受部材と兼用可能に構成すると共に、
前記ステータを、前記回転子の幅よりも広幅に設定して、ケーシング本体内に回転子の移動ストローク域を設け、
前記回転子を、該回転子の回動と一体回転しつつ進退移動する従動軸のカム駆動に同期従動させることで、前記移動ストローク域を前記カム溝の起伏に沿って回転しつつ進退移動が行われるよう構成せしめ、
さらに、前記係合片は、前記カム溝が前記従動軸の軸受部材内に入り込まない位置となるフロントケーシングの前面部外周面に穿設せしめた取付け孔に対して、当該フロントケーシングをケーシング本体に組付けした後に挿入取着可能に構成されていることを特徴とするカム駆動アクチュエータ。 - 請求項1において、前記カム部は、そのカム溝が前記従動軸の外周面に直接的に刻設して形成されていることを特徴とするカム駆動アクチュエータ。
- 請求項1または2において、前記係合片は、その先端に前記カム溝に係合して、カム面上を転動するローラを備えることを特徴とするカム駆動アクチュエータ。
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