以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。
(実施形態1)
図1は、本発明が適用された車両用システム100の概略的な構成の一例を示す図である。図1に示す車両用システム100は、車両用電源制御装置1、サーバ20、及び情報処理端末30を含んでいる。
まず、車両用電源制御装置1の説明を行う。車両用電源制御装置1は、太陽電池2及びバッテリ3が搭載された車両で用いられて、図1に示すように、制御部11、表示部12、及び音声出力部13を備える。また、車両用電源制御装置1は、車両に搭載されている太陽電池2、バッテリ3、エアコン4、オーディオ5、ナビゲーション装置6、通信機器7と接続されている。
表示部12は、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどを用いて構成され、制御部11の指示に従って、テキストや画像を表示する。音声出力部13は、スピーカなどを用いて構成され、制御部11の指示に従って、音声を出力する。
制御部11は、通常のコンピュータとして構成されており、内部には周知のCPU、ROMやRAMやEEPROMなどのメモリ、I/O、及びこれらの構成を接続するバスライン(いずれも図示せず)などが備えられている。制御部11は、太陽電池2、バッテリ3、エアコン4、オーディオ5、ナビゲーション装置6、通信機器7から入力された各種情報に基づき、ROMに予め記憶されているプログラムをCPUが実行することによって各種の処理を実行する。
図2に示すように、制御部11は、機能ブロックとして、太陽電池情報取得部111、バッテリ情報取得部112、動作時消費電力取得部113、待機消費電力取得部114、電源設定部115、発電電力判定部116、通知部117、バッテリ動作判定部118、動作許可部119、蓄電処理部120、処理完了時間取得部121、予測部122、継続動作判定部123、アップロード部124、及び車載機操作部125を備えている。
太陽電池情報取得部111は、太陽光発電で発電された電力(以下、発電電力)を取得する。発電電力は、太陽電池2から直接取得する構成としてもよいし、発電による電圧と電流とを太陽電池2から取得して発電電力を演算することで取得する構成としてもよい。
バッテリ情報取得部112は、バッテリの残蓄電量及び電力を取得する。バッテリ3の残蓄電量及び電力は、バッテリ3から直接取得する構成としてもよいし、以下の構成としてもよい。例えば、バッテリ3の電力は、バッテリ3の電圧を測定し、予め記憶しておいたバッテリ3の電圧と電力との関係と、測定した電圧とから決定することで取得する構成としてもよい。バッテリ3の残蓄電量については、バッテリ3の電圧に基づいて、所定の関係式やマップから求めることで取得する構成としてもよい。また、バッテリ3の出力電力、入力電力を積分してバッテリ3の残蓄電量を求めることで取得する構成としてもよい。バッテリ3の残蓄電量及び電力を、以降ではバッテリ電力情報と呼ぶ。
動作時消費電力取得部113は、車載機のアプリケーションプログラム(以下、アプリ)を動作させるために車載機にとって必要な動作時消費電力を取得する。動作時消費電力は、エアコン4、オーディオ5、ナビゲーション装置6、通信機器7といった車載機から直接取得する構成としてもよいし、予め記憶しておいた動作時消費電力を読み出すことで取得する構成としてもよい。なお、本実施形態では、車載機としてエアコン4、オーディオ5、ナビゲーション装置6、通信機器7を示すが、車載機はこの一部であってもよいし、これ以外のものであってもよい。
待機消費電力取得部114は、車載機の待機消費電力を取得する。待機消費電力については、アプリを動作させる車載機のみの待機消費電力を取得する構成としてもよいが、本実施形態では、バッテリ3が電力を供給している全ての車載機の総待機消費電力を取得する。この総待機消費電力は、各車載機からそれぞれ待機消費電力を取得して、その合計を計算することで取得する構成としてもよいし、予め計算結果を記憶しておいたものを読み出すことで取得する構成としてもよい。以降では、単に待機消費電力という場合は、この総待機消費電力を指すものとする。待機消費電力取得部114が請求項の総待機消費電力取得部に相当する。
電源設定部115は、太陽電池2とバッテリ3とのいずれか一方又は両方を電源として設定する。太陽電池2とバッテリ3とのいずれを用いるか、或いは双方を同時に用いるかは、太陽電池2の発電電力やバッテリ3に蓄電されている電力によって決定する。
電源の設定方法の詳細は後述するが、電源を、太陽電池2からバッテリ3へ、或いは太陽電池2とバッテリ3との併用に切り替えることができることに伴い、いくつかの電力制御モードに分けることができる。ここで、図3を用いて、発電電力の変化に対する電力制御モードの関係を示す。
図3のグラフは、あるアプリを車載機に動作させる場合の電源設定部115による電力制御モードの変更と発電電力との関係を表している。
本実施形態の車両用電源制御装置1は、太陽電池2の発電電力が、動作させようとしている車載機の動作時消費電力を超えている場合には、その発電電力を供給して車載機を動作させるようになっている。なお、通常動作とは、待機状態動作ではない動作状態、すなわち、本来の種々の機能を実行できる状態を言う。
図3のグラフは、縦軸が太陽電池2による発電電力、横軸が時間を示している。グラフ中の一点鎖線は、車載機の待機消費電力を示しており、二点鎖線は、アプリを動作させたときの車載機の動作時消費電力を示している。
図3のグラフ内では、発電電力、待機消費電力、動作時消費電力、バッテリ3の残蓄電量の関係によって、Phase1からPhase4までに分けている。電源設定部115は、これらのPhaseごとに電力制御モードを変更する。以下に、Phaseと制御モードとの詳細を述べる。
まず、Phase1であるが、t=0はエンジンOFF時点である。また、t=0の時点では車載機は待機状態にある。電源設定部115は、エンジンOFF後については、発電電力が動作予定の車載機の動作時消費電力を超えるまでは、アプリを動作させず、待機状態、すなわち、低消費電力モードとする。このときに必要な電力として、待機消費電力があるが、Phase1では、待機消費電力をバッテリ3から供給する。なお、太陽光発電がt=1から開始されているが、Phase1では、発電電力は蓄電処理部120がバッテリ3に蓄電する。バッテリ3の電力が待機消費電力を下回っている場合にPhase1の動作となる。
t=2からt=3までがPhase2である。t=2において、太陽電池2の発電電力のみで、アプリの動作に必要な動作時消費電力を上回るので、t=2からは太陽電池2のみを電力の供給源としてアプリを動作させることができる。このPhase2は、太陽電池2でアプリを動作させることができる太陽光動作モードであり、太陽電池2の発電電力がアプリの動作時消費電力を下回るt=3まで継続される。なお、発電電力のうち、動作時消費電力を上回る余剰分の電力は、蓄電処理部120がバッテリ3へ蓄電する。
Phase3であるが、t=3において、太陽電池2の発電電力がアプリの動作時消費電力を下回ると、太陽電池2だけではアプリを動作させられないので、電力の供給源を太陽電池2のみから、バッテリ3を供給源とするバッテリ動作モードへ変更する。このバッテリ動作モードにおいては、電力の供給源をバッテリ3のみとしてもよいし、発電電力が0になるt=4までは、バッテリ3と太陽電池2とを併用してもよい。太陽電池2による電力供給とバッテリ3による電力供給を併用する場合は、2つの電源を直列に繋いで、両方からの電力を車載機に供給できるように電源の接続を切り替える。
バッテリ動作モードとした後、バッテリ3の電力が低下してきたt=5では、低消費電力モードへ切り換える。切り替え後がPhase4である。t=5以降は、アプリは動作させず、車載機が待機消費電力で動作する低消費電力モードに戻る。このときの電源の供給はバッテリ3のみによって行う。
また、図3には示していないが、低消費電力モードにおいて、バッテリ3の電力が待機消費電力を下回ると、車載機の待機状態も維持できなくなるので、車載機自体をOFFにする制御を行う。
なお、発電電力判定部116、通知部117、バッテリ動作判定部118、動作許可部119、蓄電処理部120、処理完了時間取得部121、予測部122、継続動作判定部123、アップロード部124、及び車載機操作部125については後に詳述する。
図1に戻って、サーバ20は、車両の外部に設けられるものであって、図4に示すように、通信部21、データベース22、及び制御部23を備えている。
通信部21は、基地局やインターネットを介して、通信機器7や情報処理端末30との間で通信を行う。データベース22は、通信機器7を介して車両用電源制御装置から送信されてくる情報や情報処理端末30から送信されてくる情報を格納する。データベース22が請求項の格納部に相当する。
制御部23は、通常のコンピュータとして構成されており、内部には周知のCPU、ROMやRAMやEEPROMなどのメモリ、I/O、及びこれらの構成を接続するバスライン(いずれも図示せず)などが備えられている。制御部23は、通信部21、データベース22から入力された各種情報に基づき、ROMに予め記憶されているプログラムをCPUが実行することによって各種の処理を実行する。
図4に示すように、制御部23は、機能ブロックとして、受信処理部231、送信処理部232、認証処理部233、状況情報格納処理部234、及び車載機操作指示部235を備えている。
受信処理部231は、通信部21で受信した情報を取得し、送信処理部232は、通信部21から情報を送信させる。認証処理部233は、公知の認証に関する処理を行う。状況情報格納処理部234及び車載機操作指示部235については後に詳述する。
図1に戻って、情報処理端末30は、車両の外部で用いられるものであって、図5に示すように、操作入力部31、通信部32、表示部33、及び制御部34を備えている。情報処理端末30としては、例えば携帯電話機やタブレット端末やノートPCやデスクトップPC等がある。
操作入力部31は、ユーザからの操作入力を受け付ける。通信部32は、基地局やインターネットを介して、サーバ20との間で通信を行う。表示部33は、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどを用いて構成され、制御部34の指示に従って、テキストや画像を表示する。
制御部34は、通常のコンピュータとして構成されており、内部には周知のCPU、ROMやRAMやEEPROMなどのメモリ、I/O、及びこれらの構成を接続するバスライン(いずれも図示せず)などが備えられている。制御部34は、操作入力部31、通信部32から入力された各種情報に基づき、ROMに予め記憶されているプログラムをCPUが実行することによって各種の処理を実行する。図5に示すように、制御部34は、機能ブロックとして、受信処理部341、送信処理部342、及び画面表示処理部343を備えている。
受信処理部341は、通信部32で受信した情報を取得し、送信処理部342は、通信部32から情報を送信させる。画面表示処理部343は、表示部33にテキストや画像を表示させる処理を行う。
次に、図6のフローチャートを用いて、アプリを動作させる場合における車両用電源制御装置1の制御部11での電力制御モードの変更に関連する処理(以下、動作モード変更関連処理)について説明する。アプリの動作要求は、車載機から制御部11に通知される。図6のフローチャートでは、エンジンOFF時にフローを開始する。エンジンOFFであるため、エンジン回転によるバッテリ3への蓄電は行われない状態にある。
まず、ステップS1では、前述したようにして、太陽電池情報取得部111が発電電力を、バッテリ情報取得部112がバッテリ電力情報を、動作時消費電力取得部113が動作時消費電力を、待機消費電力取得部114が待機消費電力を取得し、ステップS2に移る。なお、太陽電池2の発電電力は、図3に示されたように、時間経過と共に変化していく。そこで、ステップS1で取得する情報は取得の時点で最新のものとしておく。
ステップS2では、発電電力判定部116が、ステップS1で取得した発電電力と動作時消費電力とを比較して、太陽電池2の発電電力のみでアプリを動作させることが可能か否かを判定する。具体的には、太陽電池2の発電電力が動作時消費電力を上回っている場合に動作可能であると判定し、上回っていない場合に動作不可能と判定する。そして、太陽電池2のみで動作可能と判定した場合(ステップS2でYES)には、ステップS3に移り、太陽電池2のみでは動作不可能と判定した場合(ステップS2でNO)には、ステップS5に移る。
ステップS3では、通知部117が、太陽電池2を電力の供給源としてアプリの動作が可能であることを、そのアプリを動作させる車載機へ通知し、ステップS4に移る。ステップS4では、電源設定部115が、太陽電池2を、アプリを動作させる車載機に対する電源として設定し、ステップS12に移る。
ステップS2で太陽電池2のみでは動作不可能と判定した場合のステップS5では、バッテリ動作判定部118が、バッテリ3の電力のみでアプリを動作させることが可能か否かを判定する。具体的には、ステップS1で取得したバッテリ電力情報のうちのバッテリ3の電力と、動作時消費電力とを比較して、バッテリ3の電力が動作時消費電力を上回っている場合に動作可能であると判定し、上回っていない場合に動作不可能と判定する。そして、バッテリ3のみで動作可能と判定した場合(ステップS5でYES)には、ステップS6に移り、バッテリ3のみでは動作不可能であると判定した場合(ステップS5でNO)には、ステップS8に移る。
ステップS6では、通知部117が、バッテリ3を電力の供給源としてアプリの動作が可能であることを、そのアプリを動作させる車載機へ通知し、ステップS7に移る。そして、ステップS7では、電源設定部115が、バッテリ3を、アプリを動作させる車載機に対する電源として設定し、ステップS12に移る。
ステップS7での設定の直前の状態が、電源として太陽電池2のみを設定している場合であった場合には、電源をバッテリ3に完全に切り替える設定としてもよいし、太陽電池2の発電電力がなくなるまでバッテリ3と併用する設定としてもよい。
ステップS5でバッテリ3でも動作不可能と判定した場合のステップS8では、通知部117が、アプリの動作停止を車載機へ通知し、ステップS9に移る。アプリを動作するには電力が足りない場合であっても、アプリを動作させる車載機の待機消費電力であればバッテリ3から供給できる場合が多いので、ステップS9では、バッテリ3を車載機に対する電源として設定し、ステップS10に移る。
ステップS10では、バッテリ動作判定部118が、バッテリ3のみでアプリを動作させる車載機を動作させることが可能か否かを判定する。具体的には、ステップS1で取得したバッテリ電力情報のうちのバッテリ3の電力と、待機消費電力とを比較して、バッテリ3の電力が待機消費電力を上回っている場合に動作可能であると判定し、上回っていない場合に動作不可能と判定する。そして、車載機の動作可能と判定した場合(ステップS10でYES)には、ステップS12に移り、車載機の動作不可能であると判定した場合(ステップS10でNO)には、ステップS11に移る。
車載機の動作不可能であると判定した場合は、車載機の待機状態を維持することすらできないので、ステップS11では、動作許可部119が車載機の動作を許可せず、車載機をOFFにする。
ステップS12では、太陽電池情報取得部111が太陽電池2の発電電力を一定時間ごとに取得するとともに、バッテリ情報取得部112がバッテリ3の電力を一定時間ごとに取得するモニタリングを行い、ステップS13に移る。このモニタリング自体にも電力を消費するので、このモニタリングによる電力消費をなるべく抑えるために、状況に応じた間隔でモニタリングすることが望ましい。例えば太陽電池2から電力を供給できているときには10秒間隔であっても、バッテリ3のみで電力を供給しているときには、それよりも相対的に長い間隔、例えば10分間隔にする。また、アプリを動作させられない状態のときには3時間に1回、且つ、夜間は行わないなどのモニタリング間隔を設定する構成とすればよい。
ステップS13では、ステップS12のモニタリングの結果、電力制御モードに変更がある場合(ステップS13でYES)には、ステップS1に戻ってフローを繰り返す。一方、電力制御モードに変更がない場合(ステップS13でNO)には、ステップS12に戻ってフローを繰り返す。
S13からS1に戻る場合には、以下の3つのケースが考えられる。ケース1は、一度目の動作モード変更関連処理時に太陽電池2で車載機が動作可能である場合である。ケース2は、一度目の動作モード変更関連処理時に太陽電池2のみでは車載機の動作不可能であるが、バッテリ3を用いることにより車載機が動作可能である場合である。ケース3は、一度目の動作モード変更関連処理時に、バッテリ3を用いても車載機が動作不可能な場合である。ケース1から順番に説明する。
ケース1は、一度目の動作モード変更関連処理のS2において、太陽電池2のみで動作可能と判定していた場合である。この電力制御モードのイメージを図5に模式的にPhase:Aとして示した。Phase:Aでは、太陽電池2の発電電力S(i)が動作時消費電力(L)を越えていることから太陽光動作モードでアプリを動作させている。
このPhase:Aからの変更の可能性として、例えば、天気や太陽の位置の変化といった外的要因によって太陽電池2の発電電力がアプリの動作時消費電力(L)を下回った場合が考えられる。図7では、Phase:Bに変化することを指す。
このケース1において、S2、S5における再度の判定結果は二つに分けることができる。一つ目のケース1−1は、バッテリ3の電力がアプリの動作に十分なだけあり、バッテリ3によってアプリが動作可能と判断するケースである。つまり、S13からS1に戻り、S2でNOとなるのでS5へ進み、S5でYESとなるケースである。二つ目の1−2は、バッテリ3の電力がアプリの動作に十分なほどはなく、S5でNOとなるケースである。これが、図7のPhase:Cにあたる。
ケース1−1の場合は、S7で電源をバッテリ3に切り替えて、バッテリ3の電力でアプリを引き続き動作させつつ、S12で太陽電池2及びバッテリ3の電力をモニタリングする。バッテリ3でアプリを動作させている間に、外的要因がなくなって太陽光発電が再び可能になり、太陽電池2の発電電力が動作時消費電力以上まで回復すると、電力制御モードに変更があった(つまり、S13でYES)として、またS1へ戻ることもある。発電電力が回復した場合の一例が、図7のPhase:Dである。
しかし、太陽電池2発電電力が回復せず、バッテリ3の残蓄電量が図5の最低限残しておきたいバッテリ3の残蓄電量(Bk)を下回る場合にも、電力制御モードに変更あり(つまり、S13でYES)として、S1へ戻った後、再度、S2、S5の判定を行う。この場合は、S2、S5の両方でNOとなり、S8でアプリの停止となる。
ケース1−2の場合は、バッテリ3の電力がアプリの動作に十分なほどはないので、S8でアプリを停止させる。さらに、S9で電源はバッテリ3に切り替える。このとき、バッテリ3が待機消費電力を供給可能であれば、S10でYESとなり、S12でモニタリングを継続する。アプリを動作させる車載機を待機状態に維持している間に、ケース1−1のように、外的要因がなくなって太陽光発電が再び可能になり、発電電力が回復すると、電力制御モードに変更があった(つまり、S13でYES)として、またS1へ戻ることもある。また、バッテリ3の残蓄電量が前述の残蓄電量Bkを下回った場合にも電力制御モードに変更あり(つまり、S13でYES)として、再度判定を行うこともある。
ケース2は、一度目の処理のS2において、太陽電池2の発電電力のみでは動作不可能と判定されたが(つまり、S2でNO)、S5において、バッテリ3でアプリの動作可能と判定された場合である。このケース2も二つに分けることができる。
一つ目のケース2−1では、バッテリ3で電力を供給していたが太陽光発電が後から開始された場合、発電電力によって電力制御モードに変更があった(つまり、S13でYES)として、ステップS2で再度判定を行って、ステップS4で太陽電池2に電源を切り替える。
一方で、二つ目のケース2−2では、バッテリ3で電力を供給していたが、バッテリ3の残蓄電量が前述の残蓄電量Bk以下になった場合にも、電力制御モードに変更があった(つまり、S13でYES)として、再度判定を行う。この場合は、S2、S5の両方でNOとなり、S8でアプリの停止となる。
最後に、ケース3として、一度目の処理でバッテリ3の電力が車載機を動作させる電力以下、且つ、車載機の待機消費電力以上であり、アプリは動作させず車載機の待機状態を継続していた場合がある。このケース3も二つに分けることができる。
一つ目のケース3−1では、太陽電池2の発電電力が車載機の動作消費電力を越える(つまり、二度目の処理のS2でYES)か、ケース3−2として、バッテリ3の電力が走行に影響が出るほどに減ったとして(二度目の処理のS310判定がNO)システムOFF(S311)となる。
その他に、例えばアプリの動作中にエンジンONとなり、エンジン回転によるバッテリ3への蓄電が開始されて、バッテリ3の電力が増える可能性もある。
ステップS13では、以上列挙したような各状態のいずれに当てはまるかに応じて、モニタリングを開始したステップS12のときに設定されていた電力制御モードから変更がある場合には、ステップS1へ戻る。
ここまでの本実施形態の構成によれば、太陽電池2の発電電力で車載機を動作させることができる場合にはバッテリ3の電力は用いず、太陽電池2の発電電力を用いて車載機を動作させるので、バッテリ3の電力消費が抑制される。その結果、バッテリ上がりを防止しつつ、車載機を動作させることができる。また、太陽電池2の発電電力が車載機の動作時消費電力よりも小さい場合でも、バッテリ3の電力を利用することで車載機を動作せることができる場合には、バッテリ3の電力を利用して車載機を動作させる。よって、車載機の作動時間を長くすることができる。しかも、バッテリ3の電力が待機時消費電力以下であれば、バッテリ3の電力を利用した車載機の通常動作を行わさせないので、この点でもバッテリ上がりを抑制できる。
また、電源をバッテリ3に切り替えた後も、太陽電池2の発電電力を一定時間ごとに取得して監視するので、太陽電池2による発電電力が回復した際には、再度、太陽電池2を車載機の電源に切り替えることができ、より長い間、車載機を動作させることが可能である。
さらに、車載機の動作に用いていない余剰分の発電電力は、バッテリ3に蓄電することから、発電電力を無駄にすることもない。
なお、動作モード変更関連処理として、以下の構成(以下、変形例1)もとり得る。ここで、図8のフローチャートを用いて変形例1における動作モード変更関連処理について説明する。
図8のフローチャートは、車両搭乗前にアプリを自動的にスタートさせる場合、若しくは、アプリが中断できないインストール又は続き再開をできないインストールを実施中にエンジンOFFになった場合に開始する。
車両搭乗前の判定は、例えばユーザが車両に搭乗する際にドアロックを解除したことを検出できれば、これを搭乗前と判定する。そして、アプリを動作させる車載機をユーザがONにしなくとも、自動でアプリをスタートする。また、ナビゲーション装置6にユーザの搭乗予定が記録されている場合は、それを利用してもよい。
また、実行するアプリとしては、各種コンテンツ(楽曲、動画、画像、ニュース、株価、POI)をダウンロードするアプリがある。このアプリを車両搭乗前に自動的に動作させる場合、動作開始時点は、上述した、搭乗予定を検出できた時点がある。また、車両に乗員がいない状態(この状態は、例えばエンジンOFFにより推定)は、次の搭乗前とも言える。従って、車両に乗員がいない状態を検出した時点で図8のフローチャートの処理を実行してもよい。また、上記コンテンツは逐次更新されることから、図8のフローチャートの処理も、エンジンOFFの状態で周期的に行ってもよい。この場合の周期は、ユーザ操作により上記コンテンツをダウンロードしたときの周期に基づいて決定する。
まず、ステップS21では、前述のステップS1と同様にして、ステップS22に移る。ステップS22では、処理完了時間取得部121が、現在動作させようとしている、若しくは動作しているアプリの処理を完了するために必要な処理時間(以下、処理完了時間)を取得する。この処理完了時間は、アプリを動作させる車載機から取得する構成とすればよい。車載機は、処理完了時間を、例えば、データのダウンロードであれば、通信速度と、ダウンロードする残データ量とから算出するものとすればよい。なお、ダウンロード開始時は、残データ量として全データ量を用いることになる。
ステップS23では、継続動作判定部123が、バッテリ3及び太陽電池2を電源として用いて車載機のアプリを所定時間以上継続して動作させることが可能か否かを判定する。ステップS23では、ステップS21で取得したバッテリ3の残蓄電量と、太陽電池2における今後の発電電力量の予測値(以下、予測発電量)とを加算する。これを保有電力量とする。
予測発電量は、予測部122が算出する。予測発電量は、発電電力に発電見込み時間を乗じたものである。発電電力は現時点のものを用いる。ただし、日照量情報から発電電力の変動を予測してもよい。日照量情報とは、日照量の変化に関連する種々の情報であり、例えば、現在時刻、日付、天候、位置、さらには、これらに対応した過去実績値などがある。また、発電見込み時間は、予め設定された一定時間でもよいし、上記日照量情報から都度、決定してもよい。予め設定された一定時間としては、最も安全側の時間として0とすることが好ましい。
日照量情報に基づいて決定する場合には、予め設定された関係式やマップに基づいて決定する。また、外部のセンターへこれらの情報を送信して、センターから、予測発電量、或いは、予測される発電電力及び発電見込み時間の一方、又は両方を取得して予測発電量を算出する構成としてもよい。
また、ステップS23では、ステップS21で取得した動作時消費電力と、ステップS22で取得したアプリの処理完了時間から、トータル消費電力量を算出する。そして、保有電力量とトータル消費電力量とを比較することによって、バッテリ3及び太陽電池2を電源として用いて車載機のアプリを所定時間以上継続して動作させることが可能か否かを判定する。ここで言うところの所定時間とは、アプリの処理が完了できる時間である。よって、ステップS23では、アプリの処理が完了できるか否かを判定する。そして、アプリの処理が完了できると判定した場合(ステップS23でYES)には、ステップS24へ移り、アプリの処理が完了できないと判定した場合(ステップS23でNO)には、ステップS29へ移る。
ステップS24では、ステップS2と同様にして、発電電力判定部116が、太陽電池2のみでアプリを動作させることが可能か否かを判定する。そして、太陽電池2のみで動作可能と判定した場合(ステップS24でYES)には、ステップS25に移り、太陽電池2のみでは動作不可能と判定した場合(ステップS24でNO)には、ステップS27に移る。
ステップS25では、通知部117が、アプリの起動若しくは継続可能であることを、アプリを動作させる車載機へ通知し、ステップS26に移る。ステップS26では、電源設定部115が、太陽電池2を、アプリを動作させる車載機に対する電源として設定し、ステップS33に移る。
一方、ステップS27でも、通知部117が、アプリの起動若しくは継続可能であることを、アプリを動作させる車載機へ通知し、ステップS28に移る。ステップS28では、電源設定部115が、バッテリ3を、アプリを動作させる車載機に対する電源として設定し、ステップS33に移る。
ステップS23でアプリの処理が完了できないと判定した場合のステップS29では、通知部117が、アプリの動作停止を車載機へ通知し、ステップS30に移る。アプリを動作するには電力が足りない場合であっても、アプリを動作させる車載機の待機消費電力であればバッテリ3から供給できる場合が多いので、ステップS30では、バッテリ3を車載機に対する電源として設定し、ステップS31に移る。
ステップS31では、ステップS10と同様にして、バッテリ動作判定部118が、バッテリ3のみでアプリを動作させる車載機を動作させることが可能か否かを判定する。そして、車載機の動作可能と判定した場合(ステップS31でYES)には、ステップS33に移り、車載機の動作不可能であると判定した場合(ステップS31でNO)には、ステップS32に移る。
車載機の動作不可能であると判定した場合は、車載機の待機状態を維持することすらできないので、ステップS32では、動作許可部119が車載機の動作を許可せず、車載機をOFFにする。
ステップS33では、前述のステップS12と同様に、太陽電池2の発電電力及びバッテリ3の電力を一定時間ごとに取得するとともに、処理完了時間取得部121が処理完了時間を一定時間ごとに取得するモニタリングを行い、ステップS34に移る。
ステップS34では、ステップS33のモニタリングの結果、電力制御モードに変更がある場合、又はアプリの処理が完了できない場合(ステップS34でYES)には、ステップS21に戻ってフローを繰り返す。一方、電力制御モードに変更がないとともに、アプリの処理が完了できる場合(ステップS34でNO)には、ステップS33に戻ってフローを繰り返す。アプリの処理が完了できるか否かは、ステップS33でモニタリングの結果をもとに継続動作判定部123で判定する。
変形例1の構成によれば、アプリの起動前にアプリの処理が完了可能か否かを判定するので、アプリの処理内容が途中で中断するとトラブルが生じたり、動作を最初からやり直さなければならなくなったりする状況が生じる場合に、電力を途中で供給することができなくなって上記状況が生じてしまうことを抑制することができる。
なお、動作モード変更関連処理として、以下の構成(以下、変形例2)もとり得る。ここで、図9のフローチャートを用いて変形例2における動作モード変更関連処理について説明する。図9のフローチャートは、ナビゲーション装置6を動作させて、ナビゲーション装置6の記憶装置に格納された道路地図を更新するアプリ(以下、地図更新アプリ)を実行する場合に開始する。
まず、ステップS41では、前述のステップS1と同様にして、ステップS42に移る。ステップS42では、バッテリ3及び太陽電池2を電源として用いてナビゲーション装置6を継続して所定時間(T分)だけ動作させることができるか否かを判定するための演算を行う。地図更新アプリの動作の場合、継続動作時間があまり短いと効率的でないことから、このステップS42の演算を行う。上記T分は予め設定されている。
ステップS42の演算としては、予測部122が今後T分間の発電電力の変化を予測する。今後T分間の発電電力の変化は、前述の日照量情報をもとに予測部122で算出する構成とすればよい。そして、継続動作判定部123が、ケースA、B、Cのいずれに属するかを判定する。
今後T分間の発電電力のうちの最低値が、ナビゲーション装置6の動作時消費電力を越えている場合には、ケースAに属すると判定する。ケースAの場合、地図更新アプリのT分間の動作を、太陽電池2の発電電力のみで行えると予測できることになる。
続いて、動作時消費電力にTを乗じて算出したT分間の消費電力量を現在のバッテリ3の残蓄電量から差し引いた値(以下、処理後残量)が、バッテリ3に最低限残しておきたい残蓄電量Bkよりも大きい場合には、ケースBに属すると判定する。ケースBの場合、地図更新アプリのT分間の動作をバッテリ3の電力のみで行っても、バッテリ3の残蓄電量として上記残蓄電量Bkを確保できることになる。なお、この残蓄電量Bkは適宜設定できる。
一例としては、車両がバッテリ3の電力を走行の動力源としている場合には、一定距離走行できるだけの電力量とする。また、走行の動力源としていない場合には、エンジンを始動させることができる電力量とする。さらに、上記ケースA、Bのいずれにも属さない場合をケースCと判定する。この場合には、本実施形態では地図更新アプリは実施しない。
ステップS43では、発電電力判定部116が、太陽電池2の発電電力のみで地図更新アプリを動作させることが可能か否かを判定する。具体的には、上記ケースAに属すると判定されていた場合に動作可能であると判定し、ケースB、Cに属すると判定されていた場合に動作不可能と判定する。
そして、太陽電池2のみで動作可能と判定した場合(ステップS43でYES)には、ステップS44に移り、太陽電池2のみでは動作不可能と判定した場合(ステップS43でNO)には、ステップS46に移る。ステップS44、S45の処理は、前述のステップS25、S26の処理と同様である。
ステップS46では、バッテリ動作判定部118が、バッテリ3の電力のみで地図更新アプリを動作させることが可能か否かを判定する。具体的には、上記ケースBに属すると判定されていた場合に動作可能であると判定し、ケースCに属すると判定されていた場合に動作不可能と判定する。
そして、バッテリ3のみで動作可能と判定した場合(ステップS46でYES)には、ステップS47に移り、バッテリ3のみでは動作不可能であると判定した場合(ステップS46でNO)には、ステップS49に移る。ステップS47〜ステップS52の処理は、前述のステップS27〜ステップS32の処理と同様であり、ステップS53〜ステップS54の処理は、前述のステップS12〜ステップS13の処理と同様である。
変形例2の構成によれば、地図更新アプリをT分間動作させる場合に限り、そのアプリを動作させるので、短時間しか地図更新アプリを動作させることができないにも関わらず、地図更新アプリを動作させてしまうことを防止できる。
なお、動作モード変更関連処理としては、アプリを動作させる場合に限らず、通信システムを動作させる場合の以下の構成(以下、変形例3)もとり得る。ここで、図10のフローチャートを用いて変形例3における動作モード変更関連処理について説明する。
図10のフローチャートで動作させる通信システムは、ここでは、キーレスエントリや、エアコンのリモートコントロールなどを行う通信システムとする。通信システムは、車両に搭載される通信機器7を含み、通信システムを動作させる場合、この通信機器7を動作させるものとする。また、通信システムは、車両外部の基地局と通信が可能であり、インターネットを通して外部のサーバ20に接続できるものとする。
また、サーバ20は、情報処理端末30から送信されるキーレスエントリ入力やリモートコントロール入力などのユーザ操作による入力情報を、データベース22に格納しておくものとする。また、サーバ20のデータベース22は、車外からユーザが通信システムとの通信を開始しようとしても、通信システムと直接通信できない場合に、一旦ユーザからの前記入力情報を蓄積しておくことができる。
図10のフローチャートは、エンジンOFF時にフローを開始する。通信システムの起動要求は、車外の情報処理端末からの入力を通信機器7が受信し、通信機器7から制御部11に通知される。
まず、ステップS61の処理は、前述のステップS1と同様である。ステップS62では、前述のステップS2と同様にして、発電電力判定部116が、太陽電池2の発電電力のみで通信システムの通信動作をさせることが可能か否かを判定する。そして、太陽電池2のみで通信動作可能と判定した場合(ステップS62でYES)には、ステップS63に移り、太陽電池2のみでは通信動作不可能と判定した場合(ステップS62でNO)には、ステップS66に移る。
ステップS63では、通知部117が、常時通信接続中の設定を行うよう通信システム(つまり、通信機器7)に通知を行い、ステップS64に移る。先のステップS62で太陽電池2の発電電力のみで通信システムの動作が可能であると判定されており、太陽電池2の発電電力を用いる限りはバッテリ3が上がる心配はない。そこで、電力消費量は多いが、利便性の高い常時通信接続を行うのである。
ステップS64では、通知部117が、サーバ20のデータベース22に記録している通信システムの状態を常時通信可に変更するように指示する通知を行う。その上で、ステップS65では、電源設定部115が、太陽電池2を、通信システムの動作に必要な電力の電源として設定する。
ステップS62で太陽電池2のみで通信動作不可能と判定した場合のステップS66では、ステップS5と同様にして、バッテリ動作判定部118が、バッテリ3の電力のみで通信動作可能か否かを判定する。そして、バッテリ3のみで通信動作可能と判定した場合(ステップS66でYES)には、ステップS67に移り、バッテリ3のみでは通信動作不可能であると判定した場合(ステップS66でNO)には、ステップS70に移る。
ステップS67では、通知部117が、簡易通信中の設定を行うよう通信システムに通知を行い、ステップS68に移る。簡易通信とは、通信機器7側から一定間隔でサーバ20へ接続し、ユーザからのメッセージ(つまり、前述の入力情報)を確認する方法である。簡易通信は、常時通信より電力の消費は少ないが、サーバ20へ接続するまでユーザの入力に気づかないので、ユーザの入力に対する処理が、常時接続時に比べると遅くなる。
ステップS68では、通知部117が、サーバ20のデータベース22に記録している通信システムの状態を簡易通信設定に変更するように指示する通知を行う。その上で、ステップS69では、電源設定部115が、バッテリ3を、通信システムの動作に必要な電力の電源として設定する。
ステップS66でバッテリ3でも通信動作不可能と判定した場合のステップS70では、通知部117が、通信不可の設定を行うように通信システムに通知を行い、ステップS71に移る。このとき、通信システム(詳しくは、通信機器7)からサーバ20へ通信不可の設定の指示を送信し、この指示をもとにサーバ20から情報処理端末30に対して、通信システムが通信不可である信号を送信する。通信不可である信号は、例えば、情報処理端末30に通信システムが通信不可を示すメッセージを表示させたり、通信不可を示すランプを点灯させたりする。
ステップS71では、動作許可部119が通信機器7の動作を許可しない。その上で、ステップS72として、ステップS9と同様にして、バッテリ3を通信システムに対する電源として設定する。通信システムの待機消費電力を供給できる場合が多いからである。
ステップS73では、ステップS10と同様にして、である。待機消費電力を供給するだけの電力がバッテリ3にある場合、通信システム動作可能と判定(ステップS73でYES)し、ステップS75に移る。待機消費電力を供給するだけの電力がバッテリ3になければ、通信システム動作不可能と判定(ステップS73でNO)し、ステップS74に移る。ステップS74では、通信システムをOFFにする。
ステップS75〜ステップS76の処理は、ステップS12〜ステップS13の処理と同様である。電力制御モードに変更があった場合(ステップS76でYES)には、ステップS61へ戻り、フローを繰り返す。また、電力制御モードに変更がなかった場合(ステップS76でNO)には、ステップS75へ戻り、フローを繰り返す。
変形例3の構成によれば、太陽電池2を搭載した車両において、バッテリ3上がりを抑制しつつ、通信機器7の作動時間を長くする。
次に、図11〜図13を用いて、車両用システム100における遠隔確認に関する処理について説明する。先に、図11のシーケンス図を用いて、車両における電力状況についての情報や車載機の状況についての情報といった状況情報のアップロードに関する処理について説明する。以下では、車両における電力状況についての情報を電力状況情報と呼び、車載機の状況についての情報を車載機状況情報と呼ぶ。
まず、車両用電源制御装置1の制御部11のアップロード部124が、状況情報を収集し、通信機器7を介して収集した状況情報をサーバ20へ転送する(t1)。状況情報は、前述したように、電力状況情報や車載機状況情報がある。
電力状況情報としては、例えば太陽電池2の発電電力や発電量、バッテリ3の残蓄電量、車載機の待機消費電力や動作時消費電力や消費電力量がある。消費電力量は、車載機が待機状態の場合は待機消費電力量であって、車載機が動作状態の場合は動作時消費電力量である。他にも、電力状況情報としては、発電場所や発電日時や天気等の太陽電池2の発電に関する情報を含んでもよい。また、電力状況情報としては、現在、過去、未来についての情報を含んでいてもよい。未来の電力状況情報については、前述の日射量情報を利用したり、前述の予測部122で算出した予測発電量を利用したりする構成とすればよい。
車載機状況情報としては、車載機のアプリの進捗状況や車載機の動作状況等がある。車載機のアプリの進捗状況としては、動作アプリ名、アプリの進捗率、アプリの開始時間、アプリの完了予想時刻等がある。車載機の動作状況としては、車載機名、動作の有無、動作の可否、エアコン4の風量といった車載機の設定値等がある。
また、アップロード部124がサーバ20へ転送する情報としては、状況情報の他にも、車両を認証するための車両IDや車両の正規ユーザを認証するためのユーザID、パスワード等の認証用情報もある。
車両用電源制御装置1から通信機器7を介して転送される状況情報や認証用情報は、サーバ20の通信部21を介して、サーバ20の受信処理部231が受信する(t2)。続いて、受信処理部231で受信した認証用情報のうちの車両IDをもとに、サーバ20の認証処理部233が、状況情報の転送元の車両を認証する(t3)。認証が不成立であった場合は、正規の車両からの転送でないものとして、以降の処理は行わないものとする。
続いて、受信処理部231で受信した状況情報及び認証用情報を、サーバ20の状況情報格納処理部234がデータベース22に格納する(t4)。データベース22への状況情報の格納は、車両ごとに行われるものとする。また、データベース22への状況情報の格納は、車載機ごとに行われるものとする。
ここで、図12を用いて、データベース22に格納された状況情報の一例を示す。図12は、データベース22に格納された電力状況情報の一例を示す模式図である。図12の例では、電力状況情報は、過去、現在、未来についての発電場所、天気、発電量、バッテリ残蓄電量、消費電力量からなっている。未来についての発電場所は不定とする。
次に、図13のシーケンス図を用いて、状況情報の閲覧に関する処理について説明する。まず、情報処理端末30の制御部34で、状況情報の閲覧のための専用アプリを立ち上げる(t21)。専用アプリの立ち上げは、操作入力部31でユーザから専用アプリを立ち上げる旨の操作入力を受け付けた場合に行う構成とすればよい。専用アプリは情報処理端末に予めインストールされているものであって、このインストールはユーザが所望する任意のタイミングで行われるものとする。
専用アプリの立ち上げ後、情報処理端末30の送信処理部342が、ユーザIDやパスワード等のユーザ認証用情報を、情報処理端末30の通信部32からサーバ20へ送信させる(t22)。ユーザIDについては、情報処理端末30の不揮発性メモリに予め格納されているものを読み出して用いる構成としてもよいし、情報処理端末30の操作入力部31でユーザから操作入力を受け付けたものを用いる構成としてもよい。パスワードは、操作入力部31でユーザから操作入力を受け付けたものを用いる構成とすればよい。
情報処理端末30から送信されたユーザ認証用情報を、通信部21を介してサーバ20の受信処理部231が受信する(t23)と、このユーザ認証用情報をもとに、認証処理部233がユーザを認証する(t24)。認証が不成立であった場合は、正規のユーザでないものとして、以降の処理は行わないものとする。
認証が成立すると、そのユーザに対応する車両についての状況情報のデータベース22での格納先(つまり、参照先)が確定する(t25)。これは、データベース22に前述したようにユーザIDと車両IDとが認証用情報として格納されており、ユーザと車両との紐付けがなされているからである。状況情報の参照先が確定すると、サーバ20の送信処理部232が参照許可を通信部21から情報処理端末30へ送信させる(t26)。
サーバ20から送信された参照許可を、通信部32を介して情報処理端末30の受信処理部341が受信(t27)した後、情報処理端末30の送信処理部342が、ユーザが指定した状況情報を要求するユーザ指定情報要求を、情報処理端末30の通信部32からサーバ20へ送信させる(t28)。ユーザからの状況情報の指定は、情報処理端末30の操作入力部31で受け付ける構成とすればよい。
情報処理端末30から送信されたユーザ指定情報要求を、通信部21を介してサーバ20の受信処理部231が受信(t29)すると、サーバ20の送信処理部232が、ユーザ指定情報要求で要求された状況情報をデータベース22から読み出し、通信部21から情報処理端末30へ送信させる(t30)。
サーバ20から送信された状況情報を、通信部32を介して情報処理端末30の受信処理部341が受信(t31)すると、受信した状況情報を、情報処理端末30の画面表示処理部343が専用アプリによって加工する(t32)。よって、サーバ20から受信する状況情報が請求項の状況表示用情報に相当し、受信処理部341が請求項の状況表示用情報取得部に相当し、画面表示処理部343が請求項の端末側加工部343に相当する。専用アプリによって状況情報を加工した後、画面表示処理部343は、加工した状況情報を表示部33に表示させる(t33)。例えば、時間変化する電力状況情報をグラフ化して表示させるなどすればよい。
以上の構成によれば、車両における電力状況についての情報や車載機の状況についての情報をユーザが遠隔確認することが可能になる。
次に、図14を用いて、車両用システム100における遠隔操作に関する処理について説明する。まず、情報処理端末30の制御部34で、車載機の遠隔操作のための専用アプリを立ち上げる(t41)。専用アプリの立ち上げは、操作入力部31でユーザから専用アプリを立ち上げる旨の操作入力を受け付けた場合に行う構成とすればよい。専用アプリは情報処理端末に予めインストールされているものとする。
専用アプリの立ち上げ後、前述のt22と同様にして、情報処理端末30の送信処理部342がユーザ認証用情報をサーバ20へ送信させる(t42)。情報処理端末30から送信されたユーザ認証用情報を、通信部21を介してサーバ20の受信処理部231が受信する(t43)と、このユーザ認証用情報をもとに、前述のt24と同様にして、認証処理部233がユーザを認証する(t44)。認証が不成立であった場合は、正規のユーザでないものとして、以降の処理は行わないものとする。
認証が成立すると、サーバ20の送信処理部232が参照許可を通信部21から情報処理端末30へ送信させる(t45)。サーバ20から送信された参照許可を、通信部32を介して情報処理端末30の受信処理部341が受信(t46)した後、情報処理端末30の送信処理部342が、ユーザが車載機の遠隔操作を指示する車載機操作情報を、情報処理端末30の通信部32からサーバ20へ送信させる(t47)。車載機操作情報は、情報処理端末30の操作入力部31でユーザから受け付ける構成とすればよい。
情報処理端末30から送信された車載機操作情報を、通信部21を介してサーバ20の受信処理部231が受信(t48)すると、サーバ20の車載機操作指示部235が、車載機操作情報が示す車載機の操作に対応するコマンドを送信処理部232に送信させる(t49)。送信処理部232は、通信部21から車両用電源制御装置1へコマンドを送信させる。また、車載機操作情報と、その車載機操作情報が示す車載機の操作に対応するコマンドとの対応関係が予めサーバ20には格納されており、この対応関係をもとに、車載機操作指示部235が、車載機操作情報が示す車載機の操作に対応するコマンドを特定する構成とすればよい。
サーバ20から送信されたコマンドを、通信機器7を介して車両用電源制御装置1が受信(t50)すると、受信したコマンドに対して、車両用電源制御装置1のバッテリ動作判定部118が、コマンドで指定されている車載機をバッテリ3のみで動作させることが可能か否かを判定する(t51)。この処理は、前述のステップS10、ステップS31、ステップS51、ステップS73の処理に相当する。
そして、車載機の動作可能と判定した場合(t52でYES)には、車両用電源制御装置1の車載機操作部125が、サーバ20から受信したコマンドで指定された車載機を、そのコマンドに従って操作する(t53)。操作の一例としては、車載機の起動や車載機の設定値の変更や車載機の動作の終了がある。なお、サーバ20から受信したコマンドが車載機の動作の終了を指示するコマンドであった場合には、前述したt51の判定を行わずに、コマンドに従って車載機の動作を終了させる構成としてもよい。
車載機の動作不可能と判定した場合(t52でNO)も、コマンドに従って車載機の操作を行った場合も、アップロード部124が通信機器7を介して、車載機の操作結果をサーバ20に送信させる(t54)。車載機の操作結果としては、コマンドで指定されていた車載機の前述した動作状況を用いる構成とすればよい。車載機の動作不可能と判定していた場合には、車載機の動作不可能であることを示す情報もサーバ20に送信させる構成とすればよい。
車両用電源制御装置1から送信された操作結果等を、通信部21を介してサーバ20の受信処理部231が受信する(t55)と、受信した操作結果としての動作状況の情報を、サーバ20の状況情報格納処理部234がデータベース22に格納することで、車載機の現在の動作状況を更新する(t56)。車載機の動作状況を更新した後は、受信した操作結果を、サーバ20の送信処理部232が、通信部21から情報処理端末30へ送信させる(t57)。
サーバ20から送信された操作結果を、通信部32を介して情報処理端末30の受信処理部341が受信(t58)すると、受信した操作結果を、情報処理端末30の画面表示処理部343が表示部33に表示させる(t59)。
以上の構成によれば、ユーザが情報処理端末30からサーバ20を介して車載機の動作を遠隔操作することが可能になる。また、車載機の操作結果(つまり、動作状況)をサーバ20を介して情報処理端末30にフィードバックすることで、ユーザは車載機の動作状況を情報処理端末30で再確認することが可能になる。
(実施形態2)
本発明は前述の実施形態1に限定されるものではなく、次の実施形態2も本発明の技術的範囲に含まれる。以下では、この実施形態2について説明を行う。なお、説明の便宜上、前述の実施形態の説明に用いた図に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
実施形態2の車両用システム100は、情報処理端末30にインストールされた専用アプリを用いてサーバ20にアクセスして遠隔確認や遠隔操作を行う代わりに、インターネット閲覧用の汎用ソフト(つまり、汎用のブラウザ)を用いて情報処理端末30からサーバ20にアクセスして遠隔確認や遠隔操作を行う点を除けば、実施形態1の車両用システム100と同様である。より詳しくは、サーバ20の制御部23が加工部236をさらに備える点、及び情報処理端末30の制御部34の処理が一部異なる点を除けば、実施形態1の車両用システム100と同様である。
図15に示すように、実施形態2のサーバ20の制御部23は、機能ブロックとして、受信処理部231、送信処理部232、認証処理部233、状況情報格納処理部234、車載機操作指示部235、及び加工部236を備える。
ここで、図16のシーケンス図を用いて、実施形態2の車両用システム100における状況情報の閲覧に関する処理について説明する。まず、情報処理端末30の制御部34が、汎用ブラウザの専用URLにアクセスする(t61)。専用URLが示す場所が、インターネット上のサーバ20の場所であるものとする。専用URLへのアクセス後のt62〜t69までの処理は、実施形態1のt22〜t29の処理と同様であるものとする。
ユーザ指定情報要求をサーバ20が受信(t69)すると、サーバ20の加工部236が、ユーザ指定情報要求で要求された状況情報をデータベース22から読み出し、汎用ブラウザでの表示用の情報に加工する(t70)。加工部236が請求項のサーバ側加工部に相当する。続いて、サーバ20の送信処理部232が、加工部236で加工済みの状況情報(以下、加工済み状況情報)を、通信部21から情報処理端末30へ送信させる(t71)。
サーバ20から送信された加工済み状況情報を、通信部32を介して情報処理端末30の受信処理部341が受信(t72)すると、受信した加工済み状況情報を、情報処理端末30の画面表示処理部343が表示部33に表示させる(t73)。
以上の構成によっても、車両における電力状況についての情報や車載機の状況についての情報をユーザが遠隔確認することが可能になる。
車両用システム100における遠隔操作に関する処理についても、汎用ブラウザの専用URLにアクセスすることで、情報処理端末30とサーバ20とが情報のやり取りを行って車載機の遠隔操作を行う構成とすればよい。この構成によっても、ユーザが情報処理端末30からサーバ20を介して車載機の動作を遠隔操作することが可能になる。また、車載機の操作結果(つまり、動作状況)をサーバ20を介して情報処理端末30にフィードバックすることで、ユーザは車載機の動作状況を情報処理端末30で再確認することが可能になる。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、次の実施の形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
例えば、前述の実施形態において、アプリケーションを動作させる場合として挙げた例以外に、ナビゲーションシステムの更新や、携帯電話の電話帳のコピーや音声認識の辞書作成、及び記憶装置のバックアップ等のための車両用装置を動作させる場合に、本発明を適用してもよい。