JP5013265B2 - 出力軸を備えたカム装置 - Google Patents
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Description
しかしながら、このものはカム体(19)がモータの出力軸(18)に直結され、従動軸としての案内ロッド(15)は、その基端部側をカム体(19)の内域で支持することなく、専らその先端部側のみを、カム体(19)が収容された弁本体ブロック(1a)に隣接して設けたブッシュ(10)だけで、摺動自在に案内支持させた構成となっている。
図1はカム駆動モータの縦断全体構成図、図2は前側面図、図3は後側面図である。図に示すように、1はカム駆動モータであって、該カム駆動モータ1は、本発明の出力軸を備えたカム装置としてのカム手段1aと、PM型ステッピングモータ構造のモータ駆動手段1bとを一体的に構成させたものである。モータ駆動手段1bは、ケーシング2を構成する筒状胴部とエンド側部とが一体的(別体でも良い)に形成された断面視略コ字状の円筒ケーシング本体21の内部に、ケーシング本体21の胴部を構成する筒状ヨーク(ステータ)3と、該ヨーク3の内側に回転可能に嵌挿される多極着磁された回転子4を備えて構成される。
前記ヨーク3は、1組のヨークブロック31、31からなり、それぞれコイルボビン32、励磁コイル33を備えて構成される。前記ケーシング本体21は、鉄、磁性ステンレス等により形成され、ヨークブロック31の内周面に回転子4の磁極間隔に対応して複数の凹凸状極歯(図示しない)が定ピッチに形成され、所謂2相のコイルユニットを構成し、前記ヨークブロック31、31同士は、それぞれの極歯がステップ角だけ位置ズレさせて組付けられている。
カム体5は、樹脂製(金属製であっても良い)で、円盤形状の底部51と、その外周から軸線方向に向けて延出するカム面53が形成された筒部52とによって、断面視コ字状(凹状)の円筒形状に成形され、回転子4の回動に連動して一体回転可能に設けられている。つまり、このカム体5を回転子4に隣設して連結するにあたり、カム体5とロータカラー42とを底部51で連結させた一体成形品(別体のものを連結しても良い)として同一材質で構成しており、両者が一体回動するよう連結された状態で、カム体5の外周面を樹脂製の保持体72によって摺接回転可能に支持することで、回転子4は、その先端側を保持体72に、基端側をブッシュ71に軸架した構成で回転可能に支持される。この様に、カム体5は、多極磁着したリング状磁石が外装されるロータカラー42と一体成形されているので、軸芯出しが成された成型品として製作することができる。
なお、カム体5をロータカラー42ではなく、従来のモータ駆動手段1bが備える回転出力軸6aを連結部材として底部51と連結させても良く、また、カム体5自体を軸受することで回転子4の軸受構成に兼用したが、保持体72の筒部を不要とした場合などにはロータカラー42自体を保持体72の基部側で軸受するようにしても良く、保持体72の筒部をカム体5が配設される領域のケーシング2胴部として、モータ駆動手段1bが配設されるケーシング本体21に隣設させて構成しても良い。
従動軸6は、円柱軸の外周対向面をD字状(円弧状)に2面切欠きした断面視太鼓状に形成されており、その先端側をケーシング2のフロント側部を構成するフロントキャップ22(モータ駆動手段1bと兼用)に設けられた軸受部材221の軸受部222に廻り止めされて進退移動可能に案内支持される。軸受部222は、従動軸6の廻り止め形状に適合した軸孔形状のブッシュにより構成される。一方、従動軸6の基端側は、円柱状の基盤62中心にしっかりと嵌着されており、基盤62を介してカム面53に両端係合する係合片61、61が設けられている。基盤62は、カム体5の直径が大きくなりカム面53が軸芯からの距離を要する場合に、係合片61の長さを短く設定し、負荷を分散軽減するためのものであり、係合片61、61は、従動軸6の移動時にその先端部が保持体72の筒部内壁面に当接し、軸受によらないブレ防止片として機能する。これにより、従動軸6は、先端側の軸受部222と、基端側の係合片61をブレ規制する保持体72とにより構成される案内手段に案内されながら、カム体5の回転に伴ってカム面53の起伏形状に沿って従動し、従動軸6が軸受部222から外部へ出没する、所謂ワーク体に連動連結されるモータ出力軸として機能するようになっている。
次に、従動軸6の基端側に適用される案内手段の軸受構成にかかる実施例について説明する。
この様に構成すると、従動軸6の案内孔82内に案内軸81の案内ストロークを形成することができ、従動軸6は、基端側において、係合片61、61の先端を保持体72の内壁面に当接させてブレ規制片として案内手段に構成する必要がない。
また、案内軸81は、ブッシュ71を固定する固定部材にも兼用されている。なお、案内軸81は円柱の軸体を用いたが、従動軸6と同様に断面視太鼓状の軸体を用いて、これに対応した案内孔82内に回り止め挿入すれば、従動軸6を円柱の軸体として形成できる。
この様に構成すると、回転子4の挿通孔41内に案内軸81aの案内ストロークを形成することができ、従動軸6は、基端側において、係合片61、61の先端を保持体72の内壁面に当接させてブレを規制する案内手段として機能させる必要がない。
カム体5は、その外周面を保持体72によって摺接回転可能に保持されており、カム溝53aにより形成される対面カム形状のカム体5cで図示されており、係合片61は片持ちで係合されるものである。
すなわち、従動軸6の基端側は、先端側の軸受部222と共に案内手段を構成すべく設けられた軸受部8bによって案内支持されている。この軸受部8bは、筒部52の内周壁と、従動軸6の基端部側に装着されて筒部52の内周壁面に摺接する樹脂製のリング部材81bとで構成される。リング部材81bは、半部に示すカム体5cが使用される際には、基盤62に被嵌して装着されるよう断面視コ字状に形成され、外周の摺接面が、カム溝53aの幅より幅広に形成され、係合片61よりもカム体底部51側の筒部52の内周壁面に摺接するよう、カム体底部51側に係合片61に挿入されるU字状の廻り止め切欠き溝83が設けられている。この様に構成すると、係合片61の先端をカム溝53aに挿入させて従動軸6をセットした後に、リング部材81bを基盤62に被嵌して組付けることができる。
従動軸6の基端側は、先端側の軸受部222と共に案内手段を構成すべく設けられた軸受部8cによって案内支持されている。この軸受部8cは、基盤62に穿設した一対の案内孔82c、82cと、この案内孔82c、82cの対応位置に、一端側が先端側の軸受部222(フロントキャップ22を含む)のリング状ライナー部材に固着され、他端側が案内孔82cに挿入される一対の案内軸81c、81cとで構成される。案内軸81cの案内孔82c内への挿入長さは、カム面53の起伏による最下面よりも長く設定し、嵌挿解離されないようになっている。なお、案内軸81cと案内孔82cはそれぞれ2つを組とした一対のもので構成したが、必要に応じて1つ以上のもので構成されていれば、形状等任意に設定できる。
また、図7(B)に示す複合的な形状のカム溝53aが施されたカム体5bを用いる場合には、係合片61が始部から終部までを単純に往復駆動を繰り返す制御は勿論であるが、始部0゜から終部720゜に至る中間域に形成された平滑部を中間点として、始部0゜から平滑部360゜間に形成されるカム溝53aを利用した第1のカム駆動域と、平滑部360゜から終部720゜間に形成されるカム溝53aを利用した第2のカム駆動域との組合せによって、従動軸6を進退駆動制御することができる。例えば、弁開閉制御などのワークにおいて、従動軸6に連動連結される弁体を、併設された2つの流口A・Bをそれぞれ開閉制御する際に、係合片61が始部に位置する場合には流口A・B共に開とし、第1のカム駆動域では流口Aを閉、流口Bを開とし、これを平滑部360゜部でモータ停止して位置決め保持し、その後、第2のカム駆動域により前記流口Aの閉を開、流口Bの開を閉とし、これを平滑部720゜部(終部)でモータ停止し位置決めするなどの複雑なカム駆動制御を可能としている。なお、平滑部におけるモータ停止による位置決め保持は、非通電(無励磁)状態でも従動軸6の自己保持ができるものである。
なお、カム体5cを用いる場合には、コイルバネ63は不要であり、係合片61は、回転するカム体5cのカム溝53aに沿って片持ち係合しながら周回動作することで、回転規制された従動軸6を従動させてカム駆動するように構成される。つまり、従動軸6は、モータ駆動手段1bの回転駆動で、起伏部形状の登り勾配となる押動側カム面531に沿って係合片61が突出方向に押動され、下り勾配となる引動側カム面532に沿って係合片61が没入方向に引き動され、平滑部では押動側カム面531と引動側カム面532間に案内されながら、モータ駆動手段1bの出力軸としてカム駆動される。
つまり、図1、図4に示すように、回転子4とカム体5とを、回転子4に隣設して一体回動すべく連結せしめたカム駆動モータ1として構成する場合には、案内軸81を、その後端側部がモータ駆動手段1bのケーシング後面に固定され、先端側部が回転子4の軸芯に形成した挿通孔41を通してカム体内に達するよう構成して案内孔82内に挿入することができる。この様に構成すると、従動軸6は、自身に形成された案内孔82内を案内軸81の案内ストローク域として、回転子4の回転とは切り離された移動可能な回転しない案内軸81による案内支持構造を実現することができるばかりか、回転子4内の軸芯領域に形成された挿通孔41を、回転子4の回転とは切り離された回動伝達されない領域として利用でき、案内軸81を、ブッシュ71を固定する固定部材として兼用することができる。
また、図5に示すように、回転出力軸6aを介してモータ(モータ駆動手段1b)をカム手段1aに連結させる場合には、案内軸81を、カム体底部51の軸芯に直接立設(図示しない)させて案内孔82内に挿入することができる。この様に構成すると、回転する案内軸81が非回転の案内孔82内に挿入されるので、軸芯出しが図られると共に、モータ駆動手段1bに連結すると否とに拘わらずカム手段1a自身の構成をもって軸受構造を実現することができる。
しかも、リング部材81bは、係合片61よりもカム体底部51側の筒部内周壁面に摺接すべく、カム体底部51側に係合片61に挿入される切欠き溝83が設けられているので、リング部材81bを係合片61に廻り止め状態で装着できるばかりか、押動側カム面531よりも底部51側(後側)での摺接を可能とし、カム体5a〜5cが用いられる際に、カム溝53aよりも広幅に設定でき、安定した摺接案内を行うことができる。
しかも、基盤62を利用して、基端側の軸受部8cを、基盤62に穿設した案内孔82cと、一端側が先端側の軸受部222(フロントキャップ22を含む)に固着され、他端側が案内孔82cに挿入される案内軸81cとで構成することが可能となり、フロントキャップ22をケーシング本体21に取付ける際に、予めフロントキャップ22に設けられた案内軸81cを案内孔82cに挿入するだけで組付できる。
1a カム手段
1b モータ駆動手段
2 ケーシング
21 ケーシング本体
22 フロントキャップ
22a 軸受部
221 軸受部材
222 軸受部
23 連結キャップ
23a 連結カラー
3 ヨーク
31 ヨークブロック
32 コイルボビン
33 励磁コイル
4 回転子
41 挿通孔
42 ロータカラー
43 リング状磁石
5 カム体
51 底部
51a 連結軸孔部
52 筒部
53 カム面
531 押動側カム面
532 引動側カム面
53a カム溝
6 従動軸
61 係合片
62 基盤
63 コイルバネ
6a 回転出力軸
71 ブッシュ
72 保持体
8 軸受部
81 案内軸
82 案内孔
8a 軸受部
81a 案内軸
82a ブッシュ
8b 軸受部
81b リング部材
83 切欠き溝
8c 軸受部
81c 案内軸
82c 案内孔
9 ビス
91 ビス孔キャップ
Claims (8)
- 連結されるモータ駆動手段の回動に連動して回転可能に設けられ、底部から軸線方向に向けて延出する筒部に所定のカム面が形成されたカム体と、該カム体内の中心に配置され、カム体の回転によって所定の案内手段に案内されながら、前記カム面に沿って摺接係合する係合片を介して従動する進退移動可能な従動軸とを備えたカム手段であって、
該カム手段は、前記底部と、内周壁面のカム面が従動軸から所定距離を存する筒径の円筒状筒部とで断面視略コ字状に形成し、前記底部の背面側を介してその軸芯上に配設させたモータ駆動手段の回動に連結可能にケーシング内に収容させ、
前記従動軸は、その基端側に、従動軸とカム面との筒内空間に形成される円柱状の基盤と、該基盤に設けられて、基盤とカム面との筒内空間を存して前記カム溝に係合する前記係合片とを、基盤中心で一体的に取着して、前記筒部の中心に配設させることにより、先端側をケーシング前面より出没可能に構成せしめると共に、
前記案内手段は、前記従動軸の先端側に設けた軸受部と、カム体内部側に設けた軸受部とで、前記従動軸を進退移動方向に案内支持するよう構成し、
前記基盤によって、前記係合片を、前記カム体のカム面と軸芯間の距離に応じて、その負荷を分散軽減すべくカム溝までの長さを短く設定せしめて、
前記従動軸を、前記連動連結されるモータ駆動手段の出力軸としてカム駆動すべく構成したことを特徴とする出力軸を備えた出力軸を備えたカム装置。 - 請求項1において、前記モータ駆動手段は、励磁コイルと、該コイルの励磁によって回動可能に配設された軸芯に挿通孔を有する回転子とをケーシング内に備え、前記カム体を、前記回転子の回動に連結せしめてケーシング内に一体的に収容すると共に、前記カム体内部側の軸受部は、前記従動軸の基端側を、前記回転子の挿通孔内に非接触で挿入される案内軸を介して案内支持すべく構成されていることを特徴とする出力軸を備えたカム装置。
- 請求項2において、前記従動軸基端側の軸受部は、その基端側軸芯に形成した案内孔と、その後端側部が前記モータ駆動手段のケーシング後面に固定され、先端側部が前記挿通孔を通して前記案内孔内に挿入される案内軸とで構成されることを特徴とする出力軸を備えたカム装置。
- 請求項2において、前記カム体内部側の軸受部を、従動軸の基端側に前記回転子の軸芯に形成した挿通孔に挿入すべく延出形成した案内軸と、該案内軸を案内支持すべく前記カム体の軸芯に設けたリング状ブッシュとで構成したことを特徴とする出力軸を備えたカム装置。
- 請求項1乃至4の何れかにおいて、前記カム体内部側の軸受部を、前記筒部の内周壁面に摺接するよう、前記基盤に装着させたリング部材で構成したことを特徴とする出力軸を備えたカム装置。
- 請求項5において、前記リング部材は、前記係合片よりもカム体底部側の筒部内周壁面に摺接すべく、前記カム体底部側に前記係合片に挿入される切欠き溝が設けられていることを特徴とする出力軸を備えたカム装置。
- 請求項1乃至4の何れかにおいて、前記カム体内部側の軸受部を、前記基盤に穿設した案内孔と、一端側が前記先端側の軸受部に固着され、他端側が前記案内孔に挿入される案内軸とで構成したことを特徴とする出力軸を備えたカム装置。
- 請求項1乃至7の何れかにおいて、前記カム手段が前記モータ駆動手段とは別体で構成されるものにおいて、該カム手段は、モータ駆動手段のフロントキャップ前面側に突出する回転出力軸とその軸受部とを挿入するよう、前記カム体の底部背面側の軸芯位置に設けられた前記回転出力軸を挿着するための連結軸孔部と、前記ケーシング後面側に設けられた前記軸受部を挿入するためのリング状の連結カラーを有する連結キャップとを備えることを特徴とする出力軸を備えたカム装置。
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