JP6196801B2 - Egrシステム - Google Patents

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Description

本発明は、EGRシステムに関する。
従来、例えばエンジンにおける排気ガスの低NOx化に有効な手段として、排気ガスを吸気側へ還流させるEGR[Exhaust Gas Recirculation]システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。このようなEGRシステムでは、還流させる排気ガスをEGRクーラで冷却することにより、その効果を強めることが図られている。
特開2012−202265号公報
ところで、EGRシステムにおいては、上述したように、更なる低NOx化を達成するため、還流させる排気ガスの冷却強化がなされる場合がある。この場合、例えば排気ガスが150℃レベルから100℃以下まで冷却されることもあるため、当該排気ガスの水分が凝縮して凝縮水が発生し、この凝縮水がEGR配管やエンジン内部に付着又は滞留し、エンジンの腐食や破損等の損傷を引き起こすおそれがある。
そのため、近年のEGRシステムでは、排気ガスから発生した凝縮水によるエンジン損傷を防止することが要求されている。この点、上記特許文献1に記載のEGRシステムでは、吸水材により凝縮水を吸水することが図られているものの、その使用等に伴って吸水能力が低下してしまうおそれがある。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、排気ガスから発生した凝縮水を吸水してエンジン損傷を防止でき、且つ、その吸水能力を回復させることが可能なEGRシステムを提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明に係るEGRシステムは、エンジンにおける排気ガスを排気する排気流路に接続され、当該排気ガスの少なくとも一部を吸気側のEGR合流部へ還流させるEGR配管と、EGR配管に設けられ、還流させる排気ガスが流入する入口部及び還流させる排気ガスが流出する出口部を含むEGRクーラと、EGR配管に設けられたEGRバルブと、EGRクーラ内において出口部側に一体化されるように設けられた吸水部材と、EGR配管においてEGRクーラよりもEGR合流部側に接続され、EGRクーラを介さずに排気ガスをEGR配管へ流通させる第1配管と、EGR配管においてEGRクーラよりもEGR合流部側とは反対側に接続され、吸水部材を通過した排気ガスを排気流路又は外部へ流通させる第2配管と、第1配管に設けられた第1バルブと、を備えること、を特徴とする。
このEGRシステムでは、EGRバルブを開とし且つ第1バルブを閉とすることにより、排気ガスの少なくとも一部を、EGRクーラ及び吸水部材をこの順に介して吸気側のEGR合流部へ還流可能となる。これにより、EGRクーラの冷却で発生した凝縮水は吸水部材で吸着されて吸水されることになり、よって、凝縮水によるエンジン損傷を防止することができる。一方、EGRバルブを閉とし且つ第1バルブを開とすることにより、排気ガスの少なくとも一部が、EGRクーラにおいては出口部側の吸水部材へまず流通されることになる。これにより、高温の排気ガスが吸水部材に流れ、当該吸水部材が水分を放出することになり、よって、吸収能力を回復させることが可能となる。
また、少なくともEGRバルブ及び第1バルブの開閉を制御する開閉制御部を備え、制御部は、EGRバルブを閉とすることにより排気ガスの還流を停止させるEGRカット運転制御を実行すると共に、EGRカット運転制御の実行時において、第1バルブを開とすることにより、排気ガスを、EGRクーラよりも先に吸水部材を通過させて排気流路へ流通させることが好ましい。この場合、排気ガスの還流を停止させるEGRカット運転に連動するように、吸水能力の回復を実施することができる。
また、吸水部材を通過する排気ガスが所定流量となるように、少なくとも第1バルブの開度を制御する開度制御部を備えることが好ましい。これにより、吸水部材に流れる排気ガスの流量を制御することができる。
本発明によれば、排気ガスから発生した凝縮水を吸水してエンジン損傷を防止でき、且つ、その吸水能力を回復させることが可能なEGRシステムを提供できる。
第1実施形態に係るEGRシステムにおける通常運転時の概略構成を示す図である。 第1実施形態に係るEGRシステムにおけるEGRカット運転時の概略構成を示す図である。 第1実施形態に係るEGRシステムにおけるEGRクーラを示す一部断面図である。 第1実施形態の変形例に係るEGRシステムの概略構成を示す図である。 第1実施形態の他の変形例に係るEGRシステムの概略構成を示す図である。 第2実施形態に係るEGRシステムの概略構成を示す図である。
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の説明において同一又は相当要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
[第1実施形態]
図1は第1実施形態に係るEGRシステムにおける通常運転時の概略構成を示す図であり、図2は第1実施形態に係るEGRシステムにおけるEGRカット運転時の概略構成を示す図である。図1及び図2に示すように、本実施形態のEGRシステム1は、例えば車両におけるディーゼルエンジン等のエンジン10に搭載されるものであり、当該エンジン10の排気ガスの少なくとも一部を吸気側へ還流させる。
エンジン10は、ターボチャージャ11を備えた過給機付きエンジンとされ、1又は複数の気筒(図示する例では、6気筒)を有している。なお、エンジン10としては、ディーゼルエンジンに限定されず、ガソリンエンジンであってもよい。また、適用される車両は限定されるものではなく、例えばトラック、バスもしくは重機等の大型車両や中型車両、普通乗用車、小型車両又は軽車両等であってもよい。
このEGRシステム1は、ターボチャージャ11の排気タービン11e通過前の高圧の排気ガスを吸気側に還流するHPL(High Pressure Loop)方式のものであって、EGR配管2、EGRクーラ3、EGRバルブ4、吸水部材5、第1配管6、第2配管7、及び制御部8を備えている。
EGR配管2は、その一端側がエキゾーストマニホールド12に接続されていると共に、その他端側が吸気管13におけるインタークーラ15下流側のEGR合流部13aに接続されている。このEGR配管2は、排気ガスの少なくとも一部をEGR合流部13aへ還流させる。EGR配管2における一端側(エキゾーストマニホールド側)には、当該EGR配管2における排気ガスの流通を制御する電磁弁等のバルブ18が設けられている。
EGRクーラ3は、排気ガスを冷却するものであり、EGR配管2に設けられている。EGRクーラ3としては、特に限定されず、様々なEGRクーラを用いることができる。EGRバルブ4は、EGR配管2においてEGR合流部13a側の下流部(換言すると、EGRクーラ3とEGR合流部13aとの間)に設けられている。このEGRバルブ4は、電磁弁等が用いられ、その開閉によって排気ガスの吸気側への還流を許容又は停止させる。
図3は、第1実施形態に係るEGRシステムにおけるEGRクーラを示す一部断面図である。図1〜3に示すように、EGRクーラ3は、入口側タンク部3iと、出口側タンク部3eと、クーラ部3xと、を含んで構成されている。
入口側タンク部3iは、通常運転時に還流させる排気ガスが流入する入口部であって、EGRクーラ3における当該排気ガスの上流側に画設されている。出口側タンク部3eは、通常運転時に還流させる排気ガスが流出する出口部であって、EGRクーラ3における当該排気ガスの下流側に画設されている。クーラ部3xは、排気ガスを冷却するための部位であって、入口側タンク部3i及び出口側タンク部3e間に設けられている。そして、出口側タンク部3eには、吸水部材5が組み込まれている。
吸水部材5は、排気ガスから発生した凝縮水を吸着して吸水するものであり、例えばゼオライト系触媒等を含んでいる。この吸水部材5は、EGRクーラ3内における出口側タンク部3eに一体化され、且つ、当該出口側タンク部3eを流通する排気ガスに露出する(さらされる)ように設けられている。なお、吸水部材5としては、その形状や材質が限定されるものではなく、種々のものを採用することができる。吸水部材5は、吸水性に加え、耐熱性や耐酸性を有していてもよい。
図1及び図2に戻り、第1配管6は、その一端側がエキゾーストマニホールド12に接続されている。また、第1配管6は、その他端側がEGR配管2における出口側タンク部3e側(換言すると、EGR配管2におけるEGRクーラ3とEGRバルブ4との間)に接続されている。この第1配管6は、EGRクーラ3を介さずに、排気ガスをエキゾーストマニホールド12からEGR配管2へと流通させる。第1配管6には、当該第1配管6における排気ガスの流通を制御する電磁弁等の第1バルブ16が設けられている。
第2配管7は、その一端側がEGR配管2におけるEGRクーラ3の入口側タンク部3i側(換言すると、EGR配管2におけるバルブ18とEGRクーラ3との間)に接続されている。また、第2配管7は、その他端側が排気管14における排気タービン11e下流側に接続されている。この第2配管7は、吸水部材5を通過した排気ガスを排気管14へ流通させる。第2配管7には、当該第2配管7における排気ガスの流通を制御する電磁弁等の第2バルブ17が設けられている。
制御部8は、例えばCPU(CentralProcessing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)を含むコンピュータにより構成されている。この制御部8は、EGRバルブ4、第1バルブ16、第2バルブ17及びバルブ18に電気的に接続されており、これらの開閉及び開度を制御する。
具体的には、制御部8は、EGRバルブ4及びバルブ18を開とすることによって排気ガスを吸気側へ還流させる通常運転を行う通常運転制御と、EGRバルブ4及びバルブ18を閉とすることによって排気ガスの還流を停止させるEGRカット運転を行うEGRカット運転制御と、を実行する。また、制御部8は、EGRカット運転制御の実行時において、第1及び第2バルブ16,17を開とすることにより、吸水部材5の吸水能力を回復(再生)させる。さらに、制御部8は、第1及び第2バルブ16,17の少なくとも一方の開度を制御する開度制御を実行し、これにより、吸水部材5を通過する排気ガスの流量を制御する。
以上のように構成されたEGRシステム1では、図1に示すように、通常運転時、制御部8によりEGRバルブ4及びバルブ18が開とされると共に第1及び第2バルブ16,17が閉とされる。これにより、排気ガスは、エキゾーストマニホールド12から排気タービン11eを介して排気管14に流れると共に、排気ガスの少なくとも一部は、エキゾーストマニホールド12からEGRクーラ3へ流入し、入口側タンク部3i、クーラ部3x及び吸水部材5を順に通って吸気管13のEGR合流部13aへ還流される。その結果、EGRクーラ3におけるクーラ部3xの冷却で排気ガスから発生した凝縮水は、出口側タンク部3eの吸水部材5で吸着されて吸水され、当該排気ガス中から除去される。
一方、図2に示すように、例えばエンジン10を暖気する際やDPF(不図示)を再生する際には、EGRカット運転が実施され、このEGRカット運転時には、制御部8によりEGRバルブ4及びバルブ18が閉とされ、排気ガスの吸気管13への還流が停止される。また、EGRカット運転時においては、制御部8により第1及び第2バルブ16,17が開とされ、これにより、排気ガスの少なくとも一部は、エキゾーストマニホールド12から第1配管6に流れ、EGRクーラ3へ通常運転時とは逆流するように流入する。
これにより、出口側タンク部3e側からEGRクーラ3内に流入した排気ガスにあっては、吸水部材5を通ってクーラ部3x及び入口側タンク部3iを順に流通し、第2配管7へ流れた後、排気管14の排気ガスと合流されて外部へ排気される。その結果、高温の排気ガスが吸水部材5に流れ、当該吸水部材5は、水分を放出して吸収能力を回復することとなる。
以上、本実施形態のEGRシステム1では、上述したように、通常運転時において、EGRクーラ3の冷却で発生した凝縮水を吸水部材5で吸着し吸水できる。よって、EGR強化冷却による低NOx化を実現しつつ、凝縮水がエンジン10内部に付着及び滞留するのを抑制して、エンジン損傷を防止することが可能となる。一方、EGRバルブ4及びバルブ18を閉とし、第1及び第2バルブ16,17を開とすることにより、排気ガスが、EGRクーラ3においてクーラ部3xを通る前に吸水部材5へまず流通されることになる。これにより、高温の排気ガスを吸水部材5に流すことができ、吸水部材5の吸収能力を回復させることが可能となる。
なお、吸水部材5の吸収能力を回復する際に吸水部材5から放出された水分は、排気ガスと合流されて排気されることから、当該水分がエンジン10内部に付着及び滞留するのも抑制できる。
また、EGRシステム1では、上述したように、EGRカット運転時(EGRカット運転制御の実行時)において、第1及び第2バルブ16,17を開として流路を切り替えることができ、これにより、吸水部材5の吸水能力の回復をEGRカット運転に連動するように実施することが可能となる。つまり、通常運転時に還流される排気ガスを、EGRカット運転時には、吸水部材5の再生に利用することができる。
また、EGRシステム1では、制御部8により第1及び第2バルブ16,17の少なくとも一方の開度が調整され、吸水部材5を通過する排気ガスが所定流量となるように制御される。その結果、排気タービン11eへ流れる排気ガスを制御でき、ひいては、例えばターボ回転を一定に維持させることが可能となる。すなわち、第1及び第2バルブ16,17の少なくとも一方の開度を調整してターボチャージャ11の過回転を防止でき、これにより、例えばW/Gバルブを不要にできる。また、排気タービン11eへ流れる排気ガスを制御できることから、流量レンジは狭いが低コスト高効率なF/Fターボを用い、広い運転域でターボの高効率化を得ることができる。
なお、本実施形態の吸水部材5は、EGRクーラ3内において出口側タンク部3eに一体化されるように設けられているため、別途に吸水部材5を設ける場合に比べ、その組立性を高めることができる。
また、本実施形態では、吸水部材5の吸水能力を回復させる際(再生時)、吸水部材5から放出された水分は、EGRクーラ3の入口側タンク部3i側へ向かって流れる、すなわち、クーラ部3x及び入口側タンク部3iを順に通過する。よって、当該水分によってEGRクーラ3内を洗浄する洗浄効果を得ることができ、これにより、EGRクーラ3のクーラ効率の低下を抑制することができる。
ちなみに、凝縮水によるエンジン損傷を防止するため、EGRクーラ3による冷却を弱めつつ高EGR化を図る場合も考えられるが、この場合、ポンピングロスが増大して燃費が悪化するおそれがある。この点、本実施形態は、エキゾーストマニホールド12における排気ガスの圧力を低下させることができ、よって、高EGR化しつつポンピングロス低減(燃費向上)が可能となる。
図4は、第1実施形態の変形例に係るEGRシステムの概略構成を示す図である。本実施形態のEGRシステム1では、EGRバルブ4とバルブ18とを一体化するように構成してもよい。例えば、図4に示すように、EGRバルブ4及びバルブ18に代えて、EGR配管2における一端側に設けられた電磁弁等のバルブ19を備えていてもよい。
図5は、第1実施形態の他の変形例に係るEGRシステムの概略構成を示す図である。本実施形態のEGRシステム1では、第2バルブ17とバルブ18とを三方弁構造として一体化するように構成してもよい。例えば、図5に示すように、第2バルブ17及びバルブ18に代えて、EGR配管2における第2配管7との接続部に設けられた三方弁20を備えていてもよい。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態について説明する。なお、本実施形態の説明では、上記第1実施形態と異なる点について主に説明する。
図6は、第2実施形態に係るEGRシステムの概略構成を示す図である。図6に示すように、本実施形態のEGRシステム1Bは、ターボチャージャ11の排気タービン11e通過後の低圧の排気ガスを吸気側に還流するLPL(Low Pressure Loop)方式のものである。EGRシステム1Bは、上記第1実施形態に対し、EGR配管2B、EGRクーラ3B、EGRバルブ4Bをさらに備えている。
EGR配管2Bは、その一端側が排気管14に接続されている。EGR配管2Bの他端側は、吸気管13においてターボチャージャ11のコンプレッサ11i上流側のEGR合流部13aに接続されている。なお、ここでのEGR配管2Bにおける接続部14aからEGRクーラ3Bまでの部分は、吸水部材5Bを通過した排気ガスを排気管14へ流通させる第2配管7Bをさらに構成する。
EGRクーラ3Bは、排気ガスを冷却するものであり、EGR配管2Bに設けられている。このEGRクーラ3Bの出口部としての出口側タンク部には、吸水部材5Bが設けられている。EGRバルブ4Bは、EGR配管2BにおいてEGR合流部13a側(下流側)に設けられている。
また、EGRシステム1Bは、上記第1実施形態に対し、EGRクーラ3に代えてEGRクーラ3’、第1配管6に代えて第1配管6B、バルブ18に代えてバルブ18Bを、それぞれ備えている。
EGRクーラ3’は、吸水部材5を有しない通常のクーラであり、EGR配管2に設けられている。第1配管6Bの一端側は、排気管14において排気タービン11eの出口側に接続されている。第1配管6Bの他端側は、EGR配管2BにおけるEGRクーラ3BとEGRバルブ4Bとの間に接続されている。この第1配管6Bには、第1バルブ16Bが設けられている。バルブ18Bは、排気管14において、EGR配管の接続部14aと第1配管6Bの接続部14bとの間に設けられている。
以上のように構成されたEGRシステム1Bでは、通常運転時、制御部8によりEGRバルブ4B及びバルブ18Bが開とされると共に第1バルブ16Bが閉とされる。これにより、排気ガスの少なくとも一部は、排気タービン11e出口側からEGRクーラ3Bへ流れ、吸水部材5Bを通って吸気管13のEGR合流部13aへ還流される。その結果、EGRクーラ3Bの冷却により排気ガスから発生した凝縮水は、吸水部材5Bで吸着されて吸水され、当該排気ガス中から除去される。
一方、EGRカット運転時には、制御部8によりEGRバルブ4B及びバルブ18Bが閉とされ、排気ガスの吸気管13への還流が停止される。このとき、制御部8により第1バルブ16Bが開とされ、これにより、排気ガスは、排気タービン11e出口側から第1配管6Bへ流れ、EGRクーラ3へ通常運転時とは逆流するように流入する。
これにより、出口部側からEGRクーラ3B内に流入した排気ガスにあっては、吸水部材5を通って入口部側へ流通し、排気管14の排気ガスと合流されて外部へ排気される。その結果、高温の排気ガスが吸水部材5に流れ、当該吸水部材5は、水分を放出して吸収能力を回復することとなる。
以上、本実施形態のEGRシステム1Bにおいても、上記作用効果、すなわち、排気ガスから発生した凝縮水を吸水してエンジン損傷を防止でき、且つ、その吸水能力を回復させることが可能となるという作用効果を奏する。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、各請求項に記載した要旨を変更しない範囲で変形し、又は他のものに適用してもよい。
例えば、上記第1実施形態では、第2配管7の他端側を排気管14における排気タービン11e出口側に接続したが、エキゾーストマニホールド12又は排気タービン11e入口側に接続してもよいし、外部へ解放してもよい。この場合、圧力差を生じさせるためのベンチュリ構造や絞り構造等を設けることが好ましい。
また、上記第1実施形態では、第1バルブ16に代えて三方弁構造のバルブを用い、吸水部材5の吸水能力回復時にEGRクーラ3からの排気ガスの流れを止める構造としてもよい。また、上記第1実施形態では、例えば冷間時や軽負荷時に失火やHC排出を抑制するため、第2バルブ17及びバルブ18を閉とすると共に、EGRバルブ4及び第1バルブ16を開とすることで、ホットEGRを実現してもよい。
また、上記第2実施形態において、EGRカット運転時には、制御部8によりEGRバルブ4B及びバルブ18Bが閉とされ、排気ガスの吸気管13への還流が停止され、制御部8により第1バルブ16Bが開とされる構造としたが、EGRバルブ4B、バルブ18B及び第1バルブ16Bの開度を調整して吸水部材5Bを通過する排気ガスの流量を調整するように制御してもよい。
上記において、制御部8が、特許請求の範囲の開閉制御部及び開度制御部を構成する。また、エキゾーストマニホールド12及び排気管14が、特許請求の範囲の排気流路を構成する。
1,1B…EGRシステム、2,2B…EGR配管、3,3B…EGRクーラ、3i…入口側タンク部(入口部)、3e…出口側タンク部(出口部)、4,4B…EGRバルブ、5,5B…吸水部材、6,6B…第1配管、7,7B…第2配管、8…制御部(開閉制御部,開度制御部)、10…エンジン、12…エキゾーストマニホールド(排気流路)、13a…EGR合流部、14…排気管(排気流路)、16,16B…第1バルブ,17…第2バルブ、18,18B…バルブ。

Claims (3)

  1. エンジンにおける排気ガスを排気する排気流路に接続され、当該排気ガスの少なくとも一部を吸気側のEGR合流部へ還流させるEGR配管と、
    前記EGR配管に設けられ、還流させる前記排気ガスが流入する入口部及び還流させる前記排気ガスが流出する出口部を含むEGRクーラと、
    前記EGR配管に設けられたEGRバルブと、
    前記EGRクーラ内において前記出口部側に一体化されるように設けられた吸水部材と、
    前記EGR配管において前記EGRクーラよりも前記EGR合流部側に接続され、前記EGRクーラを介さずに前記排気ガスを前記EGR配管へ流通させる第1配管と、
    前記EGR配管において前記EGRクーラよりも前記EGR合流部側とは反対側に接続され、前記吸水部材を通過した前記排気ガスを前記排気流路又は外部へ流通させる第2配管と、
    前記第1配管に設けられた第1バルブと、を備えること、を特徴とするEGRシステム。
  2. 少なくとも前記EGRバルブ及び前記第1バルブの開閉を制御する開閉制御部を備え、
    前記制御部は、
    前記EGRバルブを閉とすることにより前記排気ガスの還流を停止させるEGRカット運転制御を実行すると共に、
    前記EGRカット運転制御の実行時において、前記第1バルブを開とすることにより、前記排気ガスを、前記EGRクーラよりも先に前記吸水部材を通過させて前記排気流路へ流通させること、を特徴とする請求項1記載のEGRシステム。
  3. 前記吸水部材を通過する前記排気ガスが所定流量となるように、少なくとも前記第1バルブの開度を制御する開度制御部を備えること、を特徴とする請求項1又は2記載のEGRシステム。
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