JP6196171B2 - タンデム型有機光電変換素子、および太陽電池 - Google Patents

タンデム型有機光電変換素子、および太陽電池 Download PDF

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Description

本発明は、タンデム型有機光電変換素子、及び太陽電池に関し、さらに詳しくは、バルクヘテロジャンクション型のタンデム型有機光電変換素子、このタンデム型有機光電変換素子を用いた太陽電池に関する。
近年の化石エネルギーの高騰によって、自然エネルギーから直接電力を発電できるシステムが求められており、単結晶・多結晶・アモルファスのSiを用いた太陽電池、GaAsやCIGS等の化合物系の太陽電池、あるいは色素増感型光電変換素子(グレッツェルセル)等が提案・実用化されている。
しかしながら、これらの太陽電池で発電するコストは未だ化石燃料を用いて発電・送電される電気の価格よりも高いものとなっており、普及の妨げとなっていた。また、基板に重いガラスを用いなければならないため、設置時に補強工事が必要であり、これらも発電コストが高くなる一因であった。
このような状況に対し、化石燃料による発電コストよりも低コストな発電コストを達成しうる太陽電池として、陽極と陰極との間に電子供与体層(p型半導体層)と電子受容体層(n型半導体層)とが混合されたバルクヘテロジャンクション層を挟んだバルクヘテロジャンクション型光電変換素子が提案されて(例えば、非特許文献1および特許文献1参照)いる。
これらのバルクヘテロジャンクション型太陽電池においては、陽極・陰極以外は塗布プロセスで形成されているため、高速かつ安価な製造が可能であると期待され、前述の発電コストの課題を解決できる可能性がある。さらに、上記のSi系太陽電池・化合物半導体系太陽電池・色素増感太陽電池等と異なり、160℃より高温のプロセスがないため、安価かつ軽量なプラスチック基板上への形成も可能であると期待される。
なお発電コストには、初期の製造コスト以外にも発電効率及び素子の耐久性も含めて算出されなければならないが、前記非特許文献1では、太陽光スペクトルを効率よく吸収するために、約900nmまで吸収可能な有機高分子を用いることによって、5%を超える変換効率を達成するに至っている。
しかし更なる効率向上を得るためには、より幅広い太陽光スペクトルの利用が求められており、より幅広い太陽光スペクトルを利用するためには、利用できる波長域を拡大するか、特定の波長の吸収率を上げることが求められている。
光の吸収率の向上および波長域の拡大の双方を達成可能な技術として、タンデム化技術が期待されている。これは複数の太陽電池を積層する技術であり、積層する太陽電池を同一のものとすれば光吸収率の増大が見込まれるし、異なる波長を吸収する太陽電池を積層すれば利用できる波長域の向上を期待することができる。
このような技術は、フタロシアニンとN,N−ジメチルペリレンテトラカルボン酸ジイミドからなる、全く同じ構成の太陽電池を非常に薄い金で接続した太陽電池が開示され(例えば、非特許文献2参照)、開放電圧の向上が得られているが、積層に伴う短絡電流の低下から、光電変換効率自体は低下している。これは、光の入射側から見て奥になる太陽電池はどうしても光量が低くなり、発電電流が低下し、さらにはタンデム素子では電流値はスタックされた太陽電池の中で最も少ない電流値に制限されることから、効率の向上が得られなかったものと推定される。このような観点から、積層する太陽電池は、それぞれで吸収するスペクトルの異なる太陽電池が好ましいと考えられる。また、蒸着によって素子作製を行っているため、生産性は低いものである。
1層目にポリフェニレンビニレン(PPV)とフェニル−C61−酪酸メチルエステル(PCBM)を、2層目にポリ3−ヘキシルチオフェン(P3HT)とPCBMとを用いたタンデム型太陽電池が開示されているが(例えば、非特許文献3参照)、PPVとP3HTの吸収はいずれも600nm前後であり、ほぼ同様の太陽光スペクトルを吸収するため、やはりタンデム化によってシングル構成よりも効率は向上していない。
また、1層目にポリ[2,6−(4,4−ビス(2−エチルヘキシル)−4H−シクロペンタジチオフェン)−4,7−(2,1,3−ベンゾチアジアゾール)](PCPDTBT)とPC60BM、2層目にP3HTとPC70BMからなるタンデム型太陽電池が開示されているが(例えば、非特許文献4、特許文献2参照)、ここでようやくシングルセルの効率よりも高い効率の素子が得られるようになってきているが、これは1層目が主に600〜900nmの光を、2層目が主に400〜600nmの光を吸収できるよう、吸収スペクトルの領域をうまく設計することで6.5%という高い効率の光電変換素子を得ることに成功している。
しかし、開示された、いずれのタンデム型有機光電変換素子も(例えば、非特許文献3〜5参照)、完全にシングル構成での効率の和の効率には到達しておらず、理想的なタンデム素子はいまだ得られていない。
この原因としては、タンデム化した際に開放電圧(Voc)はそれぞれのシングル素子の和の値がほぼ得られるものの、短絡電流(Jsc)および曲線因子(FF)の低下が認められ、すなわち素子全体としての抵抗値が増大していることが原因であると推定される。
また、有機薄膜型太陽電池を実用化する上では効率だけでなくコストおよび耐久性が重要な3要素となるが、耐久性に関してはAM1.5Gの光照射下で100時間後には初期効率にたいして相対効率低下が40%程度であったと開示されている。耐久性については未だ課題を有している。
本発明者らは、このような効率低下の原因は、2つのバルクヘテロジャンクション層からの発電量が完全に一致させられない結果、本来一方のバルクヘテロジャンクション層から来る正孔と他方のバルクヘテロジャンクション層から来る電子が互いに再結合して電荷がニュートラルにならねばならないのに対し、主に短波域を吸収する第1のバルクヘテロジャンクション層からの電流(電子)が過剰となり、再結合できなかった電子が第2のバルクヘテロジャンクション層との界面で逆接合を形成し、抵抗となっているのではないかと推定した。また、単なる効率低下だけでなく有機光電変換素子の劣化にもかかわっているものと推定した。
WO2008−066933号パンフレット WO2008−060716号パンフレット
A.Heeger,Nature Mat.vol.6(2007),p497 Chem.Lett,vol.19(1990),p327(阪大・平本) Appl.Phys.Lett.2007,90,143512.(Eindhoven University) Science、vol.317(2007),p222(Heeger) Appl.Phys.Lett.2006,89,73502.(Linz Univ.,Saricifiti)
本発明者らは、第1のバルクヘテロジャンクション層から過剰に漏れ出す電子が第2のバルクヘテロジャンクション層に到達した際、比較的容易に第2のバルクヘテロジャンクション層のn型半導体材料のLUMOに注入しやすくなるように、第1のバルクヘテロジャンクション層のn型半導体材料のLUMOよりも第2のバルクヘテロジャンクション層のn型半導体材料のLUMOが深い材料を用いると、このような逆接合界面での電荷のチャージアップが解消され、効率・寿命ともに改善しうることを見出した。
なお前記非特許文献4および特許文献2で使用されているPC60BMとPC70BMでは、実質的にはLUMO準位は同一であるし、前記非特許文献5に記載されているような、1層目がP3HTとPCBMからなる光電変換層、2層目が亜鉛フタロシアニンとC60フラーレンからなる光電変換層を積層しているが、これは第2の光電変換層を積層する際に塗布法では第1の光電変換層にダメージを与えずに簡便に製膜できる手段として蒸着法を選択し、その結果として蒸着可能なフラーレンであるC60を選択しただけであり、効率および耐久性向上を目的として第2の層のn型半導体材料のLUMO準位を選択するといった思想は見られない。実際1層目のPCBMと2層目のC60では、ほぼ同等のLUMOを保有しているし、実際素子のFFおよび光電変換効率はシングルと比して低下し、耐久性についても未記載である。さらには、第2層目のバルクヘテロジャンクション層は生産性の低い蒸着工程で作製されているため、低コストな太陽電池として提供することは困難であった。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、その目的は、高い光電変換効率を有し、かつ耐久性を有するタンデム型有機光電変換素子、それを有する太陽電池を提供することにある。
本発明の上記目的は、以下の構成により達成することができる。
1.少なくとも第1の電極、第2の電極、およびp型有機半導体材料とn型有機半導体材料からなるバルクヘテロジャンクション層を複数有するタンデム型の有機光電変換素子であって、前記バルクヘテロジャンクション層は、380〜750nmの光を吸収する第1のバルクヘテロジャンクション層および800〜1200nmの光を吸収する第2のバルクヘテロジャンクション層を含み、第1のバルクヘテロジャンクション層のn型半導体の膜状態でのLUMO準位LUMO(n1)と第2のバルクヘテロジャンクション層のn型半導体の膜状態でのLUMO準位LUMO(n2)が以下の式(1)を満たし、
式(1) 0.4eV≧LUMO(n1)−LUMO(n2)≧0.1eV
前記第1のバルクヘテロジャンクション層を構成するn型半導体材料が、フラーレン母核を複数の置換基で置換されたフラーレン誘導体であることを特徴とする、タンデム型有機光電変換素子。
2.前記第1のバルクヘテロジャンクション層のn型半導体の準位LUMO(n1)が下記式(3)を満たすことを特徴とする、前記1に記載のタンデム型有機光電変換素子。
式(3) −4.0eV≧LUMO(n1)≧−4.2eV
3.前記フラーレン母核が、フラーレンC60である、前記1または2に記載のタンデム型有機光電変換素子。
4.前記第1のバルクヘテロジャンクション層を構成するn型半導体材料が、フラーレン母核を二つの置換基で置換されたフラーレン誘導体であることを特徴とする、前記1〜3のいずれか1項に記載のタンデム型有機光電変換素子。
5.前記第1のバルクヘテロジャンクション層を構成するn型半導体材料が、bis−PCBMであることを特徴とする、前記1〜4のいずれか1項に記載のタンデム型有機光電変換素子。
6.前記第2のバルクヘテロジャンクション層に含まれるp型半導体材料のバンドギャップが、1.5〜1.0eVであることを特徴とする、前記1〜5のいずれか1項に記載のタンデム型有機光電変換素子。
7.前記1〜6のいずれか1項に記載のタンデム型有機光電変換素子の製造方法であって、前記複数のバルクヘテロジャンクション層を、いずれも塗布法によって形成することを特徴とする、タンデム型有機光電変換素子の製造方法。
8.前記1〜のいずれか1項に記載のタンデム型有機光電変換素子を有することを特徴とする、太陽電池。
本発明により、高い光電変換効率を有し、かつ耐久性を有する有機光電変換素子、それを有する太陽電池を提供することができた。
バルクヘテロジャンクション型の有機光電変換素子からなる太陽電池を示す断面図である。 タンデム型のバルクヘテロジャンクション層を備える有機光電変換素子からなる太陽電池を示す断面図である。
以下本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明者らは、タンデム型素子の1層目と2層目の有機薄膜型太陽電池のn型半導体材料の膜状態でのLUMO準位(以後n型半導体材料のLUMO準位ともいう)を一定の関係に保つことが、これらの課題を解決しうることを見出した。
すなわち、1層目と2層目の光電変換層に含まれるn型半導体材料のLUMO準位が0.1eV以上0.4eV以下の範囲となるように設定することで、効率と耐久性およびコストを兼ね備えた有機薄膜太陽電池となることを見出した。
より詳細に説明すると、タンデム化した際の課題は、複数のバルクヘテロジャンクション層間で電流の差分が発生した場合に、如何に電荷を滞留させずに電流を流すことができるかであり、さらにはこの電荷の滞留がおもに長波側セルの正孔輸送層と発電層界面で電子が滞留するために起こると推定した。
このような課題の解決法として、長波長側を吸収するバルクヘテロジャンクション層のn型半導体層の膜状態でのLUMO準位を深くすることで、正孔輸送層で滞留していた電子をある程度はバルクヘテロジャンクション層のn型半導体のLUMO準位を経由して対電極まで流すことができるようになり、上記課題が解決できることを見出した。
より好ましくは、1層目と2層目の光電変換層に含まれるn型半導体材料のLUMO準位が0.2eV以上0.4eV以下の範囲である。
さらに好ましくは、2層目のn型半導体材料のLUMO準位が−4.4〜−4.6eVであることである。一般的な正孔輸送層としてはPEDOT:PSSが使用されるが、この材料はドープされた導電性材料であり正孔も電子も流すことができるため、1層目のバルクヘテロジャンクション層からの発電量が2層目のバルクヘテロジャンクション層の発電量より多い場合、再結合層から漏れ出して2層目の正孔輸送層(PEDOT:PSS)まで到達する。この正孔輸送層と2層目のバルクヘテロジャンクション層に含まれるn型半導体材料の準位の差は、一般的なn型半導体材料であるPCBMではおよそ0.7eVであり、ほぼPEDOT:PSS層からPCBMのLUMOに電子が注入されることは困難である。しかしこのLUMOを前記の範囲とした場合、PEDOT:PSS層から若干電子注入が可能となり、層間の電荷の滞留が改善され、光電変換効率および耐久性を改善することができる。他方でn型材料のLUMOを深くしすぎると、第2のバルクヘテロジャンクション層からの開放電圧および光電変換効率が低下するため好ましくない。より好ましくは、−4.5〜−4.6eVである。
他方、1層目のn型半導体材料のLUMO準位は逆に、前記滞留した電子が1層目のバルクヘテロジャンクション層へと逆流を防止するため、2層目のn型半導体材料のLUMOよりも高いことが好ましい。より好ましくは1層目のn型半導体材料のLUMO準位は、−4.0〜−4.2eVであることが好ましい。このような構成とすることで、中間電極からの電子の逆流を防止し、曲線因子を改善でき、光電変換効率および耐久性も良好なものとすることができる。なお−4.0eVよりも浅いn型半導体材料では、n型半導体材料が不安定となる傾向があるため好ましくない。
本発明においては、バルクヘテロジャンクション層のLUMO準位は、薄膜(固体)での値として比較する必要がある。
有機物の分光スペクトルは溶液状態と薄膜(固体)状態とでは分子間相互作用により異なる吸収端をもつことが知られているが、つまり溶液状態と薄膜状態とでは、同じ材料でもバンドギャップが異なっていることを示している。その結果、膜状態でのHOMOおよびLUMOも、溶液中で測定されるサイクリックボルタンメトリー(CV)などとは異なっていることを示しており、膜状態でこれらの準位を測定する手法で決定する必要がある。
薄膜状態でLUMOを測定する手法としては、一般に以下の2つの手法がある。
1つは間接的にLUMO準位を測定する方法で、薄膜状態でのHOMO準位とバンドギャップを測定し、その差分からLUMO準位を求める手法である。たとえば、薄膜状態のHOMO準位が−5.3eV、薄膜状態のバンドギャップが1.5eVと測定された場合、LUMO準位は−3.8eVと算出される。
なお薄膜状態のHOMOは、日本電子株式会社製光電子分光装置JPS−9200等にUPS光源を設置した、紫外光電子分光法(UPS)で測定することができる。また、薄膜状態のバンドギャップは等明基材状に形成した薄膜の吸収スペクトルを日立ハイテク社製分光高度計U−3300等を用いることにより測定することができる。
他方は直接薄膜状態のLUMO準位を測定する方法であり、逆光電子分光法(IPES)などと呼ばれる手法である。テックサイエンス社製PYS100、200等で測定することができる。
本発明においてはどちらでも適用することができるが、金属などの導体の仕事関数も光電子分光法で測定することができるため、光電子分光法を用いて間接的に求める手段を用いる方が複数の機器を使用することに起因する誤差を減らすことができるため、間接的手法で測定することが好ましい。
以下に、まず有機光電変換素子の構成と、それを複数積層したタンデム型の有機光電変換素子の層構成および効果について説明する。
(有機光電変換素子及び太陽電池の構成)
図1は、バルクヘテロジャンクション型の有機光電変換素子からなるシングル構成(バルクヘテロジャンクション層が1層の構成)の太陽電池の一例を示す断面図である。図1において、バルクヘテロジャンクション型の有機光電変換素子10は、基板11の一方面上に、陽極12、正孔輸送層17、バルクヘテロジャンクション層の光電変換部14、電子輸送層18及び陰極13が順次積層されている。
基板11は、順次積層された陽極12、光電変換部14及び陰極13を保持する部材である。本実施形態では、基板11側から光電変換される光が入射するので、基板11は、この光電変換される光を透過させることが可能な、すなわち、この光電変換すべき光の波長に対して透明な部材である。基板11は、例えば、ガラス基板や樹脂基板等が用いられる。この基板11は、必須ではなく、例えば、光電変換部14の両面に陽極12及び陰極13を形成することでバルクヘテロジャンクション型の有機光電変換素子10が構成されてもよい。
光電変換部14は、光エネルギーを電気エネルギーに変換する層であって、p型半導体材料とn型半導体材料とを一様に混合したバルクヘテロジャンクション層を有して構成される。p型半導体材料は、相対的に電子供与体(ドナー)として機能し、n型半導体材料は、相対的に電子受容体(アクセプタ)として機能する。ここで、電子供与体及び電子受容体は、“光を吸収した際に、電子供与体から電子受容体に電子が移動し、正孔と電子のペア(電荷分離状態)を形成する電子供与体及び電子受容体”であり、電極のように単に電子を供与あるいは受容するものではなく、光反応によって、電子を供与あるいは受容するものである。
図1において、基板11を介して陽極12から入射された光は、光電変換部14のバルクヘテロジャンクション層における電子受容体あるいは電子供与体で吸収され、電子供与体から電子受容体に電子が移動し、正孔と電子のペア(電荷分離状態)が形成される。発生した電荷は、内部電界、例えば、陽極12と陰極13の仕事関数が異なる場合では陽極12と陰極13との電位差によって、電子は、電子受容体間を通り、また正孔は、電子供与体間を通り、それぞれ異なる電極へ運ばれ、光電流が検出される。例えば、陽極12の仕事関数が陰極13の仕事関数よりも大きい場合では、電子は陽極12へ、正孔は陰極13へ輸送される。なお、仕事関数の大小が逆転すれば、電子と正孔はこれとは逆方向に輸送される。また、陽極12と陰極13との間に電位をかけることにより、電子と正孔の輸送方向を制御することもできる。
なお図1には記載していないが、正孔ブロック層、電子ブロック層、電子注入層、正孔注入層、あるいは平滑化層等の他の層を有していてもよい。
しかし、バルクヘテロジャンクション層が1層では、太陽光で利用できるスペクトル範囲も限られ、また有機物のキャリア輸送距離が無機物に比して短いことから、最適な膜厚は100〜300nm程度に限定されるため、入射した光の一部は透過または陰極で反射して行き、光電変換効率の向上は困難であった。
そこで本発明では、さらなる太陽光利用率(光電変換効率)の向上を目的として、このような光電変換素子を積層した、タンデム型の構成(バルクヘテロジャンクション層を複数有する構成)が好ましい。図2は、タンデム型のバルクヘテロジャンクション層を備える有機光電変換素子からなる太陽電池を示す断面図である。タンデム型構成の場合、基板11上に、順次陽極12、第1の光電変換部14′を積層した後、電荷再結合層15を積層した後、第2の光電変換部16、次いで陰極13を積層することで、タンデム型の構成とすることができる。第2の光電変換部16は、第1の光電変換部14′の吸収スペクトルと同じスペクトルを吸収する層でもよいし、異なるスペクトルを吸収する層でもよいが、タンデム型の有機光電変換素子では、複数の層の発電する電流量が異なった場合、最も発電電流の小さい素子に全電流量が制限されるため、同等の発電量をそれぞれのバルクヘテロジャンクション層を均一とするためには、好ましくは異なるスペクトルを吸収する層であることが好ましい。異なるスペクトルの組み合わせの例としては、例えば、第1のバルクヘテロジャンクション層が1.9evまでの太陽光を吸収し、第2のバルクヘテロジャンクション層は1.3eVまでの太陽光を吸収するような組み合わせ、あるいは第1のバルクヘテロジャンクション層が1.6evまでの太陽光を吸収し、第2のバルクヘテロジャンクション層は1.1eVまでの太陽光を吸収するような組み合わせ、などである。
以下、このような層構成・設計を可能とする材料について説明する。
〔n型半導体材料〕
本発明の有機光電変換素子においては、前述のように第1のバルクヘテロジャンクション層と第2のバルクヘテロジャンクション層に用いるn型半導体材料のLUMO準位を変化させることが特徴である。そのため、それぞれのバルクヘテロジャンクション層に適したn型半導体材料は異なっている。
〔第2のバルクヘテロジャンクション層用n型半導体材料〕
第2のバルクヘテロジャンクション層(長波領域を吸収するバルクヘテロジャンクション層)に適した膜状態でのLUMO準位は、前述のとおり−4.4〜−4.6eVの準位を有する材料である。さらには、p型半導体材料と効率よく電子移動できるn型半導体材料であることが好ましく、これは具体的にはp型半導体材料からの電子移動は速いがp型半導体材料への逆電子移動が遅い材料であり、実質的にはこのような特性を満たす化合物としてフラーレン誘導体であることが好ましい。
また、前述のように有機光電変換素子は低コストな太陽電池として期待されている面からも、塗布法によって形成できる材料であることが好ましく、すなわち溶解度も高いことが求められる。好ましくは有機溶媒に0.3〜10質量%溶解する材料であり、さらに好ましくは1.0〜3.0質量%溶解可能な材料であることが好ましい。
このような特性を満たす化合物としては、現在代表的に使用されるn型有機半導体材料であるフェニル−C60−酪酸メチルエステル(PCBM)のLUMO準位が−4.3eVであることから、これよりも深いLUMO準位を有する化合物を使用することが好ましい。
このように、PCBMよりも深いLUMO準位が可能となり、かつ高い溶解性を付与できる置換基として、フッ化アルキル基(Rf)を有する化合物が好ましい。すなわち、前記一般式(1)で表される化合物が好ましい。
一般式(1)において、フラーレン母核としては、フラーレンC60、フラーレンC70、フラーレンC76、フラーレンC78、フラーレンC84、フラーレンC240、フラーレンC540等が挙げられるが、合成の容易さからフラーレンC60及びC70が好ましく、中でもフラーレンC60が好ましい。
で表される電子吸引性置換基としては、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アリール基、ハロゲン化ヘテロアリール基、含窒素ヘテロアリール基、シアノ基、ニトロ基、カルボニル基、スルホニル基、ホスホリル基、アルキニル基等を挙げることができる。
これらの置換基を適宜組み合わせることで、前記所望するLUMO準位に設定することができるが、溶解性を考慮すると、Wはハロゲン化アルキル基であることが好ましい。さらに好ましくは、フッ化アルキル基(Rf)である。
フッ化アルキル基Rfとしては、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロn−プロピル基、ヘプタフルオロイソプロピル基、ヘキサフルオロイソプロピル基、テトラフルオロイソプロピル基、ノナフルオロn−ブチル基、パーフルオロn−ヘキシル基等を挙げることができる。
上記のように、アルキル基の全ての水素原子がフッ素原子で置換されている必要はないし、フッ素原子以外で置換されていても良いが、共役系連結基であるLと結合する炭素原子上には、少なくとも1つ以上のフッ素原子が置換していることが好ましい。このような構成とすることで、フラーレン化合物のLUMO準位Lnを所望の準位および溶解性とすることができる。
は、単結合、アリーレン基、ヘテロアリーレン基、アルケニレン基、アルキンジイル基等から選ばれる連結基である。このような連結基Lが直接フラーレン母核に結合しているか(p=0)、あるいは炭素原子1つ(p=1)を介して結合するような構造とすることで、W基およびRf基による電子吸引効果がフラーレン母核まで波及し、所定のLUMO準位とすることができる。pが2以上の場合には、W基およびRf基の有する電子吸引効果がフラーレン母核まで波及せず、n型半導体材料のLUMO準位Lnが所望する準位に到達しないことがあるため好ましくない。
およびRで表される1価の置換基としては、置換または無置換のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基またはアルキルシリル基を表す。R又はRがフラーレンとの単結合でも良い(フラーレン母核との間で環を形成しても良い)。pは0〜1の整数を表し、qおよびrは1〜5の整数を表す。
およびRで表されるアルキル基としては、好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜12、特に好ましくは炭素数1〜8であり、例えば、メチル、エチル、iso−プロピル、tert−ブチル、n−オクチル、n−デシル、n−ヘキサデシル、2−エチルヘキシルなどが挙げられる。
シクロアルキル基としては、好ましくは炭素数4〜8であり、例えば、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、ノルボルニル、アダマンチルなどが挙げられる。
アリール基としては、好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えば、フェニル、p−メチルフェニル、ナフチル、フェナントリル、ピレニルなどが挙げられる。
ヘテロアリール基としては、好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜12であり、ヘテロ原子としては、例えば、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、具体的には、例えば、イミダゾリル、ピリジル、キノリル、フリル、ピペリジル、ベンズオキサゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンズチアゾリル、チエニル、フリル、ピロール、チアゾリル等が挙げられる。
アルキルシリル基としては、好ましくは炭素数3〜15であり、例えば、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリイソプロピルシリル、トリシクロペンチル、トリス(トリメチルシリル)シリル等が挙げられる。
より好ましくは、前記一般式(2)で表される化合物である。
一般式(2)において、Rfは炭素数1〜20のフッ化アルキル基またはフッ化アリール基を表し、Lは単結合、アルケニレン基、アルキニレン基、アリーレン基、ヘテロアリーレン基から選ばれる2価の共役系連結基を表す。Rは1価の置換基を表す。qおよびrは1〜5の整数を表す。
で表される1価の置換基としては、前述のRおよびRと同様に、置換または無置換のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基またはアルキルシリル基であることが好ましい。
このような構造を有する化合物とすることで、前述の溶解性を満たすフラーレン誘導体とすることができる。
より好ましくは、2価の連結基Lがヘテロアリーレン基であることである。ヘテロアリーレン基とすることで、前述のLUMO準位および溶解性に適合したフラーレン誘導体とすることができる。ヘテロアリーレン基としては、チオフェン環、フラン環、ピロール環等の5員環、ピリジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、ピラジン環、1,2,4−トリアジン環等の含窒素芳香族6員環があるが、好ましくは含窒素芳香族六員環である。
本発明に係る、前記一般式(1)又は(2)で表される化合物の具体例としては下記の化合物を挙げることができる。
これらの化合物は、J.Org.Chem.,vol.60(1995),p532、Org.Lett.Vol.9(2007)、p551、Tetrahedron Letters;English;45(2004)、p1651などを参考として合成することができる。
〔第1のバルクヘテロジャンクション層用n型半導体材料〕
第1のバルクヘテロジャンクション層(短波領域を吸収するバルクヘテロジャンクション層)に適した膜状態でのLUMO準位は、前述の第2のバルクヘテロジャンクション層用のn型半導体材料の膜状態でのLUMOよりも0.1eV以上準位が浅いn型半導体材料に設定し、滞留した電子が逆方向に流れないように準位に差があれば良い。
より具体的には、−4.0〜−4.2eVの準位を有する材料である。−4.2eVより浅くすることで、有機光電変換素子の整流性が向上し、効率および耐久性が向上する。他方で−4.0eVより浅くすると、p型半導体材料からの電子移動が起こりにくくなり、光電変換効率が低下することがある。
また第2のバルクヘテロジャンクション層用n型半導体材料と同様に、有機溶媒に0.3〜10質量%溶解する材料であり、さらに好ましくは1.0〜3.0質量%溶解可能な材料であることが好ましい。
このような範囲にLUMO準位を有するp型半導体材料とするためには、第2のバルクヘテロジャンクション層用のn型半導体材料と逆に、電子供与性基によってLUMO準位を深くする方法の双方を併用しても良い。このような材料の傾向は、たとえばORGANIC LETTERS,2007,Vol.9,No.4,p551などに記載されているような、アルコキシ基・アルキルチオエーテル基・アルキルアミノ基等の電子供与基を有するフェニル基でフラーレンを置換された材料や、Adv.Mater.2008,vol.20,p2116および特開2006−56878などに記載されているような、フラーレン母核を複数の置換基で置換されたフラーレン誘導体を第1のバルクヘテロジャンクション層を構成するn型半導体材料としても良い。
〔p型半導体材料〕
本発明のバルクヘテロジャンクション層に用いられるp型半導体材料としては、種々の縮合多環芳香族低分子化合物や共役系ポリマーが挙げられるが、本発明のタンデム型有機光電変換素子には2種類以上のバルクヘテロジャンクション層を有しているため、それぞれの層に適したp型半導体材料を使用することが好ましい。
本発明のバルクヘテロジャンクション層に用いられるp型半導体材料としては、種々の縮合多環芳香族低分子化合物や共役系ポリマーが挙げられる。
縮合多環芳香族低分子化合物としては、例えば、アントラセン、テトラセン、ペンタセン、ヘキサセン、ヘプタセン、クリセン、ピセン、フルミネン、ピレン、ペロピレン、ペリレン、テリレン、クオテリレン、コロネン、オバレン、サーカムアントラセン、ビスアンテン、ゼスレン、ヘプタゼスレン、ピランスレン、ビオランテン、イソビオランテン、サーコビフェニル、アントラジチオフェン等の化合物、ポルフィリンや銅フタロシアニン、テトラチアフルバレン(TTF)−テトラシアノキノジメタン(TCNQ)錯体、ビスエチレンテトラチアフルバレン(BEDTTTF)−過塩素酸錯体、及びこれらの誘導体や前駆体が挙げられる。
また上記の縮合多環を有する誘導体の例としては、国際公開第03/16599号パンフレット、国際公開第03/28125号パンフレット、米国特許第6,690,029号明細書、特開2004−107216号公報等に記載の置換基をもったペンタセン誘導体、米国特許出願公開第2003/136964号明細書等に記載のペンタセンプレカーサ、J.Amer.Chem.Soc.,vol127.No14.4986、J.Amer.Chem.Soc.,vol.123、p9482、J.Amer.Chem.Soc.,vol.130(2008)、No.9、2706等に記載のトリアルキルシリルエチニル基で置換されたアセン系化合物等が挙げられる。
共役系ポリマーとしては、例えば、ポリ3−ヘキシルチオフェン(P3HT)等のポリチオフェン及びそのオリゴマー、またはTechnical Digest of the International PVSEC−17,Fukuoka,Japan,2007,P1225に記載の重合性基を有するようなポリチオフェン、Nature Material,(2006)vol.5,p328に記載のポリチオフェン−チエノチオフェン共重合体、WO2008000664に記載のポリチオフェン−ジケトピロロピロール共重合体、Adv.Mater,2007,p4160に記載のポリチオフェン−チアゾロチアゾール共重合体、Adv.Mater.,vol.19(2007)p2295に記載のポリチオフェン−カルバゾール−ベンゾチアジアゾール共重合体(PCDTBT)、Nature Mat.vol.6(2007),p497に記載のPCPDTBT等のようなポリチオフェン共重合体、ポリピロール及びそのオリゴマー、ポリアニリン、ポリフェニレン及びそのオリゴマー、ポリフェニレンビニレン及びそのオリゴマー、ポリチエニレンビニレン及びそのオリゴマー、ポリアセチレン、ポリジアセチレン、ポリシラン、ポリゲルマン等のσ共役系ポリマー、等のポリマー材料が挙げられる。
また、ポリマー材料ではなくオリゴマー材料としては、チオフェン6量体であるα−セクシチオフェンα,ω−ジヘキシル−α−セクシチオフェン、α,ω−ジヘキシル−α−キンケチオフェン、α,ω−ビス(3−ブトキシプロピル)−α−セクシチオフェン、等のオリゴマーが好適に用いることができる。
<第1のバルクヘテロジャンクション層用のp型材料>
第1のバルクヘテロジャンクション層は比較して短波領域を吸収する層であり、好ましくは350〜900nm程度の領域の光を吸収する層であることが好ましい。したがって、第1のバルクヘテロジャンクション層に用いられるp型半導体材料の吸収領域としても、350〜900nm程度の領域の光を吸収することが好ましい。350nmよりも短波な光は基材フィルムなどに有害であるため、基材自体に紫外線吸収機能を付与することが多く、これよりも短波な光は吸収することは実質的には必要でない。また、900nm以上の光を吸収すると、第2のバルクヘテロジャンクション層が利用できる光の帯域が少なくなるため、第2のバルクヘテロジャンクション層の発電電流が低下し、結果としてタンデム素子全体の発電電流も低下するため好ましくない。より好ましくは、380〜750nmの光を吸収するp型半導体材料である。したがって、このような範囲に吸収スペクトルを有する上記のp型材料であれば第1のバルクヘテロジャンクション層に用いることができるが、好ましくはポリ3−ヘキシルチオフェン(P3HT)等のポリチオフェン及びそのオリゴマー、ポリフェニレンビニレン及びそのオリゴマー、ポリチエニレンビニレン及びそのオリゴマー、Nature Material,(2006)vol.5,p328あるいはJACS2009xに記載のポリチオフェン−チエノチオフェン共重合体、Adv.Mater,2007,p4160に記載のポリチオフェン−チアゾロチアゾール共重合体,Adv.Mater.,vol.19(2007)p2295に記載のポリチオフェン−カルバゾール−ベンゾチアジアゾール共重合体(PCDTBT),ペンタセンまたはその誘導体、アントラジチオフェンおよびその誘導体、ポルフィリン、ベンゾポルフィリンまたはその誘導体、フタロシアニン誘導体であることが好ましい。
<第2のバルクヘテロジャンクション層用のp型材料>
第2のバルクヘテロジャンクション層は比較して長波領域を吸収する層であり、好ましくは350〜2000nm程度の領域の光を吸収する層であることが好ましい。したがって、第1のバルクヘテロジャンクション層に用いられるp型半導体材料の吸収領域としても、350〜2000nm程度の領域の光を吸収することが好ましい。350nmよりも短波な光は基材フィルムなどに有害であるため、基材自体に紫外線吸収機能を付与することが多く、これよりも短波な光は吸収することは実質的には必要でない。また、2000nm以上の光を吸収するp型材料は、バンドギャップが小さくなりすぎて起電力が低下し、タンデム化した際の発電効率の向上が見込めなくなるために好ましくない。より好ましくは、800〜1200nm(−1.5〜−1.0eV)の光を吸収するp型半導体材料である。
このような化合物であれば、制限なく本発明の有機光電変換素子に用いることができるが、これまでこのような既知の化合物は非常に少数であり、前述の非特許文献1、2および特許文献1,2に開示されているような、PCPDTBT(LUMO準位約−3.7eV、バンドギャップ1.5〜1.6eV)、APFO−Green1(LUMO準位約−4.3〜−4.4eV、バンドギャップ1.2〜1.3eV)、およびAdv.Mater.vol.20(2008),p255などに開示されているpBBTDPP2等(LUMO準位3.7〜3.8eV、バンドギャップ1.4eV)など、少数の材料に限られている。
なお起電力はp型半導体材料のHOMO準位とn型半導体材料のLUMO準位との差に関係するが、本発明においては第1のバルクヘテロジャンクション層のn型半導体材料のLUMO準位よりも深いLUMO準位を有するn型半導体材料を用いることが特徴であるため、一層第2のバルクヘテロジャンクション層の起電力は低下しやすい。
したがって、第2のバルクヘテロジャンクション層に用いるp型材料としても、HOMO準位の深い材料を用いることが好ましい。
しかし、本発明の第二のバルクヘテロジャンクション層に用いるようなLUMO準位の深いn型材料の場合、一層LUMO準位を深くする必要があるために、好ましくは前記一般式(3)で表される部分構造を有する化合物である。式中、Qは置換または無置換の炭素、窒素、酸素、珪素、リン、硫黄、ゲルマニウム原子から選ばれる少なくとも1種を表す。Z1は置換または無置換の含窒素芳香族6員環を表し、Z2は置換または無置換の芳香族炭化水素環または芳香族複素環を表す。
含窒素芳香族6員環とは、具体的にはピリジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、ピラジン環、1,2,4−トリアジン環等を表す。
このような部分構造を有する化合物、特にQで表される原子が置換または無置換の窒素原子である構造は、例えばWO2004−095889号パンフレットに開示されているように有機EL素子において電子輸送材料(正孔阻止材料)に用いられることなどからも、深いHOMO準位を有して第2のバルクヘテロジャンクション層のp型材料として好ましいことがわかる。
より好ましくは、前記一般式(4)で表される部分構造を有するp型半導体材料である。
中でもX〜X、X〜Xのいずれか一つずつが窒素原子である化合物、つまり時アザカルバゾール構造が効果的にp型材料のHOMO準位を深くすることができ、好ましい。中でも窒素が置換する位置としてはXおよびX、あるいはXおよびXであることが好ましい。
以下、本発明の一般式(3)〜(4)で表される部分構造を有する化合物の具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されない。
本発明の一般式(3)又は(4)で表される部分構造を有する化合物は、前記特許文献1および2、非特許文献3、Tetrahedron vol.51,No.44(1995)、p12127、WO2004−095889号パンフレット等を参考として合成することができる。
〔バルクヘテロジャンクション層の形成方法〕
電子受容体と電子供与体とが混合されたバルクヘテロジャンクション層の形成方法としては、蒸着法、塗布法(キャスト法、スピンコート法を含む)等を例示することができる。このうち、前述の正孔と電子が電荷分離する界面の面積を増大させ、高い光電変換効率を有する素子を作製するためには、塗布法が好ましい。また塗布法は、製造速度にも優れている。
塗布後は残留溶媒及び水分、ガスの除去、及び半導体材料の結晶化による移動度向上・吸収長波化を引き起こすために加熱を行うことが好ましい。製造工程中において所定の温度でアニール処理されると、微視的に一部が凝集または結晶化が促進され、バルクヘテロジャンクション層を適切な相分離構造とすることができる。その結果、バルクヘテロジャンクション層のキャリア移動度が向上し、高い効率を得ることができるようになる。
光電変換部(バルクヘテロジャンクション層)14は、電子受容体と電子供与体とが均一に混在された単一層で構成してもよいが、電子受容体と電子供与体との混合比を変えた複数層で構成してもよい。
次に、有機光電変換素子を構成する電極について説明する。
有機光電変換素子は、バルクヘテロジャンクション層で生成した正電荷と負電荷とが、それぞれp型有機半導体材料、およびn型有機半導体材料を経由して、それぞれ陽極および陰極から取り出され、電池として機能するものである。それぞれの電極には、電極を通過するキャリアに適した特性が求められる。
〔陰極〕
本発明において陰極とは、電子を取り出す電極のことを意味する。例えば、陰極として用いる場合、導電材単独層であってもよいが、導電性を有する材料に加えて、これらを保持する樹脂を併用してもよい。
陰極材料としては、十分な導電性を有し、かつ前記n型半導体材料と接合したときにショットキーバリアを形成しない程度に近い仕事関数を有し、かつ劣化しないことが求められる。つまりバルクヘテロジャンクション層に用いるn型半導体材料のLUMOよりも0〜0、3eV深い仕事関数を有する金属であることが好ましく、本発明の第2のバルクヘテロジャンクション層に用いられるn型半導体材料の好ましいLUMO準位が、−4.3〜−4.6eVであることから、−4.3〜−4.9eVの仕事関数であることが好ましい。他方で正孔を取り出す陽極(透明電極)より仕事関数が深くなることは好ましくなく、n型半導体材料より浅い仕事関数の金属では層間抵抗が発生することがあるため、実際には−4.4〜−4.8eVの仕事関数を有する金属であることが好ましい。したがって、アルミニウム、金、銀、銅、インジウム、あるいは酸化亜鉛、ITO、酸化チタン等の酸化物系の材料でも好ましい。より好ましくは、アルミニウム、銀、銅であり、さらに好ましくは銀である。
なおこれらの金属の仕事関数は、同様に紫外光電子分光法(UPS)を利用して測定することができる。
なお、必要に応じて合金にしても良く、例えば、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al)混合物、リチウム/アルミニウム混合物、アルミニウム等が好適である。陰極はこれらの電極物質を蒸着やスパッタリング等の方法により薄膜を形成させることにより、作製することができる。また、膜厚は通常10nm〜5μm、好ましくは50〜200nmの範囲で選ばれる。
また、陰極側を光透過性とする場合は、例えば、アルミニウム及びアルミニウム合金、銀及び銀化合物等の陰極に適した導電性材料を薄く1〜20nm程度の膜厚で作製した後、導電性光透過性材料の膜を設けることで、光透過性陰極とすることができる。
〔陽極〕
本発明において陽極とは、正孔を取り出す電極のことを意味する。例えば、陽極として用いる場合、好ましくは380〜800nmの光を透過する電極である。材料としては、例えば、インジウムチンオキシド(ITO)、SnO、ZnO等の透明導電性金属酸化物、金、銀、白金等の金属薄膜、金属ナノワイヤー、カーボンナノチューブ用いることができる。
また、ポリピロール、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリチエニレンビニレン、ポリアズレン、ポリイソチアナフテン、ポリカルバゾール、ポリアセチレン、ポリフェニレン、ポリフェニレンビニレン、ポリアセン、ポリフェニルアセチレン、ポリジアセチレン及びポリナフタレンの各誘導体からなる群より選ばれる導電性高分子等も用いることができる。また、これらの導電性化合物を複数組み合わせて陽極とすることもできる。
〔中間電極〕
また、タンデム構成の場合に必要となる中間電極の材料としては、透明性と導電性を併せ持つ化合物を用いた層であることが好ましく、前記陽極で用いたような材料(ITO、AZO、FTO、酸化チタン等の透明金属酸化物、Ag、Al、Au等の非常に薄い金属層またはナノ粒子・ナノワイヤーを含有する層、PEDOT:PSS、ポリアニリン等の導電性高分子材料等)を用いることができる。
なお前述した正孔輸送層と電子輸送層の中には、適切に組み合わせて積層することで中間電極(電荷再結合層)として働く組み合わせもあり、このような構成とすると1層形成する工程を省くことができ好ましい。
次に、電極およびバルクヘテロジャンクション層以外を構成する材料について述べる。
〔正孔輸送層・電子ブロック層〕
本発明の有機光電変換素子10は、バルクヘテロジャンクション層と陽極との中間には正孔輸送層17を、バルクヘテロジャンクション層で発生した電荷をより効率的に取り出すことが可能となるため、これらの層を有していることが好ましい。
これらの層を構成する材料としては、例えば、正孔輸送層17としては、スタルクヴイテック社製、商品名BaytronP等のPEDOT、ポリアニリン及びそのドープ材料、WO2006019270号パンフレット等に記載のシアン化合物、等を用いることができる。なお、バルクヘテロジャンクション層に用いられるn型半導体材料のLUMO準位よりも浅いLUMO準位を有する正孔輸送層には、バルクヘテロジャンクション層で生成した電子を陽極側には流さないような整流効果を有する、電子ブロック機能が付与される。このような正孔輸送層は、電子ブロック層とも呼ばれ、このような機能を有する正孔輸送層を使用するほうが好ましい。このような材料としては、特開平5−271166号公報等に記載のトリアリールアミン系化合物、また酸化モリブデン、酸化ニッケル、酸化タングステン等の金属酸化物等を用いることができる。また、バルクヘテロジャンクション層に用いたp型半導体材料単体からなる層を用いることもできる。これらの層を形成する手段としては、真空蒸着法、溶液塗布法のいずれであってもよいが、好ましくは溶液塗布法である。バルクヘテロジャンクション層を形成する前に、下層に塗布膜を形成すると塗布面をレベリングする効果があり、リーク等の影響が低減するため好ましい。
〔電子輸送層・正孔ブロック層〕
本発明の有機光電変換素子10は、バルクヘテロジャンクション層と陰極との中間には電子輸送層18を形成することで、バルクヘテロジャンクション層で発生した電荷をより効率的に取り出すことが可能となるため、これらの層を有していることが好ましい。
また電子輸送層18としては、オクタアザポルフィリン、p型半導体のパーフルオロ体(パーフルオロペンタセンやパーフルオロフタロシアニン等)を用いることができるが、同様に、バルクヘテロジャンクション層に用いられるp型半導体材料のHOMO準位よりも深いHOMO準位を有する電子輸送層には、バルクヘテロジャンクション層で生成した正孔を陰極側には流さないような整流効果を有する、正孔ブロック機能が付与される。このような電子輸送層は、正孔ブロック層とも呼ばれ、このような機能を有する電子輸送層を使用するほうが好ましい。このような材料としては、バソキュプロイン等のフェナントレン系化合物、ナフタレンテトラカルボン酸無水物、ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド、ペリレンテトラカルボン酸無水物、ペリレンテトラカルボン酸ジイミド等のn型半導体材料、及び酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ガリウム等のn型無機酸化物及びフッ化リチウム、フッ化ナトリウム、フッ化セシウム等のアルカリ金属化合物等を用いることができる。また、バルクヘテロジャンクション層に用いたn型半導体材料単体からなる層を用いることもできる。これらの層を形成する手段としては、真空蒸着法、溶液塗布法のいずれであってもよいが、好ましくは溶液塗布法である。
〔その他の層〕
エネルギー変換効率の向上や、素子寿命の向上を目的に、各種中間層を素子内に有する構成としてもよい。中間層の例としては、正孔ブロック層、電子ブロック層、正孔注入層、電子注入層、励起子ブロック層、UV吸収層、光反射層、波長変換層等を挙げることができる。
〔基板〕
基板側から光電変換される光が入射する場合、基板はこの光電変換される光を透過させることが可能な、即ちこの光電変換すべき光の波長に対して透明な部材であることが好ましい。基板は、例えば、ガラス基板や樹脂基板等が好適に挙げられるが、軽量性と柔軟性の観点から透明樹脂フィルムを用いることが望ましい。本発明で透明基板として好ましく用いることができる透明樹脂フィルムには特に制限がなく、その材料、形状、構造、厚み等については公知のものの中から適宜選択することができる。例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)変性ポリエステル等のポリエステル系樹脂フィルム、ポリエチレン(PE)樹脂フィルム、ポリプロピレン(PP)樹脂フィルム、ポリスチレン樹脂フィルム、環状オレフィン系樹脂等のポリオレフィン類樹脂フィルム、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のビニル系樹脂フィルム、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂フィルム、ポリサルホン(PSF)樹脂フィルム、ポリエーテルサルホン(PES)樹脂フィルム、ポリカーボネート(PC)樹脂フィルム、ポリアミド樹脂フィルム、ポリイミド樹脂フィルム、アクリル樹脂フィルム、トリアセチルセルロース(TAC)樹脂フィルム等を挙げることができるが、可視域の波長(380〜800nm)における透過率が80%以上である樹脂フィルムであれば、本発明に係る透明樹脂フィルムに好ましく適用することができる。中でも透明性、耐熱性、取り扱いやすさ、強度及びコストの点から、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、二軸延伸ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリエーテルサルホンフィルム、ポリカーボネートフィルムであることが好ましく、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、二軸延伸ポリエチレンナフタレートフィルムであることがより好ましい。
本発明に用いられる透明基板には、塗布液の濡れ性や接着性を確保するために、表面処理を施すことや易接着層を設けることができる。表面処理や易接着層については従来公知の技術を使用できる。例えば、表面処理としては、コロナ放電処理、火炎処理、紫外線処理、高周波処理、グロー放電処理、活性プラズマ処理、レーザー処理等の表面活性化処理を挙げることができる。また、易接着層としては、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ビニル系共重合体、ブタジエン系共重合体、アクリル系共重合体、ビニリデン系共重合体、エポキシ系共重合体等を挙げることができる。
また、酸素及び水蒸気の透過を抑制する目的で、透明基板にはバリアコート層が予め形成されていてもよい。
〔光学機能層〕
本発明の有機光電変換素子は、太陽光のより効率的な受光を目的として、各種の光学機能層を有していてよい。光学機能層としては、たとえば、反射防止膜、マイクロレンズアレイ等の集光層、陰極で反射した光を散乱させて再度バルクヘテロジャンクション層に入射させることができるような光拡散層等を設けてもよい。
反射防止層としては、各種公知の反射防止層を設けることができるが、例えば、透明樹脂フィルムが二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムである場合は、フィルムに隣接する易接着層の屈折率を1.57〜1.63とすることで、フィルム基板と易接着層との界面反射を低減して透過率を向上させることができるのでより好ましい。屈折率を調整する方法としては、酸化スズゾルや酸化セリウムゾル等の比較的屈折率の高い酸化物ゾルとバインダー樹脂との比率を適宜調整して塗設することで実施できる。易接着層は単層でもよいが、接着性を向上させるためには2層以上の構成にしてもよい。
集光層としては、例えば、支持基板の太陽光受光側にマイクロレンズアレイ上の構造を設けるように加工したり、あるいは所謂集光シートと組み合わせたりすることにより特定方向からの受光量を高めたり、逆に太陽光の入射角度依存性を低減することができる。
マイクロレンズアレイの例としては、基板の光取り出し側に一辺が30μmでその頂角が90度となるような四角錐を2次元に配列する。一辺は10〜100μmが好ましい。これより小さくなると回折の効果が発生して色付き、大きすぎると厚みが厚くなり好ましくない。
また光散乱層としては、各種のアンチグレア層、金属または各種無機酸化物等のナノ粒子・ナノワイヤー等を無色透明なポリマーに分散した層等を挙げることができる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
第1のバルクヘテロジャンクション層用のp型材料としては、Plextronics製Plexcore OS2100(P3HT)を使用した。またn型材料としては、PCBMまたはbis−PCBM(JOC1995p532に基づいて合成)、Ph5C60(Journal of Organometallic Chemistry、v599(2000)、p32に基づいて合成)を使用した。
第2のバルクヘテロジャンクション層用のp型材料としては、PCPDTBTはMacromolecules 2007, 40, 1981に基づいて合成し、またAPFO−Green1はAPPLIED PHYSICS LETTERS VOLUME 85,(2004)、p5081を参考として合成した。
また、第2のバルクヘテロジャンクション層に用いるLUMO準位の異なるn型半導体材料として、以下の5種の化合物を用意した。
PCBMはフロンティアカーボン製nanom spectra E100を購入して使用した。BTPXは、Tetrahedron Letters;English;45;8;2004;1651に基づいて合成した。
なおこれらの化合物のHOMO準位、LUMO準位の測定は、ITO上に単体膜をスピンコートした薄膜のUPSを測定することで膜のHOMO準位を測定し、さらに薄膜の吸収末端を分光吸収測定を用いて測定することでバンドギャップを測定し、前記HOMO準位とバンドギャップの値からLUMO準位を算出した。
(タンデム型有機光電変換素子1の作製)
PEN基板上に、インジウム・スズ酸化物(ITO)透明導電膜を150nm堆積したものを、通常のフォトリソグラフィ技術と塩酸エッチングとを用いて2mm幅にパターニングして、陽極(陽極)を形成した。
パターン形成した陽極を、界面活性剤と超純水による超音波洗浄、超純水による超音波洗浄の順で洗浄後、窒素ブローで乾燥させ、最後に紫外線オゾン洗浄を行った。
この透明基板上に、導電性高分子であるBaytron P4083(スタルクヴィテック社製)を30nmの膜厚となるようにスピンコートした後、140℃で大気中10分間加熱乾燥した。
次に、基板をグローブボックス中に持ち込み、窒素雰囲気下で作業した。まず、窒素雰囲気下で上記基板を再度140℃で10分間加熱処理した。
p型半導体材料として、前記p型材料Plexcore OS2100を1.0質量%(pn比5:4)、n型半導体材料として前記PCBMを0.8質量%をクロロベンゼンに溶解した液を作製し、0.45μmのフィルターでろ過しながら700rpmで60秒、次いで2200rpmで1秒間のスピンコートを行い、140℃で10分焼成した。
次に、エタノールにTi−イソプロポキシドを0.05mol/lになるように溶解した液を調製し、マスキングした後、膜厚20nmになるように塗布を行い、水蒸気量を約1%に調節した窒素中放置することで、電子輸送層として酸化チタン層を成膜した。
その後、再度Baytron P4083を30nmの膜厚となるようにスピンコートした後、140℃で大気中10分間加熱乾燥した。
再度、基板をグローブボックス中に持ち込み、窒素雰囲気下で作業した。まず、窒素雰囲気下で上記基板を再度140℃で10分間加熱処理した。
次いで第2のバルクヘテロジャンクション層として、PCPDTBTを0.7%、PCBMを2.5%をクロロベンゼンに溶解した液を作製し、0.45μmのフィルターでろ過しながら2500rpmで60秒のスピンコートを行い、140℃で10分焼成した。
次に、上記一連の有機層を成膜した基板を大気に晒すことなく真空蒸着装置内に設置した。2mm幅のシャドウマスクが透明電極と直交するように素子をセットし、10−3Pa以下にまで真空蒸着機内を減圧した後、フッ化リチウムを0.6nm、銀を100nm蒸着した。最後に120℃で30分間の加熱を行い、比較の有機光電変換素子1を得た。なお蒸着速度は2nm/秒で、2mm角のサイズとした。
得られた有機光電変換素子1は、窒素雰囲気下で2枚の凸版印刷製透明バリアフィルムGX(水蒸気透過率0.05g/m/d)の間に挟みこみ、UV硬化樹脂(ナガセケムテックス株式会社製、UV RESIN XNR5570−B1)を用いて封止を行った後に大気下に取り出した。
(タンデム型有機光電変換素子2〜9の作製)
比較の有機光電変換素子1の作製において、それぞれ表1に記載のp型半導体材料およびn型半導体材料を使用した以外は同様にして、タンデム型有機光電変換素子2〜9を作製した。
(有機光電変換素子の評価)
(光電変換効率)
上記で得られた有機光電変換素子に、ソーラシュミレーター(AM1.5G)の光を100mW/cmの強度で照射して、電圧−電流特性を測定し、開放電圧、および光電変換効率を求めた。
〔耐久性〕
上記で得られた封止済みの有機光電変換素子を、電気的には負荷に接続した状態のままで1000mW/cmの光量下に置き、初期の光電変換効率を100%とした場合に、初期効率が20%低下する時間(初期変換効率が80%となる時間)をLT80として評価した。
評価の結果を表1に示す。
表1から、0.4≧LUMO(n1)−LUMO(n2)≧0.1を満たす本発明の有機光電変換素子が、効率および耐久性に優れることがわかる。またn型半導体材料として、フッ化アルキル基を有する化合物で高い効率と耐久性が得られていることがわかる。また、p型半導体材料としては、本発明の縮環構造を有する化合物で優れた特性が得られていることがわかる。
10 バルクヘテロジャンクション型の有機光電変換素子
11 基板
12 陽極
13 陰極
14 光電変換部(バルクヘテロジャンクション層)
14′ 第1の光電変換部
15 電荷再結合層
16 第2の光電変換部
17 正孔輸送層
18 電子輸送層

Claims (8)

  1. 少なくとも第1の電極、第2の電極、およびp型有機半導体材料とn型有機半導体材料からなるバルクヘテロジャンクション層を複数有するタンデム型の有機光電変換素子であって、前記バルクヘテロジャンクション層は、380〜750nmの光を吸収する第1のバルクヘテロジャンクション層および800〜1200nmの光を吸収する第2のバルクヘテロジャンクション層を含み、第1のバルクヘテロジャンクション層のn型半導体の膜状態でのLUMO準位LUMO(n1)と第2のバルクヘテロジャンクション層のn型半導体の膜状態でのLUMO準位LUMO(n2)が以下の式(1)を満たし、
    式(1) 0.4eV≧LUMO(n1)−LUMO(n2)≧0.1eV
    前記第1のバルクヘテロジャンクション層を構成するn型半導体材料が、フラーレン母核を複数の置換基で置換されたフラーレン誘導体であることを特徴とする、タンデム型有機光電変換素子。
  2. 前記第1のバルクヘテロジャンクション層のn型半導体の準位LUMO(n1)が下記式(3)を満たすことを特徴とする、請求項1に記載のタンデム型有機光電変換素子。
    式(3) −4.0eV≧LUMO(n1)≧−4.2eV
  3. 前記フラーレン母核が、フラーレンC60である、請求項1または2に記載のタンデム型有機光電変換素子。
  4. 前記第1のバルクヘテロジャンクション層を構成するn型半導体材料が、フラーレン母核を二つの置換基で置換されたフラーレン誘導体であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のタンデム型有機光電変換素子。
  5. 前記第1のバルクヘテロジャンクション層を構成するn型半導体材料が、bis−PCBMであることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載のタンデム型有機光電変換素子。
  6. 前記第2のバルクヘテロジャンクション層に含まれるp型半導体材料のバンドギャップが、1.5〜1.0eVであることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載のタンデム型有機光電変換素子。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のタンデム型有機光電変換素子の製造方法であって、前記複数のバルクヘテロジャンクション層を、いずれも塗布法によって形成することを特徴とする、タンデム型有機光電変換素子の製造方法。
  8. 請求項1〜のいずれか1項に記載のタンデム型有機光電変換素子を有することを特徴とする、太陽電池。
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