JP6197889B2 - 電圧差補正装置、電圧差補正方法 - Google Patents
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Description
一般に、セルバランス制御は、電池接続数分のバランス回路を用いて行われる。バランス回路は、セルを制御するBattery Management Unit(以降BMUと記す)と呼ばれる、モジュール(基板状のモジュールも含む)上に搭載される。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る機能を表すブロック図である。蓄電システム100は、電池モジュール7、監視部5、第1補正部8、第2補正部9、記憶部10、充放電部11、を備えている。なお、単に補正部と呼ぶ場合は、第1補正部8、第2補正部9の両方を意味する。
(動作の説明)
図4は、本実施形態の動作を表すフローチャートである。蓄電システム100では計算部4によりΔVの算出を行い、算出されたΔVのモードを、判断部2が記憶部10に格納された設定を基に判定する。モードとは前述したように、レベルによって決定される段階である。本実施形態では各モードを図5に示すように定義する。
ΔVがLevel1以上Level2未満:モード1、
ΔVがLevel2以上Level3未満:モード2、
ΔVがLevel3以上:モード3。
また、制御部3は、切替端子Dにて、電池モジュール7を端子Cと接続させ、電圧差補正を第2補正部9に指令する。第2補正部9はΔVを解消する補正を実行する(ステップS−8)。
ΔVがLevel1未満になるまで補正が実行され、この間、ΔVの算出、モードの判定が繰り返される(ステップS−1)。
以下に、各レベルの設定例を示す。
Level2:200mV、
Level3:500mV。
<<<第2の実施形態>>>
第1の実施形態では、制御部3は、モード2において、第1補正部8から第2補正部9に電圧差補正部を切り替えた。第1補正部8と第2補正部9とは同時並行で駆動させてもよい。図6は、第2の実施形態で用いる電圧差補正の形態を示す。第1の実施形態と異なる部分は、切替端子Dにおいて、第1補正部8は常に接続されており、第2補正部9のオン/オフを切り替える構成となっている点である。切替端子D近傍を拡大した図を、図7に示す。
第1補正部8は監視部5に常に接続されている。これに対し、第2補正部9は、スイッチB1、スイッチB2、スイッチB3、スイッチB4により、監視部5との接続が切り替えられる。本実施形態の動作が第1の実施形態と異なる点は以下の3点である。図4に示すフローチャートは第1の実施形態と同様に本実施形態にも適用されるが、次の3点で、制御部3の動作が第1の実施形態とは異なる。
(1)制御部3は、ステップS−3において、端子Cのみを電池モジュール7と切断させる。
(2)制御部3は、ステップS−5において、電池モジュール7を、端子Eと接続させる必要はなく、単に第1補正部8に電圧差補正を指令する。その理由は、端子Eと電池モジュール7とは常に接続されているからである。
(3)制御部3は、ステップS−8において、電圧差補正を、第2補正部9のみならず、第1補正部8にも指令する。
本実施形態のステップS−8における、補正時の等価回路は、第1補正部8と第2補正部9のバランス抵抗を並列に接続したものとなる。図7では、セル21を例とすると、この回路の全抵抗はR1*R1B/(R1+R1B)となる(「*」は積算を表し、「/」は割り算を表す)。第1の実施形態では対応する回路の全抵抗はR1Bであり、本実施形態の全抵抗値はこれより小さいので、補正時により多くの電流を流すことが可能となる。したがって、第1の実施形態にくらべてより迅速な電圧差補正が可能となる。
補正に要する時間(補正時間と呼ぶ)は、バランス電流が大きいほど短いので、本実施形態では、第1の実施形態以上に補正時間を短縮化できる。
<<<第3の実施形態>>>
第1、第2の実施形態では、計算部4はΔVを所定の時間間隔で検出するものとした。図8は、各補正部で電圧差補正を実行した場合及び補正を不要とするモード0での、ΔVの時間変化の一例を示すものである。電圧差補正が第2補正部9で実行されている場合(破線)、第1補正部8で実行される場合(一点鎖線)に比べて高速に電圧差が補正される。補正対象セルが最小セル電圧Vminを下回る様な過剰な補正は、蓄電システム100の稼働にとって不必要である。省エネルギーの観点から、このような過剰な補正を防ぐために、矢印で示すΔVの検出時点(検出ポイントとも呼ぶ)を、第2補正部9においては、第1補正部8における頻度に比べて高く設定することが有効である。また、ΔVが補正を必要としないLevel1未満の場合(モード0)は、第1補正部8を駆動している場合よりさらに低い頻度でΔVを検出しても差し支えないこともある。図8は、後述する本実施形態でのΔV検出ポイントを矢印で示している。本実施形態は、使用している補正部が第1補正部8であるか、第2補正部9であるか、または補正部を未使用であるかによって、ΔVの検出の時間間隔(以降 検出間隔とも呼ぶ)の長さを制御する。本実施形態は、検出間隔として、図9に示す“T0”、“T1”、“T2”(T0<T1<T2)の3種類を用いる。
(1)初期状態で第2補正部9が駆動状態(第2補正フラグ オン)の場合(ステップSI−1にてYES。この場合、第2補正部9が稼働中であるので、電圧差補正が実行中の状態にある。)
計算部4は、電池モジュール7の各セルの電圧を、時間間隔“T0”で測定し、最小電圧との差であるΔVを算出する(ステップSI−2)。
(2)初期状態で第2補正部9が駆動していない(第2補正フラグ オフ)の場合(ステップSI−1にてNO)
図11に示すように、計算部4は、電池モジュール7の各セルの電圧を、時間間隔“T2”または“T1”で測定し、最小電圧との差であるΔVを算出する(ステップSI−10)。
ΔVがLevel1以上の場合(ステップSI−11にてNO)、ΔVが、Level2より小さいか否かが判定される(ステップSI−12)。ΔVがLevel1以上でLevel2より小さい場合、判断部2は蓄電システム100の状況をモード1と判定する(ステップSI−12にてYES)。
<<<第4の実施形態>>>
第1〜第3の実施形態では、ΔVの大小によって、補正部を使用するか否かが決定され、使用する補正部が選択された。しかし、ΔVが同じレベルでも、電池の電圧領域によっては、電池容量差が著しく異なる場合がある。例えばリチウム電池の場合、図12に示す放電特性を呈することがある。図12において、縦軸はセル電圧Vbat(単位V:ボルト)であり、横軸は放電容量(単位Ah:アンペア アワー)である。図12は、同じレベルのΔVを補正する場合でも、電池の電圧領域によって、その容量差が異なることを示している。
しかし、Va、Vbの値はこの値に限定されることはなく、蓄電システム100の仕様に応じて、適宜数値を変更してよい。
<<<第5の実施形態>>>
第1〜第4の実施形態はいずれも、常時、所定の間隔でΔVを検出して、補正部を駆動した。また、第1〜第4の実施形態では補正部が電圧差補正を実行している間、ΔVの算出が継続して行われていた。補正部の特性が安定していて、一定の補正時間に対して得られる電圧差補正の量が一定の場合、必ずしもΔVの算出を継続的に行う必要はなく、補正部をタイマーで制御してもよい。また、ΔVを算出する時間間隔(インターバル)は、ΔVの大きさに応じて変えることができる。例えば、ΔVがLevel1以上であり大きい場合は、短いインターバルでのΔVの算出が必要だが、ΔVがLevel1より十分に低い場合は、頻繁にΔVの算出を行う必要はない。ΔV算出のインターバルを広げることで、監視部5が受ける負担は軽減する。すなわち、長期的な使用に耐える蓄電システム100が実現する。
各セルの電圧を測定する時間間隔(インターバル時間T)が、計算部4に設定される(ステップST−1)。インターバル時間Tとしては、“S1”と“S2”が選択される。“S2”は“S1”に比べて長い。計算部4は、電池モジュール7の各セルのセル電圧を、ステップST−1で設定された時間間隔で測定し、最小電圧との差ΔVを算出する。判断部2はΔVのレベルを決定し、そのレベルから、ΔVのモードを決定する(ステップST−2)。
<<<第6の実施形態>>>
第5の実施形態では、Tj経過後、第2補正部9を停止しているが(図16 ステップST−16)、第2補正部9の性能が劣化し、電圧差低減の十分な再現性が得られない場合などは、停止しない実施形態も選択可能である。この場合、蓄電システム100は、過剰にΔVを下げないように、Tj経過後のΔVを第1補正部8で電圧差を補正する場合よりも高い頻度で検出する必要がある。本実施形態では、蓄電システム100は、第2補正部9のTj以降の動作時は、時間間隔として“S1”より短い“S0”で、ΔVを検出する。第1補正部8を使用している場合は、ΔVの変化の度合いが第2補正部9より緩やかなので、時間間隔“S1”でΔVを検出する。補正部を使用していない場合は、蓄電システム100は、もっとも長い時間間隔“S2”でΔVを検出する。すなわち時間間隔の長さはS2>S1>S0の順に狭められている。
続いて、制御部3は、第2補正フラグがセットされている場合はこれをリセットする(ステップST2−5)。後述するように、本実施形態においては、第5の実施形態とは異なり、第2補正フラグは所要時間Tjが経過した時点でセットされる。
さらに続いて制御部3は、インターバル時間Tとして“S2”を設定する(ステップST2−6)。この設定の後、ステップST2−1からの処理が繰り返される。
ΔVがLevel1以上でLevel2より小さい場合、判断部2は蓄電システム100の状況をモード1と判定する(ステップST2−7にてYES)。
制御部3は、第2補正フラグがセットされているかどうかを検出する(ステップST2−8)。
第2補正フラグがセットされていない場合(ステップST2−8にてNO)、制御部3は切替端子Dにて、電池モジュール7を端子Eと接続させ、電圧差補正を第1補正部8に指令する。第1補正部8はΔVを解消する補正を実行する(ステップST2−9)。
制御部3は、インターバル時間Tとして“S1”を設定する(ステップST2−10)。この設定の後、ステップST2−1からの処理が繰り返される。
第2補正フラグがセットされている場合(ステップST2−8にてYES)、制御部3は、インターバル時間Tとして“S0”を設定する(ステップST2−13)。
この設定の後、ステップST2−1からの処理が繰り返される。“S0”を設定する理由は、高い頻度でΔVを検出し、第2補正部9による高速の補正により不必要にΔVが低下するのを避けるためである。
制御部3は、第2補正部9のタイマー6をTjにセットし、第2補正部9を動作させる(ステップST2−15)。
タイマー6は時間を計測し、Tjを経過したか否かを判定する(ステップST2−16)。Tjが経過するまで、タイマー6をこの判定を続ける(ステップST2−16にてNO)。Tjが経過した場合(ステップST2−16にてYES)、制御部3は第2補正フラグをセットする(ステップST2−17)。
また、制御部3は、インターバル時間Tとして“S0”を設定する(ステップST2−13)。この設定の後、ステップST2−1からの処理が繰り返される。
<<<第7の実施形態>>>
図18は、本発明の第7の実施形態に係る機能を表すブロック図である。
本発明の第7の実施形態に係る電圧差補正装置1は、判断部2と、制御部3と、を備える。判断部2は、蓄電システムが備える複数のセルの間の電圧差を所定の時間間隔で検出する電圧差検出部が出力する電圧差の大きさに基づいて、第1補正部8または、この第1補正部8とは異なる基板に搭載された第2補正部9の少なくとも一方を選択する。制御部3は、判断部2が選択した第1補正部8または第2補正部9を駆動してこの電圧差を軽減させる。
また、情報処理装置1000内に供給されたプログラムは、読み書き可能な一時記憶メモリ1200またはハードディスクドライブ等の不揮発性の記憶装置1300に格納すればよい。
2 判断部
3 制御部
4 計算部
5 監視部
6 タイマー
7 電池モジュール
8 第1補正部
9 第2補正部
10 記憶部
11 充放電部
12 BMU基板
13 バランス基板
A 端子
B 端子
C 端子
D 切替端子
E 端子
21 セル
22 セル
24 セル
31 バランス回路
32 バランス回路
34 バランス回路
100 蓄電システム
1000 情報処理装置
1100 CPU
1200 一時記憶メモリ
1300 記憶装置
1400 記録媒体
Claims (7)
- 蓄電システムが有する複数のセル間の電圧差を所定の時間間隔で検出する電圧差検出手段が出力する電圧差の大きさに基づいて、第1補正手段または第2補正手段の少なくとも一方を選択し、前記複数のセルの電圧のうち最小のセル電圧の大きさが、電池放電特性の平坦部領域にある場合は、前記第2補正手段を選択する判断手段と、
前記判断手段が選択した前記第1補正手段または前記第2補正手段を駆動して前記電圧差を軽減するよう制御する制御手段と、を備え、
前記第2補正手段は、前記第1補正手段に比べて、定格電流が大きく、
前記電圧差は、前記複数のセルの電圧のうち最小のセル電圧と各セル電圧との差である、電圧差補正装置。 - 前記制御手段は、前記電圧差の大きさに基づいて、前記電圧差を検出する時間間隔を決定し、前記時間間隔で次に前記電圧差を検出する指令を前記電圧差検出手段に出力する請求項1に記載の電圧差補正装置。
- 前記制御手段は、前記第2補正手段を所定時間駆動した後、前記時間間隔を設定する請求項1又は2に記載の電圧差補正装置。
- 前記判断手段は、前記電圧差が所定の閾値以上である場合、前記選択を停止し、前記制御手段は前記第1補正手段及び前記第2補正手段のいずれをも駆動しない請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の電圧差補正装置。
- 前記制御手段は、前記電圧差の大きさに応じて、警告のトリガ信号を出力する請求項1に記載の電圧差補正装置。
- 蓄電システムが備える複数のセルの間の電圧差を所定の時間間隔で検出する電圧差検出手段が出力する電圧差の大きさに基づいて、第1補正手段または第2補正手段の少なくとも一方を選択し、前記複数のセルの電圧のうち最小のセル電圧の大きさが、電池放電特性の平坦部領域にある場合は、前記第2補正手段を選択する判断処理と、
前記判断処理で選択した前記第1補正手段または前記第2補正手段を駆動して前記電圧差を軽減させる制御処理と、をコンピュータに実行させ、
前記第2補正手段は、前記第1補正手段に比べて、定格電流が大きく、
前記電圧差は、前記複数のセルの電圧のうち最小のセル電圧と各セル電圧との差である、
電圧差補正プログラム。 - コンピュータが、
蓄電システムが備える複数のセルの間の電圧差を所定の時間間隔で検出する電圧差検出部が出力する電圧差の大きさに基づいて、第1補正部または第2補正部の少なくとも一方を選択し、前記複数のセルの電圧のうち最小のセル電圧の大きさが、電池放電特性の平坦部領域にある場合は、前記第2補正部を選択し、
選択した前記第1補正部または前記第2補正部を駆動して前記電圧差を軽減させ、
前記第2補正部は、前記第1補正部に比べて、定格電流が大きく、
前記電圧差は、前記複数のセルの電圧のうち最小のセル電圧と各セル電圧との差である、
電圧差補正方法。
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