JP7226945B2 - 排気再循環システム - Google Patents
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Description
EGRの手法としては、未燃焼ガスをエンジンの排気ポート直下から直接インテークマニホールドに帰還させるHP(High Pressure)-EGRが知られているが、このHP-EGRでは、リーン燃焼領域や高負荷運転領域等の「吸気圧>排気圧」となるような状況において排ガスが十分に環流せず、EGR量不足になってしまうという課題を有している。
排気脈動の特に低周波成分が遠心ポンプを介することで緩和され、排気脈動に起因した騒音の低減が図られる。
また、遠心ポンプによって吸気路に対する排気の戻し圧調整が可能となり、EGR(Exhaust Gas Recirculation)領域の拡大化を図ることができる。EGR領域の拡大化により、排ガス性能の向上、及び燃費向上を図ることができる。
遠心ポンプは排気再循環路のパイプ中に比較的小スペースに配置可能であるため、排気脈動に起因した騒音を低減するために大型の消音器を用いる必要がなくなる。
図1は、排気再循環システム1の概略構成例を模式的に示した図である。
図示のように排気再循環システム1は、エンジン2と、エンジン2の吸気路Riと、エンジン2の排気路Reと、吸気路Riに介装されたエアクリーナ3、コンプレッサ4、インタークーラ5、及びスロットル6と、排気路Reに介装されたタービン7、フロント触媒9、リア触媒10、LNT(Lean NOx Trap:吸蔵型窒素酸化物還元)触媒11、及びマフラ12と、タービン7をバイパスするバイパス路Rbと、バイパス路Rbに換装されたウエストゲートバルブ(wastegate valve)8とを備えている。
そして、排気再循環システム1は、排気再循環(EGR:Exhaust Gas Recirculation)のための構成として、HP(High Pressure)-EGR部13とLP(Low Pressure)-EGR部16とを備えている。
吸気路Riに介装されたコンプレッサ4と排気路Reに介装されたタービン7は過給機を構成している。
フロント触媒9を介した排気はリア触媒10で浄化された後にLNT触媒11でさらに浄化され、マフラ12を介して大気中に排出される。
EGRバルブ15は、HP-EGR路Rhと吸気路Riとが連通状態となる排気再循環状態と、HP-EGR路Rhと吸気路Riとが非連通状態となる非排気再循環状態との切り替えを行う循環制御弁としても機能する。
LP-EGR路Rlは、本例では排気路Reにおけるフロント触媒9よりも下流で且つリア触媒10よりも上流となる位置に排気路Reとの接続口Otを有すると共に、吸気路Riにおけるコンプレッサ4よりも上流で且つエアクリーナ3よりも下流となる位置に吸気路Riとの接続口Orを有している。
なお以下、排気路Reとの接続口Otについては「取込口Ot」とも表記することがある。また、吸気路Riとの接続口Orについては「戻し口Or」と表記することもある。
EGRクーラ17は取込口Otから取り込まれる排気についての冷却を行い、EGRバルブ18は不図示のECU等の制御手段によって開度制御される。EGRバルブ18は、LP-EGR路Rlと吸気路Riとが連通状態となる排気再循環状態と、LP-EGR路Rlと吸気路Riとが非連通状態となる非排気再循環状態との切り替えを行う循環制御弁としても機能する。
温度センサ19は、LP-EGR路RlにおけるEGRクーラ17の下流で且つ遠心ポンプ21の上流となる位置に配置され、EGRクーラ17による冷却後の排気温度を検出する。差圧センサ20は、LP-EGR路RlにおけるEGRクーラ17の下流で且つ遠心ポンプ21の上流となる位置での排気圧と、吸気路Riにおけるエアクリーナ3の下流で且つコンプレッサ4よりも上流となる位置での吸気圧との差圧を検出する。
図2は、遠心ポンプ21の構造例を説明するための図であり、遠心ポンプ21が備えるタービン翼車22とタービン車室23のカットモデルと、タービン翼車22の駆動ユニット30とを示している。
駆動ユニット30は、タービン翼車22を回転駆動するための電動モータと該電動モータを駆動する駆動回路とを少なくとも備えている。駆動ユニット30の制御、すなわちタービン翼車22の回転制御は、例えば上述したECU等の制御手段により行われる。
本例のように過給機に対してウエストゲートバルブ8が設けられる構成においては、排気脈動はウエストゲートバルブ8が介装されたバイパス路Rbを介してLP-EGR路Rlに伝達されることになる。
仮に、LP-EGR路Rlに遠心ポンプ21が介装されていないとすると、LP-EGR路に介装される要素はEGRクーラ17とEGRバルブ18のみとなるため、排気脈動を十分に緩和することは困難となる。すなわち、LP-EGR路Rlに伝達された排気脈動は十分に緩和されることなく吸気系に伝達され、吸気口Oiにおいて排気脈動に起因した騒音(脈動音)が生じてしまう。
遠心ポンプ21を設けることで、LP-EGR路Rlに伝達された排気脈動の十分な緩和を図ることができ、その結果、脈動音の低減を図ることができる。
特に、脈動音で問題となるのは低周波数の成分であるが、遠心ポンプ21の回転翼が流入する排気を掻き乱すことにより低周波数の脈動を効果的に低減することができるため、脈動音を良好に低減することができる。
図1に示した排気再循環システム1との差異点は、遠心ポンプ21が取込口OtとEGRクーラ17との間に配置された点である。
排気脈動をより上流において緩和できれば、排気脈動が伝達される部分の長さがより短くなるため、吸気系に伝達される排気脈動の大きさをより小さくすることができる。従って、上記のように遠心ポンプ21を取込口OtとEGRクーラ17との間に配置することで、騒音の低減効果を高めることができる。
図1に示した排気再循環システム1との差異点は、HP-EGR部13が設けられていない点である。
実施形態において、HP-EGR部13を設けることは必須ではなく、遠心ポンプ21の適用は、EGR部としてLP-EGR部16のみが設けられたシステムに対しても行うことができる。
しかしながら、脈動音の低減をより徹底する場合等には、遠心ポンプ21をHP-EGR路Rh側に設ける構成とすることが考えられる。
排気脈動の特に低周波成分が遠心ポンプを介することで緩和され、排気脈動に起因した騒音の低減が図られる。
また、遠心ポンプによって吸気路に対する排気の戻し圧調整が可能となり、EGR領域の拡大化を図ることができる。EGR領域の拡大化により、排ガス性能の向上、及び燃費向上を図ることができる。
遠心ポンプは排気再循環路のパイプ中に比較的小スペースに配置可能であるため、排気脈動に起因した騒音を低減するために大型の消音器を用いる必要がなくなる。従って、本実施形態の排気再循環システムによれば、レイアウト制約を緩和することによる車両設計自由度の向上を図りつつ、排気脈動に起因した騒音の低減、排ガス性能の向上、及び燃費の向上を図ることができる。
HP-EGR路に伝達される排気脈動は、吸気口に伝達されるまでの間にインタークーラや過給用のコンプレッサ等を介するため、緩和され易い。一方、LP-EGR路に伝達される排気脈動については、仮にLP-EGR路に遠心ポンプが介装されていないとすると、LP-EGR路にはインタークーラやコンプレッサ等のような脈動緩和要素が介装されていないため、排気脈動が十分に緩和されずに吸気口に伝達され易い。すなわち、より大きな騒音が生じ易い。
従って、排気脈動に起因した騒音の低減を図る上では、LP-EGR路に対して遠心ポンプを介装することが好適である。
これにより、排気流速調整機能付きのタービンを用いることなく排気流速調整機能と排気脈動緩和機能とを実現することができる。すなわち、排気流速調整機能と排気脈動緩和機能とを具備する排気再循環システムをより低コストに実現することができる。
従って、遠心ポンプとして高耐熱品を用いる必要がなくなり、コスト削減を図ることができる。
排気脈動をより上流において緩和できれば、排気脈動が伝達される部分の長さがより短くなるため、吸気系に伝達される排気脈動の大きさをより小さくすることができる。従って、上記のように遠心ポンプを排気路との接続口と冷却部との間に配置することで、騒音の低減効果を高めることができる。
例えば、本発明は、過給用のタービンとしてVNTで用いられるような排気流速調整機能付きのタービンを用いた場合にも適用することができる。排気流速調整機能付きのタービンで緩和し切れなかった排気脈動を本発明の遠心ポンプによって緩和することができる。
さらに、本発明は、LP-EGR部が設けられずHP-EGR部が設けられた構成においても適用することができる。
Claims (2)
- エンジンの排気路と吸気路との間を接続する排気再循環路と、
前記排気再循環路に介装された遠心ポンプと、
前記排気路に介装された過給用のタービンと、
前記吸気路に介装された過給用のコンプレッサと、
前記排気再循環路に介装されて前記吸気路に帰還される排気についての冷却を行う冷却部と、を備え、
前記排気再循環路は、
前記排気路における前記タービンよりも下流位置において前記排気路との接続口を有し、
前記吸気路における前記コンプレッサよりも上流位置において前記吸気路との接続口を有しており、
前記冷却部は、
前記排気再循環路と前記吸気路とが連通状態となる排気再循環状態と前記排気再循環路と前記吸気路とが非連通状態となる非排気再循環状態との切り替えを行う循環制御弁よりも上流側に位置され、
前記遠心ポンプは、
前記排気路との接続口と前記冷却部との間に配置されると共に、
前記冷却部よりも下流で且つ前記循環制御弁よりも上流となる位置での排気圧と前記循環制御弁よりも下流となる位置での吸気圧との差圧を検出する差圧センサが検出した前記差圧に基づき制御される
排気再循環システム。 - 前記タービンのバイパス路に介装されたウエストゲートバルブを備えた
請求項1に記載の排気再循環システム。
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JP2012127205A (ja) | 2010-12-13 | 2012-07-05 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | 排ガス再循環システム |
JP2018040285A (ja) | 2016-09-07 | 2018-03-15 | いすゞ自動車株式会社 | エンジンシステム |
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